JP2000263040A - 吸着剤成型体及びその製造方法 - Google Patents

吸着剤成型体及びその製造方法

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polyolefin
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Yoshifumi Egawa
義史 江川
Yoshiharu Fukunishi
義晴 福西
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Kuraray Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手で触れても手が汚れたり、摩擦により黒い
埃が出るなどの問題はなく、水溶液と接触しても吸着性
能を充分発揮する吸着剤成型体を提供する。 【解決手段】 メルトフロレートが1g/10分以下の
ポリオレフィン粉末をバインダーとして活性炭などの吸
着剤に配合し、ポリオレフィンの融点〜ポリオレフィン
の融点+30℃の温度で加熱、加圧して成型する。吸着
材成型体は、カートリッジに作製してハウジングに装填
し、浄水器として好適に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸着剤成形体及びそ
の製造方法に関する。さらに詳しくは、吸着剤の表面に
ポリオレフィンの薄いコート層を有する吸着剤成型体で
あって、該ポリオレフィンとしてメルトフローレートが
1g/10分以下の粘度特性を有するポリオレフィンを
用いて成型した吸着剤成型体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】活性炭は各種汚染物質の吸着能に優れて
いるので、気相、液相を問わず、脱臭用や浄水用などに
多く使用されているが、活性炭は一般に黒色であり、手
で触れた場合手が汚れたり、摩擦により黒い埃が出るな
どの問題がある。これを解決するものとして、本出願人
は特願平1―54679号(特公平7−90168号)
公報に、活性炭粒子の表面をポリオレフィン樹脂または
ポリアミド樹脂の微粒子の薄層でコートした後、加圧成
形せしめた活性炭成形体を提案した。しかしながら、プ
ラスチック粉末はポリエチレンやポリプロピレンのよう
に疎水性のものが多く、水溶液中で使用する場合はこれ
らのバインダーが水を弾くため、吸着剤と水溶液の接触
が不充分となって吸着剤の機能が必ずしも充分に発揮さ
れないことがあった。
【0003】本出願人はさらに改良を加え、水溶液中で
も吸着剤が充分接触できるようにプラスチック粉末の表
面を親水化することを試み、プラズマ処理、オゾン処理
などの親水化処理をしたプラスチック粉末をバインダー
として使用する吸着剤成型体を特願平3−25295号
(特開平4−243543号)公報に提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プラスチック粉末をバ
インダーとして成型した吸着剤は吸着容量の低下が少な
く、機械的性質も優れているので、疎水性を改善したこ
の方法によれば、吸着剤の機能をあまり低下させること
のない成型体を得ることが可能である。しかしながら、
上記に提案した成型体では、バインダーとして使用する
プラスチックの流動性が高いため、水溶液中で使用した
場合、吸着剤と水溶液との接触が充分でなく、吸着剤と
しての機能が充分に発揮されないことがあった。また、
その製造方法は親水化処理など煩雑な操作が必要であ
り、しかもこのような処理により活性炭の表面が酸化さ
れ、吸着剤の性能劣化を引き起こすこともあった。した
がって本発明の目的は、手で触れても手が汚れたりせ
ず、摩擦によっても黒い埃が発生せず、吸着剤としての
機能を充分発揮する吸着剤成型体及びその製造方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プラスチ
ックの流動性に着目して鋭意検討を重ね、特定の粘度特
性を有するポリオレフィンを使用することにより、上記
目的を達成することができることを見出し、本発明に到
達した。すなわち本発明は、吸着剤の表面にポリオレフ
ィンの薄いコート層を有する吸着剤成型体であって、該
ポリオレフィンはメルトフローレート(MFR)が1g
/10分以下の粘度特性を有するポリオレフィンである
ことを特徴とする吸着剤成型体である。
【0006】本発明のもう一つの発明は、吸着剤及びポ
リオレフィン粉末を混合し、加熱加圧して吸着剤の表面
にポリオレフィンの薄いコート層を有する吸着剤成型体
を製造する方法であって、該ポリオレフィンはMFRが
1g/10分以下のポリオレフィンであり、該ポリオレ
フィンの融点〜該ポリオレフィンの融点+30℃の温度
