JP2000254779A - 交流パルスアーク溶接方法及び溶接装置 - Google Patents

交流パルスアーク溶接方法及び溶接装置

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JP2000254779A
JP2000254779A JP11059566A JP5956699A JP2000254779A JP 2000254779 A JP2000254779 A JP 2000254779A JP 11059566 A JP11059566 A JP 11059566A JP 5956699 A JP5956699 A JP 5956699A JP 2000254779 A JP2000254779 A JP 2000254779A
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pulse
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welding
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Tomoyuki Kamiyama
智之 上山
Kosaku Yamaguchi
耕作 山口
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Daihen Corp
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Daihen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術のパルスアーク溶接方法では、板厚
が1[mm]未満の極薄板での溶接において、良好な溶接
継ぎ手品質を確保した上でかつメリハリのある美しいウ
ロコ状の溶接ビード外観を得ることができなかった。 【解決手段】 本発明の交流パルスアーク溶接方法で
は、EP極性で溶滴移行させるようにピーク電流通電時
間のピーク電流とベース電流通電時間のベース電流から
形成されるパルス電流を通電し、EN極性で溶滴移行さ
せないようにEN電流通電時間のEN電流を通電する第
1及び第2の交流パルス電流群において、アーク長が大
の第1の交流パルス電流群を高アーク長時周期の間通電
し、アーク長が小の第2の交流パルス電流群を低アーク
長時周期の間通電し、それらを交互に繰り返して通電す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム及び
アルミニウム合金、鉄鋼、ステンレス鋼等の金属溶接に
おいて、ビード外観を良好にすると共に、極薄板の溶接
可能範囲の拡大を図ることができる消耗電極式の交流パ
ルスアーク溶接方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム及びアルミニウム合金(以
下、アルミニウム合金等という)、鉄鋼、ステンレス鋼
等の金属材料は、車両、自動車、二輪車、建築構造物の
内装等に幅広く使用されており、それらの製造過程では
消耗電極ガスシールドアーク溶接が使われることが多
い。上記のような溶接構造物では、溶接継ぎ手がそのま
ま構造物の外面を形成していることが多いので、溶接継
ぎ手の強度だけでなく溶接ビード外観が美しいことも要
求されるようになっている。また、上記のような溶接構
造物では軽量化のために使用される金属材料の板厚が薄
くなってきており、1[mm]未満の極薄板に対しても良
好な溶接ができることが要求されている。
【0003】以下に、上記の要求に対応するための2つ
の従来技術について説明を行う。図17は、第1の従来
技術(以下、従来技術1という)であるパルスアーク溶
接方法の溶接電流波形を示す図である。横軸は時間tの
経過を示しており、縦軸は溶接電流Iwを示している。
【0004】同図に示すように、高アーク長時周期HT
の間は高アーク長時パルス電流群を通電し、低アーク長
時周期LTの間は低アーク長時パルス電流群を通電し
て、それら2組のパルス電流群を交互に繰り返し切り換
えて通電する。高アーク長時パルス電流群は、高アーク
長時ピーク電流HIpを通電する高アーク長時ピーク電
流通電時間HTpと、高アーク長時ベース電流HIbを
通電する高アーク長時ベース電流通電時間HTbとから
成る高アーク長時基本パルス電流波形を複数回繰り返
す。また、低アーク長時パルス電流群は、低アーク長時
ピーク電流LIpを通電する低アーク長時ピーク電流通
電時間LTpと、低アーク長時ベース電流LIbを通電
する低アーク長時ベース電流通電時間LTbとから成る
低アーク長時基本パルス電流波形を複数回繰り返す。
【0005】上記の高アーク長時ピーク電流HIpは、
溶接ワイヤの溶滴がスプレー移行するように臨界電流値
以上に予め設定する。高アーク長時ピーク電流通電時間
HTpは、溶滴移行が1パルス1溶滴移行又は1パルス
数個の溶滴移行になるように予め設定する。高アーク長
時ベース電流HIbは、溶滴移行しないように臨界電流
値未満に予め設定する。高アーク長時ベース電流通電時
間HTbについては、アーク長が適正範囲になるように
予め設定するか、又はチップ・被溶接材間の溶接電圧V
wの平均値が高アーク長時電圧設定値HVsに近づくよ
うにフィードバック制御によって自動調整されるように
しても良い。
【0006】一方、低アーク長時パルス電流群の各パラ
メータ設定についても上記と同様である。但し、高アー
ク長時のアーク長に比べて低アーク長時のアーク長が短
くなるようにするために上述した各パラメータ設定範囲
内において、低アーク長時ピーク電流LIp、低アーク
長時ピーク電流通電時間LTp、低アーク長時ベース電
流LIb及び低アーク長時ベース電流通電時間又は低ア
ーク長時電圧設定値LVsの少なくとも1つ以上のパラ
メータは高アーク長時とは異なった値に設定する。
【0007】図18は、図17で示すパルス電流群を通
電したときのアークの形状及び溶融池の形状を示す図で
あり、同図(A)はアーク発生箇所を横から見た説明図
であり、同図(B)はアーク発生時の溶融池形状を上か
ら見た説明図である。
【0008】同図(A)において、溶接ワイヤ1は、溶
接トーチの先端部に取り付けられたチップ4aを通して
送給及び給電される。また、溶接トーチの先端に取り付
けられたノズル4bの内側からシールドガスが放流され
る。高アーク長時パルス電流群を通電しているときは高
アーク長時アーク3aが発生しており、そのときのアー
ク長は高アーク長時アーク長HLaとなる。一方、低ア
ーク長時パルス電流群を通電しているときは低アーク長
時アーク3bが発生しており、そのときのアーク長は高
アーク長時よりも短い低アーク長時アーク長LLaとな
る。高アーク長時と低アーク長時とのアーク長変化分
は、高/低アーク長変化分ΔLaとなる。アーク熱によ
って被溶接材2上に溶融池が形成されて、高アーク長時
は高アーク長時溶融池2aとなり、その幅は高アーク長
時溶融池幅HWpとなる。また、低アーク長時は低アー
ク長時溶融池2bとなり、その幅は高アーク長時よりも
狭い低アーク長時溶融池幅LWpとなる。
【0009】同図(B)において、実線で示す高アーク
長時溶融池2aは上側から見た高アーク長時の溶融池形
状を示しており、点線で示す低アーク長時溶融池2bh
は上側から見た低アーク長時の溶融池形状を示してい
る。高アーク長時は、広い高アーク長時溶融池幅HWp
の溶融池が溶接速度で移動し、低アーク長時は狭い低ア
ーク長時溶融池幅LWpの溶融池が溶接速度で移動し
て、冷却後に溶接ビードを形成する。従って、溶接ビー
ド外観の幅は、高アーク長時溶融池幅HWpと等しくな
り、高/低溶融池幅変化分ΔWp=HWp−LWpによ
って美しいウロコ状の溶接ビード外観が形成されること
になる。上記において、ウロコ状ビードのピッチは高/
低溶融池幅変化分ΔWpの値によって決まるので、メリ
ハリのあるウロコ状ビード外観を得るためには高/低溶
融池幅変化分ΔWpが大きな値になる必要がある。
【0010】図19は、上述した従来技術1のパルスア
ーク溶接方法による溶接ビード外観の一例を示す図であ
る。被溶接材の材質はアルミニウム合金A5052、3
[mm]であり、溶接ワイヤには直径1.2[mmΦ]のA
5356を使用している。平均溶接電流値は100
[A]、平均溶接電圧値は20[V]及び溶接速度は5
0[cm/分]であり、高アーク長時周期HT=150[m
s]及び低アーク長時周期LT=150[ms]の溶接条
件における平板上溶接(以下、ビードオンプレート溶接
という)の場合である。同図に示すように溶接ビード2
cの外観は、波目のピッチの揃った美しいウロコ状ビー
ド外観となっており、溶接構造物の外面部分に十分その
まま使用できる。
【0011】図20は、従来技術1を実施するための装
置のブロック図である。同図において、商用電源ACは
本装置の入力電源であり、通常は3相200/220V
が多く使用されている。出力制御回路INVには、商用
電源ACを整流する1次側整流回路、整流されたリップ
ルのある電圧を平滑する平滑回路及び平滑された直流電
圧を高周波交流に変換するインバータ回路を含んでい
る。さらに、インバータ回路を構成するパワートランジ
スタのドライブ回路及び後述する誤差増幅信号Eaを入
力としてインバータ回路のPWM制御を行うPWM制御
回路も含んでいる。
【0012】高周波変圧器INTは、高周波交流を溶接
アーク負荷に適した電圧値に降圧する。2次側整流器D
1a及びD1bは、降圧された高周波交流を直流に整流す
る。リアクトルWLは、リップルのある直流電圧を平滑
する。溶接ワイヤ1は、予め設定した送給速度で送給ロ
ール5によって溶接トーチ4を通って送給されると共
に、溶接トーチ先端部のチップから給電されて、被溶接
材2との間にアーク3が発生する。
【0013】溶接電圧検出回路VDは、チップ・被溶接
材間の溶接電圧Vwを検出して溶接電圧検出信号Vdを
出力する。溶接電圧A/D変換回路ADVは、上記の溶
接電圧検出信号Vdを入力としてA/D変換した溶接電
圧A/D変換信号Advを出力する。割り込み周期設定回
路DTは、割り込み周期設定信号ΔTを出力する。割り
込み発生回路ITは、上記の割り込み周期設定信号ΔT
を入力として、割り込み周期ΔT毎にHレベルのトリガ
信号である割り込み発生信号Itを出力する。
【0014】高アーク長時パルス条件設定回路HPは、
高アーク長時周期設定信号HT、高アーク長時ピーク電
流通電時間設定信号HTp、高アーク長時ピーク電流設
定信号HIp、高アーク長時ベース電流設定信号HIb
及び高アーク長時電圧設定信号HVsから成る高アーク
長時パルス条件設定信号Hpを出力する。低アーク長時
パルス条件設定回路LPは、低アーク長時周期設定信号
LT、低アーク長時ピーク電流通電時間設定信号LT
p、低アーク長時ピーク電流設定信号LIp、低アーク
長時ベース電流設定信号LIb及び低アーク長時電圧設
定信号LVsから成る低アーク長時パルス条件設定信号
Lpを出力する。
【0015】電流波形制御回路WCは、上記の溶接電圧
A/D変換信号Adv、割り込み周期設定信号ΔT、割り
込み発生信号It、高アーク長時パルス条件設定信号H
p及び低アーク長時パルス条件設定信号Lpを入力とし
て、それらの信号をソフトウェアで処理して電流設定信
号Isを出力する。ソフトウェア処理の詳細について
は、後述する。電流設定D/A変換回路DAIは、上記
の電流設定信号Isを入力として、D/A変換した電流
設定D/A変換信号Daiを出力する。溶接電流検出回路
CDは、溶接電流Iwを検出して、溶接電流検出信号C
dを出力する。誤差増幅回路EAは、上記の電流設定D
/A変換信号Daiと溶接電流検出信号Cdとの誤差を増
幅して誤差増幅信号Eaを出力する。以上の回路ブロッ
ク構成によって、電流設定信号Isに対応する溶接電流
Iwを通電することができるために、上述したパルス電
流群を通電することができる。
【0016】図21及び図22は、上述した電流波形制
御回路WCのソフトウェア処理の内容を示すフローチャ
ートである。ステップ1において、高アーク長時パルス
条件設定信号Hp、低アーク長時パルス条件設定信号L
p及び割り込み設定信号ΔTを読み込む。上述したよう
に高アーク長時パルス条件設定信号Hpは、高アーク長
時周期設定信号HT、高アーク長時ピーク電流通電時間
設定信号HTp、高アーク長時ピーク電流設定信号HI
p、高アーク長時ベース電流設定信号HIb及び高アー
ク長時電圧設定信号HVsから構成されている。同様
に、低アーク長時パルス条件設定信号Lpは、低アーク
長時周期設定信号LT、低アーク長時ピーク電流通電時
間設定信号LTp、低アーク長時ピーク電流設定信号L
Ip、低アーク長時ベース電流設定信号LIb及び低ア
ーク長時電圧設定信号LVsから構成されている。
【0017】ステップ2において、周期カウンタ値n、
