JP2000266888A - 原子炉の運転支援方法および運転支援装置並びに記録媒体 - Google Patents

原子炉の運転支援方法および運転支援装置並びに記録媒体

Info

Publication number
JP2000266888A
JP2000266888A JP7258099A JP7258099A JP2000266888A JP 2000266888 A JP2000266888 A JP 2000266888A JP 7258099 A JP7258099 A JP 7258099A JP 7258099 A JP7258099 A JP 7258099A JP 2000266888 A JP2000266888 A JP 2000266888A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
state quantity
alarm
event
cause
listed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7258099A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Takano
研一 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Research Institute of Electric Power Industry
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Research Institute of Electric Power Industry filed Critical Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority to JP7258099A priority Critical patent/JP2000266888A/ja
Publication of JP2000266888A publication Critical patent/JP2000266888A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin

Landscapes

  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 警報の発生に対して迅速に支援情報を呈示す
る。 【解決手段】 警報発生時に、当該警報の原因の影響を
受けて変動する状態量をリストアップし、リストアップ
した各状態量の中から注目すべき状態量を選択して主要
状態量とすると共に当該主要状態量以外のリストアップ
した状態量を関連状態量とし、これら主要状態量及び関
連状態量の各々について警報関連情報をリストアップ
し、主要状態量及び関連状態量を前記警報関連情報と伴
に表示する(ステップS2)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉の運転支援
方法及び運転支援装置並びに記録媒体に関する。更に詳
述すると、本発明は、原子炉プラントの異常に対してオ
ペレータの操作・監視に係わる諸活動を支援する運転支
援方法及び運転支援装置並びにこれらをコンピュータに
実行させるためのプログラムを記録した記録媒体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】原子炉プラントのオペレータの操作・監
視に係わる諸活動を支援する運転支援システムは、TM
I(スリーマイルアイランド)事故などを契機としてマ
ンマシンインターフェースの高度化の一環として開発が
開始されている。従来の運転支援システムは、プラント
の運転状況についての情報収集や収集した情報の表示に
力点を置いており、収集した情報に基づいて異常の原因
を診断した後、その原因に応じて適切な対応手段を呈示
するもの過ぎない。
【0003】一方、原子炉プラントに比べて事象変化が
比較的緩やかである使用済核燃料の再処理プラントで
は、異常発生時に観測プラントパラメータを土台とした
シミュレータ計算を行う時間的余裕があるため、このシ
ミュレータ計算により挙動予測を行ってオペレータに判
断の助けとなる情報を呈示する運転支援システムがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
原子炉プラントの運転支援システムでは、警報の起因と
なったイベントの発生原因を突き止めた後でなければオ
ペレータに支援情報を呈示することが出来ず、迅速な対
応が要求される実際の原子炉プラントでは使用が困難で
ある。また、上述の使用済核燃料の再処理プラントの運
転支援システムのように、警報発生時にコンピュータを
使用したシミュレータ計算により挙動予測を行えば警報
の起因となったイベントの発生原因を突き止めなくても
オペレータに支援情報を呈示することは可能にはなる
が、コンピュータを高速化してもシミュレータ計算には
ある程度の時間がかかるので、この場合にもオペレータ
に迅速に支援情報を呈示することができず実際の原子炉
プラントでは使用が困難である。
【0005】本発明は、警報の発生に対して迅速に支援
情報を呈示できる原子炉の運転支援方法及び運転支援装
置並びにこれらを任意のコンピュータ上に実現可能とす
る記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項1記載の原子炉の運転支援方法は、警報発生
時に、当該警報の原因の影響を受けて変動する状態量を
リストアップし、リストアップした各状態量の中から注
目すべき状態量を選択して主要状態量とすると共に当該
主要状態量以外のリストアップした状態量を関連状態量
とし、これら主要状態量及び関連状態量の各々について
警報関連情報をリストアップし、主要状態量及び関連状
態量を警報関連情報と伴に表示するものである。
【0007】原子炉プラントでは運転時に発生する警報
の種類は限られており、また、各警報の起因となったイ
ベントが各状態量にどの様に影響を与えるかについても
既知である。したがって、警報が発生した場合にこの警
報に影響されて変動する各状態量を列挙して表示するこ
とは可能である。また、各状態量について、事故への発
展防止の観点から重要度や緊急度を考慮してランク付け
を行うことも可能である。さらに、各状態量については
悪化時の警報発令やインターロック作動等の種々の警報
関連情報が設定されており、当該警報関連情報を状態量
と一緒に表示することも可能である。依って、本発明の
原子炉の運転支援方法は、警報発生時に当該警報の原因
の影響で変動すると考えられる状態量を警報関連情報と
一緒に素早く表示することで、各状態量がこのまま推移
するとどの様な経過をたどるかについての予測情報をオ
ペレータに迅速に提供する。しかも、各状態量を単に表
示するのではなく、最も緊急度が高く重要な状態量を主
要状態量として表示する。
【0008】即ち、本発明の原子炉の運転支援方法は、
警報の起因となったイベントの発生原因を突き止める前
であっても状態量の将来的な挙動を予測しオペレータの
判断材料となる情報を迅速に呈示することによって、熟
練オペレータでなくとも、十分な知識と経験等を有する
熟練オペレータと同様に、警報の起因となったイベント
の発生原因が不明のままでも当該イベントの種類から判
断して状態量の挙動を予測して操作介入を行い得る。
