JP2000270892A - 細菌の検出方法 - Google Patents
細菌の検出方法Info
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Abstract
等で染色して検出する際の感度を向上させる。 【解決手段】 蛍光物質で核酸を標識したバクテリオフ
ァージを宿主細菌に接触て染色し、この染色状態を光学
的に検出する細菌検出方法において、細菌をろ過膜でろ
過した後、標識核酸を有するバクテリオファージを含む
ファージ溶液を該ろ過膜の反対側から通液ろ過して細菌
を染色させ、これらのろ過により、試料液及びファージ
溶液に含まれる検出誤差原因物質を除去する。
Description
の細菌を検出する方法に関するものである。
境に存在し、人間の生活と密接な関係を保っている。し
かし微生物の中には人間あるいは家畜に疾病をもたらす
ものもあり、病原性微生物として人間あるいは家畜への
感染に注意が払われている。病原性微生物の中でも特に
細菌は増殖が速く、低温、高温、乾燥などの環境条件に
影響を受けにくく、そのため人間の周りに持続的に存在
し、一度好条件を得れば爆発的に数を増やして感染症の
原因となる。これらのことから、食品や飲料水(水道水
を含む)のように人間の体内に直接摂取されるものにつ
いてはもちろんのこと、食品の製造工程で利用される
水、食器等の洗浄に利用される水、河川、湖沼、海、プ
ール、浴場、その他の修景親水利用のためのアメニティ
用水など、人が身体を接触させる水、下水放流水など、
人と接触する機会がある水については、細菌に対する適
正な管理が望まれる。
る水道水については「大腸菌群は検出されないこと」と
いう基準、プール水では「10mlの水を5本培養し大
腸菌群陽性の管が2本以下であること」という基準が定
められ、また、修景親水利用の水は「1ml中10個以
下」、一般排水は「1ml中3000個以下」が望まし
いという目標値が設けられている。このように、腸内細
菌特に大腸菌および大腸菌群の有無を調べる項目につい
ての管理基準が、上記各種の利用水(食品、飲料水、あ
るいは親水施設のアメニティ用水等)毎に定められてい
るのは、細菌による感染症が、人あるいは動物を起源と
する細菌によって引き起こされる疾病の頻度が最も高
く、被害も拡大しやすいことから考えれば妥当なところ
である。
水(水道水)、プール水、修景親水用水などを管理する
のに必要な細菌の検出は、従来一般的には培養法により
実施されている。この培養法は、例えば大腸菌や大腸菌
群を例として言えば、これを他の一般細菌と区別して検
出する工夫が必要であるため、例えば、大腸菌や大腸菌
群が選択的に増殖する培地、あるいは増殖すると色調が
変化したりコロニーの色に特殊な色が生じる工夫がされ
た培地を用いて実施される。しかしこの方法は培養によ
って菌が増殖するまでに時間がかかり、加えて、増殖し
た細菌が大腸菌あるいは大腸菌群であるかどうかの判定
法が煩雑であるため最終的な判定までに数日以上の時間
がかかるという問題がある。また一般的な最大希釈倍率
から求める方法による場合は、おおよその定量推定値が
求められるにすぎず、定量性の精度は乏しいという問題
がある。
した検出方法として特異酵素基質培地法も知られてい
る。この方法は、例えば大腸菌や大腸菌群に特異的に含
まれる酵素に対する基質の存在下で試料を培養し、陽性
であれば特徴的な色や蛍光が生じるように工夫した方法
である。
ゼ・チェーン・リアクション法)、ATPを測る方法、
更に、特開平8−154700号公報で提案の放射性同
位元素,酵素を標識としてバクテリオファージ表面に結
合する方法、レポータ遺伝子をバクテリオファージのD
NAに遺伝子組換えで組み込む形で標識する方法も知ら
れている。
