JP2000264904A - ビニル系重合体の重合方法 - Google Patents

ビニル系重合体の重合方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 完全混合型反応槽を用いてビニル系単量体を
連続的に重合を行うに際し、重合体転化率、重合温度の
変動が小さく安定に重合体を製造する方法の提供。 【解決手段】 完全混合型反応槽を用いてビニル系単量
体を重合するに際し、反応槽から反応混合物を一定流量
で抜き出しつつ、反応槽内の反応混合物の量および反応
原料の反応槽への供給量を、下記式(1)および式
(2)を満足するように調整する重合方法。 (Vmax−Vmin)/(Vmax+Vmin)≦0.05 (1) (qmax−qmin)/(qmax+qmin)≦0.1 (2) Vmax、Vmin:反応槽内の反応混合物の最大液量、最小
液量[kg] qmax、qmin:反応原料供給量の最大値、最小値[kg
/hr]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビニル系単量体を
連続的に塊状重合または溶液重合を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニル系単量体の連続塊状重合法および
連続溶液重合法は、例えば特公昭52−32665号公
報、特開平3−111408号公報および特公平7−7
2213号公報に開示されているように、完全混合型反
応槽を用いて反応槽内を十分に攪拌混合しながら、連続
的に単量体を含む原料混合物を反応槽に供給しつつ、連
続的に反応混合物を抜き出すことにより実施される。ま
た、これらの先行技術はすべて反応槽内に気相部を有し
ており、気相部を加圧下に維持することにより液相部の
発泡を回避して実施されている。しかしながら、反応槽
内に気相部をもつ完全混合型反応槽において連続的に重
合反応を行う場合には、反応槽に供給する反応原料の供
給流量と反応混合物の抜き出し量が全く同じである場合
を除いては反応槽内の液量は常に変動している。反応混
合物の比重は、通常は反応原料の比重とは一致せず、ま
た経時的に変動するため、反応原料の供給流量と反応混
合物の抜き出し量を全く同じにすることは現実的には不
可能であり、完全混合型反応槽を用いて連続重合を行う
場合、反応槽内の液量は必ず変動する。
【0003】反応槽内の液量の変動は、重合反応を行う
にあたっての滞在時間が変動していることを意味してお
り、このような滞在時間の変動は重合体含有率の変動、
共重合体を製造する場合においては共重合組成の変動、
また重合発熱量が常に変化するため重合温度の変動が起
こり、その結果重合体の立体規則性が不均一になるた
め、重合体の品質の低下を招いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術においては反応槽内の液量の管理方法および管理幅に
ついて一切言及されておらず、未だ改良の余地が残っ
た。
【0005】本発明の目的は、このような従来技術の問
題点に鑑み、気相部を有する完全混合型反応槽を用いて
ビニル系単量体を連続的に重合反応を行うに際し、工業
的に有利な方法で、安定にかつ均一な重合体の製造方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、気
相部を有する完全混合型反応槽を用いて、ビニル系単量
体をラジカル重合開始剤の存在下、連続的に塊状重合法
または溶液重合法で重合するに際し、反応槽から反応混
合物を一定流量で抜き出しつつ、反応原料の反応槽への
供給量を、下記式(1)および式(2)を満足するよう
に調整することにより、反応槽内における反応混合物の
液量を管理することを特徴とするビニル系単量体の重合
方法である。 (Vmax−Vmin)/(Vmax+Vmin)≦0.05 (1) Vmax:反応槽内の反応混合物の最大液量[kg] Vmin:反応槽内の反応混合物の最小液量[kg] (qmax−qmin)/(qmax+qmin)≦0.1 (2) qmax:反応原料供給量の最大値[kg/hr] qmin:反応原料供給量の最小値[kg/hr]また、
もう一つの本発明は、気相部を有する完全混合型反応槽
