JP2000254644A - 排水の処理方法 - Google Patents

排水の処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水を酸化処理した後、逆浸透膜によって有
機物等の被酸化物含有処理水と被酸化物をほとんど含ま
ない処理水とに分離することを可能にする排水の処理方
法を提供すること。 【解決手段】 本発明の排水の処理方法とは、排水を酸
化処理および/または分解処理に付する酸化処理工程
と、酸化処理工程を経て得られた処理液を、高脱塩率を
有する逆浸透膜を用いて被酸化物を含有する非透過液と
被酸化物をほとんど含有しない透過液とに分離すること
を特徴とする排水の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水を浄化処理す
る方法に関するものである。詳細には炭素数2以上の有
機化合物および/または窒素化合物が含まれている排水
を、酸化処理工程と逆浸透膜処理工程を組合せて効率よ
く処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より排水を処理する一手段として、
酸化処理により排水中の有機物や窒素化合物などを酸化
・分解する方法が実施されているが、難分解性有機物や
窒素化合物は十分に酸化・分解処理することができなか
った。例えば湿式酸化処理を用いた場合、湿式酸化処理
した排水を、逆浸透膜を用いて濃縮し、この濃縮液を再
度湿式酸化処理することによって浄化作用の向上を図る
方法が提案されている。この様な方法として例えば特開
平1−262993号には、反応塔でのNOx−N生成
の抑制を目的として排水を湿式酸化処理し、処理後の排
水中の酸成分を逆浸透膜を用いて濃縮し、この濃縮液
(非透過液)を更に酸化工程に付すべく排水に混合し
て、排水のpHが7となる様に調整する方法が提案され
ている。しかしながら酸成分を濃縮するこの方法で用い
られている逆浸透膜では、pH1〜3の酸成分は逆浸透
膜で濃縮することができるものの、酢酸はほとんど逆浸
透膜を透過してしまう。このため透過液には酢酸等の被
酸化物が含まれており、排水は十分に浄化されていなか
った。
【0003】また「触媒を用いた湿式酸化方法による排
水再生利用技術開発」(造水技術,Vol.16,N
o.3、P13−24(1990))には、排水を湿式
酸化処理して得られた処理水を、ポリエーテル系、ポリ
ビニルアルコール系の逆浸透膜を用いて処理する方法が
記載されているが、ポリエチレンオキサイド系やポリエ
チレンイミン系等を含むポリエチレン系、酢酸セルロー
ス系、ポリビニルアルコール系、ポリエーテル系などの
逆浸透膜は、分子量が100以上の酸成分に対しては高
い分離性能(排除率)を呈すものの、分子量100未満
の酸成分に対する排除率は低く、分子量が小さい酢酸等
の有機酸を十分に捕捉することができない。そのため、
透過液を更にメタン醗酵などの浄化工程に付して酢酸等
を処理する必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な状況
に鑑みてなされたものであって、その目的は、排水を酸
化処理工程に付し、酸化および/または分解して得られ
た処理液を、逆浸透膜によって有機物等の被酸化物含有
処理液と被酸化物をほとんど含まない処理液とに分離す
ることを可能にする排水の処理方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明の排水の処理方法とは、炭素数2以上の有機化合物
および/または窒素化合物含有排水を、酸化および/ま
たは分解する酸化処理工程に付して処理する方法におい
て、酸化処理工程を経て得られた処理液を、高脱塩率を
有する逆浸透膜を用いて逆浸透膜非透過液と逆浸透膜透
過液とに分離することに要旨を有する。
【0006】この際、該非透過液の全部または一部を前
記排水と共に酸化処理工程に付してもよく、あるいは該
非透過液の全部または一部を有機酸および/またはアン
モニアの回収工程に付してもよい。この時、逆浸透膜で
処理される処理液のpHを4以上とすることが推奨され
る。
【0007】本発明では逆浸透膜としてポリアミド系複
合膜を用いることが推奨される。
【0008】また本発明では、酸化処理工程として湿式
酸化処理を採用することが好ましく、該湿式酸化処理を
加熱,加圧下で行うことが望ましい。
【0009】本発明の方法によって得られる非透過液に
は有機酸,アンモニアのうち1種以上が含まれており、
また該非透過液に含まれているこれらの有効成分は回収
工程に付すことができる。
【0010】更に酸化処理工程を経て得られた処理液の
一部および/または透過液の一部または全部を、前記排
水と共に酸化処理工程に付すことも有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らは排水を浄化する方法
について種々検討を重ねた結果、酸化処理工程後の処理
液中に含まれる有機酸(酢酸等)やアンモニア等の被酸
化物は、高脱塩率を有する逆浸透膜を用いて処理すれ
ば、非透過液に濃縮して含ませることができ、また透過
液は被酸化物をほとんど含まない高度に浄化された処理
水となることを見出した。
【0012】即ち本発明の処理方法では、排水、特に炭
素数2以上の有機化合物および/または窒素化合物を含
有する排水を、酸化処理および/または分解処理(以
下、「酸化・分解処理」と略記する。)に付する酸化処
理工程と、酸化処理工程を経て得られた処理液を、高脱
塩率を有する逆浸透膜を用いて処理し、非透過液中に有
機酸および/またはアンモニアを濃縮するところに一つ
の特徴を有している。
【0013】本発明で処理される排水の種類は特に限定
されず、例えば化学プラント,電子部品製造設備,食品
加工設備,金属加工設備,金属めっき設備,印刷製版設
備,写真設備等の各種産業プラントからの排水や、更に
火力発電や原子力発電などの発電設備などからの排水で
