JP2000258293A5 - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、線引工程において、光ファイバ母材から線引された光ファイバの光損失を測定する評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の評価装置として、例えば、「CONTINUOUS MEASUREMENT OF OPTICAL-FIBRE ATTENUATION DURING MANUFACTURE(ELECTRONICS LETTERS 3rd March 1977 Vol.13 No.5)」に開示されたようなものが知られている。この評価装置は、線引されボビンに巻き取られた光ファイバ素線の先端部には光検出器が取り付けられ、光ファイバ素線の先端部から出射される光信号を光検出器にて電気信号に変換し、この電気信号をスリップリング及びグラファイトブラシを介して外部に設けられた測定手段に導き、線引工程にある光ファイバ(光ファイバ母材から加熱線引された光ファイバ及び加熱線引された光ファイバをプラスチック樹脂等により被覆した光ファイバ素線を含む)の光損失を測定している。また、「光ファイバ伝送損失特性の線引時連続測定法(昭和61年度電子通信学会総合全国大会 1144)」には、線引されボビンに巻き取られた光ファイバ素線の先端部を、光コネクタを介して光回転コネクタに接続し、光ファイバ素線の先端部から出射される光信号を光回転コネクタから光ファイバコードを通して、外部に設けられた測定手段に導き、線引工程にある光ファイバの光損失を測定する評価装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光ファイバ素線の先端部に取り付けられた光検出器にて光ファイバ素線の先端部から出射される光信号を電気信号に変換し、この電気信号をスリップリング及びグラファイトブラシを介して外部に設けられた測定手段に導くものでは、ボビンの高速回転時には、スリップリングとグラファイトブラシとの機械的な接触部分が離れてしまい、光損失の測定精度が低下する虞がある。また、この機械的な接触部分に磨耗が生じるため、スリップリングとグラファイトブラシの寿命が短くなり、定期的なメンテナンス等が必要とされる。光ファイバ素線の先端部を、光コネクタを介して光回転コネクタに接続し、光ファイバ素線の先端部から出射される光信号を光回転コネクタから外部に設けられた測定手段に導くものにおいても、光回転コネクタ等に機械的な接触部分が存在しており、この部分が磨耗するのは避けられず、光回転コネクタ等の寿命が短くなってしまう。
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、線引工程において光ファイバ母材から線引されている光ファイバ(光ファイバ母材から加熱線引された光ファイバ及び加熱線引された光ファイバをプラスチック樹脂等により被覆した光ファイバ素線を含む)のファイバパラメータをリアルタイムに測定する評価装置であって、測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な評価装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ファイバの評価装置は、光ファイバ母材を加熱線引して光ファイバを製造する線引工程において光ファイバを評価する光ファイバの評価装置であって、線引された光ファイバを巻き取るボビンと、ボビンを支持すると共に回転させる回転支持部材とを有する光ファイバ巻き取り手段と、光ファイバ巻き取り手段に設けられ、ボビンに巻き取られた光ファイバから出射される光を無線信号に変換して、送信する送信手段と、光ファイバ巻き取り手段から離れた位置に設けられ、送信手段から送信された無線信号を受信する受信手段と、を備え、受信手段により受信された無線信号に基づいて、光ファイバのファイバパラメータを測定することを特徴とする。なお、各請求項における光ファイバとは、光ファイバ母材から加熱線引された光ファイバと、加熱線引された光ファイバをプラスチック樹脂等により被覆した光ファイバ素線とを含むものである。
【0006】
本発明に係る光ファイバの評価装置によれば、送信手段が光ファイバから出射される光を無線信号に変換して送信し、受信手段が送信手段から送信された無線信号を受信して、この受信された無線信号に基づいて、光ファイバのファイバパラメータを測定する。これにより、ファイバパラメータの測定精度の低下及び装置の寿命の低下の要因となっていた、上述した先行技術が有していた機械的な接触部分を有することなく、信号を送ることができる。従って、測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な評価装置を提供することが可能となる。
【0007】
また、光ファイバのファイバパラメータとして光ファイバの光損失を算出する光損失算出手段を更に備えることが好ましい。この場合、受信手段により受信された無線信号に基づいて、光損失算出手段が光ファイバの光損失を算出することとなる。これにより、光損失の測定精度の低下及び装置の寿命の低下の要因となっていた、上述した先行技術が有していた機械的な接触部分を有することなく、光損失算出手段に対して信号を送ることができる。従って、光損失の測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な評価装置を提供することが可能となる。
【0008】
また、光ファイバのファイバパラメータとして光ファイバの分散の長手方向測定を行うことが好ましい。この場合、受信手段により受信された無線信号に基づいて、光ファイバの分散の長手方向測定が行われることとなる。これにより、分散の長手方向測定の精度の低下及び装置の寿命の低下の要因となっていた、上述した先行技術が有していた機械的な接触部分を有することなく、上記手段に対して信号を送ることができる。従って、分散の長手方向測定の精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な評価装置を提供することが可能となる。
【0009】
また、送信手段は、ボビンに巻き取られる光ファイバの先端部を引き込むための引き込み部と、引き込み部に引き込まれた光ファイバの先端部から出射される光信号を受光し、光信号を電気信号に変換すると共に、電気信号を無線信号として放射する放射手段と、を有していることが好ましい。この場合には、測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な評価装置を、簡易な構成により実現することができる。
【0010】
また、送信手段は、ボビンに巻き取られる光ファイバの先端部を引き込むための引き込み部と、引き込み部に引き込まれた光ファイバの先端部から出射される光信号を無線信号として出射する光出射手段と、を有しており、受信手段は、出射手段から出射された光信号が入射する光入射手段を有していることが好ましい。この場合には、測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な評価装置を、簡易な構成により実現することができる。
【0011】
