JP2000261006A - ショットキー接合形成用半導体基板、それを使用した半導体素子、およびショットキーバリアダイオード - Google Patents

ショットキー接合形成用半導体基板、それを使用した半導体素子、およびショットキーバリアダイオード

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JP2000261006A
JP2000261006A JP6698099A JP6698099A JP2000261006A JP 2000261006 A JP2000261006 A JP 2000261006A JP 6698099 A JP6698099 A JP 6698099A JP 6698099 A JP6698099 A JP 6698099A JP 2000261006 A JP2000261006 A JP 2000261006A
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schottky
impurity
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Akira Honda
晃 本多
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 順方向特性を犠牲にすることなく、優れた逆
方向特性を備えたショットキー接合構造を有する半導体
素子およびショットキーバリアダイオードと、これを形
成するためのショットキー接合形成用半導体基板を提供
する。 【解決手段】 シリコン基板2上に不純物を含有するエ
ピタキシャル層3が形成されたショットキー接合形成用
半導体基板の前記エピタキシャル層3表面に金属層4が
設けられたショットキーバリアダイオード1において、
エピ層3の不純物の濃度は、表面から所定の深さまで一
定であり、前記所定の深さからシリコン基板2に向かっ
て徐々に大きくなり、シリコン基板2の近傍では、該基
板2に向かって急激に大きくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一導電型半導体層
上に特定の不純物を含有するエピタキシャル層が形成さ
れたショットキー接合形成用半導体基板と、この半導体
基板表面に金属層が設けられたショットキー接合構造を
有する半導体素子と、ショットキーバリアダイオードに
関する。
【0002】
【従来の技術】一導電型半導体層上に特定の不純物を含
有するエピタキシャル層を形成し、さらに該エピタキシ
ャル層上に金属層を設けて形成されるショットキー接合
構造は、図3に示すように、順方向電圧(VF)が低く
消費電力が小さく、また逆方向電圧(VR)を印加して
もほとんど電流が流れない、といった優れた性質によ
り、ショットキーバリアダイオード(SBD)などに応
用されている。
【0003】ところで、近年は、より一層、優れた特性
を有するショットキー接合構造が望まされている。ショ
ットキー接合構造において逆方向特性を良好なものとす
る、つまり逆方向電圧により発生する電流を減少させる
ためには、逆方向電圧を印加したときに、エピタキシャ
ル層と金属層との境界部分に生じる電界強度をなるべく
下げることが重要であり、この電界強度を下げるために
は、エピタキシャル層の不純物濃度を下げることが有効
であることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エピタ
キシャル層の不純物の濃度を下げると抵抗が上がり、順
方向特性が低下、つまり順方向電圧が上がる。この現象
に対向すべく、順方向特性を向上させる、つまり図3に
示す順方向電圧(VF)を下げるためには、従来は、バ
リアハイトが低くなる金属をバリアメタルとして選択す
る方法が取られている。しかし、バリアハイトの低い金
属を選択すれば、より低い逆方向電圧(VR)でより電
流(IR)が流れやすくなり、逆方向特性が劣化してし
まう。
【0005】以上のように、従来の技術では、逆方向特
性を向上させるためには、どうしても順方向特性を犠牲
にしなければならなかった。
【0006】本発明は、上記課題に鑑み、順方向特性を
犠牲にすることなく、優れた逆方向特性を備えたショッ
トキー接合構造を有する半導体素子およびショットキー
バリアダイオードと、これを形成するためのショットキ
ー接合形成用半導体基板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべ
く、請求項1に記載の発明は、一導電型半導体層上に特
定の不純物を含有するエピタキシャル層が形成されたシ
ョットキー接合形成用の半導体基板において、前記エピ
タキシャル層の前記不純物の濃度は、該エピタキシャル
層表面から所定の深さまで一定であり、該所定の深さか
ら前記一導電型半導体層に向かって徐々に大きくなるこ
とを特徴とする。
【0008】また、請求項3に記載の発明は、一導電型
半導体層上に特定の不純物を含有するエピタキシャル層
が形成され、該エピタキシャル層表面に金属層が設けら
れたショットキー接合構造を有する半導体素子におい
て、前記エピタキシャル層の前記不純物の濃度は、前記
表面から所定の深さまで一定であり、該所定の深さから
前記一導電型半導体層に向かって徐々に大きくなること
を特徴とする。
【0009】請求項1の半導体基板を用いて形成したシ
ョットキー接合構造、および請求項3の半導体素子によ
れば、エピタキシャル層の不純物濃度は、表面から所定
の深さまで一定であり、前記所定の深さから前記一導電
型半導体層に向かって徐々に大きくなることから、金属
層との境界部分が最も低く、金属層から離れるほど高く
なる。逆電圧を印加した場合の前記境界部分の電界強度
には、エピタキシャル層全体の不純物濃度が影響するも
のであるが、請求項1または3のように、特に境界部分
の濃度を下げることによって、この領域の電界強度を抑
制することができ、逆方向特性が良好なものとなる。
【0010】また、エピタキシャル層の表面近傍では不
純物濃度が小さくても、徐々に濃度が大きくなることか
ら、エピタキシャル層全体の不純物濃度の平均値を従来
より下げる必要がないので、抵抗値も上がらず、順方向
特性が劣化することはない。さらに、金属層との境界部
分の濃度を一定にしたことにより、製造工程において、
エピタキシャル層の膜厚にばらつきが生じたとしても、
エピタキシャル層の金属層との境界部分の不純物濃度を
一定に保つことができ、順方向特性・逆方向特性の安定
した製品を供給することができる。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のショットキー接合形成用半導体基板において、前記エ
ピタキシャル層の不純物濃度は、前記一導電型半導体層
の近傍では、該一導電型半導体層に向かって急激に大き
くなることを特徴とする。
【0012】また、請求項4に記載の発明は、請求項3
に記載の半導体素子において、前記エピタキシャル層の
不純物濃度は、前記一導電型半導体層の近傍では、該一
導電型半導体層に向かって急激に大きくなることを特徴
とする。
【0013】請求項2に記載の半導体基板を用いて形成
したショットキー接合構造、および請求項4に記載の半
導体素子によれば、エピタキシャル層の不純物濃度が、
一導電型半導体層の近傍では、該一導電型半導体層に向
かって急激に大きくなることから、この領域での抵抗値
を低くすることができる。その結果良好な順方向特性が
得られる。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項3または
4に記載の半導体素子において、前記一導電型半導体層
主面の結晶軸が〈100〉面であることを特徴とする。
これにより、逆方向電流(IR)が小さい半導体素子が
得られる。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項3〜5の
いずれかに記載の半導体素子において、前記一定の濃度
は、下記式(1)より求められるND値よりも小さいこ
とを特徴とする。
【数2】 (上記式(1)において、Vbiは内蔵電位、εsはエピ
タキシャル層の誘電率、qは電気素量、VRは逆方向電
圧、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Emはショッ
トキー接合界面の電界強度を示す。)
【0016】ここで、式(1)において、Vbi、εs
q、k、Tは定数であり、VRは実用上耐える必要のあ
る逆方向の電圧値を用いる。Emは、実用上許容される
限界である臨界電界強度を基準とすればよく、たとえ
ば、シリコン基板ならば28V/μmを仮に用いればよ
い。より正確にはエピタキシャル層の不純物濃度に対す
る依存性を持つ。このように各数字を代入することによ
り、許容され得る最大の不純物濃度が求められる。従
来、製品として用いられているショットキーバリアダイ
オードでは、具体的な用途等によって多少違いはある
が、基本的にこのようにして求めた不純物濃度ND値を