の実施場面から考えると、処理の迅速性、処理操作の簡
便性、検出精度の高さなどの種々の点から極めて解決困
難な問題が以下のようにある。
養法に比べて、大腸菌および大腸菌群の定性試験が24
時間程で実施できる利点があるものの、大腸菌や大腸菌
群についても全てを検出することはできないし、定量試
験を行うとすれば最大希釈倍率で陽性を示す値から求め
る形式で行うしかなく、測定法に由来する定量検出の精
度に限界がある。
ていて実際には無害な細菌も検出してしまい、死菌,生
菌の区別ができないという問題がある他、定量性も期待
できない。
を特異的に検出できる点で優れているが、検出感度が低
い(1000個以上の細菌でないと検出できない)とい
う問題があり、これに加えて、細菌を特定して検出でき
ないという、用途によっては致命的な問題がある。
に記載の方法のうち、ファージ表面に放射性同位元素
(アイソトープ)又は酵素を標識して用いる標識法は、
処理の操作性、検出精度に問題がある。すなわち、放射
性同位元素を用いる方法では、細菌に吸着したファージ
がもつ放射性同位元素標識由来の信号と、非吸着のファ
ージがもつ同標識由来の信号を区別することができない
から、これら吸着,非吸着のファージを物理的に分離す
る余分な操作が必要となる。またこれに加えて、細菌
(あるいはろ過膜等の分離手段)に非特異的に吸着した
ファージに標識した放射性同位元素をカウントしてしま
うという致命的な誤検出の虞がある。また、酵素を標識
として用いる方法は、放射性同位元素を用いる場合と同
じように非特異的な吸着がある問題に加えて、微小量の
酵素の活性を利用する方法であるので、酵素活性の作用
を受ける基質に現れる現象から微小量の酵素量を精度よ
く検出することが必ずしも容易でなく、定量検出精度を
向上させるための新たな技術開発が必要になるという問
題がある。
細菌毎に特異的なファージ夫々について遺伝子組換え体
のレポーター遺伝子を調製する必要があり、このレポー
タ遺伝子を含むファージ核酸の複製,転写,翻訳を行わ
せ、産生蛋白質を検出する操作が必要となるため、汎用
性は殆ど期待できない。
法はいずれも問題があり、特に、迅速性、操作の簡便
性、検出精度、検出感度などの点でいまだ解決すべき課
題が多い。
問題点を解消し、細菌そのものを特異的に標識付けする
ことで、特定細菌の検出・判定を可能としながら、測定
の簡易化、短時間化、効率化、高感度化を図ることがで
きる方法として、バクテリオファージの核酸(DNA)
(以下「ファージDNA」という)に色素又は蛍光物質
を標識したバクテリオファージ(以下「ファージ」とい
う)を用いる方法を既に提案した(特願平9−2409
19号)。
すなわち、細菌ウイルスであるファージは宿主細菌に対
して特異的に結合し、菌の膜電位に依存して生細胞に対
してのみその細胞内にファージDNAを注入し、また注
入されたファージDNAは、空間的に広い細胞内で拡散
(展開)するという性質を有しているために、ファージ
DNAを色素、蛍光物質で標識しておけば、宿主細菌全
体が染色されて大きな輝点を呈し、細菌の蛍光は、微少
なファージ粒子と区別できる大きく明るい状態を呈す
る。したがって、ファージ感染により蛍光物質で標識さ
れたファージDNAが注入され染色された細菌(つまり
特定の生細菌)は、この蛍光物質を媒介として短時間の
うちに光学的に容易に検出できる。この利点は、蛍光物
質に限らず標識物質として色素を用いた場合も同様も得
られる。
タ遺伝子において用いる遺伝子組換え法のようにファー
ジ毎(つまり細菌と特異的な関係にあるファージ毎)に
特殊なファージDNAをDNA組換え操作で調製する必
要がなく、基本的には共通した同一、単一の普遍性のあ
る操作を用いてファージDNAを標識できる点で優れて
いる。
9−240919号の方法による目的細菌の検出は、例