【0009】また、請求項2記載の原子炉の運転支援方
法は、警報関連情報としては、状態量の悪化について警
報を発令するように設定した値と、主要状態量の悪化防
止のために操作介入すべき目安値と、操作介入により新
たに生じる副次的イベントの情報を含むものである。し
たがって、警報発生時に主要状態量の悪化により新たな
警報が発令される値と操作介入すべき目安値が状態量と
一緒に表示され、さらにその操作介入によって新たに生
じる副次的イベントが表示される。すなわち、現在発生
している警報の起因となったイベントの発生原因によっ
て状態量がこのまま悪化するとどうなるかについての予
測情報が提供される。
【0010】また、請求項3記載の原子炉の運転支援方
法は、警報の起因となったイベントに対応して設定され
ている当面対応をイベントの表示に関連づけて表示する
ものである。原子炉プラントでは運転時に発生するイベ
ントの種類は既知であり、また、イベントの種類によっ
ては発生直後に迅速に行うべき操作介入として当面対応
の手順が決まっているものがある。したがって、本発明
の原子炉の運転支援方法では、警報の起因となったイベ
ントに関連づけて当面対応を表示し、オペレータの操作
を支援する。
【0011】また、請求項4記載の原子炉の運転支援方
法は、警報の起因となったイベントの原因診断を並列的
に行うものである。したがって、各状態量の将来的な挙
動の予測情報を提供する一方、同時に警報の起因となっ
たイベントの発生原因の診断を行ってより早く原因対応
を実施可能とすべくオペレータを支援する。
【0012】この場合、請求項5記載の原子炉の運転支
援方法のように、原因診断としては仮説検定型の推論又
は複数警報のパターン認識による絞り込みによることが
望ましい。
【0013】一方、請求項6記載の原子炉の運転支援装
置は、警報の影響を受けて変動する状態量をリストアッ
プする状態量リストアップ手段と、リストアップした各
状態量の中から最も注目すべき状態量を選択して主要状
態量とすると共に当該主要状態量以外のリストアップし
た状態量を関連状態量とする優先順位決定手段と、主要
状態量及び関連状態量の各々について警報関連情報をリ
ストアップする関連情報リストアップ手段と、主要状態
量及び関連状態量を警報関連情報と伴に表示する表示手
段を備えるものである。このように構成することで、上
述の原子炉の運転支援方法を実施することができる。
【0014】この場合、請求項7記載の原子炉の運転支
援装置のように、関連情報リストアップ手段は、少なく
とも、状態量の悪化について警報を発令するように設定
した値と、主要状態量の悪化防止のために操作介入すべ
き目安値と、操作介入により新たに生じる副次的イベン
トの情報をリストアップすることが望ましい。これらの
情報は各状態量がこのまま変化した場合にどうなるかと
いうことに関するものであり、これらの情報を表示する
ことで、オペレータは各状態量の挙動の予測と、それに
応じてどの様に対応すれば良いかを知ることができる。
【0015】また、請求項8記載の原子炉の運転支援装
置は、警報の起因となったイベントに対応して設定され
ている当面対応をイベントの表示に関連づけて表示する
当面対応表示手段を備えるものである。したがって、イ
ベントが発生した場合の当面のリカバリーに関する情報
が呈示される。
【0016】さらに、請求項9の原子炉の運転支援装置
は、警報の発生時に当該警報の起因となったイベントの
原因診断を並列的に行う原因診断手段を備えるものであ
る。したがって、当面対応や予測対応を行いながら、イ
ベントの発生原因を診断することができる。
【0017】更に、本発明は、請求項1から9のいずれ
かに記載の原子炉の運転支援方法あるいは運転支援装置
の各手段をコンピュータに実行させるプログラムを記録
したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。ここ
で、記録媒体には、例えばCD−ROM、DVD、フロ
ッピーディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、R
OMカートリッジ、フラッシュメモリ等を挙げることが
できる。
【0018】つまり、本発明は、メンタルモデルを生成
することで、主要状態量の挙動を予測し、オペレータに
支援情報を呈示する。図10に、メンタルモデルの概念
を示す。このメンタルモデルが生成されるのは、最初の
警報が発生し、オペレータがプラント側に発生した異常
を認知した時点である。すなわち、同図における「現
在」の位置である。また、この図の左側は原因側(過
去)を、右側は挙動予測(未来)を表している。ここ
で、イベントとは機器の起動/停止、弁の開/閉などの
プラント側に発生する出来事を表し、原因とはそれが発
生した下位の異常原因を意味する。状態量とはプラント
の過渡状態を表す状態量のうち、中央制御室および現場
で観察可能なものである。このうち、オペレータが特に
注意を払い、この状態量の悪化に付随した対応を優先し
て採って行くものを主要状態量とする。一方、異常原因
の影響を受けて変動はするが、運転員の注意が特段払わ
れないものを関連状態量とする。状態量には、低、低−
低、高、高−高などの警報が状態量の種類に応じて設定
されており、これはその状態量ごとに設定されている。
【0019】このメンタルモデルの生成過程および予測
過程について以下に説明する。
【0020】最初の警報(以下、FH(First H
it)警報という)が発生した場合、オペレータは第一
に警報処理手順に従い当面対応(ある警報が発生した場
合に定められている実施事項)を実施する。ただし、当
面対応が原因の種類に依存する場合には、この原因を同
定した後に当面対応(IR:Immediate Measures)を実
施する。FH警報がイベント警報でなく、状態量警報で
あってもその原因を把握すれば、それをイベント警報と
みなすことにより、全く同様の考え方を適用する。な
お、警報処理手順とは、たとえば「もし、警報Aならば
対応A」というように、警報ごとに必要な手順を定めた
ものであり、対応Aとして詳細な手順が記載されてい
る。また、イベント警報とは、ポンプがトリップ(強制
停止)した、弁が開いたなど連続的に変わる出来事以外
の出来事、たとえば開閉、作動・停止などの出来事を知
らせる警報である。状態量警報とは、ある状態量(例え
ば水位、流量、圧力、位置など)の連続的に変化するパ
ラメータが所定のしきい値を超えた場合に出る警報であ
る。
【0021】次に、FH警報により検出されたマルファ
ンクション(機器の故障であり、ある事象の発生の引き
金となるイベントであり、これが引き金となって次々と
イベントを惹き起こす)により影響される状態量が、オ
ペレータのこれまでの経験に基づきリストアップされ
る。このうち、今後の異常の収束(回復)を念頭におい
た場合に最も重要な状態量を主要状態量とする。この主
要状態量はこれまでの研究により、最大でも3つ、通常
は1つであることが確認されている。この主要状態量も
同様にオペレータの過去の経験およびイベントベース手
順に準拠して定められる。なお、イベントベース手順と
は、たとえば、事前にある出来事が起こることを想定し
て、それに対する対応を「if then」方式で用意
したものである。これまで正式に用意されているイベン
トベース手順はせいぜい18種類のイベントに対応した
ものである。
【0022】この主要状態量が定まると、プラントの挙
動予測が開始される。すなわち、状態量が単調に悪化し