波形カウンタ値m及び電圧加算値Viに0を代入して初
期化する。さらに、高アーク長時ピーク電流通電時間設
定信号HTpをピーク電流通電時間設定値Tpに、高ア
ーク長時ピーク電流設定信号HIpをピーク電流設定値
Ipに、高アーク長時ベース電流設定信号HIbをベー
ス電流設定値Ibに、高アーク長時電圧設定信号HVs
を電圧設定値Vsにそれぞれ代入する。ステップ3にお
いて、割り込み発生信号ItがHレベルかを判定して、
YESならばステップ4に進み、NOならばHレベルに
なるまで待機する。ステップ4において、周期カウンタ
値nに1を加算する。
【0018】ステップ5において、周期カウンタ値nと
割り込み周期設定信号ΔTとを乗算した値が、高アーク
長時周期設定信号HTと等しいかを判定して、YESな
らばステップ9に進み、NOならばステップ6に進む。
このステップでは高アーク長時周期HTが経過したかを
判定している。ステップ6において、周期カウンタ値n
と割り込み周期設定信号ΔTとを乗算した値が、高アー
ク長時周期設定信号HTと低アーク長時周期設定信号L
Tとの加算値と等しいかを判定して、YESならばステ
ップ7に進み、NOならば図22のステップ11に進
む。このステップでは低アーク長時周期LTが経過した
かを判定している。ステップ7において、周期カウンタ
値n及び波形カウンタ値mを0にリセットする。
【0019】ステップ8において、高アーク長時ピーク
電流通電時間設定信号HTpをピーク電流通電時間設定
値Tpに、高アーク長時ピーク電流設定信号HIpをピ
ーク電流設定値Ipに、高アーク長時ベース電流設定信
号HIbをベース電流設定値Ibに、高アーク長時電圧
設定信号HVsを電圧設定値Vsにそれぞれ代入する。
ステップ9において、波形カウンタ値mを0にリセット
する。ステップ10において、低アーク長時ピーク電流
通電時間設定信号LTpをピーク電流通電時間設定値T
pに、低アーク長時ピーク電流設定信号LIpをピーク
電流設定値Ipに、低アーク長時ベース電流設定信号L
Ibをベース電流設定値Ibに、低アーク長時電圧設定
信号LVsを電圧設定値Vsにそれぞれ代入する。
【0020】これ以降は、図22の説明である。ステッ
プ11において、波形カウンタ値mに1を加算する。ス
テップ12において、溶接電圧A/D変換信号Advを読
み込む。ステップ13において、電圧加算値Viに上記
の溶接電圧A/D変換信号Advを加算する。ステップ1
4において、上記の電圧加算値Viを波形カウンタ値m
で除算した値を平均電圧値Viaに代入する。このステッ
プでは溶接電圧Vwの平均値を割り込み周期毎に計算し
ている。
【0021】ステップ15において、波形カウンタ値m
と割り込み周期設定信号ΔTとを乗算した値がピーク電
流通電時間設定値Tp以下かを判定して、YESならば
ステップ16に進み、NOならばステップ17に進む。
このステップではピーク電流通電時間中であるかを判定
している。ステップ16において、ピーク電流設定値I
pを電流設定信号Isに代入する。ステップ17におい
て、ベース電流設定値Ibを電流設定信号Isに代入す
る。
【0022】ステップ18において、上記の平均電圧値
Viaが電圧設定値Vs以下かを判定して、YESならば
ステップ19に進み、NOならばステップ20に進む。
このステップでは、上述したようにピーク電流通電時間
の開始時点から割り込み周期毎に計算される溶接電圧V
wの平均値が電圧設定値以下になったかを判定して、Y
ESならばベース電流通電時間を終了するステップに進
めている。ステップ19において、波形カウンタ値m及
び電圧加算値Viを0にリセットする。ステップ20に
おいて、電流設定信号Isを出力する。ステップ21に
おいて、溶接終了かを判定して、YESならば終了し、
NOならばステップ3に戻る。
【0023】図23は、上述した図20のブロック図並
びに図21及び図22のフローチャートで示した各信号
のタイミングチャートである。同図(A)は溶接電流I
wの時間変化を示しており、同図(B)は溶接電圧Vw
の時間変化を示しており、同図(C)はソフトウェア内
部の信号である平均電圧値Viaの時間変化を示してお
り、同図(D)は電流設定信号Isの時間変化を示して
いる。 時刻t0乃至時刻t1(高アーク長時ピーク電流通電
時間HTp) 時刻t0から高アーク長時周期HTが始まり、電圧加算
値Viへの同図(B)に示す溶接電圧Vwの加算を初期
値零から開始すると共に、同図(C)に示す平均電圧値
Viaの計算を開始する。また、同図(D)に示す電流設
定信号Isは、高アーク長時ピーク電流設定信号HIp
になり、高アーク長時ピーク電流を通電する。 時刻t1乃至時刻t2(高アーク長時ベース電流通電
時間HTb) 電流設定信号Isは、高アーク長時ベース電流設定信号
HIbになり、高アーク長時ベース電流を通電する。同
時に、上述したように割り込み周期毎に刻々と計算され
る平均電圧値Viaが同図(C)に示す高アーク長時電圧
設定信号HVs以下かを判定して、以下になった時刻t
2においてベース電流通電時間を終了する。 時刻t2乃至t3 上記の乃至の動作を高アーク長時周期HTが終了す
る時刻t3まで繰り返す。 時刻t3乃至時刻t4(低アーク長時周期LT) 低アーク長時周期LTの動作については、高アーク長時
の各パラメータを対応する低アーク長時の各パラメータ
に置換することで同様であるので説明を省略する。以上
の乃至の動作を繰り返すことによって、従来技術1
のパルス電流群を通電することができる。
【0024】図24は、第2の従来技術(以下、従来技
術2という)である交流パルスアーク溶接方法の溶接電
流波形を示す図である。横軸は時間tの経過を示してお
り、縦軸は溶接電流Iwを示している。以下の説明にお
いて、溶接ワイヤが陽極となり被溶接材が陰極となっ
て、溶接電流Iwが溶接ワイヤ側から被溶接材側方向に
通電する逆極性をEP極性ということにし、反対の正極
性をEN極性ということにする。
【0025】同図に示すように、高アーク長時周期HT
の間は高アーク長時交流パルス電流群を通電し、低アー
ク長時周期LTの間は低アーク長時交流パルス電流群を
通電して、それら2組のパルス電流群を交互に繰り返し
切り換えて通電する。高アーク長時交流パルス電流群
は、EP極性においてピーク電流Ipを通電するピーク
電流通電時間Tpと、ベース電流Ibを通電するベース
電流通電時間Tbと、EN極性においてEN電流Ienを
通電する高アーク長時EN電流通電時間HTenから成る
高アーク長時基本交流パルス電流波形を複数回繰り返
す。また、低アーク長時交流パルス電流群は、EP極性
においてピーク電流Ipを通電するピーク電流通電時間
Tpと、ベース電流Ibを通電するベース電流通電時間
Tbと、EN極性においてEN電流Ienを通電する低ア
ーク長時EN電流通電時間LTenから成る低アーク長時
基本交流パルス電流波形を複数回繰り返す。
【0026】上記のピーク電流Ipは溶接ワイヤの溶滴
がスプレー移行するように臨界電流値以上に予め設定
し、ピーク電流通電時間Tpは溶滴移行が1パルス1溶
滴移行又は1パルス数個の溶滴移行になるように予め設
定する。ベース電流Ibは溶滴移行しないように臨界電
流値未満に予め設定し、ベース電流通電時間Tbはアー
ク長が適正範囲になるように予め設定する。さらに、E
N電流Ienは溶滴移行しないように臨界電流値未満に予
め設定し、高アーク長時EN電流通電時間HTen及び低
アーク長時EN電流通電時間LTenは、EN極性期間中
に形成される溶滴が過大に成長しない範囲内で、高アー
ク長時のアーク長が低アーク長時のアーク長よりも長く
なるようにHTen>LTenの条件で予め設定する。
【0027】溶接電流Iwの絶対値から計算した平均溶
接電流値に占める平均EN電流値の比率をEN比率En
[%]と定義すると、高アーク長時EN比率HEn及び
低アーク長時EN比率LEnはそぞれぞれ次式で表わさ
れる。 HEn={|Ien・HTen|/(Ip・Tp+Ib・Tb+|Ien・HTen|)}×100 LEn={|Ien・LTen|/(Ip・Tp+Ib・Tb+|Ien・LTen|)}×100 従って、上述したようにHTen>LTenであるのでHE
n>LEnとなり、EN比率が大きいほどアーク長は長
くなる。
【0028】図25は、図24で示す交流パルス電流群
を通電したときのアークの形状及び溶融池の形状を示す
図である。同図において、高アーク長時交流パルス電流
群を通電しているときは高アーク長時アーク3aが発生
しており、そのときのアーク長は高アーク長時アーク長
HLaとなる。一方、低アーク長時交流パルス電流群を
通電しているときは低アーク長時アーク3bが発生して
おり、そのときのアーク長は高アーク長時よりも短い低
アーク長時アーク長LLaとなる。高アーク長時と低ア
ーク長時のアーク長変化分は、高/低アーク長変化分Δ
Laとなる。また、高アーク長時の溶融池幅は高アーク
長時溶融池幅HWpとなり、低アーク長時の溶融池幅は
低アーク長時溶融池幅LWpとなり、その変化分は溶融
池幅変化分ΔWpとなる。
【0029】交流パルスアーク溶接では、EP極性時の
電流(以下、EP電流という)通電期間において、直流
パルスアーク溶接と同様に溶滴が移行すると共に被溶接
材に大きな入熱が加えられる。一方、EN電流通電期間
においては、溶滴の移行はほとんど行われずに溶滴サイ
ズのみが大きく成長し、この期間での被溶接材への入熱
は小さくなる。従って、交流パルスアーク溶接でのEP
期間とEN期間との合計としての被溶接材への入熱は、
直流パルスアーク溶接よりも小さくなるために、薄板の
溶接性能が良好になる。
【0030】また、EP電流通電時のアークに比べてE
N電流通電時のアークは、溶接ワイヤ上方部分から発生
するのでアーク長は長くなる。従って、上述したように
EN比率が大きいほどEN電流通電時間が長いので、平
均的なアーク長は長くなる。一方、EP電流通電時とE
N電流通電時とのアークの広がりには大きな差がないた
めに、EN比率が変化してもアークの広がりの変化は小
さい。従って、EN比率の異なる高アーク長時と低アー
ク長時との高/低アーク長変化分ΔLaは大きくなる。
しかし、ピーク電流Ip,ピーク電流通電時間Tp、ベ
ース電流Ib及びベース電流通電時間Tbから成るEP
電流が同一値であるので、高アーク長時と低アーク長時
のアークの広がりには大きな差はないために溶融池幅変
化分ΔWpは小さくなる。上記のことから、従来技術2
の交流パルスアーク溶接方法では、薄板の溶接性能は良
好になるが、メリハリのあるウロコ状の溶接ビード外観
を形成するには溶融池幅変化分ΔWpが小さいことにな
る。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】図26は、従来技術1
及び従来技術2によるアルミニウム合金のパルスアーク
溶接における溶接可能下限板厚を示す図である。横軸は
溶接速度[cm/分]を示しており、縦軸は板厚[mm]を
示している。被溶接材にはアルミニウム合金A5052
を、溶接ワイヤには直径1.2[mmΦ]のA5356を
使用して、重ねすみ肉溶接の場合である。
【0032】従来技術1の基本パルス電流波形の各パラ
メータについては、高アーク長時ピーク電流HIpを3
20[A]に、高アーク長時ピーク電流通電時間HTp
を2[ms]に、高アーク長時ベース電流HIbを30
[A]に、高アーク長時ベース電流通電時間HTbを被
溶接材の板厚によって10乃至17[ms]に設定し、低
アーク長時ピーク電流LIpを280[A]に、低アー
ク長時ピーク電流通電時間LTpを1.2[ms]に、低
アーク長時ベース電流LIbを30[A]に、低アーク
長時ベース電流通電時間LTbを被溶接材の板厚によっ
て5乃至9[ms]に設定している。また、溶接電流Iw
は60乃至80[A]である。
【0033】従来技術2の基本交流パルス電流波形の各
パラメータについては、ピーク電流Ipを280[A]
に、ピーク電流通電時間Tpを1.2[ms]に、ベース
電流Ibを30[A]に、EN電流Ienを40[A]に
設定し、被溶接材の板厚によってベース電流通電時間T
bを5乃至9[ms]に、高アーク長時EN電流通電時間
HTenを2.4乃至3[ms]に、低アーク長時EN電流
通電時間HTenを1.2乃至1.5[ms]に設定してい
る。その結果、高アーク長時EN比率HEnは20
[%]となり、低アーク長時EN比率LEnは10
「%」となる。
【0034】同図に示すように、従来技術1の直流パル
スアーク溶接方法では、板厚1[mm]が溶接できる下限
の板厚となる。それに対して、従来技術2の交流パルス
アーク溶接方法では、板厚0.6[mm]まで溶接するこ
とができる。
【0035】図27は、従来技術1及び従来技術2によ
るアルミニウム合金のパルスアーク溶接を行ったときの
溶融池幅変化分ΔWpを示す図である。横軸は高アーク
