JP2000266732A - 鋼管の超音波探傷方法および探傷装置 - Google Patents

鋼管の超音波探傷方法および探傷装置

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JP2000266732A
JP2000266732A JP11075764A JP7576499A JP2000266732A JP 2000266732 A JP2000266732 A JP 2000266732A JP 11075764 A JP11075764 A JP 11075764A JP 7576499 A JP7576499 A JP 7576499A JP 2000266732 A JP2000266732 A JP 2000266732A
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angle
beam width
steel pipe
linear array
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Tatsuya Hashimoto
達也 橋本
Yukimichi Iizuka
幸理 飯塚
Yasuhiro Matsufuji
泰大 松藤
Takeo Shimizu
武夫 清水
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
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    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/023Solids
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    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 音響異方性を有する鋼管であっても、音響異
方性の無い鋼管に対するのと同様の超音波探傷を行う方
法及び装置を提供する。 【解決手段】 音速分布関数入力手段10は、被検査体
の屈折角と音速の関係を示すデータを入力する。入射角
・ビーム幅算出部12は、探傷条件入力手段11で入力
された探傷屈折角、ビーム幅と、前述の屈折角と音速の
関係を示すデータとを用いて、これら探傷屈折角、ビー
ム幅を得るための、リニアアレイ型探触子1内での、入
射角とビーム幅を算出する。遅延時間算出部13は、入
射角・ビーム幅算出部12で求められた入射角を得るの
に必要なリニアアレイ型探触子の各振動子の遅延時間を
算出し、アレイ探傷器15に与える。作動振動子数算出
部14は、入射角・ビーム幅算出部12で求められたリ
ニアアレイ型探触子1内の超音波ビーム幅を得るために
必要な振動子の数を算出してアレイ探傷器15に与え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接鋼管に発生す
る欠陥を超音波を用いて斜角探傷する方法及び装置に関
するものであり、さらに詳しくは、溶接鋼管に用いられ
る鋼板の音響異方性が異なる場合でも、同一のプローブ
で、精度よく探傷できる斜角探傷方法及び装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】鋼管の溶接部探傷法として JIS G 0584
「アーク溶接鋼管の超音波探傷検査方法」に示される方
法が公知である。この規格の適用範囲には直接示されて
はいないが、これらが対象とする被検査体の母材は、通
常圧延された鋼板である。これらの鋼板は、900℃以上
で圧延を完了しているため、弾性的・音響的に等方なも
のである。そのため、所定の公称屈折角の探触子で探傷
を行えば、実際に、公称値に近い屈折角の探傷が行うこ
とが可能である。しかし、近年では溶接性と低温靭性に
優れた鋼管のニーズに応えるため、鋼管の母材としてT
MCP鋼のような制御圧延鋼板が使用されるようになっ
た。
【0003】これらの鋼板は、制御圧延されるため、一
部に圧延集合組織が発達し、音響異方性がある限度を超
える鋼材となる。そのため、斜角探傷を行う上で屈折角
が公称値と大きく異なり、その結果として被検査体内で
のビーム幅が設計値と異なって、ある特定の方向で感度
が著しく低下する場合がある。
【0004】具体的な例をあげる次のようになる。探触
子楔内での超音波の減衰によるエネルギー伝搬方向の若
干のずれの補正を無視すると、楔材にアクリルを用いた
屈折角70°の探触子の入射角θiはスネルの法則で与え
