JP2000264761A - セラミックス基材メッキ用表面処理剤および該処理剤を用いたメッキ方法 - Google Patents

セラミックス基材メッキ用表面処理剤および該処理剤を用いたメッキ方法

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JP2000264761A JP7051099A JP7051099A JP2000264761A JP 2000264761 A JP2000264761 A JP 2000264761A JP 7051099 A JP7051099 A JP 7051099A JP 7051099 A JP7051099 A JP 7051099A JP 2000264761 A JP2000264761 A JP 2000264761A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックス基材表面を粗化していないこと
から導体路を形成した場合には高周波特性に優れた基材
を得ることができる。 【解決手段】 セラミックス基材表面にメッキを施す際
にセラミックス基材表面に触媒核を形成するために使用
するメッキ用表面処理剤において、銅または酸化銅から
選ばれてなる少なくとも一種であって粒径が1〜500
nmの微粒子を、溶剤中に分散したものを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックス基材に
回路基材を製造する際などに用いられるセラミックス基
材メッキ用表面処理剤およびそれを用いたメッキ方法に
かかわり、特に、銅微粒子を用いたものに関する。
【0002】
【従来の技術】酸化アルミニウム燒結体、窒化アルミニ
ウム燒結体や炭化珪素燒結体などのセラミックスまたは
ガラス基材表面に金属層を密着性良く形成し、例えば電
子機器の回路基材材料を製造する方法としては次のよう
なものが挙げられる。
【0003】無電解メッキ法は、まずセラミックス基材
の表面を化学的もしくは物理的な方法で粗化し、その後
SnCl2の濃塩酸溶液中で処理することにより表面の
感受性化を行い、次にPdCl2の濃塩酸溶液中で処理
し、セラミックする表面にPdからなる無電解メッキの
金属核を形成する。そしてこれを金、銀、ニッケルなど
の無電解メッキ浴中に入れ、金属層を形成させる方法で
ある。
【0004】次に物理蒸着法とは、セラミックス基材を
真空中に入れ、例えばアルゴンスパッタリングなどの方
法により金属を気化し、基材上に金属を析出させるもの
であり、金、銀、ニッケルなどを直接スパッタした場
合、十分な密着力が得られないため、比較的密着力の優
れた中間層を形成した後、所望の金属膜を形成し導体路
を形成する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】コストの面からは無電
解メッキ法が優れているが、無電解メッキ法においては
密着強度を得るためにセラミックス基材表面を粗化し、
表面積を増大させてメッキ形成の触媒核となるパラジウ
ム粒子を基材表面に接着させるものである。まず、その
パラジウム粒子と基材表面との接着がそれほど強固なも
のとは言えないという問題と、基材表面を粗化している
ことからできあがった基材の高周波特性が悪くなってし
まうという問題がある。
【0006】また、表面を粗化することができない基
材、例えば高純度アルミナ、窒化アルミナ基材への利用
は不可能であるという問題もある。
【0007】一方物理蒸着法は、無電解メッキ法で導体
路形成ができなかった高純度アルミナや窒化アルミ基材
などへの導体路形成も可能であり、表面を租化すること
なく所望の金属膜を形成することができるので高周波特
性にも優れているという利点を持っているが、メッキ核
とすることができる金属が貴金属に限られてしまうこと
も含めてコスト的には通常無電解メッキ法よりも不利に
なることになるという問題があった。
【0008】そこで本発明は、上記のような問題を解決
して卑金属である銅で行うことができコスト的にも有利
でしかも基材の表面を粗面化する必要がなく電気回路と
して導体路を形成したものの高周波特性にも優れたセラ
ミックス基材を得ることができるセラミックス基材メッ
キ用表面処理剤の提供を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するために請求項1ではセラミックス基材表面にメッキ
を施す際にセラミックス基材表面に触媒核を形成するた
めに使用するメッキ用表面処理剤において、銅または酸
