JP2000269529A - シリコン系薄膜光電変換装置 - Google Patents

シリコン系薄膜光電変換装置

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JP2000269529A
JP2000269529A JP11070176A JP7017699A JP2000269529A JP 2000269529 A JP2000269529 A JP 2000269529A JP 11070176 A JP11070176 A JP 11070176A JP 7017699 A JP7017699 A JP 7017699A JP 2000269529 A JP2000269529 A JP 2000269529A
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silicon
light
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JP11070176A
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Kenji Yamamoto
憲治 山本
Hiroko Tawada
裕子 多和田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光反射性金属層とともに裏面電極を構成する透
明導電性酸化物層の光透過率を向上させることによりシ
リコン系薄膜光電変換装置の変換効率を改善する。 【解決手段】光反射性金属層(141)およびその前面
側に設けられた透明導電性酸化物層(142)を含む裏
面電極と、一導電型層(131)、結晶質シリコン系薄
膜からなる光電変換層(132)および逆導電型層(1
33)を含むシリコン系薄膜光電変換ユニットと、裏面
電極とを備える。光反射性金属層(141)は、イット
リウムを含有する酸化亜鉛を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜光電変換装置に
係り、特に、太陽電池に代表されるシリコン系薄膜光電
変換装置の変換効率等の性能改善に関するものである。
なお、本明細書において、「結晶質」と「微結晶」の用
語は、部分的に非晶質を含むものをも意味するものとす
る。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば多結晶シリコンや微結晶シ
リコンのような結晶質シリコンを含む薄膜を光電変換層
として利用したシリコン系薄膜光電変換装置の開発が精
力的に行なわれている。これらの開発は、もっぱら、安
価な基板上に低温プロセスで良質の結晶質シリコン薄膜
を形成することにより光電変換装置の低コスト化と高性
能化とを両立させることに向けられている。
【0003】このようなシリコン系薄膜光電変換装置
は、一般に、裏面電極と、一導電型層、結晶質シリコン
系薄膜からなる光電変換層および逆導電型層を含むシリ
コン系薄膜光電変換ユニットと、光電変換ユニットに対
し裏面電極と反対側に設けらる透明前面電極とを備え
る。かかるシリコン系薄膜光電変換装置は、太陽電池ば
かりでなく、光センサ等種々の用途への応用が期待され
ている。
【0004】ところで、シリコン系薄膜光電変換装置
は、種々の要因から変換効率が低下することが知られて
いる。例えば、結晶質シリコン系光電変換層は、長波長
領域の光に対する吸収係数が小さいため、当該光電変換
層が薄い場合には、入射した光の内、長波長領域の光を
十分に吸収し得ず、光電変換量が低下する傾向にある。
これを解決するために、例えば、光反射率の高い金属層
(光反射性金属層)を光電変換ユニットの裏側に設け、
さらにこの金属層に表面凹凸(表面テクスチャ)構造を
設けることが行われている。光電変換層に入射した光
は、この表面凹凸構造によって光電変換層内に多重反射
され、光電変換層による光吸収が増強される(光閉じ込
め効果)。このような多重反射をもたらす表面テクスチ
ャ構造による光閉じ込めは、特に結晶質シリコン系薄膜
光電変換装置において、非常に重要なものとなってい
る。
【0005】また、近年、光反射性金属層と光電変換ユ
ニットとの間に酸化亜鉛等の透明導電性酸化物層を設け
た光電変換装置も数多く提案されており、たとえば特開
平3−99477公報;特開平7−263731号公