もよく、要するに炭素数2以上の有機化合物および/ま
たは窒素化合物が含まれている排水であれば全て包含さ
れる。具体的にはEOG製造設備,メタノール,エタノ
ール,高級アルコールなどのアルコール製造設備からの
排水、特にアクリル酸,アクリル酸エステル,メタクリ
ル酸,メタクリル酸エステルなどの脂肪族カルボン酸や
そのエステル,或いはテレフタル酸,テレフタル酸エス
テルなどの芳香族カルボン酸もしくは芳香族カルボン酸
エステルの製造プロセスから排出される有機物含有排水
が例示される。またアミン,イミン,アンモニア,ヒド
ラジン等の窒素化合物を含有している排水でもよい。ま
た下水やし尿などの生活排水であってもよい。或いはダ
イオキシン類やフロン類,フタル酸ジエチルヘキシル,
ノニルフェノールなどの有機ハロゲン化合物や環境ホル
モン化合物等の有害物質を含有している排水でも良い。
【0014】また本発明で採用される酸化処理工程とし
ては、例えば湿式酸化処理,超臨界酸化処理,オゾン酸
化処理,過酸化水素を用いた酸化処理,過塩素酸塩など
を用いた酸化処理,亜硝酸を用いた酸化処理,紫外光を
用いた酸化処理,電解を用いた酸化処理など、更には生
物処理や燃焼処理なども含まれるが、特に湿式酸化処理
を用いることが推奨される。
【0015】以下、図1の処理装置を用いて排水を処理
する方法について説明する。図1は酸化処理工程の一つ
として湿式酸化処理を採用した場合の処理装置の一実施
態様を示す概略図であるが、本発明で用いられる装置は
これに限定する趣旨では決してない。
【0016】排水供給源から供給される炭素数2以上の
有機化合物および/または窒素化合物を含有する排水
は、排水供給ライン6を通して排水タンク18に供給さ
れる。また後述する非透過液は濃縮液返還ライン19を
通して該排水タンク18に供給される場合があるが、非
透過液は任意の位置で排水に供給して混合してもよく、
また排水タンク18を設けなくてもよい。
【0017】尚、酸化処理工程に付す排水は、予め逆浸
透膜を用いて排水中に含まれる炭素数2以上の有機化合
物および/または窒素化合物を非透過液に濃縮して含ま
せてもよく、この際、後述する湿式酸化処理後に用いら
れる高脱塩率を有する逆浸透膜を用いることができる。
【0018】排水は排水タンク18から排水供給ポンプ
5から加熱器3に送られる。この際の空間速度は特に限
定されず、反応塔の処理能力によって適宜決定すればよ
いが、通常は、反応塔あたりの空間速度で0.1hr-1
〜10hr-1,より好ましくは0.2hr-1〜5h
-1,更に好ましくは0.3hr-1〜3hr-1となるよ
うに調整することが推奨される。空間速度が0.1hr
-1未満の場合、排水の処理量が低下して、過大な設備が
必要となり、逆に10hr-1を超える場合には、反応塔
内での排水の酸化・分解処理が不十分になる。
【0019】本発明で用いることができる湿式酸化処理
は酸素含有ガスの存在下、もしくは不存在下のいずれの
条件でも行うことが出来るが、排水中の酸素濃度を高め
ると反応塔内での排水中の被酸化物の酸化・分解効率を
向上させることができるので、排水に酸素含有のガスを
混入させることが望ましい。
【0020】酸素含有ガスの存在下に処理を行う場合に
は、酸素含有ガスを酸素含有ガス供給ライン10から導
入し、コンプレッサー9で昇圧した後、排水が加熱器3
に供給される前に排水に混入することが望ましい。
【0021】本発明で用いることの出来る酸素含有ガス
としては、酸素分子および/またはオゾンを含有するガ
スであれば特に限定されず、純酸素,酸素富化ガス,空
気等でもよく、あるいは過酸化水素水や他のプラントで
生じた酸素含有ガスを利用してもよい。これらの中でも
空気を用いることが経済的観点から推奨される。
【0022】酸素含有ガスを供給する場合の供給量は特
に限定されず、排水中の被酸化物を酸化・分解処理する
能力を高めるのに有効な量を供給すればよい。酸素含有
ガスの供給量は例えば、酸素含有ガス流量調節弁11を
設けることによって供給量を適宜調節することが出来
る。酸素含有ガスの供給量として好ましくは、排水中の
被酸化物の理論酸素要求量の0.5〜5.0倍、より好
ましくは0.7倍〜3.0倍の酸素量であることが推奨
される。酸素含有ガスの供給量が0.5倍未満の場合
は、被酸化物が十分に酸化・分解処理されずに湿式酸化
処理を経て得られた処理液中に比較的多く残留し、逆浸
透膜処理工程における逆浸透膜の負担が増大する。また
5.0倍を超えて酸素を供給しても酸化・分解処理能力
が飽和する。
【0023】尚、本発明において「理論酸素要求量」と
は、排水中の被酸化物を窒素,二酸化炭素,水,灰分に
まで酸化および/または分解するのに必要な酸素量のこ
とである。
【0024】排水中の被酸化物の理論酸素要求量は、多
くの場合、化学的酸素要求量(COD(Cr))によっても求
めることができる。
【0025】次に加熱器3に送られた排水は予備加熱さ
れた後、反応塔1に供給される。反応塔内での排水の温
度は他の条件にも影響されるが、370℃を超える温度
に加熱されると、排水を液相状態に保持するのに高い圧
力を加えなければならず、そのために設備の大型化,ラ
ンニングコストの上昇をもたらすので、加熱温度は好ま
しくは270℃以下,より好ましくは230℃以下,更
に好ましくは170℃以下とすることが望ましい。一
方、排水の温度が80℃未満では排水中の被酸化物の酸
化・分解処理を効率的に行うことが困難になるので、好
ましくは100℃以上,より好ましくは110℃以上に
加熱することが望ましい。
【0026】尚、排水を加熱する時期は特に限定され
ず、上述した通り予め加熱した排水を反応塔内に供給し
てもよいし、或いは、排水を反応塔内に供給した後に加
熱してもよく、また蒸気などの熱源を排水に供給しても
よい。
【0027】尚、本発明で用いられる湿式酸化法におい
て、反応塔の数,種類,形状等は特に限定されず、通常
