JP2000261905A - 発電型電気自動車の電池制御方法 - Google Patents

発電型電気自動車の電池制御方法

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JP2000261905A
JP2000261905A JP11059309A JP5930999A JP2000261905A JP 2000261905 A JP2000261905 A JP 2000261905A JP 11059309 A JP11059309 A JP 11059309A JP 5930999 A JP5930999 A JP 5930999A JP 2000261905 A JP2000261905 A JP 2000261905A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】精度及び使い勝手が優れた発電型電気自動車の
電池制御方法を提供すること。 【解決手段】基準状態電池電圧が常用最小電圧値Vpを
超えて低下した場合に、常用最大電圧値Vq近傍まで充
電し、その後、目標電圧値Vc近傍まで放電する操作を
行う。このようにすれば、目標電圧値Vcとそれに対応
する目標容量値とで規定される目標座標点に対する、目
標電圧値Vcに一致する基準状態電池電圧とそれに実際
に対応する実際の容量値との間の容量ずれを良好に縮小
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエンジンと
充放電可能な電池によって駆動する電気モータを組み合
わせたハイブリッド自動車のように発電手段を搭載する
発電型電気自動車における電池制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃費向上等の目的のため、エンジ
ンと電池によって駆動するモータとを装備するHV(ハ
イブリッド)自動車が注目を集めている。HV自動車に
搭載される電池は、主に、加速時等の高負荷運転時には
電池から放電され、減速時や一定速度走行等の低負荷運
転時には電池が充電される。このような電池の充放電を
安定に行うにはSOC(State Of Charg
e/充電状態)を所定の一定値でバランスさせることが
必要であるため、SOCの検出は電池制御において不可
欠の技術となっている。
【0003】電池のSOC(又は残存容量)を検出する
方法としては、充放電電流の積算による方法(以下、電
流積算方式ともいう)や、電池電圧に基づいてSOCを
推定する方法(以下、電圧推定方式ともいう)が知られ
ている。特開平10ー51906号公報は、中SOC領
域において電圧変化が小さいことに鑑み、SOCの常用
(許容)上限値或いは常用(許容)下限値における電流
・電圧マップだけを予め記憶しておき、検出した電流・
電圧をこのマップに入れてSOCを推定し、推定SOC
があらかじめ設定されているSOCの常用上限値に達し
たら電池を放電する。その後、推定SOCがあらかじめ
設定されているSOCの常用下限値に達したら電池を充
電する充放電サイクルを強制的に繰り返す電池制御を提
案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電流積算方
式は、電池の充放電電流を逐次検出してこれをSOCの
初期値に無限に累算(積算)する方法であるため、次第
に積算処理誤差が累積してしまい、正確な検出値が得ら
れいくいという問題があった。一方、電圧推定方式は、
上記累積誤差をもたないものの、たとえばニッケル水素
合金電池のように充電分極作用が大きく、電池電圧とS
OCとの関係がその充放電履歴により大きく変化してし
まうタイプの電池(大ヒステリシス電池ともいう)で
は、電池電圧とSOCとの関係、あるいは電池電圧と電
流と容量との関係をマップとしてあらかじめ記憶してい
ても、充放電履歴が異なるため、電圧データ又は電圧・
電流データをこのマップに入れて容量を推定しても、期
待した精度が得られないという問題があった。
【0005】更に、上記従来公報では、電圧−容量特性
の傾斜が大きく、比較的高精度に検出可能な高SOC値
の場合と低SOC値の場合とで電圧・電流データに基づ
いてSOC(容量)検出を行い、その結果に基づいて、
電池状態を高SOC値と低SOC値との間を強制的に往
復させねばならないため、低SOC値側に強制シフトさ
せた場合には必要な電力が電池から得られにくくなり、
高SOC値側に強制シフトさせた場合には回生電力を電
池に貯蔵しにくくなり、電池の使い勝手が悪化し、走行
機能の低下や燃費の悪化が問題となる。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、精度及び使い勝手が優れた発電型電気自動車の電
池制御方法を提供することをその目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の各請求項記載の構成によれば、精度及び使い勝手が優
れた発電型電気自動車の電池制御方法を実現することが
できる。なお、これらの各請求項記載の発電型電気自動
車の電池制御方法の共通の特徴部分について以下に説明
する。
【0008】第一に、測定した電池の測定電圧値及び測
定電流値に基づいて所定の基準電流値または所定の基準
電力値における電池電圧である基準状態電池電圧を演算
し、演算した基準状態電池電圧が所定の目標電圧値Vc
となるように電池の充放電を制御する。更に詳しく説明
すると、電気自動車の電池(走行電力蓄電用電池)では
充放電電流状態あるいは充放電電力状態は刻々と変化す
る使用モードをもつ。一方、電池電圧は、電池の内部抵
抗の影響によりその電流の大きさによって変動する。し
たがって、単に電池電圧と容量とのマップに測定した電
池電圧データを導入するだけでは正確な容量推定が困難
である。そこで、電池電圧と電流と容量とのマップを記
憶し、これに電池電圧データと電流データとを導入して
容量を推定することが考えられるが、この場合には、三
次元マップを記憶しなければならずメモリの大規模化を
招く。
【0009】また、ニッケル水素電池のような大ヒステ
リシス電池では充電分極作用などの影響によりSOCと
