JP2000256412A - ポリブチレンの製造方法 - Google Patents

ポリブチレンの製造方法

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JP2000256412A
JP2000256412A JP11062607A JP6260799A JP2000256412A JP 2000256412 A JP2000256412 A JP 2000256412A JP 11062607 A JP11062607 A JP 11062607A JP 6260799 A JP6260799 A JP 6260799A JP 2000256412 A JP2000256412 A JP 2000256412A
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boron trifluoride
complex catalyst
boron
complexing agent
reaction mixture
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Tsutomu Takashima
務 高嶋
Yuichi Tokumoto
祐一 徳本
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 三フッ化ホウ素系錯体触媒を含有する反応混
合物中から、三フッ化ホウ素を環境汚染のない方法によ
り高い効率で除去し、触媒として再利用するポリブチレ
ンの製造方法を提供する。 【解決手段】 下記(I)〜(III)の工程を含むポリブ
チレンの製造方法、(I)三フッ化ホウ素系錯体触媒の
存在下にC4オレフィンの液相重合を行い、(II)錯体
触媒の少なくとも一部が分散および/または溶解した反
応混合物に、フッ化金属を接触させて錯体触媒中の三フ
ッ化ホウ素を選択的に吸着させ、(III)錯化剤を含有
する反応混合物を回収する。さらに、三フッ化ホウ素を
回収した後、触媒として再使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、重合触媒としての
三フッ化ホウ素と錯化剤とからなる三フッ化ホウ素系錯
体触媒を用いるポリブチレンの製造方法に関するもので
あり、さらに詳しくは、C4オレフィンを重合した後に
得られる、ポリブチレンを含有する重合生成物をフッ化
金属類と気相または液相で接触することによって、錯体
触媒中から高価かつ有毒な三フッ化ホウ素を除去し、同
時に錯化剤を回収する方法、および三フッ化ホウ素が吸
着して得られる四フッ化ホウ素金属塩を加熱し、フッ化
金属類と三フッ化ホウ素ガスとに分離して、それぞれ回
収される三フッ化ホウ素と錯化剤とから三フッ化ホウ素
系錯体触媒を再調製し、触媒を再利用する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレン中の二重結合構造としてビ
ニリデン構造を有するポリマーは、マレイン酸等と高率
で反応が進行するため有用である。このため、ポリブチ
レン中にビニリデン構造をより多く含有させる技術がい
くつか提案されている。例えば、米国特許第4,152,
499号公報には、重合触媒としてガス状三フッ化ホウ
素、または水もしくはアルコール類と錯体を形成した三
フッ化ホウ素系錯体触媒を用いて、−50℃から+30
℃の温度範囲で、イソブテンを重合し、重合度10〜1
00のポリイソブテンを得る重合技術が開示されている
が、その中において、末端位にビニリデン二重結合を6
0〜90%含有させることができるとしている。また欧
州特許(EP−A)第145,235号公報には、重合
触媒として予備形成された三フッ化ホウ素とC1〜C8
アルコールとの錯体触媒を用いて重合を行い、ポリイソ
ブテン中の末端位にビニリデン二重結合を70〜90%
含有させることができたことが開示されている。
【0003】このようにポリイソブテンを始めとするポ
リブチレンの製造には、多く三フッ化ホウ素系錯体触媒
が使用されているが、これらの錯体触媒は、それぞれ特
定の錯化剤が選択されているとともに、錯化剤としての
配位モル数も特定の値に制限されている。
【0004】一方、これらポリブチレンの重合反応の終
了後には、錯体中の三フッ化ホウ素を反応混合物中から
分離除去する必要がある。このために、従来工業的には
アンモニア、苛性ソーダ、石灰等の塩基性物質の水溶液
で中和した後、水洗する方法が採用されている。しかし
ながら、このような方法では触媒の再使用が不可能であ
り、また中和、水洗工程からは使用したアルカリや三フ
ッ化ホウ素の中和物であるフッ化物を含む廃水が排出さ
れるため、近年は環境汚染の問題を考慮してその除去対
策を講ずることが望まれている。さらに、三フッ化ホウ
素自体は高価であるため、回収して再使用することが経
済的、環境的にも有益であり、これまでに様々な回収手
法が提案されている。
【0005】例えば、三フッ化ホウ素系錯体触媒を、反
応混合物中から加熱分離する方法が提案されており、Ma
dgavkarらの米国特許4,263,467号には、反応生
成物を不活性金属またはセラミックス床上で徐々に移動
させることによって三フッ化ホウ素を気体として取り出
す方法が開示されている。特開平6−287211号公
報には、三フッ化ホウ素系錯体触媒を用いる系におい
て、反応混合物を加熱することにより三フッ化ホウ素ガ
スを発生させ、発生するガスに対して過剰量の錯化剤を
接触させて新たな錯体を形成させ、反応槽へ循環して再
利用することが開示されている。さらに、特開平8−3
33472号公報には、三フッ化ホウ素およびC1〜C
8アルカノールの反応促進剤で構成される三フッ化ホウ
素系錯体触媒を使用して、α−オレフィンオリゴマーを
製造する際に、生成物流体からの錯体を熱分解すること
により三フッ化ホウ素ガスを得て、促進剤を含有する低
温α−オレフィンオリゴマー流に接触させ再利用する方
法が開示されている。
【0006】しかし、これらの方法においては、反応活
性の高い三フッ化ホウ素またはその錯体を反応混合物の
共存下で加熱するため、反応混合物の組成に悪影響を及
ぼす可能性がある。特に、前述のビニリデンオレフィン
構造を多く含有するポリブチレンは、錯体との共存下で
加熱することによって、オレフィンの異性化が生じ、結
果として製品の品質が低下する。
【0007】次に、別の三フッ化ホウ素系錯体触媒の回
収手段として、Vogelらの米国特許4,454,366号
および4,384,162号には、オリゴマー化反応にお
いて三フッ化ホウ素を取り出すためにポリビニルアルコ
ールを使用する方法が開示されている。Vogelらの米国
特許4,433,197号においては、この反応生成物を
シリカと接触させて三フッ化ホウ素を除去している。Mo
rgensonらの米国特許4,429,177号、ならびに Ma
dgavkarらの米国特許4,213,001号および4,30
8,414号においても、オリゴマー化反応において三
フッ化ホウ素の吸収剤としてシリカを用いている。Madg
avkarらの米国特許4,394,296号には、オリゴマ
ー化プロセスにおいて三フッ化ホウ素とともに助触媒と
して含水シリカを用い、次いで含水シリカをろ別して再
使用することが開示されている。
【0008】しかしながら、上記の方法は、単に三フッ
化ホウ素を吸着させるのみでなく、三フッ化ホウ素を回
収して再使用する場合には、必ずしも満足し得る技術で
はない。すなわち、前者のポリビニルアルコール類を使
用する場合は、ポリビニルアルコール類自体の熱安定性
が乏しく、これを繰り返し使用することが困難である。
米国特許2,997,371号に開示されている、活性炭
上でアクリロニトリルを重合させ、活性炭に担持された
ポリアクリロニトリルによりガス中の三フッ化ホウ素を
分離除去する方法も同様である。すなわち、三フッ化ホ
ウ素の吸着除去能力が十分でないことに加えて、三フッ
化ホウ素の脱着温度がポリアクリロニトリルの融点以上
であり、脱着後に吸着剤として繰り返して使用すること
ができない。後者の助触媒としての含水シリカの場合
は、シリカ分子内に存在するシロキサン、シラノール基
等の官能基が、三フッ化ホウ素の分離の際に三フッ化ホ
