JP2000266660A - エアフィルター検査用粒子及びエアフィルターの検査方法 - Google Patents

エアフィルター検査用粒子及びエアフィルターの検査方法

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JP2000266660A
JP2000266660A JP7582999A JP7582999A JP2000266660A JP 2000266660 A JP2000266660 A JP 2000266660A JP 7582999 A JP7582999 A JP 7582999A JP 7582999 A JP7582999 A JP 7582999A JP 2000266660 A JP2000266660 A JP 2000266660A
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particles
filter
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air filter
particle
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Satoshi Hara
聡 原
Tomoo Kusumi
智男 楠見
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルターの下流側に流出して2次汚染を生
じない、安定したフィルター検査のできる新規なフィル
ター検査用粒子及び検査方法を提供する。 【解決手段】 平均粒子径が20nm以下の固体の1次
粒子から構成された凝集体粒子であって、粒子径が0.
05μm以上、長短度(長軸長/短軸長)が1.0〜
1.4である凝集体粒子から成るエアフィルター検査用
粒子である。固体の1次粒子がシリカ粒子であるのが好
ましい。さらに、平均粒子径が20nm以下の固体の1
次粒子を含む懸濁液を噴霧することにより、凝集体粒子
を発生させ、発生した凝集体粒子をエアフィルターの上
流側に投入し、エアフィルターの下流側にリークする凝
集体粒子を、粒子検出器を用いて検出することを含んで
成るエアフィルターの検査方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なフィルター
検査用粒子に関し、特に、クリーンルームに用いるエア
フィルターを検査するための粒子及びこの粒子を用いる
エアフィルターの検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大気中の粉塵を除去することは、通常、
エアフィルターに大気を通すことによって行われる。特
に、クリーンルーム中の粉塵の除去には、粒子径0.3
μmの微粒子を99.97%以上捕集できる高性能のエ
アフィルター、例えば、HEPAフィルター、ULPA
フィルター等が用いられ、クリーンルームの微粒子を恒
常的に除去することによって、クリーンルームの所定の
クリーン度が保たれている。クリーンルームにおいて使
用されるエアフィルターについては、例えば、濾材のピ
ンホールによる洩れ又はエアフィルターと枠の接続部か
らの洩れ等があると、クリーンルームのクリーン度に重
大な影響を与えるので、使用する全てのHEPAフィル
ター及びULPAフィルター等の高性能フィルターの洩
れ(リーク)の有無もしくは性能が実際に検査される。
なお、本明細書において、「検査」には、エアフィルタ
ーのリーク(洩れ)の有無及びエアフィルターの性能等
の種々の検査を含む。これらの検査は、エアフィルター
に送風しながら、フィルターの上流側の気流中にフィル
ター検査用粒子を投入し、フィルターの下流側におい
て、例えば、粒子計測器を用いてフィルターから洩れる
検査用粒子を検出することによって行われる。
【0003】エアフィルター検査用粒子としては、一般
にJIS Z 8901に規定されている様に、フタル
酸ジオクチル(DOP)、ステアリン酸、セバシン酸ジ
オクチル(DOS)、パラフィンオイル等の蒸気圧の低
い有機化合物の液体の粒子が使用される。これらの粒子
は、通常、蒸気凝縮法又は加圧噴霧法等を用いるエアロ
ゾル発生器を使用して発生する。これらの有機化合物の
液体の粒子は、その形状が極めて球形に近く、また、こ
れらの粒子の調製を、通常の簡便な装置を用いて行える
という特徴が有る。