電池電圧との関係が一概に決定できない。この問題を解
決するために、本発明では、得られた電池電圧データと
電流データを一度、基準電流状態又は基準電力状態にお
ける電池電圧データである基準状態電池電圧に換算す
る。そして、この基準電流値または基準電力値における
常用容量範囲に対応する所定の目標電圧値Vcを設定し
ておく。
【0010】このようにすれば、大規模メモリを必要と
することなく、この基準状態電池電圧と目標電圧値Vc
との差を解消するように充放電することにより、電流変
動にかかわらず、電池の容量を常にこの目標電圧値Vc
に対応する容量範囲に保持することができる。第二に、
電池の略満充電状態からの放電時の容量ー電圧特性を示
す放電時最小電圧特性線上の常用最小容量値P、電池の
略完全放電状態からの充電時の容量ー電圧特性を示す充
電時最大電圧特性線上の常用最大容量値Qを設定し、Q
からPに至らない放電又はPからQに至らない充電を行
うので、電池の容量状態(基準状態電池電圧−容量平面
上の座標点)を常用最大容量値Qと常用最小容量値Pと
の間の常用容量範囲に入れることができる。なお、上記
の前に容量状態をP又はQ点にセットするには、電池の
略満充電状態から放電させるか、略完全放電状態から充
電すればよい。
【0011】第三に、電池の電圧(基準状態電池電圧)
を、P及びQに対応する常用最大電圧値Vq及び常用最
小電圧値Vpの間の所定の目標電圧値Vcに収束するよ
うに充放電制御を行う。このようにすれば、基準状態電
池電圧が目標電圧値Vcに一致した時点において、目標
電圧値Vcに対応する目標容量値と実際の容量との差を
非常に小さくすることができる。更に、基準状態電池電
圧が常用最大電圧値Vq及び常用最小電圧値Vpの範囲
内となるように充放電制御することにより、実際の容量
が範囲PーQ内から逸脱することを防止することができ
る。
【0012】なお、基準状態電池電圧が常用最大電圧値
Vq及び常用最小電圧値Vpの範囲内となるように運転
する代わりに、電流積算などの方法で算出した算出容量
を、常用最大電圧値Vqに相当する常用最大容量値Q及
び常用最小電圧値Vpに相当する常用最小容量値Pの範
囲内に維持する充放電制御を行う場合でも、実際の容量
が範囲PーQ内から逸脱することを防止することができ
る。
【0013】したがって、充放電履歴による電池電圧と
容量との関係の変動を低減して、容量を簡単かつ精度よ
く上記PーQの範囲内に維持して、過充電や過放電を回
避することができる。更に詳しく説明する。電気自動車
の電池(走行電力蓄電用電池)では充放電電流状態ある
いは充放電電力状態は刻々と変化する使用モードをも
つ。一方、電池電圧は、ニッケル水素電池のような大ヒ
ステリシス電池では充電分極作用などの影響により放電
電圧と充電電圧とが異なるとともに、放電電圧ー容量特
性及び充電電圧ー容量特性が大きく変動する。充電分極
の大きさは、過去の充放電履歴に依存するので、結局、
電池電圧は、電流のみならず過去の充放電履歴(過去の
充放電電流または充放電電力の変動実績)に大きく影響
される。
【0014】この問題に対し、本発明者らは多数の実験
の結果、次の知見を得た。基準電流または基準電力の充
放電状態(すなわち、電流変動による電池電圧降下の変
動の影響を無視できる充放電状態)では、基準状態電池
電圧(電池電圧)に対する容量のばらつきは、後述する
ように所定範囲に収束させることができる。
【0015】この容量のばらつきの収束を実現するに
は、略満充電状態(ここでは95%以上の容量状態をい
う)からの放電時の容量ー電圧特性(放電時最小電圧特
性線)上の常用最小容量値Pと、電池の略完全放電状態
(ここでは5%未満の容量状態をいう)からの充電時の
容量ー電圧特性(充電時最大電圧特性線)上の所定の常
用最大容量値Qとの間で充放電を行えばよい。具体的な
制御としてはたとえば、基準状態電池電圧を、P、Qに
個別に対応する常用最大電圧値Vq及び常用最小電圧値
Vpの間に保持する電圧制御を行う。なお、充放電履歴
の開始は、上記略満充電状態乃至上記略完全放電状態か
ら行う。
【0016】このようにすれば、充放電状態の変動の繰
り返しにかかわらず、容量を常用最小容量値P及び常用
最大容量値Qの間に維持することができる。これは、大
ヒステリシス電池においても、基準状態電池電圧とそれ
に対応する容量は、常用最小容量値Pとそれに放電時最
小電圧特性線上で対応する常用最小電圧値Vpとで決定
される座標点と、常用最大容量値Qとそれに充電時最大
電圧特性線上で対応する常用最大電圧値Vqとで決定さ
れる座標点とを両先端とする三日月形状の領域内に存在
するという知見に基づくものである。
【0017】請求項1記載の構成によれば更に、基準状
態電池電圧が常用最小電圧値Vpを超えて低下した場合
に、常用最大電圧値Vq近傍まで充電し、その後、目標
電圧値Vc近傍まで放電する操作を行う。このようにす
れば、目標電圧値Vcとそれに対応する目標容量値とで
規定される目標座標点に対する、目標電圧値Vcに一致
する基準状態電池電圧とそれに実際に対応する実際の容
量値との間の容量ずれを良好に縮小することができる。
【0018】請求項2記載の構成は、上述した請求項1
の発明と超過充電からの回復処理だけが異なる。すなわ
ち、基準状態電池電圧が常用最小電圧値Vpを超えて低
下した後、所定の条件を満足する場合に、満充電(容量
95%以上)、好ましくは均等充電を行い、更にその
後、放電を行うことで電池の容量を常用最小電圧値Vp
近傍に復帰させ、その後、常用最小容量値Pから常用最
大容量値Qに至らない所定量の充電を行って電池の容量
を常用最大容量値Qと常用最小容量値Pとの間の常用容
量範囲に入れる。
【0019】すなわち、この態様では常用範囲を逸脱し
た後の好適な時点で満充電を行って、再度、電池の基準
状態電池電圧−容量平面上の動作点(座標点)を、放電
時最小電圧特性線上の常用最小容量値Pに復帰させるこ
とができるので、その後、この容量範囲PーQに対応す
る電圧範囲で運用することにより、容量ずれの解消を図
ることができる。
【0020】請求項3記載の構成によれば請求項2記載
の発電型電気自動車の電池制御方法において更に、この
満充電は、均等充電(所定基準状態電池電圧に達した