基準として、エピタキシャル層全体について一定の不純
物濃度としているものが多い。つまり式(1)から求め
たNDは、従来程度の濃度と見なせるのである。請求項
6に記載の発明によれば、エピタキシャル層の表面近傍
の一定の不純物濃度が、従来程度よりも小さいことか
ら、金属層との境界部分の領域の電界強度を十分に抑制
することができ、逆方向特性が良好なものとなる。この
場合、式(1)から求めたNDより、たとえば、2分の
1以下であれば、より一層、電界強度を小さくすること
ができる。
【0017】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の半導体素子において、横軸および縦軸のいずれか一方
により前記エピタキシャル層の深さを示し、他方により
電界強度を示すグラフを作成した際に、所定の逆方向電
圧を印加して得られるエピタキシャル層の電界強度のグ
ラフと前記横軸および前記縦軸によって囲まれる面積
は、エピタキシャル層の不純物の濃度を前記式(1)よ
り求められるND値で一定とした場合に、同様に得られ
る面積とほぼ等しく、かつ、エピタキシャル層表面部に
おける電界強度は、エピタキシャル層の不純物の濃度を
前記式(1)より求められるND値で一定とした場合
に、同様に得られる電界強度よりも低くなることを特徴
とする。
【0018】ここで、グラフを作成する際の電界強度
は、たとえば、エピタキシャル層の不純物分布から空間
電荷を求め、この値からポアソンの式により求めること
ができる。あるいは、実際に測定して求めてもよい。ま
た、「同様に得られる面積」あるいは「同様に得られる
電界強度」とは、不純物の濃度はND値で一定である
が、エピタキシャル層・金属層等の膜厚や形状などの構
造を全く同様にして、同じ大きさの逆方向電圧を印加し
た際の、電界強度のグラフと横軸・縦軸により囲まれる
面積や、エピタキシャル層表面部の電界強度を言う。
【0019】請求項7に記載の発明によれば、所定の電
圧を印加したときの電界強度のグラフと前記横軸および
前記縦軸によって囲まれる面積同士がほぼ等しいという
ことは、すなわち、請求項6の半導体素子のエピタキシ
ャル層の平均抵抗値は、不純物濃度がND値で一定であ
る従来程度の半導体素子のそれと同等ということにな
る。平均抵抗値が等しいのであれば、順方向特性も同等
である。また、エピタキシャル層表面部の電界強度につ
いては、不純物濃度がND値で一定である従来程度の半
導体素子のそれよりも低いので、逆方向特性は従来より
良好なものとなる。したがって、請求項7の半導体素子
は、従来のものと比較して順方向特性を犠牲にすること
なく、優れた逆方向特性を有する。
【0020】請求項8に記載の発明は、請求項3〜7の
いずれかに記載の半導体素子であることを特徴とするシ
ョットキーバリアダイオードである。
【0021】請求項8に記載の発明によれば、順方向特
性を犠牲にすることなく、逆方向特性に優れた、ショッ
トキーバリアダイオードとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の
ショットキーバリアダイオードの一例である。図1のシ
ョットキーバリアダイオード1は、シリコン基板2、エ
ピタキシャル層(以下、エピ層)3、金属層4、ガード
リング5、5、酸化膜6、6、電極7、8とからなる。
【0023】シリコン基板2は、シリコンのバルク結晶
から切り出されたものに、不純物としてヒ素あるいはア
ンチモン等を、公知の技術を用いて、インゴットの引上
過程で特定濃度含有させて製造した、n型の半導体基板
(一導電型半導体層)である。エピ層3は、エピタキシ
ャル成長によって形成した、たとえば3〜10μmの膜
厚のシリコン薄膜からなるn型半導体基板であり、シリ
コン基板2と同様の不純物を含有する。この不純物の濃
度は、エピタキシャル成長の工程時に制御されて、本発
明に特徴的な深さ方向の分布を有する。これについて
は、後述する。本発明のショットキー接合形成用半導体
基板は、シリコン基板2とエピ層3からなる。金属層4
は、たとえばクロム、モリブデン、タングステン等の金
属を、真空蒸着やスパッタリングなどの方法で薄膜に形
成したもので、バリアメタルとして機能する。
【0024】ガードリング5、5は、p型半導体領域で
あり、金属層4の縁部における、逆方向電圧に対する耐
圧特性が中心部より低下する現象を防ぐために形成され
ている。酸化膜6、6は、シリコン酸化膜からなり、絶
縁膜および保護膜としての役目を担う。電極7はアノー