長時のEN比率を示しており、縦軸は溶融池幅変化分Δ
Wpを示している。上述したように溶融池幅変化分ΔW
pが大きいほどメリハリのある美しいウロコ状ビード外
観となる。被溶接材にはアルミニウム合金A5052、
1.5[mm]を、溶接ワイヤには直径1.2[mmΦ]の
A5356を使用している。平均溶接電流値は80
[A]、平均溶接電圧値は19[V]及び溶接速度は4
0[cm/分]であり、高アーク長時周期HT=250[m
s]及び低アーク長時周期LT=250[ms]の溶接条
件の場合である。
【0036】従来技術1の基本パルス電流波形の各パラ
メータについては、高アーク長時ピーク電流HIpを3
20[A]に、高アーク長時ピーク電流通電時間HTp
を2[ms]に、高アーク長時ベース電流HIbを30
[A]に、高アーク長時ベース電流通電時間HTbを1
0[ms]に設定し、低アーク長時ピーク電流LIpを2
80[A]に、低アーク長時ピーク電流通電時間LTp
を1.2[ms]に、低アーク長時ベース電流LIbを3
0[A]に、低アーク長時ベース電流通電時間LTbを
5[ms]に設定している。
【0037】従来技術2の基本交流パルス電流波形の各
パラメータについては、ピーク電流Ipを280[A]
に、ピーク電流通電時間Tpを1.2[ms]に、ベース
電流Ibを30[A]に、EN電流Ienを40[A]
に、ベース電流通電時間Tbを5[ms]に設定し、低ア
ーク長時EN電流通電時間LTenを1.2[ms]に、高
アーク長時EN電流通電時間HTenを高アーク長時EN
比率の設定値に応じて1.2乃至6[ms]に設定してい
る。その結果、低アーク長時EN比率LEnは10
[%]になり、高アーク長時EN比率HEnは10乃至
50[%]になる。
【0038】従来技術1は直流パルスアーク溶接である
のでEN比率は0[%]で変化しないが、その溶融池幅
変化分ΔWpは2[mm]となり、メリハリのある美しい
ウロコ状ビード外観となる。一方、従来技術2の交流パ
ルスアーク溶接では上述したようにEN比率を変化させ
て溶融池幅を変化させているので、低アーク長時EN比
率LEn=10[%]固定値として、高アーク長時EN
比率HEnを10乃至50[%]の範囲で変化させたと
きの溶融池幅変化分ΔWpを示している。高アーク長時
EN比率HEnが大きくなるのに比例して溶融池幅変化
分ΔWpも大きくなるが、HEn=50[%]のときで
も溶融池幅変化分ΔWpは1[mm]程度であり、従来技
術1の半分の値しかないので、メリハリのあるウロコ状
ビード外観にならない。しかも、高アーク長時EN比率
HEnが30[%]以上になると、アーク切れ、大粒の
スパッタ発生等の溶接不安定状態になりやすくなる。
【0039】図28は、図27において横軸で示す高ア
ーク長時EN比率HEnを40[%]に設定して従来技
術2の交流パルスアーク溶接を行ったときの溶接ビード
外観の一例である。溶接条件はすべて図27と同じであ
る。同図に示すように、ウロコ状の波目がはっきりとし
ない溶接ビード外観であり、溶接構造物の外面を飾るの
にふさわしい溶接ビード外観ではない。
【0040】上記のことから、従来技術1の直流パルス
アーク溶接方法では板厚が1[mm]未満の極薄板を溶接
することができない。一方、従来技術2の交流パルスア
ーク溶接方法では、EN比率を大きく変化させてアーク
長及びアークの広がりを周期的に変化させても、溶融池
幅の変化が小さいためにメリハリのある美しいウロコ状
の溶接ビード外観を形成することができない。従って、
従来技術1又は従来技術2のどちらの溶接方法を使用し
ても、板厚が1[mm]未満の極薄板での溶接において、
良好な溶接継ぎ手品質を確保した上でかつメリハリのあ
る美しいウロコ状の溶接ビード外観を得ることはできな
かった。
【0041】さらに、従来技術2のような交流パルスア
ーク溶接方法では、本来EN比率は被溶接材の材質、板
厚、継ぎ手部のギャップ長等によってその適正値が決ま
る。それにもかかわらず、従来技術2ではウロコ状の溶
接ビード外観を得るためにEN比率を大きく変化させて
いるので、継ぎ手部の溶接品質を低下させることにな
る。
【0042】そこで、本発明の目的は、板厚が1[mm]
未満である極薄板の被溶接材に対して、良好な継ぎ手部
の溶接品質を確保することができ、かつメリハリのある
美しいウロコ状の溶接ビード外観を得ることができる交
流パルスアーク溶接方法及び装置を提供することであ
る。
【0043】
【課題を解決するための手段】出願時請求項1の交流パ
ルスアーク溶接方法は、図1に示すように、溶接電流I
wを溶接ワイヤ側から被溶接材側方向に通電する逆極性
(EP極性)では溶滴移行をさせるピーク電流通電時間
のピーク電流及びベース電流通電時間のベース電流から
成るパルス電流と溶接電流Iwを被溶接材側から溶接ワ
イヤ側方向に通電する正極性(EN極性)では溶滴移行
をさせない第1の正極性直流電流通電時間HTenの正極
性直流電流とから形成される第1の交流パルス電流をア
ーク長が大の高アーク長時周期HTの間繰り返す第1の
交流パルス電流群と、逆極性(EP極性)では溶滴移行
をさせるピーク電流通電時間のピーク電流及びベース電
流通電時間のベース電流から成るパルス電流と正極性
(EN極性)では溶滴移行をさせない第2の正極性直流
電流通電時間LTenの正極性直流電流とから形成される
第2の交流パルス電流をアーク長が小の低アーク長時周
期LTの間繰り返す第2の交流パルス電流群とを交互に
繰り返して溶接する交流パルスアーク溶接方法におい
て、上記第1の交流パルス電流群の上記ピーク電流通電
時間及び上記ピーク電流値及び上記ベース電流通電時間
及び上記ベース電流値及び上記正極性直流電流値の少な
くとも1つと、上記第2の交流パルス電流群の上記ピー
ク電流通電時間及び上記ピーク電流値及び上記ベース電
流通電時間及び上記ベース電流値及び上記正極性直流電
流値の少なくとも1つとを異なる値に設定して、高アー
ク長時周期HTの平均アーク長を低アーク長時周期LT
の平均アーク長よりも増大させて溶接する交流パルスア
ーク溶接方法である。
【0044】出願時請求項2の交流パルスアーク溶接方
法は、図1に示すように、出願時請求項1に記載する第
1の交流パルス電流群のピーク電流通電時間及びピーク
電流値及びベース電流通電時間及びベース電流値及び正
極性直流電流値の少なくとも1つと、出願時請求項1に
記載する第2の交流パルス電流群のピーク電流通電時間
及びピーク電流値及びベース電流通電時間及びベース電
流値及び正極性直流電流値の少なくとも1つとを異なる
値に設定して、高アーク長時EN比率HEn={|正極
性直流電流値・第1の正極性直流電流通電時間HTen|
/(ピーク電流値・ピーク電流通電時間+ベース電流値
・ベース電流通電時間+|正極性直流電流値・第1の正
極性直流電流通電時間HTen|)}×100と、低アー
ク長時EN比率LEn={|正極性直流電流値・第2の
正極性直流電流通電時間LTen|/(ピーク電流値・ピ
ーク電流通電時間+ベース電流値・ベース電流通電時間
+|正極性直流電流値・第2の正極性直流電流通電時間
LTen|)}×100との変化を小にして溶接する出願
時請求項1に記載の交流パルスアーク溶接方法である。
【0045】出願時請求項3の交流パルスアーク溶接方
法は、図1に示すように、出願時請求項1に記載する高
アーク長時周期HTと低アーク長時周期LTとを異なっ
た値に設定して溶接する出願時請求項1又は出願時請求
項2に記載の交流パルスアーク溶接方法である。
【0046】出願時請求項4の交流パルスアーク溶接方
法は、図1に示すように、出願時請求項1に記載する第
1の交流パルス電流群のベース電流通電時間を、逆極性
時溶接電圧Vwの平均値が予め設定した高アーク長時電
圧設定値HVsに近づけるフィードバック制御によって
自動調整すると共に、出願時請求項1に記載する第2の
交流パルス電流群のベース電流通電時間を、逆極性時溶
接電圧Vwの平均値が予め設定した低アーク長時電圧設
定値LVsに近づけるフィードバック制御によって自動
調整して溶接する出願時請求項1又は出願時請求項2又
は出願時請求項3に記載の交流パルスアーク溶接方法で
ある。
【0047】出願時請求項5の交流パルスアーク溶接方
法は、図1に示すように、出願時請求項1に記載する第
1の交流パルス電流群の波形から算出した高アーク長時
EN比率HEn={|正極性直流電流値・第1の正極性
直流電流通電時間HTen|/(ピーク電流値・ピーク電
流通電時間+ベース電流値・ベース電流通電時間+|正
極性直流電流値・第1の正極性直流電流通電時間HTen
|)}×100を、予め設定した高アーク長時EN比率
設定値HEsに近づけるフィードバック制御によって上
記第1の正極性直流電流通電時間HTenを自動調整する
と共に、出願時請求項1に記載する第2の交流パルス電
流群の波形から算出した低アーク長時EN比率LEn=
{|正極性直流電流値・第2の正極性直流電流通電時間
LTen|/(ピーク電流値・ピーク電流通電時間+ベー
ス電流値・ベース電流通電時間+|正極性直流電流値・
第2の正極性直流電流通電時間LTen|)}×100
を、予め設定した低アーク長時EN比率設定値LEsに
近づけるフィードバック制御によって上記第2の正極性
直流電流通電時間LTenを自動調整して溶接する出願時
請求項1又は出願時請求項2又は出願時請求項3又は出
願時請求項4に記載の交流パルスアーク溶接方法であ
る。
【0048】出願時請求項6の交流パルスアーク溶接方
法は、図3に示すように、出願時請求項1に記載する第
1の交流パルス電流群のピーク電流に高アーク長時ピー
ク立ち上がり時間HTu及び高アーク長時ピーク立ち下
り時間HTdとを設定して高アーク長時のアーク力の変
化をソフトにして溶接する出願時請求項1又は出願時請
求項2又は出願時請求項3又は出願時請求項4又は出願
時請求項5に記載の交流パルスアーク溶接方法である。
【0049】出願時請求項7の交流パルスアーク溶接方
法は、図4に示すように、出願時請求項1に記載する第
2の交流パルス電流群のピーク電流に低アーク長時ピー
ク立ち上がり時間LTu及び低アーク長時ピーク立ち下
り時間LTdとを設定して低アーク長時のアーク力の変
化をソフトにして溶接する出願時請求項1又は出願時請
求項2又は出願時請求項3又は出願時請求項4又は出願
時請求項5に記載の交流パルスアーク溶接方法である。
【0050】出願時請求項8の交流パルスアーク溶接方
法は、図2に示すように、出願時請求項1に記載する第
1の交流パルス電流群のピーク電流に高アーク長時ピー
ク立ち上がり時間HTu及び高アーク長時ピーク立ち下
り時間HTdとを設定して高アーク長時のアーク力の変
化をソフトにすると共に、出願時請求項1に記載する第
2の交流パルス電流群のピーク電流に低アーク長時ピー
ク立ち上がり時間LTu及び低アーク長時ピーク立ち下
り時間LTdとを設定して低アーク長時のアーク力の変
化をソフトにして溶接する出願時請求項1又は出願時請
求項2又は出願時請求項3又は出願時請求項4又は出願
時請求項5に記載の交流パルスアーク溶接方法である。
【0051】出願時請求項9の交流パルスアーク溶接装
置は、図5に示すように、溶接電流Iwを溶接ワイヤ側
から被溶接材側方向に通電する逆極性(EP極性)では
溶滴移行をさせるピーク電流通電時間のピーク電流及び
ベース電流通電時間のベース電流から成るパルス電流と
溶接電流Iwを被溶接材側から溶接ワイヤ側方向に通電
する正極性(EN極性)では溶滴移行をさせない第1の
正極性直流電流通電時間HTenの正極性直流電流とから
形成される第1の交流パルス電流をアーク長が大の高ア
ーク長時周期HTの間繰り返す第1の交流パルス電流群
と、逆極性(EP極性)では溶滴移行をさせるピーク電
流通電時間のピーク電流及びベース電流通電時間のベー
ス電流から成るパルス電流と正極性(EN極性)では溶
滴移行をさせない第2の正極性直流電流通電時間LTen
の正極性直流電流とから形成される第2の交流パルス電
流をアーク長が小の低アーク長時周期LTの間繰り返す
第2の交流パルス電流群とを交互に繰り返して溶接する
交流パルスアーク溶接装置において、上記第1の交流パ
ルス電流群のピーク電流通電時間及びピーク電流値及び
ベース電流通電時間及びベース電流値及び第1の正極性
直流電流通電時間HTen及び正極性直流電流及び高アー
ク長時周期HTとを設定する高アーク長時交流パルス条
件設定信号Hpcを出力する高アーク長時交流パルス条件
設定回路HPCと、上記第2の交流パルス電流群のピー
ク電流通電時間及びピーク電流及びベース電流通電時間
及びベース電流及び第2の正極性直流電流通電時間LT
en及び正極性直流電流及び低アーク長時周期LTとを設
定する低アーク長時交流パルス条件設定信号Lpcを出力
する低アーク長時交流パルス条件設定回路LPCと、上
記高アーク長時交流パルス設定信号Hpcの第1の正極性
直流電流通電時間設定値HTenを除く各設定値と上記低