【0004】しかし、これらの粒子を用いて上述の高性
能のエアフィルターの検査を行うと、エアフィルターの
濾材に捕集されて付着した微量の粒子から、蒸気圧が低
いにも拘わらず有機化合物が蒸発するという問題が指摘
されている。即ち、これらの有機化合物の粒子を用いて
検査したエアフィルターを半導体用クリーンルームに設
置した場合、有機化合物の蒸気がエアフィルターの下流
側に流出し、例えば、シリコンウェハ上に付着して、シ
リコンウェハのぬれ性、電気的特性等に影響を与え、半
導体の歩留まりに影響を与えるという問題が生じ得る。
さらに、DOPについては、従来から発癌性が指摘され
ており、さらに最近においては、環境ホルモン物質とし
て人体への有害性も問題となっている。従って、DOP
等の蒸気圧の低い有機化合物から成るフィルター検査用
粒子に代わる粒子が求められている。
【0005】上述の問題を解決するために、蒸発して流
出するおそれが本質的に無い固体を用いるフィルターの
検査用粒子が検討されている。例えば、検査用粒子とし
て、大気中の粉塵を使用する方法が知られているが、粉
塵の粒子の寸法、形状、濃度等が一定していないので、
安定して、再現性よく検査することが困難である。さら
に、粉塵の大気中での濃度が低い場合、検査に長時間要
し、洩れを検出できない可能性も有り得るという問題も
有る。また、大気中の粉塵には、重金属等も含まれ得る
ので、これらのエアフィルターへの付着は好ましくな
い。
【0006】そこで、悪影響を与えない固体の粒子をエ
アフィルター検査用粒子とする検討が行われている。特
開平5−317690号公報は、粒子径が既知であって
形状が球状の固体の粒子であるポリスチレンラテックス
(PSL)粒子の懸濁液を調整し、それを噴霧し、生成
した液滴を壊砕し、乾燥させて得られる粒子を、フィル
ター検査用粒子として開示している。しかし、ポリスチ
レンラテックスは、分散媒中において凝析しやすいた
め、懸濁液の濃度を高くできず、エアフィルターの検査
用エアロゾルとして要求される粒子濃度のエアロゾルを
得るためには、複雑で特殊な機構を有する装置を必要と
する。従って、十分な濃度のエアロゾルを簡便に行うの
は困難である。
【0007】また、特開平8−136437号公報は、
粒子径が0.055〜0.18μmであるシリカ粒子の
懸濁液を噴霧後、乾燥して得られる凝集体粒子であっ
て、その粒子径が0.1μm以上のシリカ凝集体粒子か
ら成るエアロゾルを開示している。しかし、この方法で
得られる凝集体粒子は、フィルター検査の対象となる
0.1μm付近での粒子径において、その形状が、表面
に多くの凹凸が有る起伏の激しい形状であって、その形
状が球形から大きく偏奇しているものと考えられる。こ
の偏奇は、0.055〜0.18μmの粒子径のシリカ
粒子を用いて0.1μmの粒子径のシリカの凝集体粒子
を発生させているためであり、得られる凝集体粒子は1
0個未満の少数のシリカの1次粒子から構成される凝集
体であることに起因すると考えられる。
【0008】フィルター検査に使用される粒子計数器と
しては、測定操作が簡便、自動連続運転が可能、結果を
即時に得られること等から、一般に光散乱式自動粒子計
数器(LPC)が用いられる。LPCによる粒子径の測
定は、照射されたレーザー光の測定粒子による散乱光強
度を測定することによって行われる。この測定方法によ
って得られる粒子径は、LPCを校正した粒子の散乱光
強度を基準とした粒子径として求められ、通常、これは
真球のPSL粒子の相当径として得られる。粒子が表面
に多くの凹凸の有る起伏の激しい形状を有する場合、レ
ーザー光に対する粒子の配向が変化すると散乱光が変化
して、散乱光強度の測定値が変化し、測定される粒子径
に大きな誤差を生じ得る。従って、測定粒子の形状はL
PCにおける粒子径の測定に重大な影響を与え得るの
で、粒子形状が一定でない場合、安定かつ再現性のある
粒子径の測定を行うことは困難である。
【0009】さらに、粒子が表面に多くの凹凸の有る起
伏の激しい形状を有する場合、粒子が受ける流体抵抗は
流れに対する粒子の配向によって変化する。構成粒子数
が10個程度の塊状の凝集体では、実験的に同体積の球
に比較して、1.23倍大きい流体抵抗を受けることが
知られている。従って、LPCを用いて測定して得た粒
子径と気中において流体抵抗を受ける粒子の空気力学的
な粒子径は必ずしも一致せず、その差はたとえ0.01