の湿式酸化処理に用いられる反応塔を単数又は複数組合
せて用いることができ、例えば単管式の反応塔や多管式
の反応塔などを用いることが出来る。また複数の反応塔
を設置する場合、目的に応じて反応塔を直列または並列
にするなど任意の配置とすることができる。
【0028】排水の反応塔への供給方法としては、気液
上向並流,気液下向並流,気液向流など種々の形態を用
いることができ、またこれらの供給方法を2以上組合せ
ても良い。
【0029】反応塔内での処理に固体触媒を用いると、
排水中に含まれる有機化合物や窒素化合物の酸化・分解
処理効率を向上することができると共に、固体触媒を用
いない場合に比べて、反応塔内の処理温度を下げること
ができるので望ましい。本発明で用いることができる固
体触媒は特に限定されないが、例えばマンガン,コバル
ト,ニッケル,銅,セリウム,銀,白金,パラジウム,
ロジウム,金,イリジウム,ルテニウムの群から選ばれ
る少なくとも1種を含有する固体触媒が推奨される。こ
れらの元素の含有量は特に限定されないが、固体触媒中
に好ましくは0.01〜25質量%、より好ましくは
0.05〜10質量%の割合で含有されていることが望
ましい。また固体触媒には、上記元素に加え、チタン,
ジルコニウム,アルミニウム,ケイ素,鉄,活性炭から
選ばれる少なくとも1種以上を含有させることが望まし
い。
【0030】上記固体触媒の形状は特に限定されず、例
えばペレット状,球状,粒状,リング状あるいはハニカ
ム状等、任意の形状で用いることができる。
【0031】湿式酸化処理を用いた場合、上記固体触媒
を数種類用いてもよく、また複数の反応塔を用いる場合
には、固体触媒を用いた反応塔と、固体触媒を用いない
反応塔を組合せることもでき、固体触媒の使用方法は特
に限定されるものではない。
【0032】また、反応塔内にはこれらの固体触媒以外
にも、気液の攪拌,接触効率の向上,気液の偏流低減等
を目的として、種々の充填物、内作物などを組み込んで
もよい。
【0033】一方、排水を高温にしすぎると反応塔内で
排水がガス状態となるため、触媒表面に有機物,無機物
などが付着し、触媒の活性が劣化することがある。従っ
て高温下でも排水が液相を保持できるように反応塔内に
圧力を加えることが推奨される。また湿式酸化処理装置
の排ガス出口側に圧力調整弁を設け、反応塔内で排水が
液相を保持できるように処理温度に応じて圧力を適宜調
節することが望ましい。例えば処理温度が80℃以上,
95℃未満の場合には、大気圧下においても排水は液相
状態であり、経済性の観点から大気圧下でもよいが、処
理効率を向上させるためには加圧することが好ましい。
また処理温度が95℃以上の場合、大気圧下では排水が
気化することが多いため、処理温度が95℃以上,17
0℃未満の場合、0.2〜1MPa(Gauge)程度
の圧力、処理温度が170℃以上,230℃未満の場
合、1〜5MPa(Gauge)程度の圧力、また処理
温度が230℃以上の場合、5MPa(Gauge)超
の圧力を加え、排水が液相を保持できる様に圧力を制御
することが望ましい。
【0034】排水中の被酸化物は反応塔内で酸化・分解
処理されるが、本発明において「酸化・分解処理」と
は、酢酸を二酸化炭素と水にする酸化分解処理、酢酸を
二酸化炭素とメタンにする脱炭酸分解処理、尿素をアン
モニアと二酸化炭素にする加水分解処理、アンモニアや
ヒドラジンを窒素ガスと水にする酸化分解処理、ジメチ
ルスルホキシドを二酸化炭素,水,硫酸イオンなどの灰
分にする酸化及び酸化分解処理、ジメチルスルホキシド
をジメチルスルホンやメタンスルホン酸にする酸化処理
などが例示され、即ち易分解性の被酸化物を窒素ガス,
二酸化炭素,水,灰分などにまで分解する処理や、難分
解性の有機化合物や窒素化合物を低分子量化する分解処
理,若しくは酸化する酸化処理など種々の酸化および/
または分解を含む意味である。
【0035】尚、湿式酸化処理を経て得られた処理液中
には、被酸化物のうち難分解性の有機化合物が低分子化
されて残存していることが多く、低分子化された有機化
合物としては低分子量の有機酸、特に酢酸が残留してい
ることが多い。また排水中の被酸化物として窒素化合物
が多い場合、湿式酸化処理を経て得られた処理液中には
アンモニアが残留していることが多く、特に固体触媒を
用いずに湿式酸化処理を行うと、湿式酸化処理後の処理
液中にアンモニアを多量に残存させることができる。
【0036】反応塔で酸化・分解処理された排水は、処
理液ライン12から取り出され、必要に応じて冷却器4
で適度に冷却された後、気液分離器13によって気体と
液体に分離される。その際、液面コントローラーLCを
用いて液面状態を検出し、液面制御弁15によって気液
分離器内の液面が一定となるように制御することが望ま
しい。或いは酸化・分解処理された排水を冷却せずに、
または図3に示す様に冷却器34である程度冷却した後
に、圧力制御弁44を介して排出し、その後で、気液分
離器43によって気体と液体に分離しても良い。
【0037】ここで、気液分離器内の温度は、特に限定
されないが、反応塔で酸化・分解処理された排水中には
二酸化炭素が含有されているため、例えば気液分離器内
の温度を高くして排水中の二酸化炭素を放出させたり、
あるいは気液分離器で分離した後の液体を空気等のガス
でバブリング処理して液体中の二酸化炭素を放出するこ
とが望ましい。
【0038】気液分離器13で分離して得られた液体
(処理液)は、次に高脱塩率を有する逆浸透膜を用いて
処理することにより被酸化物を含む非透過液と被酸化物
をほとんど含まない透過液とに分離される。逆浸透膜に
供給される処理液の温度は、逆浸透膜の耐久性を維持す
るために40℃以下であることが好ましい。処理液の温
度制御には、処理液を気液分離器13に付す前に冷却器
4を設けて冷却してもよく、あるいは気液分離後に熱交
換器(図示しない)や冷却器(図示しない)を設けて処
理液を冷却してもよい。
【0039】尚、本発明で用いられる湿式酸化処理を行