ウ素を分解し、その結果再利用可能な状態での三フッ化
ホウ素の回収は困難であることが判明した。
【0009】その他の三フッ化ホウ素を除去する方法と
して、Tycerらの米国特許4,981,578号には、オ
リゴマー生成物流を固体または水溶液のKF、NaFま
たはNH4Fと接触させることによって三フッ化ホウ素
を除去する方法が開示されている。Walkerらの米国特許
4,956,513号には、オリゴマー反応生成物から三
フッ化ホウ素を水で抽出することによる除去方法が開示
されている。
【0010】上記の方法はいずれも、三フッ化ホウ素系
錯体触媒を含有する生成物流から三フッ化ホウ素を除去
することのみを目的としており、それらから再使用可能
な状態で三フッ化ホウ素を回収しようとするものではな
い。さらに、前者の方法においては、KF、NaFまた
はNH4Fを用いて三フッ化ホウ素を除去しても、除去
後に生成する四フッ化ホウ素ナトリウム塩(NaB
F4)およびカリウム塩(KBF4)の熱分解温度が、
それぞれ650℃以上および750℃以上であり、三フ
ッ化ホウ素を回収する際の熱分解に要するエネルギーコ
ストを考慮すると、工業生産においては実用に耐えな
い。また、NH4Fについてはそれ自体が熱に対して非
常に弱く、NH3とHFに分解するため現実的でない。
【0011】以上の先行技術における三フッ化ホウ素系
錯体触媒を使用した製造プロセスの開示から、三フッ化
ホウ素を取り出す方法は数多く提案され、開発のために
多大な努力が払われていることが理解される。しかしな
がら現状においては、三フッ化ホウ素系錯体触媒を使用
した製造プロセス、特に、ポリブチレンの製造法におい
て、経済的に、かつ環境汚染を生じない方法により再利
用可能な三フッ化ホウ素を回収する方法は提案されてい
ない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、三フ
ッ化ホウ素系錯体触媒を含有する反応混合物中から、高
価な三フッ化ホウ素を経済的かつ環境汚染を生じない方
法により、しかも高い効率で除去し、さらに回収された
三フッ化ホウ素を錯体化して、再度利用することを特徴
とするポリブチレンの製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以下に記
載するように、三フッ化ホウ素系錯体触媒を含有するポ
リブチレン反応混合物中から三フッ化ホウ素を除去し、
さらに回収された三フッ化ホウ素を錯体化して再利用す
る、画期的なポリブチレンの製造方法を見出して、本発
明を完成した。すなわち、本発明の第1は、下記(I)
から(III)の工程を含むポリブチレンの製造方法に関
するものである。 (I)三フッ化ホウ素と錯化剤からなる三フッ化ホウ素
系錯体触媒の存在下にC4オレフィンを液相重合する工
程、(II)C4オレフィンの重合後、三フッ化ホウ素系
錯体触媒の少なくとも一部が分散および/または溶解し
てなる反応混合物に、下記式(1)に示すフッ化金属を
接触させて、錯体触媒中の三フッ化ホウ素(BF3)を
選択的に吸着させる工程、 MFn ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 式(1) (Mは、リチウム、カルシウム、ストロンチウムあるい
はバリウムの金属原子を示す。n=1あるいは2) (III)三フッ化ホウ素を吸着除去した錯化剤を含有す
る反応混合物を回収する工程。
【0014】本発明の第2は、下記(I)から(V)の工
程を含むポリブチレンの製造方法に関する。 (I)三フッ化ホウ素と錯化剤からなる三フッ化ホウ素
系錯体触媒の存在下にC4オレフィンを液相重合する工
程、(II)C4オレフィンの重合後、三フッ化ホウ素系
錯体触媒の少なくとも一部が分散および/または溶解し
てなる反応混合物に、下記式(1)に示すフッ化金属を
接触させて、錯体触媒中の三フッ化ホウ素(BF3)を
選択的に吸着させる工程、 MFn ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 式(1) (Mは、リチウム、カルシウム、ストロンチウムあるい
はバリウムの金属原子を示す。n=1あるいは2) (III)三フッ化ホウ素を吸着除去した錯化剤を含有す
る反応混合物を回収する工程、(IV)三フッ化ホウ素を
フッ化金属に吸着させて得られる下記式(2)に示す四
フッ化ホウ素金属塩を、160〜600℃の温度範囲で
加熱することによって三フッ化ホウ素とフッ化金属とを
得る工程、 M(BF4)n ・・・・・・・・・・・・・・ 式(2) (Mは、リチウム、カルシウム、ストロンチウムあるい
はバリウムの金属原子を示す。n=1あるいは2) (V)回収した三フッ化ホウ素の少なくとも一部を触媒
として、C4オレフィンを液相重合する工程。
【0015】本発明の第3は、下記(I)から(VI)の工
程を含むポリブチレンの製造方法に関する。 (I)三フッ化ホウ素と錯化剤からなる三フッ化ホウ素
系錯体触媒の存在下にC4オレフィンを液相重合する工
程、(II)C4オレフィンの重合後、三フッ化ホウ素系
錯体触媒の少なくとも一部が分散および/または溶解し
てなる反応混合物に、下記式(1)に示すフッ化金属を
接触させて、錯体触媒中の三フッ化ホウ素(BF3)を
選択的に吸着させる工程、 MFn ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 式(1) (Mは、リチウム、カルシウム、ストロンチウムあるい
はバリウムの金属原子を示す。n=1あるいは2) (III)三フッ化ホウ素を吸着除去した錯化剤を含有す
る反応混合物を回収する工程、(IV)三フッ化ホウ素を
フッ化金属に吸着させて得られる下記式(2)に示す四
フッ化ホウ素金属塩を、160〜600℃の温度範囲で
加熱することによって三フッ化ホウ素とフッ化金属とを
得る工程、 M(BF4)n ・・・・・・・・・・・・・・ 式(2) (Mは、リチウム、カルシウム、ストロンチウムあるい
はバリウムの金属原子を示す。n=1あるいは2) (V)工程(II)において錯体触媒中の三フッ化ホウ素
を吸着させる際に反応混合物中に遊離した錯化剤を回収
する工程、(VI)前記工程(IV)から回収される三フッ
化ホウ素と前記工程(V)から回収される錯化剤のそれ
ぞれ少なくとも一部を用いて、新たに三フッ化ホウ素系
錯体触媒を形成させ、重合触媒としてC4オレフィンを
液相重合する工程。
【0016】本発明の第4は、本発明の第1から第3の
いずれかにおいて、液相重合における供給原料中のC4
オレフィン濃度が、少なくとも5重量%であるポリブチ
レンの製造方法に関する。本発明の第5は、本発明の第
1から第3のいずれかにおいて、フッ化金属に接触させ
る反応混合物の温度を、−100℃から+160℃、好
ましくは−30℃から+50℃の範囲とすることを特徴
とするポリブチレンの製造方法に関する。本発明の第6
は、本発明の第2または第3において、三フッ化ホウ素
の吸着により形成する四フッ化ホウ素金属塩(M(BF
4)n)を、100〜600℃、好ましくは160〜5
00℃の温度範囲で加熱することによって、三フッ化ホ
ウ素とフッ化金属とに分解することを特徴とするポリブ
チレンの製造方法に関する。本発明の第7は、本発明の
第1から第3のいずれかにおいて、三フッ化ホウ素系錯
体触媒を形成する錯化剤が、水、アルコール類、エーテ
ル類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、エステ
ル類、有機酸類、酸無水物等の含酸素化合物、含窒素化
合物、含硫黄化合物、含リン化合物または無機酸等の、
有機または無機極性化合物からなる群から選ばれるもの
であることを特徴とするポリブチレンの製造方法に関す
る。本発明の第8は、本発明の第1から第3のいずれか
において、三フッ化ホウ素系錯体触媒における三フッ化
ホウ素と錯化剤のモル比が0.01:1から2:1の範
囲にあることを特徴とするポリブチレンの製造方法に関
する。本発明の第9は、本発明の第1から第3のいずれ
かにおいて、ポリブチレンの分子量が100〜10万の
範囲にあることを特徴とするポリブチレンの製造方法に
関する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