また、送信手段は、引き込み部に引き込まれた光ファイバの先端部に光信号を入射させる光信号を発生させるための光発生手段を更に有していることが好ましい。この場合には、引き込み部に引き込まれた光ファイバの先端部に、光発生手段にて発生された光信号を入射させ、その反射光を信号として送ることができるので、より詳細な測定が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本発明による光ファイバの評価装置の第1実施形態を示す概略構成図である。母材供給装置1に保持された光ファイバ母材2は、加熱炉(線引炉)3に供給され、加熱線引されて光ファイバ4となる。その光ファイバ4は、外径測定器5により外径がオンライン測定され、その測定値がボビン6を回転駆動する駆動モータ7及び加熱炉3にフィードバックされて外径が一定となるように制御される。その後、光ファイバ4は、プライマリコーティングダイス8によりコーティング樹脂液9を塗布され、樹脂硬化炉10によりコーティング樹脂が加熱硬化され、光ファイバ素線11となる。そして、光ファイバ素線11は、ガイドローラ12,13を経て、ボビン6により巻き取られる。ボビン6は、回転支持部材としての回転駆動軸14に支持されており、この回転駆動軸14の端部は駆動モータ7に接続されている。母材供給装置1は、ドライバ16からの電気信号に基づいて回転する駆動モータ15により、光ファイバ母材2を加熱炉3に供給する。また、ドライバ16は、図示しない演算部からの指示により、モータに送るべき電気信号を出力する。光ファイバ母材2を供給すべき速度は、光ファイバ4の設定線速と実際線速との線速差等に基づいて、演算により求められる。ここで、光ファイバ4及び光ファイバ素線11が各請求項における光ファイバを構成し、ボビン6及び回転駆動軸14が各請求項における光ファイバ巻き取り手段を構成している。
【0014】
外径測定器5からの出力信号は、演算部17に送られ、光ファイバ4の外径が予め設定された所定値となるように、加熱炉3の温度及びボビン6(駆動モータ7)の回転速度を演算により求める。演算部17からは、演算により求めた加熱炉3の温度を示す出力信号がヒータ制御部18に出力され、ヒータ制御部18は演算部17からの出力信号に基づいて、加熱炉3の温度を制御する。同様に、演算部17からは、演算により求めたボビン6(駆動モータ7)の回転速度を示す出力信号がドライバ19に出力され、ドライバ19は演算部17からの出力信号に基づいて、駆動モータ7の回転速度を制御する。
【0015】
回転駆動軸14には、送信手段としての送信ユニット21が、回転駆動軸14と一体的に回転するように設けられている。送信ユニット21は、光ファイバ素線11の先端部が引き込まれており、この引き込まれた光ファイバ素線11から出射される光を無線信号に変換し、受信ユニット31に向けて無線信号を送信する。受信ユニット31は、ボビン6及び回転駆動軸14から離れた位置に設けられている。ここで、受信ユニット31は、各請求項における受信手段及び光損失算出手段とを構成している。
【0016】
送信ユニット21は、図2に示されるように、光ファイバ素線11の先端部を引き込むための引き込み部22と、引き込み部22により引き込まれた光ファイバ素線11から出射される光を電気信号に変換する電気信号変換部23と、電気信号変換部23にて変換された電気信号を無線信号として、受信ユニット31に送信するための信号送信部24とを有している。送信ユニット21では、引き込み部22により引き込まれた光ファイバ素線11が、光コネクタ接続アダプタ25、光コネクタ26、光ファイバコード27、光コネクタ28を介して、電気信号変換部23に接続されるよう構成されている。ここで、電気信号変換部23及び信号送信部24は、各請求項における放射手段を構成している。
【0017】
受信ユニット31は、図2に示されるように、信号送信部24から送信された無線信号を受信する信号受信部32と、信号受信部32にて受信された無線信号に基づいて、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失を算出する光損失算出部33と、光損失算出部33における算出結果を表示するCRT34とを有している。光損失算出部33では、従来から測定が行われている伝送損失分光特性等の光損失が算出される。なお、伝送損失分光特性の測定には、光源として、加熱された光ファイバ母材2からの輻射光を利用することになる。
【0018】
引き込み部22は、図3aに示されるように、略密閉されたケーシング41と、ボビン6に巻き取られた光ファイバ素線11の先端部が差し込まれるノズル42と、ノズル42から差し込まれた光ファイバ素線11をケーシング41内部に導くように、光ファイバ素線11に対して吸い込み力を付与するための吸引機43と、ケーシング41内部に導かれた光ファイバ素線11の先端部を切断する光ファイバ素線カット部44とを有している。光ファイバ素線カット部44は、光ファイバ素線11の先端部を切断するための刃部45と、刃部45を移動させるための駆動部46とを有しており、図3bに示されるように、光ファイバ素線11の先端部が所定長さケーシング41内部に吸い込まれた状態において、駆動部46が作動して刃部45を移動させることにより、光ファイバ素線11の先端部を切断する。
【0019】
ケーシング41のノズル42と対向する部分には、光ファイバ素線カット部44により先端部が切断された光ファイバ素線11を引き込み部22外部に導くための開口部47が設けられている。開口部47には、開口部47を閉じておくための合成ゴム製等のベローズ48が設けられており、光ファイバ素線カット部44により先端部が切断された光ファイバ素線11は、測定者等により図3bに示された状態から更に押し込まれることにより、図3cに示されるように、ベローズ48を押し開きながら引き込み部22から外部に押し出されてくることになる。光ファイバ素線カット部44により先端部が切断された光ファイバ素線11を、測定者等により更に押し込むようにしているが、ローラ等を用いて、機械的手段により押し込めるように構成してもよい。
【0020】
引き込み部22から外部に押し出された光ファイバ素線11の先端部には、図3cに示されるように、光コネクタ接続アダプタ25が装着される。光ファイバ素線11の先端部に光コネクタ接続アダプタ25が装着された後、光コネクタ接続アダプタ25は光コネクタ26に接続されることになる。本実施形態では、光コネクタ接続アダプタ25及び光コネクタ26を用いて、電気信号変換部23に接続された光ファイバコード27と光ファイバ素線11とを接続するよう構成しているが、変形例として、図4に示されるように、直接、光ファイバコード27に押圧して、摺り合わせることにより、簡易的に光ファイバ素線11と光ファイバコード27とを密着させてもよい。図4に示された変形例では、1組ローラにより光ファイバコード27の方向への押圧力を付与した状態で、光ファイバ素線11及びローラを振動(図4において上下方向)させて、光ファイバ素線11と光ファイバコード27とを簡易的に密着させている。この場合、光ファイバコード27の径(コア径)を光ファイバ素線11の径より大きく設定しておくことで、コアの軸ずれにより光ファイバ素線11と光ファイバコード27との間の接続損失を低減することが可能となる。
【0021】
更なる変形例として、図5a及び図5bに示されるように、V溝が形成されたV溝基板50a,50bと、このV溝基板50a,50bに固定されるクランプ(図示せず)とにより構成されるV溝プライス50を用いて、V溝基板50a,50bのV溝に光ファイバ素線11と光ファイバコード27とを当接させた状態で載置し、クランプ(図示せず)で固定して光ファイバ素線11と光ファイバコード27とを接続するようにしてもよい。また、図5aに示されるように、予め光ファイバコード27を2枚のV溝基板50a,50b間に挟持しておき、次いで図5bに示されるように、光ファイバ素線11をV溝間の間隙に挿入して、光ファイバ素線11と光ファイバコード27とを接続するようにしてもよい。この場合には、光ファイバ素線11を挿入する側のV溝にテーパ部を形成することにより、光ファイバ素線11の端面を傷つけることなくスムーズに光ファイバ素線11を挿入及び引出することが可能となる。
【0022】
