JP2000253676A - 圧電/電歪膜型アクチュエータ - Google Patents

圧電/電歪膜型アクチュエータ

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JP2000253676A
JP2000253676A JP11051759A JP5175999A JP2000253676A JP 2000253676 A JP2000253676 A JP 2000253676A JP 11051759 A JP11051759 A JP 11051759A JP 5175999 A JP5175999 A JP 5175999A JP 2000253676 A JP2000253676 A JP 2000253676A
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piezoelectric
film
electrostrictive film
electrostrictive
type actuator
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JP11051759A
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Keisuke Ito
恵介 伊藤
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Kyocera Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】薄肉のセラミック基板1上に導電膜2、圧電/
電歪膜3、電極膜4を順次積層一体化してなる圧電/電
歪膜型アクチュエータを得るにあたり、圧電/電歪膜3
の緻密化を促進し、所望の大きさに屈曲変位できるよう
にする。 【解決手段】薄肉のセラミック基板1上に導電膜2、圧
電/電歪膜3、電極膜4を順次積層一体化して圧電/電
歪膜型アクチュエータを構成する。ただし、圧電/電歪
膜3は、組成式がPb1-x-y Srx Bay (Zn1/3
2/3 a (Ni1/2 Te1/2 b Zrc Ti1-a-b-c
3 で表され、x、y、a、b、c、のモル比が、0≦
x≦0.12、0≦y≦0.12、0<x+y、0.0
5≦a≦0.12、0≦b≦0.015、0.43≦c
≦0.52を満足するPZT成分100重量部に、等モ
ル比からなるPbO及びNb2 5 を合量で0.2〜
1.2重量部含有してなる基本成分に対し、Mgを0<
Mg<0.6モル%の範囲で含有する圧電セラミックス
により形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性又は導電性
を有する薄肉のセラミック基板上に導電膜、圧電/電歪
膜、電極膜を順次積層一体化して形成した駆動部を備え
てなる圧電/電歪膜型アクチュエータに関するものであ
り、例えば、インクジェットプリンタヘッド、マイクロ
ホン、振動体、発振体、各種変位センサー、ポンプ、ス
イッチなどに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、精密加工分野や光学分野において
は、サブミクロンオーダーでの位置制御が求められてお
り、この位置制御に強誘電体等の圧電/電歪材料に電界
を加えたときに起こる逆圧電効果や電歪効果に基づく変
位あるいはその逆の現象を利用した圧電/電歪膜型アク
チュエータが使用されている。
【0003】例えば、インクジェットプリンタヘッドに
おいては、ユニモルフ型やバイモルフ型の圧電/電歪膜
型アクチュエータが使用されており、小型化、高密度
化、低電圧駆動、高速応答性等の特性が要求されてい
る。
【0004】図4にユニモルフ型の圧電/電歪膜型アク
チュエータの構造を示すように、絶縁性を有する薄肉の
セラミック基板1上に、下側電極としてPt、Pd、R
h等の高融点金属からなる導電膜2を形成するととも
に、上記導電膜2上に圧電セラミックスからなる圧電/
電歪膜5を形成し、さらに上記圧電/電歪膜5上に上側
電極としてPt、Pd、Rh等の高融点金属からなる電
極膜4を形成して、上記導電膜2、圧電/電歪膜5、電
極膜4を順次積層一体化することにより駆動部を構成し
たものがあった。
【0005】そして、薄肉のセラミック基板1を屈曲変
位させるのに重要な圧電/電歪膜5を構成する圧電セラ
ミックスとして、Pb、Zr、Ti、Zn、Sb、N
i、Teからなる金属成分と、Sr及びBaのうち少な
くとも1種類を含む複合ペロブスカイト型化合物であっ
て、これらの金属元素のモル比による組成式を、Pb
1-x-y Srx Bay (Zn1/3 Sb2/3 a (Ni1/2
Te1/2 b Zrc Ti1-a-b-c 3 で表され、x、