報;IEEE 1st World Conf. onPhotovoltaic Energy Con
version, p. 405(1994);Applied Physics Letters, Vo
l. 70, p. 2975 (1997)等において報告されている。こ
のように裏面電極の光反射性金属層とシリコン系光電変
換ユニットとの間に透明導電性酸化物層を介在させるこ
とによって、それらの間の熱膨張係数の相違による熱歪
みを緩和し、かつ金属原子がシリコン系光電変換ユニッ
ト内へ拡散して混入することを防止し得る。その結果、
得られる光電変換装置の歩留まりと信頼性が向上するの
みならず、光感度が改善されて光電変換特性も向上す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
透明導電性酸化物層は、光透過率がなお十分でなく、そ
のため結晶質シリコン系薄膜光電変換装置において透明
導電性酸化物層の裏面側に配置される光反射性金属層に
到達する光量が減少するばかりでなく、特に上記光閉じ
込め構造の場合、光反射性金属層により多重反射されて
光電変換層に繰り返し再入射される光が透明導電性酸化
物層を通過するたびに吸収されることとなるため再入射
光量が逐次減少し、入射光の利用率が低下する結果、光
電変換装置の短絡電流密度が低下することがわかった。
【0007】したがって、本発明は、光反射性金属層と
ともに裏面電極を構成する透明導電性酸化物層の光透過
率を向上させることにより結晶質シリコン系薄膜光電変
換装置の短絡電流密度を増加させ、変換効率を改善する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決すべく検討を重ねた結果、イットリウムを添し
た酸化亜鉛は、特に700〜800nmより長波長領域
の光に対する透過率が向上することに着目し、このイッ
トリウムを含有する酸化亜鉛を透明導電性酸化層として
光反射性金属と光電変換ユニットとの間に設けることに
より、結晶質シリコン系薄膜光電変換装置の短絡電流密
度が増加し、変換効率が向上することを見いだした。こ
のすなわち、本発明によれば、光反射性金属層およびそ
の前面側に設けられた透明導電性酸化物層を含む裏面電
極と、前記裏面電極の前面側に設けられた、一導電型
層、結晶質シリコン系薄膜からなる光電変換層および逆
導電型層を含むシリコン系薄膜光電変換ユニットと、前
記光電変換ユニットの前面側に設けられた透明前面電極
とを備え、前記透明導電性酸化物層は、イットリウムを
含有する酸化亜鉛を含むことを特徴とするシリコン系薄
膜光電変換装置が提供される。
【0009】本発明において、透明導電性酸化物層は、
イットリウムを1ないし10重量%の割合で含有するこ
とが好ましい。
【0010】また、本発明において、透明導電性酸化物
層が、ガリウムおよび/またはアルミニウムをさらに含
有することが好ましい。
【0011】なお、本明細書において、光入射側を前面
といい、その反対側を裏面という。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して詳
しく説明する。全図にわたり同一個所は同一符号をもっ
て示されている。
【0013】図1は、本発明の第1の実施の形態による
シリコン系薄膜光電変換装置を模式的に示す概略断面図
である。図1に示す光電変換装置は、pin構造のシリ
コン系薄膜光電変換ユニットを有し、基板側から光が入
射される。
【0014】図1を参照すると、このシリコン系薄膜光
電変換装置10は、基板11上に、透明前面電極12、
シリコン系薄膜光電変換ユニット13、および裏面電極
14を備える。
【0015】基板11は、有機フィルム、セラミック
ス、または低融点の安価なガラス等の透明な基板材料に
より構成することができる。
【0016】透明前面電極12は、好ましくは、IT
O、SnO2 およびZnOから選択された少なくとも1
種の透明導電性酸化物から構成され、単層であっても、
多層構造でもよい。
【0017】前面電極12は、その表面がフラットであ
ってもよいが、図1に示すように表面凹凸(テクスチャ
構造)を有することが好ましい。前面電極12が表面凹
凸構造を有することにより、光閉じ込め効果が増大し、
変換効率が向上する。そのような表面凹凸構造における
凹凸の高低差は、10〜100nmであることが好まし
い。また、凹凸のピッチは凹凸の高低差より大きくかつ