ていく場合を想定し、その主要状態量の警報設定点が想
起される。同時に、この状態量をこれ以上悪化させない
ようにするための操作手順が想起される。通常はこの操
作手順は警報設定点を目安にするか、あるいは、特定の
状態量の値(これをマイルストーン値と定義する)を目
安として、特定の操作手順が実行されるととなる。これ
を予測対応(PM:Predictive Measures) という。こ
の対応の最大のメリットは原因診断ができていない状況
においても変動の早い状態量さえ特定できれば、状態量
の値に対応して対応策が定義されているので、状態量に
応じて対応策が実行可能であるということである。さら
に、関連状態量についても、これが悪化した場合に発生
する警報およびインターロックを同様に予測しておけ
ば、FH警報発生後に引き続いて発生する警報やインタ
ーロックがこの原因により発生した一連のシナリオに含
まれるものか否かを判定できる(読み筋判定)。これは
多重故障かそうでないかを識別する有力な方法論であ
る。なお、多重故障の場合にはもう一つメンタルモデル
を生成して、最初のものとは別個に対応することとな
る。
【0023】予測対応はトランジェント(事象の状態変
化)が早い場合には原因対応より優先されることになる
が、通常、予測対応と同時並行的に原因の探索が行われ
る。原因診断は、同時に発生した警報によるパターン認
識による絞り込み(一度に多くの警報が発生した場合、
その警報の種類から発生原因の目星をつける)、および
仮説検定型の推論(この原因はAであると仮定し、Aで
ある場合の兆候を順次見出して、一致しなければ、次の
仮説Bを置き、順次、一致するまで続ける)により、原
因が特定される。一般には、原因の識別は警報処理手順
に従い、FH警報を手がかりとして仮説検定により進め
られることが多い。このようにして、原因が特定された
後は原因を除去するための原因対応(CR:Causal Rem
edy) が実施に移される。例えばリーク箇所が同定でき
れば隔離操作が実施可能となり、ストレーナが詰まって
いたならば切り替え操作が原因対応として実施されるこ
とになる。
【0024】さらに、主要状態量の悪化が進み次の警報
が発令されると、インターロックにより機器の起動/停
止が発生することがある。この場合には、そのインター
ロックイベントを引き続くイベント警報と捉え、主要状
態量の見直しを図る。通常、後のインターロックにより
影響される状態量のほうがより緊急性が高いことから、
このインターロックによって引き起こされた状態量の中
から新たな主要状態量が選択される。例えば、スクラム
をインターロックと考えればその後は原子炉水位が主要
状態量となる。この場合、スクラム対応は当面対応とし
て実施される。
【0025】以上がメンタルモデルの概要である。この
メンタルモデルをFH警報発生時点で生成することが可
能であり、この場合には事象発生のかなり早い時点で、
オペレータはかなり先のプラント状態変化のシナリオを
予測できることになる。すなわち、このメンタルモデル
が任意のマルファンクションについて生成できれば、こ
のメンタルモデル生成方式がオペレータの認知形態に基
づく「認知シミュレータ」として機能し、プラントの挙
動予測が可能となる。また、原因診断が完了していない
状況であっても予測対応が可能であることを考え合わせ
れば、この認知シミュレータが前述した既存の運転支援
システムにおける課題を解決し、ブレークスルーできる
ポテンシャルを十分有しているといえる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0027】図1に本発明を適用した原子炉の運転支援
方法の実施形態の一例を、図2に本発明を適用した原子
炉の運転支援装置の実施形態の一例をそれそれ示す。こ
の運転支援装置61は、警報の影響を受けて変動する状
態量をリストアップする状態量リストアップ手段62
と、リストアップした各状態量の中から注目すべき状態
量を選択して主要状態量とすると共に当該主要状態量以
外のリストアップした状態量を関連状態量とする優先順
位決定手段63と、主要状態量及び関連状態量の各々に
ついて警報関連情報をリストアップする関連情報リスト
アップ手段64と、主要状態量及び関連状態量を警報関
連情報と伴に表示する表示手段を備えて構成されてい
る。また、この運転支援装置61は、警報の起因となっ
たイベントに対応して設定されている当面対応をイベン
トの表示に関連づけて表示する当面対応表示手段65
と、警報の発生時に当該警報の起因となったイベントの
原因診断を並列的に行う原因診断手段66を備えてい
る。
【0028】この運転支援装置61は、例えば所定のプ
ログラムに従って各種の演算処理を実行する中央演算装
置と、データの入出力を行うインターフェースと、演算
処理を行う上で必要なプログラムやデータを記憶する主
記憶装置と、各種データベース等のデータ類を格納する
リードディスクドライブ装置などの記憶装置と、データ
や必要な指令を入力する入力装置及びその他の周辺装置
を必要に応じて備えるコンピュータ67並びに、ディス
プレイ68を少なくとも有するコンピュータシステムに
よって実現されており、上述のプログラムの実行によっ
てコンピュータ67のメモリ領域に状態量リストアップ
手段62、優先順位決定手段63、関連情報リストアッ
プ手段64、当面対応表示手段65、原因診断手段66
が構成され、それぞれ機能する。また、コンピュータ6
7には、例えばCRTディスプレイモニタ(以下、モニ
タという)68が接続されており、このモニタ68が表
示手段として機能する。
【0029】状態量リストアップ手段62は、図3に示
すように、最初の警報がイベント警報であるか状態量警
報であるかを判別する警報判別部62aと、最初の警報
がイベント警報の場合に当該イベントの発生により影響
を受ける状態量をリストアップするイベント警報部62
bと、最初の警報が状態量警報の場合に当該状態量の変
化により影響を受ける他の状態量をリストアップする状
態量警報部62cを備えて構成されている。イベント警
報部62bは、例えば、図4に示すように、2つのデー
タベース、具体的には、プラントの機器類例えば弁等の
オンオフや配管破断等突発的に発生するマルファンクシ
ョンと当該マルファンクションを発生させる原因の候補
とを一覧表的に記憶したデータベースであるイベント知
識ベース(以下、イベントKBという)69と、あるイ
ベントが発生した場合にそれが波及して変動する状態量
のうち代表的なものを記載したイベント−状態量関連知
識ベース(以下、イベント−状態量関連KBという)7
0を有している。また、状態量警報部62cは2つのデ
ータベース、具体的には、オペレータが知識として有し
ているプラント状態量で警報設定値(+/−)、通常
値、予測対応及びその位置(マイルストーン等)を記憶
した状態量知識ベース(以下、状態量KBという)71
と、ある状態量が変動した場合に当該状態量により影響
を受けて変動する状態量のうち代表的なものを記憶した
データベースである状態量関連知識ベース(以下、状態
量関連KBという)72を有している。
【0030】優先順位決定手段63は、複数の状態量が
変動している場合にそれぞれの状態量の値とトレンドに
基づいてどの状態量を優先して対応すべきかをマトリッ
クスで比較し一覧表的に記憶したデータベースである状
態量優先順位知識ベース(以下、状態量優先順位KBと
いう)73を有している。