られて、次式(1)で与えられる。 θi=Sin-1(vi・Sinθr/vr) =Sin-1(2730・Sin70゜/3230) … (1) 即ち、θi =52.58°となる。ただし、θrは屈折角、vi
はアクリル中の音速、V rは鋼中の音速である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の探触子を用いて音響異方性のある鋼管を探傷した場
合、屈折角が変化して、超音波ビームが目的の探傷位置
を通過しなくなるという問題点がある。
【0006】この入射角θiの探触子を音速3000m/sの被
検査体に適用すれば、屈折角θr'は次式(2)で与えら
れて、 θr’=Sin-1(vr・Sinθi/vi) =Sin-1(3000・Sin52.58゜/2730) … (2) θr'=60.78°となる。逆に入射角θiの探触子を音速340
0m/sの被検査体に適用すれば、屈折角θr”は次式
(3)で与えられて、 θi”=Sin-1(vr・Sinθi/vi) =Sin-1(3400・Sin52.58゜/2730) … (3) θr”=81.53°となる。
【0007】このように、音速が3230m/sから離れた値
の場合(音響異方性がある場合も含む)は、公称屈折角
と探傷屈折角は大きく異なる。この事実により、所望の
位置に超音波ビームを送信することが難しくなるのは明
らかであるが、さらに次のような問題も起きる。それ
は、屈折角が公称値からずれるとビームの拡がりも変わ
ってしまうということである。ビームの拡がりは、超音
波の波長と振動子の大きさにより決定されるものである
が、斜角探傷の場合は、振動子の大きさは「見かけの振
動子幅D’」で表される。その「見かけの振動子幅
D’」を用いて、エコー高さが−6dBになるときの指向
角φ-6の第零ふく射角を表すと次式(4)のようにな
る。 φ-6=Sin-1(0.5144・λ/D’) … (4) 但し、lは超音波の波長である。
【0008】また、実際の振動子の幅Dと見かけの振動
子幅D’の関係は、入射角θiと屈折角θrから次式
(5)のようになるので、 D’=Cosθr・D/Cosθi … (5) 結局、指向角φ-6は、入射角θiと屈折角θr、波長λ、
振動子幅Dを用いて、次式(6)で表される。 φ-6=Sin-1(0.5144・λ・Cosθi/(D・Cosθr)) … (6)
【0009】今、探傷超音波の波長を0.8075mm(4MH
z)、振動子の幅を9mmとすると、公称屈折角70°の探
触子において屈折角が70°であると φ-6=Sin-1(0.5144・0.8075・Cos52.58°/(9・Cos70°)) であるから、φ-6=4.7°となる。しかし、この公称屈折
角70°の探触子において屈折角が60.8°(即ち、鋼板の
音速が約3000m/s)となると、 φ-6=Sin-1(0.5144・0.75・Cos52.58°/(9・Cos60.8°)) より、f-6 =3.1°となりまた、この公称屈折角70°の探
触子において屈折角が81.5°(即ち、鋼板の音速が約34
00m/s)となると、 φ-6=Sin-1(0.5144・0.85・Cos52.58°/(9・Cos81.5°)) より、φ-6=11.5°となる。
【0010】このように、音速の変化により屈折角が公
称値からずれ、それに従ってビームの拡がりも変わって
しまうので、感度が著しく変化することがわかる。
【0011】また従来法では、上記の問題以外に次のよ
うな難点もある。すなわち、生産する鋼管の量は需要に
見合ったものなので、鋼管の製造工程において、肉厚・
外径が変わることが度々発生する。その度に屈折角等の
探傷条件が変わるので、探触子の交換作業が発生し、超
音波探傷ラインが全体の工程から考えてネック工程とな
る場合がある。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、音響異方性を有する鋼管であっても、音響異
方性の無い鋼管に対するのと同様の超音波探傷を行う方
法及び装置を提供することを課題とする。さらに詳しく
は、被検査体が音響異方性を有するために音速が伝搬方
向に依存して変化し、探傷屈折角が公称屈折角と大きく
異なる場合でも、所定の屈折角で探傷でき、さらに、通
常圧延材の場合と異なる屈折角・入射角の関係であって
も超音波の広がりが異なることなく、同じ感度で探傷を
可能にする超音波探傷方法及び装置を提供することを課
題とする。
【0013】またこの他に、鋼管の超音波探傷ラインを
流れる被検査体の肉厚や外径が変わっても探触子をつけ
替えることなく探傷できる探傷方法および装置を提供す