オレフィンのカチオン重合における三フッ化ホウ素の使
用量は、通常、重合可能なオレフィン成分1モルに対し
て0.0001〜0.5モルの割合である。反応の終了後
には、三フッ化ホウ素系錯体触媒は反応混合物中に、少
なくとも一部が溶解および/または分散した形態で安定
に存在している。このように溶解および/または分散し
た錯体触媒を回収することは非常に困難であり、そのま
まで反応混合物中から三フッ化ホウ素系錯体触媒を分離
し、再利用することはできない。本発明は、この反応混
合物中に存在する溶解および/または分散した錯体触媒
中から三フッ化ホウ素と錯化剤をさらに別々に回収し、
三フッ化ホウ素系錯体触媒として再使用することによ
り、触媒コストおよび後続の後処理工程の負荷を大幅に
低減する技術である。
【0018】本発明は、ポリブチレンの製造において触
媒として使用した三フッ化ホウ素系錯体触媒の少なくと
も一部が溶解および/または分散している反応混合物
に、下記式(1)に示すフッ化金属を接触させることに
より、高価かつ有毒な三フッ化ホウ素を、経済的かつ環
境汚染を生じない方法により、しかも高い効率で化学吸
着を用いて除去し、さらに、形成した下記式(2)に示
す四フッ化ホウ素金属塩を加熱することによって回収さ
れた三フッ化ホウ素を再度利用することを特徴とするポ
リブチレンの製造方法を提供するものである。 MFn ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 式(1) M(BF4)n ・・・・・・・・・・・・・・ 式(2) (Mは、リチウム、カルシウム、ストロンチウムあるい
はバリウムの金属原子を示す。n=1あるいは2)
【0019】三フッ化ホウ素系錯体触媒は、主としてブ
タジエン、イソブテン、ブテン−1、シス− またはト
ランス−ブテン−2などのC4オレフィンの重合に用い
られる。 C4オレフィンには、エチレン、プロピレ
ン、イソプレン、ペンテン、ヘキセン−1等のC2〜C
20の脂肪族オレフィン、スチレン、ビニルトルエン等
のC8〜C10の芳香族オレフィン、DCPD等の脂環
族オレフィン等も混合して重合に供することができる。
【0020】また、重合に際し、供給原料中に存在する
オレフィンの濃度は5〜100重量%の範囲であること
が好ましい。5重量%未満のオレフィン濃度では、実用
上、経済的に損失が大きいため好ましくない。オレフィ
ンのほかに反応に不活性な溶媒、例えばn−ブタン等の
n−パラフィン、イソブタン、イソオクタン等のイソパ
ラフィン等の炭化水素を適宜に用いることもできる。工
業的な原料としては、ピペリレン等の脂肪族オレフィン
を含むC5留分、またはイソブテンとともに1−ブテ
ン、トランス− またはシス−2−ブテン等のオレフィ
ンを含み、さらにイソブタン、n−ブタン等も含むC4
留分等を用いることができる。
【0021】本発明において用いる錯化剤は、物理的あ
るいは化学的な結合力によって三フッ化ホウ素と錯体を
形成するものである。このような錯化剤の具体例として
は、アルコール類、エーテル類、フェノール類、ケトン
類、アルデヒド類、エステル類、有機酸類、酸無水物等
の含酸素化合物、含窒素化合物、含硫黄化合物、含リン
化合物または無機酸類などの有機または無機極性化合物
が挙げられる。
【0022】より具体的には、アルコール類としては、
芳香族またはC1〜C20の脂肪族のアルコールが用い
られ、このC1〜C20の炭素骨格は、直鎖アルキル基
でも分岐アルキル基でもよく、n−、sec−、tert−アル
キル基または脂環式アルキル基、あるいは脂環式の環を
含むアルキル基でも差し支えない。具体的には、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタ
ノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、
ノナノール、デカノールあるいはベンジルアルコール、
シクロヘキサノール等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。またジオール、トリオール等の多価
アルコールでもよい。
【0023】エーテル類としては、芳香族あるいはC1
〜C20の脂肪族の炭化水素基を有するエーテルが用い
られ、このC1〜C20の炭素骨格は、直鎖アルキル基
でも分岐アルキル基でもよく、n−、sec−、tert−アル
キル基または脂環式アルキル基、あるいは脂環式の環を
含むアルキル基でも差し支えない。具体的には、ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル、メチルプロピルエーテル、エ
チルプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルブチ
ルエーテル、エチルブチルエーテル、プロピルブチルエ
ーテル、ジペンチルエーテル、あるいはフェニルメチル
エーテル、フェニルエチルエーテル、ジフェニルエーテ
ル、シクロヘキシルメチルエーテル、シクロヘキシルエ
チルエーテル等が挙げられる。
【0024】フェノール類としては、1〜3価フェノー
ルが適当であり、具体的には、フェノール、クレゾール
等が好ましい。
【0025】ケトン類としては、芳香族またはC1〜C
6の炭化水素基を有するケトンが用いられ、このC1〜
C6の炭素骨格は、直鎖アルキル基でも分岐アルキル基
でもよく、n−、sec−、tert−アルキル基もしくは脂環
式アルキル基、または脂環式の環を含むアルキル基でも
差し支えない。具体的には、メチルエチルケトン、ジエ
チルケトン、メチルブチルケトン、あるいはシクロヘキ
サノン等が挙げられる。
【0026】エステル類としては、芳香族もしくはC1
〜C6の脂肪族のアルコール成分と、芳香族もしくはC
1〜C6の脂肪族カルボン酸またはリン酸成分によって
エステル結合を形成したものが用いられ、このC1〜C
6の炭素骨格は、直鎖アルキル基でも分岐アルキル基で
もよく、n−、sec−、tert−アルキル基もしくは脂環式
アルキル基、または脂環式の環を含むアルキル基でも差
し支えない。具体的には、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢
酸ペンチル、酢酸ヘキシル、ヘキサン酸エチル、安息香
酸エチル等、およびリン酸トリブチル等のリン酸の完全
エステル等が挙げられる。
【0027】有機酸類としては、芳香族もしくはC1〜
C6の脂肪族のカルボン酸、これらのハロゲン置換体、
リン酸、またはリン酸と芳香族もしくはC1〜C6の脂
肪族のアルコール成分との部分エステルが用いられ、こ
のC1〜C6の炭素骨格は、直鎖アルキル基でも分岐ア
ルキル基でもよく、n−、sec−、tert−アルキル基もし
くは脂環式アルキル基、または脂環式の環を含むアルキ
ル基でも差し支えない。具体的には、ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、しゅう酸、マロン酸、安息香酸、リン酸ジエ
チル等が挙げられる。また、無機酸類としては、リン
酸、塩酸等が用いられる。
【0028】これら錯化剤は、それぞれの錯体系におい
て1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上の錯化
剤を適宜の割合で混合して用いてもよい。錯体自体は従
来公知の方法に従って製造することができる。例えば、
あらかじめ錯体を調製して用いてもよく、また反応系内
へ三フッ化ホウ素と1種以上の錯化剤とを所定の割合で
別々にまたは同時に投入し、反応器内において三フッ化
ホウ素錯体を形成させることもできる。本発明において
はいずれの方法も採用することができる。
【0029】三フッ化ホウ素と錯化剤とのモル比は、
0.01:1から2:1の範囲であることが好ましい。
錯化剤に対する三フッ化ホウ素のモル比が0.01未満
では触媒活性が低すぎて、目的とするオレフィンの重合
を行うことができない。また、錯化剤に対する三フッ化
ホウ素のモル比が2を超えると、三フッ化ホウ素が錯化
剤に比べて過剰になりすぎ、安定な配位を保つことが困
難になり、回収触媒において三フッ化ホウ素と錯化剤と
のモル比を維持することができない。後に述べるように
回収した三フッ化ホウ素系錯体触媒を再使用する際に