化銅から選ばれてなる少なくとも一種であって粒径が1
〜500nmの微粒子を、溶剤中に分散したものである
ことを特徴としている。
【0010】銅や酸化銅の粒径が1〜500nmの微粒
子を用いることによって、セラミックス基材表面の粗化
やSnCl2を用いた感受性化をすることなく無電解メ
ッキに用いる触媒核を形成することができるので、従来
行われていた無電解メッキ法と比べてより簡便にメッキ
を行うことができ、セラミックス基材表面を粗化してい
ないことから導体路を形成した場合には高周波特性に優
れた基材を得ることができる。
【0011】請求項2では微粒子の凝集を防ぐと共に、
焼成時の粒成長を抑制しうる有機材料が微粒子周りに吸
着しているとしており、高分子等の有機材料が銅もしく
は酸化銅の凝集を防ぎ、焼成時の粒成長をおこさないの
で微粒子が独立して存在する状態を確実に保持すること
ができる。
【0012】請求項3では微粒子が予め高分子中に独立
分散したものを利用しており、銅もしくは酸化銅の微粒
子が高分子を介して分散しているので凝集しにくくなっ
ており、請求項2同様に独立して微粒子で存在する状態
を確実に保持することができる。
【0013】請求項4では、微粒子の濃度が0.001
〜10.000wt%であるとしており、セラミックス
基材への処理剤の塗布をより均一化することができる。
【0014】請求項5では、セラミックス基材表面への
メッキ方法において、セラミックス基材表面に銅または
酸化銅から選ばれてなる少なくとも一種であって粒径が
1〜500nmの微粒子を溶剤中に分散したものを塗布
して溶剤を除去し、不活性ガス雰囲気下にて焼成した
後、無電解メッキを行う工程からなることを特徴として
いる。
【0015】このように銅または酸化銅からなる微粒子
を溶媒中に溶かした溶液を塗布するという方法を採るこ
とによって、セラミックス基材表面を粗化することやS
nCl2を用いた感受性化をすることなく無電解メッキ
に用いる触媒核を形成することができるので、従来行わ
れていた無電解メッキ法と比べてより簡便にメッキを行
うことができ、セラミックス基材表面を粗化していない
ことから導体路を形成した場合には高周波特性に優れた
基材を得ることができる。
【0016】請求項6において、焼成は500〜110
0℃の温度で行うとしており、銅成分とセラミックス基
材との間で十分な反応接着を行うことができ剥がれなど
の問題が起きないメッキを形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のセラミックス基材メッキ
用表面処理剤は、銅または酸化銅から選ばれてなる少な
くとも一種であって粒径が1〜500nmの微粒子を、
溶剤中に分散させたものである。
【0018】ここでいうセラミックス基材とは材質とし
ては特に限定するものではないが酸化アルミニウム燒結
体、窒化アルミニウム燒結体、チタン酸バリウム燒結体
等を挙げることができる。
【0019】銅または酸化銅は粒径が1〜500nmの
微粒子であり、このような極微小の粒径を有する微粒子
はそれよりも大きい粒径のものと比べて極めて高い反応
性を有しており、そのような微粒子を用いることによっ
て前記のようなセラミックス基材表面を粗化したり感受
性化することなしに、基材表面に銅からなるメッキのた
めの触媒核を形成することができ、しかも、基材とその
触媒核との間の接着力は強固なものである。
【0020】このような1〜500nmという微小粒径
を有する銅もしくは酸化銅の微粒子は、例えば特開平3
―34211号公報にしめされるようなガス中蒸発法と
呼ばれる方法によって製造される。これはチャンバ内に
ヘリウム不活性ガスを導入して金属を蒸発させ、不活性
ガスとの衝突により冷却され凝縮して得られるが、この
場合生成直後の粒子が孤立状態にある段階でα−テレピ
オール、トルエンなどの有機溶剤の蒸気を導入して粒子
表面の被覆を行ったものである。市販しているメーカー
は真空冶金(株)製等が知られている。他の作製法とし
ては一般に良く知られている還元法、アトマイズ法等が
知られており、市販しているメーカーは日本アトマイズ
加工、福田金属泊粉、同和鉱業、三井金属工業等を挙げ
ることができる。
【0021】溶剤としては特に限定しないが、微粒子の
分散性、経時安定性、基材との濡れ性から、α−テレピ
ネオール、メタノール、エタノール、水、カルビトー
ル、メタクレゾール等を用いることが好ましい。
【0022】溶剤中の銅または酸化銅の分散している量
は用途に応じて適当に調整することができるものである
