JP2000250476A - 画像表示装置、電子線発生装置およびそれらの駆動方法 - Google Patents

画像表示装置、電子線発生装置およびそれらの駆動方法

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JP2000250476A
JP2000250476A JP11050131A JP5013199A JP2000250476A JP 2000250476 A JP2000250476 A JP 2000250476A JP 11050131 A JP11050131 A JP 11050131A JP 5013199 A JP5013199 A JP 5013199A JP 2000250476 A JP2000250476 A JP 2000250476A
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wiring
charging voltage
pulse
electron
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Osamu Sagano
治 嵯峨野
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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 寄生容量による応答速度の低下を防止し、応
答速度を向上させる。 【解決手段】 複数の表示素子または冷陰極素子および
これらをマトリクス状に接続する行配線および列配線を
有する表示パネル1またはマルチ電子源と、行配線を介
して表示素子または冷陰極素子に選択パルスを供給する
走査手段2と、列配線を介して表示素子または冷陰極素
子に変調パルスを供給する変調手段8、10とを備えた
画像表示装置または電子線発生装置において、変調手段
は、変調パルスとして電流パルスを供給する電流パルス
供給手段10と、電流パルスの立ち上がりに同期して寄
生容量を充電するための充電電圧を列配線に印加する充
電電圧印加手段30とを備え、この充電電圧印加手段が
印加する電圧の電圧値は、列配線の位置によって異な
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の画像表示素
子をマトリクス配線した表示パネルを備える画像表示装
置、冷陰極素子をマトリクス配線したマルチ電子源を備
える電子線発生装置およびこれらの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱陰極素子と
冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰極素
子としては、表面伝導型放出素子、電解放出型素子(以
下、FE型と記す)、金属/絶縁層/金属型放出素子
(以下MIM型と記す)等が知られている。表面伝導型
放出素子としては、たとえば、M.I.Elinso
n,Radio Eng.Electron Phy
s.,10,1290,(1965)や、後述する他の
例が知られている。表面伝導型放出素子は、基板上に形
成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すこと
により電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型放出素子としては、前記エリンソン等によ
るSnO2薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるも
の(G.Dittmer:“Thin Solid F
ilms”,9,317(1972))、In23/S
nO2薄膜によるもの(M.Hartwell and
C.G.Fonstad:“IEEE Trans.
ED Conf.”,519(1975))、カーボン
薄膜によるもの(荒木久 他:真空、第26巻、第1
号、22(1983))等が報告されている。
【0003】図26は、これらの表面伝導型放出素子の
素子構成の典型的な例として、前述のM.Hartwe
llらによる素子を示す平面図である。同図において、
3001は基板であり、3004はスパッタで形成され
た金属酸化物よりなる導電性薄膜である。導電性薄膜3
004は図示のようにH字形の平面形状に形成されてい
る。導電性薄膜3004に後述の通電フォーミングと呼
ばれる通電処理を施すことにより、電子放出部3005
が形成される。図中の間隔Lは0.5〜1(mm)、W
は0.1(mm)で設定されている。なお、図示の便宜
から、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央
に矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、
実際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわ
けではない。
【0004】M.Hartwellらによる素子をはじ
めとして、上述の表面伝導型放出素子においては、電子
放出を行う前に導電性薄膜3004に通電フォーミング
と呼ばれる通電処理を施すことにより電子放出部300
5を形成するのが一般的である。通電フォーミングと
は、導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、もし
くは、例えば1(V/分)程度の非常にゆっくりとした
レートで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄
膜3004を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、
電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形成する
ことである。なお局所的に破壊、変形もしくは変質した
導電性薄膜3004の一部には、亀裂が発生する。前記
通電フォーミング後に導電性薄膜3004に適宜の電圧
を印加した場合には、前記亀裂付近において電子放出が
行われる。
【0005】FE型の例としては、たとえば、W.P.
Dyke&W.W.Dolan,“Field emi
ssion”,Advance in Electro
nPhysics,8,89(1956)、C.A.S
pindt,“Physical propertie
s of thin−film field emis
sion cathodes with molybd
enum cones”,J.Appl.Phys.,
47,5248(1976)などが知られている。FE
型の素子構成の典型的な例として、図27に前述のC.
A.Spindtらによる素子の断面図を示す。同図に
おいて、3010は基板であり、3011は導電材料よ
りなるエミッタ配線、3012はエミッタコーン、30
13は絶縁層、3014はゲート電極である。本素子
は、エミッタコーン3012とゲート電極3014の間
に適宜の電圧を印加することにより、エミッタコーン3
012の先端部より電界放出を起こさせるものである。
また、FE型の他の素子構成として、図27のような積
層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ平行にエミッ
タとゲート電極を配置した例もある。
【0006】MIM型の例としては、たとえば、C.
A.Mead,“Operationof tunne
l−emission Devices,J.App
l.Phys.,32,646(1961)などが知ら
れている。MIM型の素子構成の典型的な例を図28に
示す。同図は断面図であり、図において、3020は基
板、3021は金属よりなる下電極、3022は厚さ1
00(Å)程度の薄い絶縁層、3023は厚さ80〜3
00(Å)程度の金属よりなる上電極である。MIM型
においては、上電極3023と下電極3021の間に適
宜の電圧を印加することにより、上電極3023の表面
より電子放出を起こさせるものである。
【0007】上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較し
て低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒー
タを必要としない。したがって、熱陰極素子よりも構造
が単純であり、微細な素子を作成可能である。また、基
板上に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱溶
融などの問題が発生しにくい。また、熱陰極素子がヒー
タの加熱により動作するために応答速度が遅いのとは異
なり、冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利点
もある。このため、冷陰極素子を応用するための研究が
盛んに行われてきている。
【0008】たとえば、表面伝導型放出素子は、冷陰極
素子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であること
から、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点があ
る。そこで、たとえば本出願人による特開昭64−31
332号公報において開示されるように、多数の素子を
配列して駆動するための方法が研究されている。また表
面伝導型放出素子の応用については、たとえば、画像表
示装置、画像記録装置などの画像形成装置や、荷電ビー
ム源、等が研究されている。特に、画像表示装置への応
用としては、本出願人によるUSP5,066,88
3、特開平2−257551号公報、特開平4−281
37号公報等において開示されているように、表面伝導
型放出素子と電子ビームの照射により発光する蛍光体と
を組み合わせて用いた画像表示装置が研究されている。
表面伝導型放出素子と蛍光体とを組み合わせて用いた画
像表示装置は、従来の他の方式の画像表示装置よりも優
れた特性が期待されている。たとえば、近年普及してき
た液晶表示装置と比較しても、自発光型であるためにバ
ックライトを必要としない点や、視野角が広い点が優れ
ていると言える。
【0009】また、FE型を多数個ならべて駆動する方
法は、たとえば本出願人による米国特許4,904,8
95に開示されている。また、FE型を画像表示装置に
応用した例として、たとえば、R.Meyerらにより
報告された平板型表示装置が知られている(R.Mey
er:“Recent DevelopmentonM
icrotips Display at LET
I”,Tech.Digest of 4th In
t.Vacuun Microelele−ctron
ics Conf.,Nagahama,pp.6〜9
(1991))。またMIM型を多数個並べて画像表示
装置に応用した例は、たとえば本出願人による特開平3
−55738号公報に開示されている。
【0010】さらに、電子放出素子以外の素子を用いた
画像表示装置として、EL(エレクトロルミネッセン
ス)素子を用いたものが、たとえば特開平09−281
928号公報において開示されている。
【0011】発明者らは、上記従来技術に記載したもの
をはじめとして、さまざまな材料、製法、構造の電子放
出素子等を試みてきた。さらに、多数の電子放出素子を
配列したマルチ電子ビーム源、ならびにこのマルチ電子
源を応用した画像表示装置について研究を行ってきた。
発明者らは、たとえば図29に示す電気的な配線方法に
よるマルチ電子ビーム源を試みてきた。すなわち、電子
放出素子を2次元的に多数個配列し、これらの素子を図
示のようにマトリクス状に配線したマルチ電子ビーム源
である。図中、4001は電子放出素子を模式的に示し
たもの、4002は行配線、4003は列配線である。
行配線4002および列配線4003は実際には有限の
電気抵抗を有するものであるが、図においては配線抵抗
4004および4005として示されている。上述のよ
うな配線方法を、単純マトリクス配線と呼ぶ。なお、図
示の便宜上、6×6のマトリクスで示しているが、マト
リクスの規模はむろんこれに限ったわけではなく、たと
えば画像表示装置用のマルチ電子ビーム源の場合には、
所望の画像表示を行うのに足りるだけの素子を配列し配
線するものである。
【0012】この電子放出素子を単純マトリクス配線し
たマルチ電子ビーム源においては、所望の電子ビームを
出力させるため、行配線4002および列配線4003
に適宜の電気信号を印加する。たとえば、マトリクスの
中の任意の1行の電子放出素子を駆動するには、選択す
る行の行配線4002には選択電圧Vsを印加し、同時
に非選択の行の行配線4002には非選択電圧Vnsを
印加する。これと同期して列配線4003に電子ビーム
を出力するための駆動電圧Veを印加する。この方法に
よれば、配線抵抗4004および4005による電圧降
下を無視すれば、選択する行の電子放出素子には、Ve
−Vsの電圧が印加され、また非選択行の電子放出素子
にはVe−Vnsの電圧が印加される。Ve、Vs、V
nsを適宜の大きさの電圧にすれば、選択する行の電子
放出素子だけから所望の強度の電子ビームが出力される
はずであり、また列配線の各々に異なる駆動電圧Veを
印加すれば、選択する行の素子の各々から異なる強度の
電子ビームが出力されるはずである。また、冷陰極素子
の応答速度は高速であるため、駆動電圧Veを印加する