は、上述のモル比調整などの操作が必要であり、従って
回収の際に配位モル比が変化しないように制御すること
が重要である。
【0030】工程(I)におけるC4オレフィンの重合
は液相重合であり、その温度は−100℃〜+50℃、
好ましくは−40℃〜+10℃の範囲である。この範囲
より低温ではC4オレフィン成分の転化率が抑制され
る。一方、これより高温になると転化率が抑制されると
ともに異性化や転位反応等の副反応が起こり、ポリブチ
レンを得ることが困難になる。反応形式としては、連続
式およびバッチ式のいずれも採用することができる。工
業的生産の点からは連続式による方が経済的かつ効率的
である。連続式の場合には供給原料と触媒との接触時間
が重要であり、5分〜4時間の範囲であることが望まし
い。接触時間が5分未満では十分なC4オレフィンの転
化率が得られず、一方4時間を超えると経済的な損失も
多く、また触媒と長時間接触させることによって、生成
したブチレンポリマーの異性化や転位反応等の副反応が
促進されるため、いずれも好ましくない。ブチレンポリ
マーの製造における商業的な採算性を良好にするために
は、C4留分、例えばC4ラフィネート中のC4オレフ
ィンの転化率がより高いことが望ましいが、本発明の重
合条件を採用すればイソブテンの転化率として80〜1
00%を達成することが可能である。重合後、未反応成
分、生成したブチレンポリマーおよび触媒を含む反応液
が流出する。この反応液としての反応混合物中には、三
フッ化ホウ素系錯体触媒が溶解あるいは分散している。
【0031】上記の三フッ化ホウ素系錯体触媒の少なく
とも一部が溶解および/または分散している反応混合物
から三フッ化ホウ素を吸着除去するには、反応混合物と
フッ化金属類とを−100℃以上、+160℃以下の範
囲で接触させる。この温度範囲であれば三フッ化ホウ素
の化学吸着効率が高く、上記混合物が気相および/また
は液相で接触する限り160℃以下の任意の温度を採用
することができる。
【0032】反応活性の高い三フッ化ホウ素系錯体触媒
を反応混合物の共存下で加熱すると、前述の通り、ポリ
ブチレン中のビニリデン構造に異性化が生じ、製品品質
の低下が引き起こされる。そのため、より好ましい吸着
温度は、生成物の組成および化学構造等の変化を考慮す
ると+50℃以下、好ましくは−30℃から+50℃の
範囲である。
【0033】上述のように三フッ化ホウ素系錯体触媒の
少なくとも一部が溶解および/または分散している反応
混合物に、フッ化金属(MFn)を接触させると、下記
式(3)または(4)に示す反応が容易に進行して、フ
ッ化金属は、対象とする反応混合物に対して難溶性の四
フッ化ホウ素金属塩(M(BF4)n)となる。さらに、
その際、触媒中の錯化剤は反応混合物中に遊離の形態で
放出され、その結果、目的とする三フッ化ホウ素のみを
反応混合物中から捕捉して除去することができる。 nBF3+MFn → M(BF4)n ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 式(3) nBF3-(錯化剤)+MFn → M(BF4)n+n(錯化剤)・・・・ 式(4) (式(3)または(4)中のMは、リチウム、カルシウ
ム、ストロンチウムあるいはバリウムの金属原子を表
し、リチウム原子の場合はn=1であり、それ以外の金
属の場合はn=2である。)
【0034】ここで、三フッ化ホウ素の吸着に使用され
るフッ化金属類(MFn)は、鉄鋼、ニッケル精錬、ガ
ラス、ほうろう、セメント等の多岐の産業にわたって大
量に使用される化学物質であるが、本発明においては、
天然品、合成品あるいは産業廃棄物等から得られるもの
などのいずれを使用しても差し支えない。以下、フッ化
金属として用いるフッ化カルシウム(CaF2)につい
て詳細に説明する。
【0035】フッ化カルシウムの天然品は、別名蛍石と
して広く知られており、メキシコ、ロシア、フランス、
スペイン、中国、タイ、アメリカ、イタリア、南アフリ
カ等の世界各国から大量に産出される一般的な鉱石であ
る。好ましくは、フッ化カルシウムが98%以上含まれ
る無色の良質鉱石を選ぶことが望ましい。
【0036】また、フッ化水素(HF)と、消石灰(C
a(OH)2)あるいは塩化カルシウム(CaCl2)等か
ら、下記式(5)または(6)に示す反応に従ってフッ
化カルシウムが合成されることが知られているが、この
ような合成品も使用することができる。これらの反応で
合成されるフッ化カルシウムは、自然沈降あるいはろ過
等の操作によって分別されたものをそのまま用いてもよ
いが、フッ化カルシウムが水にほとんど溶解しない性質
を利用して、水あるいはアルカリで洗浄した後、加熱乾
燥したものを使用することがさらに好ましい。 2HF+Ca(OH)2 → CaF2+2H2O ・・・・・・・・・・・・・・・ 式(5) 2HF+CaCl2 → CaF2+2HCl ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 式(6)
【0037】さらに、アルキルベンゼン等の製造に触媒
としてフッ化水素(HF)等を使用する例においては、
反応終了後に触媒を失活させるために、通常上記式
(5)または(6)に示すようにフッ化水素の中和処理
を行っており、その際にフッ化カルシウムが産業廃棄物
として副生する。その副生フッ化カルシウムを本発明に
おいて使用しても一向に差し支えない。
【0038】反応混合物中に含有される三フッ化ホウ素
が上述のように錯体である場合には、三フッ化ホウ素と
しての濃度がかなり高いこともある。しかしながら、吸
着による除去効率を高くするためには、通常三フッ化ホ
ウ素の希薄液体を用いることが好ましい。具体的には、
三フッ化ホウ素として10重量%以下、さらに好ましく
は5重量%以下である。濃度が薄いほど除去効率は高
く、濃度の下限は特に制限されない。
【0039】本発明におけるポリブチレンは、オレフィ
ンを液相重合して得られるが、得られたポリブチレンの
数平均分子量は100〜10万の範囲であることが望ま
しい。三フッ化ホウ素系錯体触媒中の三フッ化ホウ素の
除去効果は反応液の粘度にも大きく依存しており、重合
度の小さいポリブチレンを製造した場合は、重合度の大
きい生成物を製造した場合と比較すると、反応液の粘度
が小さいために、フッ化金属類の分散効率が向上する。
しかしながら、分子量が100未満では分子量が小さす
ぎてポリブチレンとして有用でない。また、反応混合液
の粘度が著しく高い場合には、フッ化金属類の分散、お
よび錯体触媒中の三フッ化ホウ素の吸着除去が不十分に
なる。このような観点から、対象とする反応混合物の粘
度は、フッ化金属類の接触時の温度において10,00
0cP(センチポイズ)以下であることが好ましい。
【0040】また、反応混合物に不活性な溶媒を加える
ことにより、系の粘度を上記範囲内に調整して錯体触媒
中の三フッ化ホウ素の除去に供することができる。しか
しながら、分子量が10万を越えると、反応液と吸着剤
との分離に必要な希釈溶剤の量が多くなりすぎて経済的
でない。
【0041】一方、三フッ化ホウ素系錯体触媒中の三フ
ッ化ホウ素がフッ化金属(MFn)に吸着して生成する四
フッ化ホウ素金属塩(M(BF4)n)の結晶構造につい
ては、例えば、Jordan, T. H.らによる Acta Crystallo
gr., Sect. B (1975), B 31(3), p. 669-672 の論文に
よれば、無色の斜方晶系結晶であることが知られてい
る。すなわち、フッ化カルシウムおよび四フッ化ホウ素
カルシウム塩の双方ともに無機結晶として非常に安定な
物質である。
【0042】三フッ化ホウ素系錯体触媒の少なくとも一
部が溶解および/または分散している反応混合物とフッ
化金属との接触の方法は特に限定されない。例えば、フ
ッ化金属単独で、あるいはそれに不活性な無機フィラー
等を混合して充填した固定床に、三フッ化ホウ素または
錯体を含有する流体を通過接触させることができる。フ
ッ化金属とともに充填する不活性な無機フィラーとして
は、活性炭あるいはステンレス鋼製パッキング等が挙げ
られるが、材質あるいは形状はこれらに限定されるもの
ではない。また、フッ化金属は完全に焼成されたもので