が通常は微粒子が均一に塗布でき、焼成による連続膜の
生成が成されない範囲から0.001〜10wt%の範
囲に調整する。
【0023】請求項2の発明では、以上説明したような
処理剤に銅や酸化銅の微粒子に吸着して微粒子の凝集を
防ぎ、燒結時の粒成長を抑制することができる高分子も
しくは有機材料を添加しており、微粒子が独立して存在
することを保持でき、粒径が1〜500nmの微粒子の
持っている高反応性をより保つことができるのでメッキ
処理剤としてよりすぐれたものと言うことができる。
【0024】このような有機材料の例としては、銅微粒
子表面に吸着しうる高分子、オリゴマー、あるいは低分
子が選択される。例えば高分子、オリゴマー材料として
は、主鎖部がナイロン、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリビニルアルコール、ポリフェニレンス
ルフィド(PPS)、ポリスチレン(PS)、ポリカー
ボネ−ト、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンオ
キサイド、ポリビニルピロリドン、ポリイミド等より構
成されている材料が挙げられる。また、低分子として
は、テレピネオール、ヘキサメチレンジアミン、フタロ
ニトリル、ドデカンチオール等が挙げられる。
【0025】また、請求項3の発明では前記請求項2の
ような銅や酸化銅の微粒子に吸着して微粒子の凝集を防
ぎ、燒結時の粒成長を抑制することができる高分子をメ
ッキ用表面処理剤に添加する一つの方法として使用する
ことができるものであり、予め銅や酸化銅の微粒子を高
分子中に分散させたものを使用することによって、それ
を溶剤中に分散させた後も高分子の存在によって微粒子
が凝集してしまうのを防止することができ、独立した微
粒子として存在する状態を保持することができるので、
微粒子であることによる高反応性をより長く維持するこ
とができるものである。
【0026】具体的な方法としては、次のようなものが
挙げられる。
【0027】高分子を真空中で加熱して融解し蒸発させ
て基板の上に高分子層を固化する真空蒸着方法、あるい
は熱分解法、また高分子を融解温度以上で融解し、この
状態のまま直ちに液体窒素などに投入して急冷し、基板
の上に高分子層を付着させる融解急冷固化方法などによ
って熱力学的に非平衡化した高分子層を得る。
【0028】続いてその高分子層の表面に真空蒸着装置
を用いて銅を高分子層の表面に蒸着させるか、もしくは
銅箔、銅板を直接前記高分子層に密着させる方法で積層
する。
【0029】この銅を高分子層表面に密着させた複合物
を、高分子のガラス転移点以上、融点以下の温度で加熱
して高分子を非平衡状態から安定状態へと移行させる。
その結果、銅は100nm以下で、1〜10nmの領域
に粒子径分布の最大を持つ微粒子となって高分子層へ拡
散浸透し、この状態は高分子層が完全に安定化するまで
続き、高分子層に付着している銅は厚みを減少していき
最終的には高分子層に取りこまれてしまう。銅は高分子
内で凝集することなく分散しており含有量も0.01〜
80重量%の範囲のものを得ることができる。
【0030】高分子層の素材として用いることができる
ものとしては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン11、ナイロン12、ナイロン69、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリビニルアルコール、ポ
リフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスチレン(P
S)、ポリカーボネ−ト、ポリメチルメタクリレートな
どであって、分子凝集エネルギーとして2000cal
/mol以上有するものが好ましい。この高分子は通常
言われている結晶性高分子や非結晶性高分子も含む。
尚、分子凝集エネルギーについては、日本化学会編 化
学便覧応用編(1974年発行)の第890頁に詳細に
定義されている。
【0031】高分子を基板上に固化させて非平衡状態の
高分子層を得る際にも用いられる真空蒸着法において、
この場合には通常の真空蒸着装置を用いて10-4〜10
-8Torrの真空度、蒸着速度0.1〜100μm/
分、好ましくは0.5〜5μm/分で、ガラスなどの基
板の上に高分子層を作ることができる。
【0032】また熱分解法とは、減圧下にある閉鎖した
空間で原材料である高分子を熱分解して気化し、この気
化物を固化することで熱力学的に非平衡化した状態(準