【0031】関連情報リストアップ手段64は、少なく
とも、状態量の悪化について警報を発令するように設定
した値と、主要状態量の悪化防止のために操作介入すべ
き目安値と、操作介入により新たに生じる副次的イベン
トの情報をリストアップするもので、5つのデータベー
ス、具体的には、ある状態量が特定の設定値に達した場
合に発生するイベントを記憶したデータベースであるイ
ンターロック知識ベース(以下、インターロックKBと
いう)74と、状態量に関連した警報およびマイルスト
ーンごとに当該状態量のそれ以上の悪化を防ぐための緊
急的な対応(操作介入)の手順を記憶したデータベース
である予測対応知識ベース(以下、予測対応KBとい
う)75と、上述の状態量KB71と、イベントKB6
9と、状態量優先順位KB73とを有している。なお、
予測対応KB75における警報およびマイルストーンと
状態量との対応関係の概念を図5に示す。図5中のA位
置にはAに達する前にAにならないようにするための予
測対応の手順が関連づけられている。また、B位置に
は、同じくAからBに至る途中に、Bにならないように
するための対応策が関連づけられる。
【0032】当面対応表示手段65は、イベントごとに
当該イベントが発生した場合に取るべき当面の対応を記
憶したデータベースである当面対応知識ベース(以下、
当面対応KBという)76を有している。なお、当面対
応とは、たとえばポンプ停止の場合に待機ポンプを起動
するなど当面のリカバリーを指す。
【0033】原因診断手段66は2つのデータベース、
具体的には、イベントの原因となり得るものごとに原因
確認手順と原因対応を記憶したデータベースである原因
知識ベース(以下、原因KBという)77と、原因対応
ごとに当該原因対応の詳細手順を記憶したデータベース
である原因対応知識ベース(以下、原因対応KBとい
う)78を有している。
【0034】この運転支援装置61は、原子炉プラント
79の運転を制御するプラント制御装置80に付随した
運転支援システムであり、プラント制御装置80から原
子炉プラント79の各種情報や警報に関する信号等の供
給を受けている。
【0035】次に、上述の運転支援装置61を使用した
原子炉の運転支援方法について説明する。この運転支援
方法は、警報発生時に、当該警報の原因の影響を受けて
変動する状態量をリストアップし、リストアップした各
状態量の中から注目すべき状態量を選択して主要状態量
とすると共に当該主要状態量以外のリストアップした状
態量を関連状態量とし、これら主要状態量及び関連状態
量の各々について警報関連情報をリストアップし、主要
状態量及び関連状態量を警報関連情報と伴に表示するも
のである。本実施形態では、このように主要状態量及び
関連状態量を警報と伴に表示する予測対応と、警報の起
因となったイベントの原因診断を行う原因対応を並列的
に行う。また、予測対応と原因対応に先立って当面対応
を表示する。オペレータは表示された当面対応を必要に
応じて実施する。この運転支援方法は、上述の運転支援
装置61で実施できるようにプログラムされている。
【0036】原子炉プラント79に何からの異常が発生
すると、この異常をプラント制御装置80が感知して警
報を発令する。この警報を受けた運転支援装置61は、
図1に示す運転支援方法のプログラムを実行する。この
運転支援方法では、まず最初にステップS1の当面対応
ルーチンを実行した後、予測対応ルーチンと原因対応ル
ーチンを同時に並列的に実行する(ステップS2,
3)。即ち、警報発令の起因となったイベントの発生原
因を突き止めなくても当面対応と予測対応に関する情報
を提供することができる。
【0037】図6に、当面対応ルーチンのフローチャー
トを示す。当面対応ルーチンでは、警報の種類から当該
警報に対応して定義されている当面対応を当面対応KB
76から引用する。即ち、先ず当面対応KB76を参照
して当面対応の実施条件(FH警報の発生理由によって
当面対応が異なるので、盤面より確認できる発生理由を
実施条件とする)を確認(ステップS11)した後、確
認できた時点で当面対応をモニタ68を表示する(ステ
ップS12)。オペレータはモニタ68に表示された当
面対応を必要に応じて実施する。この後、図1のメイン
ルーチンに戻り、予測対応ルーチンと原因対応ルーチン
を並列的に実行する(ステップS2,3)。
【0038】先ず最初に予測対応ルーチンについて説明
する。図7及び図8に予測対応ルーチンのフローチャー
トを示す。予測対応ルーチンでは、主要状態量を監視
し、予測対応実施地点(マイルストーン、警報設定点な
ど)を通過あるいはすぐに超えてしまうことが予測でき
る場合には予測対応を迅速に実施できるように表示す
る。即ち、先ずステップS21では、状態量リストアッ
プ手段62の警報判別部62aが最初の警報がイベント
警報であるか状態量警報であるかを判別し、イベント警
報である場合にはステップS22に、状態量警報である
場合にはステップS24に進む。
【0039】ステップS22ではイベント警報部62b
がイベントKB69を参照して当該イベントを発生させ
る原因の候補をリストアップし、ステップS23ではイ
ベント−状態量関連KB70を参照して当該イベントに
よって影響を受ける状態量をリストアップする。一方、
ステップS21からステップS24に進んだ場合には、
ステップS24において状態量警報部62cが状態量K
B71を参照して当該状態量を変化させる原因の候補を
リストアップする。その後、ステップS25に進んで状
態量関連KB72を参照して当該状態量の変化により影
響を受ける他の状態量をリストアップする。
【0040】続くステップS26では、優先順位決定手
段63がリストアップされた状態量のトレンド(変化
量)、現在の値などを観察し、状態量優先順位KB73
を参照して状態量の緊急度を加味した重要な状態量を1
〜2個、場合によっては1〜3個選びそれを主要状態量
とする。この後ステップS27に進み、主要状態量が単
調に悪化すると仮定し、状態量KB71を参照して予測
対応の実施の目安となるマイルストーン、警報設定点を
同定する。なお、ステップS27〜S34は関連情報リ
ストアップ手段64が行うステップである。次に、ステ
ップS28に進み、警報設定点にインターロックが設定
されていないかをインターロックKB74を参照して同
定する。
【0041】続くステップS29では、インターロック
が設定されているか否かを判別する。いま、警報設定点
にインターロックが設定されている場合には、ステップ
S30に進んでインターロックにより引き起こされる副
次的なイベントをインターロックKB74を参照して同
定する。次に、ステップS31ではイベントKB69を
参照して当該イベントにより影響を受ける状態量をリス
トアップした後、ステップS32では以前の主要状態量
と今回新たに加えられた状態量のトレンド、現在値を観
察し、状態量優先順位KB73を参照して状態量の緊急
度を加味して重要な状態量を1〜2個、場合によっては
1〜3個選びそれを新たな主要状態量とする。なお、新
たな主要状態量とすべきものがない場合には、元の主要
状態量をそのまま主要状態量としておく。
【0042】次に、ステップS33では、主要状態量が
単調に悪化すると仮定し、状態量KB71を参照して予
測対応の実施の目安となるマイルストーン、警報設定点
を同定し、さらに予測対応KB75から予測対応を引用
する。次に、ステップS34では、警報設定点にインタ
ーロックが設定されていないかをインターロックKB7
