JP2000263575A - 表皮を有する樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

表皮を有する樹脂成形品の製造方法

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JP2000263575A
JP2000263575A JP7185799A JP7185799A JP2000263575A JP 2000263575 A JP2000263575 A JP 2000263575A JP 7185799 A JP7185799 A JP 7185799A JP 7185799 A JP7185799 A JP 7185799A JP 2000263575 A JP2000263575 A JP 2000263575A
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芳博 大原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表皮材に設けられた開口の内周端末を、木目
込み用突起を用いることなく且つ表皮材の種類に関係な
く高い位置決め精度で樹脂製基材に埋め込むことができ
るようにする。 【解決手段】 表皮材14の開口14aの内周縁部に幅
寸法(開口14aの周方向の寸法)L1 =1〜7mm
(好ましくは2〜5mm)の固定用凸部56をL2=1
〜7mm(好ましくは2〜5mm)の間隔で設け、それ
らの固定用凸部56の先端部A3 を裏面側の成形型に固
定した状態で、射出圧縮成形により樹脂製基材12を表
皮材14と一体成形することにより、領域A2 が高い位
置決め精度で樹脂製基材12内に埋め込まれるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂成形品の製造方
法に係り、特に、所定の開口を有する表皮材が樹脂製基
材の表面に一体的に固着されている樹脂成形品の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂製基材の表面の一部または全面に表
皮材が一体的に固着されている樹脂成形品が、自動車の
ドアトリムやインストルメントパネルなどの内装部品、
或いは家電製品などに広く用いられている。そして、こ
のような表皮を有する樹脂成形品において、例えば車両
用ドアのインサイドハンドルベゼル部や各種スイッチの
ベース部、スピーカグリル部などの取付座、或いはレジ
スタ、サイドデフロスタなどの枠構造体等を樹脂製基材
により一体に構成するとともに、それ等を表面に露出さ
せるために表皮材に所定の開口を形成するようにしたも
のが、例えば特開平6−182794号公報や特開平6
−182793号公報等に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の樹脂成形品においては、表皮材の開口の内周
縁部が成形型に固定されていないため、溶融樹脂材料の
流動に伴う表皮伸びにより内周端末の位置決めが難しか
った。内周縁部を位置決めする木目込み用の突起を成形
型に設けた場合、表皮材の開口の内周縁に沿って木目込
み用突起に起因する木目込み溝が生じることが避けられ
ないとともに、表皮材の種類が異なると伸び量が変化す
るため、図9の(a) 〜(c) に示すように木目込み溝10
0に露出する表皮材102a、102b、102cの内
周端末位置が変化する。これを防止するためには、表皮
材の種類毎に裁断型を取り替える必要がある。また、溶
融樹脂材料の流動長の差に基づいて表皮材表面側への樹
脂侵入および内周縁部の位置ずれを防止しているため、
製品形状の制約が大きかった。なお、図9の104は樹
脂製基材である。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、表皮材に設けられた
開口の内周端末を、木目込み用突起を用いることなく且
つ表皮材の種類に関係なく高い位置決め精度で樹脂製基
材に埋め込むことができるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、所定の開口を有する表皮材が樹脂製
基材の表面に一体的に固着されているとともに、その表
皮材の開口の内周縁部がその樹脂製基材に埋め込まれて
いる樹脂成形品を、一対の成形型の間で一体成形する製
造方法であって、前記表皮材の開口の内周縁部には、そ
の内周縁部の周方向の幅寸法が1〜7mmの固定用凸部
がその周方向に1〜7mmの間隔を隔てて複数設けられ
ているとともに、その固定用凸部の突出寸法は前記樹脂