時間の長さを変えれば、電子ビームが出力される時間の
長さも変えることができるはずである。したがって、電
子放出素子を単純マトリクス配線したマルチ電子ビーム
源にはいろいろな用途が考えられており、たとえば画像
情報に応じた電圧信号を適宜印加すれば、画像表示装置
用の電子源として応用できるものと期待される。
【0013】しかしながら、実際に電圧源をマルチ電子
ビーム源に接続し前記の電圧印加方法で駆動した場合に
は、配線抵抗で電圧降下が発生するために各電子放出素
子に実効的に印加される電圧がばらつくという問題が発
生している。各素子に印加される電圧がばらつく原因と
して、まず第1に、単純マトリクス配線では各電子放出
素子ごとに配線長が異なる(すなわち、配線抵抗の大き
さが素子ごとに異なる)ことが挙げられる。第2に、行
配線の各部分の配線抵抗4004で発生する電圧降下の
大きさが一様でないことが挙げられる。これは、選択す
る行の行配線から当該行に接続された各電子放出素子に
電流が分岐して流れるため、配線抵抗4004の各々に
流れる電流の大きさが一様でないために起こるものであ
る。第3に、駆動するパターン(画像表示装置の場合に
は表示する画像パターン)によって配線抵抗で生じる電
圧降下の大きさが変化することが挙げられる。これは、
駆動するパターンによって、配線抵抗に流れる電流が変
化するために起きるものである。
【0014】以上のような原因により、各電子放出素子
に印加される電圧にばらつきが発生すると、各電子放出
素子から出力される電子ビーム強度が所望の値からずれ
ることになり、応用上不都合である。たとえば、画像表
示装置に応用した場合には、表示画像の輝度が不均一に
なったり、表示画像パターンによって輝度が変動したり
する。また、電圧のばらつきは単純マトリクスの規模が
大きくなるほど顕著になる傾向があるため、画像表示装
置の場合には画素数を制限する要因ともなる。このよう
な点に鑑みて鋭意研究した結果、本発明者らは上記の電
圧印加方法とは異なる駆動方法をすでに試みている。す
なわち、電子放出素子を単純マトリクス配線したマルチ
電子ビームを駆動する際、列配線には駆動電圧Veを印
加するための電圧源を接続するのではなく、所望の電子
ビームを出力するのに必要な電流を供給するための電流
源を接続して駆動する方法である。この方法は、素子電
流Ifの大きさを制御することにより放出電流Ieの大
きさを制御するものである。つまり、電子放出素子の
(素子電流If)対(放出電流Ie)特性を参照して各
電子放出素子に流す素子電流Ifの大きさを決定し、列
方向配線に接続した電流源からこれを供給するのであ
る。具体的には、(素子電流If)対(放出電流Ie)
特性を記憶させたメモリ、流すべき素子電流Ifを決定
するための演算器、制御電流等の電気回路を組合わせる
ことにより駆動回路を構成すればよい。このうち制御電
流源には、流すべき素子電流Ifの大きさを一旦電圧信
号にした後、電圧/電流変換回路で電流に変換するよう
な回路形式を用いても良い。この方法によれば、前述の
電圧源を接続して駆動する方法と比較して、配線抵抗で
電圧降下が発生したとしてもその影響を受けにくいた
め、出力される電子ビーム強度のばらつきや変動を低減
するのに大きな効果が認められる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電流源
を接続して駆動する方法には全く問題がないわけではな
く、以下に述べるような問題が発生している。すなわ
ち、非常に多数の電子放出素子をマトリクス配線したマ
ルチ電子源に対して制御定電流源(Controlle
d constant current sourc
e)から時間的長さの短い定電流パルスを供給する場合
には、ほとんど電子が放出されないのである。また、比
較的長い期間定電流パルスを供給し続ける場合には、も
ちろん電子は放出され始めるが、電子放出が開始するま
でには大きな立ち上がり時間が必要である。
【0016】図30はこの問題を説明するための回路図
およびタイムチャートである。同図(a)は、行配線を
走査するための走査回路の出力電圧の波形、同図(b)
は制御定電流源から出力される電流の波形、同図(c)
は電子放出素子に実効的に流れる駆動電流Ifの波形、
同図(e)は電子放出素子から放出される電子ビームの
強度の波形を示す。これらの図に示されるように、制御
定電流源から短い電流パルスを供給しても、電子放出素
子にはほとんど電流Ifは流れない。また、長いパルス
を供給した場合でも、電子放出素子に流れる駆動電流は
立ち上がり時間の大きな波形になってしまう。このよう
に、冷陰極型の電子放出素子自身は高速応答性能を有し
ているのにもかかわらず、電子放出素子に供給される電
流波形がなまってしまうため、結果的に放出電流Ieの
波形も変形してしまっている。
【0017】上記のような問題が発生するのは、以下に
述べる理由による。単純マトリクス配線されたマルチ電
子源においては、マトリクスの規模を大きくすると、そ
れにともなって寄生容量が増大する。寄生容量の主要部
分は行配線と列配線の交差部に存在するが、この等価回
路を図31に示す。列配線54に接続された制御定電流
源100から定電流I1の供給を開始すると、初めのう
ち電流は寄生容量48の充電に費やされてしまい、電子
放出素子41の駆動電流としてほとんど作用しない。こ
のため、電子放出素子41の実効的な応答速度が低下す
るのである。
【0018】より詳しく説明すると、冷陰極素子と蛍光
体を備えた表示装置において実用的な発光輝度を達成す
るためには、1画素を担当する冷陰極素子に対して一般
的に言って少なくとも1(μA)〜10(mA)程度の
駆動電流を供給する必要がある。一方、必要以上に過大
に駆動電流を供給すると、冷陰極素子の寿命が短くなっ
たり、消費電力が増大するという不都合が生じる。そこ
で、制御定電流源の出力電流を、1(μA)〜1(m
A)の適宜の値に制御している。実際には、冷陰極の種
類、材料、形態、、蛍光体の発光効率、加速電圧等を考
慮して最適な駆動電流値を決定する。
【0019】一方、テレビジョン受像機やコンピュータ
端末として実用的であるためには、たとえば500×5
00以上の画素数と、対角寸法15インチ以上の画面サ
イズが望ましい。そこで、現在一般的に用いられる成膜
技術でマトリクス配線を形成すると、すでに述べたよう
に配線抵抗rと寄生容量cが発生する。この回路網はr
とcの大きさに依存した充電時定数Tcを持つ。なお、
厳密には、回路網の時定数はさらに多数のパラメータに
依存しているのは言うまでもない。もし、電圧源で駆動
する場合には、寄生容量と並列接続されている電子放出
素子の応答速度の限界はこの時定数Tcにより決まる。
【0020】ところが、上記のように制御電流源を用い
て1(μA)〜1(mA)の定電流を供給する場合に
は、充電に要する時間は上記時定数Tcよりもさらに長
くかかる。つまり、電子放出素子の実効的な応答速度
が、電圧源で駆動する場合よりも遅くなるのである。こ
のため、パルス幅変調方式で表示装置の発光輝度を制御
する場合には、低輝度領域において諧調の線形性が損な
われる。また、動きの速い動画像を表示する際に観察者
が不自然に感じる場合もある。
【0021】このように、制御定電流源から変調信号を
供給する場合には、配線抵抗で発生する電圧降下の影響
は大幅に改善されるが、実効的な応答速度が低下するた
めに表示画像の品位に悪影響が発生する。表示画面の面
積を大きくしたり、画素数を増大させると、寄生容量は
大きくなるため、この問題はより顕著である。
【0022】そこで、本発明の目的は、マトリクス配線
された多数の表示素子あるいは電子放出素子を備える画
像表示素子または電子線発生装置あるいはこれらの駆動
方法において、寄生容量による応答速度の低下を防止
し、応答速度を向上させることにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の画像表示装置は、複数の表示素子およびこれら
をマトリクス状に接続する行配線および列配線を有する
表示パネルと、前記行配線を介して前記表示素子に選択
パルスを供給する走査手段と、前記列配線を介して前記
表示素子に変調パルスを供給する変調手段とを備えた画
像表示装置において、前記変調手段は、前記変調パルス
として電流パルスを供給する電流パルス供給手段と、前
記電流パルスの立ち上がりに同期して寄生容量を充電す
るための充電電圧を前記列配線に印加する充電電圧印加
手段とを備え、この充電電圧印加手段が印加する電圧の
電圧値は、前記列配線の位置によって異なることを特微
とする。
【0024】また、本発明の電子線発生装置は、複数の
冷陰極素子およびこれらをマトリクス状に接続する行配
線および列配線を有するマルチ電子源と、前記行配線を
介して前記冷陰極素子に選択パルスを供給する走査手段
と、前記列配線を介して前記冷陰極素子に変調パルスを
供給する変調手段とを備えた電子線発生装置において、
前記変調手段は、前記変調パルスとして電流パルスを供
給する電流パルス供給手段と、前記電流パルスの立ち上
がりに同期して寄生容量を充電するための充電電圧を前
記列配線に印加する充電電圧印加手段とを備え、この充
電電圧印加手段が印加する電圧の電圧値は、前記列配線
の位置によって異なることを特微とする。
【0025】また、本発明の画像表示装置の駆動方法
は、複数の表示素子を行配線と列配線でマトリクス配線
して構成した表示パネルを有する画像表示装置の前記行
配線を介して前記表示素子に選択パルスを供給するとと
もに、前記列配線を介して前記表示素子に変調パルスを
供給する画像表示装置の駆動方法において、前記変調パ
ルスとして、外部から入力される変調データに応じて変
調した電流パルスを供給するとともに、該電流パルスの
立ち上がりから寄生容量がほぼ充電されるまでの間、前
記電流パルスに加えて、前記列配線の位置によって電圧
値が異なる充電電圧を印加することを特徴とする。
【0026】また、本発明の電子線発生装置の駆動方法
は、複数の冷陰極素子を行配線と列配線でマトリクス配
線して構成したマルチ電子源を備える電子線発生装置の
前記行配線を介して前記冷陰極素子に選択パルスを供給
するとともに、前記列配線を介して前記冷陰極素子に変
調パルスを供給するマルチ電子源の駆動方法において、
前記変調パルスとして、外部から入力される変調データ
に応じて変調した電流パルスを供給するとともに、該電
流パルスの立ち上がりから寄生容量がほぼ充電されるま
での間、前記電流パルスに加えて、前記列配線の位置に
よって電圧値が異なる充電電圧を印加することを特徴と
する。
【0027】本発明によれば、変調した電流パルスを供
給する際に、電流パルスの立ち上がりに同期して寄生容
量を充電するための充電電圧を列配線に印加するように
したため、寄生容量が高速に充電され、素子が高速に応
答するようになる。また、配線抵抗における電圧降下を
考慮して寄生容量を充電する電圧を列配線毎に変えるこ
とにより、全体に渡り、応答性能がさらに向上する。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態におい
ては、前記充電電圧印加手段が各列配線に印加する充電
電圧の電圧値は、前記行配線の配線抵抗により発生する
電圧分布に基づいて、または前記電流パルス供給手段が
供給する電流パルスにより各列配線に生じる電圧の大き
さに基づいて決定されたものである。あるいは、全点灯
パターンを表示している際に前記電流パルス供給手段が
供給する電流パルスにより各列配線に生じる電圧の大き
さに基づいて、たとえばその電圧の0.8〜1倍の電圧
として決定されたものである。あるいは、選択パルスの
供給により選択されている行配線上の全ての冷陰極素子
が所定量の電子を放出している際に電流パルス供給手段
が供給する電流パルスにより各列配線に生じる電圧に基
づいて、たとえばその電圧の0.8〜1倍の電圧として
決定されたものである。
【0029】また、充電電圧印加手段が各列配線に印加
する充電電圧は、複数本の列配線毎に同一の電圧値のも
のである。たとえば、列配線は所定の本数を単位として
均等に分割されており、充電電圧印加手段が各列配線に
印加する電圧は、前記分割された分割単位内の列配線の
中では同一の電圧値のものである。あるいは、充電電圧
印加手段は、充電電圧をj列分の列配線に印加する機能
を有するk個のICによって構成され、jとkの積は列
配線の全本数に等しく、前記ICの所定個数単位で充電
電圧の電圧値が同一である。
【0030】充電電圧印加手段は、整流器を介して列配
線に接続されており、充電電圧用の電圧源と、この電圧
源から前記列配線への接続をオン・オフするスイッチと
を備える。充電電圧用の電圧源は出力電圧値の異なる複
数の電圧源である。あるいはダイオードもしくはトラン
ジスタを複数個接続したレベルシフト回路を備え、レベ
ルシフト回路のレベルシフト量はそれに接続されている
列配線により異なる。電流パルス供給手段は、定電流回
路と、この定電流回路から列配線への電流の供給をオン
・オフするスイッチとを備える。変調手段は、電流パル
スのパルス幅を変調するものである。
【0031】表示素子は、たとえば、冷陰極素子と、そ
こから放出される電子により画像を形成するための画像
形成部材とを有する。冷陰極素子としては、表面伝導型
放出素子、電界放出型素子、またはMIM型素子を用い
ることができる。また、表示素子としてはエレクトロ・
ルミネッセンス素子等を用いることもできる。
【0032】