後、小電流値で所定時間充電する充電方式をいう)によ
り完全な満充電まで行われるので、その後の放電により
動作点を正確に最小電圧特性線上のP点に復帰させ、そ
の後の充電により正確に目標点に復帰させることができ
る。
【0021】請求項3記載の構成によれば、電池電圧が
常用最小電圧値を所定量超えて超過放電した場合に、常
用最大電圧値Vqからこの所定量を超えない範囲まで超
過充電し、その後、目標電圧値Vcまで放電する操作を
行う。このようにすると、基準状態電池電圧が目標電圧
値Vcに一致する場合の容量を、この目標電圧値Vcに
対応する目標容量値に良好に復帰させることができる。
【0022】請求項5記載の構成によれば請求項1乃至
4のいずれか記載の発電型電気自動車の電池制御方法に
おいて更に、電池はニッケル水素電池とする。このよう
にすれば、大ヒステリシス特性を有するニッケル水素電
池を精度よく所定の常用容量範囲で運用することができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施態様を以下の
実施例を参照して説明する。なお、発電型電気自動車と
しては、上述のハイブリッド車の他、燃料電池及びその
発電電力と負荷の要求電力とのアンバランスを吸収する
電池とをもつ燃料電池車などがある。
【0024】
【実施例】本発明の電池制御方法を用いたパラレルハイ
ブリッド自動車の構成例を図1に示す。11はエンジ
ン、12はエンジン11の駆動力の一部で発電する交流
形式の発電機、13は発電機12から出力される交流電
力を直流電力に変換するインバータ、14はニッケル水
素電池で構成した組み電池からなる電池装置(単に電池
ともいう)である。エンジン11の出力は、トルク分配
機15、ギヤ17を介して、車輪18に伝えられる。イ
ンバータ13は、発電機12及び電池14から給電され
てモータ16を駆動し、あるいはモータ16で回生され
た電力で電池14を充電する。
【0025】図2は、図1に示したハイブリッド車の電
池14を示すブロック図である。電池14において、2
1は電池パック、22は互いに直列接続されて電池パッ
ク22を構成する多数の電池モジュール、23は温度セ
ンサ、24は各電池モジュール22の電圧を検出する検
出回路、25は温度検出回路、26は電流検出回路、2
7は、電圧検出回路24、温度検出回路25、電流検出
回路26からの信号に基づいて電池14の容量を検出す
るための電池制御マイコン(電池コントローラともい
う)である。28は、電池14からのSOC信号などに
基づいて電池パック21の充放電を実際に制御する車両
コントローラであり、車両コントローラ28は、電池制
御マイコン27や車両各部からの入力情報に基づいて、
エンジン11、発電機12、インバータ16を制御す
る。
【0026】この実施例で用いたニッケル水素電池(単
セル)の車両実走行時の電圧−電流特性を図3に示す。
図3中、特性線Lは、所定の定電力(電圧×電流=一
定)曲線で、この実施例では、このハイブリッド自動車
システムにおける電池パック21の最大放電電力値を電
池1セル当たりに換算して示したものである。
【0027】図3中、破線31は電池容量が満充電状態
である場合の電流、電圧特性であり、破線32は、電池
容量が、最大放電電力値で放電する場合に電池電圧が最
低動作保障電圧V_minに達する値である場合の電
流、電圧特性を示す。このように電流、電圧特性は満充
電付近では特性31に示すように電圧が高く、電池容量
が低下すると特性32のように電圧が低下する。
【0028】ここで、特性31では電流=0Aの座標点
が容量P_max’、電圧V_max’の点で、特性3
2では電流=0Aの座標点が容量P_min’,電圧V
_min’の点である。このように、走行中の電流、電
圧特性を測定し、予め定めた定電流値(例えば電流=0
A)となるように電圧値を換算してこれを基準状態電池
電圧とし、これらの容量値と基準状態電池電圧値とを用
いれば、電流変化における電圧変動の影響を取り除くこ
とができる。
【0029】或いは、満充電付近の電流、電圧特性31
では、所定の定電力放電時(ここでは最大放電電力値
時)の点がP_max、電圧V_maxで、特性32で
は上記定電力放電時の点がP_min,電圧V_min
の点である。このように、走行中の電流、電圧特性を測
定し、予め定めた定電力値となるように電圧値を換算し
てこれを基準状態電池電圧とし、これらの容量値と基準
状態電池電圧値とを用いれば、電力変化における電圧変
動の影響を取り除くことができる。
【0030】このようにして、所定の定電力時(あるい
は定電流時)における基準状態電池電圧と容量との関係
を求めることができる。定電力放電時(ここでは最大放
電電力値時)の基準状態電池電圧と容量との関係を図4
に示し、定電流時の一例として電流=0A時の基準状態
電池電圧(開放電圧)と容量との関係を図5に示す。両
者はほとんど同じであるので、以下、図4の場合につい
て説明する。
【0031】図4において、41はSOC100%の状
態から放電傾向にあるときに測定した電圧特性(放電時
最小電圧特性線)、42は完全放電に近い状態から充電
傾向にあるときに測定した電圧特性(充電時最大電圧特
性線)である。41と42の特性は大きくずれており、
放電傾向と充電傾向の特性には大きなヒステリシスが生
じることがわかる。
【0032】また、43はSOC80%の座標P_Hi
(常用最大容量値Q)点からSOC40%の座標P_L
o(常用最小容量値P)点まで放電したときの電圧特性
線、44はSOC40%の座標P_Lo点からSOC8
0%の座標P_Hi点まで充電したときの電圧特性線で
ある。電圧特性線43と44の特性で囲まれたヒステリ
シスは、電圧特性線41と42に囲まれたヒステリシス
に対して、格段に小さくなっていることがわかる。な
お、座標P_Hi点の電圧はV_Hi(常用最大電圧値
Vq),座標P_Lo点の電圧はV_Lo(常用最小電
圧値Vp)である。
【0033】更に説明すると、SOC80%の座標P_
Hi点は、略完全放電状態からの充電時の容量ー電圧特
性を示す充電時最大電圧特性線42上でSOC80%の
点と略みなすことができ、したがって、略完全放電状態
からSOC80%まで(又はV_Hiまで)充電するこ