製基材の裏面側へ突き出す寸法に設定されており、その
固定用凸部の先端をそれぞれ裏面側の成形型に固定した
状態で溶融樹脂材料を充填して前記樹脂製基材をその表
皮材と一体成形することを特徴とする。
【0006】第2発明は、第1発明の表皮を有する樹脂
成形品の製造方法において、前記複数の固定用凸部は、
その固定用凸部の突出寸法だけ全体に突き出して設けら
れた延長部分に1〜7mmの幅寸法の孔が1〜7mmの
間隔を隔てて形成されることにより、その孔の間から先
の部分に設けられたもので、前記裏面側の成形型に固定
される先端部分が互いに連結されていることを特徴とす
る。
【0007】
【発明の効果】このような表皮を有する樹脂成形品の製
造方法においては、表皮材の開口の内周縁部に固定用凸
部が設けられて裏面側の成形型に固定されるようになっ
ているため、表皮材の伸び量に多少ばらつきがあっても
内周縁部が高い精度で位置決めされ、表皮材の種類に拘
らず同一の裁断型を使用して同一形状の表皮材を用いる
ことができるとともに、木目込み用突起を廃止すること
により例えば滑らかな一体感のある外観品質が得られる
ようになる。また、このように開口の内周縁部が固定さ
れることから、溶融樹脂材料の流動長の差に基づいて表
皮材表面側への樹脂侵入および内周縁部の位置ずれを防
止する場合に比較して、製品形状の制約が緩和される。
【0008】一方、本発明では上記固定用凸部の間隔が
1〜7mmと狭いため、その固定用凸部の間に位置する
一般の内周縁部についても高い精度で位置決めされて、
確実に樹脂製基材に埋め込まれる。また、このように固
定用凸部の間隔が狭いことから、個々の固定用凸部の幅
寸法が1〜7mmと狭くても、表皮材の位置決めを損な
う程固定用凸部が伸びる恐れがなく、そのように固定用
凸部の幅寸法が狭くされることによりウェルドラインの
発生が抑制される。
【0009】延長部分に所定の孔を形成することによっ
て固定用凸部を設けた第2発明においては、固定用凸部
の先端部分が互いに連結されているため、その先端部分
を裏面側の成形型に固定するための型構造が簡単且つ安
価に構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】ここで、本発明は自動車のドアト
リムやインストルメントパネルなどの内装部品に好適に
適用されるが、家電製品など部分表皮を有する種々の樹
脂成形品に適用され得る。樹脂製基材や表皮材として
は、一般に使用される種々の材料を用いることが可能
で、表皮材としては例えば織布、編布、不織布、塩化ビ
ニル・TPO等のレザー、軟質系フィルムなどが用いら
れる。また、単層体であっても積層体であっても良く、
上記表皮材にクッション層としてウレタンやPPフォー
ム等を固着したものでも良い。更に、裏打ちとしてPE
T、PA、PP等の織布、編布、不織布等を用いること
もできる。
【0011】表皮材の開口の内周縁部は、その全周に亘
って樹脂製基材に埋め込まれ、その全周について本発明
を適用することが望ましいが、部分的に固定用凸部の幅
寸法や間隔に関する本発明要件を満たさない部分があっ
ても良い。例えば深い凹凸部では本発明方法を適用し、
比較的平坦な部分では固定用凸部の間隔を広くしたりし
てもよく、全周に本発明を適用する場合に比較して安い
型費で凹凸の大きな立体感のある部分でも表皮に皺や位
置ずれのない樹脂成形品が得られる。本発明の適用に際
しても、木目込み用突起を廃止して一体感のある外観品
質を得ることができるが、意匠的に所定の突起を設けて
表皮材の開口の内周縁に沿って意図的に溝を設けること
を妨げるものではない。
【0012】固定用凸部の幅寸法は、表皮材の材質等に
応じて1〜7mmの範囲内で設定されるが、1mm未満
では伸びたり切れたりして位置決めが困難であり、7m
mより大きくなるとウェルドラインが発生し易くなる。
固定用凸部の間隔については、1mm未満になると溶融
樹脂材料の流動が阻害されて充填が困難になり、7mm
より大きくなると、固定用凸部の伸びなどにより固定用
凸部の間の一般の内周縁部の位置決め精度が悪くなる。
なお、上記幅寸法および間隔は、それぞれ2〜5mmの
範囲内で設定することが望ましい。第2発明の孔の幅寸
法および間隔についても、同様に2〜5mmの範囲内で
設定することが望ましい。
【0013】第1発明の固定用凸部は、例えば表皮材の
開口の内周縁から櫛歯状に突き出すように多数設けられ
る。固定用凸部の形状は矩形が望ましいが、適宜定めら
れる。第2発明において延長部分に設けられる孔は、丸
や楕円、長円、角形、正方形、長方形など適宜定められ