を用いて、ビニル系単量体をラジカル重合開始剤の存在
下、連続的に塊状重合法または溶液重合法で重合するに
際し、反応原料を一定流量で反応槽に供給しつつ、反応
槽からの反応混合物の抜き出し量を、前記式(1)およ
び下記式(3)を満足するように調整することにより、
反応槽における反応混合物の液量を管理することを特徴
とするビニル系単量体の重合方法である。 (Qmax−Qmin)/(Qmax+Qmin)≦0.15 (3) Qmax:反応混合物抜き出し量の最大値[kg/hr] Qmin:反応混合物抜き出し量の最小値[kg/hr]
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の重合方法をさらに
詳細に説明する。
【0008】本発明の方法は、ビニル系単量体をラジカ
ル重合開始剤の存在下で重合を行う場合に適用される。
ビニル系単量体以外の単量体の重合反応においては、反
応速度における取り扱いが異なることから必ずしも本発
明の方法により制御できるとは限らない。本発明の方法
が適用できるビニル系単量体としては、例えばアルキル
(メタ)アクリレート、スチレン、アクリロニトリル等
が挙げられる。本発明の方法により、単量体を単独で用
いて単独重合体を製造し、あるいは2種類以上の単量体
を混合して用いて共重合体を製造することが可能であ
る。また、本発明の方法は、連続的に塊状重合または溶
液重合を行う場合に適用できる。溶液重合の場合は、単
量体および重合体と相溶性がよい溶媒を用い均一系で重
合反応を行う。用いる溶媒は単量体によって異なるが、
例えば単量体がメチルメタクリレートの場合、トルエ
ン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノ
ール、エタノール、エチルベンゼン、メチルイソブチル
ケトン、酢酸n−ブチルなどが使用可能である。溶媒の
使用量は特に制限されない。
【0009】本発明の方法は、ラジカル重合開始剤の存
在下において重合反応を行うことにより実施される。ラ
ジカル重合開始剤としては有機過酸化物あるいはアゾ化
合物を用いることが可能であり、例えば日本油脂
(株)、和光純薬(株)の製品カタログに掲載されてい
る有機過酸化物、アゾ化合物が挙げられる。ラジカル開
始剤は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用
してもよい。
【0010】また、本発明では重合体の分子量を調整す
る目的で連鎖移動剤としてメルカプタン化合物を添加し
て重合反応を行うことができる。メルカプタン化合物と
しては特に限定されるものではないが、例えばn−ブチ
ルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−オクチ
ルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等が好適で
ある。
【0011】本発明の第一の重合方法では、反応槽から
反応混合物を一定流量で抜き出しつつ、単量体およびラ
ジカル重合開始剤に所望により溶媒が加えられてなる反
応原料の反応槽への供給量を、下記式(1)および式
(2)を満足するように調整することにより反応槽内に
おける反応混合物の液量(以下、反応混合物の液量を適
宜「液量」という。)を管理することが重要である。 (Vmax−Vmin)/(Vmax+Vmin)≦0.05 (1) (qmax−qmin)/(qmax+qmin)≦0.1 (2) ここで、qmax及びqminの値としては、1分間の積算流
量から求められる反応原料の供給量q[kg/hr]の
うち、対象とする反応槽運転期間中の最大値、および最
小値を用いた。
【0012】一般に、完全混合型反応槽を含む重合工程
で得られた反応混合物は、連続的に熱交換器等を通して
200〜270℃に加熱した後、揮発成分分離工程に送
られ、揮発成分を除去した後、重合体として製品とされ
る。また、通常は重合工程と揮発成分分離工程は直結し
たプロセスとして構成され、反応原料の供給から重合体
の取り出しまでを一貫して連続的に運転される。こうし
た製造プロセスを安定に運転するには、重合工程のみな
らず揮発成分分離工程を安定に運転することが極めて重
要である。
【0013】揮発成分分離工程を安定に運転するに際し