アーク長時交流パルス条件設定信号Lpcの第2の正極性
直流電流通電時間設定値LTenを除く各設定値との少な
くとも1つを異なる値に設定して、上記高アーク長時交
流パルス条件設定信号Hpcと上記低アーク長時交流パル
ス条件設定信号Lpcとを入力として上記第1及び第2の
交流パルス電流群の波形を形成する電流設定信号Isを
出力する交流電流波形制御回路WACとから構成され、
上記電流設定信号Isに相当する溶接電流値Iwを通電
して高アーク長時周期HTの平均アーク長を低アーク長
時周期LTの平均アーク長よりも増大させて溶接する交
流パルスアーク溶接装置である。
【0052】出願時請求項10の交流パルスアーク溶接
装置は、図5に示すように、溶接電圧Vwを検出して溶
接電圧検出信号Vdを出力する溶接電圧検出回路VD
と、高アーク長時電圧設定信号HVsを出力する設定回
路と、低アーク長時電圧設定信号LVsを出力する設定
回路と、上記溶接電圧検出信号Vdを入力として出願時
請求項9に記載する第1の交流パルス電流群の逆極性時
平均電圧値Viaを算出し、上記平均電圧値Viaと上記高
アーク長時電圧設定信号HVsとが近づくように出願時
請求項9に記載する高アーク長時交流パルス条件設定信
号Hpcのベース電流通電時間を算出し、さらに上記溶接
電圧検出信号Vdを入力として出願時請求項9に記載す
る第2の交流パルス電流群の逆極性時平均電圧値Viaを
算出し、上記平均電圧値Viaと上記低アーク長時電圧設
定信号LVsとが近づくように出願時請求項9に記載す
る低アーク長時交流パルス条件設定信号Lpcのベース電
流通電時間を算出する出願時請求項9に記載する交流電
流波形制御回路WACとから構成される出願時請求項9
に記載の交流パルスアーク溶接装置である。
【0053】出願時請求項11の交流パルスアーク溶接
装置は、図5に示すように、高アーク長時EN比率設定
信号HEsを出力する設定回路と、低アーク長時EN比
率設定信号LEsを出力する設定回路と、出願時請求項
9に記載する第1の交流パルス電流群の波形から高アー
ク長時EN比率HEn={|正極性直流電流値・第1の
正極性直流電流通電時間HTen|/(ピーク電流値・ピ
ーク電流通電時間+ベース電流値・ベース電流通電時間
+|正極性直流電流値・第1の正極性直流電流通電時間
HTen|)}×100を算出し、上記高アーク長時EN
比率算出値HEnと上記高アーク長時EN比率設定信号
HEsとが近づくように出願時請求項9に記載する第1
の正極性直流電流通電時間HTenを算出し、さらに、出
願時請求項9に記載する第2の交流パルス電流群の波形
から低アーク長時EN比率LEn={|正極性直流電流
値・第2の正極性直流電流通電時間LTen|/(ピーク
電流値・ピーク電流通電時間+ベース電流値・ベース電
流通電時間+|正極性直流電流値・第2の正極性直流電
流通電時間LTen|)}×100を算出し、上記低アー
ク長時EN比率算出値HEnと上記低アーク長時EN比
率設定信号HEsとが近づくように出願時請求項9に記
載する第2の正極性直流電流通電時間LTenを算出する
出願時請求項9に記載する交流電流波形制御回路WAC
とから構成される出願時請求項9又は出願時請求項10
に記載の交流パルスアーク溶接装置である。
【0054】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、図1に示
すように、溶接電流Iwを溶接ワイヤ側から被溶接材側
方向に通電する逆極性(EP極性)では溶滴移行をさせ
るピーク電流通電時間のピーク電流及びベース電流通電
時間のベース電流から成るパルス電流と溶接電流Iwを
被溶接材側から溶接ワイヤ側方向に通電する正極性(E
N極性)では溶滴移行をさせない第1の正極性直流電流
通電時間HTenの正極性直流電流とから形成される第1
の交流パルス電流をアーク長が大の高アーク長時周期H
Tの間繰り返す第1の交流パルス電流群と、逆極性(E
P極性)では溶滴移行をさせるピーク電流通電時間のピ
ーク電流及びベース電流通電時間のベース電流から成る
パルス電流と正極性(EN極性)では溶滴移行をさせな
い第2の正極性直流電流通電時間LTenの正極性直流電
流とから形成される第2の交流パルス電流をアーク長が
小の低アーク長時周期LTの間繰り返す第2の交流パル
ス電流群とを交互に繰り返して溶接する交流パルスアー
ク溶接方法において、上記第1の交流パルス電流群の上
記ピーク電流通電時間及び上記ピーク電流値及び上記ベ
ース電流通電時間及び上記ベース電流値及び上記正極性
直流電流値の少なくとも1つと、上記第2の交流パルス
電流群の上記ピーク電流通電時間及び上記ピーク電流値
及び上記ベース電流通電時間及び上記ベース電流値及び
上記正極性直流電流値の少なくとも1つとを異なる値に
設定して、高アーク長時周期HTの平均アーク長を低ア
ーク長時周期LTの平均アーク長よりも増大させて溶接
する交流パルスアーク溶接方法である。
【0055】
【実施例】図1は、本発明のパルス電流群切換交流パル
スアーク溶接方法における第1の実施例(以下、実施例
1という)の溶接電流波形を示す図である。横軸は時間
tの経過を示しており、縦軸は溶接電流Iwを示してい
る。同図に示すように、高アーク長時周期HTの間は高
アーク長時交流パルス電流群を通電し、低アーク長時周
期LTの間は低アーク長時交流パルス電流群を通電し
て、それら2組のパルス電流群を交互に繰り返し切り換
えて通電する。
【0056】高アーク長時交流パルス電流群は、EP極
性において高アーク長時ピーク電流HIpを通電する高
アーク長時ピーク電流通電時間HTpと、高アーク長時
ベース電流HIbを通電する高アーク長時ベース電流通
電時間HTbと、EN極性において高アーク長時EN電
流HIenを通電する高アーク長時EN電流通電時間HT
enとから成る高アーク長時基本交流パルス電流波形を複
数回繰り返す。また、低アーク長時交流パルス電流群
は、EP極性において低アーク長時ピーク電流LIpを
通電する低アーク長時ピーク電流通電時間LTpと、低
アーク長時ベース電流LIbを通電する低アーク長時ベ
ース電流通電時間LTbと、EN極性において低アーク
長時EN電流LIenを通電する低アーク長時EN電流通
電時間LTenとから成る低アーク長時基本交流パルス電
流波形を複数回繰り返す。
【0057】上記の高アーク長時ピーク電流HIpは溶
接ワイヤの溶滴がスプレー移行するように臨界電流値以
上に予め設定し、高アーク長時ピーク電流通電時間HT
pは溶滴移行が1パルス1溶滴移行又は1パルス数個の
溶滴移行になるように予め設定する。高アーク長時ベー
ス電流HIbは溶滴移行しないように臨界電流値未満に
予め設定し、高アーク長時ベース電流通電時間HTbは
EP極性期間中の溶接電圧Vwの平均値が高アーク長時
電圧設定値HVsと等しくなるように予め設定又はフィ
ードバック制御によって自動調整される。さらに、高ア
ーク長時EN電流HIenは溶滴移行しないように臨界電
流値未満に予め設定し、高アーク長時EN電流通電時間
HTenは高アーク長時のEN比率算出値HEnが高アー
ク長時EN比率設定値HEsと等しくなるように予め設
定又はフィードバック制御によって自動調整される。
【0058】一方、低アーク長時交流パルス電流群の各
パラメータ設定についても上記と同様である。但し、高
アーク長時のアーク長に比べて低アーク長時のアーク長
が短くなるようにするために上述した各パラメータ設定
範囲内において、低アーク長時ピーク電流LIp、低ア
ーク長時ピーク電流通電時間LTp、低アーク長時ベー
ス電流LIb、低アーク長時ベース電流通電時間LTb
又は低アーク長時電圧設定値LVs及び低アーク長時E
N電流LIenの少なくとも1つ以上のパラメータは高ア
ーク長時とは異なった値に設定する。また、高アーク長
時EN比率設定値HEs及び低アーク長時EN比率設定
値LEsは、被溶接材の材質、板厚、ギャップ長等に対
して最適値で互いに近い値に設定する。
【0059】上述したように、基本交流パルス電流波形
の高アーク長時パラメータと低アーク長時パラメータと
を異なった値に設定した交流パルス電流群を周期的に切
り換えて通電することによって、アーク長及びアークの
広がりが周期的に大きく変化するので溶融池幅の変化も
大きくなり、メリハリのある美しいウロコ状の溶接ビー
ド外観が形成される。さらに、被溶接材の材質、板厚、
ギャップ長等に対して最適なEN比率設定値を設定でき
るので、極薄板の溶接において良好な継ぎ手部の溶接品
質を得ることができる。また、高アーク長時周期HT及
び低アーク長時周期LTの設定値を変化させることで、
ウロコ状ビードのピッチを任意に調整できるので、被溶
接材の継ぎ手形状に適した溶接ビード外観を得ることが
できる。
【0060】図2は、本発明のパルス電流群切換交流パ
ルスアーク溶接方法における第2の実施例(以下、実施
例2という)の溶接電流波形を示す図である。横軸は時
間tの経過を示しており、縦軸は溶接電流Iwを示して
いる。
【0061】同図に示すように、高アーク長時周期HT
の間は高アーク長時交流パルス電流群を通電し、低アー
ク長時周期LTの間は低アーク長時交流パルス電流群を
通電して、それら2組のパルス電流群を交互に繰り返し
切り換えて通電する。
【0062】高アーク長時交流パルス電流群は、EP極
性においてベース電流値からピーク電流値まで一定のス
ロープで上昇する上昇遷移電流を通電する高アーク長時
ピーク立ち上がり時間HTuと、高アーク長時ピーク電
流HIpを通電する高アーク長時ピーク電流通電時間H
Tpと、ピーク電流値からベース電流値まで一定のスロ
ープで下降する下降遷移電流を通電する高アーク長時ピ
ーク立ち下り時間HTdと、高アーク長時ベース電流H
Ibを通電する高アーク長時ベース電流通電時間HTb
と、EN極性において高アーク長時EN電流HIenを通
電する高アーク長時EN電流通電時間HTenとから成る
高アーク長時基本交流パルス電流波形を複数回繰り返
す。
【0063】また、低アーク長時交流パルス電流群は、
EP極性においてベース電流値からピーク電流値まで一
定のスロープで上昇する上昇遷移電流を通電する低アー
ク長時ピーク立ち上がり時間LTuと、低アーク長時ピ
ーク電流LIpを通電する低アーク長時ピーク電流通電
時間LTpと、ピーク電流値からベース電流値まで一定
のスロープで下降する下降遷移電流を通電する低アーク
長時ピーク立ち下り時間LTdと、低アーク長時ベース
電流LIbを通電する低アーク長時ベース電流通電時間
LTbと、EN極性において低アーク長時EN電流LI
enを通電する低アーク長時EN電流通電時間LTenとか
ら成る低アーク長時基本交流パルス電流波形を複数回繰
り返す。
【0064】上記の高アーク長時ピーク電流HIpは溶
接ワイヤの溶滴がスプレー移行するように臨界電流値以
上に予め設定し、高アーク長時ピーク電流通電時間HT
pは溶滴移行が1パルス1溶滴移行又は1パルス数個の
溶滴移行になるように予め設定する。高アーク長時ベー
ス電流HIbは溶滴移行しないように臨界電流値未満に
予め設定し、高アーク長時ベース電流通電時間HTbは
EP極性期間中の溶接電圧Vwの平均値が高アーク長時
電圧設定値HVsと等しくなるように予め設定又はフィ
ードバック制御によって自動調整される。また、高アー
ク長時ピーク立ち上がり時間HTu及び高アーク長時ピ
ーク立ち下り時間HTdは、その設定値によってアーク
力の変化の度合いを調整することができるので、被溶接
材の材質、板厚、継ぎ手形状等に対して適正な値に設定
する。この設定値が小さいと急峻なアーク力の変化とな
り、大きくなるにつれてソフトなアーク力の変化とな
る。さらに、高アーク長時EN電流HIenは溶滴移行し
ないように臨界電流値未満に予め設定し、高アーク長時
EN電流通電時間HTenは高アーク長時のEN比率算出
値HEnが高アーク長時EN比率設定値HEsと等しく
なるように予め設定又はフィードバック制御によって自
動調整される。
【0065】一方、低アーク長時交流パルス電流群の各
パラメータ設定についても上記と同様である。但し、高
アーク長時のアーク長に比べて低アーク長時のアーク長
が短くなるようにするために上述した各パラメータ設定
範囲内において、低アーク長時ピーク電流LIp、低ア
ーク長時ピーク電流通電時間LTp、低アーク長時ベー
ス電流LIb、低アーク長時ベース電流通電時間LTb
又は低アーク長時電圧設定値LVs及び低アーク長時E
N電流LIenの少なくとも1つ以上のパラメータは高ア
ーク長時とは異なった値に設定する。また、高アーク長
時EN比率設定値HEs及び低アーク長時EN比率設定
値LEsは、被溶接材の材質、板厚、ギャップ長等に対
して最適値で互いに近い値に設定する。
【0066】上述したような交流パルス電流群を通電す
ることによって、実施例1の効果に加えて以下の効果が
ある。ピーク立ち上がり時間及びピーク立ち下り時間に