y、a、b、c、のモル比が、0≦x≦0.12、0≦
y≦0.12、0<x+y、0.05≦a≦0.12、
0≦b≦0.015、0.43≦c≦0.52を満足す
るPZT成分100重量部に対して、等モル比からなる
PbO及びNb2 5 を合計で0.2〜1.2重量部含
有してなる圧電セラミックスを本件出願人は先に提案し
ている(特開平7−315923号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図4に示す
圧電/電歪膜型アクチュエータでは、圧電/電歪膜5を
形成する圧電セラミックスの焼結性が不十分であるため
に、圧電セラミックスが持つ本来の圧電特性(電気機械
結合係数K31、比誘電率ε33 T /ε0 、圧電歪定数d31
など)が得られず、設計通りの屈曲変位量が得られない
といった課題があった。
【0007】即ち、薄肉のセラミック基板1上に導電膜
2と圧電/電歪膜5を積層一体化するために、焼成する
のであるが、この時、圧電/電歪膜5を形成する圧電セ
ラミックスは焼結によって収縮しようとするのに対し、
既に焼結されているセラミック基板1は収縮しないた
め、圧セラミックスの焼結性が阻害され、緻密化するこ
とができなかった。その為、圧電/電歪膜5上に電極膜
4を形成し、導電膜2と電極膜4との間に通電して圧電
/電歪膜5に電界誘起歪みを発生させたとしても圧電セ
ラミックスが持つ本来の圧電特性を発揮することができ
なかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本件発明者は、
既に焼結されたセラミック基板上に圧電/電歪膜を熱処
理によって焼結させるにあたり、圧電/電歪膜を十分に
緻密化して所望の圧電特性を発揮することができる圧電
/電歪膜型アクチュエ−タを得るために鋭意研究を重ね
たところ、本件出願人が先に提案した前記圧電セラミッ
クスに所定の範囲でMgを含有することで達成できるこ
とを突き止めた。
【0009】即ち、本発明によれば、絶縁性又は導電性
を有する薄肉のセラミック基板上に導電膜、圧電/電歪
膜、電極膜を順次積層一体化した駆動部を備えてなる圧
電/電歪膜型アクチュエ−タにおいて、上記圧電/電歪
膜を、組成式がPb1-x-y Srx Bay (Zn1/3 Sb
2/3 a (Ni1/2 Te1/2 b Zrc Ti1-a-b-c
3 で表され、x、y、a、b、c、のモル比が0≦x≦
0.12、0≦y≦0.12、0<x+y、0.05≦
a≦0.12、0≦b≦0.015、0.43≦c≦
0.52を満足するPZT成分100重量部に、等モル
比からなるPbO及びNb2 5 を合計で0.2〜1.
2重量部含有してなる基本成分に対し、Mgを0<Mg
<0.6モル%の範囲で含有した圧電セラミックスによ
り形成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0011】図1及び図2は本発明の圧電/電歪膜型ア
クチュエータの一例を示す斜視図である。なお、従来例
である図4と同一部分については同一符号で示す。
【0012】まず、図1に示す圧電/電歪膜型アクチュ
エータはユニモルフ型と呼ばれるもので、薄肉のセラミ
ック基板1の上面に導電膜2を介して圧電/電歪膜3を
積層し、さらに上記圧電/電歪膜3上に電極膜4を積層
したもので、上記導電膜2、圧電/電歪膜3、及び電極
膜4は熱処理によって順次積層一体化して駆動部を構成
したものである。
【0013】また、図2に示す圧電/電歪膜型アクチュ
エータはバイモルフ型と呼ばれるもので、薄肉のセラミ
ック基板1の上下面にそれぞれ導電膜2、圧電/電歪膜
3、及び電極膜4を熱処理によって積層一体化して駆動
部を構成したものである。
【0014】そして、図1又は図2に示す圧電/電歪膜
型アクチュエータは、薄肉のセラミック基板1上に駆動
部をなす導電膜2、圧電/電歪膜3、及び電極膜4を積
層によって一体的に形成してあることから、低電圧駆動
でありながら電界誘起歪みの横効果による大きな屈曲変
位が得られるとともに、応答性を高めることができ、か
つ駆動部の高集積化が可能である。また、セラミック基
板1を導電性を持ったセラミックスで形成することによ
り、セラミック基板1そのものを電極として機能させる
ことができるため、駆動部の一方の配線パターンが不要
となり、圧電/電歪膜型アクチュエータの設計が容易と
なる。
【0015】次に、図3に図1の圧電/電歪膜型アクチ
ュエータを用いたインクジェットプリンタヘッド10に
ついて説明する。
【0016】このインクジェットプリンタヘッド10
は、平行に整列した複数の隔壁12を有し、これら隔壁
12間を流路13としてなる流路部材11と、上記隔壁
12の頂部に接合され、流路13を塞ぐ薄肉のセラミッ
ク基板1と、上記流路部材11の一方端側に接合され、