ての留意事項は、常に同じ状態で反応混合物を揮発成分
分離工程に供給することである。同じ条件として管理す
べきは、重合体含有率、反応混合物の供給流量および反
応混合物の供給温度の3つが挙げられる。
【0014】この重合方法では、完全混合型反応槽から
反応混合物を例えば抜き出しポンプを用いて常に一定流
量で抜き出している。このため、揮発成分分離工程に反
応混合物が常に一定流量で供給される。また、揮発成分
分離工程への供給流量が一定であることから熱交換器に
よる到達温度がほぼ一定となり、揮発成分分離工程に供
給される反応混合物の温度を一定にして運転することが
可能となる。
【0015】さらに、前記式(1)および式(2)を満
足するように重合工程を運転管理することにより、反応
槽内の液量変動が小さいので重合体含有率の変動を最小
限に抑制することが可能となる。
【0016】反応槽の液量の変動幅が式(1)の範囲を
超えて大きい場合には、重合体含有率の変動が大きくな
るため揮発成分分離工程の運転が不安定になるばかり
か、重合温度の維持も困難となり、共重合の場合には共
重合組成の安定した重合体が得にくい。さらに立体規則
性が崩れやすく光学性能が低下するといった品質低下を
もたらしやすい。(Vmax−Vmin)/(Vmax+Vmin)
≦0.03であることが好ましい。
【0017】また、反応原料の供給量の変動幅が式
(2)を超えて大きい場合には、重合温度の変動が大き
くなり好ましくない。反応原料の供給量の変動は、反応
槽に流入する熱量の変動を意味する。このために重合温
度を一定にするための制御が複雑になり、困難を極め
る。一般に重合温度の制御は、反応槽のジャケット、反
応槽内に設置したドラフトチューブあるいはコイル等へ
の熱媒循環による伝熱除熱あるいは加熱、反応原料の温
度調整、単量体蒸気の環流冷却等の方法が用いられる。
重合温度の変動が重合発熱量の変動に起因するものであ
れば重合温度の制御は上記方法で可能であるが、重合温
度の変動が重合発熱量の変動と反応原料の供給量の2つ
に起因するものであるとき、変動の周期性が複雑化し管
理するのが難しくなる。したがって、反応原料の供給量
の変動は可能な限り小さいことが好ましい。(qmax−
qmin)/(qmax+qmin)≦0.05であることがよ
り好ましい。
【0018】式(2)を満足するように運転する方法と
しては、反応槽の液量の経時変化、及び反応原料の供給
量の経時変化を記録し、まず、目標とする反応槽の液量
を維持するための反応原料の供給量の平均値を求めるこ
とが必要である。該平均値流量値を求めた後は、該平均
流量値を基準として式(2)の範囲内で供給することが
可能となる。
【0019】本発明のもう一つの重合方法においては、
反応原料を一定流量で反応槽に供給しつつ、反応槽から
の反応混合物の抜き出し量を、下記式(1)および式
(3)を満足するように調整することにより、反応槽に
おける反応混合物の液量を管理することが重要である。 (Vmax−Vmin)/(Vmax+Vmin)≦0.05 (1) (Qmax−Qmin)/(Qmax+Qmin)≦0.15 (3) ここで、Qmax及びQminの値としては、反応原料の供給
量qが一定の条件で、反応槽の極大液量及び極小液量
と、極大液量及び極小液量を記録した時刻から反応混合
物の抜き出し量をそれぞれ求め、対象とする反応槽運転
期間中における最も多い抜き出し量及び最も少ない抜き
出し量を、それぞれ最大値及び最小値として用いた。
【0020】この重合方法を重合反応速度論的に考察す
ると以下のようなことが導き出せる。すなわち、反応槽
内は攪拌翼によって十分に攪拌混合が達成されて完全混
合モデルが成り立つと考えると下記式(4)および式
(5)が成立する。 dV/dt=q−Q (4) V・d(1−φ)/dt=q−Q・(1−φ)−V・Kp・CI 0.5・(1−φ) (5) V:反応槽内の液量[m3] q:反応原料の供給量[m3/hr] Q:反応液の抜き出し量[m3/hr] φ:反応液の重合体転化率[−] Kp:重合速度係数[1/(mol/m3)0.5/hr] CI:反応液中のラジカル開始剤濃度[mol/m3] 式(4)および式(5)中のdV/dt、d(1−φ)
/dtは、それぞれ反応槽における液量の変化速度、重