その25倍以下であることが好ましく、凹凸の高低差の
4倍以上20倍以下であることがより好ましく、具体的
には、凹凸のピッチが300〜1000nmであること
が好ましい。
【0018】本明細書において、凹凸の高低差とは凸部
と凹部の高さの差の平均値であり、ピッチとはおよそ
0.1〜5μm周期で現れる、隣接する凸部と凸部また
は凹部と凹部の間の距離の平均値を表わしている。この
ような表面凹凸構造は、透明前面電極12の断面TEM
(透過型電子顕微鏡)写真の画像処理や、AFM(原子
間力顕微鏡)による表面観察および表面形状測定によっ
ても決定することができる。
【0019】このような表面凹凸構造を有する前面電極
12は、それ自体既知の種々の方法により形成すること
ができる。例えば、基板11の表面にエッチング等によ
り凹凸構造を形成し、その上に薄い透明前面電極12を
形成して、透明電極12の表面を基板11の凹凸構造に
沿った凹凸構造にする方法が挙げられる。
【0020】透明前面電極12上に形成されるシリコン
系光電変換ユニット13は、p型層131、結晶質シリ
コン系薄膜光電変換層132、およびp型層とは逆導電
型のn型層133を含む。この光電変換ユニット13に
含まれるすべての半導体層は、400℃以下の下地温度
の条件の下にプラズマCVD法によって堆積させること
ができる。プラズマCVD法としては、一般によく知ら
れている平行平板型のRFプラズマCVDの他、周波数
が150MHz以下のRF帯からVHF帯までの高周波
電源を利用するプラズマCVDも用いることができる。
【0021】前面電極12上に形成されるp型層131
としては、ホウ素、アルミニウム等のp型不純物原子が
ドープされたp型シリコン系薄層を用いることができ
る。また、p型層131の材料としては、非晶質シリコ
ンの他に非晶質シリコンカーバイドや非晶質シリコンゲ
ルマニウム等の合金材料の他に、多結晶もしくは部分的
に非晶質を含む微結晶のシリコンまたはその合金材料を
用いることもできる。なお、望まれる場合には、堆積さ
れたこのようなp型層131にパルスレーザ光を照射す
ることにより、その結晶化分率や導電型決定不純物原子
によるキャリア濃度を制御することもできる。
【0022】p型層131上に形成される結晶質シリコ
ン系光電変換層132としては、ノンドープの真性半導
体の多結晶シリコン薄膜や体積結晶化分率が80%以上
の微結晶シリコン膜、または微量の不純物を含む弱p型
もしくは弱n型で光電変換機能を十分に備えているシリ
コン系薄膜材料が用いられ得る。しかし、この光電変換
層132はこれらに限定されず、シリコンカーバイドや
シリコンゲルマニウム等の合金材料を用いて形成されて
もよい。
【0023】このような光電変換層132の厚さは0.
5〜20μmの範囲内にあることが好ましく、これは結
晶質シリコン系薄膜光電変換層としての必要かつ十分な
膜厚である。また、この結晶質シリコン系薄膜光電変換
層132は400℃以下の低温で形成されるので、結晶
粒界や粒内における欠陥を終端または不活性化させる水
素原子を多く含み、その水素含有量は1〜30原子%の
範囲内にあることが好ましい。さらに、結晶質シリコン
系薄膜光電変換層132に含まれる結晶粒の多くは下地
層から上方に柱状に延びて成長しており、その膜面に平
行に(110)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折
における(220)回折ピークに対する(111)回折
ピークの強度比は0.4以下であることが好ましい。
【0024】結晶質光電変換層132上に形成されるn
型層133としては、リン、窒素等のn型不純物原子が
ドープされたn型シリコン系薄膜等を用いることができ
る。また、n型層133の材料としては、非晶質シリコ
ンの他に非晶質シリコンカーバイドや非晶質シリコンゲ
ルマニウム等の合金材料を用いてもよく、多結晶もしく
は部分的に非晶質を含む微結晶のシリコンまたはその合
金材料を用いることもできる。
【0025】ここで、堆積される光電変換ユニット13
の上面13Aには、微細な凹凸を含む表面テクスチャ構
造が形成される。これは、光電変換ユニット13に含ま
れる結晶質光電変換層132がその堆積時に自然に凹凸
テクスチャ構造を生じることによるものであり、これに
よって、光電変換ユニット13の上面13Aが、広範囲
の波長領域の入射光を散乱させために一層適した微細な