安定構造を有する)再生高分子を製造する方法であり、
投入した所定量の高分子を熱分解して気化した後、この
気化物を加熱処理領域で再生高分子に凝集し、凝集しな
かった気化物を冷却領域にてオイル状の低分子量物に凝
集することにより、オイル状の低分子量物が混在しない
再生高分子を得る方法である。
【0033】融解急冷固化方法とは、高分子を融解し、
該高分子固有の臨界冷却速度以上の速度で冷却して高分
子層を得るものであり、このようにして得られた高分子
層は熱力学的に不安定な非平衡化した状態におかれ、時
間の経過につれて平衡状態へ移行する。
【0034】また、次のような方法を採ることによって
も高分子中に銅や酸化銅の微粒が分散したものを得るこ
とができる。
【0035】まず、高分子あるいはオリゴマーを有機溶
剤に溶解することによって得られたペースト状物を基材
上に塗布して膜を形成する。
【0036】この高分子あるいはオリゴマーは、分子の
末端あるいは側鎖にシアノ基(−CN)、アミノ基(−
NH3)、そしてチオール基(−SH)から選ばれた少
なくとも1種の官能基を有するもので、その骨格にはポ
リエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリ
ビニルアルコール、ナイロン11、ナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン6.10、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリスチレン等からなり、その融点あるいは軟化点
は40〜100°Cである。オリゴマーの平均分子量も
特に制限はないが、500〜3000程度である。
【0037】上記官能基は特に微粒子の表面の銅原子と
共有結合や配位結合を形成しやすく、粒成長を抑制し、
微粒子の分散性を高めることになる。
【0038】中でも、骨格としてポリエチレンオキサイ
ド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールを
有する高分子あるいはオリゴマーは、水あるいは水と混
合できる水系の溶媒であるアセトンやアルコールに可溶
であり、微粒子分散液を製造することができる。
【0039】続いて、この膜の上に銅を真空蒸着する。
本発明では、真空蒸着装置を使用して10−4〜10−
6Torrの真空度、蒸着速度0.1〜100μm/
分、好ましくは0.5〜5μm/分で膜の上に銅を真空
蒸着する。
【0040】蒸着した銅は銅もしくは酸化銅の微粒子に
なって膜の上に密集し、一部の微粒子が膜の中へ侵入
し、分散を始めており、続いて、上記膜の上に属もしく
は金属酸化物の微粒子を密集させたものを、加熱する。
加熱するときは、高分子あるいはオリゴマーの融点や軟
化点より10〜40°C低い温度から融点や軟化点より
5〜10°C高い温度で加熱すると、微粒子の均一分散
を促進し、また20重量%以上の高濃度の微粒子を作製
することができる。
【0041】蒸着中に基材上に作製した膜を加熱するこ
とが、銅もしくは酸化銅の微粒子を膜中への分散を促進
する上で好ましい。尚、場合によっては、膜の上に金属
を真空蒸着したものを、加熱しなくてもよい。
【0042】高分子成分を含む銅微粒子は上記の方法だ
けでなく、他にも溶融気化法に属する気相法、沈殿法に
属する液相法、固相法、分散法で銅微粒子を作製し、こ
の微粒子をを溶液あるいは融液からなる高分子と機械的
に混合する方法、あるいは高分子と銅とを同時に蒸発さ
せ、気相中で混合する方法などがある。
【0043】得られた高分子成分を有する銅微粒子は、
メタクレゾール、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサ
ン、ギ酸などの有機溶剤からなる溶媒に混合し溶解さ
せ、微粒子を均一に分散させたものとする。
【0044】以上説明したような方法で得られる1〜5
00nmの粒径を有する銅または酸化銅の微粒子は、そ
れよりも粒径の大きな粒子と比べると反応性が高くセラ
ミックス基材の表面を粗化しなくても下記に説明するよ
うな手順でメッキのための触媒核を形成することができ
る。
【0045】次に、本発明のセラミックス基材メッキ用
表面処理剤を用いたメッキ方法について説明する。
【0046】まず、銅微粒子を分散させた溶剤をセラミ
ック基材表面に塗布する。塗布方法はスピンコート法、
ディップ法、刷毛塗り、スプレーなど様々な方法を採る
ことができるが、できるだけ均一に塗布することが好ま