4を参照して同定する。この後、ステップS29に戻
る。
【0043】このように、警報設定点にインターロック
が設定されている限り、ステップS30〜S34を繰り
返し実行し、図10に概念的に示すようなメンタルモデ
ルが生成される。
【0044】そして、ステップS29において、警報設
定点にインターロックが設定されていなければステップ
S35に進んで生成したメンタルモデルをモニタ68に
表示する。即ち、リストアップした主要状態量及び関連
状態量をモニタ68に表示すると共に、警報関連情報と
して、状態量の悪化について警報を発令するように設定
した値(警報設定点)と、主要状態量の悪化防止のため
に操作介入すべき目安値(マイルストーン)と、操作介
入により新たに生じる副次的イベントの情報を表示す
る。また、警報の起因となったイベントに対応して設定
されている当面対応もイベントの表示に関連づけて表示
する。このようにして、運転支援情報がオペレータに呈
示される。オペレータは、モニタ68に表示された支援
情報を考慮し、プラントの挙動を予測した適切な対応、
即ちモニタ68に表示された予測対応の手順を必要に応
じてを実施することができる。この後、図1のステップ
S4に進む。
【0045】ステップS4では、オペレータが行った予
測対応の効果を評価するために主要状態量の変化率を監
視する。そして、予測対応の効果がなかった場合には、
ステップS5からステップS2に戻って再度予測対応ル
ーチンを実行する。
【0046】一方、予測対応の効果があり、監視してい
る主要状態量が悪化しないか又は回復方向に反転した場
合には、ステップS6に進んで警報の原因が判明したか
否かを判別する。そして、警報の原因が判明していない
場合にはステップS3に進んで詳しくは後述する原因対
応ルーチンを実行し、一方、警報の原因が判明した場合
にはステップS7に進む。
【0047】ステップS7では、関連状態量が通常値か
否かを判別する。そして、関連状態量が通常値に回復し
ていない場合には、当該関連状態量の監視を所定時間継
続し、この時間中にも関連状態量が回復しなければ当該
関連状態量を主要状態量として扱い(ステップS8)、
ステップS2の予測対応ルーチンとステップS3の原因
対応ルーチンを再度実行する。一方、ステップS7にお
いて、関連状態量が通常値となっている場合には、警報
が発令されていないことを確認すると共に主要状態量お
よび関連状態量の監視を所定時間継続し(ステップS
9)、事象の収束を確認(ステップS10)した後、当
該プログラムを終了する。
【0048】一方、ステップS6において、警報の原因
が判明していない場合には、ステップS3に進んで原因
対応ルーチンを実行する。原因対応ルーチンは、原因診
断手段66が原因KB77を参照して原因確認手順と原
因対応を同時に引用するもので、図9に示すように、先
ず、原因候補のうち最も可能性の高い原因について、原
因確認手順によってそれが原因か否かを判定(ステップ
S41)する。ここで、原因を確認する手順(原因診断
方法)としては、特に限定されるものではないが、たと
えば、仮説検定型の推論又は複数警報のパターン認識に
よる絞り込みによる方法がある。ここで、仮説検定型の
推論による方法とは、例えばこの原因はAであると仮定
し、Aである場合の兆候を順次見出して、一致しなけれ
ば、次の仮説Bをおいて同様の手順を繰り返し、仮説の
兆候が実際の事象と一致するまでこれを繰り返し行うこ
とで原因を診断する方法である。また、複数警報のパタ
ーン認識による絞り込みによる方法とは、例えば一度に
多くの警報が発生した場合に、それらの警報の種類から
発生原因の目星をつける方法である。
【0049】この後、主要状態量の監視を行う(ステッ
プS42)。そして、主要状態量の変化率が小さく緊急
性が低い場合には(ステップS43;Yes)ステップ
S44に進んで原因判定できたか否かを判別し、一方、
主要状態量の変化率が大きく緊急性が高い場合には(ス
テップS43;No)ステップS2に進んで予測対応ル
ーチンを実行する。
【0050】ステップS44では原因判別できたか否か
を判断し、原因判別できない場合にはステップS41に
戻る。一方、原因判別できた場合にはステップS45に
進んで原因対応をモニタ68に表示する。オペレータ
は、この表示を確認して必要に応じて原因対応を実施す
る。その後、原因対応ルーチンから図1のステップS4
に進み、オペレータが行った原因対応の効果を評価する
ために主要状態量の変化率を監視する。そして、原因対
応の効果がなかった場合には、ステップS5からステッ
プS2に戻って再度原因対応ルーチンを実行する。
【0051】一方、原因対応の効果があり、監視してい
る主要状態量の変化率が悪化しないか又は回復方向に反
転した場合には、ステップS6に進んで警報の原因が判
明したか否かを判別する。いま、原因対応ルーチンを実
行することで警報の原因は判明しているので、ステップ
S6からステップS7に進み、上述したステップS9,
10を実行して当該プログラムを終了する。
【0052】このように、原子炉プラント79に発生し
た異常によって警報が発令されると、警報の原因が突き
止められたか否かにかかわらず、当面対応ルーチン及び
予測対応ルーチンの実行によりオペレータに迅速に運転
支援情報が提供される。しかも、同時に原因対応ルーチ
ンも実行するので、原因の究明もできる。そして、この
原因対応ルーチンの実行中であっても緊急を要する場合
には、予測対応を実施することができる。
【0053】つまり、本発明では、現実に発生した警報
をきっかけとして以下の手順でメンタルモデルを作成し
てオペレータを支援することができる。 最初に発生した警報がイベント警報である場合に
は、まずイベントKB69を参照することにより、イベ
ントの性質を知り、イベント−状態量関連KB70によ
り、当該イベントの発生により影響される状態量を1〜
3つ特定する。また、最初に発生した警報が状態量警報
の場合には、に進む。さらに、最初に発生した警報に
ついては、原因KB77から原因の候補を同定して、付
け加える。 状態量が1〜3つ特定されると、その状態量の変化
が影響を与える他の状態量を状態量関連KB72を参照
することにより、数個の状態量をリストアップする。 リストアップされた数個の状態量の現在値とそのト
レンドを観測し、状態量優先順位KB73を参照するこ
とにより、最も緊急度が高く、重要な状態量を1〜3つ
選び、それを主要状態量とする。それ以外は関連状態量
である。 主要状態量がこのまま推移するとどのような経過を
たどるかを状態量KB71を参照することにより、予測
し、緊急対応の目安となるマイルストーンの位置、警報
設定点などを指定する。 次に、インターロックKB74を参照して、主要状
態量の警報設定点にインターロックが設定されていない
かを調べる。インターロックが設定されている場合に
は、それを警報関連情報として主要状態量と共に表示す
る。 事象が推移して、インターロックにより、イベント
が発生した場合には、再度、と同じ手順を行い、現
在の主要状態量と新たに考慮すべき状態量の中から、
と同様の手順で主要状態量を選択する。なお、この際に
は、でリストアップした主要状態量以外の他の状態量
は含めない。
【0054】このようにしてメンタルモデルを生成する
ことで、イベントの発生原因が特定できるか否かにかか
わらず予測対応に関する情報をオペレータに迅速に呈示
することができる。
【0055】なお、上述の形態は本発明の好適な形態の