ある必要はないが、ポリブチレンの製造においては水分
をなるべく除外することが望まれるため、フッ化金属を
焼成することによって水分を除去して用いる方が好まし
い。
【0043】用いるフッ化金属の粒径は特に限定されな
い。例えば、市販試薬のフッ化金属の粒径分布を詳細に
調査すると1〜10μmの範囲の微細粒状であるが、そ
れを成型して粒径分布を揃えたものでもよい。三フッ化
ホウ素の吸着効率をより高くするためには、吸着剤であ
るフッ化金属の表面積を大きくすることが好ましい。
【0044】また、用いるフッ化金属の形状も特に限定
されず、例えば、フッ化金属の断面形状は通常の円形の
ほか、中空に成形されたもの、または多孔性の特殊形状
であっても好ましく使用することができ、目的に応じて
適宜選択することが好ましい。
【0045】接触操作は、流通式およびバッチ式のいず
れの形式で実施することもできる。接触時間も特に限定
されず、適宜に決定される。通常、流通式では、空間速
度として0.01〜10hr-1の範囲から選択することが
できる。バッチ式で三フッ化ホウ素を完全に去するため
に用いるフッ化金属の量は、対象とする反応混合物に含
まれる三フッ化ホウ素量の0.5倍モル以上(リチウム
原子の場合は1.0倍モル以上)であることが必要であ
り、除去効率を高めるためにはフッ化金属の量をさらに
多く用いることが好ましいが、使用量は適宜に選択する
ことができる。
【0046】以上の方法によって、三フッ化ホウ素系錯
体触媒中の三フッ化ホウ素は、フッ化金属との接触によ
り化学吸着されて反応混合物中から分離除去される。こ
のような吸着処理により三フッ化ホウ素を除去した後
は、適宜の分離手段、例えば蒸留操作などにより反応混
合物中から目的のポリブチレンを得ることができる。ま
た必要に応じ、製造したポリブチレンに含まれる錯体触
媒を、従来公知の方法、例えば適宜の中和工程により除
去することができる。このようなポリブチレン中の錯体
触媒の除去は、すでに大部分の錯体触媒が除去されてい
るので容易に行うことができる。
【0047】次に、吸着した三フッ化ホウ素をフッ化金
属から脱着させて再利用可能な状態で回収するために、
吸着により生成した四フッ化ホウ素金属塩(M(BF4)
n)の加熱を行う。すなわち、下記式(7)に示す反応
が進行して、純粋な三フッ化ホウ素ガスと、元の吸着物
質であるフッ化金属の形態に戻すことができる。 M(BF4)n → nBF3 + MFn ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 式(7) (式(7)中のMは、リチウム、カルシウム、ストロン
チウムあるいはバリウムの金属原子を表し、リチウム原
子の場合はn=1であり、それ以外の金属の場合はn=
2である。)
【0048】加熱は、適宜の不活性ガス、例えば窒素な
どの存在下で行うことができる。不活性なものであれ
ば、適宜の有機溶媒中で加熱することも可能である。三
フッ化ホウ素ガスの脱着温度は100℃以上であり、脱
着速度を十分大きくするために160℃以上の温度範囲
であることが望ましい。しかし、次に示すように、選択
するフッ化金属によって、三フッ化ホウ素の十分な脱着
に必要な温度が異なるため、脱着温度は適宜選択するこ
とが望ましい。各金属における脱着所要温度 リチウム: 160℃以上 カルシウム: 210℃以上 ストロンチウム:260℃以上 バリウム: 240℃以上
【0049】また、脱着に必要な温度の上限は、本発明
において用いるフッ化金属のすべてが約1,000℃ま
で融解が起こらない安定な結晶であることから特に限定
されず、高温であるほど脱着が速やかに進行するため好
ましい。しかしながら、600℃を越える著しく高い温
度は、本質的に必要でなく、しかもエネルギーコストの
増大、有機溶媒の分解、あるいは高温における三フッ化
ホウ素ガスによる装置腐食などが問題となるので好まし
くない。三フッ化ホウ素の脱着は、上記の加熱温度条件
に保持することにより完全に達成できるが、吸着剤であ
るフッ化金属を繰り返し使用する場合は、三フッ化ホウ
素の脱着率を適宜な段階に留める方が経済的な面から好
ましい。
【0050】さらに、本発明の方法により三フッ化ホウ
素の吸着および脱着を行ったフッ化金属は、繰り返し使
用することができる。なお、本発明の方法により回収さ
れる三フッ化ホウ素は、通常は気体状であり、しかも高
純度である。従って、脱着した三フッ化ホウ素を適宜の
手段で回収し、これをC4オレフィンの重合用触媒とし
て再使用することもできる。
【0051】さらに、三フッ化ホウ素の脱着による分離
回収と同時に、三フッ化ホウ素系錯体触媒中の錯化剤も
反応混合物中から全量回収することが可能である。すな
わち、三フッ化ホウ素系錯体触媒中から三フッ化ホウ素
が吸着除去される際に、錯体は分解し、三フッ化ホウ素
がフッ化金属に捕捉されると同時に、錯化剤は反応混合
物中に遊離する。ここで遊離した錯化剤は、蒸留等によ
って回収することが可能である。従って、製造コストを
より安価にする目的で、反応混合物中から遊離した錯化
剤を回収し、回収した錯化剤と、別途の工程から回収さ
れる三フッ化ホウ素とを用い、再び三フッ化ホウ素系錯
体触媒を調製することも可能である。なお錯化剤は必ず
しも全量を回収する必要がなく、新鮮な錯化剤の必要量
を適宜に補充してもよい。
【0052】さらに、ポリブチレン製造用の触媒として
再使用する場合には、錯体触媒中の錯化剤の配位数を変
化させることがないように注意を払わなければならな
い。錯体に配位する錯化剤は、その配位数も含めて特定
することにより所望の触媒機能を発揮するものである
が、錯化剤の配位数は温度その他の環境条件により変化
し易い。配位数が変化すれば触媒機能が相違するため、
別の工程でそれぞれ回収される三フッ化ホウ素および錯
化剤を用いて、所望の触媒性能が発揮される配位数にな
るように、再度錯体を調製する必要がある。以上の操作
により、配位数が特定された三フッ化ホウ素系錯体触媒
をポリブチレンの重合工程に再度使用することが可能に
なる。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。本発明の方法により脱着される三フッ化ホウ素ガス
の特定は、従来公知の以下の分析手法に準拠して行う。
三フッ化ホウ素またはその錯体を塩化カルシウム水溶液
と反応させると、下記式(8)に示す反応に従って、1
モルの三フッ化ホウ素から3モルの塩酸と1モルのホウ
酸が生成し、生成した塩酸を水酸化ナトリウムあるいは
水酸化カリウム等の規定度既知のアルカリ水溶液で中和
滴定することにより、存在するフッ素濃度を知ることが
できる。さらに、式(8)に従って生成するホウ酸を、
日本工業標準規格(JIS)K8863−199のホウ
酸含有量の試験法に準拠して測定することにより、存在
するホウ素の濃度を知ることができる。すなわち、ホウ
酸とマンニトールとが水溶性の強酸性錯体を形成する性
質を利用する手法であり、生成する強酸性錯体を規定度
既知のアルカリ水溶液で中和滴定することによってホウ
酸含有量を知ることができ、その値から存在するホウ素
の濃度を求める。 2BF3+3CaCl2+6H2O → 2H3BO3+6HCl+3CaF2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(8)
【0054】本発明において三フッ化ホウ素の特定に用
いた実際の手法は以下の通りである。まず、三フッ化ホ
ウ素系錯体触媒を含有する反応混合物中の三フッ化ホウ
素をフッ化金属に吸着させて四フッ化ホウ素金属塩(M
(BF4)n)の形態にした後、その吸着塩を加熱して、
遊離した三フッ化ホウ素を水、低級アルコールあるいは
ジエチルエーテル等の溶液中に吸収させる。次いで、そ
の吸収液を塩化カルシウム水溶液と反応させ、上述の2
段の中和滴定を行い、フッ素とホウ素の含有量を調べ
て、各原子組成比と三フッ化ホウ素濃度を求める。本発
明において得られた遊離ガスは、いずれの場合において
もフッ素とホウ素の原子モル比が3:1であり、三フッ
化ホウ素(BF3)の形態が保持されていることが確認
された。
【0055】<三フッ化ホウ素系錯体触媒の製造>0℃
以下に保持した錯化剤に、温度上昇を抑制しながら所定
の配位モル比に達するまで三フッ化ホウ素(純度99.