送信ユニット21内の、引き込み部22の吸引機43及び駆動部46、電気信号変換部23、信号送信部24等に対して、電源供給手段を設ける必要があり、電源供給手段の設置例を図6a及び図6bに基づいて、説明する。電源供給手段51は、発電ユニット52と、発電ユニット52を駆動させるための駆動ローラ53と、駆動ローラ53及び回転駆動軸14に当接する従動ローラ54とを有している。回転駆動軸14の回転が、従動ローラ54を介して駆動ローラ53に伝えられ、発電ユニット52を駆動するように構成されている。発電ユニット52から送信ユニット21に対する電源供給は、発電ユニット52に接続されたブラシ55、絶縁層56を介して回転駆動軸14上に設けられた金属板57とにより行われることになる。上述した構成では、ブラシ55と金属板57とが金属接触することになり、この金属接触する部分でノイズ等が発生し、電源供給経路を介して電気信号変換部23、信号送信部24に送られることが考えられるが、平均化等の既存のノイズ除去の手法を用いることにより、ノイズによる悪影響を除去することが可能である。これ以外の変形例として、送信ユニット21に蓄電手段を設ける、回転駆動軸14を円筒状に形成すると共に、回転駆動軸14上に絶縁層56を介して金属導線によりコイル部を設け、コイル部が設けられた回転駆動軸14の内部に永久磁石等を振動させて、電磁誘導により発電する、回転駆動軸14内部に、一端が送信ユニット21に接続され、他端が回転駆動軸14端部に露出して設けられる金属導線を埋め込み、この金属銅線の回転駆動軸14端部から露出する他端に、外部に設けられた電源供給手段に接続される電極部を接触させる、等の構成を用いてもよい。
【0023】
以上のことから、本実施形態においては、電気信号変換部23が光ファイバ素線11の先端部から出射される光を電気信号に変換し、信号送信部24が変換された電気信号を無線信号に変換して送信し、信号受信部32が信号送信部24から送信された無線信号を受信して、この受信された無線信号に基づいて、光損失算出部33が光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失を算出する。これにより、光損失の測定精度の低下及び装置の寿命の低下の要因となっていた、上述した先行技術が有しているような機械的接触部分を設けることなく、光損失を算出するための光損失算出部33に対して信号を送ることができる。従って、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失の測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な光損失の測定のための評価装置を提供することが可能となる。
【0024】
また、先行技術のように、スリップリングとグラファイトブラシ等の機械的接触部分を有していないため、ボビン6(回転駆動軸14)の回転速度を高めた場合でも、この機械的接触部分が離れることにより、信号が伝達できなくなるといったような問題は発生しない。従って、ボビン6(回転駆動軸14)の回転速度を、光ファイバ4の線引等に対して支障を来さない範囲で高めることができ、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失の測定速度も高めることが可能となる。
【0025】
また、送信ユニット21は、ボビン6に巻き取られる光ファイバ素線11の先端部を引き込むための引き込み部22と、引き込み部22に引き込まれた光ファイバ素線11の先端部から出射される光信号を受光し、光信号を電気信号に変換する電気信号変換部23と、変換された電気信号を無線信号として送信する信号受信部32とを有している。これにより、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失の測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な光損失測定のための評価装置を、簡易な構成により実現することができる。
【0026】
(第2実施形態)
図7は、本発明による光ファイバの評価装置の第2実施形態を示す概略構成図である。第1実施形態における評価装置とは、送信ユニット及び受信ユニットに関して相違する。
【0027】
回転駆動軸14には、送信手段としての送信ユニット61が、回転駆動軸14と一体的に回転するように設けられている。送信ユニット61は、光ファイバ素線11の先端部が引き込まれており、この引き込まれた光ファイバ素線11の先端部から出射される光を光信号として、受信ユニット71に向けて送信する。ここで、受信ユニット71は、各請求項における受信手段及び光損失算出手段とを構成している。
【0028】
送信ユニット61は、図8に示されるように、光ファイバ素線11の先端部を引き込むための引き込み部22と、引き込み部22により引き込まれた光ファイバ素線11の先端部から出射される光を光信号として、受信ユニット71に送信するための光送信部62とを有している。送信ユニット61では、引き込み部22により引き込まれた光ファイバ素線11が、第1実施形態と同様に、光コネクタ接続アダプタ25、光コネクタ26、光ファイバコード27、光コネクタ28を介して、光送信部62に接続されるよう構成されている。光送信部62には、光ファイバ素線11の先端部から出射される光を増幅する増幅器(図示せず)及び増幅器にて増幅された光が出射されるレンズ(図示せず)等設けられている。また、増幅器及びレンズ等を設けることなく、光ファイバ素線11の先端部から出射される光を光信号として、光コネクタ28から直接、受信ユニット71に対して送信してもよい。ここで、光送信部62は各請求項における光出射手段を構成し、光受信部72は各請求項における光入射手段を構成している。
【0029】
受信ユニット71は、図8に示されるように、光送信部62から送信された光信号を受信する光受信部72と、光受信部72にて受信された光信号に基づいて、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失を算出する光損失算出部73と、光損失算出部73における算出結果を表示するCRT34とを有している。光損失算出部73では、従来から測定が行われている伝送損失分光特性等の光損失が算出される。なお、伝送損失分光特性の測定には、光源として、加熱された光ファイバ母材2からの輻射光を利用することになる。また、光受信部72は、図7に示されるように、回転駆動軸14の送信ユニット61が設けられる位置の外周に設けられるリング部材74と、光送信部62に対向させた状態でリング部材74の内周面に設けられる光検出器75とを有している。光検出器75は、リング部材74の内周面に複数個配置されており、光送信部62から送信された光信号が途切れることなく受信できるように構成されている。
【0030】
以上のことから、本実施形態においては、第1実施形態のものと同じ作用効果を奏することはもちろんのこと、特に、送信ユニット61は、ボビン6に巻き取られる光ファイバ素線11の先端部を引き込むための引き込み部22と、引き込み部22に引き込まれた光ファイバ素線11の先端部から出射される光を光信号として送信する光送信部62とを有しており、受信ユニット71は、光送信部62から送信された光信号を受信する光受信部72を有している。これにより、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失の測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な光損失測定のための評価装置を、簡易な構成により実現することができる。
【0031】