【実施例】[実施例1]図1は、本発明の第1の実施例
に係る、冷陰極素子をマトリクス状に配置したマルチ電
子源を用いた画像表示装置の回路構成の概略を示すブロ
ック図である。同図において、1はマルチ電子源を内蔵
した表示パネル、Dx1〜Dxmはマルチ電子源の行配
線の端子、Dy1〜Dynはマルチ電子源の列配線の端
子、Hvは蛍光体に加速電圧を印加するための高圧端
子、Vaは加速電圧印加用の高圧電源、2は走査回路、
3は同期信号分離回路、4はタイミング発生回路、5は
画像データ1ライン分のシフトレジスタ、6は画像デー
タ1ライン分のラインメモリ、8はパルス幅変調回路、
10は制御電流源、30は充電電圧印加回路、113は
整流用ダイオードである。なお、本実施例では、マルチ
電子源の電子放出素子として表面伝導型放出素子を用い
ており、それを有する表示パネル1の構造、製法ならび
に内蔵されたマルチ電子源の構造、製法、特性について
は後で詳しく説明する。
【0033】(同期分離回路、タイミング発生回路)本
実施例は、NTSC方式のテレビ信号を表示する装置で
あり、外部から入力されるNTSCコンポジット信号に
基づいて動作する。まず、同期信号分離回路3は、NT
SCコンポジット信号を画像データDATAと同期信号
Tsyncとに分離する。同期信号Tsyncには、垂
直同期信号と水平同期信号が含まれているが、タイミン
グ発生回路4はこれらを基準にして各部の動作タイミン
グを決定する。すなわち、タイミング発生回路4はシフ
トレジスタ5の動作タイミングを制御するTsft、ラ
インメモリ6の動作タイミングを制御するTmry、走
査回路2の動作を制御するTscanなどの信号を発生
する。また、充電電圧印加回路に対し、充電開始信号T
preを出力する。Tpreは後述するパルス幅変調信
号の立ち上がりに同期したパルス信号であり、充電電圧
印加回路の充電電圧印加のタイミングを制御する。
【0034】(走査回路)走査回路2は、マルチ電子源
を順次1行ずつ走査するために、接続端子Dx1〜Dx
mに対して選択電圧Vsまたは非選択電圧Vnsを出力
する回路で、たとえば図2に示すようにM個のスイッチ
21を内蔵している。なお、これらのスイッチはトラン
ジスタにより構成するのが好ましい。走査回路2の出力
する選択電圧Vsと非選択電圧Vnsの大きさや、後述
する定電流回路100の出力電流の大きさや、充電電圧
印加回路の出力である充電電圧の大きさは、後述するよ
うに、用いる冷陰極素子の(Vf対Ie)特性および
(Vf対If)特性に基づいて決定すればよい。なお、
本実施例では、走査回路2をマルチ電子源の行配線の片
側に接続しているが、実施例3で述べるように両端に接
続して駆動を行うこともできる。
【0035】(シフトレジスタ、ラインメモリ、パルス
幅変調回路)同期信号分離回路3で分離された画像デー
タは、シフトレジスタ5でシリアル/パラレル変換さ
れ、ラインメモリ6に1水平走査期間の間記憶される。
パルス幅変調回路8は、ラインメモリ6に記憶されてい
る画像データに基づいて、パルス幅変調した電圧信号P
W1〜PWNを出力する。制御電流源10は、このパル
ス幅変調信号PW1〜PWNに基づいて出力する電流を
制御する。なお、本実施例では、各列のパルス幅変調信
号PW1〜PWNは一水平走査期間の開始と同期して同
時にLOW(ロー)からHIGH(ハイ)へ立ち上が
り、各列の画像データに相当する時間経過後、LOWに
なる信号である。
【0036】(制御電流源の構成)図3は制御電流源1
0の等価回路である。同図において100は定電流源、
101はFETスイッチ、102はインバータである。
定電流源100は、表示パネル1内に配置された電子放
出素子を駆動するための電流源であり、電流源の出力値
は後述するように、表示装置の所望の輝度を得るのに必
要な電流分を出力する。パルス幅変調回路8から供給さ
れたパルス幅変調データPW1〜PWNは、インバータ
102により極性を反転され、FETスイッチ101へ
供給される。FET101は、パルス幅変調データPW
1〜PWNがLOWである間、オンになり、定電流回路
100が供給する電流をグランドに吸い込む。したがっ
て、制御電流源10は、パルス幅変調信号PW1〜PW
NがHIGHである間、表示パネル1に電流を供給し、
LOWである間は、表示パネル1に電流は供給しない。
【0037】(制御電流源の出力)図4〜6は行配線上
の電圧降下と定電流回路100の動作を説明するための
図であり、図4は表示パネル1のマルチ電子源40と駆
動回路周辺の構成を示す。図4では、3番目の行の電子
放出素子から電子を放出している状態を表している。し
たがって走査回路2は、3番目の行を選択して端子Dx
3に選択電圧Vsを印加し、それ以外の行には非選択電
圧Vnsを印加している。また、各列配線の端子Dy1
〜Dynには、制御電流源10により、映像信号に基づ
いて変調されたパルス幅をもつ駆動電流パルスが供給さ
れている。また点Aおよび点Zは、3番目の行配線上の
点であり、列方向の位置はそれぞれ列1および列Nに対
応する点である。図5は、駆動している状態でのそれら
の点の電位を示す。
【0038】マルチ電子源40は、図7に示す特性を有
する表面伝導型放出素子を備えている。そこで、たとえ
ば画像表示装置の所望の輝度を達成するために表面伝導
型放出素子から1.5(μA)の放出電流Ieを出力さ
せる必要があると仮定する。この場合、図7の特性グラ
フから明らかなように、表面伝導型放出素子には素子電
流Ifを1.2(mA)流せば良い。そこで、定電流回
路100の出力電流を1.2(mA)に設定する。さら
に走査回路2の選択電圧Vsを−7(v)に、非選択電
圧Vnsを0ボルトに設定する。仮に配線抵抗がないと
すれば、定電流回路100の出力部の電位はどの列の電
圧も7(V)になるはずである。素子電流Ifを1.2
(mA)流すためには、電子放出素子の両端には14
(V)印加する必要があり、選択電圧Vsが−7(V)
なので、定電流回路100の出力電位は7(V)となる
からである。しかし実際には、配線での電圧降下はゼロ
ではないため、配線上で電圧降下が生じ、その電圧降下
分を補償するように、定電流回路100の出力電圧が上
昇する。
【0039】図5は、図4で説明した選択状態での、端
子Dx3の行配線での電圧降下の様子を示す。同図によ
れば、端子Dx3に近い点Aではほぼ電圧は−7(V)
であるが、A点から遠ざかるとともに電圧は上昇してし
まい、一番離れた点Zではおよそ−5(V)となってい
る。なお、配線抵抗での電圧降下の量は、配線抵抗の大
きさや、電子放出素子の個数、素子電流の大きさ、表示
パネルの点灯状態などによって当然変化する値である。
本実施例では、図4に記載した行配線抵抗の一区間分の
抵抗rは0.37(mΩ)であり、列配線本数Nは30
00である。また図5は、選択行の全電子放出素子から
電子放出を行っている状態での電圧降下量である。ま
た、同図は、寄生容量への充電がすでに終了している状
態での値を示している。
【0040】制御電流源10の出力は、電子放出素子に
一定の素子電流Ifが流れるように動作するため、結果
として配線抵抗での電圧降下分を補償するように動作す
る。図6の曲線Lは、制御電流源10の駆動電流パルス
により発生する出力電圧を示す。これが示すように、配
線抵抗による電圧降下の少ない列1では、制御電流源の
出力は+7(V)であるのに対し、配線抵抗による電圧
降下が2(V)である列Nではおよそ+9(V)の出力
となっている。
【0041】制御電流源がこのように動作することによ
り、選択された行配線上の電子放出素子にはパルス幅変
調回路8の出力パルスのパルス幅に応じた期間、素子の
両端に14(V)が印加され、1.2(mA)の電流が
供給される。その結果として電子放出素子から1.5
(μA)の放出電流がパルス幅に応じた期間出力され、
所望の画像が表示される。また、本実施例で用いた電子
放出素子である表面伝導型放出素子の閾値電圧Vthは
9(V)であるため、非選択電圧Vnsを0(V)に設
定しておけば、定電流回路100の出力電位が9(V)
に上昇したとしても、選択されていない行の電子放出素
子から電子が放出してしまうことはない。 (充電電圧印加回路の構成)図8は、充電電圧印加回路
30の構成を示す。同図において、110は、充電タイ
マであり、制御電流源10の出力である駆動電流パルス
の立ち上がりに同期して、所定期間(以降、Tchar
geとする)充電を行う回路である。Vchrg[i]
(i=1,2,…,N)は、i番目の列配線の寄生容量
へ充電を行うための電圧源である。112はANDゲー
トであり、111は各列ごとに配置されたスイッチであ
る。タイミング発生回路から供給される充電開始信号T
preは、充電電圧印加回路30の充電タイマに供給1
10される。充電タイマ110は、充電開始信号Tpr
eの立ち上がりに同期して、期間Tchargeだけ出
力をHIGHにする回路である。ANDゲート112
は、充電タイマ110からの充電信号とパルス幅変調信
号PW1〜PWNとのANDをとっており、スイッチ1
11は、充電信号とパルス幅変調信号がともにHIGH
である期間、充電電圧源Vchrg[i](i=1,
2,…,N)とi番目の列配線の端部Dyi(i=1,
2,…,n)とを接続し、マルチ電子源40の内部に存
在する寄生容量の充電を行う。このように、ANDゲー
ト112は、充電信号よりもパルス幅変調信号のパルス
幅が短い場合に、パルス幅と同じ時間だけ充電を行い、
それ以降は速やかに充電を終了するために設けている。
【0042】(整流用ダイオードの動作)整流用ダイオ
ード113は図1に示されるように、充電電圧印加回路
30の各列と列配線および制御電流源10の出力とを接
続している。ダイオード113の向きは図のようである
ので、充電電圧印加回路30の出力電圧が制御電流源1
0の駆動電流パルスにより発生する電圧よりも高い場合
には、寄生容量を充電するために充電電流が流れる。一
方、充電電圧印加回路30の出力電圧が制御電流源10
の駆動電流パルスにより発生する電圧よりも低い場合に
は、オフ状態となって充電電圧印加回路30と列配線の
間を遮断する役割を果たしている。
【0043】(充電電圧印加回路の充電電圧源Vchr
g[i](i=1,2,…,N)の電圧値)充電電圧印
加回路30は、寄生容量のあるマルチ電子源40を駆動
する際に、制御電流源10の出力である駆動電流パルス
が、特に立ち上がり時に寄生容量への充電に使われてし
まうため、電子放出素子に所望の駆動電流が流れず、結
果として、低階調領域での線形性を悪化させているとい
う課題を解決するために新たに設けたものである。した
がって、充電電圧印加回路30からダイオード113を
介して各列に印加する充電電圧としては、寄生容量がな
い理想的なモデルを考えて、そのようなマルチ電子源を
駆動した場合に制御電流源10の駆動電流パルスの立ち
上がり時に発生する電圧と同じ電圧に見積もることが好
ましい。そのようにすれば、充電電圧印加回路30から
寄生容量への充電を急速に行うことができ、制御電流源
10からの駆動電流パルスを応答よく電子放出素子へ供
給することができ、低階調領域での階調性を改善するこ
とができるからである。
【0044】しかし実際は、充電電圧印加回路30の出
力にリンギングが発生して階調性が乱れたり、充電電圧
源の電圧精度を精度よく作製しなければならないなどの
問題があるため、充電電圧は寄生容量がない場合に駆動
電流パルスの立ち上がり時に各列配線に発生する電圧よ
り少し低めに設定することが都合がよかった。一方、あ
まり低くしてしまうと、寄生容量への充電が不十分とな
り、制御電流源10の出力電流が寄生容量への充電に使
われてしまうため、本発明の課題である低階調領域の階
調性が損なわれることになる。実際としは、寄生容量が
ない場合に制御電流源の駆動電流パルスの立ち上がり時
に各列配線に発生する電圧の0.8〜1倍の範囲で設定
することが好ましかった。
【0045】一方、寄生容量がない場合に、制御電流源
10の駆動電流パルスの立ち上がり時に発生する電圧
は、全点灯パターン(本例で言えば、全電子放出素子か
ら1.5μAの電子を放出している状態)を表示してい
る際に各列配線に発生する電圧(図6の曲線L)とほぼ
同等と見積もることができる。なぜなら、各列に供給す
る駆動電流パルスは、立ち上がりが同期したパルス幅変
調信号であるため、自然画像においては、パルスの立ち
上がり時は、制御電流源10のすべてから電子放出素子
に電流が供給されることになり、各列配線には曲線Lと
同じ電圧が発生していると考えられるからである。
【0046】また、曲線Lは寄生容量がない場合の全点
灯パターンを表示する際に発生すると見積もられる電圧
降下量である。本実施例では、充電電圧源Vchrg
[i](i=1,2,…,N)の電圧値を図6の曲線L
と同じ電圧に設定してある。このように設定すれば、ダ
イオード113における電圧降下(本例では0.6V)
があるため、実際に各列配線を充電する充電電圧は、充
電電圧源Vchrg[i](i=1,2,…,N)より
も0.6V低い電圧となる。
【0047】一方、曲線Lは、次の式1により簡単に見
積もることができる。
【0048】
【数1】
【0049】但し、Vtotalは電子放出素子の両端
に印加する駆動電圧(本例では14(V))、Vsは行
選択電圧(本例では7(V))、rは行配線の一区間分
の抵抗(図4に図示;本例ではどの区間もほぼ均一であ
り、0.37mΩに作製されている。)、Ifは電子放
出素子へ供給する素子電流(本例では前述のように1.