よってアーク力の変化がソフトになるのでアーク力によ
る溶け落ちを抑制できるために、極薄板の溶接性能がよ
り向上する。反面、アーク長及びアークの広がりの変化
もソフトになるので、実施例1に比べてややメリハリの
少ないウロコ状ビード外観になる場合もある。
【0067】図3は、本発明のパルス電流群切換交流パ
ルスアーク溶接方法における第3の実施例(以下、実施
例3という)の溶接電流波形を示す図である。横軸は時
間tの経過を示しており、縦軸は溶接電流Iwを示して
いる。
【0068】同図に示すように、高アーク長時周期HT
の間は高アーク長時交流パルス電流群を通電し、低アー
ク長時周期LTの間は低アーク長時交流パルス電流群を
通電して、それら2組のパルス電流群を交互に繰り返し
切り換えて通電する。
【0069】高アーク長時交流パルス電流群は、EP極
性においてベース電流値からピーク電流値まで一定のス
ロープで上昇する上昇遷移電流を通電する高アーク長時
ピーク立ち上がり時間HTuと、高アーク長時ピーク電
流HIpを通電する高アーク長時ピーク電流通電時間H
Tpと、ピーク電流値からベース電流値まで一定のスロ
ープで下降する下降遷移電流を通電する高アーク長時ピ
ーク立ち下り時間HTdと、高アーク長時ベース電流H
Ibを通電する高アーク長時ベース電流通電時間HTb
と、EN極性において高アーク長時EN電流HIenを通
電する高アーク長時EN電流通電時間HTenとから成る
高アーク長時基本交流パルス電流波形を複数回繰り返
す。
【0070】また、低アーク長時交流パルス電流群は、
EP極性において低アーク長時ピーク電流LIpを通電
する低アーク長時ピーク電流通電時間LTpと、低アー
ク長時ベース電流LIbを通電する低アーク長時ベース
電流通電時間LTbと、EN極性において低アーク長時
EN電流LIenを通電する低アーク長時EN電流通電時
間LTenとから成る低アーク長時基本交流パルス電流波
形を複数回繰り返す。
【0071】上記の高アーク長時基本交流パルス電流波
形の各パラメータ設定については、実施例2の高アーク
長時と同じであるので説明を省略する。また、低アーク
長時基本交流パルス電流波形の各パラメータ設定につい
ては、実施例1の低アーク長時と同じであるので説明を
省略する。但し、高アーク長時のアーク長に比べて低ア
ーク長時のアーク長が短くなるようにするために上述し
た各パラメータ設定範囲内において、低アーク長時ピー
ク電流LIp、低アーク長時ピーク電流通電時間LT
p、低アーク長時ベース電流LIb、低アーク長時ベー
ス電流通電時間LIb又は低アーク長時電圧設定値LV
s及び低アーク長時EN電流LIenの少なくとも1つ以
上のパラメータは高アーク長時とは異なった値に設定す
る。また、高アーク長時EN比率設定値HEs及び低ア
ーク長時EN比率設定値LEsは、被溶接材の材質、板
厚、ギャップ長等に対して最適値で互いに近い値に設定
する。
【0072】上述したような交流パルス電流群を通電す
ることによって、実施例1の効果に加えて以下の効果が
ある。高アーク長時はピーク立ち上がり時間及びピーク
立ち下り時間によってアーク力の変化がソフトになり、
低アーク長時はピーク立ち上がり時間及びピーク立ち下
り時間がないのアーク力の変化は急峻になる。そのため
に、後述するように極薄板のT継ぎ手溶接において、低
アーク長時の急峻なアーク力の変化によって溶融池中心
部の融合不良の発生を防止し、かつ高アーク長時のソフ
トなアーク力の変化によって溶け落ちを防止することが
できる。
【0073】図4は、本発明のパルス電流群切換交流パ
ルスアーク溶接方法における第4の実施例(以下、実施
例4という)の溶接電流波形を示す図である。横軸は時
間tの経過を示しており、縦軸は溶接電流Iwを示して
いる。
【0074】同図に示すように、高アーク長時周期HT
の間は高アーク長時交流パルス電流群を通電し、低アー
ク長時周期LTの間は低アーク長時交流パルス電流群を
通電して、それら2組のパルス電流群を交互に繰り返し
切り換えて通電する。
【0075】高アーク長時交流パルス電流群は、EP極
性において高アーク長時ピーク電流HIpを通電する高
アーク長時ピーク電流通電時間HTpと、高アーク長時
ベース電流HIbを通電する高アーク長時ベース電流通
電時間HTbと、EN極性において高アーク長時EN電
流HIenを通電する高アーク長時EN電流通電時間HT
enとから成る高アーク長時基本交流パルス電流波形を複
数回繰り返す。
【0076】また、低アーク長時交流パルス電流群は、
EP極性においてベース電流値からピーク電流値まで一
定のスロープで上昇する上昇遷移電流を通電する低アー
ク長時ピーク立ち上がり時間LTuと、低アーク長時ピ
ーク電流LIpを通電する低アーク長時ピーク電流通電
時間LTpと、ピーク電流値からベース電流値まで一定
のスロープで下降する下降遷移電流を通電する低アーク
長時ピーク立ち下り時間LTdと、低アーク長時ベース
電流LIbを通電する低アーク長時ベース電流通電時間
LTbと、EN極性において低アーク長時EN電流LI
enを通電する低アーク長時EN電流通電時間LTenとか
ら成る低アーク長時基本交流パルス電流波形を複数回繰
り返す。
【0077】上記の高アーク長時基本交流パルス電流波
形の各パラメータ設定については、実施例1の高アーク
長時と同じであるので説明を省略する。また、低アーク
長時基本交流パルス電流波形の各パラメータ設定につい
ては、実施例2の低アーク長時と同じであるので説明を
省略する。但し、高アーク長時のアーク長に比べて低ア
ーク長時のアーク長が短くなるようにするために上述し
た各パラメータ設定範囲内において、低アーク長時ピー
ク電流LIp、低アーク長時ピーク電流通電時間LT
p、低アーク長時ベース電流LIb、低アーク長時ベー
ス電流通電時間LIb又は低アーク長時電圧設定値LV
s及び低アーク長時EN電流LIenの少なくとも1つ以
上のパラメータは高アーク長時とは異なった値に設定す
る。また、高アーク長時EN比率設定値HEs及び低ア
ーク長時EN比率設定値LEsは、被溶接材の材質、板
厚、ギャップ長等に対して最適値で互いに近い値に設定
する。
【0078】上述したような交流パルス電流群を通電す
ることによって、実施例1の効果に加えて以下の効果が
ある。高アーク長時はピーク立ち上がり時間及びピーク
立ち下り時間がないのでアーク力の変化が急峻になり、
低アーク長時はピーク立ち上がり時間及びピーク立ち下
り時間によってアーク力の変化はソフトになる。そのた
めに、後述するように中・厚板のV開先継ぎ手溶接にお
いて、低アーク長時のソフトなアーク力の変化によって
開先内エッジ部の溶け落ちを防止し、かつ高アーク長時
の急峻なアーク力の変化によって開先側面部に十分な溶
け込み深さを得ることができる。
【0079】図5は、本発明の実施例1乃至実施例4に
対応する装置のブロック図である。同図において、従来
技術1の装置を示す図20と同じ回路ブロックについて
は、同一符号を付けており説明を省略する。
【0080】2次側整流器D2a乃至D2dは、高周波変
圧器INTによって降圧された高周波交流を直流に整流
する。EP極性トランジスタPTRは、後述するEP極
性ドライブ信号PdvがH信号のときにオン状態となり、
EP電流を通電する。EN極性トランジスタNTRは、
後述するEN極性ドライブ信号NdvがH信号のときにオ
ン状態となり、EN電流を通電する。EP電流はD2a又
はD2b→PTR→溶接ワイヤ→被溶接材→WLの経路で
通電し、EN電流はWL→被溶接材→溶接ワイヤ→NT
R→D2c又はD2dの経路で通電する。
【0081】溶接電流絶対値回路CRは、溶接電流検出
信号Idを入力として、その絶対値である溶接電流絶対
値信号Crを出力する。高アーク長時EN比率設定回路
HESは、高アーク長時EN比率設定信号HEsを出す
る。低アーク長時EN比率設定回路LESは、低アーク
長時EN比率設定信号LEsを出する。
【0082】高アーク長時交流パルス条件設定回路HP
Cは、高アーク長時周期設定信号HT、高アーク長時ピ
ーク電流通電時間設定信号HTp、高アーク長時ピーク
電流設定信号HIp、高アーク長時ベース電流設定信号
HIb、高アーク長時ピーク立ち上がり時間設定信号H
Tu、高アーク長時ピーク立ち下り時間設定信号HT
d、高アーク長時電圧設定信号HVs及び高アーク長時
EN電流設定信号HIenから成る高アーク長時交流パル
ス条件設定信号Hpcを出力する。低アーク長時交流パル
ス条件設定回路LPCは、低アーク長時周期設定信号L
T、低アーク長時ピーク電流通電時間設定信号LTp、
低アーク長時ピーク電流設定信号LIp、低アーク長時
ベース電流設定信号LIb、低アーク長時ピーク立ち上
がり時間設定信号LTu、低アーク長時ピーク立ち下り
時間設定信号LTd、低アーク長時電圧設定信号LVs
及び低アーク長時EN電流設定信号LIenから成る低ア
ーク長時交流パルス条件設定信号Lpcを出力する。
【0083】交流電流波形制御回路WACは、溶接電圧
A/D変換信号Adv、割り込み周期設定信号ΔT、割り
込み発生信号It、高アーク長時交流パルス条件設定信
号Hpc及び低アーク長時交流パルス条件設定信号Lpcを
入力として、それらの信号をソフトウェアで処理して電
流設定信号Is並びにEP極性切換信号Pon及びEN極
性切換信号Nonを出力する。ソフトウェア処理の詳細に
ついては後述する。
【0084】EP極性ドライブ回路PDVは、EP極性
切換信号Ponを入力として、その信号がH信号のときに
EP極性トランジスタPTRをオン状態にするH信号の
EP極性ドライブ信号Pdvを出力する。EN極性ドライ
ブ回路NDVは、EN極性切換信号Nonを入力として、
その信号がH信号のときにEN極性トランジスタNTR
をオン状態にするH信号のEN極性ドライブ信号Ndvを
出力する。
【0085】図6乃至図8は、上述した交流電流波形制
御回路WACのソフトウェア処理の内容を示すフローチ
ャートである。
【0086】ステップ101において、高アーク長時交
流パルス条件設定信号Hpc、低アーク長時交流パルス条
件設定信号Lpc、割り込み設定信号ΔT、高アーク長時
EN比率設定信号HEs及び低アーク長時EN比率設定
信号LEsを読み込む。高アーク長時交流パルス条件設
定信号Hpcは、上述したように高アーク長時周期設定信
号HT、高アーク長時ピーク電流通電時間設定信号HT
p、高アーク長時ピーク電流設定信号HIp、高アーク
長時ベース電流設定信号HIb、高アーク長時ピーク立
ち上がり時間設定信号HTu、高アーク長時ピーク立ち
下り時間設定信号HTd、高アーク長時電圧設定信号H
Vs及び高アーク長時EN電流設定信号HIenから構成
されている。また、低アーク長時交流パルス条件設定信
号Lpcは、上述したように低アーク長時周期設定信号L
T、低アーク長時ピーク電流通電時間設定信号LTp、
低アーク長時ピーク電流設定信号LIp、低アーク長時
ベース電流設定信号LIb、低アーク長時ピーク立ち上
がり時間設定信号LTu、低アーク長時ピーク立ち下り
時間設定信号LTd、低アーク長時電圧設定信号LVs
及び低アーク長時EN電流設定信号LIenから構成され
ている。
【0087】ステップ102において、上記の読込み値
から(HIp−HIb)/(HTu/ΔT)を計算して
高アーク長時電流加算ステップ値HIuに代入し、(H
Ip−HIb)/(HTd/ΔT)を計算して高アーク
長時電流減算ステップ値HIdに代入し、(LIp−L
Ib)/(LTu/ΔT)を計算して低アーク長時電流
加算ステップ値LIuに代入し、(LIp−LIb)/
(LTd/ΔT)を計算して低アーク長時電流減算ステ
ップ値LIdに代入する。
【0088】ステップ103において、高アーク長時ピ
ーク電流通電時間設定信号HTpをピーク電流通電時間
設定値Tpに、高アーク長時ピーク電流設定信号HIp
をピーク電流設定値Ipに、高アーク長時ベース電流設
定信号HIbをベース電流設定値Ibに、高アーク長時
ピーク立ち上がり時間設定信号HTuをピーク立ち上が
り時間設定値Tuに、高アーク長時ピーク立ち下り時間
設定信号HTdをピーク立ち下り時間設定値Tdに、高
アーク長時電圧設定信号HVsを電圧設定値Vsに、高
アーク長時EN電流設定信号HIenをEN電流設定値I
enに、高アーク長時EN比率設定信号HEsをEN比率
設定値Esに代入し、高アーク長時電流加算ステップ値
HIuを電流加算ステップ値Iuに代入し、高アーク長
時電流減算ステップ値HIdを電流減算ステップ値Id
にそれぞれ代入する。さらに、周期カウンタ値n、波形
カウンタ値m、EN波形カウンタ値k、電圧加算値Vi
及び電流加算値Iiに0を代入し、電流設定信号Isに
ベース電流設定値Ibを代入する。
【0089】ステップ104において、割り込み発生信
号ItがHレベルかを判定して、YESならばステップ
105に進み、NOならばHレベルになるまで待機す