えば、測定対象の試料液に核酸(DNA)を標識したフ
ァージを一定量添加して宿主細菌と接触させて染色し、
これを検出器に導入し、細菌から発せられるシグナル
(色や蛍光)を検出する手順で行なうことができるが、
本発明者のその後の研究によれば、この方法を実際の工
業的なレベルで実施するためには更に以下のような問題
のあることが知見された。
ったフリーの標識ファージが多量に残存するために、こ
のフリーのファージに含まれる標識物質から発せられる
シグナル(色や蛍光)が上述のバックグラウンドノイズ
となって、検出感度の低下を招くという問題がある。す
なわち、試料中の細菌を迅速に染色するためには、細菌
濃度の高低如何によらず、添加するファージ溶液の濃度
は一定値以上(一般的には1×1010個/1ml以上)
であることが必要と考えられるが、このような高濃度の
標識ファージを含む試料液は、そのバックグラウンドの
輝度が高くなり、染色した細菌を明瞭な点として検出す
ることが難しくなる。このことは後述する参考例の結果
により実証的に確認される。
バックグランドノイズが高くなるという問題は、細菌や
ファージの濃度それ自体の影響がある他、これらの相対
的な濃度関係にも影響されるため問題は複雑である。
し、実際の工業的な段階で実施するに当たっては、より
具体的な実施化段階での工夫が求められるという観点か
ら更に研究・開発を進め、本発明をなすに至ったのであ
る。
成するために、本願は前記した特許請求の範囲の各請求
項に記載した発明を提供するものであり、これは、目的
とする宿主細菌は捕捉するが、細菌より微細な夾雑物や
フリーのファージは透過するようなろ過材を選択し、こ
れによって測定対象の試料液をろ過させ、フリーの標識
ファージや夾雑物由来のバックグラウンドノイズを除去
することで、感度向上を図るものである。
項1の細菌の検出方法の発明は、色素又は蛍光物質で核
酸(DNA)を標識したファージを宿主細菌に接触させ
ることで該標識DNAを宿主細菌に注入して細菌を染色
し、この染色した状態を光学的に検出する方法におい
て、測定対象の細菌を含む試料液をろ過材でろ過するこ
とで、該試料液中の細菌をろ過材で捕捉すると共に、試
料液に含まれる色素,蛍光物質を除去し、その後、宿主
細菌に特異的でかつDNAを標識したファージをろ過材
上に捕捉した細菌に接触させて上記染色を行わせ、この
染色した細菌を計数することを特徴とする。
光物質でDNAを標識したファージを宿主細菌に接触さ
せることで該標識DNAを宿主細菌に注入して細菌を染
色し、この染色した状態を光学的に検出する細菌の方法
において、宿主細菌に特異的でかつDNAを標識したバ
クテリオファージを含むファージ溶液を測定対象の細菌
を含む試料液に添加して細菌を染色し、この溶液をろ過
材でろ過して上記染色した細菌を捕捉すると共に、該溶
液に含まれる色素,蛍光物質を除去した後、染色した細
菌を計数することを特徴とする。
しては、細菌は通過しない孔径の範囲で出来るだけ大き
な孔径の通液開孔をもつろ過膜、例えば、精密ろ過膜
(マイクロフィルタ:MF),限外ろ過膜等が好ましく
用いられる。
分離回収してから細菌数として計数することができる。
このためのろ過材としては、細菌の吸着し難い、親和性
に乏しい素材で構成されているろ過材(セルロースアセ
テート製,ポリカーボネート製)を好ましく用いること
ができる。
標識する色素としては、例えばエチジウムブロミド,プ
ロピジウムイオデートなどを例示でき、蛍光物質として
はアクリジンオレンジ(C17H20ClN3 :以下「AC
OR」と略記する)、4,6−ジアミジン−2−フェニ
ルインドールハイドロクロライド(DAPI)等を例示
することができる。
は、大腸菌とT系ファージ,λファージ等、サルモネラ
とP系ファージ等、シュードモナスとP系ファージ等、