2(mA)に設定)、rxtは行配線引き出し部の抵抗
(図4に図示;本例では0.01Ω)、Nは列配線本数
(本例では3000)である。
【0050】式1において、右辺第4項は行配線の配線
抵抗での電圧降下分を考慮するための項である。行配線
の配線抵抗が大きい場合や、素子電流の大きさ、電子放
出素子の個数が多い場合には行配線上の電圧降下が大き
くなり、式1の右辺第4項を考慮しないと、寄生容量へ
の充電電圧が不十分となってしまうことがあった。式1
の右辺第4項はこうした課題を解決するために必要不可
欠な項として付け加えている。式1のように充電用電圧
源の電圧値Vchrg[i]を決めると、列配線Dyi
(i=1,2,…,n)に印加される充電電圧には整流
ダイオード113での電圧降下が発生するため、上記の
充電電圧源の値よりも0.6(V)低い図6中の曲線M
のようになる。同図に示されるように、列1に充電され
る電圧は6.4(V)、列Nに充電される電圧は7.4
(V)となる。
【0051】(タイミングチャートによる動作説明)次
に、図9のタイムチャートを参照して、図1の回路の動
作を説明する。すでに述べたように、図1の回路では、
走査回路2の作用によりマルチ電子源の電子放出素子が
1行ずつ順次に選択的に駆動される。図9(a)は選択
する行配線に走査回路2が供給する電圧信号波形を示す
グラフである。また、同図(b)はパルス幅変調回路8
の出力信号波形の一例を示す。もちろん、パルス幅PW
は映像信号に応じて適宜変更される。同図(c)、
(d)、(e)はそれぞれ充電電圧印加回路30の列
1、列(N/2)、列Nの出力である。上述したよう
に、充電電圧の波高値は配線抵抗での電圧降下分を見込
んだ分布を持った電圧となっている。すなわち、列1の
充電電圧は7(V)、列(N/2)の充電電圧は8.5
0(V)、列Nの充電電圧は9(V)となっている。ま
た同図のように、充電電圧はパルス幅変調信号の立ち上
がりから、充電時間Tchargeだけ出力され、その
後は印加されない。同図(c)、(d)、(e)の波形
は、整流ダイオード113を介して列配線に印加され
る。整流ダイオード113での電圧降下を0.6Vとす
ると、パルス幅変調信号の立ち上がりに同期して、列1
は6.4(v)、列(N/2)は7.9(v)、列Nは
8.4(v)の充電電圧まで急速に充電される。(f)
は充電電圧印加回路の出力電流(充電電流)の例であ
る。
【0052】実際に同図(g)、(h)、(i)はそれ
ぞれ列配線端子Dy1、Dy(n/2)、Dynに発生
する電圧波形であり、各列配線の電圧は充電電圧まで急
速に立ち上がっている。これにより寄生容量へは急速に
充電が行われるため、制御電流源10からの駆動電流パ
ルスは速やかに電子放出素子へ供給される。同図(j)
は電子放出素子に流れる電流Ifの波形を示す。また同
図(k)は、電子放出素子から放出される電子ビーム出
力Ieの波形を示す。なお、同図(j)および(k)に
は、比較のため、従来方式、すなわち充電電圧印加回路
30と整流ダイオード113を具備しない駆動回路の場
合の波形を点線で示した。
【0053】このように、本実施例によれば、寄生容量
への充電を速やかに行うことによって、従来方式に比
ベ、マルチ電子源40の実効的な応答速度を向上させる
ことができ、これまでの課題であった低階調領域におい
ても、階調性の優れた画像表示を行うことができる。
【0054】なお、充電電圧印加回路30の構成として
は、図8の回路の代わりに、図10の回路であってもか
まわない。同図において110は充電タイマ、112は
ANDゲート、111は各列ごとに配置されたスイッチ
である。またVchrgは充電用電圧源、120はいわ
ゆるレベルシフト回路である。レベルシフト回路120
はダイオードやトランジスタを複数直列に接続すれば、
接続段数に応じて充電電圧の値を自由にシフトすること
ができる。このようなレベルシフト回路120の電圧シ
フト量を調整することによっても、図6で述べたような
充電電圧を実現することができる。
【0055】[実施例2]本実施例は、実施例1の充電
電圧印加回路を簡略化した場合の例である。本実施例で
は、図6を用いて述べた充電電圧源あるいは充電電圧の
代わりに、図11のような階段状の電圧を用いて同様な
効果を得るようにしている。特に、このように充電電圧
を階段状にすることによって、図8の充電用電圧源Vc
hrg[1]〜Vchrg[N]を、出力電圧が同じも
のでまとめることができるため、電圧源の数を少なくす
ることができ、回路点数を少なくできるなど、さらなる
優れた利点がある。本実施例では、全体を5分割し、充
電電圧源の電圧値を次の式に従って決定している。
【0056】
【数2】
【0057】本実施例のように充電電圧を設定すること
により、実施例1に述べたのと同様に、充電電圧まで寄
生容量を急速に充電することができる。これにより、制
御電流源10からの駆動電流パルスを、パルスの立ち上
がりと同期して速やかに電子放出素子へ供給することが
できる。したがって、これまでの課題であった、低階調
における階調の線形性を改善することができ、非常に優
れた効果がある。
【0058】なお、本実施例では、分割数を5として階
段状の充電電圧を設けたが、分割数は特にこれにこだわ
ることはない。しかし、分割数を少なくしてしまうと、
充電電圧源10の出力と、制御電流源の駆動電流パルス
によって発生する電圧との差が(場所により)大きくな
ってしまい、寄生容量への充電が不十分となり、本発明
の課題を解決できなくなる。駆動電流パルスにより発生
する電圧は、配線抵抗の大きさや、電子放出素子の特
性、個数などによっても変わる量であることは先にも述
べたが、実際には、これらの量から配線抵抗における電
圧降下の大きさを見積もって、それに対して分割数を決
定することが好ましい。
【0059】さらに分割する間隔は、本実施例では、均
等に600個毎としたが、特にこれにこだわることはな
い。充電電圧のカーブ(たとえば図11中の曲線L)の
変化が大きい個所の分割間隔を細かくし、変化が小さい
個所の分割間隔を荒くしたほうが、さらに効果があるこ
とを本発明者らは、確認している。
【0060】また、本例実施例では、充電電圧印加回路
30や、制御電流源10は列配線の本数分(本例では3
000)存在するため、それらを複数のIC(Inte
grated Circuit)に分けて作製した。具
体的には60列ごとに分割を行ったため、全部でICの
個数は50個であった。このような場合、充電電圧印加
回路30の充電電圧は、1つのICのなかでは同じ電圧
とした方が、IC内部のパターンの引き回しを簡単にす
ることができるため、好ましい。また、そのためには、
充電電圧を変える間隔が、1つのICの中に備えられる
充電電圧印加回路の個数の倍数となるように、1つのI
Cの中の制御電流源の個数を決定するのが好ましい。
【0061】(実施例3)図12は本発明の第3の実施
例に係る画像表示装置の回路構成の概略を示すブロック
図である。本実施例では、走査回路を行配線の両側に備
えたマルチ電子源を用いている。同図において、1はマ
ルチ電子源を内蔵した表示パネル、Dx1〜Dxmおよ
びDx1’〜Dxm’はマルチ電子源の行配線の接続端
子、Dy1〜Dynはマルチ電子源の列配線の接続端
子、Hvは蛍光体に加速電圧を印加するための高圧端
子、Vaは加速電圧印加用の高圧電源、2および2’は
走査回路、3は同期信号分離回路、4はタイミング発生
回路、5は画像データ1ライン分のシフトレジスタ、6
は画像データ1ライン分のラインメモリ、8はパルス幅
変調回路、10は制御電流源、30は充電電圧印加回
路、113は整流用ダイオードである。本実施例では走
査回路2と2’により行配線の走査を行う。
【0062】(配線抵抗での電圧降下)走査回路2およ
び2’を行配線の両側に設け、同一の行を両側から選択
して駆動することにより、行配線抵抗による電圧降下は
片側から駆動する場合と異なる分布となる。しかし本発
明者らは、このような場合においても、各列配線端子に
印加する充電電圧の電圧値を以下に述べるように設定す
ることにより同様な効果が得られることを確認してい
る。
【0063】図13および14は行配線抵抗による電圧
降下、制御電流源10の出力、充電電圧源の出力、およ
び充電電圧の値を説明するための図である。先に述べた
ように本実施例では、行配線の両端を走査回路2、2’
により駆動しているため、選択される行配線の両端の電
圧はVsとなる。各列配線からは制御電流源10から電
流Ifが流れ込み、行配線上には図13に示すような電
圧降下が発生し、行配線の中央ほど電圧が高くなる。配
線抵抗での電圧降下の量は、配線抵抗の大きさや、電子
放出素子の個数、素子電流の大きさ、表示パネルの点灯
状態などによって当然変化する値である。なお、本実施
例では、電子放出素子の両端に印加する駆動電圧Vto
talを14(V)、行選択電圧Vsを7(V)、行配
線の一区間分の抵抗rを1(mΩ)、電子放出素子へ供
給する素子電流Ifを1.2(mA)、行配線引き出し
部の抵抗rxtを0.01(Ω)、列配線本数Nを30
00とした。
【0064】なお、図13は、電子放出素子に素子電流
1.2(mA)を通電したときの電圧降下を表している
図であり、状態としては寄生抵抗への充電は完了し、制
御電流源10からの駆動電流パルスが、選択している行
の全電子放出素子を介して、選択している行配線へ流れ
込んでいる状態の電圧降下を表している。同図に示され
るように、走査回路に近い行配線上の点Aおよび点Zで
は電圧が−7(V)であるのに対し、もっとも電圧降下
の大きい行配線の中央では−5.7(V)に上昇してい
る。
【0065】(制御電流源の出力)本実施例におけるマ
ルチ電子源は、図7に示す特性を有する表面伝導型放出
素子を備えている。そこで、たとえば画像表示装置の所
望の輝度を達成するために表面伝導型放出素子から1.