7%)を吹き込み、錯体触媒を調製した。また、特に示
していないが、分解が懸念される錯体は、分解温度以下
で調整および保存を行い反応に供した。
【0056】<実験装置の仕様>重合装置としては、窒
素ガス導入管、撹拌装置、三フッ化ホウ素ガス貯蔵用ボ
ンベ、ガス吹込み管、温度計および低温冷却槽を備えた
1リットルの耐圧容器を使用した。添加するフッ化金属
はすべて市販の試薬を用いた。
【0057】<実施例1> (ポリイソブチレンの重合反応)窒素気流下で、上記フ
ラスコ内に希釈溶剤として特級試薬イソオクタン100
gを仕込み、フラスコ内を撹拌して−25℃に保ちなが
ら、純イソブテン100gを供給し、その中へ三フッ化
ホウ素ジエチルエーテル錯体(1:1モル付加物)2.
09gを投入し、30分間激しく撹拌しながら重合反応
を行った。
【0058】(三フッ化ホウ素の吸着除去)重合終了後
に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートが分散された
反応混合物に、温度25℃の恒温で撹拌を維持した状態
で、フッ化カルシウム(純度98%以上)4.59g
(三フッ化ホウ素の4倍モル相当量)を添加して、30
分間撹拌を行った。撹拌を停止して分散液を静置分離す
ると、吸着剤と反応混合物とが比重差によって2相に分
離し、反応混合物相を別容器に分取して、前記式(8)
について説明した分析法により、反応混合物内に残留す
る三フッ化ホウ素濃度を測定した。残留する三フッ化ホ
ウ素濃度は零であり、三フッ化ホウ素が完全に吸着除去
されていることが確認された。さらに、反応混合物につ
いて、ガスクロマトグラフィー分析を実施したところ、
三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート錯体の投入量に相
当するジエチルエーテルが全量検出された。また、反応
混合物について、減圧蒸留によりイソオクタンと軽質分
とを留去し、重合反応に関与したイソブテンの転化率お
よび生成したポリイソブテンの収率を求めた。次に、吸
着剤をろ別し、減圧下で乾燥して重量変化を確認した。
フッ化カルシウムへの吸着前の重量との差を求めた結
果、添加したフッ化カルシウム中に吸着保持された三フ
ッ化ホウ素の量は21.7g/100g-フッ化カルシウムであ
ることが判明した。また、乾燥した三フッ化ホウ素が吸
着保持されたフッ化カルシウム吸着剤について、X線回
折分析を実施したところ、フッ化カルシウム(CaF2)
および四フッ化ホウ素カルシウム塩(Ca(BF4)2)
の二種類の結晶構造が確認された。
【0059】(加熱脱着)三フッ化ホウ素が吸着保持さ
れたフッ化カルシウム吸着剤をステンレス鋼製管型容器
に充填し、1ml/分(標準状態)の流量で窒素を供給
し、供給窒素の加熱を開始して温度を270℃に維持し
た。出口から流出する窒素は、三フッ化ホウ素の吸着後
に蒸留によって回収されたジエチルエーテル溶液中に導
入した。この状態で、出口からの窒素を観察し、三フッ
化ホウ素による白煙が認められなくなるまで、加熱した
窒素の導入を続けた。その後、冷却して残存粉体の重量
を秤量したところ、三フッ化ホウ素の残存量は零であ
り、吸着した三フッ化ホウ素の100%が脱着したこと
が確認された。さらに、残存粉体について吸着時と同様
にX線回折分析を実施したところ、フッ化カルシウム
(CaF2)の結晶構造のみが観察され、元の形態に回
復していることが確認された。また、加熱による脱着ガ
スを吸収したジエチルエーテル溶液について、前記2段
の中和滴定を行い、フッ素とホウ素の含有量を調べた。
得られた値からフッ素とホウ素の原子モル比を算出し、
同時に残留する三フッ化ホウ素量を決定したところ、フ
ッ素とホウ素の原子モル比が3:1である三フッ化ホウ
素(BF3)の形態が確認され、三フッ化ホウ素ジエチ
ルエーテル錯体触媒が2.05g再調製されたことが分
かった。結局、重合時に仕込んだ三フッ化ホウ素ジエチ
ルエーテル錯体触媒が、吸脱着処理を経た後も、再利用
可能な錯体の形態において98%以上の高率で回収し得
ることを確認した。
【0060】さらに、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル
錯体触媒について、13C−NMRによる分析を実施し
た。図1は、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体の反
応に使用する前、および使用後回収した後における13
C−NMRスペクトルの測定結果を示すグラフである。
横軸の数字は、内標準物質であるテトラメチルシラン
(TMS)のピークに対する化学シフトを ppm で表し
た値である。1.0:1.0のモル比で配位した三フッ化
ホウ素ジエチルエーテル錯体では、13C−NMR測定
において、12.9ppm と69.9ppm に2本のジエチル
エーテルの炭素に由来するピークが検出される。モル比
が変化するとともに2本のピークはシフトするが、再調
製された三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体について
13C−NMR測定を行うと、未使用の錯体触媒の検出
ピークと同じ位置にピークが認められ、反応前と同一の
モル比を保持していることがわかった。
【0061】(錯体触媒の再利用性)重合容器内に再び
希釈溶剤のイソオクタン100gを仕込み、フラスコ内
を撹拌して−25℃に保ちながら、イソブテン100g
を新たに容器内に供給し、次いで、1回目の反応で回
収、再調製した三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を
容器内に投入し、重合反応を行った。反応終了後、1回
目と同様にフッ化カルシウム4.59g(三フッ化ホウ
素の4倍モル相当量)を添加して、撹拌を30分間行っ
た。その吸着後に同様の処理を施し、転化率および収率
を求めた。反応混合物の蒸留処理および吸着剤の加熱脱
着処理等は1回目と同様の条件で行った。上記の三フッ
化ホウ素の回収操作を3回繰り返して、連続4回の重合
反応を行い、第1回目と第4回目の反応におけるイソブ
テンの転化率、ポリイソブテンの収率、および回収され
た錯体触媒の仕込み量に対する割合(回収率)を表1に
示す。 表 1 反応回数 イソブテンの転化率 ポリイソブテンの収率 錯体触媒の回収率 1 98.0モル% 94.7重量% 98.5% 4 97.7モル% 93.8重量% 98.2%
【0062】<実施例2>実施例1と同様に重合反応を
行い、反応終了後に添加する吸着剤をフッ化カルシウム
からフッ化ストロンチウムに変更した。すなわち、反応
終了後にフッ化ストロンチウム7.39g(三フッ化ホ
ウ素の4倍モル相当量)を添加して、実施例1と同様に
吸着を行った。吸着後に実施例1と同様の処理を施し、
イソブテンの転化率および生成したポリブチレンの収率
を求めた。その後の反応混合物の蒸留処理は実施例1と
同様の条件で行い、吸着剤から三フッ化ホウ素を加熱脱
着する際の処理温度は270℃から320℃に変更して
行った。上記の三フッ化ホウ素の回収操作を3回繰り返
して、連続4回の重合反応を行い、第1回目と第4回目