クレブシアラとスタンフォード大学60,92の各ファ
ージ、クロストリジウムと70,71,72の各ファー
ジ、シゲラとφ80,スタンフォード大学37,D2
0、コリネバクテリウムとC系ファージ、マイクロコッ
カスとN系ファージ,ML53−40 ファージなどを
例示的に挙げることができる。
少量の回収液に分離回収し、これを既知の投光−受光系
の光学的検出手段を付帯したフローセルに流して、通過
する輝点の.光強度を予め定めた閾値と比較し、閾値を
越えた輝点の数をカウントする既知のフローセル系検出
装置を用いて、オシロスーコプに表示する等、細菌の計
数を行なうことができる。例えば標識物質として上記A
CORを使用する場合には、投光系の励起光源として渡
長488nmのレーザー光源を使用し、受光系において
510〜560nm付近の蛍光を検出することができ
る。
体の背景(以下「バックグラウンド」という)の光強度
レベルを高くし、その結果として、光強度を目安として
細菌検出を行う場合には、染色細菌とバックグラウンド
の差が小さくなって検出を難しくする傾向を招くが、本
発明によれば、これらの誤検出等の原因となる試料液由
来の色素,蛍光物質は除去されるので、感度のよい細菌
検出が実現できる。
き色素,蛍光物質等」としては、フリーの標識ファージ
の他、例えば測定対象の試料液が食品排水、パルプ排
水、界面活性剤を含む河川水等に含まれる色素顔料,漂
白剤,食品添加物等の色素あるいは蛍光物質が試料液由
来として含まれる可能性がある。また、蛍光物質で標識
したファージ液を例えば常温(通常は冷蔵保存)で3ヶ
月放置した後に蛍光顕微鏡で観察すると、ファージの微
細な蛍光の他に、放置前には観察されていなかった種々
の大きさの蛍光を発する粒子等が観察されることがあ
る。これは、ファージが劣化して内部のDNAが露出し
これらが絡みあって大きな凝集物を作って、蛍光性の粒
子(夾雑物)となって蛍光を発する点になることを推定
させる。
含む試料液をろ過材でろ過することで、該試料液中の細
菌をろ過材で捕捉すると共に、試料液に含まれる色素,
蛍光物質を除去し、その後、このろ過材に対し試料液の
通液ろ過方向とは反対方向に宿主細菌に特異的でかつD
NAを標識したファージを含むファージ液を通液ろ過し
てファージを細菌に接触させることで染色を行わせてい
るため、ファージの劣化による凝集物(蛍光性の粒子)
はろ過材の上面には通過せず、凝集していない正常なフ
ァージのみが上面に通過し、細菌と接触するため、凝集
物が誤検出の原因とならず、感度のよい細菌検出が行え
る。
装置としては、膜上に捕捉された細菌(標識ファージに
より染色された細菌)をそのまま導入する以下の装置、
例えば、顕微鏡等の光学的検出手段で目視で計数する
か、あるいは標識物質として蛍光色素を用いた場合、膜
に励起光を照射して膜上の細菌が発した蛍光を対物レン
ズで集光し、この光をCCDカメラ等により撮像して電
気信号に変換し、画像処理装置(コンピュータ)で、予
め定めた大きさ以上の輝点のもの、あるいは光強度が予
め定めた閾値以上の輝点を細菌と判定することができ
る。発色色素の場合も同様に、膜表面画像をCCDカメ
ラ等で捕らえ、標識物質が発する色をもつ輝点につい
て、規定値以上の大きさや発色強度が見られたものを細
歯と判定することができる。
の態様に基づいて説明する。
的にはろ過膜を好ましく用いることができ、その用い方
としてより好適には、試料液の通液ろ過により該試料液
に含まれる細菌の捕捉と、同じくこれに含まれる色素,
蛍光物質の除去とを行なった後、このろ過膜に対し試料
液の通液ろ過方向とは反対方向に上記DNA(核酸)を
標識したファージを含むファージ溶液を通液ろ過するこ
とで該ファージを細菌に接触させて上記染色をする方法