図9は、第1実施形態における送信ユニット21及び受信ユニット31の変形例を示すものであり、図10は、第2実施形態における送信ユニット61及び受信ユニット71の変形例を示すものであり、何れの変形例も、光パルス試験器(Optical Time Domain Reflectometer,通称OTDR)を適用し、光ファイバ4及び光ファイバ素線11内で生じる後方散乱光を時間軸上で観察することによって光ファイバ4及び光ファイバ素線11の測定を行うものである。
【0032】
図9に示された変形例では、送信ユニット81は、パルス発生部82と、光パルス送信部83と、光方向性結合器84とを新たに有している。光パルス送信部83は、パルス発生部82にて発生されたパルス信号に基づいて、パルス幅の短い光パルスを発生させ、光パルス送信部83にて発生された光パルスは、光コネクタ85、光ファイバコード86、光コネクタ85を介して光方向性結合器84に入射される。光方向性結合器84に入射された光パルスは、光コネクタ87、光ファイバコード27、光コネクタ26、光コネクタ接続アダプタ25を介して、光ファイバ素線11に入射される。光ファイバ4及び光ファイバ素線11内の各部で発生した後方散乱光は、光ファイバ素線11を伝搬して、光コネクタ接続アダプタ25、光コネクタ26、光ファイバコード27、光コネクタ87を介して光方向性結合器84に入射される。光方向性結合器84に入射された後方散乱光は、光方向性結合器84から光コネクタ87、光ファイバコード88、光コネクタ28を介して電気信号変換部23に送られる。電気信号変換部23に送られた後方散乱光は、電気信号に変換され、信号送信部送られる。ここで、パルス発生部82及び光パルス送信部83が、各請求項における光発生手段を構成している。
【0033】
受信ユニット91は、図9に示されるように、信号送信部24から送信された無線信号を受信する信号受信部32と、信号受信部32にて受信された無線信号に基づいて、後方散乱光の観測波形を生成する観測波形生成部93と、観測波形生成部93にて生成された観測波形を表示するCRT94とを有している。観測波形生成部93では、長さ方向の伝送損失の値の平均化処理等が行われて、観測波形が生成される。ここで、観測波形生成部93が、各請求項における光損失算出手段を構成している。CRT94に表示される後方散乱光の観測波形の横軸は、光パルスが入射される光ファイバ素線11の先端部の端面からの距離を示しているのであるが、後方散乱光は光ファイバ4及び光ファイバ素線11内を一定時間で伝搬するので、横軸は時間軸と等価であり、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の伝送損失は、この波形の領域における傾きで観測され、測定される。また、欠陥部等が存在すると、欠陥部等は観測波形における段差として観測される。
【0034】
次に、図10に示された変形例では、送信ユニット101は、図9に示された変形例と同様に、パルス発生部82と、光パルス送信部83と、光方向性結合器84とを新たに有している。光パルス送信部83は、パルス発生部82にて発生されたパルス信号に基づいて、パルス幅の短い光パルスを発生させ、光パルス送信部83にて発生された光パルスは、光コネクタ85、光ファイバコード86、光コネクタ85を介して光方向性結合器84に入射される。光方向性結合器84に入射された光パルスは、光コネクタ87、光ファイバコード27、光コネクタ26、光コネクタ接続アダプタ25を介して、光ファイバ素線11に入射される。光ファイバ素線11内の各部で発生した後方散乱光は、光ファイバ4及び光ファイバ素線11を伝搬して、光コネクタ接続アダプタ25、光コネクタ26、光ファイバコード27、光コネクタ87を介して光方向性結合器84に入射される。光方向性結合器84に入射された後方散乱光は、光方向性結合器84から光コネクタ87、光ファイバコード88、光コネクタ28を介して光送信部62に入射される。
【0035】
受信ユニット111は、図10に示されるように、光送信部62から送信された光信号を受信する光受信部72と、光受信部72にて受信された光信号に基づいて、後方散乱光の観測波形を生成する観測波形生成部113と、観測波形生成部113にて生成された観測波形を表示するCRT94とを有している。観測波形生成部113では、長さ方向の伝送損失の値の平均化処理等が行われて、観測波形が生成される。
【0036】
上述した2つの変形例においては、送信手段は、引き込み部22に引き込まれた光ファイバ素線11の先端部に光信号を入射させるパルス幅の短い光信号を発生させるためのパルス発生部82及び光パルス送信部83を有しており、引き込み部22に引き込まれた光ファイバ素線11の先端部に、光パルス送信部83からの光パルスを入射させ、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の各部で発生した後方散乱光を観測波形生成部93,113に信号として送ることができるので、OTDRを適用して、より詳細な光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失の測定が可能となる。また、受光した光パルスを直接解析する手法及び装置を用いることで、分散の長手方向測定等の損失以外の他のファイバパラメータの測定、評価も可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、送信手段が光ファイバから出射される光を無線信号に変換して送信し、受信手段が送信手段から送信された無線信号を受信して、この受信された無線信号に基づいて、光ファイバのファイバパラメータを測定する。これにより、ファイバパラメータの測定精度の低下及び装置の寿命の低下の要因となっていた、上述した先行技術が有していた機械的な接触部分を有することなく、信号を送ることができる。従って、線引工程において光ファイバ母材から線引された光ファイバ(光ファイバ母材から加熱線引された光ファイバ及び加熱線引された光ファイバをプラスチック樹脂等により被覆した光ファイバ素線を含む)のファイバパラメータを測定する評価装置であって、測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な評価装置を提供することが可能となる。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、線引工程において、光ファイバ母材から線引された光ファイバの光損失を測定する評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の評価装置として、例えば、「CONTINUOUS MEASUREMENT OF OPTICAL-FIBRE ATTENUATION DURING MANUFACTURE(ELECTRONICS LETTERS 3rd March 1977 Vol.13 No.5)」に開示されたようなものが知られている。この評価装置は、線引されボビンに巻き取られた光ファイバ素線の先端部には光検出器が取り付けられ、光ファイバ素線の先端部から出射される光信号を光検出器にて電気信号に変換し、この電気信号をスリップリング及びグラファイトブラシを介して外部に設けられた測定手段に導き、線引工程にある光ファイバ(光ファイバ母材から加熱線引された光ファイバ及び加熱線引された光ファイバをプラスチック樹脂等により被覆した光ファイバ素線を含む)の光損失を測定している。また、「光ファイバ伝送損失特性の線引時連続測定法(昭和61年度電子通信学会総合全国大会 1144)」には、線引されボビンに巻き取られた光ファイバ素線の先端部を、光コネクタを介して光回転コネクタに接続し、光ファイバ素線の先端部から出射される光信号を光回転コネクタから光ファイバコードを通して、外部に設けられた測定手段に導き、線引工程にある光ファイバの光損失を測定する評価装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光ファイバ素線の先端部に取り付けられた光検出器にて光ファイバ素線の先端部から出射される光信号を電気信号に変換し、この電気信号をスリップリング及びグラファイトブラシを介して外部に設けられた測定手段に導くものでは、ボビンの高速回転時には、スリップリングとグラファイトブラシとの機械的な接触部分が離れてしまい、光損失の測定精度が低下する虞がある。また、この機械的な接触部分に磨耗が生じるため、スリップリングとグラファイトブラシの寿命が短くなり、定期的なメンテナンス等が必要とされる。光ファイバ素線の先端部を、光コネクタを介して光回転コネクタに接続し、光ファイバ素線の先端部から出射される光信号を光回転コネクタから外部に設けられた測定手段に導くものにおいても、光回転コネクタ等に機械的な接触部分が存在しており、この部分が磨耗するのは避けられず、光回転コネクタ等の寿命が短くなってしまう。