各流路13と連通するインク噴出孔14を備えたノズル
板15とからなり、上記セラミック基板1上の各流路1
3と対向する位置には、駆動部をなす導電膜2、圧電/
電歪膜3、電極膜4を順次積層一体化して圧電/電歪膜
型アクチュエータを構成してある。
【0017】そして、このインクジェットプリンタヘッ
ド10によりインクを吐出するには、不図示のタンクよ
り流路13内にインクを充填した状態で、駆動部を構成
する導電膜2と電極膜4間に通電して圧電/電歪膜3を
電界誘起歪みを発生させ、セラミック基板1を厚み方向
に屈曲変位させることで流路13内のインクをインク噴
出孔14より吐出することができる。即ち、セラミック
基板1が流路13側へ凸に変位すれば、流路13内が加
圧される結果、インク噴出孔14よりインクを吐出する
ことができ、逆にセラミック基板1が流路13と反対側
へ凸に変位すれば、流路13内が減圧される結果、タン
クよりインクが流路13内に導入されるようになってお
り、これらの繰り返しによりインク噴出孔14よりイン
クを吐出できるのである。
【0018】なお、本発明のインクジェットプリンタヘ
ッド10は図3に示す構造だけに限定されるものではな
く、本発明の範囲を逸脱しない範囲で改良や設計変更で
きることは言うまでもない。
【0019】ところで、図1や図2に示す圧電/電歪膜
型アクチュエータあるいは図3に示すインクジェットプ
リンタヘッドは、いずれも圧電/電歪膜3を、組成式が
Pb1-x-y Srx Bay (Zn1/3 Sb2/3 a (Ni
1/2 Te1/2 b Zrc Ti1-a-b-c 3 で表され、
x、y、a、b、c、のモル比が、0≦x≦0.12、
0≦y≦0.12、0<x+y、0.05≦a≦0.1
2、0≦b≦0.015、0.43≦c≦0.52を満
足するPZT成分100重量部に、等モル比からなるP
bO及びNb2 5 を合計で0.2〜1.2重量部含有
してなる基本成分に対し、Mgを0<Mg<0.6モル
%の範囲で含有した圧電セラミックスにより形成してあ
る。
【0020】ここで、組成式におけるx、y、a、b、
c、dのモル比を上記範囲に設定した理由について説明
する。
【0021】PbのSr及びBaによる置換は極めて大
きな圧電歪定数を得るのに有効であるが、その置換量x
が0.12を超えたり、置換量yが0.12を超える
と、キュリー温度が急峻に低下し、耐熱性の劣化を招
く。その為、Srの置換量xは0≦x≦0.12である
ことが必要であり、また、Baの置換量yは0≦y≦
0.12であることが必要である。
【0022】また、Tiの(Zn1/3 Sb2/3 )による
置換量aが多いと大きな圧電歪定数が得られ、圧電/電
歪膜型アクチュエータに有用である。ただし、置換量a
が0.05よりも少ないとキュリー温度が低くなるとと
もに、圧電歪定数を高める効果がなく、置換量aが0.
12を超えると、誘電損失及び弾性損失が非常に大きく
なり、耐久性が著しく低下する。その為、置換量aは
0.05≦a≦0.12であることが必要である。
【0023】さらに、Tiの(Ni1/2 Te1/2 )によ
る置換量bが多いと耐久性、変位ヒステリシスにおいて
極めて優れた特性を有する。ただし、置換量bが0.0
15を超えると、エージング(例えば100℃)による
圧電特性の劣化が著しく大きくなり、耐熱性が低下し、
また、高い圧電歪定数を得ることができない。その為、
置換量bは0≦b≦0.015であることが必要であ
る。
【0024】また、PZTを主成分とした圧電セラミッ
クスは、PbZrO3 とPbTiO3 の固溶比率を変化
させると圧電歪み定数の極大値を示すMPB(組成相境
界)が存在する。そして、圧電/電歪膜3を構成する材
料としては、このMPBおよびその近傍の組成値を用い
ることが良く、MPBはx、a、bの値により変化する
ため、置換量cの値はx、a、bの組成範囲内でMPB
を捉えうる組成範囲、即ち、置換量cを0.43≦c≦
0.52とすれば良い。
【0025】また、上記PZT成分に対し、PbO及び
Nb2 5 を含有させることで、キュリー温度をさほど
低下させることなく、圧電歪定数を大きくすることがで
きるとともに、耐熱性及び電圧印加に伴う発生変位の温
度変化率を向上させることができる。ただし、PbO及
びNb2 5 を等モルで含有した合計含有量dが、PZ
T成分100重量部に対して0.2重量部よりも少ない
と、PbO及びNb25 を含有したことによる効果が
殆ど得られず、逆に、PbO及びNb2 5 を等モルで
含有した合計含有量dが、PZT成分100重量部に対
して1.2重量部dを超えると、130℃のエージング
による圧電特性の劣化が著しく大きくなり、実用的でな
くなる。その為、等モル比からなるPbO及びNb2
5 の含有量dは0.2重量部≦d≦1.2重量部とする
ことが必要であり、好ましくは0.3重量部≦d≦0.