表面凹凸テクスチャ構造になり、光電変換装置における
光閉じ込め効果も大きくなる。
【0026】光電変換ユニット13上に形成される裏面
電極14は、透明導電性酸化物層141とその裏面側に
設けられた光反射性金属層142との2層構造を含む。
【0027】透明導電性酸化物層141は、本発明によ
り、イットリウムを含有する酸化亜鉛を含む。本発明の
好ましい態様において、イットリウムは、1〜10重量
%、より好ましくは1〜5重量%の割合で含有される。
既述のように、イットリウムの添加による光透過率の向
上効果は、透明導電性酸化物の中で、酸化亜鉛に特有の
ものであるので、透明導電性酸化物層141は、それを
構成する透明導電性酸化物材料の主成分(50重量%以
上)を酸化亜鉛により構成するものである。いうまでも
なく、透明導電性酸化物層141を構成する透明導電性
酸化物は、実質的に酸化亜鉛のみからなることが特に好
ましい。
【0028】イットリウムを含有する酸化亜鉛層12
は、スパッタターゲットまたは蒸着材料にイットリウム
を添加して真空蒸着、スパッタ等のそれ自体既知の気相
堆積法により形成することができるが、特にイットリウ
ムを含有する酸化亜鉛ターゲットを用いたRFスパッタ
法により形成することが好ましい。
【0029】なお、透明導電性酸化物層141の抵抗を
より低下させるために、層141にガリウムおよび/ま
たはアルミニウムを含有させることが好ましい。ガリウ
ムおよび/またはアルミニウムは、透明導電性酸化物層
141に0.5〜8重量%の割合で添加することが好ま
しい。
【0030】さらに、本発明の透明導電性酸化物層14
1は、100〜450℃の範囲内の下地温度の下で形成
することが望ましい。また、透明導電性酸化物層141
の厚さは、40nm〜1μmの範囲内にあることが好ま
しく、その比抵抗は1.5×10-2Ωcm以下であるこ
とが好ましい。このような条件を満たす透明導電性酸化
物層141は、上記温度条件に加えて、2×10-2To
rr以下の圧力、500〜1500mW/cm2 の放電
電力というスパッタ条件下で形成することができる。
【0031】本発明の透明導電性酸化物層141はイッ
トリウムを含有する酸化亜鉛を含むことにより、光透過
率が大幅に向上する。特に、700〜800nmより長
波長領域の光に対する透過率が向上する。従って、当該
透明導電性酸化物層141を透過して光反射性金属層1
41に到達し、光反射性金属層141により反射されて
光電変換層132に再入射する光量が増大する結果、短
絡電流密度が増大し、変換効率が向上する。
【0032】透明導電性酸化物層141の裏面側に設け
られる光反射性金属層142は、500〜1200nm
の範囲内の波長の光に対して95%以上の高い反射率を
有することが好ましい。そのような光反射性金属層14
2は、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)および白金(Pt)から選択された1
つまたはそれを含む合金によって形成されることが好ま
しく、単層または多層として形成することができる。光
反射性金属層142は、少なくともその前面側表面領域
が、銀または銀合金からなる銀系金属材料で形成される
ことが特に好ましい。
【0033】このような光反射性金属層142は、真空
蒸着、スパッタ等の気相堆積法によって形成することが
できる。例えば、光反射性の高い銀層142を100〜
330℃の範囲内の基板温度、より好ましくは200〜
300℃の下地温度の下に真空蒸着法によって形成する
ことができる。
【0034】なお、上述のように、光電変換ユニットの
上面には、表面凹凸構造が形成されるので、その上に設
けられる透明導電性酸化物層141および光反射性金属
層142も自然に表面凹凸構造を有し得る。
【0035】図1に示すpin構造の光電変換ユニット
13を有する光電変換装置10では、光電変換されるべ
き光hνは、基板11側から入射される。
【0036】図2は、本発明の第2の実施の形態による
シリコン系薄膜光電変換装置を模式的に示す概略断面図
である。図2において、図1と同一部分は同一符号を付
し、その詳細な説明は以下の記載から省略する。
【0037】図2に示すシリコン系薄膜光電変換装置2
0は、非晶質/結晶質型のタンデム型シリコン系薄膜光
電変換装置である。図2に示すタンデム型光電変換装置
20においては、図1の光電変換装置10の場合と同様