一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の
要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、当面対応ルーチンを実行した後、予測対応
ルーチンと原因対応ルーチンを並列的に実施するように
したが、当面対応ルーチンと予測対応ルーチンと原因対
応ルーチンを並列的に実施しても良い。
【0056】また、上述の説明では、コンピュータ67
が支援情報を呈示し、この支援情報として呈示された当
面対応、予測対応、原因対応をオペレータが実施するよ
うにしていたが、コンピュータ67が各対応を自動的に
実施するようにしても良い。この場合には、自動運転装
置及び自動運転方法が提供される。
【0057】更に、上述の実施形態では予め所定の演算
処理を行わせるプログラムや各種データベースを格納し
た状態のコンピュータシステムについて主に説明したが
これに特に限定されるものではなく、上述の原子炉の運
転支援方法を実行する装置の各手段、少なくともリスト
アップ手段、優先順位決定手段、関連情報リストアップ
手段をコンピュータに実現させるためのプログラムを記
録したCD−ROMやDVD、フロッピーディスク等の
コンピュータ読み取り可能な記録媒体を使用して、汎用
コンピュータを作動させて原子炉の運転支援装置を構築
するようにしても良い。
【0058】
【実施例】以下、本発明による運転支援の例を示す。た
とえば、原子炉プラント79の逃がし安全弁(SRV)
1弁が保守不良によりシートリークを起こした後、当該
弁が全開した場合を想定する。
【0059】(事象発生時)原子炉プラント79に上述
のイベントが発生すると、FH警報として、ADS(自
動減圧システム)安全弁漏洩警報が発生し、それに伴い
メンタルモデルが生成される。
【0060】生成されるメンタルモデルの概念を図11
に示す。図11中、IR1の部分をクリックすると、当
面対応が表示される。即ち、当面対応がイベントの表示
に関連づけられて表示される。この当面対応には現状認
識のための確認手順が含まれており、確認すべき状態量
としてSRV排気管温度、給水ミスマッチ量などが支援
画面であるモニタ68に示される。かかる処理は当面対
応表示手段65によって行われる。
【0061】原因候補としては原子炉圧力の変動、弁の
機能異常、誤警報が疑われ、これらがモニタ68に表示
されるが、排気管温度および原子炉圧力の経過データに
基づいた自動判別により、弁の機能異常が最も疑わしい
原因と判断される。かかる処理は原因診断手段66によ
って行われる。
【0062】一方、状態量リストアップ手段62は、状
態量として復水器ホットウェル水位、SP(サプレッシ
ョンプール)温度と水位、ドライウェル圧力をリストア
ップし、優先順位決定手段63は復水器ホットウェル水
位を主要状態量とし、SP温度と水位、ドライウェル圧
力を関連状態量とする。そして、関連情報リストアップ
手段64は、各状態量ごとに警報関連情報をリストアッ
プする。すなわち、ホットウェル水位は「低−低(LO
W−LOW)」で復水ポンプ全台トリップから給水ポン
プ全台トリップとなり、それに伴い原子炉水位が急速に
低下し、L4→L3→L2→L1→L0と推移して行く
場合のインターロック、それに伴う対応策が示される。
【0063】また、SP温度・水位については温度高、
水位高(HIGH)により、当面対応IR4としてRH
Rポンプ(残留熱除去ポンプ:Residual Heat Removal
Pump)運転とブローダウン操作がそれぞれ示される。こ
れらは、モニタ68の「IR4」と表示されている部分
をクリックすると表示される。また、ドライウェル圧力
については「高−高(HIGH−HIGH)」を回避し
ないとLOCA(冷却材喪失事故)信号が発信されてし
まう。このようにして予測シナリオが示されることにな
り、オペレータを支援する。
【0064】(状況把握時)実際のプラントパラメータ
の進行具合が状態量ごとにモニタ68に表示され、オペ
レータが実施した対応策や、次に実施すべき対応策まで
の時間余裕および具体的な手順(予測対応や当面対応)
が示される。たとえば、ADS安全弁漏洩警報に伴う当
面対応IR1として、PLRポンプ(再循環ポンプ:Pr
imary Loop Recirculation Pump)のポンプ調整により
出力を少し落とし、SRV開閉操作を実施することがモ
ニタ68に表示される。この当面対応IR1は、モニタ
68の「IR1」と表示されている部分をクリックする
ことでモニタ68に表示される。なお、当面対応IR1
としてかかる操作手順が定められているのは、SRVを
操作することでこのSRVを閉めることができるかもし
れないからである。
【0065】また、ADS安全弁でのリーク量が多い場
合には、ホットウェル水位の低下が早いため冷却水の補
給が間に合わない。このため、予測対応PM1として、
ホットウェル水位が65cm程度低下した場合を目安
(マイルストーン値)にして出力をPLRポンプを最低
スピードまで低下させることがモニタ68に表示され
る。この予測対応PM1は、モニタ68の「PM1」と
表示されている部分をクリックすることでモニタ68に
表示される。
【0066】さらに、SP温度・水位が「高(HIG
H)」においては、当面対応IR4として、RHRを1
系統(40℃程度では2系統)投入するようにモニタ6
8に表示される。
【0067】このように、事象の推移に伴って次々と対
応策が表示されていく。
【0068】(対応策実施時)それぞれの対応策、即ち
当面対応、予測対応、原因対応について具体的な実施手
順が表示される。これらの手順を実施する場合には、コ
ンピュータ67はステップごとに実施状況を監視する。
また、実施手順を誤った場合には警告を発することもで
きる。例えば、当面対応IR1として以下のSRV開閉
操作の手順が表示されるので、オペレータがその手順を
誤ると警告が発せられる。即ち、 出力を減少させる。 タービンバイパス弁をEHC(電気油圧制御装置:
Electric Hydraulic Control)負荷制限設定にて開度2
0%まで開ける。 逃がし安全弁F013Aの操作スイッチを開位置に
保持し、全開する。 赤ランプ点灯を確認したら、SRV排気管温度の低
下を確認し、操作スイッチを自動位置にして全閉する。 排気管温度低下が確認できない場合にはこれを2〜
3回繰り返す。オペレータはこの手順に従って操作を行
うので、確実に対応することができる。
【0069】(効果監視時)SRV開閉操作で閉が確認
できれば、SP温度、水位とも低下していくので、実施
した対応策、すなわちRHRを停止し、ブローダウン操
作を終了するように指示される。
【0070】このように、事象の早い段階でシナリオを
予想し、それに対して臨機応変に対応策を実行していく
ことが可能となり、原因診断ができないと対応策が明示
できない現行システムに多くの機能を追加できることに
なり、機能的には理想的な支援システムとなる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の原
子炉の運転支援方法では、警報発生時に、当該警報の原
因の影響を受けて変動する状態量をリストアップし、リ
ストアップした各状態量の中から注目すべき状態量を選
択して主要状態量とすると共に当該主要状態量以外のリ
ストアップした状態量を関連状態量とし、これら主要状
態量及び関連状態量の各々について警報関連情報をリス