うに当たり、加熱器及び冷却器には熱交換器を用いるこ
ともでき、これらを適宜組合せて使用することができ
る。
【0040】また逆浸透膜に供される処理液はMF膜,
UF膜などの各種ろ過設備を使用し、予め固液分離処理
を行ってから逆浸透膜で処理しても良い。
【0041】本発明に係る排水の処理方法は、この様な
湿式酸化処理や他の酸化処理を経て得られた処理液を高
脱塩率を有する逆浸透膜を用いて処理すると、処理液中
に含まれる有機酸(酢酸など)および/または窒素化合
物(アンモニアなど)等を非透過液中に捕捉,濃縮する
ことができる。
【0042】酸化処理工程を経て得られた処理液中に含
まれる被酸化物は主として有機酸および/またはアンモ
ニアであることが望ましく、好ましくはこれらが30質
量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好まし
くは70質量%以上の割合で処理液に含有されているこ
とが望ましい。
【0043】尚、処理液中に含まれる被酸化物量は、例
えばTOD,ThOD,COD(Cr),COD(M
n),TOC,BOD,全窒素,あるいは特定成分の測
定値から算出することができる。
【0044】本発明において「高脱塩率を有する逆浸透
膜」とは、圧力1.47MPa(Gauge),pH
6.5,温度25℃の条件下で0.15%NaCl水溶
液に対して脱塩率(排除率)が98.0%以上,より好
ましくは99.0%以上,更に好ましくは99.5%以
上を示す逆浸透膜であって、且つ分子量100未満の有
機酸、例えば酢酸に対して高い分離性能(排除率60%
以上,好ましくは70%以上,更に好ましくは80%以
上)を有する逆浸透膜を意味し、この様な逆浸透膜とし
ては、例えば架橋ポリアミド系や芳香族ポリアミド系な
どを含むポリアミド系,脂肪族アミン縮合物系,複素環
ポリマー系の逆浸透膜が例示され、特に架橋ポリアミド
系や芳香族ポリアミド系などのポリアミド系逆浸透膜は
有機酸および/またはアンモニアに対する分離性が高い
ので推奨される。
【0045】尚、酢酸セルロース系,ポリエチレン系,
ポリビニルアルコール系,ポリエーテル系などの逆浸透
膜の様に分子量100未満の有機酸、例えば酢酸に対し
て分離性能(排除率60%未満)が低い逆浸透膜は、高
脱塩率を有していても好ましくない。
【0046】逆浸透膜の膜形態としては、非対称膜,複
合膜などの各種膜形態を用いることができるが、これら
のうち特に複合膜が推奨され、本発明では逆浸透膜とし
てポリアミド系複合膜を用いることが推奨される。
【0047】本発明で用いられる逆浸透膜の膜モジュー
ルは特に限定されず、例えば平膜型モジュール,中空糸
型モジュール,スパイラル型モジュール,円筒型モジュ
ール,プリーツ型モジュールなどのいずれであってもよ
く、特にモジュールの膜面積が大きく、装置のコンパク
ト化に好適であるスパイラル型モジュールが望ましい。
【0048】尚、逆浸透膜に供される処理液量は特に限
定されず、湿式酸化処理を経て得られた処理液の全量ま
たは一部を逆浸透膜に付すことができる。
【0049】酸化処理工程を経て得られた処理液を逆浸
透膜によって非透過液と透過液とに分離(処理)する際
に、処理液中に含まれる有機酸および/またはアンモニ
アが夫々有機酸塩,アンモニウム塩であれば、逆浸透膜
での分離性能が高まり、非透過液中に有機酸塩,アンモ
ニウム塩等の被酸化物をより多く含有させることがで
き、また透過液は被酸化物をほとんど含んでおらず、高
度に浄化されている。
【0050】有機酸を塩にする方法としては、アルカリ
金属イオンおよび/またはアンモニウムイオンを添加す
ることが望ましい。
【0051】添加されたアルカリ金属イオンおよび/ま
たはアンモニウムイオンは、処理液中に含まれる有機酸
とイオン結合して有機酸塩を形成し、分子サイズが大き
くなるので逆浸透膜のこれら被酸化物に対する分離性能
(排除率)が向上する。また有機酸はアルカリ金属イオ
ンおよび/またはアンモニウムイオンの添加によって負
の電荷を有する様になり、負の電荷を有する逆浸透膜と
静電反撥を起こし、逆浸透膜の分離性能が向上する。
【0052】尚、図1ではアルカリ供給ライン8を設け
て排水に添加しているが、アルカリ金属イオンおよび/
またはアンモニウムイオンの添加位置は特に限定され
ず、酸化処理工程後の処理液にアルカリ金属イオンおよ
び/またはアンモニウムイオンを添加してもよく、逆浸
透膜に供される処理液に添加されていればよい。この
際、処理液中に含まれる有機酸全量に対してアルカリ金
属イオン及び/またはアンモニウムイオンの含有量が5
0モル%以上となる様に添加すると、逆浸透膜の分離性
能を更に高めることができるので望ましい。
【0053】またアンモニアを塩にする方法としては、
有機酸および/または無機酸を添加することが好ましい
が、有機酸は排水の浄化性を低下させるため、硫酸など
の無機酸を添加することが望ましい。
【0054】添加された有機酸および/または無機酸
は、処理液中に含まれるアンモニアとイオン結合してア
ンモニウム塩を形成し、分子サイズが大きくなるので逆
浸透膜のこれら被酸化物に対する分離性能が向上する。
【0055】尚、有機酸および/または無機酸の添加位
置は有機酸を塩にする場合と同様、特に限定されない。
この際、処理液中に含まれるアルカリ成分全量に対して
有機酸および/または無機酸を50モル%以上の含有量
となる様に添加すると逆浸透膜の分離性能を更に高める
ことができる。
【0056】また窒素化合物の酸化処理工程中に有機物
が含まれていると、酸化・分解処理によって炭酸塩が生
成し、アンモニアをアンモニウム塩にすることができ
る。
【0057】尚、逆浸透膜で処理する際の処理液のpH
が4以上であれば、逆浸透膜の分離性能が更に向上し、
被酸化物に対する逆浸透膜の排除率が上がり、得られた
透過液の浄化性を飛躍的に向上させることができる。
【0058】処理液中の有機酸含有率が高い場合は、好