に、基板11上に、透明前面電極12を備え、この透明
前面電極12の上に、前方光電変換ユニット21が形成
されている。前方光電変換ユニット21は、好ましくは
プラズマCVD法により順次堆積されたp型の微結晶ま
たは非晶質のシリコン系薄膜211、実質的に真性半導
体である非晶質シリコン系薄膜光電変換層212、およ
びn型の微結晶または非晶質のシリコン系薄膜213を
含む。
【0038】前方光電変換ユニット21上には、後方光
電変換ユニットとして、図1に示すp型層131、光電
変換層132およびn型層133を含む光電変換ユニッ
ト13が形成されている。この後方光電変換ユニット1
3の上には、本発明のイットリウムを含有する酸化亜鉛
を含む透明導電性酸化物層141および光反射性金属層
142からなる裏面電極14が、図1の光電変換装置1
0の場合と同様に形成され、これによって図2に示され
るタンデム型光電変換装置20が完成する。
【0039】次に、図3を参照して、本発明の第3の実
施の形態に係るシリコン系薄膜光電変換装置を説明す
る。図3に示す光電変換装置30は、nip構造のシリ
コン系薄膜光電変換ユニットを有し、基板とは反対側か
ら光が入射される。
【0040】図3を参照すると、このシリコン系薄膜光
電変換装置30は、基板31上に、裏面電極32、シリ
コン系薄膜光電変換ユニット33、および前面電極34
を備える。
【0041】基板31は、図1の光電変換装置10にお
ける基板11と同様の基板材料で形成することができ
る。しかし、基板31は、透明である必要がないので、
ステンレス鋼等の金属材料で形成することもできる。
【0042】基板31上に形成される裏面電極32は、
基板31上に設けられた光反射性金属層321とその上
に形成された本発明の透明導電性酸化物層322との2
層構造を含む。
【0043】光反射性金属層321は、図1の光電変換
装置における光反射性金属層142に相当するものであ
り、それと同様にして形成することができる。しかし、
この光反射性金属層321は、表面凹凸構造(表面テク
スチャ構造)を有することが好ましい。光反射性金属層
321の表面凹凸構造は、光反射性金属の成膜条件(温
度、堆積速度等)を選択することにより得ることがで
き、または基板31の表面を予めエッチング等によって
凹凸構造に加工し、その凹凸構造をそれ自体の上表面に
伝達し得るような薄い光反射性金属層321を形成する
ことによって得ることもできる。あるいは、基板31上
に凹凸表面を有する透明導電性酸化物層(図示せず)を
堆積した後に、その凹凸構造をそれ自体の上表面に伝達
し得るような薄い光反射性金属層321を形成すること
によっても得られる。
【0044】光反射性金属層321の表面凹凸構造にお
ける凹凸の高低差は0.01〜2μmの範囲内にあると
ともに、凹凸のピッチはその高低差より大きくかつその
25倍以下であることが好ましく、4〜20倍の範囲内
にあることがより好ましい。このような表面凹凸構造を
有する光反射性金属層321を用いることにより、開放
端電圧の低下や製造歩留まりの低下を伴うことなく、光
閉じ込め効果を改善して高性能の光電変換装置を得るこ
とができる。なお、このような表面凹凸構造は、図1の
光電変換装置10における透明前面電極12の場合と同
様、光反射性金属層321の断面のTEM(透過型電子
顕微鏡)写真やAFM(原子間力顕微鏡)による表面観
察によって測定することができる。
【0045】光反射性金属層321上に設けられる透明
導電性酸化物層322は、図1に示す透明導電性酸化物
層141に相当するものであり、イットリウムを含有す
る酸化亜鉛を含む。いうまでもなく、図1に示す透明導
電性酸化物層141についての記述は、透明導電性酸化
物層322についてもそのまま適用される。
【0046】裏面電極32上に形成される光電変換ユニ
ット33は、図1におけるp型層131とn型層133
の配置を逆転させた以外は図1の光電変換装置10にお
ける光電変換ユニット13と同様の構成を有する。すな
わち、光電変換ユニット33は、基板31側から、図1
のn型層133に相当するn型層331、図1の結晶質
シリコン系薄膜光電変換層132に相当する結晶質シリ
コン系薄膜光電変換層332、および図1のp型層13
1に相当するp型層333を備える。
【0047】光電変換ユニット33上に形成される透明
前面電極34は、図1の光電変換装置10における本発