トアップし、主要状態量及び関連状態量を前記警報関連
情報と伴に表示するので、各状態量がこのまま推移する
とどの様な経過をたどるかについての予測情報をオペレ
ータに迅速に提供することができ、しかも、各状態量を
単に表示するのではなく、最も緊急度が高く重要な状態
量を主要状態量として表示することができる。即ち、本
発明の原子炉の運転支援方法によると、警報の起因とな
ったイベントの発生原因を突き止める前であっても状態
量の将来的な挙動を予測しオペレータの判断材料となる
支援情報を迅速に呈示することができるので、熟練オペ
レータでなくとも、十分な知識と経験等を有する熟練オ
ペレータと同様に、警報の起因となったイベントの発生
原因が不明のままでも当該イベントの種類から判断して
状態量の挙動を予測して操作介入を行い得る。
【0072】また、請求項2記載の原子炉の運転支援方
法では、警報関連情報として、状態量の悪化について警
報を発令するように設定した値と、主要状態量の悪化防
止のために操作介入すべき目安値と、操作介入により新
たに生じる副次的イベントの情報を含むようにしている
ので、現在発生している警報の起因となったイベントの
発生原因によって状態量がこのまま悪化するとどうなる
かということについての予測情報を提供することができ
る。
【0073】これられの場合、請求項3記載の原子炉の
運転支援方法のように、警報の起因となったイベントに
対応して設定されている当面対応をイベントの表示に関
連づけて表示することが望ましい。また、請求項4記載
の原子炉の運転支援方法のように、警報の起因となった
イベントの原因診断を並列的に行う場合、各状態量の将
来的な挙動の予測情報を提供する一方で同時に警報の起
因となったイベントの発生原因の診断を行ってより早く
原因対応を実施可能とする。さらに、請求項5記載の発
明のように、原因診断は仮説検定型の推論又は複数警報
のパターン認識による絞り込みによる場合、既に確立し
た手法のため容易にかつ信頼性のある診断が可能であ
る。
【0074】一方、請求項6記載の原子炉の運転支援装
置では、警報の影響を受けて変動する状態量をリストア
ップする状態量リストアップ手段と、リストアップした
各状態量の中から最も注目すべき状態量を選択して主要
状態量とすると共に当該主要状態量以外のリストアップ
した状態量を関連状態量とする優先順位決定手段と、主
要状態量及び関連状態量の各々について警報関連情報を
リストアップする関連情報リストアップ手段と、主要状
態量及び関連状態量を警報関連情報と伴に表示する表示
手段を備えるので、請求項1記載の原子炉の運転支援方
法を実施することができる。
【0075】この場合、請求項7記載の原子炉の運転支
援装置のように、関連情報リストアップ手段は、少なく
とも、状態量の悪化について警報を発令するように設定
した値と、主要状態量の悪化防止のために操作介入すべ
き目安値と、操作介入により新たに生じる副次的イベン
トの情報をリストアップすることが望ましい。これらの
情報は各状態量がこのまま変化した場合にどうなるのか
ということに関するものであり、これらの情報を表示す
ることでオペレータが各状態量の挙動予測とその対応策
を知ることができる。
【0076】また、請求項8記載の原子炉の運転支援装
置のように、警報の起因となったイベントに対応して設
定されている当面対応をイベントの表示に関連づけて表
示する当面対応表示手段を備えると、各状態量の将来的
な挙動の予測情報を提供する一方、同時に警報の起因と
なったイベントの発生原因の診断を行ってより早く原因
対応を実施可能とすべくオペレータを支援することがで
きる。さらに、請求項9記載の原子炉の運転支援装置の
ように、警報の発生時に当該警報の起因となったイベン
トの原因診断を並列的に行う原因診断手段を備えること
が望ましい。
【0077】更に、請求項10記載の記録媒体による
と、任意のコンピュータで原子炉の運転支援装置を実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した原子炉の運転支援方法の手順
を示すフローチャートである。
【図2】本発明を適用した原子炉の運転支援装置を示す
ブロック図である。
【図3】図2の運転支援装置の状態量リストアップ手段
を示すブロック図である。
【図4】図2の運転支援装置と各知識ベースの関係を示
すブロック図である。
【図5】予測対応KBにおける状態量と対応策との関係
を示す概念図である。
【図6】当面対応ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図7】予測対応ルーチンを示し、その前半部分のフロ
ーチャートである。
【図8】予測対応ルーチンを示し、その後半部分のフロ
ーチャートである。
【図9】原因対応ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図10】メンタルモデルの一般的な概念図である。
【図11】逃がし安全弁漏洩警報を想定したメンタルモ
デルの概念図である。
【符号の説明】
61 運転支援装置 62 状態量リストアップ手段 63 優先順位決定手段 64 関連情報リストアップ手段 65 当面対応表示手段 66 原因診断手段 68 モニタ(表示手段)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 警報発生時に、当該警報の原因の影響を
    受けて変動する状態量をリストアップし、リストアップ
    した各状態量の中から注目すべき状態量を選択して主要
    状態量とすると共に当該主要状態量以外のリストアップ
    した状態量を関連状態量とし、これら主要状態量及び関
    連状態量の各々について警報関連情報をリストアップ
    し、前記主要状態量及び関連状態量を前記警報関連情報
    と伴に表示することを特徴とする原子炉の運転支援方
    法。
  2. 【請求項2】 前記警報関連情報は、前記状態量の悪化
    について警報を発令するように設定した値と、前記主要
    状態量の悪化防止のために操作介入すべき目安値と、前
    記操作介入により新たに生じる副次的イベントの情報を
    含むことを特徴とする請求項1記載の原子炉の運転支援
    方法。
  3. 【請求項3】 前記警報の起因となったイベントに対応
    して設定されている当面対応を前記イベントの表示に関
    連づけて表示することを特徴とする請求項1又は2記載
    の原子炉の運転支援方法。
  4. 【請求項4】 前記警報の起因となったイベントの原因
    診断を並列的に行うことを特徴とする請求項1から3の
    いずれか記載の原子炉の運転支援方法。
  5. 【請求項5】 前記原因診断は、仮説検定型の推論又は
    複数警報のパターン認識による絞り込みによることを特
    徴とする請求項4記載の原子炉の運転支援方法。
  6. 【請求項6】 警報の影響を受けて変動する状態量をリ
    ストアップする状態量リストアップ手段と、リストアッ
    プした各状態量の中から最も注目すべき状態量を選択し
    て主要状態量とすると共に当該主要状態量以外のリスト
    アップした状態量を関連状態量とする優先順位決定手段
    と、前記主要状態量及び関連状態量の各々について警報
    関連情報をリストアップする関連情報リストアップ手段
    と、前記主要状態量及び関連状態量を前記警報関連情報