5μAの放出電流Ieを出力させる必要があるとする
と、図7の特性グラフから明らかなように、表面伝導型
放出素子には素子電流Ifを1.2(mA)流せば良
い。そこで、制御電流源10の定電流回路100(図
3)の出力電流を1.2(mA)に設定してある。さら
に走査回路2の選択電圧Vsを−7(V)、非選択電圧
Vnsを0(V)に設定してある。仮に配線抵抗がない
とすれば定電流回路100の出力部の電位はどの列の電
圧も7(V)になるはずである。素子電流Ifを1.2
(mA)流すためには、電子放出素子の両端には14
(V)印加する必要があり、選択電圧Vsが−7(V)
なので、定電流回路100の出力電位は7(V)となる
からである。しかし実際には、配線での電圧降下はゼロ
ではないため、配線上で電圧降下が生じ、その電圧降下
分を補償するように定電流回路100の出力電圧が上昇
する。すなわち、制御電流源10の出力は、電子放出素
子に一定の素子電流Ifが流れるように動作するため、
結果として配線抵抗での電圧降下分を補償するように動
作する。
【0066】制御電流源10の駆動電流パルスにより発
生する出力電圧を図14における曲線L’で示す。同図
に示されるように、制御電流源10の出力電圧は、走査
回路に近い、列1および列Nではほぼ+7(V)である
のに対し、行配線の中央に相当する列(N/2)ではお
よそ+8.4(V)となる。制御電流源10がこのよう
に動作することにより、選択された行配線上の電子放出
素子にはパルス幅変調回路8の出力パルスのパルス幅に
応じた期間、素子の両端に14(V)が印加され、1.
2(mA)の電流が供給される。その結果として、電子
放出素子からは1.5(uA)の電流がパルス幅に応じ
た期間出力され、所望の画像が表示される。また、本実
施例で用いている電子放出素子である表面伝導型放出素
子の閾値電圧Vthは9(V)であるため、選択されて
いない行の電子放出素子には、非選択電圧Vnsを0
(V)に設定しておけば、定電流回路100の出力電位
が8.4(V)に上昇したとしても、非選択行の素子か
ら電子が放出してしまうことはない。
【0067】(充電電圧印加回路の充電電圧源Vchr
g[1]〜Vchrg[N]の電圧値)本実施例の充電
電圧印加回路30は、寄生容量のあるマルチ電子源を駆
動する際に、制御電流源10の出力である駆動電流パル
スが、特に、立ち上がり時に寄生容量への充電に使われ
てしまうため、電子放出素子に所望の駆動電流が流れず
に、結果として、画像を表示する際、低階調領域の線形
性が悪いという課題を解決するために新たに設けたもの
である。したがって、充電電圧印加回路30からダイオ
ード113を介して各列に印加する充電電圧は、寄生容
量がない理想的なモデルを考えて、そのようなマルチ電
子源を駆動した場合に制御電流源10の駆動電流パルス
により発生する電圧と同じ電圧に見積もることが好まし
い。
【0068】しかし実際は、充電電圧印加回路30の出
力にリンギングが発生して階調性が乱れたり、充電電圧
源の電圧精度を精度よく作製しなければならないなどの
問題があるため、充電電圧は寄生容量がない場合に駆動
電流パルスによって各列配線に発生する電圧より少し低
めに設定するのが都合がよい。一方、あまり低くしてし
まうと寄生容量への充電が不十分となり、本発明の課題
である低階調領域の階調性が損なわれるため、実際とし
ては、寄生容量がない場合に駆動電流パルスにより発生
する電圧の0.8〜1倍の範囲で設定することが好まし
い。本実施例では、ダイオード113での電圧降下分
(0.6(V))を考慮して、充電電圧源Vchrg
[i](i=1,2,…,N)の電圧値を図14の曲線
L’と同じ電圧に設定してある。すなわち、行配線の一
区間分の抵抗をr、電子放出素子へ供給する素子電流を
If(本実施例では前述のように1.2(mA)に設
定)とすると、充電電圧源Vchrg[i]は次式3で
与えられる。
【0069】
【数3】
【0070】なお、Vtotalは電子放出素子の両端
に印加する駆動電圧(本例では14(V))、Vsは行
選択電圧(本例では7(V))である。
【0071】曲線L’と同じ値に設定した意味として
は、各列に供給する駆動電流パルスは立ち上がりが同期
したパルス幅変調信号であるため、自然画像において
は、パルスの立ち上がり時は、すべての制御電流源10
から電子放出素子に電流が供給されることになる。した
がって、仮に寄生容量の影響がなければ、パルスの立ち
上がりにおける配線抵抗での電圧降下は全電子放出素子
に素子電流Ifを流した状態となると見積もることがで
き、制御電流源10の出力電圧は、曲線L’と同等と考
えることができる。したがって、充電電圧印加回路30
の充電電圧用電圧源の値は式3によって設定することが
望ましい。このようにして充電電圧源の電圧値を設定す
ることにより、列配線Dyi(i=1,2,…,n)に
印加される充電電圧は、充電電圧源の値よりも0.6
(V)低い、図14の曲線M’のようになる。すなわ
ち、同図に示されるように、列1に充電される電圧は
6.4(V)、列(N/2)に充電される電圧は7.8
(V)となる。
【0072】走査回路を行配線の両端に設けた場合にお
いても、本実施例のように充電電圧を設定することによ
り、実施例1で述べたのと同様に、充電電圧まで寄生容
量を急速に充電することができる。これにより制御電流
源10からの駆動電流パルスを、パルスの立ち上がりと
同期して速やかに電子放出素子へ供給することができ
る。したがって、これまでの課題であった低階調におけ
る階調の線形性を改善することができ、非常に優れた効
果がある。
【0073】また本発明者らは、各列に充電する充電電
圧を、図15のような階段状の電圧とした場合であって
も同様な効果があることを確認している。このように充
電電圧を階段状にすることによって、図8の充電用電圧
源Vchrg[1]〜Vchrg[N]の出力をいくつ
か毎にまとめることができ、回路を簡単にできるなどの
優れた利点が生ずる。
【0074】(表示パネルの構成と製造法)次に、実施
例1〜3の画像表示装置の表示パネル1の構成と製造法
について、具体的な例を示して説明する。図16は各実
施例に用いた表示パネル1の斜視図であり、内部構造を
示すためにパネルの1部を切り欠いて示している。図
中、1005はリアプレート、1006は側壁、100
7はフェースプレートであり、これら1005〜100
7により表示パネルの内部を真空に維持するための気密
容器を形成している。気密容器を組み立てるにあたって
は、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保持させる
ために封着する必要があるが、たとえばフリットガラス
を接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中で、摂
氏400〜500度で10分以上焼成することにより封
着を達成する。気密容器内部を真空に排気する方法につ
いては後述する。
【0075】リアプレート1005には、基板1001
が固定されているが、該基板上には冷陰極素子1002
がN×M個形成されている。N、Mは2以上の正の整数
であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定され
る。たとえば、高品位テレビジョンの表示を目的とした
表示装置においては、N=3000、M=1000以上
の数を設定することが望ましい。本実施例においては、
N=3072、M=1024である。前記N×M個の冷
陰極素子は、M本の行配線1003とN本の列配線10
04により単純マトリクス配線されている。前記要素1
001〜1004によって構成される部分をマルチ電子
源と呼ぶ。なお、マルチ電子源の製造方法や構造につい
ては、後で詳しく述べる。本実施例においては、気密容
器のリアプレート1005にマルチ電子源の基板100
1を固定する構成としたが、マルチ電子源の基板100
1が十分な強度を有するものである場合には、気密容器
のリアプレートとして電子源の基板1001自体を用い
てもよい。
【0076】フェースプレート1007の下面には、蛍
光膜1008が形成されている。本実施例の装置はカラ
ー表示装置であるため、蛍光膜1008の部分にはCR
Tの分野で用いられる赤、緑、青の3原色の蛍光体が塗
り分けられている。各色の蛍光体は、たとえば図17
(a)に示すようにストライプ状に塗り分けられ、蛍光
体のストライプの間には黒色の導電体1010が設けて
ある。黒色の導電体1010を設ける目的は、電子ビー
ムの照射位置に多少のずれがあっても表示色にずれが生
じないようにすることや、外光の反射を防止して表示コ
ントラストの低下を防ぐこと、電子ビームによる蛍光膜
のチャージアップを防止することなどにある。黒色の導
電体1010には、黒鉛を主成分として用いるが、上記
の目的に適するものであればこれ以外の材料を用いても
良い。3原色の蛍光体の塗り分け方は図17(a)に示
したストライプ状の配列に限られるものではなく、たと
えば図17(b)に示すようなデルタ状配列や、それ以
外の配列であってもよい。なお、モノクロームの表示パ
ネルを作成する場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1
008に用いればよく、また黒色導電材料は必ずしも用
いなくともよい。
【0077】蛍光膜1008のリアプレート側の面に
は、CRTの分野では公知のメタルバック1009を設
けてある。メタルバック1009を設けた目的は、蛍光
膜1008が発する光の一部を鏡面反射して光利用率を
向上させること、負イオンの衝突から蛍光膜1008を
保護すること、電子ビーム加速電圧を印加するための電
極として作用させること、蛍光膜1008を励起した電
子の導電路として作用させることなどにある。メタルバ
ック1009は、蛍光膜1008をフェースプレート基
板1007上に形成した後、蛍光膜表面を平滑化処理
し、その上にAlを真空蒸着する方法により形成され
る。なお、蛍光膜1008に低電圧用の蛍光体材料を用
いた場合には、メタルバック1009は用いない。ま
た、本実施例では用いなかったが、加速電圧の印加用
に、蛍光膜の導電性向上を目的として、フェースプレー
ト基板1007と蛍光膜1008との間に、たとえばI
TOを材料とする透明電極を設けてもよい。
【0078】Dx1〜DxmおよびDy1〜Dynなら
びにHvは、この表示パネルと不図示の電気回路とを電
気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子
である。Dx1〜Dxmはマルチ電子源の行配線100
3と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源の列配線1
004と、Hvはフェースプレートのメタルバック10
09と電気的に接続している。
【0079】気密容器内部を真空に排気するには、気密
容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポンプとを
接続し、気密容器内を10-7(Torr)程度の真空度
まで排気する。その後、排気管を封止するが、気密容器
内の真空度を維持するために、封止の直前あるいは封止
後に気密容器内の所定の位置にゲッタ膜(不図示)を形
成する。ゲッタ膜とは、たとえばBaを主成分とするゲ
ッタ材料をヒータもしくは高周波加熱により加熱し蒸着
して形成した膜であり、該ゲッタ膜の吸着作用により気
密容器内は1×10-5〜1×10-7(Torr)の真空
度に維持される。
【0080】以上、各実施例の表示パネルの基本構成と
製法を説明した。次に、各実施例の表示パネルに用いた
マルチ電子源40の製造方法について説明する。本発明
の画像表示装置に用いることができるマルチ電子源は、
冷陰極素子を単純マトリクス配線した電子源等であり、
冷陰極素子を用いる場合でも、その材料や形状あるいは
製法に制限はない。したがって、たとえば表面伝導型放
出素子、FE型あるいはMIM型などの冷陰極素子等を
用いることができる。
【0081】ただし、表示画面が大きくてしかも安価な
表示装置が求められる状況のもとでは、これらの冷陰極
素子の中でも、表面伝導型放出素子が特に好ましい。す
なわち、FE型ではエミッタコーンとゲート電極の相対
位置や形状が電子放出特性を大きく左右するため、極め
て高精度の製造技術を必要とするが、これは大面積化や
製造コストの低減を達成するには不利な要因となる。ま
た、MIM型では、絶縁層と上電極の膜厚を薄くてしか
も均一にする必要があるが、これも大面積化や製造コス