μmのオーダーであっても、フィルター検査においては
これらの粒子径の影響は大きく、特に、HEPAやUL
PA等の高性能エアフィルターにおいては、これらの誤
差範囲においてフィルターの捕集効率が1桁異なること
も有り得る。球形粒子の場合、散乱光強度の測定を行う
ことによって、粒子径の補正を行うことができるが、粒
子が表面に多くの凹凸の有る起伏の激しい形状を有する
ような不規則な形状の粒子では、粒子の配向によってそ
の散乱パターンが異なるため、十分な補正を行うことが
できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フィルター
の下流側に流出して2次汚染を生じない、安定したフィ
ルター検査のできる新規なフィルター検査用粒子及びそ
の製造方法を提供し、さら信頼性の高いフィルターの検
査方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの要旨によ
れば、平均粒子径が20nm以下の固体の1次粒子から
構成された凝集体粒子であって、粒子径が0.05μm
以上、長短度(長軸長/短軸長)が1.0〜1.4であ
る凝集体粒子から成るエアフィルターの検査用粒子を提
供する。上記の検査用粒子は、検査に悪影響を及ぼさな
い範囲で、粒子径が0.05μm未満の凝集体粒子及び
/又は未凝集の固体の1次粒子を含んでよく、従って、
本発明は、粒子径が0.05μmの粒子を含み得る。実
際、後述の製造方法により本発明の検査用粒子を製造す
る場合、これらの粒子が含まれ得るが、得られる粒子
は、特別な処理を特に施すことなく、通常、フィルター
検査に用いることができる。本発明の「凝集体粒子」
は、平均粒子径が20nm以下の固体の1次粒子が、例
えば、物理的に凝集して形成された粒子であり、粒子径
が0.05μm以上であって、長短度(長軸長/短軸
長)が1.0〜1.4であることが好ましい。
【0012】ここで本発明において「平均粒子径」と
は、粒子径の統計的な数平均値をいい、「粒子径」と
は、固体の1次粒子については、動的光散乱法による測
定値をいい、1次粒子が凝集した凝集体粒子について
は、電気移動度分級法による測定値をいう。本発明にお
いて、1次粒子の平均粒子径は、1〜20nmが好まし
く、1〜10nmがより好ましく、1〜6nmが特に好
ましい。本発明において、凝集体粒子の粒子径の範囲
は、検査する対象となるフィルターの性能により適宜選
択されるべきものであるが、HEPAフィルターやUL
PAフィルター等の高性能フィルターの検査の場合、通
常、0.05〜1μmが好ましく、0.05〜0.5μ
mがより好ましい。
【0013】さらに、従来技術の項目において説明した
ように、凝集体粒子の形状が球形から大きく偏奇してい
ると、フィルターの検査を安定して行うことに困難を生
じ得るから、凝集体粒子の形状を可能な限り球形に近づ
けることが好ましい。図6は、共に1次粒子が凝集して
形成された粒子を示し、長軸径が0.1μmの凝集体粒
子を模式的に示したものである。(a)は、1次粒子の
粒子径が0.055μmの場合、即ち、凝集体粒子の粒
子径の約半分の場合で、6個の1次粒子から凝集体粒子
が成ることを示す。(b)は、1次粒子の粒子径が0.
01μmの場合、即ち、凝集体粒子の粒子径の10分の
1の場合で、1000個の1次粒子から凝集体粒子が成
ることを示す。(a)と比較して(b)は、その形状が
より球形に近い。後述する長短度は、(a)については
約2、(b)については、約1であることが理解され
る。
【0014】即ち、凝集体粒子を構成する1次粒子の粒
子径と凝集体粒子の粒子径が近接する場合は、凝集体粒
子を構成する1次粒子の個数は極めて制限されて数個と
なるから、当然凝集体粒子の形状は、凹凸の激しい形状
となることが予想される。従って、本発明の凝集体粒子
においては、凝集体粒子と比較して平均粒子径が極めて
小さい1次粒子から凝集体粒子を構成することによっ
て、生成する凝集体粒子の形状を球形に近い形状とする
ことを1つの特徴とする。
【0015】本発明においては、粒子の形状を示す指標
として「長短度」を用いる。「長短度」とは、粒子の長
軸の長さを粒子の短軸の長さで除したもの(長軸の長さ
/短軸の長さ)で、一粒子が水平面に安定に静置された
ときに、水平面に投影された図形に外接する最小の長方
形の長辺の長さと短辺の長さの比をいう。本発明におい
ては、凝集体粒子の長短度(長軸長/短軸長)が、1.