    と伴に表示する表示手段を備えることを特徴とする原子
    炉の運転支援装置。
  7. 【請求項7】 前記関連情報リストアップ手段は、少な
    くとも、前記状態量の悪化について警報を発令するよう
    に設定した値と、前記主要状態量の悪化防止のために操
    作介入すべき目安値と、前記操作介入により新たに生じ
    る副次的イベントの情報をリストアップすることを特徴
    とする請求項6記載の原子炉の運転支援装置。
  8. 【請求項8】 前記警報の起因となったイベントに対応
    して設定されている当面対応を前記イベントの表示に関
    連づけて表示する当面対応表示手段を備えることを特徴
    とする請求項6又は7記載の原子炉の運転支援装置。
  9. 【請求項9】 前記警報の発生時に当該警報の起因とな
    ったイベントの原因診断を並列的に行う原因診断手段を
    備えることを特徴とする請求項6から8のいずれか記載
    の原子炉の運転支援装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれかに記載の原
    子炉の運転支援方法ないし運転支援装置の各手段をコン
    ピュータに実行させるためのプログラムを記録したコン
    ピュータ読み取り可能な記録媒体。
JP7258099A 1999-03-17 1999-03-17 原子炉の運転支援方法および運転支援装置並びに記録媒体 Pending JP2000266888A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7258099A JP2000266888A (ja) 1999-03-17 1999-03-17 原子炉の運転支援方法および運転支援装置並びに記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7258099A JP2000266888A (ja) 1999-03-17 1999-03-17 原子炉の運転支援方法および運転支援装置並びに記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000266888A true JP2000266888A (ja) 2000-09-29

Family

ID=13493469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7258099A Pending JP2000266888A (ja) 1999-03-17 1999-03-17 原子炉の運転支援方法および運転支援装置並びに記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000266888A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008139093A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Toshiba Corp 漏洩検出支援装置
EP2840577A4 (en) * 2012-03-26 2016-05-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd CENTRALIZED CONTROL DEVICE FOR A CORE POWER PLANT, DEVICE AND METHOD FOR SUPPLYING PLANT OPERATIONAL SUPPORT
JP2017015592A (ja) * 2015-07-02 2017-01-19 中国電力株式会社 原子力発電プラント警報監視支援システム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008139093A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Toshiba Corp 漏洩検出支援装置
EP2840577A4 (en) * 2012-03-26 2016-05-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd CENTRALIZED CONTROL DEVICE FOR A CORE POWER PLANT, DEVICE AND METHOD FOR SUPPLYING PLANT OPERATIONAL SUPPORT
JP2017015592A (ja) * 2015-07-02 2017-01-19 中国電力株式会社 原子力発電プラント警報監視支援システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE33162E (en) Method and apparatus for guidance of an operation of operating power plants
Kang et al. Concept of an intelligent operator support system for initial emergency responses in nuclear power plants
CN108803569A (zh) 电站锅炉诊断专家系统及其故障诊断方法
JPS62184506A (ja) 複雑なプロセス設備のための手続きの実行をオンラインで監視する方法および装置
JP6720478B2 (ja) 原子力発電プラント警報監視支援システム
JPS6014303A (ja) 知識ベ−ス型診断方式
CN115496319A (zh) 核电厂数字化主控室的人员行为可靠性评估方法及装置
Naito et al. A real-time expert system for nuclear power plant failure diagnosis and operational guide
JP3763859B2 (ja) プラント監視装置
JP2000266888A (ja) 原子炉の運転支援方法および運転支援装置並びに記録媒体
CN115049014A (zh) 基于生成对抗网络的核电故障诊断和瞬态预测方法及系统
CN110210722A (zh) 一种核电厂系统监督方案的开发方法
CN113887598A (zh) 核电厂降低设备强损的关键敏感设备消除方法和电子设备
JP7362261B2 (ja) 監視システムおよび監視システムの運転方法
CN115542861B (zh) 核电厂状态参数智能辅助巡盘预警响应方法及装置
JPS60147811A (ja) プラントの運転ガイダンスシステム
CN116880337A (zh) 一种流域梯级电厂集控中心监控系统告警辅助决策方法
JP2003058242A (ja) プラント運転支援システム
CN115616998B (zh) 辅助巡盘系统、辅助巡盘系统的应用方法及应用系统
JP2896306B2 (ja) プラント診断方法および装置
JP2656264B2 (ja) 警報処理診断装置
JPH0584907B2 (ja)
CN113837535B (zh) 一种用于核电厂严重事故进程回溯的方法
JPH0524521B2 (ja)
LU503601B1 (en) Method for diagnosing alarm root cause in chemical process based on time-dependent abductive reasoning