とにより達することができる。同様に、SOC40%の
座標P_Lo点は、略満充電状態からの放電時の容量ー
電圧特性を示す放電時最小電圧特性線43上でSOC4
0%の点と略みなすことができ、したがって、略満充電
状態からSOC40%まで(又はV_Loまで)放電す
ることにより達することができる。
【0034】図4において、43は、座標P_Hi点か
ら放電する場合の基準状態電池電圧の変化を示す線(常
用最小電圧特性線)であり、44は、座標P_Lo点か
ら充放電する場合の基準状態電池電圧の変化を示す線
(常用最大電圧特性線)である。したがって、一度、座
標P_Hi点又は座標P_Lo点に達した後、容量40
〜80%またはそれに相当する基準状態電池電圧V_H
i又はV_Loの間で電池の充放電(以下、標準充放電
ともいう)を行う場合には、電池の基準状態電池電圧と
容量との関係は、図3の斜線内にあることがわかる。
【0035】次に、本発明でいう目標電圧値Vc又は参
照電圧値として、上記斜線領域のほぼ中心点として、容
量60%、基準状態電池電圧(単に電池電圧ともいう)
VMの点を設定する。したがって、標準充放電を行って
いれば、電池電圧がVMであるということは、過去の充
放電履歴にかかわらず、VMと常用最小電圧特性線43
との交点の容量値約55%から、VMと常用最大電圧特
性線44との交点の容量値約65%まで容量の変動幅は
10%に限定できることがわかる。
【0036】図5においても同様であり、上記VMに対
応するVM’を適当にとれば、電流=0Aの時の電圧が
VM’であれば、過去の充放電履歴にかかわらず、容量
変動幅を約55%から約65%までと推定できることが
わかる。次に図4における特性線43、44内の充放電
特性(基準状態電池電圧ー容量特性)について、更に詳
細に調べた結果を図6に示す。
【0037】61は、座標P_Hi点から放電する場合
の常用最小電圧特性線43上の所定点P1からP2まで
充電する場合の特性線、62は、P2からP3まで放電
する場合の特性線である。図6から、座標P1から充電
傾向で容量が推移する場合の特性線61は座標P_Hi
点に収束すること。更に言えば、特性線43上の任意の
点から充電する場合は座標P_Hi点に収束することが
わかる。一方、座標P2から放電傾向で容量が推移する
場合の特性線62は座標P1に収束することがわかる。
【0038】すなわち、特性線43と44とで囲まれる
常用領域内の所定点からの放電は、それ以前の上記所定
点までの充電における充電開始点が特性線43上にあれ
ばそこに向かうことがわかる。同様に、特性線43と4
4とで囲まれる常用領域内の所定点からの充電は、それ
以前の上記所定点までの放電における放電開始点が特性
線44上にあればそこに向かうことがわかる。
【0039】すなわち、この常用領域内では、ある状態
から一旦放電、或いは充電した後、SOCを基に戻そう
とすると、電圧も元の値に戻ろうとすることがわかる。
これは、ニッケル水素電池に限らず、充電可能な2次電
池全てに共通する特徴で、分極現象と呼ばれている。こ
こで、特性線43上で電圧VM時の容量値をSOC1、
特性線44上で電圧VM時の容量値をSOC2とする。
電圧VMは、目標電圧値Vcとして、容量60%を中心
にSOC1とSOC2がプラスマイナス均等になるよう
に定める。
【0040】この状態で、いま座標P_Hi点から走行
を開始した場合を想定する。ハイブリッド自動車の走行
中に定電力放電時の電池電圧(基準状態電池電圧)がV
Mになるように発電機12をコントロ−ルすると、座標
P_Hi点は特性43上を推移し、SOCは80%から
特性43が電圧VMと交わるSOC1に推移して安定す
ることが、図6からわかる。
【0041】その後、運転者が電池容量を消費するよう
な走行を行い、例えば座標P1点のSOCまで到達する
場合には、今度は特性線61上を電圧VMまで電圧が回
復するため、ほぼSOCは60%で安定することがわか
る。即ち、容量の変動範囲をSOC80%〜40%に限
定(又は電池電圧をV_Hi〜V_Loに限定)して、
電池特性のヒステリシスを小さくすることで、少なくと
もSOC1からSOC2の範囲でSOCが維持される。
更に、充放電を繰り返すと、容量は徐々に目標電圧値V
c(VM)に対応する目標容量値(SOC60%)に収
束される。
【0042】なお、電池のヒステリシス特性が小さい鉛
電池等は、電池容量の使用範囲を限定することなく目標
とする容量を維持することが可能である。また、電圧V
Mは電池容量を維持したい容量に対して設定すること
で、維持する容量を本実施例の60%ではなく任意の容
量に変更することが可能である。 (過放電からの回復処理例1)次に図6において、常用
最小電圧特性線43及び常用最大電圧特性線44で囲ま
れる三日月状の常用範囲から放電側に逸脱した場合につ
いて、図7を参照して説明する。
【0043】いま、動作点(座標)は、SOC1(80
%)とSOC2(40%)の間で、かつ、座標Q(P_
Hi)点、目標点(目標容量値(60%)、目標電圧値
Vc(1.1V))、座標P’点を結ぶ放電特性線45
上にあるとする。この状態で車両要求により放電がB点
まで進行し、その後、車両走行負荷の減少により電池充
電が可能となったとする。すると、電池はB点からB’
点を通ってQ点(厳密にはQ点より少し小さい値となる
がほぼQ点とみなせる)に至る充電特性線46上をたど
って復帰する。したがって、その後、ほぼQ点から放電
させることにより、再び目標点C’に復帰させることが
できる。
【0044】すなわち、常用範囲よりも過放電した場合
には、単に目標電圧値Vcまで充電するだけでは容量は
B’点となり、不足する。そこで、この実施例では、常
用範囲よりも過放電した場合には、単に目標電圧値Vc
まで充電するだけではなく、常用最大容量値Q(または
それに相当する常用最大電圧値Vq)近傍まで復帰させ
た後、目標電圧値Vcまで放電させる。このようにすれ
ば、基準状態電池電圧Vが目標電圧値Vcとなる場合の
動作点を目標点C’近傍に良好に復帰させることができ
る。
【0045】上記過放電からの回復処理例1を含む具体
的な充放電制御の一例を以下に説明する。まず、検出し
た電圧データと電流データとのペアから定電力時の基準