を挙げることができる。なお、試料液の通液ろ過、ファ
ージ溶液の通液ろ過の後では、必要に応じて洗浄するこ
とがよい。
まれることがある培地成分等をろ過膜でろ過除去でき、
誤検出の虞れをより一層低減することができる。
細菌にファージを接触させて染色することに代えて、測
定対象の細菌を含む試料液に、DNA(核酸)を標識し
たファージを含むファージ溶液を添加することで上記染
色をし、その後、この溶液をろ過膜等のろ過材でろ過す
ることで上記染色した細菌の捕捉と該溶液に含まれる色
素,蛍光物質の除去とを行なうこともできる。
ーの標識ファージを除去することができるので、バック
グラウンドノイズを低減させて、検出感度を向上させる
ことができる。
は、回収液でろ過材を逆洗し、あるいは回収液に浸漬す
ることで、ろ過材から回収液に分離回収することができ
る。
をろ過して宿主細菌のみを捕捉することで、試料中には
じめから含まれる微細な色素,蛍光物質等の夾雑物を除
去することができる。なお、かかる夾雑物を除去した細
菌を染色してこれを検出するには、以下のようないくつ
かの手順が考えられる。
標識ファージ液を添加接触させて、ろ過材表面で宿主細
菌と標識ファージを接触させた後、さらに洗浄液を通液
して、フリーのファージを除去する。その後はろ過材を
そのまま検出装置に導入して染色細菌数を計数してもよ
いし、あるいは染色した細菌をろ過材から回収液中に剥
離して回収し、フロー系検出装置に導入することもでき
る。
には、外界から浮遊物や細菌が混入して、大きな夾雑物
が含まれる可能性があって、これらがまれに色や蛍光を
発する虞れが考えられる場合には、請求項2の発明のよ
うに、ろ過材としてろ過膜を用い、測定試料液のろ過方
向とは逆の方向(つまり膜の裏側から逆洗する操作)か
ら標識ファージ溶液を通液ろ過すれば、ファージは膜を
透過して膜の表側に捕捉された菌と反応するが、大きな
夾雑物は透過できずに膜の裏側に捕捉されるため、ファ
ージだけを宿主細菌に確実に接触させるという方法をと
ることができる。さらにこの方法の利点は、試料液をろ
過したことで、ろ過材表面に吸着してしまった宿主細菌
を剥がして少量の回収液中に浮遊させることで、ファー
ジとの接触効率を良くするという効果もある。この発明
のために好適に用いることができるろ過材としては、フ
ァージの通過を許容する範囲でそれ以上の大きさの物質
の通過を阻止するできるだけ小さな孔径のろ過膜を用い
ることがよい。
ジ添加後にろ過するため、夾雑物のみならず、同時にフ
リーの標識ファージをも除去するのでバックグラウンド
ノイズを低減できるという利点があり、特に細菌の低濃
度試料液についての検出に有効である。
に接触させ、細菌とファージが反応して染色が行われる
ためには、宿主細菌の濃度に関わらず、標識ファージを
ある一定量以上の濃度になるように添加する必要があ
り、例えば、大腸菌とファージT4を用いた系で、標識
物質としてACORを使用した場合、既知濃度の大腸菌
を含む培養液に標識ファージを添加したところ、大腸菌
をすべて染色するためには、菌濃度に関わりなく、工業
的なレベルでの迅速な検出を可能とするためには標識フ
ァージを1×1010個/ml以上の濃度になるように添
加するのが望ましいことが確認されているからである。
これは、ファージ溶液中の標識ファージが細菌に接触す
る可能性は主に拡散に律速されるからである。従って、
標識ファージの添加量が試料液の体積に比例するため、
標識ファージの使用量をできるかぎり削減するために
は、ろ過材上に細菌を捕捉するという濃縮操作の後にフ
ァージ溶液を添加する方法が好ましく用いられるのであ
る。
を、その数分の1乃至数十分の1以下の回収液に分離回
収するので、フロー系検出装置に流す液量を少量化で
き、迅速な検出を実現でき、これらの効果は、試料液5