トの低減を達成するには不利な要因となる。その点、表
面伝導型放出素子は、比較的製造方法が単純なため、大
面積化や製造コストの低減が容易である。また、発明者
らは、表面伝導型放出素子の中でも、電子放出部もしく
はその周辺部を微粒子膜から形成したものが、とりわけ
電子放出特性に優れ、しかも製造が容易に行えることを
見いだしており、したがって、高輝度で大画面の画像表
示装置のマルチ電子源に用いるには、最も好適であると
言える。そこで、上記各実施例の表示パネルにおいて
は、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形成
した表面伝導型放出素子を用いている。そこで、まず好
適な表面伝導型放出素子について基本的な構成と製法お
よび特性を説明し、その後で多数の素子を単純マトリク
ス配線したマルチ電子源の構造について述べる。
【0082】(表面伝導型放出素子の好適な素子構成と
製法)電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、平面型
と垂直型の2種類があげられる。
【0083】(平面型の表面伝導型放出素子)まず、最
初に、平面型の表面伝導型放出素子の素子構成と製法に
ついて説明する。図18(a)および(b)は、平面型
の表面伝導型放出素子の構成を示す平面図および断面図
である。図中、1101は基板、1102と1103は
素子電極、1104は導電性薄膜、1105は通電フォ
ーミング処理により形成した電子放出部、1113は通
電活性化処理により形成した薄膜である。基板1101
としては、たとえば、石英ガラスや青板ガラスをはじめ
とする各種ガラス基板、アルミナをはじめとする各種セ
ラミクス基板、これらの各種基板上にたとえばSiO2
を材料とする絶縁層を積層した基板等を用いることがで
きる。基板1101上に基板面と平行に対向して設けら
れた素子電極1102と1103は導電性を有する材料
によって形成されている。この材料としては、たとえば
Ni、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Cu、P
d、Ag等をはじめとする金属あるいはこれらの金属の
合金、In23−SnO2をはじめとする金属酸化物、
ポリシリコンなどの半導体等の中から適宜材料を選択し
て用いればよい。電極1102と1103は、たとえば
真空蒸着などの製膜技術とフォトリソグラフィ、エッチ
ングなどのパターニング技術を組み合わせて用いれば容
易に形成できるが、それ以外の方法(たとえば印刷技
術)を用いて形成してもさしつかえない。
【0084】素子電極1102と1103の形状は、電
子放山素子の応用目的に合わせて適宜設計される。一般
的には、電極1102と1103間の間隔Lは、通常は
数百(Å)〜数百(μm)の範囲から適当な数値を選ん
で設計されるが、なかでも表示装置に応用するために好
ましいのは数(μm)〜数十(μm)の範囲である。ま
た、素子電極の厚さdは、通常は数百(Å)〜数(μ
m)の範囲から適当な数値が選ばれる。導電性薄膜11
04の部分としては、微粒子膜を用いる。ここでいう微
粒子膜とは、構成要素として多数の微粒子を含んだ膜
(島状の集合体も含む)のことをさす。微粒子膜を微視
的に調べれば、通常は、個々の微粒子が離間して配置さ
れた構造、微粒子が互いに隣接した構造、あるいは微粒
子が互いに重なり合った構造が観測される。
【0085】微粒子膜に用いる微粒子の粒径は、数
(Å)〜数千(Å)の範囲に含まれるものであるが、な
かでも好ましいのは10(Å)〜200(Å)の範囲の
ものである。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるよ
うな諸条件を考慮して適宜設定される。すなわち、素子
電極1102あるいは1103と電気的に良好に接続す
るのに必要な条件、後述する通電フォーミングを良好に
行うのに必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述す
る適宜の値にするために必要な条件、などである。具体
的には、数(Å)〜数千(Å)の範囲のなかで設定する
が、なかでも好ましいのは10(Å)〜500(Å)の
間である。微粒子膜を形成するのに用いられうる材料と
しては、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、
Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pbなどの
金属、PdO、SnO2、In23、PbO、Sb23
などの酸化物、HfB2、ZrB2、LaB6、CeB6
YB4、GdB4などの硼化物、TiC、ZrC、Hr
C、TaC、SiC、WCなどの炭化物、TiN、Zr
N、HfNなどの窒化物、Si、Geなどの半導体、カ
ーボン等があげられ、これらの中から適宜選択される。
以上述べたように、導電性薄膜1104は微粒子膜で形
成されるが、そのシート抵抗値は、103〜107(オー
ム/sq)の範囲に含まれるよう設定する。
【0086】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02および1103とは、電気的に良好に接続されるの
が望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造を
とっている。その重なり方は、図18の例においては、
下から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電極
の順序で積層してもさしつかえない。
【0087】電子放出部1105は、導電性薄膜110
4の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気的には
周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有している。亀
裂は導電性薄膜1104に対して、後述する通電フォー
ミングの処理を行うことにより形成する。亀裂内には、
数(Å)〜数百(Å)の粒径の微粒子を配置する場合が
ある。なお、実際の電子放出部の位置や形状を精密かつ
正確に図示するのは困難であるため、図18においては
模式的に示した。
【0088】薄膜1113は、炭素もしくは炭素化合物
よりなる薄膜であり、電子放出部1105およびその近
傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミング
処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことにより
形成する。薄膜1113は、単結晶グラファイト、多結
晶グラファイト、非晶質カーボンのいずれかか、もしく
はその混合物であり、膜厚500(Å)以下とするが、
300(Å)以下とするのがさらに好ましい。なお、実
際の薄膜1113の位置や形状を精密に図示するのは困
難なため、図18においては模式的に示した。また、図
18(a)においては、薄膜1113の一部を除去した
素子を図示した。
【0089】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、各実施例においては以下のような素子を用いた。す
なわち、基板1101には青板ガラスを用い、素子電極
1102と1103にはNi薄膜を用いた。素子電極の
厚さdは1000(Å)、電極間隔Lは2(μm)とし
た。微粒子膜の主要材料としてPdもしくはPdOを用
い、微粒子膜の厚さは約100(Å)、幅Wは100
(μm)とした。
【0090】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。図19(a)〜(e)
は、表面伝導型放出素子の製造工程を説明するための断
面図であり、図18と同一の符号は同様の部分を示す。
まず、図19(a)に示すように、基板1101上に素
子電極1102および1103を形成する。すなわち、
あらかじめ基板1101を洗剤、純水、有機溶剤を用い
て十分に洗浄した後、素子電極の材料を堆積させる。堆
積する方法としては、たとえば、蒸着法やスパッタ法な
どの真空成膜技術を用いればよい。その後、堆積した電
極材料を、フォトリソグラフィ・エッチング技術を用い
てパターニングし、図19(a)に示すような一対の素
子電極1102と1103を形成する。
【0091】次に、同図(b)に示すように、導電性薄
膜1104を形成する。すなわち、まず、素子電極11
02と1103を形成した基板1101に有機金属溶液
を塗布して乾燥させ、加熱焼成処理して微粒子膜を成膜
し、その後、これをフォトリソグラフィ・エッチングに
より所定の形状にパターニングする。使用する有機金属
溶液は、導電性薄膜に用いる微粒子の材料を主要元素と
する有機金属化合物の溶液、具体的には、Pdを主要元
素とするものである。また、塗布方法としてはディッピ
ング法を用いるが、それ以外のたとえばスピンナ法やス
プレー法を用いてもよい。また、微粒子膜で作られる導
電性薄膜の成膜方法としては、有機金属溶液の塗布によ
る方法以外の、たとえば真空蒸着法やスパッタ法、ある
いは化学的気相堆積法などを用いる場合もある。
【0092】次に、同図(c)に示すように、フォーミ
ング用電源1110から素子電極1102と1103の
間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理を行っ
て、電子放出部1105を形成する。通電フォーミング
処理とは、微粒子膜で作られた導電性薄膜1104に通
電を行って、その一部を適宜に破壊、変形、もしくは変
質せしめ、電子放出を行うのに好適な構造に変化させる
処理のことである。微粒子膜で作られた導電性薄膜のう
ち電子放出を行うのに好適な構造に変化した部分(すな
わち電子放出部1105)においては、薄膜に適当な亀
裂が形成されている。なお、電子放出部1105が形成
される前と比較すると、形成された後は素子電極110
2と1103の間で計測される電気抵抗は大幅に増加す
る。
【0093】通電方法をより詳しく説明するために、図
20に、フォーミング用電源1110から印加する適宜
の電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性薄
膜をフォーミングする場合には、パルス状の電圧が好ま
しく、本実施例の場合には同図に示したようにパルス幅
T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的に印加す
る。その際には、三角波パルスの波高値Vpfを、順次
昇圧させる。また、電子放出部1105の形成状況をモ
ニタするためのモニタパルスPmを適宜の間隔で三角波
パルスの間に挿入し、その際に流れる電流を電流計11
11で計測する。本実施例においては、たとえば10-5
(Torr)程度の真空雰囲気下においてたとえばパル
ス幅T1を1(ミリ秒)、パルス間隔T2を10(ミリ
秒)とし、波高値Vpfを1パルスごとに0.1(V)
ずつ昇圧させる。そして、三角波を5パルス印加するた
びに1回の割合で、モニタパルスPmを挿入する。フォ
ーミング処理に悪影響を及ぼすことがないように、モニ
タパルスの電圧Vpmは0.1(V)に設定する。そし
て、素子電極1102と1103の間の電気抵抗が1×
106(オーム)になった段階、すなわちモニタパルス
印加時に電流計1111で計測される電流が1×10-7
(A)になった段階で、フォーミング処理にかかわる通
電を終了する。
【0094】なお、上記の方法は、本実施例の表面伝導
型放出素子に関する好ましい方法であり、たとえば微粒
子膜の材料、膜厚、素子電極間隔Lなどの表面伝導型放
出素子の設計を変更する場合には、それに応じて通電の
条件を適宜変更するのが望ましい。
【0095】次に、図19(d)に示すように、活性化
用電源1112から素子電極1102と1103の間に
適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、電子放
出特性の改善を行う。通電活性化処理とは、前記通電フ
ォーミング処理により形成された電子放出部1105に
適宜の条件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭
素化合物を堆積せしめる処理のことである。図19
(d)においては、炭素もしくは炭素化合物よりなる堆
積物を部材1113として模式的に示してある。なお、
通電活性化処理を行うことにより、行う前と比較して、
同じ印加電圧における放出電流を典型的には100倍以
上に増加させることができる。