る。また、第2発明においては、孔の最大幅寸法が1〜
7mmの範囲内で、隣接する孔の最小離間距離が1〜7
mmの範囲内であれば良い。
【0014】上記固定用凸部のうち樹脂製基材の裏面側
へ突き出している部分は、邪魔でなければそのまま残し
ておいても良いが、必要に応じて切除することも勿論可
能である。
【0015】溶融樹脂材料は、少なくとも表皮材の固定
用凸部が固定された裏面側の成形型とその表皮材との間
に充填する必要があり、例えば裏面側の成形型に設けら
れた供給路から溶融樹脂材料を射出するようにすれば良
い。表皮材と裏面側の成形型との間に供給された溶融樹
脂材料は、他方(表面側)の成形型の成形面に表皮材を
押圧して成形するとともに、固定用凸部の間を通って表
皮材の開口の内側へ流出して樹脂製基材を構成するが、
必要に応じて表皮材の開口内に位置する部分にも直接溶
融樹脂材料を供給するようにしても良い。樹脂製基材お
よび表皮材の一体成形は、溶融樹脂材料の射出圧のみで
成形する射出成形でも良いが、溶融樹脂材料を充填した
後に一対の成形型を接近させて加圧する射出圧縮成形が
望ましい。
【0016】樹脂製基材のうち、表皮材の開口の内側に
位置する部分には、例えばドアトリムの場合、車両用ド
アのインサイドハンドルベゼル部や各種スイッチのベー
ス部、スピーカグリル部などの取付座が一体に設けら
れ、インストルメントパネルの場合、レジスタやサイド
デフロスタなどの枠構造体が一体に設けられることが望
ましいが、それ等の取付座や枠構造体を別体に構成し
て、樹脂製基材に設けられた取付穴内にそれ等を取り付
けるようになっていても良い。また、表皮材の開口内で
は単に樹脂製基材の表面が露出しているだけでも良い。
要するに、表皮材に設けられた開口の内周縁部が樹脂製
基材に埋め込まれるようになっておれば良く、その開口
内の構成については適宜定められる。
【0017】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ
詳細に説明する。図1の(a) は、本発明方法に従って製
造された樹脂成形品としての自動車のドアトリム10を
示す正面図で、熱可塑性樹脂にて構成された樹脂製基材
12の表面の一部には、オーナメントとして島状の表皮
材14が一体的に設けられているとともに、その表皮材
14には矩形の開口14a、14b、14cが設けられ
ている。表皮材14の外周縁部は全周に亘って樹脂製基
材12に埋め込まれているとともに、開口14a、14
b、14cの内周縁部もそれぞれ全周に亘って樹脂製基
材12に埋め込まれている。また、開口14aの内側に
は、取付座としてインサイドハンドルを取り付けるため
のインサイドハンドルベゼル部50が樹脂製基材12と
一体に設けられ、開口14b、14cの内側には、取付
座として各種スイッチを取り付けるためのスイッチベー
ス部52、54が同じく樹脂製基材12と一体に設けら
れている。
【0018】図2は、上記インサイドハンドルベゼル部
50の近傍すなわち開口14a付近の断面図で、開口1
4aの内周縁部には、図1の(b) に示すように櫛歯状に
略矩形の固定用凸部56が内周縁の全周に亘って多数設
けられている。図1の(b) は、成形前の表皮材14の開
口14aの内周縁形状を示す図である。他の開口14
b、14cも開口14aと同様に構成されているが、以
下、開口14aを例として具体的に説明する。なお、表
皮材14の外周縁部も開口14aの内周縁部と同様にし
て樹脂製基材12に埋め込まれている。また、インサイ
ドハンドルベゼル部50やスイッチベース部52、54
の具体的な形状は省略してある。
【0019】図1の(b) において、固定用凸部56の幅
寸法(開口14aの周方向の寸法)L1 は1〜7mmの
範囲内、好ましくは2〜5mmの範囲内で設定されてお
り、周方向に所定の間隔L2 を隔てて設けられている。
間隔L2 は、同じく1〜7mmの範囲内で、好ましくは
2〜5mmの範囲内で設定されている。また、固定用凸
部56の突出寸法は、ドアトリム10の裏面(樹脂製基
材12の裏面と同じ)10b側へ突き出す寸法に設定さ
れており、図3に示す一対の成形型16、18のうちド
アトリム10の裏面10bを成形する成形型18に固定
されるようになっている。樹脂製基材12のうち表皮材
14の開口14aの内周縁部が埋め込まれる部分には、
所定寸法だけ裏面10b側へ突き出すように環状に凸部
20が設けられており、固定用凸部56の先端部はこの
凸部20から突き出すようになっている。図1(b) にお
ける表皮材14の領域A1 は、成形後においてドアトリ
ム10の表面10aに露出する部分で、領域A2 は樹脂