で加熱、加圧して成型することを特徴とする吸着剤成型
体の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において使用される吸着剤
としては、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、イオン交
換樹脂などを例示することができるが、なかでも活性炭
が好ましい。活性炭としては、木炭、石炭、コークス、
ヤシ殻、樹脂、石油ピッチなどを原料として高温で炭化
製造された木質系、石炭系、樹脂系、ピッチ系などの炭
化物を、ガス賦活法、水蒸気賦活法、塩化亜鉛やリン酸
などの薬品で賦活する薬品賦活法などにより賦活したも
のが好ましく使用される。活性炭は、破砕状、粉末状、
粒子状、ペレット状などいずれの形態でも使用すること
ができる。
【0008】活性炭の平均粒径は通水時の接触効率、通
水抵抗などの点から1〜1000μm、好ましくは10
〜500μmのものを使用するのが望ましい。また、活
性炭の比表面積は、水中に含まれる有機物の吸着除去や
遊離残留塩素の分解除去効率を損なわない範囲で選択す
ることができ、BET比表面積で300〜3000m
/g、好ましくは500〜2500m/gのものを使
用するのが望ましい。通常は700〜1500m/g
のものが使用される。充填比重は100〜1000g/
リットル(L)、好ましくは200〜800g/Lのも
のを使用するのが望ましい。
【0009】本発明に使用するポリオレフィンとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを例示すること
ができるが、本発明のポリオレフィンは、MFRが1g
/10分以下であることが必要である。MFRとは、一
定の温度及び圧力で規定の直径及び長さのオリフィスか
ら押し出される熱可塑性プラスチックの流出速度であ
り、具体的にはJIS K 7210に従って測定され
るものである。
【0010】ポリエチレンを試験試料とした場合につい
て詳しく述べると、規定された径及び長さのオリフィス
をもつシリンダー中に該試験試料を入れ、190℃で2
160gの荷重をかけて材料を押し出し、4分間に流出
した試験材料の重量を測定して、それを10分間当たり
の流出重量に換算して求めればよい。ポリオレフィン粉
末の粒子径はとくに限定されるものではないが、あまり
小さいと吸着性能が低下することがあり、又あまり大き
いと成型体の強度低下が大きいので、ポリオレフィン粉
末の中心粒子径は1〜100μm、好ましくは1〜30
μmのものが望ましい。ポリオレフィンとしてはポリエ
チレンが好ましい。
【0011】本発明の吸着剤成型体を製造するには、ま
ず活性炭などの吸着剤、特定の粘度特性を有するポリエ
チレンなどのポリオレフィン粉末を配合し、ミキサーな
どでよく混合する。次いで、該混合物を型枠に充填し、
加熱、加圧することによって本発明の吸着剤成型体とす
ることができる。混合割合は、吸着剤100重量部に対
してポリオレフィン粉末2〜40重量部で実施するのが
好ましい。混合する時間は通常1〜20分程度で充分で
ある。
【0012】加熱は100〜200℃で1〜60分で実
施されるが、加熱温度は、ポリオレフィンの融点〜ポリ
オレフィンの融点+30℃の温度で実施すると本発明の
効果が大きく好ましい。また、加圧する圧力は所望によ
り適宜変えればよいが、通常は1〜500kg/cm
で実施される。本発明の吸着剤成型体において、吸着剤
の表面にはポリオレフィン粉末の薄いコート層が形成さ
れる。このコート層は、ポリオレフィン粉末が形状を保
ったコート層であり、その状態は顕微鏡観察で確認する
ことができる。
【0013】本発明の吸着剤成型体には、強度を高める
ために、例えば、ポリエステル、ナイロン、アルミニウ
ム、ステンレス、ガラス繊維、紙などの繊維状又は板状
の補強材を本発明の効果を阻害しない程度に加えてもよ
い。本発明の吸着剤成型体はカートリッジに作製してハ
ウジングに装填し、飲料水の脱塩素処理、水中の有機物
の吸着除去などの浄水用や糖類の脱色、酒類の精製脱色
用などに使用される。カートリッジは、通水抵抗及び装
填・交換作業の観点から円筒状とするのが好ましい。本
発明の吸着剤成型体は、吸着剤の表面にポリオレフィン
の薄いコート層を有しており、使用する場合に黒い埃が
発生せず、吸着性能も充分発揮できるので、とくに浄水
器として好ましく使用される。通水方式としては、原水
を全量濾過する全濾過方式や循環濾過方式が採用され
る。
【0014】
【実施例】実施例1 クラレケミカル株式会社製の活性炭GW60/150
(活性炭粒子径60〜150メッシュ)93重量部にM
FRが0g/10分以下の中心粒子径が30μm、融点
137℃のポリエチレン粉末7重量部を配合してミキサ
ーで5分間混合した。次いで、該活性炭を、外径42.