ましくはpH4以上、より好ましくはpH5以上、更に
好ましくはpH6以上となる様に調整することが望まし
い。pHが9を超えると逆浸透膜の分離性能が低下する
ことが多いため、処理液のpH上限はpH9とすること
が好ましく、より好ましくはpH8、更に好ましくはp
H7.5である。
【0059】また処理液中のアンモニア含有率が高い場
合は、好ましくはpH4以上、より好ましくはpH5以
上、更に好ましくはpH6以上となる様に調整すること
が望ましいが、pHを高くし過ぎると逆浸透膜の分離性
能が低下するので、好ましくはpH9以下、より好まし
くはpH8以下にすることが推奨される。
【0060】本発明の排水の処理方法によって有機酸
(並びに/或いは有機酸塩)および/またはアンモニア
(並びに/或いはアンモニウム塩)は非透過液中に捕捉
されている。この非透過液の一部または全部を、直接的
に、または間接的に排水の酸化処理工程の任意の位置に
戻してもよい。例えば酸化処理工程に付す前の排水に直
接戻したり、あるいは任意の位置から排水に供給して酸
化処理工程に付してもよい。
【0061】尚、非透過液を酸化処理工程に循環させて
再度酸化・分解処理すると、循環させた被酸化物をほぼ
完全に酸化・分解処理することができるので望ましい。
この際、非透過液の一部または全部をメタン醗酵等の生
物処理に付して処理してもよく、あるいは燃焼処理や化
学的処理などの他の排水処理を実施する等、用途や目的
に合わせて自由に組合せることができる。この様な処理
に付される非透過液量は、逆浸透膜を使用しない場合と
比較して被酸化物が濃縮されており、より高効率でしか
も低コストで処理することができる。
【0062】また非透過液の一部または全部を、有機酸
や有機酸塩および/またはアンモニアやアンモニウム塩
など、非透過液中に含まれる有効成分の回収工程に付し
ても良い。このときの回収方法としては特に限定され
ず、例えば直接蒸留によって回収する方法や、有機溶媒
を用いて有機酸を抽出し、その後抽出液を蒸留によって
脱水,脱溶媒して有機酸を回収する方法など公知の回収
方法を用いることが出来る。
【0063】本発明に係る排水の処理方法を用いて排水
を処理した場合、逆浸透膜によって被酸化物を含む非透
過液と被酸化物をほとんど含まない透過液とに分離する
ことができる。また該透過液には被酸化物がほとんど含
まれておらず、高度に処理された浄化水であるので、生
物処理等の従来行われていた酢酸処理工程を行うことな
く、工業用水や生活用水として再利用することができ
る。また該透過液に更に高度浄化処理を施して得られた
処理水は、純水として利用することもできる。
【0064】更に本発明に係る方法では、酸化処理工程
を経て得られた処理液の一部および/または逆浸透膜透
過液の一部または全部を、酸化処理工程に付す前の排水
に直接戻したり、あるいは排水供給ラインの任意の位置
から排水に供給して酸化処理工程に付してもよい。例え
ば酸化処理工程を経て得られた処理液および/または透
過液を排水の希釈水として用いると、排水のTOD濃度
やCOD濃度を低下させることができる。あるいは透過
液を排水の塩濃度希釈用水として用いることができる。
【0065】以下、実施例によって本発明を更に詳述す
るが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前
・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全
て本発明の技術範囲に包含される。
【0066】
【実施例】実施例1 図1および図2に示す装置を使用し、酸化処理工程には
湿式酸化処理を採用して下記の条件下で500時間処理
を行った。湿式酸化処理には直径26mm,長さ300
0mmの円筒状の反応塔1を用い、内部には固体触媒と
してチタニアと白金を主成分とし、白金含有量が0.1
質量%の触媒を0.8リットル充填した。処理に供した
排水は、脂肪族カルボン酸および脂肪族カルボン酸エス
テル製造プロセスから排出された排水で、アルコール,
アルデヒド,カルボン酸など炭素数2以上の有機化合物
を多く含有していた。また排水のCOD(Cr)は35
g/リットル,pHは2.8であった。尚、排水にはア
ルカリ金属イオン,アンモニウムイオン,無機塩は含有
していなかった。
【0067】(酸化処理工程)排水供給ライン6を通し
て供給された上記排水と、後述する非透過液とを排水タ
ンク18で混合し、排水供給ポンプ5を用いて2.4リ
ットル/hの流量で昇圧フィードした後、加熱器3で2
00℃に加熱した排水を反応塔1の底から供給した。ま
た空気を酸素含有ガス供給ライン10から供給し、コン
プレッサー9で昇圧した後、O2/COD(Cr)(供
給ガス中の酸素量/排水の化学的酸素要求量)=1.1
となる様に、酸素含有ガス流量調節弁11で流量を制御
して加熱器3の手前で該排水に混入した。反応塔1で
は、気液上向並流で処理を行った。反応塔1では、電気
ヒーター2を用いて排水を200℃に保温し、酸化・分
解処理を実施し、得られた処理液は、処理液ライン12
を経て気液分離器13に送り気液分離した。気液分離器
13では液面コントローラーLCで液面を検出し、一定
の液面を保持する様に液面制御弁15から液体を排出し
た。また圧力制御弁14は圧力コントローラーPCで圧
力を検出し、2.45MPa(Gauge)の圧力を保
持する様に制御した。湿式酸化処理を経て得られた処理
液のCOD(Cr)は2.6g/リットル,pH3.0
であり、全TOC成分中の92%が酢酸であった。
【0068】(逆浸透膜処理工程)この処理液を、更に
図2した様な逆浸透膜処理装置20に4.9MPa(G
auge)の圧力を保持する様に供給し、非透過液量が
逆浸透膜で処理される処理液量の約1/5となる様に制
御した。尚、逆浸透膜としては、ポリアミド系複合膜
(0.15%NaCl水溶液に対して脱塩率(排除率)
99.5%)を使用した。逆浸透膜で処理して得られた