明の透明前面電極12に相当するものである。ただし、
既述のように、光電変換ユニット33の上面には、表面
テクスチャ構造が自然に形成されるので、前面電極34
も自然に表面テクスチャ構造を有し得る。
【0048】さらに、この前面電極34上には、グリッ
ド電極として、好ましくはAl、Ag、Au、Cuおよ
びPtから選択された少なくとも1種以上の金属または
これらの合金の層を含む櫛型状の金属電極35が形成さ
れている。
【0049】このようなシリコン系薄膜光電変換装置3
0において、光電変換されるべき光hνは、透明前面電
極34側から照射される。
【0050】図4は、本発明の第4の実施の形態による
シリコン系薄膜光電変換装置を模式的に示す概略断面図
である。図4において、図3と同一部分は同一符号を付
し、その詳細な説明は以下の記載から省略する。
【0051】図4に示すシリコン系薄膜光電変換装置4
0は、図3に示す光電変換装置と同様の非晶質/結晶質
型のタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置である。図
4に示すタンデム型光電変換装置40においては、図3
の光電変換装置30の場合と同様に、基板31上に、光
反射金属層321および本発明の透明導電性酸化物層3
22を含む裏面電極32と、n型層331、光電変換層
332およびp型層133を含む光電変換ユニット33
とが形成されている。この光電変化ユニット33は、後
方光電変換ユニットを構成する。
【0052】この後方光電変換ユニット33上に重ね
て、前方光電変換ユニット41がさらに形成されてい
る。この第2の光電変換ユニット41は、図2における
p型薄膜211とn型薄膜213との配置を逆転させた
以外は図2のタンデム型光電変換装置20における前方
光電変換ユニット21と同様の構成を有する。すなわ
ち、前方光電変換ユニット41は、図2のn型薄膜21
3に相当するn型シリコン系薄膜411、図2の光電変
換層212に相当する実質的に真性半導体である非晶質
シリコン系薄膜光電変換層412、および図2のp型薄
膜211に相当するp型シリコン系薄膜413を含む。
この前方光電変換ユニット41上には、前面透明電極3
4および櫛型金属電極35が図3に示す光電変換装置3
0の場合と同様に形成され、これによって図4に示され
ているようなタンデム型光電変換装置40が完成する。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0054】実施例1 本実施例では、図1に示す構造を有するシリコン系薄膜
光電変換装置を作製した。
【0055】すなわち、まず、ガラス基板11上に前面
電極12としてITO層をRFスパッタ法によって堆積
させた。
【0056】次に、ITO層12上に、光電変換ユニッ
ト13を構成するp型シリコン層131、ノンドープの
結晶質シリコン系光電変換層132およびn型シリコン
層133をプラズマCVD法により形成した。ノンドー
プの結晶質シリコン系光電変換層132は300℃の下
地温度の下でRFプラズマCVD法によって3.0μm
の厚さに形成した。この結晶質光電変換層132におい
て、2次イオン質量分析法によって求めた水素含有量は
2.3原子%であり、X線回折における(220)回折
ピークに対する(111)回折ピークの強度比は0.0
84であった。
【0057】ついで、光電変換ユニット13上に透明導
電性酸化物層141としてイットリウムを含有する酸化
亜鉛層を形成した。このときのスパッタ条件としては、
Arのスパッタガス、3×10-3Torrの圧力、85
0mW/cm2 のRFパワー密度、および200℃の下
地温度であった。ターゲットとしてイットリウムを5重
量%かつガリウムを4重量%含有する酸化亜鉛ターゲッ
トを用いた。得られたイットリウムおよびガリウム含有
酸化亜鉛層141は、8.7×10-3Ωcmの比抵抗を
有しており、ターゲットと同様の割合のイットリウムお
よびガリウムを含有していた。さらに、このイットリウ
ムおよびガリウム含有酸化亜鉛層141は、波長800
nmの光に対する透過率が90%であった。
【0058】ついで、イットリウムおよびガリウム含有
酸化亜鉛層141の上に銀層142を形成した。
【0059】こうして得られた光電変換装置に入射光h
νとしてAM1.5の光を100mW/cm2 の光量で
照射して出力特性を測定したところ、開放端電圧が0.