ド側、電極8はカソード側の電極である。したがって、
ショットキーバリアダイオード1では、図中の上から下
に電流が流れるよう電圧をかける場合に順方向電圧(V
F)、逆向きに電圧をかける場合に逆方向電圧(VR)と
なる。
【0025】前述したようにエピ層3は、本発明に特有
の不純物の濃度分布を有する。この濃度分布について図
2に基づいて説明する。図2中の実線は、図1のショッ
トキーバリアダイオード1のエピ層3について、不純物
の濃度分布(a)、空間電荷分布(b)、所定の大きさ
の逆方向電圧を印加したときの電界強度(c)、を深さ
方向の位置に対応させて示したもので、(b)(c)に
ついては、既知の方法を用い、計算により求めた値であ
る。図2(a)、(b)、(c)いずれも、一点鎖線間
がエピ層3に対応し、その区間より左側が金属層4、右
側がシリコン基板2に対応する。また、図2(a)、
(b)、(c)の縦軸は相対値である。
【0026】また、図2中の点線は、エピ層中の不純物
濃度を下記式(1)から求められるND値で一定とする
以外は、図1と全く同様の構造を有する仮想のショット
キーバリアダイオードについて、実線同様に求めたデー
タである。
【数3】 上記式(1)において、Vbiは内蔵電位、εsは半導体
基板の誘電率、qはキャリア粒子1つの電荷、VRは逆
方向電圧、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Em
ショットキー接合界面の電界強度を示す。
【0027】式(1)は、Physics of Semiconductor D
evices, 1981, John Wiley & Sons(文献1)に開示さ
れているようにショットキーバリアダイオードの理論式
として確立しているものである。すなわち、式(1)に
おいて、Vbi、εs、q、k、Tは定数であり、VRは図
2(c)で計算に用いた逆方向の電圧値を用いればよ
い。Emは、実用上許容される限界である臨界電界強度
を基準とすればよく、たとえば、シリコン基板ならば2
8V/μm程度を仮に用いればよい。このように各数字
を代入することにより、許容され得る最大の不純物濃度
が求められる。従来製品として用いられているショット
キーバリアダイオードは、具体的な用途等によって多少
違いはあるが、基本的にこのようにして求めた不純物濃
度を基準として、エピ層の不純物濃度を一定としている
ものが多いので、この仮想のショットキーバリアダイオ
ードは、従来品と同等と言えるものである。
【0028】なお、図2(c)の電界強度の値は、不純
物濃度に基づき空間電荷の値から、前記文献1やその図
式解法を述べた「半導体回路設計技術」(日経BP社)
に開示されているポアソンの式により求めたものであ
る。つまり、式(1)のEmはエピ層の不純物濃度の目
安となる濃度NDを求めるために用いたもので、図2
(c)の値とは関係はない。
【0029】図2(a)に示すように、本発明のエピ層
3の不純物の濃度は、金属層4と接している表面から所
定の深さまでのS領域では、一定である。このS領域を
設けず、エピ層3の不純物の濃度分布にいきなり勾配を
付けると、製品の膜厚が多少ばらついた場合、エピ層3
の金属層4との境界部分の不純物濃度がばらつき、ショ
ットキー接合の特性が製品ごとに違ってしまう。一定領
域を設けたことで、製造工程において、エピ層3の膜厚
にばらつきが生じたとしても、エピ層3と金属層4との
境界部分の不純物濃度を一定に保つことができ、順方向
特性・逆方向特性の安定した製品を供給することができ
る。製品間で安定した順方向特性・逆方向特性を得るた
めには、S領域の膜厚は、エピ層3が前記の膜厚の場
合、たとえば、0.5〜1ミクロン程度あったほうがよ
い。
【0030】そして、エピ層3の不純物の濃度は、S領
域に連続するQ領域において徐々に大きくなり、シリコ
ン基板2近傍のR領域では、急激に大きくなる。その後
シリコン基板2では、不純物濃度は一定の高い濃度に保
たれる。一方、前記仮想のショットキーバリアダイオー
ドでは、図2(a)の点線で示すように、前記式(1)
で求めたND値で一定の濃度で不純物が含有されている
としている。図2(a)で示すように、前記S領域の濃
度は、ND値よりも低い値に設定される。
【0031】また、図2(a)で示す不純物の濃度は、
(c)のグラフにおいて、実線(ショットキーバリアダ
イオード1)について、縦軸(Y軸)、横軸(X軸)
と、電界強度のグラフで囲まれる面積イ(斜線で示され
るエリア)が、点線(仮想のショットキーバリアダイオ