7重量部とすることが良い。
【0026】なお、PbO及びNb2 5 を等モルで含
有したのは、ペロブスカイト構造となる各構成元素(P
b,Sr,Ba,Zn,Sb,Ni,Te,Zr,T
i,Nb,O)を完全固溶させるためである。
【0027】そして、上記PZT成分100重量部に、
等モル比からなるPbO及びNb25 を合量で0.2
〜1.2重量部添加含有した基本成分に対し、Mgを含
有したことにより、予め焼結されたセラミック基板1上
に圧電/電歪膜3を焼結しても十分に緻密化することが
でき、圧電/電歪膜3が持つ本来の圧電特性を得ること
ができる。
【0028】Mgを含有させることで圧電/電歪膜3の
緻密化が進行する理由としては明らかではないが、PZ
T成分にPbO及びNb2 5 を含有したものに、さら
にMgを含有させることで、焼成過程においてMg成分
が液相として働き、粒子の移動、再配列が容易となるた
めに、セラミック基板1が収縮し難いにもかかわらず、
圧電/電歪膜3の焼結性を高め、緻密化できるものと思
われる。
【0029】ただし、Mgの含有量が0.6モル%以上
となると圧電/電歪膜3の圧電歪定数が著しく低下する
とともに、キュリー温度も大幅に低下する恐れがある。
【0030】その為、Mgの含有量は0<Mg<0.6
モル%とすることが重要である。
【0031】一方、導電膜2を構成する材質としては、
圧電/電歪膜3を構成する圧電セラミックスの焼成温度
より高い融点を有するPt又はPdの金属、あるいはP
t−W、Pt−Rh、Pt−Au、Pt−Ag、Pt−
Pd等のPt又はPdを主体とする合金を用いることが
でき、特に、Pt又はPtを主体とする合金はセラミッ
ク基板1との密着性に優れることから好適である。
【0032】ただし、圧電/電歪膜3に発生する電界誘
起歪みを効率良く良くセラミック基板1に伝達して設計
通り屈曲変位させるには、導電膜2の厚みを1〜5μm
、好ましくは3〜4μm とすることが良い。即ち、導
電膜2の厚みが5μm より厚くなると、圧電/電歪膜3
の電界誘起歪みが導電膜2で吸収されるために薄肉のセ
ラミック基板1を設計通り屈曲変位させることができな
いからであり、逆に、導電膜2の厚みが1μm 未満では
均一な厚みを持った導電膜2の形成が難しく、ピンホー
ル等ができると圧電/電歪膜3の十分な密着力が得られ
なくなるからである。
【0033】また、圧電/電歪膜3上に積層する電極膜
4の材質としては、Pt、Au、Pd、Rh等の高融点
金属や、Pt−Au、Pd−Ag、Pt−Pd等を主体
とする合金を用いることができる。
【0034】さらに、薄肉のセラミック基板1として
は、曲げ強度が高く、適度な耐熱性や耐熱衝撃性を有す
るものが良く、例えば、アルミナセラミックス、炭化珪
素セラミックス、窒化珪素セラミックス、ジルコニアセ
ラミックス、特に、Y2 3 ,MgO,CaO,CeO
2 ,Dy2 3 等の少なくとも1種以上の安定化材を含
む部分安定化されたジルコニアセラミックスを用いるこ
とができ、さらにはLa0.8 Sr0.4 MnO3 ,La
0.8 Ca0.2 CrO3 ,La0.3 Ca0.7 MnO3,L
0.2 Ca0.8 CoO3 等のペロブスカイト型結晶構造
を有する導電性のセラミックスを用いることができる。