0〜1.4であるエアフィルターの検査用粒子を提供す
る。なお、固体の1次粒子の形状は、凝集体粒子の形成
に悪影響を与えない形状であれば、特に限定されない
が、球形に近い形状であることが好ましい。
【0016】本発明における凝集体粒子は固体の1次粒
子から成るから、凝集体粒子の材質は固体の1次粒子と
実質的に同一である。固体の1次粒子としては、揮発性
のない固体状で、分散媒体中において溶解することなく
分散性が優れ、平均粒子径が20nm以下であれば、有
機物、無機物を問わず使用することができる。例えば、
シリカ、二酸化チタン、アルミナ等が好ましいが、特に
シリカが好ましい。このような固体の1次粒子は、既知
の方法で調製することができるが、本発明の1次粒子と
して好適なものであれば市販品を使用してもよい。例え
ば、シリカについては、日本アエロゾル(株)から、A
EROSILという商品名で、市販されている。また、
二酸化チタンについては、日本アエロゾル(株)から、
二酸化チタンという商品名で、さらに、アルミナについ
ては、日本アエロゾル(株)から、酸化アルミニウムC
という商品名で市販されている。
【0017】上述のような本発明の凝集体粒子を、平均
粒子径が20nm以下の固体の1次粒子を含んで成る懸
濁液を噴霧した後、乾燥して得ることができる。この懸
濁液の粘度は、安定して噴霧し、目的とする凝集体粒子
を効率的に得るために選択され得るものである。粘度
は、50mPa・s以下が好ましく、1〜50mPa・
sがより好ましく、1〜10mPa・sが特に好まし
い。
【0018】1次粒子の懸濁に使用する媒体は、工業用
水、水道水、蒸留水、イオン交換水、超純水等の主に水
であるが、1次粒子の適切な分散が可能であれば、他の
媒体、例えば、低級アルコール、アセトン、これらを含
む水等も使用することができる。通常、凝集体粒子への
不純物の混入防止等から、超純水等の不純物が除去され
た水が好ましい。懸濁液の調製は、1次粒子の所定量を
上述の媒体に加えて十分に混合することによって行う。
この際、通常使用される混合手段、例えば、マグネチッ
クスタラー、攪拌器、振盪器、超音波洗浄機等を使用し
てもよい。懸濁液の粘度の調整は、懸濁液中の固体の1
次粒子の濃度、1次粒子の平均粒子径、溶媒の種類、混
合溶媒のときは混合比、温度等によって調節することが
できる。このような懸濁液は、既知の方法で調製するこ
とができるが、本発明の懸濁液として好適なものであれ
ば市販品を使用してもよい。例えば、シリカについて
は、日産化学工業(株)から、スノーテックスという商
品名で、触媒化成工業(株)から、カタロイド−Sとい
う商品名で、旭電化工業(株)から、アデライトATと
いう商品名で市販されている。
【0019】「噴霧手段」としては、従来から通常使用
されている噴霧手段を使用することができ、例えば、コ
リソンアトマイザ、ラスキンノズル型粒子発生器、超音
波ネプライザ等を使用することができる。「噴霧に使用
する気体」は、固体の1次粒子、凝集体粒子等に悪影響
を与えないものであれば、特に限定されない。例えば、
空気、窒素ガス、アルゴンガス等を使用することができ
る。また、「乾燥手段」としては、従来から通常使用さ
れている乾燥手段を使用することができ、例えば、乾燥
気体を混合することによる気流乾燥、拡散乾燥器等を用
いることができる。
【0020】本発明の別の要旨においては、平均粒子径
が20nm以下の固体の1次粒子を含んで成り、粘度が
50mPa・s以下である懸濁液を噴霧した後、乾燥す
ることによる凝集体粒子であるエアフィルター検査用粒
子の製造方法を提供する。本発明の他の1の要旨におい
ては、上述の凝集体粒子と気体から構成されるエアフィ
ルター検査用エアロゾルを提供する。ここで、エアロゾ
ルを構成する「気体」は、固体の1次粒子、凝集体粒
子、さらにこの凝集体粒子を用いて検査するエアフィル
ター等に悪影響を与えないものであれば、特に限定され
ない。例えば、空気、窒素ガス、アルゴンガス等が好ま
しいが、特に空気が好ましい。なお、懸濁液を噴霧する
際に使用した気体をそのままエアロゾルを構成する気体
として使用してもよく、あるいは、乾燥用の気体をエア