製基材12内に埋め込まれる部分で、領域A3 はドアト
リム10の裏面10b側へ突き出す部分である。また、
図2における開口14aの右側の内周縁部は固定用凸部
56の断面で、左側の内周縁部は固定用凸部56の間に
位置する一般の内周縁部58の断面である。
【0020】図3の成形型16、18は射出圧縮成形を
行うためのもので、成形型16は上型であり、上下方向
へ往復移動させられるとともに、目的とするドアトリム
10の表面10aに対応する成形面16aを備えてい
る。この成形面16aには、意匠的にドアトリム10の
表面10aのうち表皮材14の開口14aの内周縁に沿
って僅かな凹み10cを形成するために環状の凸条16
bが設けられている。成形型18は下型で、成形型16
の下方に位置固定に配設されるようになっており、ドア
トリム10の裏面10bに対応する成形面18aを備え
ている。
【0021】成形型18は、下型本体22と、その下型
本体22のうち前記表皮材14の固定用凸部56を固定
する部分、すなわち開口14aの内周縁部に対応する部
分に設けられた環状のスライド型24とを含んで構成さ
れている。スライド型24は上下方向の移動可能に下型
本体22に配設され、図に示す下降端位置に保持される
ことにより、下型本体22と共に上記成形面18aを形
成するとともに、固定用凸部56の先端部を下型本体2
2との間で挟圧して固定する。下型本体22には、固定
用凸部56に対応して多数の固定用溝22aが形成され
ているとともに、樹脂製基材12を構成する溶融樹脂材
料を供給する供給路22bが設けられている。供給路2
2bは、成形面18aのうち表皮材14が設けられる部
分は勿論、表皮材14が設けられない部分にも開口させ
られているが、少なくとも表皮材14の裏側へ充填され
た溶融樹脂材料が固定用凸部56の間を通って開口14
aの内側へ流動させられるようになっている。また、下
型本体22およびスライド型24には、前記固定用溝2
2aに連続するようにそれぞれ環状の切欠溝26、28
が設けられ、これ等の環状の切欠溝26、28によって
前記凸部20が形成されるようになっている。
【0022】そして、このような成形型16、18を用
いてドアトリム10を射出圧縮成形する際には、先ず、
成形型16を上昇させた状態で表皮材14を成形型18
に配置する。すなわち、スライド型24を上昇させると
ともに、表皮材14の開口14aの内周縁部に設けられ
た多数の固定用凸部56をそれぞれ固定用溝22a内に
挿入した後、スライド型24を下降端位置まで下降させ
て固定用凸部56を挟圧して固定する。スライド型24
には、上方へ向かうに従って内周側および外周側へ幅寸
法が大きくなるテーパが設けられているため、下降端位
置まで下降させられることにより固定用溝22a内に確
実に固定用凸部56を固定できる。
【0023】次に、成形型16を型締め位置よりも僅か
に上方の射出位置まで下降させて、供給路22bから溶
融樹脂材料を充填する。このように溶融樹脂材料が充填
されることにより、表皮材14は成形型16の成形面1
6aに押圧されて成形されるとともに、その表皮材14
の裏側へ充填された溶融樹脂材料の一部は固定用凸部5
6の間を通って開口14aの内側へ流動し、開口14a
の内周縁部が図2に示すように滑らかに湾曲させられ
る。ドアトリム10の裏面10b側には凸部20が設け
られるため、溶融樹脂材料の流通面積を十分に確保でき
る。そして、表皮材14の裏側以外の部分にも十分に溶
融樹脂材料が充填された状態で、成形型16を型締め位
置まで下降させて圧縮成形することにより、溶融樹脂材
料の冷却、硬化に伴って樹脂製基材12が高い精度で表
皮材14と一体成形され、目的とするドアトリム10が
得られる。図2では、裏面10bの凸部20から固定用
凸部56の先端が突き出しているが、必要に応じて切除
すれば良い。
【0024】ここで、本実施例では表皮材14の開口1
4aの内周縁部に固定用凸部56が設けられて成形型1
8に固定されるようになっているため、表皮材14の伸
び量に多少ばらつきがあっても内周縁部が高い精度で位
置決めされ、表皮材14の種類に拘らず同一の裁断型を
使用して同一形状の表皮材14を用いることができると
ともに、木目込み用突起を廃止して意匠用の凸条16b
を設けることにより、表皮材14の開口14aに沿って
僅かな凹み10cを有するメリハリのある外観品質が得
られるようになる。また、このように開口14aの内周
縁部が位置決めされることから、溶融樹脂材料の流動長
の差に基づいて表皮材表面側への樹脂侵入および内周縁
部の位置ずれを防止する場合に比較して、製品形状の制