る。ステップ105において、周期カウンタ値nに1を
加算する。ステップ106において、周期カウンタ値n
と割り込み周期設定信号ΔTとを乗算した値が、高アー
ク長時周期設定信号HTと等しいかを判定して、YES
ならばステップ110に進み、NOならばステップ10
7に進む。このステップ106では高アーク長時周期H
Tが経過したかを判定している。
【0090】ステップ107において、周期カウンタ値
nと割り込み周期設定信号ΔTとを乗算した値が、高ア
ーク長時周期設定信号HTと低アーク長時周期設定信号
LTとの加算値と等しいかを判定して、YESならばス
テップ108に進み、NOならば図7のステップ112
に進む。このステップ107では低アーク長時周期LT
が経過したかを判定している。
【0091】ステップ108において、高アーク長時ピ
ーク電流通電時間設定信号HTpをピーク電流通電時間
設定値Tpに、高アーク長時ピーク電流設定信号HIp
をピーク電流設定値Ipに、高アーク長時ベース電流設
定信号HIbをベース電流設定値Ibに、高アーク長時
ピーク立ち上がり時間設定信号HTuをピーク立ち上が
り時間設定値Tuに、高アーク長時ピーク立ち下り時間
設定信号HTdをピーク立ち下り時間設定値Tdに、高
アーク長時電圧設定信号HVsを電圧設定値Vsに、高
アーク長時EN電流設定信号HIenをEN電流設定値I
enに、高アーク長時EN比率設定信号HEsをEN比率
設定値Esに代入し、高アーク長時電流加算ステップ値
HIuを電流加算ステップ値Iuに代入し、高アーク長
時電流減算ステップ値HIdを電流減算ステップ値Id
にそれぞれ代入する。ステップ109において、周期カ
ウンタ値n、波形カウンタ値m及びEN波形カウンタ値
kを0にリセットし、ベース電流設定値Ibを電流設定
信号Isに代入する。
【0092】ステップ110において、低アーク長時ピ
ーク電流通電時間設定信号LTpをピーク電流通電時間
設定値Tpに、低アーク長時ピーク電流設定信号LIp
をピーク電流設定値Ipに、低アーク長時ベース電流設
定信号LIbをベース電流設定値Ibに、低アーク長時
ピーク立ち上がり時間設定信号LTuをピーク立ち上が
り時間設定値Tuに、低アーク長時ピーク立ち下り時間
設定信号LTdをピーク立ち下り時間設定値Tdに、低
アーク長時電圧設定信号LVsを電圧設定値Vsに、低
アーク長時EN電流設定信号LIenをEN電流設定値I
enに、低アーク長時EN比率設定信号LEsをEN比率
設定値Esに代入し、低アーク長時電流加算ステップ値
LIuを電流加算ステップ値Iuに代入し、低アーク長
時電流減算ステップ値LIdを電流減算ステップ値Id
にそれぞれ代入する。ステップ111において、波形カ
ウンタ値m及びEN波形カウンタ値kを0にリセット
し、ベース電流設定値Ibを電流設定信号Isに代入す
る。
【0093】以下、図7を参照して説明する。ステップ
112において、波形カウンタ値mに1を加算する。ス
テップ113において、波形カウンタ値mと割り込み周
期設定信号ΔTとを乗算した値が、ピーク立ち上がり時
間設定値Tu以下かを判定して、YESならばステップ
114に進み、NOならばステップ115に進む。この
ステップ113ではピーク立ち上がり時間中であるかを
判定している。ステップ114において、前回の電流設
定信号Isと電流加算ステップ値Iuとを加算して電流
設定信号Isに代入する。
【0094】ステップ115において、波形カウンタ値
mと割り込み周期設定信号ΔTとを乗算した値が、ピー
ク立ち上がり時間設定値Tuとピーク電流通電時間設定
値Tpとの加算値以下かを判定して、YESならばステ
ップ116に進み、NOならばステップ117に進む。
このステップ115ではピーク電流通電時間中であるか
を判定している。ステップ116において、ピーク電流
設定値Ipを電流設定信号Isに代入する。
【0095】ステップ117において、波形カウンタ値
mと割り込み周期設定信号ΔTとを乗算した値が、ピー
ク立ち上がり時間設定値Tuとピーク電流通電時間設定
値Tpとピーク立ち下り時間設定値Tdとの加算値以下
かを判定して、YESならばステップ118に進み、N
Oならばステップ119に進む。このステップ117で
はピーク立ち下り時間中であるかを判定している。ステ
ップ118において、前回の電流設定信号Isから電流
減算ステップ値Idを減算して電流設定信号Isに代入
する。ステップ119において、後述する平均電圧値V
iaが電圧設定値Vs以下かを判定して、NOならばステ
ップ120に進み、YESならば図8のステップ126
に進む。このステップ119では、上述したようにピー
ク電流通電時間の開始時点から割り込み周期毎に計算さ
れる溶接電圧Vwの平均値が電圧設定値以下になったか
を判定して、YESならばベース電流通電時間を終了す
るステップに進めている。ステップ120において、ベ
ース電流設定値Ibを電流設定信号Isに代入する。
【0096】以下、図8を参照して説明する。ステップ
121において、溶接電圧A/D変換信号Advを読み込
む。ステップ122において、前回の電圧加算値Viに
上記の溶接電圧A/D変換信号Advを加算する。ステッ
プ123において、前回の電流加算値Iiに電流設定信
号Isを加算する。ステップ124において、電圧加算
値Viを波形カウンタ値mで除算した値を平均電圧値V
iaに代入する。ステップ125において、EP極性切替
信号Ponに1(H信号)を代入し、EN極性切替信号N
onに0(L信号)を代入する。
【0097】ステップ126において、EN電流設定値
Ienを電流設定信号Isに代入する。ステップ127に
おいて、EP極性切替信号Ponに0(L信号)を代入
し、EN極性切替信号Nonに1(H信号)を代入する。
ステップ128において、{(Ii・Es)/(100
−Es)}/Ienを計算してEN電流通電時間設定値T
enに代入する。このステップ128では、EP電流の電
流加算値IiとEN比率設定値EsからEN電流通電時
間Tenを計算している。ステップ129において、EN
波形カウンタ値kに1を加算する。ステップ130にお
いて、EN波形カウンタ値kと割り込み周期設定信号Δ
Tとを乗算した値が、EN電流通電時間Ten以下かを判
定して、YESならばステップ133に進み、NOなら
ばステップ131に進む。このステップ130ではEN
電流通電時間中であるかを判定している。
【0098】ステップ131において、波形カウンタ値
m及びENは計カウンタ値kを0にリセットする。ステ
ップ132において、電圧加算値Vi及び電流加算値I
iを0にリセットする。ステップ133において、EP
極性切換信号Pon及びEN極性切換信号Nonを出力す
る。ステップ134において、電流設定信号Isを出力
する。ステップ135において、溶接終了かを判定し
て、YESならば終了し、NOならばステップ104に
戻る。
【0099】図9は、上述した図5のブロック図及び図
6乃至図8のフローチャートで示した各信号のタイミン
グチャートである。同図(A)は溶接電流Iwの時間変
化を示しており、同図(B)は溶接電圧Vwの時間変化
を示しており、同図(C)はソフトウェア内部の信号で
ある平均電圧値Viaの時間変化を示しており、同図
(D)は電流設定信号Isの時間変化を示している。以
下、図5を参照して、図9を説明する。
【0100】時刻t0乃至時刻t1(高アーク長時ピ
ーク立ち上がり時間HTu) 時刻t0から高アーク長時周期HTが始まり、EP極性
切換信号PonがL信号からH信号に変化して、EP極性
トランジスタPTRがオン状態になるので、EP極性と
なる。同時に、電圧加算値Viへの溶接電圧Vwの加算
を初期値零から開始すると共に、同図(C)に示す平均
電圧値Viaの計算を開始する。さらに、同図(D)に示
す電流設定信号Isは、高アーク長時ベース電流設定信
号HIbから高アーク長時ピーク電流設定信号HIpま
で一定のスロープで上昇して、上昇遷移電流を通電す
る。 時刻t1乃至時刻t2(高アーク長時ピーク電流通電
時間HTp) 電流設定信号Isは、高アーク長時ピーク電流設定信号
HIpになり、高アーク長時ピーク電流を通電する。 時刻t2乃至時刻t3(高アーク長時ピーク立ち下り
時間HTd) 電流設定信号Isは、高アーク長時ピーク電流設定信号
HIpから高アーク長時ベース電流設定信号HIbまで
一定のスロープで下降して、下降遷移電流を通電する。 時刻t3乃至時刻t4(高アーク長時ベース電流通電
時間HTb) 電流設定信号Isは、高アーク長時ベース電流設定信号
HIbになり、高アーク長時ベース電流を通電する。同
時に、割り込み周期毎に計算される上記の平均電圧値V
iaが、同図(C)に示す高アーク長時電圧設定信号HE
s以下になったかを判定して、以下になった時刻t4で
ベース電流通電時間を終了する。さらに、時刻t4にお
いて上述したように高アーク長時EN電流通電時間HT
enを計算する。 時刻t4乃至時刻t5(高アーク長時EN電流通電時
間HTen) EN極性切換信号NonがL信号からH信号に変化して、
EN極性トランジスタNTRがオン状態になるので、E
N極性となる。同時に、電流設定信号Isは、高アーク
長時EN電流設定信号HIenになり、高アーク長時EN
電流を通電する。 時刻t5乃至時刻t6 上記の乃至の動作を高アーク長時周期HTが終了す
る時刻t6まで繰り返す。 時刻t6乃至時刻t7(低アーク長時周期LT) 低アーク長時周期LTの動作については、高アーク長時
の各パラメータを対応する低アーク長時の各パラメータ
に置換すると同様であるので説明を省略する。以上の
乃至の動作を繰り返すことによって、実施例2の交流
パルス電流群を通電することができる。
【0101】また、実施例1については、高アーク長時
及び低アーク長時のピーク立ち上がり時間及びピーク立
ち下り時間の設定値を0.1[ms]以下にすることによ
って実質的に同等の交流パルス電流波形となる。さら
に、実施例3については、低アーク長時のピーク立ち上
がり時間及びピーク立ち下り時間の設定値を0.1[m
s]以下にすることによって実質的に同等の交流パルス
電流波形となるり、実施例4については、高アーク長時
のピーク立ち上がり時間及びピーク立ち下り時間の設定
値を0.1[ms]以下にすることによって実質的に同等
の交流パルス電流波形となる。従って、図5で示す装置
は、実施例1乃至実施例4のパルス電流群切換交流パル
スアーク溶接方法を実現できる。
【0102】図10は、本発明によるアルミニウム合金
のパルス電流群切換交流パルスアーク溶接における溶接
可能下限板厚を示す図である。横軸は溶接速度[cm/
分]を示しており、縦軸は板厚[mm]を示しており、従
来技術1及び従来技術2については上述した図26の場
合である。本発明の溶接条件については、以下に述べる
基本交流パルス電流波形のパラメータ設定以外は図26
と同じである。本発明の基本交流パルス電流波形の各パ
ラメータについては、高アーク長時ピーク電流HIpを
320[A]に、高アーク長時ピーク電流通電時間HT
pを2[ms]に、高アーク長時ベース電流HIbを30
[A]に、高アーク長時EN電流HIenを40[A]に
設定し、被溶接材の板厚によって高アーク長時ベース電
流通電時間HTbを10乃至17[ms]に、高アーク長
時EN電流通電時間HTenを2.3乃至2.9[ms]に
設定している。その結果、高アーク長時EN比率HEn
は10[%]となる。
【0103】また、低アーク長時ピーク電流LIpを2
80[A]に、低アーク長時ピーク電流通電時間LTp
を1.2[ms]に、低アーク長時ベース電流LIbを3
0[A]に、低アーク長時EN電流LIenを40[A]
に設定し、被溶接材の板厚によって低アーク長時ベース
電流通電時間LTbを5乃至9[ms]に、低アーク長時
EN電流通電時間LTenを1.2乃至1.5[ms]に設
定している。その結果、低アーク長時EN比率LEnは
10[%]となる。
【0104】同図に示すように、本発明では板厚が0.
6乃至1[mm]の極薄板まで良好な溶接が可能である。
【0105】図11は、本発明によるアルミニウム合金
のパルス電流群切換交流パルスアーク溶接を行ったとき
の溶融池幅変化分ΔWpを示す図である。横軸はEN比
率を示しており、縦軸は溶融池幅変化分ΔWpを示して
いる。従来技術1及び従来技術2は上述した図27の場
合である。本発明の溶接条件については、以下に述べる
基本交流パルス電流波形のパラメータ設定以外は図27
と同じである。
【0106】本発明の基本交流パルス電流波形の各パラ
メータについては、高アーク長時ピーク電流HIpを3
20[A]に、高アーク長時ピーク電流通電時間HTp
を2[ms]に、高アーク長時ベース電流HIbを30
[A]に、高アーク長時EN電流HIenを40[A]に
設定し、高アーク長時ベース電流通電時間HTbを10
[ms]に、高アーク長時EN電流通電時間HTenを2.