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、線引工程において光ファイバ母材から線引されている光ファイバ(光ファイバ母材から加熱線引された光ファイバ及び加熱線引された光ファイバをプラスチック樹脂等により被覆した光ファイバ素線を含む)のファイバパラメータをリアルタイムに測定する評価装置であって、測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な評価装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ファイバの評価装置は、光ファイバ母材を加熱線引して光ファイバを製造する線引工程において光ファイバを評価する光ファイバの評価装置であって、線引された光ファイバを巻き取るボビンと、ボビンを支持すると共に回転させる回転支持部材とを有する光ファイバ巻き取り手段と、光ファイバ巻き取り手段に設けられ、ボビンに巻き取られた光ファイバから出射される光を無線信号に変換して、送信する送信手段と、光ファイバ巻き取り手段から離れた位置に設けられ、送信手段から送信された無線信号を受信する受信手段と、を備え、受信手段により受信された無線信号に基づいて、光ファイバのファイバパラメータを測定することを特徴とする。なお、各請求項における光ファイバとは、光ファイバ母材から加熱線引された光ファイバと、加熱線引された光ファイバをプラスチック樹脂等により被覆した光ファイバ素線とを含むものである。
【0006】
本発明に係る光ファイバの評価装置によれば、送信手段が光ファイバから出射される光を無線信号に変換して送信し、受信手段が送信手段から送信された無線信号を受信して、この受信された無線信号に基づいて、光ファイバのファイバパラメータを測定する。これにより、ファイバパラメータの測定精度の低下及び装置の寿命の低下の要因となっていた、上述した先行技術が有していた機械的な接触部分を有することなく、信号を送ることができる。従って、測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な評価装置を提供することが可能となる。
【0007】
また、光ファイバのファイバパラメータとして光ファイバの光損失を算出する光損失算出手段を更に備えることが好ましい。この場合、受信手段により受信された無線信号に基づいて、光損失算出手段が光ファイバの光損失を算出することとなる。これにより、光損失の測定精度の低下及び装置の寿命の低下の要因となっていた、上述した先行技術が有していた機械的な接触部分を有することなく、光損失算出手段に対して信号を送ることができる。従って、光損失の測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な評価装置を提供することが可能となる。
【0008】
また、光ファイバのファイバパラメータとして光ファイバの分散の長手方向測定を行うことが好ましい。この場合、受信手段により受信された無線信号に基づいて、光ファイバの分散の長手方向測定が行われることとなる。これにより、分散の長手方向測定の精度の低下及び装置の寿命の低下の要因となっていた、上述した先行技術が有していた機械的な接触部分を有することなく、上記手段に対して信号を送ることができる。従って、分散の長手方向測定の精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な評価装置を提供することが可能となる。
【0009】
また、送信手段は、ボビンに巻き取られる光ファイバの先端部を引き込むための引き込み部と、引き込み部に引き込まれた光ファイバの先端部から出射される光信号を受光し、光信号を電気信号に変換すると共に、電気信号を無線信号として放射する放射手段と、を有していることが好ましい。この場合には、測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な評価装置を、簡易な構成により実現することができる。
【0010】
また、送信手段は、ボビンに巻き取られる光ファイバの先端部を引き込むための引き込み部と、引き込み部に引き込まれた光ファイバの先端部から出射される光信号を無線信号として出射する光出射手段と、を有しており、受信手段は、出射手段から出射された光信号が入射する光入射手段を有していることが好ましい。この場合には、測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な評価装置を、簡易な構成により実現することができる。
【0011】
また、送信手段は、引き込み部に引き込まれた光ファイバの先端部に光信号を入射させる光信号を発生させるための光発生手段を更に有していることが好ましい。この場合には、引き込み部に引き込まれた光ファイバの先端部に、光発生手段にて発生された光信号を入射させ、その反射光を信号として送ることができるので、より詳細な測定が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本発明による光ファイバの評価装置の第1実施形態を示す概略構成図である。母材供給装置1に保持された光ファイバ母材2は、加熱炉(線引炉)3に供給され、加熱線引されて光ファイバ4となる。その光ファイバ4は、外径測定器5により外径がオンライン測定され、その測定値がボビン6を回転駆動する駆動モータ7及び加熱炉3にフィードバックされて外径が一定となるように制御される。その後、光ファイバ4は、プライマリコーティングダイス8によりコーティング樹脂液9を塗布され、樹脂硬化炉10によりコーティング樹脂が加熱硬化され、光ファイバ素線11となる。そして、光ファイバ素線11は、ガイドローラ12,13を経て、ボビン6により巻き取られる。ボビン6は、回転支持部材としての回転駆動軸14に支持されており、この回転駆動軸14の端部は駆動モータ7に接続されている。母材供給装置1は、ドライバ16からの電気信号に基づいて回転する駆動モータ15により、光ファイバ母材2を加熱炉3に供給する。また、ドライバ16は、図示しない演算部からの指示により、モータに送るべき電気信号を出力する。光ファイバ母材2を供給すべき速度は、光ファイバ4の設定線速と実際線速との線速差等に基づいて、演算により求められる。ここで、光ファイバ4及び光ファイバ素線11が各請求項における光ファイバを構成し、ボビン6及び回転駆動軸14が各請求項における光ファイバ巻き取り手段を構成している。
【0014】