約が緩和される。
【0025】一方、本実施例では上記固定用凸部56の
間隔L2 が1〜7mm(好ましくは2〜5mm)と狭い
ため、その固定用凸部56の間に位置する一般の内周縁
部58についても高い精度で位置決めされて、確実に樹
脂製基材12に埋め込まれる。また、このように固定用
凸部56の間隔L2 が狭いことから、個々の固定用凸部
56の幅寸法L1 が1〜7mm(好ましくは2〜5m
m)と狭くても、表皮材14の位置決めを損なう程固定
用凸部56が伸びる恐れがなく、そのように固定用凸部
56の幅寸法L1 が狭くされることによりウェルドライ
ンの発生が抑制される。
【0026】上記幅寸法L1 や間隔L2 は、固定用凸部
56の伸び等に拘らず一般の内周縁部58がドアトリム
10の表面10aに露出することがなく、確実に樹脂製
基材12内に埋め込まれるように、表皮材14の材質な
どを考慮して前記1〜7mmの範囲内で適宜定められ
る。また、これらの幅寸法L1 や間隔L2 を、図1の
(a) に示す表皮材14の開口14aの内周形状の曲率に
応じて部分的に変更することもできる。
【0027】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通す
る部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0028】図4は、ドアトリム10の表面10aの形
状の別の例を示す図で、(a) は前記成形型16の成形面
16aの凸条16bを除去して凹み10cを無くしたも
ので、滑らかな一体感のある外観品質が得られる。(b)
は、表面10aにおける表皮材14の開口14aの内周
縁に沿って木目込み溝に似た溝30を設けた場合で、成
形型16の成形面16aに木目込み用の突起と同様な凸
条を設けることによって形成できる。
【0029】図5は、表皮材14の固定用凸部56を成
形型18に固定する部分の別の態様を示す図で、(a) は
前記下型本体22の切欠溝26を略無くした場合であ
り、(b) は前記スライド型24の切欠溝28を略無くし
た場合である。(a) 、(b) 何れの場合も、前記凸部20
の幅寸法が約1/2になる。なお、樹脂製基材12の肉
厚が厚くて、固定用凸部56の間の溶融樹脂材料の流動
を十分に確保できる場合には、凸部20を無くして裏面
10bを平坦にすることもできる。
【0030】図6は、前記図1の(b) に相当する図で、
この表皮材14の開口14aの内周縁部には樹脂製基材
12内に埋め込まれる前記領域A2 に、1〜7mm(好
ましくは2〜5mm)の幅寸法L3 の孔32を1〜7m
m(好ましくは2〜5mm)の間隔L4 を隔てて形成す
ることにより、それ等の孔32の間から先の部分を固定
用凸部34としたもので、その固定用凸部34の先端
部、すなわち樹脂製基材12の裏面側へ突き出す領域A
3 は連結部36を介して互いに連結されている。本実施
例では孔32は円孔で、幅寸法L3 は直径寸法であり、
孔32よりも先の部分が延長部分に相当する。また、間
隔L4 は固定用凸部34の幅寸法で、幅寸法L3 は固定
用凸部34の間隔に相当する。図7は、このような孔3
2が形成された表皮材14を用いて製造したドアトリム
10の断面図で、前記図2に相当する図である。
【0031】この場合にも前記実施例と同様な効果が得
られるのに加えて、前記成形型18の下型本体22とス
ライド型24との間で挟圧される部分すなわち固定用凸
部34の先端部が連結部36を介して連なっているた
め、前記固定用溝22aをスライド型24に沿って環状
に連続して形成すれば良く、形状が単純になって成形型
18が簡単且つ安価に構成される。
【0032】図8のドアトリム40は、前記樹脂製基材
12の表面のうち前記表皮材(オーナメント)14を除
く部分に別の表皮材42を一体的に固着したものであ
る。表皮材42には、スピーカ装着位置に開口42aが
設けられており、樹脂製基材12のうち開口42aの内
側に位置する部分には、取付座としてスピーカを取り付
けるためのスピーカグリル部44が一体に設けられてい
る。そして、上記表皮材42の開口42aの内周縁部の
処理にも本発明が適用され、前記開口14aと同様にし
て樹脂製基材12に埋め込まれている。なお、前記イン
サイドハンドルベゼル部50、スイッチベース部52、
54が表皮材42の内側部分に設けられる場合にも、表
皮材42に形成される開口の内周縁部の処理に本発明を
適用して樹脂製基材12に埋め込むことができる。ま
た、表皮材42の上に重ねて表皮材(オーナメント)1
4を設けることも可能で、その場合には表皮材42に設