状態電池電圧(又は定電流時の基準状態電池電圧)を算
出する。なお、電圧データは各セルごとに検出すること
が好ましいが直列に接続される複数のセルの電圧を検出
する場合はそれを1セル当たりの値に補正する。
【0046】次に、動作点を特性線43又は44上に上
述の方法(満充電状態からの放電又は完全放電状態から
の充電)でもってきた後、電池電圧がV_Hi〜V_L
oの範囲を逸脱しないようにその充放電を制御する。具
体的には、電池電圧V_Hiに達したら充電を禁止し、
電池電圧がV_Loに達したら放電を禁止する。これと
は別に電流の積算によって仮のSOCを算出しておく。
次に、前記比較結果に基づきSOCを補正する。
【0047】このSOC補正について更に詳しく説明す
ると、電流積算により求めた容量が目標容量値60%に
達した場合に、基準状態電池電圧と目標電圧値Vcとし
てのVMとの差を求め、この差が0になるまで補償充放
電としての充電又は放電を行う。なお、この差は電流積
算誤差とみなせるので、電流積算容量の値に累算しな
い。
【0048】このようにすれば、その後、次に、電流積
算により求めた容量が目標容量値60%に達するまで、
積算誤差なしに電流積算容量を用いて容量推定し、この
電流積算容量と目標容量値との差に基づいて、この差を
解消するように充放電制御することにより、容量を目標
容量値に収束させることができる。なお、上述した電池
電圧がV_Hi〜V_Loの範囲を逸脱しないようにそ
の充放電を制御する代わりに、電流積算容量がP_Hi
〜P_Loの範囲を逸脱しないように充放電制御しても
よい。
【0049】(過放電からの回復処理例2)上述した
(過放電からの回復処理例1)を実施すると、目標電圧
値VcにおいてたとえばC’点に復帰させることができ
る。しかしながら、この後、常用最大電圧値Vqと常用
最小電圧値Vpとの間で目標電圧値Vcに収束させつつ
電池を運転する場合、電池の動作点は、Q、O、P、
O’、Qを結ぶ以前の範囲内から、Q、C’、P’、
B、Qを結ぶ範囲内にシフトする。すなわち、基準状態
電池電圧Vが目標電圧値Vcに一致する場合の容量範囲
はO〜O’から、C’〜Bにシフトしてしまう。
【0050】そこで、本実施態様では、このシフトを解
消するために、車両状態がそれを許す時間帯を検出して
この時間帯に自動的又は定期的に均等充電を行い、その
後、放電により基準状態電池電圧VをP点(常用最小電
圧値Vp)に復帰させ、その後、充電により目標電圧値
Vcに復帰させる。これにより、上記シフトを解消する
ことができる。特に、この実施態様では、常用範囲から
放電側に逸脱する場合に限り、その後、車両状況が許す
場合に均等充電するので、車両走行に支障が生じないと
いう利点がある。なお、均等充電を簡略化して単なる満
充放電処理としてもよく、あるいは、通常は満充電処理
を行い、時々、均等充電処理を行ってもよい。
【0051】(過放電からの回復処理例3)上述した
(過放電からの回復処理例1)の欠点は、座標Pが座標
P’にシフトするために、常用最小電圧特性線が43か
ら45に、常用最大電圧特性線が44から47にシフト
し、その結果、目標電圧値Vcにおける容量幅が低容量
側にシフトしてしまう点にある。上述した(過放電から
の回復処理例2)を実施してそれを解消することもでき
るが、便宜的に、次の方法によってもシフトを低減ない
し解消することができる。
【0052】図7において、上記放電側シフトは、常用
範囲を超えた過大な放電に起因することは明らかであ
る。そこで、この実施態様では、たとえばB点から充電
復帰する場合に、この常用範囲からの超過放電量(容量
B(20%)と常用最小容量値P(40%)との差)よ
りも小さい所定量(超過充電量)だけ常用最大容量値Q
より超過充電する。このようにすれば、直前の上記超過
放電による動作点左シフトの影響を、直後の上記超過充
電による動作点右シフトの影響である程度キャンセルす
ることができる。
【0053】したがって、このようにすれば、動作点を
良好に上記過放電前の位置に復帰させることができ、目
標電圧値Vcにおける容量ばらつきをO、O’の範囲内
に近づけることができる。 (過放電からの回復処理例4)更に、上述した(過放電
からの回復処理例3)で、上記超過充電して到達したS
OC1を超える動作点から、再度SOC2未満となる超
過放電を行う。ただし、今度の超過放電量(超過放電に
より到達した容量値とSOC2との差)は直前の超過充
電量(超過充電により到達した容量値とSOC1との
差)より小さくする。このようにすれば、更に、動作点
を更に良好に上記過放電前の位置に復帰させることがで
き、目標電圧値Vcにおける容量ばらつきをO、O’の
範囲内に近づけることができる。
【0054】更に、この方式の一態様として、臨時の目
標SOC値を本来の目標容量値60%の両側に交互にス
イングし、かつ目標容量値に次第に近づけていくことが
できる。上記方式は、磁気ヒステリシスを有する磁性膜
の残留磁化を解消する交流消磁と同じ方式である。な
お、上記各回復処理例においての所定容量までの充電動
作や放電動作は、それらに対応する基準状態電池電圧に
基づいて行うことができるが、その他、電流積算容量に
基づいて行うこともできる。
【0055】次に、上述の充放電制御例の更に具体的な
制御操作をフローチャートを参照して以下に説明する。
まず、車両コントローラ28の充放電制御を図8を参照
して簡単に説明する。車両コントローラ28は、走行状
態及び操作状態に基づいて算出した車両負荷と、電池コ
ントローラ27から受信したSOC信号(電池の現在容
量を示す信号)との合計値とエンジン11の出力とが一
致するように、エンジン11を制御する原動機コントロ
ーラ(図示せず)に指令する制御を行う。ハイブリッド
車におけるこの制御自体はこの実施例の要旨ではないの
でこれ以上の説明は省略する。
【0056】車両コントローラ28による、電池14の
充放電制御に関する部分の具体的な制御を図8に示す。
ステップ1000では電池コントローラ27からSOC
を読み込み、ステップ1002では読み込んだSOCと
あらかじめ目標とする目標SOCとの差を求めて、これ
を電池要求電力値とする。
【0057】ステップ1004では、算出した電池要求