【0096】具体的には、10-4〜10-5(Torr)
の範囲内の真空雰囲気中で、電圧パルスを定期的に印加
することにより、真空雰囲気中に存在する有機化合物を
起源とする炭素もしくは炭素化合物を堆積させる。堆積
物1113は、単結晶グラファイト、多結晶グラファイ
ト、非晶質カーボンのいずれか、もしくはその混合物で
あり、膜厚は500(Å)以下、より好ましくは300
(Å)以下である。
【0097】通電方法をより詳しく説明するため、図2
1(a)に、活性化用電源1112から印加する適宜の
電圧波形の一例を示す。本実施例においては、一定電圧
の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行うが、
具体的には、矩形波の電圧Vacは14(V)、パルス
幅T3は1(ミリ秒)、パルス間隔T4は10(ミリ
秒)とする。なお、上述の通電条件は、本実施例の表面
伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝導
型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて条
件を適宜変更するのが望ましい。図19(d)中の11
14は表面伝導型放出素子から放出される放出電流Ie
を捕捉するためのアノード電極であり、直流高電圧電源
1115および電流計1116が接続されている。な
お、基板1101を表示パネルの中に組み込んでから活
性化処理を行う場合には、表示パネルの蛍光面をアノー
ド電極1114として用いる。活性化用電源1112か
ら電圧を印加する間、電流計1116で放出電流Ieを
計測して通電活性化処理の進行状況をモニタし、活性化
用電源1112の動作を制御する。電流計1116で計
測される放出電流Ieの一例を図21(b)に示す。活
性化電源1112からパルス電圧を印加しはじめると、
時間の経過とともに放出電流Ieは増加するが、やがて
飽和してほとんど増加しなくなる。このように、放出電
流Ieがほぼ飽和した時点で活性化用電源1112から
の電圧印加を停止し、通電活性化処理を終了する。な
お、上述の通電条件は、本実施例の表面伝導型放出素子
に関する好ましい条件であり、表面伝導型放出素子の設
計を変更した場合には、それに応じて条件を適宜変更す
るのが望ましい。以上のようにして、図19(e)に示
す平面型の表面伝導型放出素子を製造する。
【0098】(垂直型の表面伝導型放出素子)次に、電
子放出部もしくはその周辺を微粒子膜から形成する表面
伝導型放出素子のもうひとつの代表的な構成、すなわち
垂直型の表面伝導型放出素子の構成について説明する。
図22は、垂直型の表面伝導型放出素子の基本構成を説
明するための模式的な断面図であり、図中の1201は
基板、1202と1203は素子電極、1206は段差
形成部材、1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1
205は通電フォーミング処理により形成した電子放出
部、1213は通電活性化処理により形成した薄膜であ
る。垂直型が先に説明した平面型と異なる点は、素子電
極のうちの片方1202が、段差形成部材1206上に
設けられており、導電性薄膜1204が段差形成部材1
206の側面を被覆している点にある。したがって、前
記図18の平面型における素子電極間隔Lは、垂直型に
おいて段差形成部材1206の段差高Lsとして設定さ
れる。なお、基板1201、素子電極1202および1
203、微粒子膜を用いた導電性薄膜1204について
は、前記平面型の説明中に列挙した材料を同様に用いる
ことが可能である。また、段差形成部材1206には、
たとえばSiO2のような電気的に絶縁性の材料を用い
る。
【0099】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。図23(a)〜(f)は、この製造
工程を説明するための断面図であり、図22と同一の符
号は同一の部材を示す。まず、図23(a)に示すよう
に、基板1201上に素子電極1203を形成する。次
に、同図(b)に示すように、段差形成部材を形成する
ための絶縁層を積層する。絶縁層は、たとえばSiO2
をスパッタ法で積層すればよいが、たとえば真空蒸着法
や印刷法などの他の成膜方法を用いてもよい。次に、同
図(c)に示すように、絶縁層の上に素子電極1202
を形成する。次に、同図(d)に示すように、絶縁層の
一部を、たとえばエッチング法を用いて除去し、素子電
極1203を露出させる。次に、同図(e)に示すよう
に、微粒子膜を用いた導電性薄膜1204を形成する。
この形成には、前記平面型の場合と同じく、たとえば塗
布法などの成膜技術を用いればよい。次に、前記平面型
の場合と同じく、通電フォーミング処理を行い、電子放
出部を形成する。すなわち図19(c)を用いて説明し
た平面型の通電フォーミング処理と同様の処理を行えば
よい。次に、前記平面型の場合と同じく、通電活性化処
理を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは炭素化合物を
堆積させる。すなわち、図19(d)を用いて説明した
平面型の通電活性化処理と同様の処理を行えばよい。以
上のようにして、図23(f)に示す垂直型の表面伝導
型放出素子を製造することができる。
【0100】(表示装置に用いた表面伝導型放出素子の
特性)以上、平面型と垂直型の表面伝導型放出素子につ
いて素子構成と製法を説明したが、次に表示装置に用い
た素子の特性について述べる。図7に、各実施例の表示
装置に用いた素子の、(放出電流Ie)対(素子印加電
圧Vf)特性、および(素子電流If)対(素子印加電
圧vf)特性の典型的な例を示す。なお、放出電流Ie
は素子電流Ifに比べて著しく小さく、同一尺度で図示
するのが困難であるため、2本のグラフは各々異なる尺
度で図示した。表示装置に用いた素子は、放出電流Ie
に関して以下に述べる3つの特性を有している。第1
に、ある電圧(これを閾値電圧Vthと呼ぶ)以上の大
きさの電圧を素子に印加すると急激に放出電流Ieが増
加するが、一方、閾値電圧Vth未満の電圧では放出電
流Ieはほとんど検出されない。図7の場合、Vthは
8(V)である。すなわち、放出電流Ieに関して、明
確な閾値電圧Vthを持った非線形素子である。第2
に、放出電流Ieは素子に印加する電圧Vfに依存して
変化するため、電圧Vfで放出電流Ieの大きさを制御
できる。第3に、素子に印加する電圧Vfに対して素子
から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電圧V
fを印加する時間の長さによって素子から放出される電
子の電荷量を制御できる。
【0101】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができる。た
とえば多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた表
示装置において、第1の特性を利用すれば、表示画面を
順次走査して表示を行うことが可能である。すなわち、
駆動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧Vt
h以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には閾値
電圧Vth未満の電圧を印加する。駆動する素子を順次
切り替えてゆくことにより、表示画面を順次走査して表
示を行うことが可能である。また、第2の特性または第
3の特性を利用することにより、発光輝度を制御するこ
とができるため、諧調表示を行うことが可能である。
【0102】(多数素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子源の構造)次に、上述の表面伝導型放出素子を基
板上に配列して単純マトリクス配線したマルチ電子源の
構造について述べる。図24は、図16の表示パネルに
用いたマルチ電子源の平面図である。基板上には、図1
8で示したものと同様な表面伝導型放出素子が配列さ
れ、これらの素子は行配線電極1003と列配線電極1
004により単純マトリクス状に配線されている。行配
線電極1003と列配線電極1004の交差する部分に
は、電極間に絶縁層(不図示)が形成されており、電気
的な絶縁が保たれている。図24のA−A’に沿った断
面を、図25に示す。なお、このような構造のマルチ電
子源は、あらかじめ基板上に行配線電極1003、列配
線電極1004、電極間絶縁層(不図示)、および表面
伝導型放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、
行配線電極1003および列配線電極1004を介して
各素子に給電して通電フォーミング処理と通電活性化処
理を行うことにより製造する。
【0103】[実施例4]本発明に従った画像表示装置
では、これまで述べてきたように冷陰極素子をマトリク
ス配線した表示パネルを駆動する際、制御電流源から駆
動電流を供給するとともに、寄生容量を高速に充電する
ための電圧を充電電圧印加回路から印加する。このた
め、電子放出素子を高速に応答させることが可能であ
る。寄生容量に充電した後は、充電電圧印加回路をオフ
し、制御電流源で電子放出素子を駆動するものである。
したがって、本発明を適用した画像表示装置にあって
は、階調の線形性に優れた画像の表示を行うことがで
き、非常にすぐれた表示性能を有している。とりわけ、
大画面の表示装置においても、寄生容量を高速に充電で
きるため、優れた品位の画像を表示できる。
【0104】一方、発明者らは、本発明を冷陰極素子を
用いた表示パネルの代わりに、エレクトロ・ルミネッセ
ンス(EL)を用いた画像表示装置に適用した場合につ
いても検討を行っており、同様な優れた効果を得ること
ができた。また、別の発明として発明者らは、本発明を
冷陰極素子のうちのMIM型(金属/絶縁層/金属)素
子や、FE型(Field Emitter型)素子に
適用した表示パネルに対しても検討を行っており、同様
な優れた効果を得ている。
【0105】[実施例5]実施例1〜3では、冷陰極素
子をマトリクス状に配置した画像表示装置について述べ
た。一方、発明者らは、本発明を冷陰極素子をマトリク
ス状に配置したマルチ電子源に適用した場合についても
検討を行っており、すでに実施例1〜3と同様、優れた
効果を得ることができた。
【0106】
【発明の効果】本発明によれば、表示素子あるいは冷陰
極素子をマトリクス配線した表示パネルあるいはマルチ
電子源を駆動する際、変調された電流パルスを供給する
とともに、寄生容量を高速に充電するための電圧を充電
電圧印加回路から印加するようにしたため、素子を高速
に応答させることが可能である。寄生容量に充電した後
は、充電電圧の印加をオフし、電流パルスの供給により
素子を駆動する。したがって、素子を高速に、しかも配
線抵抗の影響を受けずに駆動することができる。特に配
線抵抗における電圧降下を考慮し、寄生容量を充電する
電圧を列配線毎に変えることにより、全体に渡り、応答
性能をさらに向上させる効果がある。
【0107】さらに、冷陰極素子と画像形成部材を組み
合わせた画像表示装置や、エレクトロ・ルミネッセンス
素子を用いた画像表示装置に本発明を適用した際には、
階調の線形性に優れた画像の表示を行うことができ、非
常にすぐれた表示性能を有している。とりわけ、大画面
の表示装置においても、寄生容量を高速に充電できるた
め、優れた品位の画像を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る画像表示装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の装置の走査回路の構成を示すブロック
図である。
【図3】 図1の装置の制御電流源の構成を示す図であ
る。
【図4】 図1の装置の表示パネルのマルチ電子源と駆
動回路周辺の構成を示す図である。
【図5】 図1の装置の行配線での電圧降下の様子を示
すグラフである。
【図6】 図1の装置の制御電流源の駆動電流パルスに
より発生する出力電圧を示す図である。
【図7】 各実施例で用いた表面伝導型放出素子の典型
的な特性を示すグラフである。
【図8】 図1の装置の充電電圧印加手段を示す図であ
る。
【図9】 図1の装置の動作を説明するためのタイミン
グチャートである。
【図10】 図1の装置の充電電圧印加手段の他の例を
示す図である。
【図11】 本発明の第2の実施例における充電電圧を