けられた開口内を貫通して開口14aの内周縁部を樹脂
製基材12に埋め込んだり、表皮材14および42に設
けられた開口の内周縁部を重ねて樹脂製基材12に埋め
込んだりすれば良い。
【0033】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもで
きる。
【0034】例えば、前記実施例では一体の環状のスラ
イド型24が用いられていたが、このスライド型24を
複数に分割して構成することも可能で、固定用凸部56
が設けられた部分のみに配設するようにしても良い。開
口14aに対応する外周形状の円柱状のスライド型を採
用することもできる。また、図3の左右方向(言い換え
れば、開口14aの内周縁に対して直角な方向)へ移動
する複数のスライド型を用いて固定用凸部56を固定す
ることもできるなど、固定用凸部56を成形型18に固
定する方法は適宜変更できる。
【0035】また、前記図1および図2に示すドアトリ
ム10を製造する場合でも、固定用溝22aが環状に連
続して形成された成形型18を用いることが可能であ
る。その場合には、凸部20から断続して突き出す固定
用凸部56の間の部分に樹脂製基材12のバリが生じる
が、必要に応じて後処理で除去すれば良い。
【0036】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に従って製造された樹脂成形品を説
明する図で、(a) は樹脂成形品の正面図、(b) はその樹
脂成形品に用いられている表皮材の所定の開口の内周縁
部の形状を示す図である。
【図2】図1の樹脂成形品のうち表皮材に開口が設けら
れた部分の断面図である。
【図3】図1の樹脂成形品を射出圧縮成形する成形型の
一例を示す断面図である。
【図4】図1の樹脂成形品の別の例を説明する図で、図
2に相当する図である。
【図5】図1の樹脂成形品において表皮材が樹脂製基材
に埋め込まれる部分の別の態様を説明する断面図であ
る。
【図6】図1の樹脂成形品に用いられる表皮材の開口の
内周縁部の形状の別の例を示す図である。
【図7】図6の表皮材を用いた場合の樹脂成形品の断面
図で、図2に相当する図である。
【図8】本発明方法が好適に適用される樹脂成形品の別
の例を示す正面図である。
【図9】従来の樹脂成形品において、表皮材の伸び量の
ばらつきによって生じる開口の内周端末部の位置ずれの
例を示す断面図である。
【符号の説明】
10、40:ドアトリム(樹脂成形品) 12:樹脂
製基材 14、42:表皮材 14a、14b、1
4c、42a:開口 16、18:成形型 32:孔 34、56:固定用凸部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の開口を有する表皮材が樹脂製基材
    の表面に一体的に固着されているとともに、該表皮材の
    開口の内周縁部が該樹脂製基材に埋め込まれている樹脂
    成形品を、一対の成形型の間で一体成形する製造方法で
    あって、 前記表皮材の開口の内周縁部には、該内周縁部の周方向
    の幅寸法が1〜7mmの固定用凸部が該周方向に1〜7
    mmの間隔を隔てて複数設けられているとともに、該固
    定用凸部の突出寸法は前記樹脂製基材の裏面側へ突き出
    す寸法に設定されており、該固定用凸部の先端をそれぞ
    れ裏面側の成形型に固定した状態で溶融樹脂材料を充填
    して前記樹脂製基材を該表皮材と一体成形することを特
    徴とする表皮を有する樹脂成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の固定用凸部は、該固定用凸部
    の突出寸法だけ全体に突き出して設けられた延長部分に
    1〜7mmの幅寸法の孔が1〜7mmの間隔を隔てて形
    成されることにより、該孔の間から先の部分に設けられ
    たもので、前記裏面側の成形型に固定される先端部分が
    互いに連結されていることを特徴とする請求項1に記載
    の表皮を有する樹脂成形品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006525151A (ja) * 2003-05-08 2006-11-09 エーセーイーエム テクノロジーズ ベー.フェー. 車両用部品を製造する方法および装置
JP2023033930A (ja) * 2021-08-30 2023-03-13 日本プラスト株式会社 樹脂成形品及びその製造方法

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