外径測定器5からの出力信号は、演算部17に送られ、光ファイバ4の外径が予め設定された所定値となるように、加熱炉3の温度及びボビン6(駆動モータ7)の回転速度を演算により求める。演算部17からは、演算により求めた加熱炉3の温度を示す出力信号がヒータ制御部18に出力され、ヒータ制御部18は演算部17からの出力信号に基づいて、加熱炉3の温度を制御する。同様に、演算部17からは、演算により求めたボビン6(駆動モータ7)の回転速度を示す出力信号がドライバ19に出力され、ドライバ19は演算部17からの出力信号に基づいて、駆動モータ7の回転速度を制御する。
【0015】
回転駆動軸14には、送信手段としての送信ユニット21が、回転駆動軸14と一体的に回転するように設けられている。送信ユニット21は、光ファイバ素線11の先端部が引き込まれており、この引き込まれた光ファイバ素線11から出射される光を無線信号に変換し、受信ユニット31に向けて無線信号を送信する。受信ユニット31は、ボビン6及び回転駆動軸14から離れた位置に設けられている。ここで、受信ユニット31は、各請求項における受信手段及び光損失算出手段とを構成している。
【0016】
送信ユニット21は、図2に示されるように、光ファイバ素線11の先端部を引き込むための引き込み部22と、引き込み部22により引き込まれた光ファイバ素線11から出射される光を電気信号に変換する電気信号変換部23と、電気信号変換部23にて変換された電気信号を無線信号として、受信ユニット31に送信するための信号送信部24とを有している。送信ユニット21では、引き込み部22により引き込まれた光ファイバ素線11が、光コネクタ接続アダプタ25、光コネクタ26、光ファイバコード27、光コネクタ28を介して、電気信号変換部23に接続されるよう構成されている。ここで、電気信号変換部23及び信号送信部24は、各請求項における放射手段を構成している。
【0017】
受信ユニット31は、図2に示されるように、信号送信部24から送信された無線信号を受信する信号受信部32と、信号受信部32にて受信された無線信号に基づいて、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失を算出する光損失算出部33と、光損失算出部33における算出結果を表示するCRT34とを有している。光損失算出部33では、従来から測定が行われている伝送損失分光特性等の光損失が算出される。なお、伝送損失分光特性の測定には、光源として、加熱された光ファイバ母材2からの輻射光を利用することになる。
【0018】
引き込み部22は、図3aに示されるように、略密閉されたケーシング41と、ボビン6に巻き取られた光ファイバ素線11の先端部が差し込まれるノズル42と、ノズル42から差し込まれた光ファイバ素線11をケーシング41内部に導くように、光ファイバ素線11に対して吸い込み力を付与するための吸引機43と、ケーシング41内部に導かれた光ファイバ素線11の先端部を切断する光ファイバ素線カット部44とを有している。光ファイバ素線カット部44は、光ファイバ素線11の先端部を切断するための刃部45と、刃部45を移動させるための駆動部46とを有しており、図3bに示されるように、光ファイバ素線11の先端部が所定長さケーシング41内部に吸い込まれた状態において、駆動部46が作動して刃部45を移動させることにより、光ファイバ素線11の先端部を切断する。
【0019】
ケーシング41のノズル42と対向する部分には、光ファイバ素線カット部44により先端部が切断された光ファイバ素線11を引き込み部22外部に導くための開口部47が設けられている。開口部47には、開口部47を閉じておくための合成ゴム製等のベローズ48が設けられており、光ファイバ素線カット部44により先端部が切断された光ファイバ素線11は、測定者等により図3bに示された状態から更に押し込まれることにより、図3cに示されるように、ベローズ48を押し開きながら引き込み部22から外部に押し出されてくることになる。光ファイバ素線カット部44により先端部が切断された光ファイバ素線11を、測定者等により更に押し込むようにしているが、ローラ等を用いて、機械的手段により押し込めるように構成してもよい。
【0020】
引き込み部22から外部に押し出された光ファイバ素線11の先端部には、図3cに示されるように、光コネクタ接続アダプタ25が装着される。光ファイバ素線11の先端部に光コネクタ接続アダプタ25が装着された後、光コネクタ接続アダプタ25は光コネクタ26に接続されることになる。本実施形態では、光コネクタ接続アダプタ25及び光コネクタ26を用いて、電気信号変換部23に接続された光ファイバコード27と光ファイバ素線11とを接続するよう構成しているが、変形例として、図4に示されるように、直接、光ファイバコード27に押圧して、摺り合わせることにより、簡易的に光ファイバ素線11と光ファイバコード27とを密着させてもよい。図4に示された変形例では、1組ローラにより光ファイバコード27の方向への押圧力を付与した状態で、光ファイバ素線11及びローラを振動(図4において上下方向)させて、光ファイバ素線11と光ファイバコード27とを簡易的に密着させている。この場合、光ファイバコード27の径(コア径)を光ファイバ素線11の径より大きく設定しておくことで、コアの軸ずれにより光ファイバ素線11と光ファイバコード27との間の接続損失を低減することが可能となる。
【0021】
更なる変形例として、図5a及び図5bに示されるように、V溝が形成されたV溝基板50a,50bと、このV溝基板50a,50bに固定されるクランプ(図示せず)とにより構成されるV溝プライス50を用いて、V溝基板50a,50bのV溝に光ファイバ素線11と光ファイバコード27とを当接させた状態で載置し、クランプ(図示せず)で固定して光ファイバ素線11と光ファイバコード27とを接続するようにしてもよい。また、図5aに示されるように、予め光ファイバコード27を2枚のV溝基板50a,50b間に挟持しておき、次いで図5bに示されるように、光ファイバ素線11をV溝間の間隙に挿入して、光ファイバ素線11と光ファイバコード27とを接続するようにしてもよい。この場合には、光ファイバ素線11を挿入する側のV溝にテーパ部を形成することにより、光ファイバ素線11の端面を傷つけることなくスムーズに光ファイバ素線11を挿入及び引出することが可能となる。
【0022】
送信ユニット21内の、引き込み部22の吸引機43及び駆動部46、電気信号変換部23、信号送信部24等に対して、電源供給手段を設ける必要があり、電源供給手段の設置例を図6a及び図6bに基づいて、説明する。電源供給手段51は、発電ユニット52と、発電ユニット52を駆動させるための駆動ローラ53と、駆動ローラ53及び回転駆動軸14に当接する従動ローラ54とを有している。回転駆動軸14の回転が、従動ローラ54を介して駆動ローラ53に伝えられ、発電ユニット52を駆動するように構成されている。発電ユニット52から送信ユニット21に対する電源供給は、発電ユニット52に接続されたブラシ55、絶縁層56を介して回転駆動軸14上に設けられた金属板57とにより行われることになる。上述した構成では、ブラシ55と金属板57とが金属接触することになり、この金属接触する部分でノイズ等が発生し、電源供給経路を介して電気信号変換部23、信号送信部24に送られることが考えられるが、平均化等の既存のノイズ除去の手法を用いることにより、ノイズによる悪影響を除去することが可能である。これ以外の変形例として、送信ユニット21に蓄電手段を設ける、回転駆動軸14を円筒状に形成すると共に、回転駆動軸14上に絶縁層56を介して金属導線によりコイル部を設け、コイル部が設けられた回転駆動軸14の内部に永久磁石等を振動させて、電磁誘導により発電する、回転駆動軸14内部に、一端が送信ユニット21に接続され、他端が回転駆動軸14端部に露出して設けられる金属導線を埋め込み、この金属銅線の回転駆動軸14端部から露出する他端に、外部に設けられた電源供給手段に接続される電極部を接触させる、等の構成を用いてもよい。