ることも目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、音響異方性を有する溶接鋼管に発生す
る欠陥を検出する超音波探傷方法であって、鋼管を構成
する鋼板の音速分布関数から入射角と屈折角の関係を求
め、その関係に従うように、リニアアレイ型の探触子を
用いて所定の入射角・ビーム幅で超音波を送信し、規定
の屈折角・ビーム幅で探傷を行うことを特徴とする鋼管
の超音波探傷方法(請求項1)である。
【0015】リニアアレイ型の超音波探触子は、その中
に設置した振動子群の振動子を一方から順に遅延時間を
おいて発振させることにより振動子の設置された面とは
異なる種々の方向に波面を持つ超音波が発生できる。そ
のため、音響異方性等により被検査体の音速が標準のも
のと異なった場合でも、入射角を変えることができるの
で屈折角を所望の角度にすることができる。さらに、超
音波を発振する振動子の数を変えることによって、超音
波ビームの幅を変えることができるので、それに起因す
る超音波ビームの拡がりを所望の角度にすることができ
る。即ち、この方法においては、被検査体の音速が変わ
っても常に同じ屈折角・ビーム拡がりの探傷が可能であ
る。
【0016】これと同時に、一つの探触子で種々の屈折
角の探傷が可能になるため、どんな外径・肉厚の被検査
体にも一つの探触子で対応できるようになり、超音波探
傷ラインにおいて探触子の交換作業時間を省くことがで
きる。
【0017】前記課題を解決するための第2の手段は、
音響異方性を有する溶接鋼管に発生する欠陥を検出する
超音波探傷装置であって、作動振動子と各々の振動子間
の遅延時間を変えることによって実行振動子幅と入射角
を変えることのできるリニアアレイ型探触子と、屈折角
に対する、鋼管を構成する鋼板の音速分布関数を与える
音速分布設定手段と、この音速分布関数に基づいて、規
定の屈折角・ビーム幅で探傷するための、リニアアレイ
型探触子の入射角・ビーム幅を算出する第1の演算器
と、リニアアレイ型の探触子で入射角方向に超音波を発
振させるための各々の振動子の遅延時間を算出する第2
の演算器と、探傷に用いる超音波の所定のビーム幅・ビ
ーム拡がりを持たすための作動振動子数を算出する第3
の演算器とを具備することを特徴とする鋼管の超音波探
傷装置(請求項2)である。
【0018】本手段においては、音速分布設定手段によ
り、屈折角に対する鋼板の音速分布関数を入力する。そ
して、第1の演算器により、鋼板の音速分布関数から、
リニアアレイ型探触子の入射角・ビーム幅を算出する。
第2の演算器は、リニアアレイ探触子において、求めら
れた入射角の超音波が得られるように、リニアアレイ中
の各々の振動子の遅延時間を算出する。第3の演算器
は、求められたビーム幅・ビーム拡がりを得るための、
リニアアレイ探触子における作動振動子数を決定する。
そして、求められたリニアアレイ中の各々の振動子の遅
延時間に基づいて、求められた数の振動子を励振させ
る。これにより、所定の屈折角・ビーム幅で斜角探傷を
行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例
を、図を用いて説明する。以下の実施の形態において
は、音響異方性を有する長手継手溶接鋼管の溶接部をリ
ニアアレイ型の超音波探触子で探傷する場合を例に示
す。まず、比較のために、従来の斜角探触子を用いた探
傷例を図8に示す。
【0020】この例において、被検査体である鋼管31
の肉厚・外径はそれぞれ30.2mm、457.2mmとする。ま
た、この鋼管は屈折角70°で探触子32と溶接部34の
距離(PWD)が80mmの位置においての探傷を行うと、図
8に示すようにX開先溶接部の中央部融合不良部に超音
波ビーム33が垂直に入射するため、欠陥エコーを高い
検出率で検出することができる。
【0021】本実施の形態においては、図8における斜
角探触子の代りに、図1に示すようなリニアアレイ型探
触子を用いる。図1において、1はリニアアレイ型探触
子、2は振動子、3は超音波ビーム、4は吸音材であ
る。リニアアレイ型探触子は周知のものであるが、図1
に示すリニアアレイ型探触子1は楔がアクリル製で振動
子2面は探傷面に対し37.42度の傾きを持っているとす
る。また、振動子列は約20枚の振動子2から構成され
ており、それぞれの振動子2の間隔は1mmであるとす
る。
【0022】この各々の振動子1を時間差を与えて励振
させることにより、超音波ビーム3の波面の角度を変更
することができ、従って、被測定物に入射する超音波の
入射角を変更することができる。なお、リニアアレイ型
探触子1の楔内には、吸音材4が設けられており、楔端