これらの中でも特にジルコニアセラミックスは、前述し
た金属成分からなる導電膜2との反応が少ないため、セ
ラミック基板1の構成成分が導電膜2上に積層する圧電
/電歪膜3に拡散し、圧電/電歪膜3の特性を劣化させ
ることがなく好適である。
【0035】次に、図1又は図2に示す圧電/電歪膜型
アクチュエータの製造方法について説明する。
【0036】まず、圧電/電歪膜3を構成する圧電セラ
ミックスを製造するにあたり、出発原料としてPb3
4 、ZrO2 、TiO2 、SrCO3 、BaCO3 、Z
nO、Sb2 3 、NiO、TeO2 及びNb2 5
各粉末を秤量混合し、次いでこの混合物を脱水、乾燥し
たあと、850〜900℃で1〜3時間仮焼し、仮焼粉
を製作する。そして、上記仮焼粉に対してMgの含有量
が0<Mg<0.6モル%となるようにMgCO3 の粉
末を所定量加えて粉砕し、混合粉体を得た。
【0037】一方、予め焼結した前記セラミック材料か
らなる薄肉のセラミック基板1を用意し、このセラミッ
ク基板1の一主面又は上下面に、導電膜2を構成する導
体ペーストをスクリーン印刷法やディッピング法、ある
いは塗布など周知の膜形成手段により敷設する。そし
て、導体ペーストを敷設したセラミック基板1を900
〜1400℃の温度で熱処理することにより導電膜2を
焼結させる。
【0038】次に、得られた導電膜2上に圧電/電歪膜
3を構成する材質として、上記混合粉体を含んだペース
トをスクリーン印刷法やディッピング法、あるいは塗布
など周知の膜形成手段により敷設し、1100〜140
0℃の温度で熱処理を施すことで圧電/電歪膜3を導体
膜2上に焼結一体化するのであるが、この時、混合粉体
中にはMgを添加含有してあるため焼結性が促進され、
緻密に焼結させることができる。
【0039】そして、得られた圧電/電歪膜3上に電極
膜4を構成する前記電極材料を含む導体ペーストをスク
リーン印刷法やディッピング法、あるいは塗布など周知
の膜形成手段により敷設したあと、500〜1300℃
の温度で熱処理を施して電極膜4を積層一体化すること
により得ることができる。
【0040】かくして、図1又は図2の圧電/電歪膜型
アクチュエータを用いれば、圧電/電歪膜3が十分に焼
結され、緻密化されていることから、圧電/電歪膜3を
駆動させれば所望の圧電/電歪特性を発揮することがで
き、その結果、低電圧駆動でも大きく屈曲変位させるこ
とができるとともに、応答性に優れたものとすることが
できる。そして、本発明の圧電/電歪膜型アクチュエー
タをインクジェットプリンタヘッドに用いれば、加圧力
を高めることができるため、インクの吐出量を多くする
ことができるとともに、印字速度を高めることができ
る。
【0041】なお、本発明に圧電/電歪膜型アクチュエ
ータは、インクジェットプリンタヘッドだけに限らず、
マイクロホン、振動体、発振体、各種変位センサー、ポ
ンプ、スイッチなどとしても好適に使用できることは言
うまでもない。
【0042】
【実施例】(実施例1)ここで、圧電/電歪膜3の原料
粉末としてPb3 4 、ZrO2 、TiO2 、SrCO
3 、BaCO3 、ZnO、Sb2 3 、NiO、TeO
2 およびNb25 の各粉末を、Pbが0.94モル、
Zrが0.47モル、Tiが0.45モル、Srが0.