ロゾル用の気体として用いることもできる。
【0021】懸濁液を噴霧、乾燥することによって製造
される凝集体粒子について、例えば、フィルター等を用
いて気体から分離する操作をすることなく、そのまま又
は必要に応じて凝集体粒子の濃度等を調整するために気
体の追加もしくは除去等を行うことによって、エアロゾ
ルを製造することができる。また、懸濁液を噴霧、乾燥
することによって製造される凝集体粒子を、気体からフ
ィルター等を使用して一旦捕集して分離した後、この凝
集体粒子を別の気体に所望の粒子の濃度となるように投
入することによって、エアロゾルを製造してもよい。
【0022】さらにまた、本発明の別の要旨において
は、平均粒子径が20nm以下の固体の1次粒子を含む
懸濁液を噴霧することにより、凝集体粒子を発生させ、
発生した凝集体粒子をエアフィルターの上流側に投入
し、エアフィルターの下流側にリークする凝集体粒子
を、粒子検出器を用いて検出することを含んで成るエア
フィルターの検査方法を提供する。
【0023】なお、上述の1次粒子の懸濁液を噴霧後、
乾燥した凝集体粒子と気体を、特に分離操作等を行わな
いでそのままエアロゾルとしてフィルター検査に使用し
てもよい。下流における凝集体粒子の検出は、通常使用
されている粒子の検出方法及び/又は検測器であれば用
いることができ、例えば、凝縮核計数器、光散乱式自動
粒子計数器(LPC)、フォトメーター等を用いて検出
することができるが、特に光散乱式自動粒子計数器を用
いるのが好ましい。
【0024】本発明の検査方法において、粒子径が、
0.05μm以上の凝集体粒子を3.5×103個/c
3以上の濃度で発生させるのが好ましく、フィルター
の上流側の気流中に投入する凝集体粒子の濃度は高い方
が、通常、洩れを確実に検出できるのでより好ましい。
発生させる凝集体粒子の濃度は、目的とするエアフィル
ターによって適宜選択されるものであるが、上述の3.
5×103個/cm3以上という凝集体粒子の濃度は、エ
アフィルターが、HEPAフィルター又はULPAフィ
ルターの場合に好適である。
【0025】本発明のフィルターの検査方法において
は、固体の1次粒子がシリカ粒子であるのが好ましい。
例えば、上述の検査方法において、粒子径が、0.05
μm以上の凝集体粒子を3.5×103個/cm3以上の
濃度で発生させる場合、懸濁液の1次粒子の平均粒子径
は1〜10nm、シリカ1次粒子の懸濁液の粘度は1〜
50mPa・sが好ましい。
【0026】なお、本発明の検査方法は、種々のエアフ
ィルターの検査に使用することができる。例えば、医
薬、生物関係のクリーンルーム用エアフィルター、マス
ク用エアフィルター、ガスライン用エアフィルター、デ
ィスク(フロッピーディスク、光ディスク、ミニディス
ク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルオ
ーディオディスク、ハードディスク等)製造装置用エア
フィルターを例示することができる。特に、電気、電子
関係のデバイス製造に使用されるクリーンルーム用のエ
アフィルターの検査に好適である。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的かつ詳細に説明するが、これらの実施例及び比較例は
本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって
何ら限定されるものではない。
【0028】実施例1 (1)凝集体粒子の製造 平均粒子径が6nm、固形分濃度が10.6重量%及び
粘度が1.2mPa・s以下の市販のコロイダルシリカ
(日産化学工業(株)製ST−OXS(商品名))を固
体の1次粒子の懸濁液として使用し、ラスキンノズル型
粒子発生器(ノズルの仕様は、例えば、噴霧口径1m
m)を用いて、2kgf/cm2の圧力の清浄空気を用
いて懸濁液を噴霧して、シリカを含む微小な液滴を発生
させた。尚、噴霧する際に、分散媒、例えば、純水(蒸
留水等)、を用いて希釈してもよいが、このコロイダル
シリカは、固形分濃度が10.6重量%と高いにもかか