面で反射する音波を吸音し、乱反射した音波がノイズ源
とならないようにしている。また、楔内での音速は2730
m/sである。
【0023】図2は、このリニアアレイ型探触子で、音
響異方性の無い被検査体を探傷するときの様子を示す図
である。以下の図において、その図より若い番号の図番
に示された構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付
してその説明を省略する。図2において、5は遅延回
路、6は楔、7は楔内での超音波波面、8は被検査体、
9は被検査体内部での超音波ビームを示す。
【0024】図2において、(a)は音速の屈折角依存
性を示しており、音響異方性が無いために、音速は屈折
角によらず一定である。このような材料を探傷するとき
は、(b)に示すように、遅延回路はそれぞれの振動子
2に遅延時間を加えること無く同時に振動させることに
よって、超音波の入射角を52.58゜とすることができ、
スネルの法則により、70°の屈折角で超音波を送受信す
ることができる。また、このとき楔内での超音波のビー
ム幅が9mmになるように振動子2の数を選択すると、
(式6)から算出できるように、被検査体内での超音波
の-6dB指向角φ- 6=4.7°となり、肉厚方向の1/4〜3/4
の深さを探傷できる。
【0025】次に、このリニアアレイ型探触子を使用し
て、音響異方性を有する被検査体を探傷するときの様子
の1例を図3に示す。この場合、音響異方性のために、
音速と屈折角の関係は(a)に示されるようになってい
るとする。このとき、屈折角70°方向の音速は図より34
00m/sであるから、(b)に示すように、遅延回路5に
よって各振動子2に与える遅延時間を変え、超音波の入
射角が48.98°になるようにする。それによって、スネ
ルの法則より、70°の屈折角で超音波を送受信すること
ができる。実際の隣り合う振動子間の遅延時間Dtは、次
式で計算できる。 Δt=d・Cos(δθ)/Vwedge … (7) ここで、Vwedgeは楔内の音速、dは振動子の間隔、δθ
は振動子面の法線と超音波の伝播方向の角度の差であ
る。
【0026】従って、この場合は Dt =3.66×10-7secの
遅延時間であり、被検査体から遠い方の振動子が最も早
く励振され順に被検査体に近い方にDt =3.66×10 7sec
ずつ遅れて励振される。また、送信する超音波のビーム
の幅が10mmになるようにすると、被検査体内でのビーム
の広がりはΦ 6=4.6°となり、異方性が無いときと同
様の部位を探傷できる。
【0027】次に、このリニアアレイ型探触子を使用し
て、別の音響異方性を有する被検査体を探傷するときの
様子の1例を図4に示す。この場合、音響異方性のため
に、音速と屈折角の関係は(a)に示されるようになっ
ているとする。このとき、屈折角70°方向の音速は図よ
り3000m/sであるから、(b)に示すように、遅延回路
5によって各振動子2に与える遅延時間を変え、超音波
の入射角が58.77°になるようにする。それによって、
スネルの法則より、70°の屈折角で超音波を送受信する
ことができる。
【0028】実際の隣り合う振動子間の遅延時間Dtは、
(7)式で計算できて、この場合はDt = 3.64×10-7sec
の遅延時間であり、被検査体から近い方の振動子が最も
早く励振され順に被検査体に遠い方にDt =3.64×10-7se
cずつ遅れて励振される。また、送信する超音波のビー
ムの幅が8mmになるようにすると、被検査体内でのビー
ムの広がりはΦ-6=4.5°となり、異方性が無いときと
同様の部位を探傷できる。
【0029】図5は、このような探傷方法を実現するた
めの、本発明の実施の形態の1例である機器構成を示す
ブロック図である。図5において、10は音速分布関数
入力手段、11は探傷条件入力手段、12は入射角・ビ
ーム幅算出部、13は遅延時間算出部、14は作動振動
子数算出部、15はアレイ探傷器である。
【0030】音速分布関数入力手段10は、被検査体の
屈折角と音速の関係を示すデータを入力する機能を有す
るものである。実際には、手動で数値データを入力する
ものであっても上位コンピュータからデータ転送される
ものであってもよい。探傷条件入力手段12は、探傷条
件(被検査体の外径・肉厚、および探傷部位、探傷屈折
角、探傷スキップ数、ビーム幅など)を設定する。
【0031】入射角・ビーム幅算出部12は、探傷条件
入力手段11で入力された探傷屈折角、(非検査体内部
での)ビーム幅と、前述の屈折角と音速の関係を示すデ
ータとを用いて、これら探傷屈折角、ビーム幅を得るた