合体転化率の変化速度を表している。ここで、q=Qを
仮定すれば、式(4)中のdV/dt=0であり、液量
は一定である。しかしながら、実際の運転ではq≠Qで
あり液量は変動している。
【0021】そこで、q=一定の条件下で、液量を管理
するためにQを変動させる場合を考える。すなわち、式
(5)においては、右辺第一項は一定で第二項が変動し
ている場合である。定常運転下においては式(5)中Q
はqに等しくはないもののqにかなり近い値であること
は間違いない。また、重合体転化率φも変動しているが
平均値を例えば0.5とすれば0.5±0.1の範囲に
存在すると考えて差し支えない。ここでQの変動幅ΔQ
が重合体転化率の変化に与える影響を考えると、qに同
じ変動幅ΔQを与えた場合、ΔQ全量が重合体転化率の
変動に影響するのに対して、Qに与えた場合はΔQ(1
−φ)でしか変動を与えないことになる。φ=0.5と
すれば、qを変動させる場合に比べると、Qを変動させ
る場合は重合体転化率の変動は半分になることが示され
る。重合体転化率の変動が小さくなれば、重合体含有率
の変動も小さくなる。
【0022】このことから、反応原料の供給速度を一定
にしたままで、反応混合物の抜き出し量によって反応槽
の液量を管理することの方がさらに有利であることが解
る。しかし、反応槽の液量を抜き出し量をもって管理す
れば重合体含有率の変動は小さくなるが、この液量およ
び抜き出し量の変動がいくら大きくても良いということ
ではない。変化量が大きければ本発明の効果は意味のな
いものとなる。したがって本発明の効果を十分に発現す
るためには式(1)および式(3)を満たす範囲をもっ
て管理することが重要である。
【0023】式(1)は、反応槽の液量の平均値に対し
て変動幅が10%以内であることを意味している。ま
た、式(3)は、反応混合物の抜き出し量の平均値に対
して変動幅が30%以内であることを意味している。反
応槽の液量管理に集中するあまり、抜き出し量に急激な
変動を与えると次の揮発成分分離工程に変動を与え運転
上支障を与える危険が大きくなるためである。(Qmax
−Qmin)/(Qmax+Qmin)≦0.1であることが好
ましい。
【0024】式(3)を満足するように運転する方法と
しては、反応槽の液量の経時変化、及び反応混合物の抜
き出し用のギアポンプ回転数の経時変化を記録し、ま
ず、目標とする反応槽の液量を維持するためのギアポン
プ回転数の平均値、並びにギアポンプ1回転あたりの抜
き出し量を求めることが必要である。該平均回転数を求
めた後は、該平均回転数と1回転あたりの抜き出し量を
基準として式(3)の範囲内で反応混合物を抜き出すこ
とが可能となる。
【0025】本発明の重合方法は、いずれも使用する単
量体に応じた適切な重合温度を選択して実施されるが、
一般に110℃〜170℃の範囲の温度で実質的に一定
温度となるように行うことが好ましい。また、好ましい
重合体含有率は30重量%〜70重量%である。重合体
含有率が低すぎると生産性が低下し工業的に不利とな
る。また重合体含有率が高すぎるとゲル効果による重合
反応の加速現象が著しく反応の制御は困難である。
【0026】本発明を実施するのに用いられる反応槽は
反応原料の供給口および反応混合物の抜き出し口が設け
られ、攪拌装置を備えた反応槽であり、攪拌装置は反応
域全体にわたる混合性能を持つことが必要である。反応
槽内は不活性ガスを用いて加圧状態とし、反応混合物の
発泡を抑制する。この操作により、反応槽内の液量の検
出が可能となる。液量の検出には、反応槽底部中央にD/
Pセルを設置して液高さの差圧を測定することにより管
理する方法が好ましい。
【0027】また、反応原料の供給および反応混合物の
抜き出しはポンプを用いて行い、反応原料の流路には流
量計を設け、供給量を管理する。抜き出し用のポンプは
ギアポンプが好ましい。重合反応においては、一般に反
応混合物は粘調体であり流量計によって流量を検出する
ことが困難である。
【0028】また、本発明では、反応原料の供給量、又
は反応混合物の抜き出し量は、反応槽の液量を監視しな
がら手動で設定値を変更してもよく、反応槽の液量のD
/Pセル出力値等を該供給量、または抜き出し用のギア
ポンプ回転数にフィードバックすることにより自動制御
してもよい。