透過液のCOD(Cr)は、1.1g/リットルであ
り、また非透過液のCOD(Cr)は、8.4g/リッ
トルであった。そして該非透過液の95%を、濃縮液返
還ライン19から排水タンク18に供給した。また湿式
酸化処理を経て得られた処理液に、水酸化ナトリウムを
添加して処理液のpHを変えた処理液を逆浸透膜処理工
程に付し、得られた透過液のCOD(Cr)濃度を調べ
た。結果を図5に示す。
【0069】比較例1 (逆浸透膜処理工程)実施例1で得られた湿式酸化処理
後の処理液(COD(Cr)2.6g/リットル)を逆
浸透膜処理に付した。尚、逆浸透膜として酢酸セルロー
ス系膜(0.15%NaCl水溶液に対して脱塩率(排
除率)95%)を使用した以外は実施例1と同じ方法で
逆浸透膜処理工程を行った。この逆浸透膜では有機物を
ほとんど分離することができず、得られた透過液のCO
D(Cr)は2.3g/リットルであり、十分な分離結
果を得ることができなかった。
【0070】実施例2 (酸化処理工程)水酸化ナトリウム水溶液をアルカリ供
給ライン8から供給した以外は、実施例1と同じ方法で
湿式酸化処理をおこなった。尚、水酸化ナトリウム水溶
液の供給量は、湿式酸化処理後の処理液のpHが約6と
なる様に制御した。得られた処理液のCOD(Cr)は
3.0g/リットルであり、全TOC成分中の93%が
酢酸であった。またNaは、酢酸に対して約1.5モル
倍含有されていた。
【0071】(逆浸透膜処理工程)得られた処理液を実
施例1と同じ逆浸透膜処理工程に付した。得られた透過
液のCOD(Cr)は0.1g/リットル未満であり、
非透過液のCOD(Cr)は15g/リットルであっ
た。そしてこの非透過液の95%を、濃縮液返還ライン
19から排水に混合した。
【0072】比較例2 (逆浸透膜処理工程)実施例2で得られた処理液(CO
D(Cr)3.0g/リットル)を、逆浸透膜としてポ
リビニルアルコール系膜(0.15%NaCl水溶液に
対して脱塩率(排除率)93%)を使用し、逆浸透膜で
の処理圧力を1.96MPa(Gauge)とした以外
は、実施例1と同じ逆浸透膜工程に付した。得られた透
過液のCOD(Cr)は2.6g/リットルであり、こ
の逆浸透膜では有機物をほとんど排除することができな
かった。
【0073】実施例3 実施例1と同じ反応塔を用いて500時間湿式酸化処理
した。反応塔1の内部に固体触媒としてチタニアと白金
を主成分とし、白金の含有量が0.5質量%の触媒を
0.8リットル充填した。また処理に供した排水は、発
電設備から排出された排水で、硫安とナトリウムイオン
と炭酸イオンを含有する排水であった。排水中のアンモ
ニア濃度は2.2g/リットル、pHは7.8であっ
た。また排水の蒸発固形物量は15g/リットルであっ
た。
【0074】(酸化処理工程)この排水と後述する非透
過液とを排水タンク18で混合し、排水供給ポンプ5で
0.8リットル/hの流量で昇圧フィードした後、加熱
器3で160℃に加熱し、反応塔1の底から供給した。
また空気を酸素含有ガス供給ライン10から導入し、コ
ンプレッサー9で昇圧した後、O2/COD=2.0と
なる様に加熱器3の手前で排水に供給した。反応塔1で
は、電気ヒーター2を用いて排水の温度を160℃に保
温し、酸化・分解処理した後、冷却器4で30℃まで冷
却し、気液分離器13に送り気液分離した。この際、圧
力コントローラ(PC)で圧力を検出し、0.9MPa
(Gauge)の圧力を保持するように実施例1と同様
に制御した。得られた処理液のアンモニア濃度は0.5
3g/リットル,pHは7.1であった。
【0075】(逆浸透膜処理工程)この処理液を逆浸透
膜処理装置20に4.9MPa(Gauge)の圧力を
保持する様に供給した。非透過液量が逆浸透膜に付され
る処理液量の約1/3となる様に制御した。尚、逆浸透
膜には本発明に係るポリアミド系複合膜(0.15%N
aCl水溶液に対して脱塩率(排除率)99.5%)を
用いた。得られた透過液のアンモニア濃度は0.01g
/リットル未満であり、また非透過液のアンモニア濃度
は1.6g/リットルであった。該非透過液の80%を
濃縮液返還ライン19から排水に混合した。
【0076】実施例4 図3,図4に示す装置を使用し、湿式酸化処理を下記の
条件下で500時間で行った。反応塔31には、直径2
6mm、長さ3000mmの円筒形のものを用い、内部
には固体触媒として活性炭と白金を主成分とし、白金含
有量が0.2質量%の触媒を1.3リットル充填した。
処理に供した排水は、エチルアルコールやプロピルアル
コールなどのアルコール類を多量に含有する溶剤系排水
を用いた。該排水のCOD(Cr)は30g/リット
ル,pHは7.1であった。尚、排水にはアルカリ金属
イオン,アンモニウムイオン,無機塩は含まれていなか
った。
【0077】(酸化処理工程)排水供給ライン36から
送られてくる上記排水と、後述する非透過液とを排水タ
ンク48で混合した。該排水を排水供給ポンプ35で
1.3リットル/hの流量で昇圧フィードした後、加熱
器33で120℃に加熱し、反応塔31の上部から供給
した。またアルカリ供給ライン38から水酸化ナトリウ
ム水溶液をアルカリ供給ポンプ37を用いて排水に混合
した。尚、水酸化ナトリウムの供給量は、湿式酸化処理
後の処理液のpHが約6.5となるように制御した。ま
た空気を酸素含有ガス供給ライン40から供給し、コン
プレッサー39で昇圧した後、O2/COD(Cr)=
0.7となる様に酸素含有ガス流量調節弁41で流量を
制御して加熱器33の手前で該排水に供給した。反応塔
31では、気液下向並流で処理を行った。また反応塔3
1では、電気ヒーター32を用いて排水の温度を120
℃に保って酸化・分解処理を実施した。処理後の排水
は、処理液ライン42を経て、冷却器34で80℃まで
冷却し、圧力制御弁44から放圧排出した。排出された
気液は、気液分離器43に送り気液分離した。圧力制御
弁44は圧力コントローラーPCで圧力を検出し、0.