3[ms]に設定している。その結果、高アーク長時EN
比率HEnは10[%]となる。
【0107】また、低アーク長時ピーク電流LIpを2
80[A]に、低アーク長時ピーク電流通電時間LTp
を1.2[ms]に、低アーク長時ベース電流LIbを3
0[A]に、低アーク長時EN電流LIenを40[A]
に設定し、低アーク長時ベース電流通電時間LTbを5
[ms]に、低アーク長時EN電流通電時間LTenを1.
2[ms]に設定している。その結果、低アーク長時EN
比率LEnは10[%]となる。
【0108】同図に示すように、本発明での溶融池幅変
化分ΔWpは2[mm]と十分に大きな値となり、その結
果メリハリのある美しいウロコ状ビード外観を得ること
ができる。
【0109】図12は、本発明のパルス電流群切換交流
パルスアーク溶接方法による溶接ビード外観の一例を示
す図である。被溶接材の材料はアルミニウム合金A50
52で板厚は0.8[mm]であり、溶接ワイヤには直径
1.2[mmΦ]のA5356を使用している。平均溶接
電流値は60[A]、平均溶接電圧値は18[V]及び
溶接速度は40[cm/分]であり、高アーク長時周期H
T=300[ms]及び低アーク長時周期LT=200
[ms]のビードオンプレート溶接の場合である。同図に
示すように、溶接ビード外観は、波目のピッチの揃った
メリハリのある美しいウロコ状ビード外観となってお
り、かつ溶接品質も良好である。
【0110】図13は、本発明の実施例3に示すパルス
電流群切換交流パルスアーク溶接方法を実施することで
T継ぎ手溶接の融合不良を防止する効果があることを説
明するための溶接ビードの断面マクロ図である。同図
(A)は溶け融合不良発生時の断面マクロ図を示してお
り、同図(B)は実施例3によって溶接したときの断面
マクロ図を示している。
【0111】同図において2dは溶着金属を示してい
る。被溶接材の材質はアルミニウム合金A5052で板
厚は0.8[mm]であり、溶接ワイヤには直径1.2
[mmΦ]のA5356を使用している。平均溶接電流値
は60[A]、平均溶接電圧値は18[V]及び溶接速
度は40[cm/分]であり、高アーク長時周期HT=2
50[ms]及び低アーク長時周期LT=250[ms]の
場合である。
【0112】実施例3では上述したように低アーク長時
の急峻なアーク力の変化によってT継ぎ手の溶融池中心
部に発生しやすい融合不良を防止すると共に、高アーク
長時のソフトなアーク力の変化によって溶け落ちの発生
を防止することができる。従って、同図(A)に示すよ
うにアーク力の変化がソフトであると中心部に融合不良
が発生しやすく、アーク力の変化が急峻であると溶け落
ちが発生しやすくなる。それに対して、同図(B)に示
すように実施例3では極薄板のT継ぎ手溶接において、
融合不良も溶け落ちもない良好な溶接品質を得ることが
できる。
【0113】図14は、本発明の実施例4に示すパルス
電流切換交流パルスアーク溶接方法を実施することで中
・厚板のV開先継ぎ手溶接において溶け落ちを防止する
効果があることを説明するための溶接ビードの断面マク
ロ図である。同図(A)は溶け落ち発生時の断面マクロ
図を示しており、同図(B)は実施例4によって溶接し
たときの断面マクロ図を示している。
【0114】被溶接材の材料はアルミニウム合金A50
52で板厚は10[mm]であり、溶接ワイヤには直径
1.2[mmΦ]のA5356を使用している。平均溶接
電流値は200[A]、平均溶接電圧値は25[V]及
び溶接速度は60[cm/分]であり、高アーク長時周期
HT=150[ms]及び低アーク長時周期LT=150
[ms]の場合である。
【0115】実施例4では上述したように、低アーク長
時のソフトなアーク力の変化によってV開先内のエッジ
部2eが溶け落ちることを防止すると共に、高アーク長
時の急峻なアーク力の変化によってV開先内の側面部に
十分な溶け込み深さを確保することができる。従って、
同図(A)に示すようにアーク力の変化が急峻であると
エッジ部2eが溶け落ちることもあったが、同図(B)
に示すように実施例4では低アーク長時のソフトなアー
ク力の変化によってエッジ部2eは溶け落ちることなく
良好な溶接品質となっている。
【0116】図15は、本発明による鉄鋼のパルス電流
群切換交流パルスアーク溶接における溶接可能下限板厚
を示す図である。横軸は溶接速度[cm/分]を示してお
り、縦軸は板厚[mm]を示している。被溶接材には鉄鋼
SS400を、溶接ワイヤには直径1.0[mmΦ]のY
GW11を、シールドガスにはアルゴンガス(Ar)が
90[%]と炭酸ガス(CO2)が10[%]との混合
ガスを使用した重ねすみ肉溶接の場合である。同図に示
すように、本発明では鉄鋼に対しても板厚が0.6乃至
1[mm]の極薄板まで良好な溶接が可能である。
【0117】図16は、本発明のパルス電流群切換交流
パルスアーク溶接方法による鉄鋼材料の溶接ビード外観
の一例を示す図である。被溶接材の材質は鉄鋼SS40
0で板厚は0.8[mm]であり、溶接ワイヤには直径
1.0[mmΦ]のYGW11を使用している。平均溶接
電流値は70[A]、平均溶接電圧値は18[V]及び
溶接速度は40[cm/分]であり、高アーク長時周期H
T=250[ms]及び低アーク長時周期LT=250
[ms]のT継ぎ手溶接の場合である。同図に示すよう
に、溶接ビード外観は、波目のピッチの揃ったメリハリ
のある美しいウロコ状ビード外観となっており、かつ溶
接品質も良好である。
【0118】
【本発明の効果】上述したように本発明のパルス電流群
切換交流パルスアーク溶接方法は、従来技術では困難で
あった0.6乃至1[mm]の極薄板に対して良好な溶接
を行うことができると共に、波目のピッチの揃ったメリ
ハリのある美しいウロコ状の溶接ビード外観を得ること
ができる。そのために、本発明の溶接ビード外観は溶接
構造物の外面部分にそのまま使用することができる。
【0119】上記の効果に加えて実施例2のパルス電流
群切換交流パルスアーク溶接方法では、アーク力の変化
がソフトであるので極薄板の溶接品質がさらに向上す
る。また、実施例3のパルス電流群切換交流パルスアー
ク溶接方法では、T継ぎ手に対して融合不良及び溶け落
ち抑制効果があるので溶接性能が向上する。さらに、実
施例4のパルス電流群切換交流パルスアーク溶接方法で
は、中板及び厚板のV開先継ぎ手に対してV開先内エッ
ジ部の溶け落ちを抑制する効果があり、かつV開先内側
面部に十分な溶け込み深さを得ることができるので溶接
性能が向上する。本発明のパルス電流群切換交流パルス
アーク溶接方法は、アルミニウム合金等、鉄鋼、ステン
レス鋼等に対して上述した種々の効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のパルス電流群切換交流パルス
アーク溶接方法における実施例1の溶接電流波形を示す
図である。
【図2】図2は、本発明のパルス電流群切換交流パルス
アーク溶接方法における実施例2の溶接電流波形を示す
図である。
【図3】図3は、本発明のパルス電流群切換交流パルス
アーク溶接方法における実施例3の溶接電流波形を示す
図である。
【図4】図4は、本発明のパルス電流群切換交流パルス
アーク溶接方法における実施例4の溶接電流波形を示す
図である。
【図5】図5は、本発明の実施例1乃至実施例4を実施
するための装置のブロック図である。
【図6】図6は、本発明における交流電流波形を制御す
るソフトウェア処理の内容を示すフローチャートであ
る。
【図7】図7は、本発明における交流電流波形を制御す
るソフトウェア処理の内容を示すフローチャートであ
る。
【図8】図8は、本発明における交流電流波形を制御す
るソフトウェア処理の内容を示すフローチャートであ
る。
【図9】図9は、本発明における図5のブロック図及び
図6乃至図8のフローチャートで示した各信号のタイミ
ングチャートである。同図(A)は溶接電流Iwの時間
変化を示しており、同図(B)は溶接電圧Vwの時間変
化を示しており、同図(C)はソフトウェア内部の信号
である平均電圧値Viaの時間変化を示しており、同図
(D)は電流設定信号Isの時間変化を示している。
【図10】図10は、本発明によるアルミニウム合金の
パルス電流群切換交流パルスアーク溶接における溶接可
能下限板厚を示す図である。
【図11】図11は、本発明によるアルミニウム合金の
パルス電流群切換交流パルスアーク溶接を行ったときの
溶融池幅変化分ΔWpを示す図である。
【図12】図12は、本発明のパルス電流群切換交流パ
ルスアーク溶接方法による溶接ビード外観の一例を示す
図である。
【図13】図13は、本発明の実施例3に示すパルス電
流群切換交流パルスアーク溶接方法を実施することでT
継ぎ手溶接の融合不良を防止する効果があることを説明
するための溶接ビードの断面マクロ図である。
【図14】図14は、本発明の実施例4に示すパルス電
流切換交流パルスアーク溶接方法を実施することで中板
及び厚板のV開先継ぎ手溶接において溶け落ち防止効果
があることを説明するための溶接ビードの断面マクロ図
である。
【図15】図15は、本発明による鉄鋼のパルス電流群
切換交流パルスアーク溶接における溶接可能下限板厚を
示す図である。
【図16】図16は、本発明のパルス電流群切換交流パ
ルスアーク溶接方法による鉄鋼材料の溶接ビード外観の
一例を示す図である。
【図17】図17は、従来技術1であるパルスアーク溶
接方法の溶接電流波形を示す図である。
【図18】図18は、図17で示す従来技術1のパルス
電流群を通電したときのアークの形状及び溶融池の形状
を示す図であり、同図(A)はアーク発生箇所を横から
見た図であり、同図(B)はアーク発生時の溶融池形状
を上から見た図である。
【図19】図19は、従来技術1のパルスアーク溶接方
法による溶接ビード外観の一例を示す図である。
【図20】図20は、従来技術1を実施するための装置
のブロック図である。
【図21】図21は、従来技術1における電流波形を制
御するソフトウェア処理の内容を示すフローチャートで
ある。
【図22】図22は、従来技術1における電流波形を制
御するソフトウェア処理の内容を示すフローチャートで
ある。
【図23】図23は、従来技術1における図20のブロ
ック図並びに図21及び図22のフローチャートで示し
た各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶
接電流Iwの時間変化を示しており、同図(B)は溶接
電圧Vwの時間変化を示しており、同図(C)はソフト
ウェア内部の信号である平均電圧値Viaの時間変化を示
しており、同図(D)は電流設定信号Isの時間変化を
示している。
【図24】図24は、従来技術2である交流パルスアー
ク溶接方法の溶接電流波形を示す図である。
【図25】図25は、図24で示す従来技術2の交流パ
ルス電流群を通電したときのアークの形状及び溶融池の
形状を示す図である。
【図26】図26は、従来技術1及び従来技術2による
アルミニウム合金のパルスアーク溶接における溶接可能
下限板厚を示す図である。
【図27】図27は、従来技術1及び従来技術2による
アルミニウム合金のパルスアーク溶接を行ったときの溶
融池幅変化分ΔWpを示す図である。
【図28】図28は、従来技術2の交流パルスアーク溶
接を行ったときの溶接ビード外観の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…溶接ワイヤ 2…被溶接材 2a…高アーク長時溶融池 2b…低アーク長時溶融池 2c…溶接ビード 2d…溶着金属 2e…エッジ部 3…アーク 3a…高アーク長時アーク 3b…低アーク長時アーク 4…溶接トーチ 4a…チップ 4b…ノズル 5…送給ロール AC…商用電源 ADV…溶接電圧A/D変換回路 Adv…溶接電圧A/D変換信号 CD…溶接電流検出回路 Cd…溶接電流検出信号 CR…溶接電流絶対値回路 Cr…溶接電流絶対値信号 D1a、D1b…2次側整流器 D2a、D2b、D2c、D2d…2次側整流器 DAI…電流設定D/A変換回路 Dai…電流設定D/A変換信号 DT…割り込み周期設定回路 EA…誤差増風回路 Ea…誤差増幅信号 HEn…高アーク長時EN比率算出値 HES…高アーク長時EN比率設定回路 HEs…高アーク長時EN比率設定信号 HIb…高アーク長時ベース電流(設定信号) HId…高アーク長時電流減算ステップ値 HIen…高アーク長時EN電流(設定信号) HIp…高アーク長時ピーク電流(設定信号) HIu…高アーク長時電流加算ステップ値 HLa…高アーク長時アーク長 HP…高アーク長時パルス条件設定回路 Hp…高アーク長時パルス条件設定信号 HPC…高アーク長時交流パルス条件設定回路 Hpc…高アーク長時交流パルス条件設定信号 HT…高アーク長時周期(設定信号) HTb…高アーク長時ベース電流通電時間(設定信号) HTd…高アーク長時ピーク立ち下り時間(設定信号) HTen…高アーク長時EN電流通電時間(設定値) HTp…高アーク長時ピーク電流通電時間(設定信号) HTu…高アーク長時ピーク立ち上がり時間(設定信