04モル、Baが0.02モル、Znが0.025モ
ル、Sbが0.05モル、Niが0.0025モル、T
eが0.0025モル、さらにPb、Nbが0.3重量
部(PbO+Nb2 5 )となるように秤量し、ボール
ミルにて24時間、水を溶媒として湿式混合した。次い
でこの混合物を脱水、乾燥した後、900℃で3時間仮
焼して仮焼粉を得た。この仮焼粉にMgCO3 の粉末を
表1に示す割合で添加してボールミルで24時間、水を
溶媒として湿式粉砕し、平均粒径が1μm程度の混合粉
体を得た。
【0043】そして、得られた混合粉体を有機物バイン
ダーを添加混練したあと乾燥、造粒して顆粒を得た。そ
して、得られた顆粒を1.5ton/cm2 の圧力で直
径20mm、厚さ2mmの寸法からなる円板状に一軸加
圧成型法にて成形したあと、焼成温度を1200℃に保
って焼成した。
【0044】得られた圧電セラミックスについて、IC
P発光分光分析によって組成分析を行ったところ、組成
式をPb1-x-y Srx Bay (Zn1/3 Sb2/3
a (Ni1/2 Te1/2 b Zrc Ti1-a-b-c 3 で表
したとき、x=0.04、y=0.02、a=0.07
5、b=0.005、c=0.47であり、このPZT
成分100重量部に、等モル比らなるPbOとNb2
5 を合計で0.3重量部含有し、この基本成分に対し、
Mgを表1の割合で含有したものであった。
【0045】次に、得られた圧電セラミックスを厚さ1
mm、幅3mm、長さ12mmの短冊状に加工し、両面
に銀電極を焼き付け、80℃のシリコンオイル中で3k
V/mmの直流電圧を30分間印加して分極処理を行い
電気特性を評価する為の試料を作製した。
【0046】そして、各試料について、電子工業会規格
EMAS−6004に基づき電気的特性(電気機械結合
係数K31、比誘電率ε33 T /ε0 、圧電歪定数d31)を
測定した。
【0047】また、磁器表面を鏡面加工し、塩酸を用い
て粒界部をエッチングしたあと、走査型電子顕微鏡(S
EM)で結晶写真を撮影した。この結晶写真からインタ
ーセプト法により結晶粒径を測定し焼結の進み度合いを
確認した。
【0048】さらに、電極を焼き付けた磁器を加熱し、
高温側の常誘電相から低温側の強誘電相へ相転移する時
の比誘電率の極大値を測定し、キュリー温度Tcとし
た。
【0049】なお、評価にあたっては、圧電歪定数d31
が、試料No.1に示す基準試料の圧電歪定数d31に
対し、95%以上のものを○、85%以上、95%未満
のものを△、85%未満のものを×とし、△及び○のも
のを良好として判断した。
【0050】それぞれの結果は表1に示す通りである。
【0051】
【表1】
【0052】この結果、Mgの含有量が0.6未満であ
れば、基準試料に対して85%以上の圧電歪定数が得ら
れることが確認できた。特に、Mgの含有量が0.2モ
ル%以下では、比誘電率が若干低下する以外の圧電特性
の劣化は見られず、優れていた。
【0053】(実施例2)次に、表1に示す幾つかの試
料を用いて圧電/電歪膜型アクチュエータを製作した。
【0054】まず、薄肉のセラミック基板1として、平
均粒径0.2μmのY2 3 を3mol%含有する部分
安定化されたジルコニア粉末に、アクリル酸エステル共
重合体水性エマルジョンを主成分とするバインダーを添
加し、ボールミルにて20時間混合したあと、テープ成
形法によりセラミックグリーンシートを製作し、120
0〜1400℃で1〜5時間焼成して厚みが約0.2m
mの部分安定化ジルコニアセラミックスからなるセラミ
ック基板1を製作した。
【0055】そして、このセラミック基板1上に、平均
粒径が1μm のPtからなる金属粒子に有機バインダー
を加えた導体ペーストを、乳剤厚み10μmの製版を用
いてスクリーン印刷法にて敷設したあと、1200℃の
温度で2時間焼成することにより厚みが約5μmの導電
膜2を積層一体化した。
【0056】次に、表1に示す試料No.3及び4、即
ち、Mgの含有量が0.2モル%及び0.4モル%の範
囲で含む平均粒径が1μm程度の混合粉体に有機物バイ
ンダーを添加したペーストと、比較例として表1に示す
試料No.1、即ち、Mgを含有していない平均粒径が
1μm程度の仮焼粉体に有機物バインダーを添加したペ
ーストとを用意し、各々のペーストをスクリーン印刷法
にて敷設したあと、1250℃で2時間焼成して、厚み
が約14μmの圧電/電歪膜3,5をそれぞれ形成し、
さらに上記圧電/電歪膜3,5上に有機物バインダーに
Auを含有させた導体ペーストをスクリーン印刷法にて
敷設し、700℃で15分間熱処理を施して厚さ0.8
μmの電極膜4を形成することで図1及び図4に示す圧