5mm、内径25.4mm、高さ95mmの円筒形型枠
に充填し、147℃で17分間加熱加圧してカートリッ
ジに成型した。成型体は吸水性に優れており、顕微鏡観
察により、吸着剤表面に多くのポリエチレン粉末が形状
を保ったコート層が形成されているのを確認することが
できた。
【0015】該カートリッジをハウジングに装填して浄
水器とし、遊離塩素濃度2ppmに調整した水を2リッ
トル(L)/分で供給し、浄水器から排出される水中の
遊離塩素の濃度が0.4ppmに達するまでの総通水量
を測定し、遊離塩素除去性能を評価した。なお、遊離塩
素の濃度はデイーピーデイー(DPD)比色法により測
定した。また、同時に圧力損失を測定した。圧力損失は
0.2kgf/cm程度で問題はなかった。結果を表
1に示すが、浄水器として充分使用できるものであっ
た。
【0016】実施例2〜4 167℃で14分間加熱加圧して成型する(実施例
2)、137℃で40分間加熱加圧して成型する(実施
例3)及び180℃で12.5分間加熱加圧して成型す
る(実施例4)以外は実施例1と同様にして浄水器を作
製し、性能を測定した。結果を表1に示す。
【0017】比較例1 クラレケミカル株式会社製の活性炭GW60/150
(活性炭粒子径60〜150メッシュ)93重量部にM
FRが37g/10分の中心粒子径が12μm、融点1
30℃のポリエチレン粉末7重量部を配合してミキサー
で5分間混合し、160℃で14分間成型した。該成型
体を顕微鏡で観察したところ、活性炭表面にポリエチレ
ンの薄いコート層が形成されていたが、殆どのポリエチ
レン粉末は形状を保っておらず、該コート層はポリエチ
レンが溶融して形成されたコート層であった。したがっ
て、実施例で製造した成型体に比較して吸水性に劣って
いた。実施例1と同様にカートリッジに成型し、性能を
測定した。結果を表1に示す。
【0018】比較例2 比較例1と同様に混合後、160℃で12.5分間加熱
加圧したが、成型できなかった。
【0019】比較例3 比較例1と同様に混合後、130℃で38分間加熱加圧
して成型した。得られた成型体を顕微鏡で観察したとこ
ろ、比較例1の成型体とほぼ同様であった。
【0020】比較例4 クラレケミカル株式会社製の活性炭GW60/150
(活性炭粒子径60〜150メッシュ)93重量部にM
FRが1.2g/10分の中心粒子径が30μm、融点
107℃のポリエチレン粉末7重量部を配合してミキサ
ーで5分間混合し、137℃で14分間成型した。該成
型体を顕微鏡で観察したところ、活性炭表面には比較例
1とほぼ同様のポリエチレンの薄いコート層が形成され
ていた。実施例1と同様にカートリッジに成型し、性能
を測定した。結果を表1に示す。
【0021】比較例5 比較例1と同様に混合後、137℃で12.5分間加熱
加圧したが、成型できなかった。
【0022】比較例6 比較例1と同様に混合後、107℃で38分間加熱加圧
して成型した。得られた成型体を顕微鏡で観察したとこ
ろ、活性炭の表面は比較例1とほぼ同様であった。以上
の実施例及び比較例の結果から、本発明の成型体が浄水
用として優れていることがわかる。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明により、MFRが1g/10分以
下のポリオレフィン粉末をバインダーとして成型した吸
着剤成型体を得ることができる。本発明の成型体は、手
で触れても手が汚れたり、摩擦により黒い埃が出るなど
の問題はなく、吸着剤と水溶液との接触が良好であり、
吸着剤としての機能が充分に発揮される。また、本発明
の吸着剤成型体は、活性炭などの吸着剤に特定の粘度特
性を有するポリオレフィンを配合し、該ポリオレフィン
の融点〜該ポリオレフィンの融点+30℃の温度で加
熱、加圧することにより成型することができる。本発明
の吸着剤成型体は、使用時に黒い埃が発生せず、上記し
たように水溶液と接触しても吸着剤としての機能が充分
に発揮されるので、カートリッジに作製し、ハウジング
に挿入して浄水器として好適に使用することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着剤の表面にポリオレフィンの薄いコ
    ート層を有する吸着剤成型体であって、該ポリオレフィ
    ンはメルトフローレートが1g/10分以下の粘度特性
    を有するポリオレフィンであることを特徴とする吸着剤
    成型体。
  2. 【請求項2】 該吸着剤が活性炭である請求項1記載の
    吸着剤成型体。
  3. 【請求項3】 該ポリオレフィンがポリエチレンである
    請求項1又は2記載の吸着剤成型体。
  4. 【請求項4】 該吸着剤成型体が浄水器用カートリッジ
    である請求項1〜3いずれかに記載の吸着剤成型体。
  5. 【請求項5】 該カートリッジが、円筒状のカートリッ
    ジである請求項4記載の吸着剤成型体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれかの吸着剤成型体を
    ハウジングに装填してなる浄水器。
  7. 【請求項7】 吸着剤及びポリオレフィン粉末を混合
    し、加熱加圧して吸着剤の表面にポリオレフィンの薄い
    コート層を有する吸着剤成型体を製造する方法であっ
    て、該ポリオレフィンはメルトフローレートが1g/1
    0分以下のポリオレフィンであり、該ポリオレフィンの
    融点〜該ポリオレフィンの融点+30℃の温度で加熱、
    加圧して成型することを特徴とする吸着剤成型体の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 該吸着剤が活性炭である請求項7記載の
    吸着剤成型体の製造方法。
  9. 【請求項9】 該ポリオレフィンがポリエチレンである
    請求項7又は8記載の吸着剤成型体の製造方法。
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