号) HVs…高アーク長時電圧設定値/設定信号 HWp…高アーク長時溶融池幅 Ib…ベース電流設定値 Id…電流減算ステップ値 Ien…EN電流設定値 Ii…電流加算値 INT…高周波変圧器 INV…出力制御回路 Ip…ピーク電流設定値 Is…電流設定信号 IT…割り込み発生回路 It…割り込み発生信号 Iu…電流加算ステップ値 Iw…溶接電流 LEn…低アーク長時EN比率算出値 LES…低アーク長時EN比率設定回路 LEs…低アーク長時EN比率設定信号 LIb…低アーク長時ベース電流(設定信号) LId…低アーク長時電流減算ステップ値 LIen…低アーク長時EN電流(設定信号) LIp…低アーク長時ピーク電流(設定信号) LIu…低アーク長時電流加算ステップ値 LLa…低アーク長時アーク長 LP…低アーク長時パルス条件設定回路 Lp…低アーク長時パルス条件設定信号 LPC…低アーク長時交流パルス条件設定回路 Lpc…低アーク長時交流パルス条件設定信号 LT…低アーク長時周期(設定信号) LTb…低アーク長時ベース電流通電時間(設定信号) LTd…低アーク長時ピーク立ち下り時間 LTen…低アーク長時EN電流通電時間(設定値) LTp…低アーク長時ピーク電流通電時間(設定信号) LTu…低アーク長時ピーク立ち上がり時間 LVs…低アーク長時電圧設定値/設定信号 LWp…低アーク長時溶融池幅 m…波形カウンタ値 n…周期カウンタ値 NDV…EN極性ドライブ回路 Ndv…EN極性ドライブ信号 Non…EN極性切換信号 NTR…EN極性トランジスタ PDV…EP極性ドライブ回路 Pdv…EP極性ドライブ信号 Pon…EP極性切換信号 PTR…EP極性トランジスタ t…時間 Td…ピーク立ち下り時間設定値 Tp…ピーク電流通電時間設定値 Tu…ピーク立ち上がり時間設定値 VD…溶接電圧検出回路 Vd…溶接電圧検出信号 Vi…電圧加算値 Via…平均電圧値 Vs…電圧設定値 Vw…溶接電圧 WAC…交流電流波形制御回路 WC…電流波形制御回路 WL…リアクトル ΔLa…高/低アーク長変化分 ΔT…割り込み周期(設定信号) ΔWp…溶融池幅変化分

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接電流を溶接ワイヤ側から被溶接材側
    方向に通電する逆極性では溶滴移行をさせるピーク電流
    通電時間のピーク電流及びベース電流通電時間のベース
    電流から成るパルス電流と溶接電流を被溶接材側から溶
    接ワイヤ側方向に通電する正極性では溶滴移行をさせな
    い第1の正極性直流電流通電時間の正極性直流電流とか
    ら形成される第1の交流パルス電流をアーク長が大の高
    アーク長時周期の間繰り返す第1の交流パルス電流群
    と、逆極性では溶滴移行をさせるピーク電流通電時間の
    ピーク電流及びベース電流通電時間のベース電流から成
    るパルス電流と正極性では溶滴移行をさせない第2の正
    極性直流電流通電時間の正極性直流電流とから形成され
    る第2の交流パルス電流をアーク長が小の低アーク長時
    周期の間繰り返す第2の交流パルス電流群とを交互に繰
    り返して溶接する交流パルスアーク溶接方法において、
    前記第1の交流パルス電流群の前記ピーク電流通電時間
    及び前記ピーク電流値及び前記ベース電流通電時間及び
    前記ベース電流値及び前記正極性直流電流値の少なくと
    も1つと、前記第2の交流パルス電流群の前記ピーク電
    流通電時間及び前記ピーク電流値及び前記ベース電流通
    電時間及び前記ベース電流値及び前記正極性直流電流値
    の少なくとも1つとを異なる値に設定して、高アーク長
    時周期の平均アーク長を低アーク長時周期の平均アーク
    長よりも増大させて溶接する交流パルスアーク溶接方
    法。
  2. 【請求項2】 第1の交流パルス電流群のピーク電流通
    電時間及びピーク電流値及びベース電流通電時間及びベ
    ース電流値及び正極性直流電流値の少なくとも1つと、
    第2の交流パルス電流群のピーク電流通電時間及びピー
    ク電流値及びベース電流通電時間及びベース電流値及び
    正極性直流電流値の少なくとも1つとを異なる値に設定
    して、高アーク長時EN比率=|正極性直流電流値・第
    1の正極性直流電流通電時間|/(ピーク電流値・ピー
    ク電流通電時間+ベース電流値・ベース電流通電時間+
    |正極性直流電流値・第1の正極性直流電流通電時間
    |)}×100と、低アーク長時EN比率={|正極性
    直流電流値・第2の正極性直流電流通電時間|/(ピー
    ク電流値・ピーク電流通電時間+ベース電流値・ベース
    電流通電時間+|正極性直流電流値・第2の正極性直流
    電流通電時間|)}×100との変化を小にして溶接す
    る請求項1に記載の交流パルスアーク溶接方法。
  3. 【請求項3】 高アーク長時周期と低アーク長時周期と
    を異なった値に設定して溶接する請求項1又は請求項2
    に記載の交流パルスアーク溶接方法。
  4. 【請求項4】 第1の交流パルス電流群のベース電流通
    電時間を、逆極性時溶接電圧の平均値が予め設定した高
    アーク長時電圧設定値に近づけるフィードバック制御に
    よって自動調整すると共に、第2の交流パルス電流群の
    ベース電流通電時間を、逆極性時溶接電圧の平均値が予
    め設定した低アーク長時電圧設定値に近づけるフィード
    バック制御によって自動調整して溶接する請求項1又は
    請求項2又は請求項3に記載の交流パルスアーク溶接方
    法。
  5. 【請求項5】 第1の交流パルス電流群の波形から算出
    した高アーク長時EN比率={|正極性直流電流値・第
    1の正極性直流電流通電時間|/(ピーク電流値・ピー
    ク電流通電時間+ベース電流値・ベース電流通電時間+
    |正極性直流電流値・第1の正極性直流電流通電時間
    |)}×100を、予め設定した高アーク長時EN比率
    設定値に近づけるフィードバック制御によって前記第1
    の正極性直流電流通電時間を自動調整すると共に、第2
    の交流パルス電流群の波形から算出した低アーク長時E
    N比率={|正極性直流電流値・第2の正極性直流電流
    通電時間|/(ピーク電流値・ピーク電流通電時間+ベ
    ース電流値・ベース電流通電時間+|正極性直流電流値
    ・第2の正極性直流電流通電時間|)}×100を、予
    め設定した低アーク長時EN比率設定値に近づけるフィ
    ードバック制御によって前記第2の正極性直流電流通電
    時間を自動調整して溶接する請求項1又は請求項2又は
    請求項3又は請求項4に記載の交流パルスアーク溶接方
    法。
  6. 【請求項6】 第1の交流パルス電流群のピーク電流に
    高アーク長時ピーク立ち上がり時間及び高アーク長時ピ
    ーク立ち下り時間とを設定して高アーク長時のアーク力
    の変化をソフトにして溶接する請求項1又は請求項2又
    は請求項3又は請求項4又は請求項5に記載の交流パル
    スアーク溶接方法。
  7. 【請求項7】 第2の交流パルス電流群のピーク電流に
    低アーク長時ピーク立ち上がり時間及び低アーク長時ピ
    ーク立ち下り時間とを設定して低アーク長時のアーク力
    の変化をソフトにして溶接する請求項1又は請求項2又
    は請求項3又は請求項4又は請求項5に記載の交流パル
    スアーク溶接方法。
  8. 【請求項8】 第1の交流パルス電流群のピーク電流に
    高アーク長時ピーク立ち上がり時間及び高アーク長時ピ
    ーク立ち下り時間とを設定して高アーク長時のアーク力
    の変化をソフトにすると共に、第2の交流パルス電流群
    のピーク電流に低アーク長時ピーク立ち上がり時間及び
    低アーク長時ピーク立ち下り時間とを設定して低アーク
    長時のアーク力の変化をソフトにして溶接する請求項1
    又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5に
    記載の交流パルスアーク溶接方法。
  9. 【請求項9】 溶接電流を溶接ワイヤ側から被溶接材側
    方向に通電する逆極性では溶滴移行をさせるピーク電流
    通電時間のピーク電流及びベース電流通電時間のベース
    電流から成るパルス電流と溶接電流を被溶接材側から溶
    接ワイヤ側方向に通電する正極性では溶滴移行をさせな
    い第1の正極性直流電流通電時間の正極性直流電流とか
    ら形成される第1の交流パルス電流をアーク長が大の高
    アーク長時周期の間繰り返す第1の交流パルス電流群
    と、逆極性では溶滴移行をさせるピーク電流通電時間の
    ピーク電流及びベース電流通電時間のベース電流から成
    るパルス電流と正極性では溶滴移行をさせない第2の正
    極性直流電流通電時間の正極性直流電流とから形成され
    る第2の交流パルス電流をアーク長が小の低アーク長時
    周期の間繰り返す第2の交流パルス電流群とを交互に繰
    り返して溶接する交流パルスアーク溶接装置において、
    前記第1の交流パルス電流群のピーク電流通電時間及び
    ピーク電流値及びベース電流通電時間及びベース電流値
    及び第1の正極性直流電流通電時間及び正極性直流電流
    及び高アーク長時周期とを設定する高アーク長時交流パ
    ルス条件設定信号を出力する高アーク長時交流パルス条
    件設定回路と、前記第2の交流パルス電流群のピーク電
    流通電時間及びピーク電流及びベース電流通電時間及び
    ベース電流及び第2の正極性直流電流通電時間及び正極
    性直流電流及び低アーク長時周期とを設定する低アーク
    長時交流パルス条件設定信号を出力する低アーク長時交
    流パルス条件設定回路と、前記高アーク長時交流パルス
    設定信号の第1の正極性直流電流通電時間設定値を除く
    各設定値と前記低アーク長時交流パルス条件設定信号の
    第2の正極性直流電流通電時間設定値を除く各設定値と
    の少なくとも1つを異なる値に設定して、前記高アーク
    長時交流パルス条件設定信号と前記低アーク長時交流パ
    ルス条件設定信号とを入力として前記第1及び第2の交
    流パルス電流群の波形を形成する電流設定信号を出力す
    る交流電流波形制御回路とから構成され、前記電流設定
    信号に相当する溶接電流値を通電して高アーク長時周期
    の平均アーク長を低アーク長時周期の平均アーク長より
    も増大させて溶接する交流パルスアーク溶接装置。
  10. 【請求項10】 溶接電圧を検出して溶接電圧検出信号
    を出力する溶接電圧検出回路と、高アーク長時電圧設定
    信号を出力する設定回路と、低アーク長時電圧設定信号
    を出力する設定回路と、前記溶接電圧検出信号を入力と
    して第1の交流パルス電流群の逆極性時平均電圧値を算
    出し、前記平均電圧値と前記高アーク長時電圧設定信号
    とが近づくように高アーク長時交流パルス条件設定信号
    のベース電流通電時間を算出し、さらに前記溶接電圧検
    出信号を入力として第2の交流パルス電流群の逆極性時
    平均電圧値を算出し、前記平均電圧値と前記低アーク長
    時電圧設定信号とが近づくように低アーク長時交流パル
    ス条件設定信号のベース電流通電時間を算出する交流電
    流波形制御回路とから構成される請求項9に記載の交流
    パルスアーク溶接装置。
  11. 【請求項11】 高アーク長時EN比率設定信号を出力
    する設定回路と、低アーク長時EN比率設定信号を出力
    する設定回路と、第1の交流パルス電流群の波形から高
    アーク長時EN比率={|正極性直流電流値・第1の正
    極性直流電流通電時間|/(ピーク電流値・ピーク電流
    通電時間+ベース電流値・ベース電流通電時間+|正極
    性直流電流値・第1の正極性直流電流通電時間|)}×
    100を算出し、前記高アーク長時EN比率算出値と前
    記高アーク長時EN比率設定信号とが近づくように第1
    の正極性直流電流通電時間を算出し、さらに、第2の交
    流パルス電流群の波形から低アーク長時EN比率={|
    正極性直流電流値・第2の正極性直流電流通電時間|/
    (ピーク電流値・ピーク電流通電時間+ベース電流値・
    ベース電流通電時間+|正極性直流電流値・第2の正極
    性直流電流通電時間|)}×100を算出し、前記低ア
    ーク長時EN比率算出値と前記低アーク長時EN比率設
    定信号とが近づくように第2の正極性直流電流通電時間
    を算出する交流電流波形制御回路とから構成される請求
    項9又は請求項10に記載の交流パルスアーク溶接装
    置。
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