めの、リニアアレイ型探触子1内での、入射角とビーム
幅を算出する。これらの算出には、スネルの法則と、
(6)式で示されたような関係式が用いられる。
【0032】たとえば、図6(a)に示すような屈折角
と音速との関係を示すデータが与えられると、入射角・
ビーム幅算出部12は、使用される探触子の楔内音速に
応じて、図6(b)に示すような入射角と屈折角の対応
を算出する。これにはスネルの法則が用いられる。そし
て、探傷条件入力手段11から探傷屈折角が与えられる
と、それに対応する入射角が求められる。もちろん、
(b)のような対応関係を予め求めておかず、与えられ
た屈折角及び探触子の条件から(a)の関係とスネルの
法則を用いて入射角を求めてもよい。
【0033】遅延時間算出部13は、入射角・ビーム幅
算出部12で求められた入射角を得るのに必要なリニア
アレイ型探触子の各振動子の遅延時間を算出し、アレイ
探傷器15に与える。遅延時間の算出には、たとえば
(7)式を使用する。
【0034】作動振動子数算出部14は、入射角・ビー
ム幅算出部12で求められたリニアアレイ型探触子1内
の超音波ビーム幅を得るために必要な振動子の数を算出
してアレイ探傷器15に与える。アレイ探傷器15は、
これらの値を使用して、リニアアレイ型探触子1の入射
角とビーム幅を制御し、探傷を行う。
【0035】図7にアレイ探傷器の詳細構造の例を示
す。図7において、16はトリガー信号(送信信号)発
生器、17は送信用電子スイッチ群、17’は受信用電
子スイッチ群、18は送信用遅延回路群、18’は受信
用遅延回路群、19はパルサー群、20はプリアンプ
群、21は加算器、22は可変増幅器、23はゲート、
24はエコー高さ演算器、25は判定手段である。
【0036】トリガ信号発生器16は、超音波の送信タ
イミングで信号を出すものである。その信号は、送信用
電子スイッチ群17に送られる。このとき、送信用電子
スイッチ19は、作動振動子数算出部14で算出された
振動子数の部分だけオンとなっており、その他はオフと
なっている。送信用電子スイッチ群17がオンになって
いるところからは、送信信号が送信用遅延回路18に送
られて、そこでそれぞれの振動子の励振タイミングの遅
延時間分だけ、送信信号が遅延される。この送信信号の
遅延時間は、遅延時間算出部13によって算出された値
によって決定される。
【0037】所定時間の遅延を受けた送信信号は、送信
器群19に送られる。送信器群19は、送信信号が送ら
れてきたタイミングで、それそれの振動子2に高電圧の
パルスを送信する。高電圧のパルスは、それぞれの振動
子2で超音波に変換され、リニアアレイ型探触子1から
ホイヘンス原理に従った方向に超音波が送信される。送
信された超音波9は、被検査体8内を伝播した後、反射
体があれば、リニアアレイ型探触子1に戻ってきて、振
動子2によって電気信号に変換される。
【0038】受信されたそれぞれの電気信号は、プリア
ンプ群20で増幅され、受信用電子スイッチ群17’を
経て、受信用遅延回路群18’に導かれ、加算器21で
それぞれの信号が足し合わされる。このとき、受信用電
子スイッチ群17’は、オンとなっている送信用電子ス
イッチ群17に対応するものがオンとなり、その他のも
のがオフとなっている。また、受信用遅延回路群18’
に与えられる遅延時間は、入射角と同じ角度でリニアア
レイ型探触子1に帰ってきた超音波を受信するように、
送信用遅延回路18に与えられる遅延時間と同じとされ
ている。
【0039】よって、この加算器21の出力は、入射角
と同じ角度で被検査体8からリニアアレイ型探触子に入
射する超音波の信号になる。加算器21を出た信号は、
通常の超音波探傷器同様に、可変増幅器22を経て、ゲ
−ト23で探傷部位のみの信号が抽出される。そして、
エコー高さ演算手段24で最大反射エコーの値を検出
し、判定手段25で欠陥の有無を判定するようになって
いる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被検査体が音響異方性を有し、伝搬方向に依存した音速
分布が存在する場合も、音速分布関数を使って被検査体
固有の入射角・屈折角の関係を算出することにより、必
要な探傷屈折角で探傷するための入射角を計算できる。
また、その入射角で超音波を発生するために適当な遅延
時間を与えて種々の方向に超音波を発生することのでき
るリニアアレイ型の探触子用いて探傷するので、音響異
方性が異なる場合であっても、一つのプローブで通常鋼
板同様の探傷を行うことができる。
【0041】さらに、超音波を発振するために使う振動
子の数を可変にすることにより、屈折角が変化しても見