しく、スピンコート法が適当である。続いて溶剤を除去
するために予備焼成を行う。これはオーブンなどを用い
て溶剤を乾燥させることができる80℃以上で微粒子の
焼結が進みすぎない500℃以下の温度で行われる。
【0047】そしてN2等の不活性ガス雰囲気下で焼成
を行う。この焼成は窒素フローベルト炉などを用いて焼
成温度は500〜1100℃、10〜60minで行わ
れる。
【0048】処理剤を付着して焼成して得られた基材
は、表面に微粒子が独立して吸着した、状態になってい
る。これを酸処理して水洗いした後、無電解銅メッキを
行うと微粒子の露出した部分をメッキ核として銅が析出
し、銅膜が形成される。それから、フォトレジストによ
りラインスペースを形成する。
【0049】
【実施例】次に、本発明の表面処理剤を用いた場合と従
来の基板表面を粗化する方法で無電解メッキを行った場
合とのメッキの密着力と高周波特性を比較した。
【0050】[実施例1]セラミックス基材メッキ用表
面処理剤としては粒径が5nmの銅微粒子を0.5wt
%濃度でエタノール中に分散させたものを用い、セラミ
ックス基材としては96%アルミナからなるセラミック
ス基板を用いて、前記表面処理剤をスピンコート法でセ
ラミックス基板表面に塗布した。スピンコート法の回転
数は1000rpmである。つづいてオーブン中で15
0℃、20min乾燥させて、窒素フローベルト炉にて
最高温度900℃、ピーク温度での処理時間が10mi
nとして焼成を行った。
【0051】続いて銅のメッキ液として上村工業(株)
製スルカップESC−SPを用いて65℃の浴温で5μ
mの膜厚の銅層を形成し、エッチング処理はフォトレジ
ストによりラインスペース50/50μmにし、銅の導
体路をもつセラミックス基板を得た。
【0052】[実施例2]実施例2では、セラミックス
基板を99%アルミナでできたものを使用した以外は実
施例1と同様にして銅の導体路をもつセラミックス基板
を得た。
【0053】[実施例3]実施例3では、セラミックス
基板を窒化アルミニウムのものを使用した以外は実施例
1と同様にして銅の導体路を持つセラミックス基板を得
た。
【0054】[比較例1]比較例1は従来の無電解メッ
キによるもので、96%アルミナからなるセラミックス
基板をアルカリ溶液に30秒間浸漬して基板表面を粗化
してSnCl2の濃塩酸溶液中に浸漬して基板表面の感
受性化を行い、PdCl2の濃塩酸溶液中に浸漬して触
媒核を形成する。
【0055】続いて銅のメッキ液として上村工業(株)
製スルカップESC−SPを用いて65℃の浴温で5μ
mの膜厚の銅の層を形成し、エッチング処理はフォトレ
ジストによりラインスペース50/50μmにし、銅の
導体路をもつセラミックス基板を得た。
【0056】[比較例2]比較例2では、セラミックス
基板を99%アルミナでできたものを使用した以外は比
較例1と同様にして銅の導体路をもつセラミックス基板
を得た。
【0057】[比較例3]比較例3では、セラミックス
基板を窒化アルミニウムのものを使用した以外は比較例
1と同様にして銅の導体路を持つセラミックス基板を得
た。
【0058】以上の実施例1〜3と比較例1の基板を用
いて密着力を、そして実施例1と比較例1の基板を用い
て高周波特性を測定した。
【0059】密着力の測定にはテープ剥離試験(市販の
粘着テープを貼りつけて剥がし、メッキの状態を観察す
る)を行った。その結果を表1に示す。
【0060】高周波特性の測定にはマイクロストリップ
電送損失法(18GHz)を採用し、高周波電送損失を
測定した。その結果を表2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】表1の結果のように本発明のセラミックス
基材メッキ用表面処理剤を用い、本発明方法によってメ
ッキを形成した実施例1〜3では三種類のどのセラミッ
クス基板にも十分な密着力をもってメッキを形成するこ
とができていが、従来の無電解メッキでは96%アルミ
ナからなる基板へはメッキをすることができたものの9
9%の高純度アルミナや窒化アルミニウムからなる基板
に対してはメッキを形成することができなかった。
【0064】また、表2の結果から96%アルミナの場
合でもメッキを形成することはできたが、実施例1と比
べると高周波電送損失に劣っており、本発明のセラミッ
クス基材メッキ用表面処理剤を使うことによって基板表
面を粗化しなくてもメッキを形成することができるため
高周波特性を保持できるという効果が確認できる。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1ではセラ