48V、短絡電流密度が27.0mA/cm2 、曲線因
子が67%、そして変換効率が8.68%であった。
【0060】比較例1 酸化亜鉛層141の形成に際し、ターゲットとしてガリ
ウムを含有するがイットリウムを含有しない酸化亜鉛タ
ーゲットを使用した以外は実施例1と同様にして光電変
換装置を作製した。酸化亜鉛層の波長800nmの光に
対する光透過率は、80%であった。
【0061】得られた光電変換装置について実施例1と
同様に出力特性を測定したところ、開放端電圧が0.4
8V、短絡電流密度が25.0mA/cm2 、曲線因子
が67.0%、そして変換効率が8.04%であった。
【0062】実施例2 本実施例では、図2に示す構造を有する非晶質/結晶質
型のタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置を作製し
た。
【0063】すなわち、まず、実施例1と同様に、基板
11上に、透明前面電極12としてITO層を形成した
後、その上に、前方光電変換ユニット21を形成した。
この前方光電変換ユニット21は、順次積層されたp型
層211、非晶質シリコン系光電変換層212、および
n型層213を含むものであった。なお、非晶質光電変
換層212の厚さは、300nmに設定した。
【0064】得られた前方光電変換ユニット21上に、
実施例1と同様に、p型シリコン層131、ノンドープ
の結晶質シリコン系光電変換層132およびn型シリコ
ン層133をプラズマCVD法により形成した。
【0065】最後に、実施例1と同様に、イットリウム
およびガリウム含有酸化亜鉛層141と銀層142を形
成した。
【0066】こうして得られた光電変換装置について実
施例1と同様に出力特性を測定したところ、開放端電圧
が1.40V、短絡電流密度が13.0mA/cm2
曲線因子が75%、そして変換効率が13.65%であ
った。
【0067】実施例3 本実施例では、図3に示す構造を有するシリコン系薄膜
光電変換装置を作製した。
【0068】すなわち、まず、ガラス基板11上に厚さ
300nmの銀層321を真空蒸着により堆積させた。
ついで、イットリウムおよびガリウム含有酸化亜鉛層3
22を実施例1と同様にして形成した。
【0069】次に、イットリウムおよびガリウム含有酸
化亜鉛層322上に、光電変換ユニット33を構成する
n型層331、ノンドープの結晶質シリコン系光電変換
層332およびp型層333をプラズマCVD法により
形成した。ノンドープの結晶質シリコン系光電変換層3
32は300℃の下地温度の下でRFプラズマCVD法
によって3.0μmの厚さに形成した。この結晶質光電
変換層332において、2次イオン質量分析法によって
求めた水素含有量は2.3原子%であり、X線回折にお
ける(220)回折ピークに対する(111)回折ピー
クの強度比は0.084であった。
【0070】ついで、光電変換ユニット33上に前面電
極34としてITO層を形成し、その上に電流取り出し
用の櫛型銀電極35を形成した。
【0071】こうして得られた光電変換装置について実
施例1と同様に出力特性を測定したところ、開放端電圧
が0.53V、短絡電流密度が27.5mA/cm2
曲線因子が76.8%、そして変換効率が11.21%
であった。
【0072】比較例2 酸化亜鉛層322の形成に際し、ターゲットとしてガリ
ウムを含有するがイットリウムを含有しない酸化亜鉛タ
ーゲットを使用した以外は実施例3と同様にして光電変
換装置を作製した。
【0073】得られた光電変換装置について実施例1と
同様に出力特性を測定したところ、開放端電圧が0.5
3V、短絡電流密度が26mA/cm2 、曲線因子が7
6.8%、そして変換効率が10.6%であった。
【0074】実施例4 本実施例では、図4に示す構造を有する非晶質/結晶質
型のタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置を作製し
た。
【0075】すなわち、実施例3の手法により、基板3
1上に、裏面電極32および光電変換ユニット33を形
成した。
【0076】ついで、得られた後方光電変換ユニット3
3上に、前方光電変換ユニット41をさらに形成した。
この前方光電変換ユニット41は、順次積層されたn型
層411、非晶質シリコン系光電変換層412、および
p型層413を含む。なお、非晶質光電変換層212の