の反応におけるイソブテンの転化率、ポリイソブテンの
収率および錯体触媒の回収率を表2に示す。 表 2 反応回数 イソブテンの転化率 ポリイソブテンの収率 錯体触媒の回収率 1 97.5モル% 94.1重量% 65.3% 4 97.8モル% 94.8重量% 63.9%
【0063】<実施例3>実施例1と同様に重合反応を
行い、反応終了後に添加するフッ化ストロンチウムの添
加量を変更した。すなわち、反応終了後にフッ化ストロ
ンチウム14.80g(三フッ化ホウ素の8倍モル相当
量)を添加して、実施例1と同様に吸着を行った。その
後の反応混合物の蒸留処理および吸着剤からの三フッ化
ホウ素の加熱脱着は実施例2と同様に行った。上記の三
フッ化ホウ素の回収操作を3回繰り返して、連続4回の
重合反応を行い、第1回目と第4回目の反応におけるイ
ソブテンの転化率、ポリイソブテンの収率および錯体触
媒の回収率を表3に示す。 表 3 反応回数 イソブテンの転化率 ポリイソブテンの収率 錯体触媒の回収率 1 97.9モル% 94.1重量% 98.3% 4 98.0モル% 94.0重量% 97.1%
【0064】<実施例4>錯体触媒として三フッ化ホウ
素エタノール錯体(1:1モル付加物)1.69gを加
え、実施例1と同様に重合反応を行った。反応終了後
に、実施例1と同様にフッ化カルシウム4.59g(三
フッ化ホウ素の4倍モル相当量)を添加して、撹拌を3
0分間行い、吸着を行った。吸着後の反応混合物の蒸留
処理および吸着剤からの三フッ化ホウ素の加熱脱着を実
施例1と同様に行い、回収されるエタノールと三フッ化
ホウ素の間で、再度、三フッ化ホウ素エタノール錯体を
調製した。上記の三フッ化ホウ素の回収操作を3回繰り
返して、連続4回の重合反応を行い、第1回目と第4回
目の反応におけるイソブテンの転化率、ポリイソブテン
の収率おおび錯体触媒の回収率を表4に示す。 表 4 反応回数 イソブテンの転化率 ポリイソブテンの収率 錯体触媒の回収率 1 98.2モル% 95.1重量% 98.5% 4 98.1モル% 95.0重量% 97.4%
【0065】<実施例5>イソブタンを溶媒として、実
施例1と同様にイソブテンの重合を行った。すなわち、
イソブタンで希釈したイソブテン200.0gをフラス
コ内に供給し、−25℃に保持した状態で、その中へ三
フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(1:1モル付加
物)1.64gを投入し、30分間激しく撹拌しながら
重合反応を行った。反応終了後に、実施例1と同様にフ
ッ化カルシウム4.59g(三フッ化ホウ素の5倍モル
相当量)を添加して、撹拌を30分間行い、吸着を行っ
た。吸着後に実施例1と同様に三フッ化ホウ素の回収操
作を3回繰り返して、連続4回の重合反応を行い、第1
回目と第4回目の反応におけるイソブテンの転化率、ポ
リイソブテンの収率および錯体触媒の回収率を表5に示
す。 表 5 反応回数 イソブテンの転化率 ポリイソブテンの収率 錯体触媒の回収率 1 98.2モル% 95.1重量% 97.9% 4 98.1モル% 95.2重量% 98.1%
【0066】<比較例1〜5>比較例1〜5は、それぞ
れ実施例1〜5における1回目の重合反応と同一の条件
で重合を行ったが、反応混合物にフッ化金属類の添加を
行わなかった。その結果、反応後に温度を保持した状態
で静置すると、いずれの場合も三フッ化ホウ素系錯体触
媒はポリイソブテンを含む反応液中に分散した状態に保
持され、そのままでは錯体触媒の沈降分離が生じなかっ
た。
【0067】<比較例6>アクリロニトリルの5重量%
トルエン溶液に、重合開始剤としてアクリロニトリルに
対し1重量%の tert−ブチルパーオキシドおよび0.5
重量%のチオウレアを溶解し、得られた溶液を、あらか
じめ150℃で乾燥した60〜80メッシュの活性炭に
含浸させ、窒素気流中において100℃で2時間加熱し
て重合を行った。加熱終了後、沸点まで加熱したトルエ
ンにより洗浄し、アクリロニトリルの未反応物および低
重合物を除去した。実施例1において、フッ化カルシウ
ムの代わりに、上記で得られたアクリロニトリル重合物
を担持した活性炭の同重量を充填したほかは、同様にし
て三フッ化ホウ素の吸着を行った。三フッ化ホウ素の吸
着効率を求めたところ、2.6g/100g-活性炭であり、吸
着効率の低いことが確認された。
【0068】<比較例7> (三フッ化ホウ素の吸着除去)実施例1において、フッ
化カルシウムの代わりに、粉末状フッ化カリウム3.4
3g(投入した三フッ化ホウ素の4倍モル相当量)を添
加したほかは、同様にして三フッ化ホウ素の吸着を行っ
た。その結果、4.7g/100g-フッ化カリウムの効率で吸
着が行われ、吸着効率の低いことが確認された。 (加熱脱着)実施例1と同様に、三フッ化ホウ素が一部
吸着保持されたフッ化カリウム吸着剤について加熱脱着
を行った。加熱温度を当初270℃に維持したが、出口
から三フッ化ホウ素による白煙がほとんど認められなか
った。そこで、加熱温度を徐々に上昇させたところ、約
700℃付近の高温に達したときから出口に白煙が検出
された。
【0069】<比較例8> (三フッ化ホウ素の吸着除去)実施例1において、フッ
化カルシウムの代わりに、同容量のシリカゲル1.15
gを添加したほかは、実施例1と同様にして三フッ化ホ
ウ素の吸着を行った。その結果、8.5g/100g-シリカゲ
ルの効率で吸着したが、反応混合物中に遊離する三フッ
化ホウ素錯体が検出され、吸着効率の低いことが確認さ
れた。さらに、吸着時に、反応混合物の気相部において
HFガスが遊離していることが確認された。また、三フ
ッ化ホウ素が吸着保持されたと思われるシリカゲル吸着
剤について、光電子分光(ESCA)分析を実施したと
ころ、吸着剤中にはフッ素とホウ素が原子モル比2:1
で存在しており、三フッ化ホウ素(BF3)の形態が保
持されていないことが確認された。すなわち、吸着時に
シリカゲル中のシラノール基(−SiOH基)が三フッ
化ホウ素と反応して、−SiOBF2基と遊離のHFガ
スに分解したためと考えられ、再利用可能な三フッ化ホ
ウ素は回収できないことが判明した。
【0070】
【発明の効果】本発明のポリブチレンの製造方法によれ
ば、フッ化金属類を吸着剤として使用することにより、
C4オレフィンあるいはC4オレフィンを含有する炭化
水素混合物を重合して得た重合生成物から、重合触媒と
して使用した三フッ化ホウ素と錯化剤からなる三フッ化
ホウ素系錯体触媒を、高効率で吸着回収することが可能
であり、活性を損なわずに多数回繰り返して利用するこ
とができるため、ポリブチレンの製造における触媒コス
トの低減に寄与することができる。また、従来のプロセ
スでは、使用触媒を分離除去する際に、アンモニア、苛
性ソーダ等の塩基性物質の水溶液で中和して水洗除去す
る方法が採用されており、この洗浄工程から、使用した
アルカリや三フッ化ホウ素の中和物であるフッ化物を含
む廃水が多量に排出されていたが、本発明の方法によれ
ば、触媒を高率に回収することによって、産業廃棄物の
処理等に付随する環境汚染の問題を大幅に軽減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体の反応に