かけの振動子幅を常に等しくすることができる。よっ
て、常に一定の超音波の広がりで探傷ができるため、欠
陥を過大・過小評価することないという効果を奏する。
【0042】また、鋼管の製造工程中の継手溶接部等の
自動探傷探に適用する場合においては、ラインに流れる
製品の形状(例えば、肉厚・外径比)が変わっても探触
子の交換を必要としないため、検査効率も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】リニアアレイ型探触子の構成を示す図である。
【図2】リニアアレイ型探触子を使用して、音響異方性
の無い被検査体を探傷するときの様子を示す図である。
【図3】リニアアレイ型探触子を使用して、音響異方性
を有する被検査体を探傷するときの様子の1例を示す図
である。
【図4】リニアアレイ型探触子を使用して、別の音響異
方性を有する被検査体を探傷するときの様子の1例を示
す図である。
【図5】本発明の実施の形態の1例である機器構成を示
すブロック図である。
【図6】屈折角と音速との関係を示すデータと、それに
対応する屈折角と入射角の関係を示す図である。
【図7】アレイ探傷器の詳細構造の例を示す図である。
【図8】従来の斜角探触子を用いた探傷例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…リニアアレイ型探触子、2…振動子、3…超音波ビ
ーム、4…吸音材、5…遅延回路、6…楔、7…楔内で
の超音波波面、8…被検査体、9…被検査体内部での超
音波ビーム、10…音速分布関数入力手段、11…探傷
条件入力手段、12…入射角・ビーム幅算出部、13…
遅延時間算出部、14…作動振動子数算出部、15…ア
レイ探傷器、16…トリガー信号(送信信号)発生器、
17…送信用電子スイッチ群、17’…受信用電子スイ
ッチ群、18…送信用遅延回路群、18’…受信用遅延
回路群、19…パルサー群、20…プリアンプ群、21
…加算器、22…可変増幅器、23…ゲート、24…エ
コー高さ演算器、25…判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松藤 泰大 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 清水 武夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2G047 AA07 AB01 AB07 BB02 BC07 EA10 GB02 GF17 GF22

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音響異方性を有する溶接鋼管に発生する
    欠陥を検出する超音波探傷方法であって、鋼管を構成す
    る鋼板の音速分布関数から入射角と屈折角の関係を求
    め、その関係に従うように、リニアアレイ型の探触子を
    用いて所定の入射角・ビーム幅で超音波を送信し、規定
    の屈折角・ビーム幅で探傷を行うことを特徴とする鋼管
    の超音波探傷方法。
  2. 【請求項2】 音響異方性を有する溶接鋼管に発生する
    欠陥を検出する超音波探傷装置であって、作動振動子と
    各々の振動子間の遅延時間を変えることによって実行振
    動子幅と入射角を変えることのできるリニアアレイ型探
    触子と、屈折角に対する、鋼管を構成する鋼板の音速分
    布関数を与える音速分布設定手段と、この音速分布関数
    に基づいて、規定の屈折角・ビーム幅で探傷するため
    の、リニアアレイ型探触子の入射角・ビーム幅を算出す
    る第1の演算器と、リニアアレイ型の探触子で入射角方
    向に超音波を発振させるための各々の振動子の遅延時間
    を算出する第2の演算器と、探傷に用いる超音波の所定
    のビーム幅・ビーム拡がりを持たすための作動振動子数
    を算出する第3の演算器とを具備することを特徴とする
    鋼管の超音波探傷装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010145357A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Toshiba Corp 超音波探触子及び超音波探傷方法
CN116482235A (zh) * 2023-04-13 2023-07-25 河北京车轨道交通车辆装备有限公司 一种超声波探伤用探头

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