厚さは、300nmに設定した。
【0077】最後に、第2の光電変換ユニット21上
に、実施例3の場合と同様に、透明前面電極34と櫛型
銀電極35を形成した。
【0078】こうして得られた光電変換装置について実
施例1と同様に出力特性を測定したところ、開放端電圧
が1.41V、短絡電流密度が13.2mA/cm2
曲線因子が76%、そして変換効率が14.14%であ
った。
【0079】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、結晶質
シリコン系薄膜光電変換装置において、向上した光透過
性を有する透明導電性酸化物層を光反射性金属層の前面
側に設けて裏面電極を構成しているので、光反射性金属
層に到達する光量の減少が抑制されるばかりでなく、特
に光閉じ込め構造の場合、光反射性金属層により多重反
射されて光電変換層に繰り返し再入射される光が透明導
電性酸化物層を通過するたびに吸収されることによる光
量の逐次減少も抑制され、入射光の利用率が低下する結
果、光電変換装置の短絡電流密度が増加し、変換効率が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による結晶質シリコ
ン系薄膜光電変換装置を説明するための概略断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態による非晶質/結晶
質型のタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置を説明す
るための概略断面図。
【図3】本発明の第3の実施の形態による結晶質シリコ
ン系薄膜光電変換装置を説明するための概略断面図。
【図4】本発明の第4の実施の形態による非晶質/結晶
質型のタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置を説明す
るための概略断面図。
【符号の説明】
11,31…基板 12,34…前面電極 13,21,33,41…光電変換ユニット 14,32…裏面電極 35…櫛型金属電極 131,211,333,413…p型層 132,212,332,412…光電変換層 133,213、331,411…n型層 141,322…イットリウム含有酸化亜鉛を含む透明
導電性酸化物層 142,321…光反射性金属層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光反射性金属層およびその前面側に設け
    られた透明導電性酸化物層を含む裏面電極と、前記裏面
    電極の前面側に設けられた、一導電型層、結晶質シリコ
    ン系薄膜からなる光電変換層および逆導電型層を含むシ
    リコン系薄膜光電変換ユニットと、前記光電変換ユニッ
    トの前面側に設けられた透明前面電極とを備え、 前記透明導電性酸化物層は、イットリウムを含有する酸
    化亜鉛を含むことを特徴とするシリコン系薄膜光電変換
    装置。
  2. 【請求項2】 前記透明導電性酸化物層が、イットリウ
    ムを1ないし10重量%の割合で含有することを特徴と
    する請求項1に記載のシリコン系薄膜光電変換装置。
  3. 【請求項3】 前記透明導電性酸化物層が、ガリウムお
    よび/またはアルミニウムをさらに含有することを特徴
    とする請求項1または2に記載のシリコン系薄膜光電変
    換装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009094663A3 (en) * 2008-01-25 2009-11-05 University Of Washington Photovoltaic devices having metal oxide electron-transport layers
JP2010034231A (ja) * 2008-07-28 2010-02-12 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 薄膜太陽電池及び薄膜太陽電池用表面電極
KR20170036192A (ko) * 2015-09-23 2017-04-03 삼성디스플레이 주식회사 광 센서 및 이를 포함하는 표시 장치

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