【0029】本発明の方法により重合された反応混合物
は、通常、未反応単量体、又は更に溶媒を含む未反応単
量体を主成分とする揮発成分分離工程へ連続的に送ら
れ、170〜290℃に加熱した後、揮発成分の大部分
を減圧下で連続的に分離除去する。重合体中の残存揮発
成分の含有量は、最終的に1重量%以下、好ましくは
0.3重量%以下とされる。
【0030】このようにして製造したビニル系重合体を
成形材料として用いる際には、高級アルコール類、高級
脂肪酸エステル類等の滑剤を添加することができる。ま
た、必要に応じて紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤、帯
電防止剤等を添加することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。
【0032】[実施例1]精製されたメチルメタクリレ
ート98wt%およびメチルアクリレート2wt%とか
らなる単量体混合物に対し、n−オクチルメルカプタン
0.15モル%(0.22wt%)およびラジカル重合
開始剤としてtert−ブチルパーオキシ−3,5,5
−トリメチルヘキサノエート1.8×10-3モル%
(0.0040wt%)を混合した反応原料を重合温度
135℃の攪拌混合されている反応槽に連続的に19〜
21kg/hrの流量で供給した。反応混合物の抜き出
しは反応槽底部からギアポンプを用いて抜き出し、ポン
プの回転数は40rpmで一定とした。反応槽内の液量
が80kgとなった時点から反応原料供給量を21kg
/hrで2時間運転し、以後、反応原料供給を19kg
/hrと21kg/hrでそれぞれ4時間ずつ交互に運
転し、100時間連続で運転した。この間の反応槽内の
反応混合物の最大液量は82kg、最小液量は78kg
であった。
【0033】連続的に抜き出した反応混合物は引き続き
ベントエクストルーダに供給して未反応単量体を主成分
とする揮発成物を分離除去し、ベントエクストルーダの
先端より重合体をストランド状で取り出しペレタイザー
に通して重合体ペレットを得た。ベントエクストルーダ
を通して回収される重合体と揮発成分量から重合体含有
率を求め、100時間の運転において20時間おきに測
定した結果を表1に示した。また、運転期間中重合温度
は反応槽のジャケット温度によって調整を行い、重合温
度は135℃±1.5℃で管理することが可能であっ
た。ベントエクストルーダは常時安定に運転することが
可能であり、ストランド切れを起こすこともなかった。
【0034】[比較例1]反応原料供給量を最初の2時
間は24kg/hr、以後、16kg/hrと24kg
/hrでそれぞれ4時間ずつ交互に運転した以外は実施
例1と同じく100時間連続で運転した。この間の反応
槽内の反応混合物の最大液量は88kg、最小液量は7
2kgであった。20時間おきの測定結果を表1に示し
た。重合体含有率の変動が大きいのと合わせて、重合温
度の変動が大きく、ジャケット温度の調整によっても一
定に管理することは難しかった。また、運転期間中ベン
トエクストルーダ出口におけるストランド切れが10回
と多発し、運転継続に苦労した。
【0035】
【表1】 [実施例2]精製されたメチルメタクリレート98wt
%およびメチルアクリレート2wt%からなる単量体混
合物に対し、n−オクチルメルカプタン0.15モル%
(0.22wt%)およびラジカル重合開始剤としてt
ert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘ
キサノエート1.8×10-3モル(0.0040wt
%)を混合した反応原料を重合温度135℃の攪拌混合
されている反応槽に連続的に20kg/hrの一定速度
で供給した。
【0036】反応槽内の液量が80kgとなった時点か
らギアポンプ回転数38rpmで反応液の抜き出しを2
時間行い、以後、42rpmと38rpmでそれぞれ4
時間ずつ交互に100時間連続で運転した。この間の反
応槽内の反応混合物の最大液量は82kg、最小液量は
78kgであった。同じくこの間の反応槽内の反応混合
物の極大液量は82kg、4時間後に極小液量が78k
gとなり、再び4時間後の極大液量が82kgとなり、
以降同様の変化を繰り返したため、反応混合物抜き出し