説明するための図である。
【図12】 本発明の第3の実施例に係る画像表示装置
の構成を示すブロック図である。
【図13】 図12の装置における表示パネルへの印加
電圧を説明するための図である。
【図14】 図12の装置における制御電流源の駆動電
流パルスにより発生する出力電圧を示すグラフである。
【図15】 図12の装置における表示パネルへの印加
電圧を説明するための図である。
【図16】 各実施例で用いた画像表示装置の表示パネ
ルの一部を切り欠いて示した斜視図である。
【図17】 図16の表示パネルのフェースプレートの
蛍光体配列を例示した平面図である。
【図18】 各実施例で用いた平面型の表面伝導型放出
素子の平面図および断面図である。
【図19】 図18の平面型の表面伝導型放出素子の製
造工程を示す断面図である。
【図20】 通電フォーミング処理の際の印加電圧波形
を示す図である。
【図21】 通電活性化処理の際の印加電圧波形および
放出電流Ieの変化を示すグラフである。
【図22】 各実施例で用い得る垂直型の表面伝導型放
出素子の断面図である。
【図23】 図22の垂直型の表面伝導型放出素子の製
造工程を示す断面図である。
【図24】 各実施例で用いたマルチ電子ビーム源の基
板の平面図である。
【図25】 図24のマルチ電子ビ−ム源の基板の一部
の断面図である。
【図26】 従来知られた表面伝導型放出素子の一例を
示す図である。
【図27】 従来知られたFE型放出素子の一例を示す
図である。
【図28】 従来知られたMIM型放出素子の一例を示
す図である。
【図29】 本発明の課題を説明するために用いたマル
チ電子源の電気的な接続を説明するための図である。
【図30】 本発明の課題を説明するための波形図であ
る。
【図31】 マルチ電子源における寄生容量を示す等価
回路である。
【符号の説明】
1:表示パネル、2:走査回路、3:同期信号分離回
路、4:タイミング発生回路、5:シフトレジスタ、
6:ラインメモリ、8:パルス幅変調回路、10:制御
電流源、30:充電電圧印加回路、40:マルチ電子
源、41:電子放出素子、48:寄生容量、53:行配
線、54:列配線、100:充電タイマ、101:スイ
ッチ、102:インバータ、110:充電タイマ、11
1:スイッチ、112:ANDゲート、113:ダイオ
ード、120:レベルシフト回路、1001:素子基
板、1002:冷陰極素子、1003:行方向配線、1
004:列方向配線、1005:リアプレート、100
6:側壁(枠)、1007:フェースプレート、100
8:蛍光膜、1009:メタルバック、1010:黒色
導電体、1101:基板、1102:素子電極、110
3:素子電極、1104:導電性薄膜、1105:電子
放出部、1110:フォーミング用電源、1111:電
流計、1112:活性化用電源、1113:薄膜、11
14:アノード電極、1115:直流高電圧電源、11
16:電流計、1201:基板、1202:素子電極、
1203:素子電極、1204:導電性薄膜、120
5:電子放出部、1206:段差形成部材、1213:
薄膜。

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の表示素子およびこれらをマトリク
    ス状に接続する行配線および列配線を有する表示パネル
    と、前記行配線を介して前記表示素子に選択パルスを供
    給する走査手段と、前記列配線を介して前記表示素子に
    変調パルスを供給する変調手段とを備えた画像表示装置
    において、前記変調手段は、前記変調パルスとして電流
    パルスを供給する電流パルス供給手段と、前記電流パル
    スの立ち上がりに同期して寄生容量を充電するための充
    電電圧を前記列配線に印加する充電電圧印加手段とを備
    え、この充電電圧印加手段が印加する電圧の電圧値は、
    前記列配線の位置によって異なることを特微とする画像
    表示装置。
  2. 【請求項2】 複数の冷陰極素子およびこれらをマトリ
    クス状に接続する行配線および列配線を有するマルチ電
    子源と、前記行配線を介して前記冷陰極素子に選択パル
    スを供給する走査手段と、前記列配線を介して前記冷陰
    極素子に変調パルスを供給する変調手段とを備えた電子
    線発生装置において、前記変調手段は、前記変調パルス
    として電流パルスを供給する電流パルス供給手段と、前
    記電流パルスの立ち上がりに同期して寄生容量を充電す
    るための充電電圧を前記列配線に印加する充電電圧印加
    手段とを備え、この充電電圧印加手段が印加する電圧の
    電圧値は、前記列配線の位置によって異なることを特微
    とする電子線発生装置。
  3. 【請求項3】 前記充電電圧印加手段が各列配線に印加
    する充電電圧の電圧値は、前記行配線の配線抵抗により
    発生する電圧分布に基づいて決定されたものであること
    を特徴とする請求項1または2に記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記充電電圧印加手段が各列配線に印加
    する充電電圧の電圧値は、前記電流パルス供給手段が供
    給する電流パルスにより各列配線に生じる電圧の大きさ
    に基づいて決定されたものであることを特徴とする請求
    項1または2に記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記充電電圧印加手段が各列配線に印加
    する充電電圧の電圧値は、全点灯パターンを表示してい
    る際に前記電流パルス供給手段が供給する電流パルスに
    より各列配線に生じる電圧の大きさに基づいて決定され
    たものであることを特徴とする請求項1に記載の画像表
    示装置。
  6. 【請求項6】 前記充電電圧印加手段が各列配線に印加
    する充電電圧の電圧値は、全点灯パターンを表示してい
    る際に前記電流パルス供給手段が供給する電流パルスに
    より各列配線に生じる電圧の0.8〜1倍の電圧である
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記充電電圧印加手段が各列配線に印加
    する充電電圧の電圧値は、前記選択パルスの供給により
    選択されている行配線上の全ての前記冷陰極素子が所定
    量の電子を放出している際に前記電流パルス供給手段が
    供給する電流パルスにより各列配線に生じる電圧に基づ
    いて決定されたものであることを特徴とする請求項2に
    記載の電子線発生装置。
  8. 【請求項8】 前記充電電圧印加手段が各列配線に印加
    する電圧の電圧値は、前記選択パルスの供給により選択
    されている行配線上の全ての冷陰極素子が所定量の電子
    を放出している際に前記電流パルス供給手段が供給する
    電流パルスにより各列配線に生じる電圧の0.8〜1倍
    の電圧であることを特徴とする請求項2に記載の電子線
    発生装置。
  9. 【請求項9】 前記充電電圧印加手段が各列配線に印加
    する充電電圧は、複数本の列配線毎に同一の電圧値のも
    のであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項
    に記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記列配線は所定の本数を単位として
    均等に分割されており、前記充電電圧印加手段が各列配
    線に印加する電圧は、前記分割された分割単位内の列配
    線の中では同一の電圧値のものであることを特徴とする
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記充電電圧印加手段は、前記充電電
    圧をj列分の前記列配線に印加する機能を有するk個の
    ICによって構成され、jとkの積は前記列配線の全本
    数に等しく、前記ICの所定個数単位で前記充電電圧の
    電圧値が同一であることを特徴とする請求項1〜10の
    いずれか1項に記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記充電電圧印加手段は、整流器を介
    して前記列配線に接続されていることを特徴とする請求
    項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記充電電圧印加手段は、前記充電電
    圧用の電圧源と、この電圧源から前記列配線への接続を
    オン・オフするスイッチとを備えることを特徴とする請
    求項1〜12に記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記充電電圧用の電圧源は出力電圧値
    の異なる複数の電圧源であることを特徴とする請求項1
    3に記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記充電電圧印加手段は、ダイオード
    もしくはトランジスタを複数個接続したレベルシフト回
    路を備えることを特徴とする請求項1〜14に記載の装
    置。
  16. 【請求項16】 前記レベルシフト回路のレベルシフト
    量はそれに接続されている前記列配線により異なること
    を特徴とする請求項15に記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記電流パルス供給手段は、定電流回
    路と、この定電流回路から前記列配線への電流の供給を
    オン・オフするスイッチとを備えることを特徴とする請
    求項1〜16のいずれか1項に記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記変調手段は、前記電流パルスのパ
    ルス幅を変調するものであることを特徴とする請求項1
    〜17のいずれか1項に記載の装置。
  19. 【請求項19】 前記表示素子は、冷陰極素子と、そこ
    から放出される電子により画像を形成するための画像形
    成部材とを有することを特徴とする請求項1、5または
    6に記載の画像表示装置。
  20. 【請求項20】 前記冷陰極素子は表面伝導型放出素子
    であることを特徴とする請求項2、7、8または19に
    記載の装置。
  21. 【請求項21】 前記冷陰極素子は電界放出型素子であ
    ることを特徴とする請求項2、7、8または19に記載
    の装置。
  22. 【請求項22】 前記冷陰極素子はMIM型素子である
    ことを特徴とする請求項2、7、8または19に記載の
    装置。
  23. 【請求項23】 前記表示素子はエレクトロ・ルミネッ
    センス素子であることを特徴とする請求項1、5または
    6に記載の装置。
  24. 【請求項24】 複数の表示素子を行配線と列配線でマ
    トリクス配線して構成した表示パネルを有する画像表示
    装置の前記行配線を介して前記表示素子に選択パルスを
    供給するとともに、前記列配線を介して前記表示素子に
    変調パルスを供給する画像表示装置の駆動方法におい
    て、前記変調パルスとして、外部から入力される変調デ
    ータに応じて変調した電流パルスを供給するとともに、
    該電流パルスの立ち上がりから寄生容量がほぼ充電され
    るまでの間、前記電流パルスに加えて、前記列配線の位
    置によって電圧値が異なる充電電圧を印加することを特
    徴とする画像表示装置の駆動方法。
  25. 【請求項25】 複数の冷陰極素子を行配線と列配線で
    マトリクス配線して構成したマルチ電子源を備える電子
    線発生装置の前記行配線を介して前記冷陰極素子に選択
    パルスを供給するとともに、前記列配線を介して前記冷
    陰極素子に変調パルスを供給するマルチ電子源の駆動方
    法において、前記変調パルスとして、外部から入力され
    る変調データに応じて変調した電流パルスを供給すると
    ともに、該電流パルスの立ち上がりから寄生容量がほぼ
    充電されるまでの間、前記電流パルスに加えて、前記列
    配線の位置によって電圧値が異なる充電電圧を印加する
    ことを特徴とする電子線発生装置の駆動方法。
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