使用する前、および使用後回収した後における13C−
NMRスペクトルの測定結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC21 AD17 BA31 BA37 BA39 BA43 BA45 BA46 BA48 BA67 BA83 BA84 BC32 BD36 BD52 BE61 4H039 CA29 CF10 CL19 4J015 DA14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(I)から(III)の工程を含むポリ
    ブチレンの製造方法、(I)三フッ化ホウ素と錯化剤か
    らなる三フッ化ホウ素系錯体触媒の存在下にC4オレフ
    ィンを液相重合する工程、(II)C4オレフィンの重合
    後、三フッ化ホウ素系錯体触媒の少なくとも一部が分散
    および/または溶解してなる反応混合物に、下記式
    (1)に示すフッ化金属を接触させて、該錯体触媒中の
    三フッ化ホウ素(BF3)を選択的に吸着させる工程、 MFn ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 式(1) (Mは、リチウム、カルシウム、ストロンチウムあるい
    はバリウムの金属原子を示す。n=1あるいは2) (III)三フッ化ホウ素を吸着除去した錯化剤を含有す
    る反応混合物を回収する工程。
  2. 【請求項2】 下記(I)から(V)の工程を含むポリブ
    チレンの製造方法、(I)三フッ化ホウ素と錯化剤から
    なる三フッ化ホウ素系錯体触媒の存在下にC4オレフィ
    ンを液相重合する工程、(II)C4オレフィンの重合
    後、三フッ化ホウ素系錯体触媒の少なくとも一部が分散
    および/または溶解してなる反応混合物に、下記式
    (1)に示すフッ化金属を接触させて、該錯体触媒中の
    三フッ化ホウ素(BF3)を選択的に吸着させる工程、 MFn ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 式(1) (Mは、リチウム、カルシウム、ストロンチウムあるい
    はバリウムの金属原子を示す。n=1あるいは2) (III)三フッ化ホウ素を吸着除去した錯化剤を含有す
    る反応混合物を回収する工程、(IV)三フッ化ホウ素を
    フッ化金属に吸着させて得られる下記式(2)に示す四
    フッ化ホウ素金属塩を、160〜600℃の温度範囲で
    加熱することによって三フッ化ホウ素とフッ化金属とを
    得る工程、 M(BF4)n ・・・・・・・・・・・・・・ 式(2) (Mは、リチウム、カルシウム、ストロンチウムあるい
    はバリウムの金属原子を示す。n=1あるいは2) (V)回収した三フッ化ホウ素の少なくとも一部を触媒
    として、C4オレフィンを液相重合する工程。
  3. 【請求項3】 下記(I)から(VI)の工程を含むポリブ
    チレンの製造方法、(I)三フッ化ホウ素と錯化剤から
    なる三フッ化ホウ素系錯体触媒の存在下にC4オレフィ
    ンを液相重合する工程、(II)C4オレフィンの重合
    後、三フッ化ホウ素系錯体触媒の少なくとも一部が分散
    および/または溶解してなる反応混合物に、下記式
    (1)に示すフッ化金属を接触させて、該錯体触媒中の
    三フッ化ホウ素(BF3)を選択的に吸着させる工程、 MFn ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 式(1) (Mは、リチウム、カルシウム、ストロンチウムあるい
    はバリウムの金属原子を示す。n=1あるいは2) (III)三フッ化ホウ素を吸着除去した錯化剤を含有す
    る反応混合物を回収する工程、(IV)三フッ化ホウ素を
    フッ化金属に吸着させて得られる下記式(2)に示す四
    フッ化ホウ素金属塩を、160〜600℃の温度範囲で
    加熱することによって三フッ化ホウ素とフッ化金属とを
    得る工程、 M(BF4)n ・・・・・・・・・・・・・・ 式(2) (Mは、リチウム、カルシウム、ストロンチウムあるい
    はバリウムの金属原子を示す。n=1あるいは2) (V)工程(II)において錯体触媒中の三フッ化ホウ素
    を吸着させる際に反応混合物中に遊離した錯化剤を回収
    する工程、(VI)前記工程(IV)から回収される三フッ
    化ホウ素と前記工程(V)から回収される錯化剤のそれ
    ぞれ少なくとも一部を用いて、新たに三フッ化ホウ素系
    錯体触媒を形成させ、重合触媒としてC4オレフィンを
    液相重合する工程。
  4. 【請求項4】 前記液相重合における供給原料中のC4
    オレフィン濃度が、少なくとも5重量%である請求項1
    から3のいずれかに記載のポリブチレンの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記フッ化金属に接触させる反応混合物
    の温度を、−100℃から+160℃、好ましくは−3
    0℃から+50℃の範囲とすることを特徴とする請求項
    1から3のいずれかに記載のポリブチレンの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記三フッ化ホウ素の吸着により形成す
    る四フッ化ホウ素金属塩(M(BF4)n)を、100〜
    600℃、好ましくは160〜500℃の温度範囲で加
    熱することによって、三フッ化ホウ素とフッ化金属とに
    分解することを特徴とする請求項2または3に記載のポ
    リブチレンの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記三フッ化ホウ素系錯体触媒を形成す
    る錯化剤が、水、アルコール類、エーテル類、フェノー
    ル類、ケトン類、アルデヒド類、エステル類、有機酸
    類、酸無水物等の含酸素化合物、含窒素化合物、含硫黄
    化合物、含リン化合物または無機酸等の、有機または無
    機極性化合物からなる群から選ばれるものであることを
    特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポリブチ
    レンの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記三フッ化ホウ素系錯体触媒におい
    て、三フッ化ホウ素と錯化剤のモル比が0.01:1か
    ら2:1の範囲にあることを特徴とする請求項1から3
    のいずれかに記載のポリブチレンの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ポリブチレンの分子量が100〜1
    0万の範囲にあることを特徴とする請求項1から3のい
    ずれかに記載のポリブチレンの製造方法。
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