ード)についてY軸、X軸と、電界強度のグラフで囲ま
れる面積ロ(点々で示されるエリア)と、ほぼ等しくな
るように、制御されている。この面積は、エピ層の抵抗
値と印加電圧で決まる値であり、すなわち、ショットキ
ーバリアダイオード1と、仮想の、つまり従来のショッ
トキーバリアダイオードとの、エピ層の平均した抵抗値
が等しくなるように、不純物の平均した濃度もほぼ等し
くなっている。
【0032】ところで、エピタキシャル層を形成する前
のシリコン基板の主面の結晶軸を〈100〉面とし、そ
の上に前記ショットキーバリアダイオード1と全く同様
に、エピタキシャル層を形成した半導体基板を使用した
半導体素子の特性を測定したところ、逆方向電流
(IR)が、従来の結晶軸〈111〉面のものに対し、
1/2〜1/5に減少した実験結果が得られた。一般に
結晶軸〈100〉面に絶縁物被膜を形成すると、絶縁物
被膜中に存在する陽イオンによって、半導体表面に電子
を引き寄せる現象が、結晶軸〈111〉面より小さくな
ることが知られている。本発明では、エピタキシャル層
の表面不純物濃度分布との相乗効果により逆方向電流が
大幅に減少したものと思われる。
【0033】以上の本発明のショットキーバリアダイオ
ード1によれば、エピタキシャル層3の不純物の濃度
は、その表面から所定の深さまでのS領域では一定であ
り、S領域に連続するQ領域で徐々に大きくなり、最も
シリコン基板2側のR領域では、急激に大きくなる。従
って、金属層4との境界部分が最も濃度が小さく、金属
層4から離れるほど大きくなる。そのうえ、所定の逆電
圧を印加したときの電界強度のグラフと、X軸、Y軸で
形成される面積は、従来のショットキーバリアダイオー
ドのそれと同等である。すなわち、エピ層の平均抵抗値
が従来程度となるような量、含有されている不純物を、
図2(a)に示すような濃度分布とし、しかもS領域の
濃度をND値よりも小さくしたことにより、図2(c)
に示すように、エピ層と金属層との境界部分の最大電界
強度を、従来よりも小さい値とすることができ、その結
果、逆方向特性は向上する。また、エピ層全体の抵抗値
は従来程度となることから、順方向特性が犠牲になるこ
とはない。
【0034】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、たとえば、エピ層のQ領域における濃
度変化は、直線的でなくてもよく、曲線、あるいは階段
状に変化してもよい。
【0035】
【発明の効果】請求項1の半導体基板を用いて形成した
ショットキー接合構造、および請求項3の半導体素子に
よれば、エピタキシャル層の不純物濃度は、表面から所
定の深さまで一定であり、前記所定の深さから一導電型
半導体層に向かって徐々に大きくなることから、金属層
との境界部分が最も低く、金属層から離れるほど高くな
る。逆電圧を印加した場合の前記境界部分の電界強度に
は、エピタキシャル層全体の不純物濃度が影響するもの
であるが、請求項1あるいは3のように、特に境界部分
の濃度を下げることによって、この領域の電界強度を抑
制することができ、逆方向特性が良好なものとなる。
【0036】また、エピタキシャル層の表面近傍では不
純物濃度が小さくても、徐々に濃度が大きくなることか
ら、エピタキシャル層全体の不純物濃度の平均値を従来
より下げる必要がないので、抵抗値も上がらず、順方向
特性が低下することはない。
【0037】請求項2に記載の半導体基板を用いて形成
したショットキー接合構造、および請求項4に記載の半
導体素子によれば、エピタキシャル層の不純物濃度が、
一導電型半導体層の近傍では、該一導電型半導体層に向
かって急激に大きくなることから、この領域での抵抗値
を低くすることができる。その結果、良好な順方向特性
が得られる。
【0038】請求項5に記載の発明によれば、一導電型
半導体層の主面の結晶軸を〈100〉としたので、エピ
タキシャル層表面も結晶軸が〈100〉面となり、逆方
向電流が大幅に減少する。
【0039】請求項6に記載の発明によれば、エピタキ
シャル層の表面近傍の一定の不純物濃度が、従来程度よ
りも小さいことから、金属層との境界部分の領域の電界
強度を十分に抑制することができ、逆方向特性が良好な
ものとなる。
【0040】請求項7に記載の発明によれば、所定の電
圧を印加したときの電界強度のグラフと前記横軸および
前記縦軸によって囲まれる面積同士がほぼ等しいという
ことは、すなわち、請求項7の半導体素子のエピタキシ
ャル層の平均抵抗値は、不純物濃度がND値で一定であ