わらず、粘度が1.2mPa・s以下と低いので、純水
(蒸留水)等の溶媒によって希釈しなくとも、噴霧孔の
詰まりを生ずることなく使用することができた。発生さ
せたシリカを含む微小な液滴を、気流中において乾燥す
ることによって1次粒子のシリカが凝集した凝集体粒子
を得ることができた。
【0029】(2)凝集体粒子の分布及び粒子数の測定 得られた凝集体粒子の分布を後述する静電分級器を用い
て分級して、凝集体粒子の粒子数を凝縮核計数器を用い
て測定することにより、粒子径分布を求めた。この分布
によれば、粒子径が、0.05μm以上に含まれる凝集
体粒子の気体中の濃度は、7.1×106個cm-3であ
った。この凝集体粒子の濃度は、簡便な噴霧法によって
発生できる上限の値に近いものであり、フィルター検査
を行うには十分な濃度である。
【0030】(3)凝集体粒子の形状の測定 さらに、電子顕微鏡を用いて凝集体粒子の形状について
測定した。観察された凝集体粒子の構造を、図4及び図
5に示した。図4は、電圧4.0kVを使用して倍率1
0000倍で撮影したものである。図5は、図4の一部
を拡大したものである。粒子径が約0.1μm以上で形
状が極めて球形に近い凝集体粒子が観察された。各凝集
体粒子の表面は凹凸が極めて少ないことが確認された。
凝集体粒子の平均の長短度は、1.0であり、本発明の
凝集体粒子の形状は、極めて球形に近いことがわかっ
た。
【0031】(4)凝集体粒子の製造装置並びに凝集体
粒子の評価方法 (イ)凝集体粒子の製造装置並びに粒子径及び濃度測定
方法 噴霧による微小な液滴の発生に使用した、ラスキンノズ
ル型粒子発生器(102)を図1に概略図として示す。
図1のラスキンノズル型粒子発生器(102)は、容器
(112)が蓋(110)で密封されており、内部に別
の装置から圧縮空気が圧縮空気導入口(104)を通し
て導入され、圧力ゲージ(106)で表示される圧力の
空気が、ラスキンノズル(116)からこの容器に入れ
られた懸濁液(114)に吹き込まれる。吹き込まれた
圧縮空気は、懸濁液を泡沫状にして噴霧することができ
る。この泡沫は容器(112)の中で粒子を含む微小な
液滴となって噴出口(108)から噴出する。なお、ラ
スキンノズル型粒子発生器(102)の他に、コリソン
アトマイザ、超音波ネブライザ等のいずれの装置も使用
することができる。
【0032】さらに、図2は、凝集体粒子の発生、凝集
体粒子の粒子径及び濃度測定装置の概略図であり、ラス
キンノズル型粒子発生器(102)に、接続されたフィ
ルター(208)、レギュレータ(206)、エアドラ
イヤ(204)、エアコンプレッサ(202)、拡散乾
燥器(210)、アメリシウム−241(212)、フ
ィルター(216)、フィルター(218)、バルブ
(220)、静電分級器(TSI製MODEL3071
A)(214)、凝縮核計数器(TSI製MODEL3
022A)(222)及びパーソナルコンピュータを有
して成る走査型モビリティー粒度分布測定装置(TSI
製MODEL3934)(224)から構成されてい
る。このような装置は、周知のものである。
【0033】拡散乾燥機(210)には、外周にシリカ
ゲルが充填されており、液滴を拡散乾燥機(210)に
通過させることによって液滴は乾燥、凝集体粒子を得る
ことができる。凝集体粒子は、アメリシウム−241
(212)を通って、静電分級器(214)において分
級され、凝縮核計数器(222)で粒子濃度が測定され
る。測定結果は、パーソナルコンピュータ(224)に
よって処理される。フィルター(208、216、21
8)は、装置内に測定する凝集体粒子以外の粒子が混入
することを防止するためのもので、クリーンルーム用の
HEPA又はULPAフィルターを検査する凝集体粒子
を測定する場合は、HEPA又はULPAフィルターを
用いることが望ましい。アメリシウム−241(21
2)は、凝集体粒子の帯電状態を平衡帯電状態にするた
めのものである。
【0034】(ロ)凝集体粒子の形状及び長短度(長軸
長/短軸長)の測定 凝集体粒子の形状の観察及び長短度(長軸長/短軸長)
の測定は、フィルターを用いて捕捉した凝集体粒子の形