9MPa(Gauge)の圧力を保持する様に制御した。
得られた処理液のCOD(Cr)は9.1g/リットル
であり、全TOC成分中の95%が酢酸であった。
【0078】(逆浸透膜処理工程)得られた処理液を逆
浸透膜処理工程50に、2.9MPa(Gauge)の圧
力を保持する様に供給した。また非透過液量が供給され
る処理液量の約1/3となる様に処理した。尚、逆浸透
膜としてポリアミド系複合膜(0.15%NaCl水溶
液に対して脱塩率(排除率)99.7%)を使用した。
得られた透過液は、COD(Cr)0.1g/リットル
未満であり、また非透過液は、COD(Cr)28g/
リットルであった。この非透過液全量を、濃縮液返還ラ
イン49を通して排水タンク48に供給し、排水と混合
した。
【0079】実施例5 下記の条件以外は、実施例1と同様の方法で湿式酸化処
理を行った。反応塔1の内部には触媒を充填せず空塔と
した。排水には、種々の有機物を含有する下水処理の汚
泥水を用いた。排水のCOD(Cr)は9.7g/リッ
トル、pHは2.8であった。
【0080】(酸化処理工程)該排水と後述する非透過
液とを排水タンク18で混合し、排水供給ポンプ5で
1.6リットル/hの流量で昇圧フィードした後、加熱
器3で230℃に加熱し、反応塔1の底部から供給し
た。尚、湿式酸化処理後の処理液のpHが約6.5とな
るようにアルカリ供給ライン8から水酸化ナトリウム水
溶液をアルカリ供給ポンプ7を用いて排水に供給した。
また空気はO2/COD(Cr)=1.5の割合となる
様に実施例1と同様にして供給した。反応塔1では、電
気ヒーター2を用いて排水を230℃に保温しながら酸
化・分解処理を実施した。得られた処理液は処理液ライ
ン12を経て冷却器4で30℃まで冷却した後、気液分
離器13に送り気液分離を行った。この際、圧力が4.
9MPa(Gauge)を保持する様に制御した。得られ
た処理液のCOD(Cr)は3.3g/リットルであ
り、全TOC成分中の89%が酢酸であった。また、ア
ンモニア濃度は0.14g/リットルであった。
【0081】(逆浸透膜処理工程)得られた処理液を濾
過精度1μmのフィルターを用いて濾過した後、逆浸透
膜処理装置20に2.9MPa(Gauge)の圧力を保
持する様に供給し、非透過液量が逆浸透膜に付される処
理液量の約1/3となる様に制御した。尚、逆浸透膜と
してはポリアミド系複合膜(脱塩率(排除率)99.5
%)を使用した。得られた透過液のCOD(Cr)は
0.1g/リットル未満,アンモニア濃度は0.01g
/リットル未満であった。また非透過液のCOD(C
r)は9.8g/リットル,アンモニア濃度は0.39
g/リットルであった。そしてこの非透過液の70%
を、濃縮液返還ライン19を通して排水タンク18に供
給し、排水と混合した。
【0082】実施例6 下記条件以外は実施例4と同じ湿式酸化処理を行った。
反応塔31の内部には固体触媒として、活性炭とルテニ
ウム及びパラジウムを主成分とし、ルテニウムの含有量
が0.4質量%,パラジウムの含有量が0.1質量%の
触媒を1.3リットル充填した。また排水としては長鎖
アルコールや溶剤を含有し、COD(Cr)76g/リ
ットル,pH8.5の排水を用いた。
【0083】(酸化処理工程)該排水と後述する非透過
液の全量および湿式酸化処理液の一部とを排水タンク4
8で混合し、排水のCOD(Cr)が35g/リットル
になるように制御した。この排水を排水供給ポンプ35
を用いて0.65リットル/hの流量で昇圧フィードし
た後、加熱器33で140℃に加熱し、反応塔31の上
部から供給し、処理圧力0.9MPa(Gauge)と
なるように制御した。また空気を酸素含有ガス供給ライ
ン40から供給し、コンプレッサー39で昇圧した後、
2/COD(Cr)=0.82の割合となるように酸
素ガス流量調節弁41で流量を制御して加熱器33の手
前で該排水に供給した。反応塔31では気液下向並流で
処理を行った。反応塔31では電気ヒーター32を用い
て排水の温度を140℃に保温し、酸化・分解処理を行
った。得られた処理液のCOD(Cr)は6.5g/リ
ットル、pHは2.8であり、全TOC成分中の80%
以上がコハク酸や酢酸、プロピオン酸などの有機酸であ
った。またこの有機酸中の50%が酢酸であった。
【0084】(逆浸透膜処理工程)得られた湿式酸化処
理後の処理液の25%を濃縮液返還ライン49から排水
タンク48に返送し、残りを逆浸透膜処理工程に1.5
MPa(Gauge)の圧力を保持するように供給し、非
透過液量が供給量の約1/2となるように処理を行っ
た。この際、湿式酸化処理後の処理液には予め空気バブ
リング処理を施して液中の二酸化炭素を放出し、更にア
ンモニア水溶液を添加して処理液のpHが約6となるよ
うに制御した。尚、逆浸透膜として、ポリアミド系複合
膜(脱塩率(排除率)99.5%)を使用した。得られ
た透過液のCOD(Cr)は0.1g/リットル未満、
アンモニア濃度は0.1g/リットル未満であり、また
非透過液のCOD(Cr)は13g/リットルであっ
た。そしてこの非透過液の全量を濃縮液返還ライン49
から排水タンク48に返送した。
【0085】実施例7 (酸化処理工程)実施例1と同じ排水を用いて湿式酸化
処理を行った。尚、非透過液を排水タンク18に供給し
なかった以外は実施例1と同じで湿式酸化処理を行っ
た。得られた処理液のCOD(Cr)は2.9g/リッ
トル、pHは3.0であり、全TOC成分中の90%が
酢酸であった。
【0086】(逆浸透膜処理工程(1回目))得られた
処理液に後述する2回目の逆浸透膜処理工程によって得
られた非透過液を混合し、実施例1と同じ逆浸透膜処理
工程付した。尚、処理液は4.9MPa(Gauge)の
圧力を保持するように供給し、実施例1と同じ逆浸透膜
を用いて、非透過液量が逆浸透膜に付す処理液量の約1
/5となるように制御した。この逆浸透膜処理工程(1
回目)によって得られた透過液のCOD(Cr)は1.