る従来程度の半導体素子のそれと同等ということにな
る。平均抵抗値が等しいのであれば、順方向特性も同等
である。また、エピタキシャル層表面部の電界強度につ
いては、不純物濃度がND値で一定である従来程度の半
導体素子のそれよりも低いので、逆方向特性は従来より
良好なものとなる。したがって、請求項7の半導体素子
は、従来のものと比較して順方向特性を犠牲にすること
なく、優れた逆方向特性を有する。
【0041】請求項8に記載の発明によれば、順方向特
性を犠牲にすることなく、逆方向特性に優れた、ショッ
トキーバリアダイオードとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のショットキーバリアダイオードの一例
を示す断面図である。
【図2】図1のショットキーバリアダイオードの深さ方
向の特性を示すもので、(a)は不純物濃度の分布、
(b)は空間電荷、(c)は逆方向電圧を印加した場合
の電界強度を示す。
【図3】一般的なショットキー接合構造の特性を示す図
である。
【符号の説明】
1 ショットキーバリアダイオード 2 シリコン基板(一導電型半導体層) 3 エピタキシャル層 4 金属層 5 ガードリング 6 酸化膜 7、8 電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一導電型半導体層上に特定の不純物を含
    有するエピタキシャル層が形成されたショットキー接合
    形成用の半導体基板において、 前記エピタキシャル層の前記不純物の濃度は、該エピタ
    キシャル層表面から所定の深さまで一定であり、該所定
    の深さから前記一導電型半導体層に向かって徐々に大き
    くなることを特徴とするショットキー接合形成用半導体
    基板。
  2. 【請求項2】 前記エピタキシャル層の不純物濃度は、
    前記一導電型半導体層の近傍では、該一導電型半導体層
    に向かって急激に大きくなることを特徴とする請求項1
    に記載のショットキー接合形成用半導体基板。
  3. 【請求項3】 一導電型半導体層上に特定の不純物を含
    有するエピタキシャル層が形成され、該エピタキシャル
    層表面に金属層が設けられたショットキー接合構造を有
    する半導体素子において、 前記エピタキシャル層の前記不純物の濃度は、前記表面
    から所定の深さまで一定であり、該所定の深さから前記
    一導電型半導体層に向かって徐々に大きくなることを特
    徴とする半導体素子。
  4. 【請求項4】 前記エピタキシャル層の不純物濃度は、
    前記一導電型半導体層の近傍では、該一導電型半導体層
    に向かって急激に大きくなることを特徴とする請求項3
    に記載の半導体素子。
  5. 【請求項5】 前記一導電型半導体層主面の結晶軸が
    〈100〉面であることを特徴とする請求項3または4
    に記載の半導体素子。
  6. 【請求項6】 前記一定の濃度は、下記式(1)より求
    められるND値よりも小さいことを特徴とする請求項3
    〜5のいずれかに記載の半導体素子。 【数1】 (上記式(1)において、Vbiは内蔵電位、εsはエピ
    タキシャル層の誘電率、qは電気素量、VRは逆方向電
    圧、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Emはショッ
    トキー接合界面の電界強度を示す。)
  7. 【請求項7】 横軸および縦軸のいずれか一方により前
    記エピタキシャル層の深さを示し、他方により電界強度
    を示すグラフを作成した際に、 所定の逆方向電圧を印加して得られるエピタキシャル層
    の電界強度のグラフと前記横軸および前記縦軸によって
    囲まれる面積は、エピタキシャル層の不純物の濃度を前
    記式(1)より求められるND値で一定とした場合に、
    同様に得られる面積とほぼ等しく、 かつ、エピタキシャル層表面部における電界強度は、エ
    ピタキシャル層の不純物の濃度を前記式(1)より求め
    られるND値で一定とした場合に、同様に得られる電界
    強度よりも低くなることを特徴とする請求項6に記載の
    半導体素子。
  8. 【請求項8】 請求項3〜7のいずれかに記載の半導体
    素子であることを特徴とするショットキーバリアダイオ
    ード。
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