状を走査型電子顕微鏡を用いて観察することによって行
った。即ち、測定する凝集体粒子をフィルター、例え
ば、HEPAフィルター、ULPAフィルター、メンブ
レンフィルター等を用いて捕捉し、凝集体粒子が付着し
たフィルターの濾材面について電子顕微鏡を用いて、倍
率10000倍で写真撮影を行った。写真撮影できる領
域は、5μm×5μmの領域である。長短度の測定は、
一視野内において任意に測定する凝集体粒子を選び、各
凝集体粒子について各々の長短度を測定することによっ
て行った。測定する凝集体粒子の個数は、100個以上
として、これらの長短度の平均値を凝集体粒子全体のの
長短度とした。
【0035】比較例1及び2 凝集体粒子の粒子径測定に光散乱式自動粒子計数器(L
PC)を用いる場合の長短度の影響を調べるために、長
短度の異なる凝集体粒子を調製し、LPCを用いて、そ
の散乱光強度を測定した。 (1)長短度の異なる凝集体粒子の調製と散乱光強度に
よる評価 比較例1においては、平均粒子径が87nm、固形分濃
度が40.5重量%、粘度が2.6mPa・sの市販の
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製スノーテック
スST−ZL(商品名))を固体の1次粒子の懸濁液と
して使用し、ラスキンノズル型粒子発生器(ノズルの仕
様は、例えば、噴霧孔径1mm)を用いて、2kgf/
cm2の圧力の清浄空気を用いて懸濁液を噴霧して、シ
リカを含む微小な液滴を発生させた。発生させたシリカ
を含む微小な液滴を、気流乾燥することによって凝集体
粒子を得た。得られた凝集体粒子を静電分級器を用いて
分級し、散乱光強度を光散乱式自動粒子計数器(LP
C)を用いて後述する方法で測定して、散乱光強度分布
を得た。この分布から、粒子径0.2μmの粒子につい
ての散乱光強度を求めた。また、実施例1の分布につい
ても同様に、0.2μmの粒子径の場合の散乱光強度を
求めた。なお、粒子径が0.2μmの単一のシリカの球
形粒子の場合の散乱光強度の本LPCにおけるミー(M
ie)理論による推定値を比較例2として表1に示す。
更に、比較例2の長短度を実施例1(4)(ロ)に記載
の方法により評価した。実施例1の散乱光強度は比較例
1の散乱光強度の約2倍であり、比較例2の散乱光強度
とほぼ同等である。粒子径の誤差は、実施例1と比較例
2の間では0.01μm以下であるが、比較例1と比較
例2の誤差は、0.02μm以上になる。
【表1】 a) シリカの屈折率(1.48)の値を用いて得られた推定
値。
【0036】(2)凝集体粒子の散乱光強度の測定方法 図3は、凝集体粒子の散乱光強度を測定する装置の概略
図を示す。これは、アメリシウム−241(302)、
フィルター(306、308)及びバルブ(310)、
ならびに多分散粒子を分級するTSI製MODEL30
71A型の静電分級器(304)、リオン社製KC−2
1型の光分散式自動粒子計数器(LPC)(312)及
びリオン社製KH−02A型の波高分析器(314)か
ら構成されている。このような装置は周知のものである
例えば、上述した図1及び2に示すラスキンノズル型等
の粒子発生器(102)、拡散乾燥器(210)等を用
いて発生した凝集体粒子は、アメリシウム−241(3
02)を通って、静電分級器(304)において粒径既
知の粒子に分級され、光散乱式自動粒子計数器(31
2)に入り波高分析器(314)によって、散乱光強度
分布が測定される。
【0037】
【発明の効果】本発明の凝集体粒子は、固体の1次粒子
から成るので、フィルターの下流側に蒸発して流出する
おそれがなく、また、本発明の凝集体粒子は、粒子径が
極めて小さい固体の1次粒子から成り、形状が極めて球
形に近いので、光散乱自動粒子計数器を用いる粒子径の
測定において粒子径の測定誤差を減少させることができ
る。さらに、本発明の凝集体粒子は、固体の1次粒子と
してシリカ粒子から成るので、製造原料の入手が容易
で、高性能フィルターであるHEPAフィルター及びU
LPAフィルター等の検査に好適に用いることができ
る。
【0038】本発明のフィルター検査方法は、使用する