【0023】
以上のことから、本実施形態においては、電気信号変換部23が光ファイバ素線11の先端部から出射される光を電気信号に変換し、信号送信部24が変換された電気信号を無線信号に変換して送信し、信号受信部32が信号送信部24から送信された無線信号を受信して、この受信された無線信号に基づいて、光損失算出部33が光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失を算出する。これにより、光損失の測定精度の低下及び装置の寿命の低下の要因となっていた、上述した先行技術が有しているような機械的接触部分を設けることなく、光損失を算出するための光損失算出部33に対して信号を送ることができる。従って、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失の測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な光損失の測定のための評価装置を提供することが可能となる。
【0024】
また、先行技術のように、スリップリングとグラファイトブラシ等の機械的接触部分を有していないため、ボビン6(回転駆動軸14)の回転速度を高めた場合でも、この機械的接触部分が離れることにより、信号が伝達できなくなるといったような問題は発生しない。従って、ボビン6(回転駆動軸14)の回転速度を、光ファイバ4の線引等に対して支障を来さない範囲で高めることができ、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失の測定速度も高めることが可能となる。
【0025】
また、送信ユニット21は、ボビン6に巻き取られる光ファイバ素線11の先端部を引き込むための引き込み部22と、引き込み部22に引き込まれた光ファイバ素線11の先端部から出射される光信号を受光し、光信号を電気信号に変換する電気信号変換部23と、変換された電気信号を無線信号として送信する信号受信部32とを有している。これにより、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失の測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な光損失測定のための評価装置を、簡易な構成により実現することができる。
【0026】
(第2実施形態)
図7は、本発明による光ファイバの評価装置の第2実施形態を示す概略構成図である。第1実施形態における評価装置とは、送信ユニット及び受信ユニットに関して相違する。
【0027】
回転駆動軸14には、送信手段としての送信ユニット61が、回転駆動軸14と一体的に回転するように設けられている。送信ユニット61は、光ファイバ素線11の先端部が引き込まれており、この引き込まれた光ファイバ素線11の先端部から出射される光を光信号として、受信ユニット71に向けて送信する。ここで、受信ユニット71は、各請求項における受信手段及び光損失算出手段とを構成している。
【0028】
送信ユニット61は、図8に示されるように、光ファイバ素線11の先端部を引き込むための引き込み部22と、引き込み部22により引き込まれた光ファイバ素線11の先端部から出射される光を光信号として、受信ユニット71に送信するための光送信部62とを有している。送信ユニット61では、引き込み部22により引き込まれた光ファイバ素線11が、第1実施形態と同様に、光コネクタ接続アダプタ25、光コネクタ26、光ファイバコード27、光コネクタ28を介して、光送信部62に接続されるよう構成されている。光送信部62には、光ファイバ素線11の先端部から出射される光を増幅する増幅器(図示せず)及び増幅器にて増幅された光が出射されるレンズ(図示せず)等設けられている。また、増幅器及びレンズ等を設けることなく、光ファイバ素線11の先端部から出射される光を光信号として、光コネクタ28から直接、受信ユニット71に対して送信してもよい。ここで、光送信部62は各請求項における光出射手段を構成し、光受信部72は各請求項における光入射手段を構成している。
【0029】
受信ユニット71は、図8に示されるように、光送信部62から送信された光信号を受信する光受信部72と、光受信部72にて受信された光信号に基づいて、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失を算出する光損失算出部73と、光損失算出部73における算出結果を表示するCRT34とを有している。光損失算出部73では、従来から測定が行われている伝送損失分光特性等の光損失が算出される。なお、伝送損失分光特性の測定には、光源として、加熱された光ファイバ母材2からの輻射光を利用することになる。また、光受信部72は、図7に示されるように、回転駆動軸14の送信ユニット61が設けられる位置の外周に設けられるリング部材74と、光送信部62に対向させた状態でリング部材74の内周面に設けられる光検出器75とを有している。光検出器75は、リング部材74の内周面に複数個配置されており、光送信部62から送信された光信号が途切れることなく受信できるように構成されている。
【0030】
以上のことから、本実施形態においては、第1実施形態のものと同じ作用効果を奏することはもちろんのこと、特に、送信ユニット61は、ボビン6に巻き取られる光ファイバ素線11の先端部を引き込むための引き込み部22と、引き込み部22に引き込まれた光ファイバ素線11の先端部から出射される光を光信号として送信する光送信部62とを有しており、受信ユニット71は、光送信部62から送信された光信号を受信する光受信部72を有している。これにより、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失の測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な光損失測定のための評価装置を、簡易な構成により実現することができる。
【0031】
図9は、第1実施形態における送信ユニット21及び受信ユニット31の変形例を示すものであり、図10は、第2実施形態における送信ユニット61及び受信ユニット71の変形例を示すものであり、何れの変形例も、光パルス試験器(Optical Time Domain Reflectometer,通称OTDR)を適用し、光ファイバ4及び光ファイバ素線11内で生じる後方散乱光を時間軸上で観察することによって光ファイバ4及び光ファイバ素線11の測定を行うものである。
【0032】
図9に示された変形例では、送信ユニット81は、パルス発生部82と、光パルス送信部83と、光方向性結合器84とを新たに有している。光パルス送信部83は、パルス発生部82にて発生されたパルス信号に基づいて、パルス幅の短い光パルスを発生させ、光パルス送信部83にて発生された光パルスは、光コネクタ85、光ファイバコード86、光コネクタ85を介して光方向性結合器84に入射される。光方向性結合器84に入射された光パルスは、光コネクタ87、光ファイバコード27、光コネクタ26、光コネクタ接続アダプタ25を介して、光ファイバ素線11に入射される。光ファイバ4及び光ファイバ素線11内の各部で発生した後方散乱光は、光ファイバ素線11を伝搬して、光コネクタ接続アダプタ25、光コネクタ26、光ファイバコード27、光コネクタ87を介して光方向性結合器84に入射される。光方向性結合器84に入射された後方散乱光は、光方向性結合器84から光コネクタ87、光ファイバコード88、光コネクタ28を介して電気信号変換部23に送られる。電気信号変換部23に送られた後方散乱光は、電気信号に変換され、信号送信部送られる。ここで、パルス発生部82及び光パルス送信部83が、各請求項における光発生手段を構成している。