電/電歪膜型アクチュエータをそれぞれ得た。
【0057】そして、それぞれの圧電/電歪膜型アクチ
ュエータにおける圧電/電歪膜3,5の比誘電率を測定
し、実施例1における値と比較することにより圧電諸特
性の劣化具合を、結晶粒子径を測定し、実施例1におけ
る値と比較することにより圧電/電歪膜3,5の緻密具
合を確認した。
【0058】それぞれの結果は表2に示す通りである。
【0059】
【表2】
【0060】この結果、Mgを含有していない圧電/電
歪膜5を有する従来の圧電/電歪膜型アクチュエータ
は、セラミック基板1の存在により圧電/電歪膜5の焼
結性が阻害されており、結晶粒径が表1の値より小さか
った。その結果、比誘電率も表1と比較して小さく、特
性劣化が見られた。
【0061】これに対し、Mgを含有する圧電/電歪膜
3を備えた本発明の圧電/電歪膜型アクチュエータは、
圧電/電歪膜3を形成する圧電セラミックスの結晶粒径
が表1と同程度であり、十分に緻密化されており、ま
た、比誘電率も表1と同程度と、圧電特性の劣化は見ら
れなかった。
【0062】このことから、本発明の圧電/電歪膜型ア
クチュエータを用いれば所望の大きさを有する屈曲変位
が得られることが確認できた。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、絶縁性
又は導電性を有する薄肉のセラミック基板上に導電膜、
圧電/電歪膜、電極膜を順次積層一体化してなる圧電/
電歪膜型アクチュエ−タにおいて、上記圧電/電歪膜
を、組成式がPb1-x-y Srx Bay (Zn1/3 Sb
2/3 a (Ni1/2 Te1/2 b Zrc Ti1-a-b-c
3 で表され、x、y、a、b、c、のモル比が、0≦x
≦0.12、0≦y≦0.12、0<x+y、0.05
≦a≦0.12、0≦b≦0.015、0.43≦c≦
0.52を満足する成分100重量部に、等モル比から
なるPbO及びNb25 を合計で0.2〜1.2重量
部含有してなる基本成分に対し、Mgを0<Mg<0.
6モル%の範囲で含有した圧電磁器組成物により形成し
たことから、圧電/電歪膜の熱処理時における緻密化を
促進し、ほぼ完全に焼結させることができるため、所望
の圧電/電歪特性を発揮することができ、もって、低電
圧駆動でありながら大きな屈曲変位が得られるととも
に、応答性に優れた圧電/電歪膜型アクチュエータとす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電/電歪膜型アクチュエータの
一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る圧電/電歪膜型アクチュエータの
他の例を示す斜視図である。
【図3】図1に示す圧電/電歪膜型アクチュエータを用
いたインクジェットプリンタヘッドを示す一部を破断し
た斜視図である。
【図4】従来の圧電/電歪膜型アクチュエータを示す斜
視図である。
【符号の説明】
1・・・セラミック基板 2・・・導電膜 3、5
・・・圧電/電歪膜 4・・・電極膜 10・・・インクジェットプリンタヘ
ッド 11・・・流路部材 12・・・隔壁 13・・・流路 14・・・インク噴射孔 15・・・ノズル板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄肉のセラミック基板上に導電膜、圧電/
    電歪膜、電極膜を順次積層一体化して形成した駆動部を
    備えてなる圧電/電歪膜型アクチュエータにおいて、上
    記圧電/電歪膜を、組成式がPb1-x-y Srx Ba
    y (Zn1/3 Sb2/3 a (Ni1/2 Te1/2 b Zr
    c Ti1-a-b-c 3 で表され、x、y、a、b、c、の
    モル比が、0≦x≦0.12、0≦y≦0.12、0<
    x+y、0.05≦a≦0.12、0≦b≦0.01
    5、0.43≦c≦0.52を満足するPZT成分10
    0重量部に、等モル比からなるPbO及びNb2 5
    合計で0.2〜1.2重量部含有してなる基本成分に対
    し、Mgを0<Mg<0.6モル%の範囲で含有した圧
    電セラミックスにより形成したことを特徴とする圧電/
    電歪膜型アクチュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009234022A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びにアクチュエータ
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