凝集体粒子が固体の1次粒子から成るから、検査用粒子
がフィルターの下流側に蒸発して流出するおそれがな
く、粒子の形状が球形に極めて近いから、粒子径の測定
誤差を減ずることによってさらにより信頼性の高いフィ
ルター検査を行うことができる。さらに、本発明のフィ
ルター検査方法は、粒子径が0.05μm以上、3.5
×103個以上の凝集体粒子を用いることでHEPAフ
ィルター及びULPAフィルター等の検査に用いること
ができる。さらにまた、本発明のフィルター検査方法
は、粘度が50mPa・s以下の懸濁液を噴霧すること
から、でHEPAフィルター及びULPAフィルター等
の検査に好ましく用いることができる。さらに、本発明
のフィルター検査方法は、固体の1次粒子がシリカ粒子
から成るので、製造原料の入手が容易で、高性能フィル
ターであるHEPAフィルター及びULPAフィルター
等の検査にさらに好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ラスキンノズル型粒子発生器の概略図であ
る。
【図2】 凝集体粒子の発生、凝集体粒子の粒子径及び
濃度測定に使用した装置の概略図である。
【図3】 凝集体粒子の散乱光強度を測定した装置の概
略図である。
【図4】 固体の1次粒子がシリカ(平均粒子径が6n
mである。)である凝集体粒子の構造を示す電子顕微鏡
写真である。
【図5】 固体の1次粒子がシリカ(平均粒子径が6n
mである。)である凝集体粒子の構造を示す電子顕微鏡
写真である。
【図6】 1次粒子が凝集して形成された平均粒子径が
0.1μmの凝集体粒子の模式図である。
【符号の説明】
102…ラスキンノズル型粒子発生器、104…圧縮空
気導入口、106…圧力ゲージ、108…噴出口、11
0…蓋、112…容器、114…粒子懸濁液、116…
ラスキンノズル、202…エアコンプレッサ、204…
エアドライヤ、206…レギュレータ、208…フィル
ター、210…拡散乾燥器、212…アメリシウム−2
41、214…静電分級器、216…フィルター、21
8…フィルター、220…バルブ、224…凝縮核計数
器、226…パーソナルコンピュウータ、302…アメ
リシウム−241、304…静電分級器、306…フィ
ルター、308…フィルター、310…バルブ、312
…光散乱式自動粒子計数器、314…波高分析器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が20nm以下の固体の1次
    粒子から構成された凝集体粒子であって、粒子径が0.
    05μm以上、長短度(長軸長/短軸長)が1.0〜
    1.4である凝集体粒子から成るエアフィルターの検査
    用粒子。
  2. 【請求項2】 固体の1次粒子がシリカ粒子である請求
    項1に記載の粒子。
  3. 【請求項3】 平均粒子径が20nm以下の固体の1次
    粒子を含む懸濁液を噴霧することにより、凝集体粒子を
    発生させ、発生した凝集体粒子をエアフィルターの上流
    側に投入し、エアフィルターの下流側にリークする凝集
    体粒子を、粒子検出器を用いて検出することを含んで成
    るエアフィルターの検査方法。
  4. 【請求項4】 粒子径が、0.05μm以上の凝集体粒
    子を3.5×103個/cm3以上の濃度で発生させる請
    求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 粘度が、50mPa・s以下の懸濁液を
    噴霧する請求項3又は4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 固体の1次粒子がシリカ粒子である請求
    項3〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 粒子径が0.05μm未満の凝集体粒子
    及び/又は未凝集の固体の1次粒子を、更に含んで成る
    請求項1又は2に記載の粒子。
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