量の最小値を19kg/hr、最大値を21kg/hr
とした。
【0037】連続的に抜き出した反応混合物は引き続き
ベントエクストルーダに供給して未反応単量体を主成分
とする揮発成物を分離除去し、重合体を得た。ベントエ
クストルーダを通して回収される重合体と揮発成分量か
ら重合体含有率を求め、100時間の運転において20
時間おきに測定した結果を表1に示した。また、運転期
間中重合温度は反応槽のジャケット温度によって調整し
たが、ジャケット温度は135±2℃でほとんど操作す
る必要がなかった。
【0038】[比較例2]ギアポンプ回転数を最初の2
時間は32rpm、以後、48rpmと32rpmでそ
れぞれ4時間ずつ交互に運転した以外は実施例1と同じ
く100時間連続で運転した。この間の反応槽内の反応
混合物の最大液量は88kg、最小液量は72kgであ
った。同じくこの間の反応槽内の反応混合物の極大液量
は88kg、4時間後に極小液量が72kgとなり、再
び4時間後に極大液量が88kgとなり、以降同様の変
動を繰り返したため、反応混合物抜き出し量の最小値を
16kg/hr、最大値を24kg/hrとした。20
時間おきの測定結果を表2に示した。重合体含有率の変
動が大きいのと合わせて、重合温度の変動が大きく、ジ
ャケット温度の調整によっても一定に管理することは難
しかった。また、運転期間中ベントエクストルーダのベ
ントアップが7回発生し、運転継続に苦労した。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、気相部を有する完全混
合型反応槽を用いてビニル系単量体を連続的に重合を行
うに際し、重合体含有率、重合温度の変動が小さく安定
にかつ均一な重合体を製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相部を有する完全混合型反応槽を用い
    て、ビニル系単量体をラジカル重合開始剤の存在下、連
    続的に塊状重合法または溶液重合法で重合するに際し、
    反応槽から反応混合物を一定流量で抜き出しつつ、反応
    原料の反応槽への供給量を、下記式(1)および式
    (2)を満足するように調整することにより、反応槽内
    における反応混合物の液量を管理することを特徴とする
    ビニル系単量体の重合方法。 (Vmax−Vmin)/(Vmax+Vmin)≦0.05 (1) Vmax:反応槽内の反応混合物の最大液量[kg] Vmin:反応槽内の反応混合物の最小液量[kg] (qmax−qmin)/(qmax+qmin)≦0.1 (2) qmax:反応原料供給量の最大値[kg/hr] qmin:反応原料供給量の最小値[kg/hr]
  2. 【請求項2】 気相部を有する完全混合型反応槽を用い
    て、ビニル系単量体をラジカル重合開始剤の存在下、連
    続的に塊状重合法または溶液重合法で重合するに際し、
    反応原料を一定流量で反応槽に供給しつつ、反応槽から
    の反応混合物の抜き出し量を、前記式(1)および下記
    式(3)を満足するように調整することにより、反応槽
    における反応混合物の液量を管理することを特徴とする
    ビニル系単量体の重合方法。 (Qmax−Qmin)/(Qmax+Qmin)≦0.15 (3) Qmax:反応混合物抜き出し量の最大値[kg/hr] Qmin:反応混合物抜き出し量の最小値[kg/hr]
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WO2020130264A1 (ko) * 2018-12-18 2020-06-25 (주) 엘지화학 방향족 비닐 화합물-비닐시안 화합물 중합체의 제조방법 및 제조장치
US11512153B2 (en) 2018-12-18 2022-11-29 Lg Chem, Ltd. Method of preparing aromatic vinyl compound-vinyl cyanide compound polymer and apparatus for preparing the same

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