【0033】
受信ユニット91は、図9に示されるように、信号送信部24から送信された無線信号を受信する信号受信部32と、信号受信部32にて受信された無線信号に基づいて、後方散乱光の観測波形を生成する観測波形生成部93と、観測波形生成部93にて生成された観測波形を表示するCRT94とを有している。観測波形生成部93では、長さ方向の伝送損失の値の平均化処理等が行われて、観測波形が生成される。ここで、観測波形生成部93が、各請求項における光損失算出手段を構成している。CRT94に表示される後方散乱光の観測波形の横軸は、光パルスが入射される光ファイバ素線11の先端部の端面からの距離を示しているのであるが、後方散乱光は光ファイバ4及び光ファイバ素線11内を一定時間で伝搬するので、横軸は時間軸と等価であり、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の伝送損失は、この波形の領域における傾きで観測され、測定される。また、欠陥部等が存在すると、欠陥部等は観測波形における段差として観測される。
【0034】
次に、図10に示された変形例では、送信ユニット101は、図9に示された変形例と同様に、パルス発生部82と、光パルス送信部83と、光方向性結合器84とを新たに有している。光パルス送信部83は、パルス発生部82にて発生されたパルス信号に基づいて、パルス幅の短い光パルスを発生させ、光パルス送信部83にて発生された光パルスは、光コネクタ85、光ファイバコード86、光コネクタ85を介して光方向性結合器84に入射される。光方向性結合器84に入射された光パルスは、光コネクタ87、光ファイバコード27、光コネクタ26、光コネクタ接続アダプタ25を介して、光ファイバ素線11に入射される。光ファイバ素線11内の各部で発生した後方散乱光は、光ファイバ4及び光ファイバ素線11を伝搬して、光コネクタ接続アダプタ25、光コネクタ26、光ファイバコード27、光コネクタ87を介して光方向性結合器84に入射される。光方向性結合器84に入射された後方散乱光は、光方向性結合器84から光コネクタ87、光ファイバコード88、光コネクタ28を介して光送信部62に入射される。
【0035】
受信ユニット111は、図10に示されるように、光送信部62から送信された光信号を受信する光受信部72と、光受信部72にて受信された光信号に基づいて、後方散乱光の観測波形を生成する観測波形生成部113と、観測波形生成部113にて生成された観測波形を表示するCRT94とを有している。観測波形生成部113では、長さ方向の伝送損失の値の平均化処理等が行われて、観測波形が生成される。
【0036】
上述した2つの変形例においては、送信手段は、引き込み部22に引き込まれた光ファイバ素線11の先端部に光信号を入射させるパルス幅の短い光信号を発生させるためのパルス発生部82及び光パルス送信部83を有しており、引き込み部22に引き込まれた光ファイバ素線11の先端部に、光パルス送信部83からの光パルスを入射させ、光ファイバ4及び光ファイバ素線11の各部で発生した後方散乱光を観測波形生成部93,113に信号として送ることができるので、OTDRを適用して、より詳細な光ファイバ4及び光ファイバ素線11の光損失の測定が可能となる。また、受光した光パルスを直接解析する手法及び装置を用いることで、分散の長手方向測定等の損失以外の他のファイバパラメータの測定、評価も可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、送信手段が光ファイバから出射される光を無線信号に変換して送信し、受信手段が送信手段から送信された無線信号を受信して、この受信された無線信号に基づいて、光ファイバのファイバパラメータを測定する。これにより、ファイバパラメータの測定精度の低下及び装置の寿命の低下の要因となっていた、上述した先行技術が有していた機械的な接触部分を有することなく、信号を送ることができる。従って、線引工程において光ファイバ母材から線引された光ファイバ(光ファイバ母材から加熱線引された光ファイバ及び加熱線引された光ファイバをプラスチック樹脂等により被覆した光ファイバ素線を含む)のファイバパラメータを測定する評価装置であって、測定精度の低下を抑制すると共に、装置の寿命の低下を防止することが可能な評価装置を提供することが可能となる。
Claims (6)
- 光ファイバ母材を加熱線引して光ファイバを製造する線引工程において前記光ファイバを評価する光ファイバの評価装置であって、
線引された前記光ファイバを巻き取るボビンと、前記ボビンを支持すると共に回転させる回転支持部材とを有する光ファイバ巻き取り手段と、
前記光ファイバ巻き取り手段に設けられ、前記ボビンに巻き取られた前記光ファイバから出射される光を無線信号に変換して、送信する送信手段と、
前記光ファイバ巻き取り手段から離れた位置に設けられ、前記送信手段から送信された前記無線信号を受信する受信手段と、を備え、
前記受信手段により受信された前記無線信号に基づいて、前記光ファイバのファイバパラメータを測定する
ことを特徴とする光ファイバの評価装置。 - 前記光ファイバのファイバパラメータとして前記光ファイバの光損失を算出する光損失算出手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの評価装置。
- 前記光ファイバのファイバパラメータとして前記光ファイバの分散の長手方向測定を行うことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの評価装置。
- 前記送信手段は、
前記ボビンに巻き取られる前記光ファイバの先端部を引き込むための引き込み部と、
前記引き込み部に引き込まれた前記光ファイバの先端部から出射される光信号を受光し、前記光信号を電気信号に変換すると共に、前記電気信号を前記無線信号として放射する放射手段とを有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ファイバの評価装置。 - 前記送信手段は、
前記ボビンに巻き取られる前記光ファイバの先端部を引き込むための引き込み部と、
前記引き込み部に引き込まれた前記光ファイバの先端部から出射される光信号を前記無線信号として出射する光出射手段とを有しており、
前記受信手段は、
前記出射手段から出射された前記光信号が入射する光入射手段を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ファイバの評価装置。 - 前記送信手段は、前記引き込み部に引き込まれた前記光ファイバの先端部に入射させる光信号を発生させるための光発生手段を更に有していることを特徴とする請求項4又は5に記載の光ファイバの評価装置。
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| JP11057145A JP2000258293A (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | 光ファイバの評価装置 |
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| JP11057145A JP2000258293A (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | 光ファイバの評価装置 |
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1999
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