ミックス基材表面にメッキを施す際にセラミックス基材
表面に触媒核を形成するために使用するメッキ用表面処
理剤において、銅または酸化銅から選ばれてなる少なく
とも一種であって粒径が1〜500nmの微粒子を、溶
剤中に分散したものであることを特徴としている。
【0066】銅や酸化銅の粒径が1〜500nmの微粒
子を用いることによって、セラミックス基材表面の粗化
やSnCl2を用いた感受性化をすることなく無電解メ
ッキに用いる触媒核を形成することができるので、従来
行われていた無電解メッキ法と比べてより簡便にメッキ
を行うことができ、セラミックス基材表面を粗化してい
ないことから導体路を形成した場合には高周波特性に優
れた基材を得ることができる。
【0067】請求項2では微粒子の凝集を防ぐと共に、
焼成時の粒成長を抑制しうる高分子、もしくは有機材料
が微粒子周りに吸着しているとしており、高分子、オリ
ゴマー、低分子からなる有機材料が銅もしくは酸化銅の
凝集を防ぎ、焼成時の粒成長をおこさないので微粒子が
独立して存在する状態を確実に保持することができる。
【0068】請求項3では微粒子が予め高分子中に独立
分散したものを利用しており、銅もしくは酸化銅の微粒
子が高分子を介して分散しているので凝集しにくくなっ
ており、請求項2同様に独立して微粒子で存在する状態
を確実に保持することができる。
【0069】請求項4では、微粒子の濃度が0.001
〜10.000wt%であるとしており、セラミックス
基材への処理剤の塗布をより均一化することができる。
【0070】請求項5では、セラミックス基材表面への
メッキ方法において、セラミックス基材表面に銅または
酸化銅から選ばれてなる少なくとも一種であって粒径が
1〜500nmの微粒子を溶剤中に分散したものを塗布
して溶剤を除去し、不活性ガス雰囲気下にて焼成した
後、無電解メッキを行う工程からなることを特徴として
いる。
【0071】このように銅または酸化銅からなる微粒子
を溶媒中に溶かした溶液を塗布するという方法を採るこ
とによって、セラミックス基材表面を粗化することやS
nCl2を用いた感受性化をすることなく無電解メッキ
に用いる触媒核を形成することができるので、従来行わ
れていた無電解メッキ法と比べてより簡便にメッキを行
うことができ、セラミックス基材表面を粗化していない
ことから導体路を形成した場合には高周波特性に優れた
基材を得ることができる。
【0072】請求項6において、焼成は500〜110
0℃の温度で行うとしており、銅成分とセラミックス基
材との間で十分な反応接着を行うことができ剥がれなど
の問題が起きないメッキを形成することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス基材表面にメッキを施す際
    にセラミックス基材表面に触媒核を形成するために使用
    するメッキ用表面処理剤において、銅または酸化銅から
    選ばれてなる少なくとも一種であって粒径が1〜500
    nmの微粒子を、溶剤中に分散したものであることを特
    徴とするセラミックス基材メッキ用表面処理剤。
  2. 【請求項2】 微粒子の凝集を防ぐと共に、焼成時の粒
    成長を抑制しうる高分子、オリゴマー、あるいは低分子
    からなる有機材料が微粒子周りに吸着している請求項1
    記載のセラミックス基材メッキ用表面処理剤。
  3. 【請求項3】 微粒子が予め高分子中に独立分散したも
    のである請求項1記載のセラミックス基材メッキ用表面
    処理剤。
  4. 【請求項4】 微粒子の濃度が0.001〜10.00
    0wt%である請求項1から3のいずれかに記載のセラ
    ミックス基材メッキ用表面処理剤。
  5. 【請求項5】 セラミックス基材表面へのメッキ方法に
    おいて、セラミックス基材表面に銅または酸化銅から選
    ばれてなる少なくとも一種であって粒径が1〜500n
    mの微粒子を溶剤中に分散したものを塗布して溶剤を除
    去し、不活性ガス雰囲気下にて焼成した後、無電解メッ
    キを行う工程からなることを特徴とするセラミックス基
    材メッキ用表面処理剤を用いたメッキ方法。
  6. 【請求項6】 焼成は500〜1100℃の温度で行う
    請求項5記載のセラミックス基材メッキ用表面処理剤を
    用いたメッキ方法。
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