0ml以上に対して回収液の液量を10ml以下、好ま
しくは1ml以下に少なくする場合に特徴的に得られ
る。
試料液に励起光が照射されることにより標識物質が発す
る蛍光を、この試料液がフローセル内を通過する際に対
物レンズにより集光し、その光信号を光電子増倍管で受
光して電気信号に変換し、増幅等の電気的な信号処理を
行なって、オシロスコープにパルス信号として出力する
ようにしたものを用いることができる。
ンジ)を使用した。このACORはDNAにインターカ
レーション結合することで、波長490nm付近の励起
光照射により、波長500〜600nm付近の蛍光を発
する蛍光物質である(特願平10−130324号、特
願平10−130325号参照)。
投光系は励起光源として波長488nmのレーザー光源
を使用し、受光系は510〜560nm付近の蛍光を検
出するフロー系検出装置を用いた。
ックグラウンドノイズの検討 大腸菌を含む培養液(以下「培養原液」という)に、A
CORで標識したT4ファージ(以下「ACORファー
ジ」という)を5×1010個/mlになるように添加し
て、大腸菌を染色して試料を調製した。
大腸菌は緑色に染色されており、その周りに標識ファー
ジ由来の示さな蛍光粒子が観察できた。
したフロー系検出装置に導入したところ、バックグラウ
ンドノイズが大きく、大腸菌のシグナルがノイズに埋も
れてしまい検出できなかった。
00倍希釈して、再度、フロー系検出装置に導入したと
ころ、バックグラウンドノイズは低下し、染色された大
腸菌から発せられた蛍光と判断できるパルス信号が検出
されたので、このパルス信号の数をカウントして、培養
原液の菌濃度を算出した。
養原液の菌濃度を求めた。すなわち、同じ大腸菌を含む
培養原液の一部を、大腸菌が増殖できるLB寒天培地に
塗沫し、37℃で一晩静置後、生じたコロニー数を計測
して、該培養原液の菌濃度を算出した。
培養原液の菌濃度、およびコロニーカウント法により得
た培養原液の菌濃度は、ともに概ね1.29×108個
/mlとなり、良く一致した。
要と考えられる標識ファージの濃度では、蛍光顕微鏡等
を用いた目視による検出は可能であるが、フロー系検出
装置を用いる場合には、フリーの標識ファージ由来の蛍
光によるバックグラウンド、に染色細菌の蛍光が埋もれ
てしまい、感度のよい検出ができないことが分かる。ま
た、希釈によってバックグラウンドの蛍光を低減すれ
ば、フロー系検出装置を用いた検出方法により、細菌数
の計測が可能であることが分かる。
000倍希釈したものを原液とした。参考例lのコロニ
ーカウントの結果より、この原液の菌濃度は1.29×
104個/mlである。
個/mlになるように添加して、大腸菌を染色した。こ
れを、そのままフロー系検出装置に導入したところ、バ
ックグラウンドノイズが大きくなり検出できなかった。
によるバックグラウンドを低減するために10,000
倍希釈し、これをフロー系検出装置に導入したところ、
バックグラウンドは低減されたが、染色された大腸菌か
ら発せられたと判断できるパルス信号も検出できなかっ
た。
ドの低減は、参考例1のような菌濃度の高い試料ならば
問題はないが、濃度が低い参考例2のような試料は正確
な計測ができなくなることが分かる。
l)を直接フロー系検出装置に導入し、細菌と同等のパ
ルス信号を検出して、その濃度を算出したところ、5×
105個/mlという結果が得られた。つまり、このフ
ァージ液中にはDNAの凝集などにより生じた菌と同等
の大きさの蛍光性夾雑物が5×105個/mlの濃度で
存在していると推定される。このファージ液を用いて以
下の実験を行った。 (1) (大腸菌培養液(菌濃度約1×105個/ml)5ml
をフィルタろ過) ↓ (膜上部より、上記ファージ液1mlをろ過し、フィル