2g/リットルであり、非透過液のCOD(Cr)は
9.6g/リットルであった。
【0087】(逆浸透膜処理工程(2回目))1回目と
同様の逆浸透膜処理工程に、1回目の逆浸透膜処理工程
で得られた透過液を供給し、逆浸透膜で処理をした。こ
の際、得られる非透過液量(2回目)が供給される液量
の約1/3となるように制御した。そして、この2回目
の非透過液を湿式酸化処理を経て得られた処理液に供給
した。尚、2回目の逆浸透膜非透過液のCOD(Cr)
は2.9g/リットル、逆浸透膜透過液のCOD(C
r)は0.5g/リットルだった。
【0088】(酢酸回収工程)1回目の非透過液を酢酸
回収工程に付した。尚、酢酸回収工程には溶媒抽出法お
よび蒸留法を用いた。溶媒抽出法では容量1リットルの
分液ロートを用い、抽剤に酢酸エチルを使用して3回抽
出を行った。得られた3回の抽剤相を混合し、蒸留装置
にて蒸留処理して酢酸を回収した。回収工程に付した処
理液中の酢酸の85%を回収することができた。
【0089】比較例3 (酢酸回収工程)実施例7で得られた処理液を、逆浸透
膜処理工程に付すことなく実施例7と同じの酢酸回収工
程に付した。酢酸回収工程に付した処理液中の酢酸の7
8%を回収した。
【0090】実施例8 (酸化処理工程)水酸化ナトリウム水溶液をアルカリ供
給ライン8から供給した以外は、実施例7と同じ湿式酸
化処理を行った。尚、水酸化ナトリウム水溶液の供給量
は、湿式酸化処理の処理後の液pHが約6となるように
制御した。得られた処理液のCOD(Cr)は3.3g
/リットルであり、全TOC成分の92%が酢酸であっ
た。またナトリウムイオンは、酢酸に対して約1.5モ
ル倍含有されていた。
【0091】(逆浸透膜処理工程)得られた処理液を実
施例1と同様の逆浸透膜処理工程に付した。尚、4.9
MPa(Gauge)の圧力を保持するように供給し、非
透過液量が供給液量の約1/5となるように制御した。
得られた透過液のCOD(Cr)は0.1g/リットル
未満であり、非透過液のCOD(Cr)は16.5g/
リットルであった。
【0092】(酢酸回収工程)この非透過液を実施例7
と同じ酢酸回収工程をに付して酢酸を回収した。酢酸回
収工程に付した処理液中の酢酸の97%を回収すること
ができた。
【0093】比較例4 (酢酸回収工程)実施例8の湿式酸化処理で得られた処
理液を酢酸回収工程に付し、直接酢酸を溶媒抽出した。
酢酸回収工程に付した処理液中の酢酸の81%を回収す
ることができた。
【0094】実施例9 (酸化処理工程)非透過液を排水タンク18に供給しな
かった以外は実施例3と同じ装置,排水を使用し、同様
の条件で湿式酸化処理を行った。得られた処理液のアン
モニア濃度は0.59g/リットル,pHは7.2だっ
た。
【0095】(逆浸透膜処理工程)実施例3と同様の逆
浸透膜処理工程に付した結果、得られた透過液のアンモ
ニア濃度は0.01g/リットル未満であり、非透過液
のアンモニア濃度は1.8g/リットルであった。
【0096】(アンモニア回収工程)得られた非透過液
を蒸留法を用いたアンモニア回収工程に付してアンモニ
アを回収した。アンモニア回収工程に付した処理液中の
アンモニアの95%を回収することができた。
【0097】比較例5 (アンモニア回収工程)実施例9の湿式酸化処理で得ら
れた処理液を実施例9と同様のアンモニア回収工程を用
いてアンモニアを回収した。アンモニア回収工程に付し
た処理液中のアンモニアの83%を回収することができ
た。
【0098】
【発明の効果】排水を酸化処理工程に付し、得られた処
理液中に含まれる有機酸(酢酸等)やアンモニア等の被
酸化物は、高脱塩率を有する逆浸透膜を用いて処理する
ことにより、非透過液に濃縮して含ませることができ、
また透過液として被酸化物をほとんど含まない高度に浄
化された処理水を得ることができた。また、逆浸透膜で
処理する際の処理液のpHを4以上にすると、逆浸透膜
の分離性能を著しく向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る湿式酸化処理の処理装置の実施態
様の一つである。
【図2】本発明に係る排水の処理方法の概略の一つであ
る。
【図3】本発明に係る湿式酸化処理の処理装置の実施態
様の一つである。
【図4】本発明に係る排水の処理方法の概略の一つであ
る。
【図5】実施例1で得られた透過液のCOD(Cr)濃
度の変化を示す図である。
【符号の説明】
1,31 反応塔 2,32 電気ヒーター 3,33 加熱器 4,34 冷却器 5,35 排水供給ポンプ 6,36 排水供給ライン 7,37 アルカリ供給ポンプ 8,38 アルカリ供給ライン 9,39 コンプレッサー 10,40 酸素含有ガス供給ライン 11,41 酸素含有ガス流量調節弁 12,42 処理液ライン 13,43 気液分離器 14,44 圧力制御弁 15 液面制御弁 16,46 ガス排出ライン 17,47 処理液排出ライン 18,48 排水タンク 19,49 濃縮液返還ライン 20,50 逆浸透膜処理装置 LC 液面コントローラー PC 圧力コントローラー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数2以上の有機化合物および/また
    は窒素化合物含有排水を、酸化処理工程に付して排水を
    処理する方法において、該酸化処理工程を経て得られた
    処理液を、高脱塩率を有する逆浸透膜を用いて非透過液
    と透過液に分離することを特徴とする排水の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記非透過液の全部または一部を前記排
    水と共に酸化処理工程に付す請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記非透過液の全部または一部を有機酸
    および/またはアンモニアの回収工程に付す請求項1ま
    たは2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記逆浸透膜で処理される処理液のpH
    を4以上とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記逆浸透膜がポリアミド系複合膜であ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記酸化処理工程を加熱、加圧下で行う
    湿式酸化処理である請求項1〜5のいずれかに記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記非透過液が有機酸および/またはア
    ンモニア含有液である請求項1〜6のいずれかに記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 前記酸化処理工程を経て得られた処理液
    の一部および/または前記透過液の一部または全部を、
    前記排水と共に酸化処理工程に付す請求項1〜7のいず
    れかに記載の方法。
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