電力値にあらかじめ算出した走行負荷電力を加算して合
計負荷電力とし、エンジン出力要求値をこの合計負荷電
力に一致させる。また、車両コントローラ28はエンジ
ン出力と走行負荷電力との差を算出してその差だけ、発
電機12又はモータ16を駆動する制御を行うが、この
制御もこの実施例の要旨ではないので、説明を省略す
る。
【0058】次に、電池コントローラ27におけるSO
C決定動作について図9を参照して以下に説明する。な
お、過去において、動作点は以前に特性線43上、又は
44上へ上述の方法で設定された後、電池電圧がV_H
i〜V_Loの範囲を逸脱しないようにその充放電を制
御されることにより、特性線43と44との間にあるも
のとする。
【0059】図9では、まず、ステップ901で走行中
の電圧VB、電流IB、温度TBを検出し、電圧VBと
電流IBの複数ペアを基に最小2乗法によって内部抵抗
Rkを算出し、それを基に基準状態電池電圧として所定
電力放電時の電圧(基準状態電池電圧)VBwを算出す
る(ステップ902)。 VB0=VB+Rk×IB VBw={VB0+(VB02 −4×Rk×α)0.5
×0.5 なお、αは用いた定電力(ここでは21kW)である。
【0060】次に、ステップ903によって電流積算法
により算出し、ステップ904によって算出したSOC
が常用最小容量値Pである40%をより小さい状態(超
過放電状態ともいう)かどうか、又は現在、過去の上記
超過放電状態からの回復処理中(この実施例では後述す
るフラグF1又はF2の少なくともどちらかが1である
状態)かどうかを調べ、そうでなければステップ907
に進み、そうであればステップ906に進む。なお、電
流積算方式ではなく、基準状態電池電圧VBwに基づい
て予め記憶するマップに基づいて容量を推定してもよ
い。
【0061】これは、常用最小容量値Pを超えない限
り、推定容量がばらついても大きな問題とはならず、か
つ、推定容量が常用最小容量値Pを超えて低下する超過
放電時には、基準状態電池電圧VBwに対する容量ばら
つきが格段に小さくなるので、少なくとも超過放電は基
準状態電池電圧VBwにより過去の充放電履歴にかかわ
らず実用上ほぼ正確に検出できるからである。更に、図
7からわかるように、常用最小容量値Pよりも放電する
場合には容量変化に対する基準状態電池電圧VBwの変
化が大きく、感度がよいという利点もある。
【0062】ステップ906では、上記超過放電状態か
らの回復処理を行う。この回復処理の一例を図10を参
照して以下に説明する。まず、ステップ9060にて、
フラグF1が0かどうかを調べる。このフラグF1が1
であるということは、超過放電状態(たとえば図7のB
点)から充電特性線46をたどって略Q点まで充電中で
あることを示すフラグである。
【0063】フラグF1が1であればステップ9063
に進み、0であればステップ9061に進み、目標容量
値を80%にシフトする。次の、ステップ9062にて
フラグF1を1にセットする。次に、ステップ9063
にて、ステップ903で算出したSOCが常用最大容量
値Qである80%に達したかどうかを調べ、達していな
ければステップ907へ進み、達したら、特性線46を
たどって略Q点に既に到達したと判断してステップ90
64にてフラグF1を0にリセットする。
【0064】次に、フラグF2が0かどうかを調べる
(ステップ9065)。このフラグF2が1であるとい
うことは、略Q点から放電特性線45上をたどってC’
点に達するまでの間の放電中であることを意味する。フ
ラグF2が1であればステップ9068へ進み、0であ
れば目標SOC(目標容量値)を60%に復帰させ(ス
テップ9066)、フラグF2を1にセットし(ステッ
プ9067)、ステップ9068へ進む。
【0065】ステップ9068では、上記放電によりス
テップ903で算出したSOCが60%に達したかどう
かを判断し、達しなければステップ907へ進み、達し
たらフラグF2を0にリセットしてステップ903に進
む。なお、上記実施例では、ステップ903にて積算し
た容量値により動作点を判定したが、基準状態電池電圧
でそれを判定してもよいことはもちろんである。たとえ
ば、略Q点に達したかどうかは基準状態電池電圧VBw
とVqとの一致で判定でき、C’点に達したかどうかは
基準状態電池電圧VBwとVMとの一致で判定できる。
【0066】このように制御すれば、図7のB点から略
Q点をたどってC’点に動作点をシフトさせることがで
きる。これに対し、B点から単に目標電圧値Vc=VM
まで充電するだけでは容量はB’となり、その後、基準
状態電池電圧をVp〜Vq間で制御する場合、基準状態
電池電圧が目標電圧値Vc=VMである場合の実際の容
量のばらつきはC’〜B’となってしまう。
【0067】ステップ907では、演算された上記SO
C及び目標SOCを発電機12等を制御している車両コ
ントローラ28に実際に出力する。ステップ908で
は、SOCが上限80%と下限40%の範囲かどうかを
監視する。このサブルーチンを図11、図12を参照し
て以下に説明する。図11において、ステップ1001
では、求めたSOCが80%を超えた場合を判別し、ス
テップ1002によってそれ以上の充電を禁止する充電
制限指令をコントローラ12に出力する。なお、ステッ
プ9061〜9063の処理が行われている場合(F1
=1)の場合はこの限りではない。ステップ1003で
は、求めたSOCが40%を下回った場合を判別し、ス
テップ1004によって回復処理をするための回復処理
指令をコントローラ12に出力する。
【0068】他の方法として図12に示すように、基準
状態電池電圧によりSOCの上限、下限を監視してもよ
い。詳しく説明すると、ステップ1101で定電力放電
時の基準状態電池電圧VBwがSOC80%の電圧に相
当するV_Hiを越えた場合、ステップ1102によっ
てそれ以上の充電を防止するために充電制限指令を出力
する。なお、ステップ9061〜9063の処理が行わ
れている場合(F1=1)の場合はこの限りではない。
ステップ1103で定電力放電時の基準状態電池電圧V
BwがSOC40%の電圧に相当するV_Loを下回っ
た場合、ステップ1104によって回復処理をするため
の回復処理指令をコントローラ12に出力する。なお、
この場合、定電力放電時の基準状態電池電圧VBoで上
下限を検出するほか、定電流放電時の基準状態電池電圧
(例えば、電流=0A時の電圧)VBoで上下限を検出
しても良い。
【0069】ステップ909では、走行が終了したかど
うかを調べ、終了したらステップ910によって演算の
結果を次回の走行開始時の初期値とするために図示しな
いメモリ等に保存し、一連の制御を終了する。なお、上
述した回復処理では、既に述べたように、基準状態電池
電圧VBwか目標電圧値Vcに一致する場合のSOCの
ばらつき範囲は厳密には初期状態に回復しない。そこ
で、この実施例では、超過放電が発生したらその後、所
定条件で均等充電(または満充電)を行う。この均等充
電開始条件としては、運転者による手動開始でもよい
し、あるいは走行状態を判別して自動的に決定してもよ
い。
【0070】この均等充電による回復処理を図13を参
照して以下に説明する。まず、ステップ2000で均等
充電を開始する。この実施例では、均等充電は満充電電
圧Vq近傍まで充電後、微小電流で所定時間充電を継続
する充電操作を言い、次にステップ2002で均等充電
が完了したかどうかを調べる。均等充電が完了したら、
基準状態電池電圧VBwが常用最小電圧値Vpに達する
まで又は電流積算容量が100%から40%になるまで
放電し(ステップ2004)、次に、基準状態電池電圧
VBwが常用最小電圧値Vpに達するまで又は電流積算
容量が40%から60%になるまで充電し(ステップ2
006)、ルーチンを終了する。
【0071】(変形態様)図9におけるステップ906
の他の実施例を以下に説明する。まず前提となる技術思
想を図7を参照して説明する。たとえばB点まで超過放
電した場合、それからQ点を超える所定の容量値たとえ
ばP’点まで充電する場合を考える。この容量値P’か
ら放電する放電特性線(たとえば48)がO点を通るな
ら、その後、SOC1とSOC2との間で充放電を繰り
返す限り、基準状態電池電圧VBwが目標電圧値Vc=
VMに一致する状態で、容量値のばらつきの上限はO点
となり、容量のばらつきはC’〜Bよりも左にシフトす
ることがわかる。ただし、このP点を超える超過放電が
生じた後に実施するこの超過充電がその前の超過放電よ
り大きければ、後の超過充電の影響野方が大きくなって
しまう。
【0072】前述したように、P点を超えて超過放電す
る場合の特性は最小電圧特性線41上に近接する。した
がって、予め、超過放電量(P点の容量40%を基準)
または到達した最低電圧に対応して、好適な超過充電量
(P点の容量80%を基準)又は到達するべき最高電圧
を、予めマップに記憶しておくものとする。
【0073】図14に示すフローチャートを参照して更
に具体的に説明すると、ステップ3000では、このマ
ップに基づき、算出した超過放電量(P点の容量40%
を基準、図7では20%)または到達した最低電圧(図
7ではB点の基準状態電池電圧VBw)に対応して、好
適な超過充電量(P点の容量80%を基準)又は到達す
るべき最高電圧を読み出し、B点からP’点まで超過充
電する。
【0074】次のステップ3000では、上記超過充電
量(P点の容量80%を基準)又は到達するべき最高電
圧で決定される動作点(ここではP’点)からO点まで
放電し、その後、基準状態電池電圧VBwが目標電圧値
Vc=VM=1.1Vとなるように制御すればよい。あ
るいは、電流積算方式により容量を60%に制御する。
【0075】このようにすれば、より簡単に動作点の復
帰をおこなうことができる。更にこの変形態様によれ
ば、この超過放電を更に超過充電でキャンセルする方式
を発展させて、その後、目標容量値から所定量だけ充電
側又は放電側に離れた容量値へ交互に充放電しつつ、目
標容量値に近づく操作を行うことも可能である。
【0076】このようにすると、磁気ヒステリシス特性
を有する強磁性体の残留磁化を次第に振幅が小さくなる
交流磁界で交流消磁する場合と同じく、残留する分極に
よる充放電ヒステリシスをもつ電池においても、基準状
態電池電圧が目標電圧値Vcに一致する場合の容量を、
この目標電圧値Vcに対応する目標容量値に良好に復帰
させることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池制御方法を用いたパラレルハイブ
リッド自動車の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示したハイブリッド車の電気系統を示す
ブロック図である。
【図3】この実施例で用いたニッケル水素電池(単セ
ル)の車両実走行時の電圧−電流特性を示す図である。
【図4】図3に基づいて作成した定電力状態における電
圧−容量特性を示す図である。
【図5】図3に基づいて作成した定電流状態における電
圧−容量特性を示す図である。
【図6】図4における充放電軌跡を示す定電力状態にお
ける電圧−容量特性を示す図である。
【図7】図4における超過放電及びその後の回復充電軌
跡を示す定電力状態における電圧−容量特性を示す図で
ある。
【図8】この実施例の電池制御方法を示すフローチャー
トである。
【図9】この実施例の電池制御方法を示すフローチャー
トである。
【図10】この実施例の電池制御方法を示すフローチャ
ートである。
【図11】この実施例の電池制御方法を示すフローチャ
ートである。
【図12】この実施例の電池制御方法を示すフローチャ
ートである。
【図13】この実施例の電池制御方法を示すフローチャ
ートである。
【図14】この実施例の電池制御方法を示すフローチャ
ートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01R 31/36 H02J 7/34 D H02J 7/00 B60K 9/00 Z 7/34 (72)発明者 山下 貴史 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 河合 利幸 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 Fターム(参考) 2G016 CA03 CB12 CB13 CB21 CB31 CC01 CC04 CC27 3G093 AA07 AA16 BA14 DB00 DB09 DB19 DB20 EB00 FA07 FA10 FA11 FB05 FB06 5G003 AA07 BA01 CA01 CA11 CB01 DA07 DA12 DA18 FA06 GB06 GC05 5H115 PG04 PI16 PI18 PI24 PI29 PU01 PU26 QN02 SE06 TI01 TI05 TI06 TI10 TU16 TU17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発電手段と、前記発電手段が発電した電力
    を貯蔵するとともに走行モータに給電する電池とを備え
    る電気自動車の電池制御方法において、 測定した電池の測定電圧値及び測定電流値に基づいて所
    定の基準電流値または所定の基準電力値における電池電
    圧である基準状態電池電圧を演算し、 前記電池の略満充電状態からの放電時の容量ー電圧特性
    を示す放電時最小電圧特性線上の所定の常用最小容量値
    Pを設定し、 前記電池の略完全放電状態からの充電時の容量ー電圧特
    性を示す充電時最大電圧特性線上の所定の常用最大容量
    値Qを設定し、 前記常用最大容量値Qからの前記常用最小容量値Pに至
    らない所定量の放電又は前記常用最小容量値Pからの前
    記常用最大容量値Qに至らない所定量の充電を行って前
    記電池の容量を前記常用最大容量値Qと前記常用最小容
    量値Pとの間の常用容量範囲に入れ、 前記基準状態電池電圧を、前記常用最小容量値P及び常
    用最大容量値Qに個別に対応する常用最大電圧値Vq及
    び常用最小電圧値Vpの間の所定の目標電圧値Vcに収
    束するように充放電制御を行い、 前記基準状態電池電圧が前記常用最小電圧値Vpを超え
    て低下した場合に、前記常用最大電圧値Vq近傍まで充
    電し、その後、前記目標電圧値Vc近傍まで放電する操
    作を行うことを特徴とする発電型電気自動車の電池制御
    方法。
  2. 【請求項2】発電手段と、前記発電手段が発電した電力
    を貯蔵するとともに走行モータに給電する電池とを備え
    る電気自動車の電池制御方法において、 測定した電池の測定電圧値及び測定電流値に基づいて所
    定の基準電流値または所定の基準電力値における電池電
    圧である基準状態電池電圧を演算し、 前記電池の略満充電状態からの放電時の容量ー電圧特性
    を示す放電時最小電圧特性線上の所定の常用最小容量値
    Pを設定し、 前記電池の略完全放電状態からの充電時の容量ー電圧特
    性を示す充電時最大電圧特性線上の所定の常用最大容量
    値Qを設定し、 前記常用最大容量値Qからの前記常用最小容量値Pに至
    らない所定量の放電又は前記常用最小容量値Pからの前
    記常用最大容量値Qに至らない所定量の充電を行って前
    記電池の容量を前記常用最大容量値Qと前記常用最小容
    量値Pとの間の常用容量範囲に入れ、 前記基準状態電池電圧を、前記常用最小容量値P及び常
    用最大容量値Qに個別に対応する常用最大電圧値Vq及
    び常用最小電圧値Vpの間の所定の目標電圧値Vcに収
    束するように充放電制御を行い、 前記基準状態電池電圧が前記常用最小電圧値Vpを超え
    て低下した場合に、その後の所定の期間に満充電を行
    い、更にその後、放電を行うことにより、前記電池の容
    量を常用最小電圧値Vp近傍に復帰させ、その後、前記
    常用最小容量値Pからの前記常用最大容量値Qに至らな
    い所定量の充電を行って前記電池の容量を前記常用最大
    容量値Qと前記常用最小容量値Pとの間の常用容量範囲
    に入れることを特徴とする発電型電気自動車の電池制御
    方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の発電型電気自動車の電池制
    御方法において、 前記満充電は、均等充電により行われることを特徴とす
    る電気自動車の電池制御方法。
  4. 【請求項4】発電手段と、前記発電手段が発電した電力
    を貯蔵するとともに走行モータに給電する電池とを備え
    る電気自動車の電池制御方法において、 測定した電池の測定電圧値及び測定電流値に基づいて所
    定の基準電流値または所定の基準電力値における電池電
    圧である基準状態電池電圧を演算し、 前記電池の略満充電状態からの放電時の容量ー電圧特性
    を示す放電時最小電圧特性線上の所定の常用最小容量値
    Pを設定し、 前記電池の略完全放電状態からの充電時の容量ー電圧特
    性を示す充電時最大電圧特性線上の所定の常用最大容量
    値Qを設定し、 前記常用最大容量値Qからの前記常用最小容量値Pに至
    らない所定量の放電又は前記常用最小容量値Pからの前
    記常用最大容量値Qに至らない所定量の充電を行って前
    記電池の容量を前記常用最大容量値Qと前記常用最小容
    量値Pとの間の常用容量範囲に入れ、 前記基準状態電池電圧を、前記常用最小容量値P及び常
    用最大容量値Qに個別に対応する常用最大電圧値Vq及
    び常用最小電圧値Vpの間の所定の目標電圧値Vcに収
    束するように充放電制御を行い、 前記基準状態電池電圧が前記常用最小電圧値Vpから所
    定量だけ超えて低下した場合に、前記基準状態電池電圧
    が前記常用最大電圧値Vqから前記所定量を超えない範
    囲で充電し、その後、前記目標電圧値Vcまで放電する
    操作を行うことを特徴とする発電型電気自動車の電池制
    御方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれか記載の発電型電
    気自動車の電池制御方法において、 前記電池はニッケル水素電池であることを特徴とする発
    電型電気自動車の電池制御方法。
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