タ表面で菌とファージを反応させる) ↓ (洗浄液として生理食塩水10mlをフィルタ上部より
ろ過し、余分なファージを除去) ↓ (逆洗液として生理食塩水5mlをフィルタの反対側か
らろ過し、この透過液を回収) ↓ (回収した逆洗液をフロー系検出装置に導入し、染色さ
れた菌のパルス数をカウントして、逆洗液の菌濃度を算
出したところ、2.1×105個/mlとなった)。 (2) (大腸菌培養液(菌濃度1×105個/ml)5mlを
フィルタろ過) ↓ (膜上側に1mlのシリンジを挿したまま、ACORフ
アージ濃度5×1010個/mlのファージ液1mlをフ
ィルタ下部よりろ過し、フィルタ表面付近で菌とファー
ジを反応させる) ↓ (洗浄液として生理食塩水10mlをフィルタ上部より
ろ過し、余分なファージを除去) ↓ (逆洗液として生理食塩水5mlをフィルタの反対側か
らろ過し、この透過液を回収) ↓ (回収した逆洗液をフロー系検出装置に導入し、染色さ
れた菌のパルス数をカウント)。
度は、1.1×105個/mlとなった。
(1)では、ファージ液中の蛍光性夾雑物が菌数に上乗
せされて検出されたのに対して、(2)では、ファージ
液を菌が捕捉された膜面とは反対の側からろ過すること
で、サンプル側に蛍光性夾雑物が混入することが避けら
れ、菌のみを検出できることが確認された。
離回収 下記のろ過膜を用いて、上記参考例2の菌原液(希釈後
のもので、菌濃度1.29×104個/ml)をろ過し
て、菌を膜表面に捕捉し、逆洗により回収液(生理食塩
水)中に回収してフロー系検出装置に導入する方法を、
以下の操作により行ない、回収液中への菌の回収率を調
べた。(孔径0.45μmのマイクロフィルタ(Schlei
cher & Schuell社製:FP030/2)上部より、上記
培養原液の5ml(ファージ未添加)をろ過。なお別途
この培養原液の菌濃度をコロニーカウント法により計測
した。) ↓ (洗浄液として生理食塩水10mlをフィルタ上部より
ろ過) ↓ (逆洗液として生理食塩水5mlをフィルタの反対側か
らろ過し、この透過液を回収) ↓ (逆洗液の菌濃度をコロニーカウント法により計測) ↓ (回収率の算出)。
た。
度)×100上記により、マイクロフィルタ(MF膜)
による細菌の捕捉、生理食塩水による捕捉細菌の分離回
収の操作により、生理食塩水中への回収率70%という
結果を得た。
て染色後、ろ過膜で捕捉 上記参考例4の方法に従い培養原液(希釈後のもので、
菌濃度1.29×10 4個/ml)5mlにACORフ
ァージを5×1010個/mlになるように添加(つまり
使用した標識ファージの総数は2.5×1011個)し
て、大腸菌を染色させた。この試料液について、以下の
操作を行った。 (孔径0.45μmのMF膜(前出)上部より上記試料
5mlをろ過) ↓ (洗浄液として生理食塩水10mlをフィルタ上部より
ろ過) ↓ (逆洗液として生理食塩水5mlをフィルタの反対側か
らろ過し、この透過液を回収)。
系検出装置に導入したところ、染色された大腸菌由来の
蛍光と判断できるパルス信号が確認できた。これはフリ
ーの標識ファージ由来の蛍光によるバックグラウンドノ
イズの影響はほとんどないことを意味している。つま
り、試料ろ過、および洗浄液ろ過によりフリーの標識フ
ァージはバックグラウンドに影響を及ぼさない程度まで
除去された。
度を算出したところ、0.88×104個/mlという
結果が得られた。
り培養原液の菌濃度を算出すると、 0.88×104(個/ml)/0.7=1.26×1
04(個/ml) となり、コロニーカウント法の結果である1.29×1
04個/mlの値とほぼ近い検出値が得られた。
添加して染色 上記参考例2の菌原液(希釈後のもので、菌濃度は1.
29×104個/ml)500mlをフィルタ上部より
ろ過した後、以下の操作を行った。 (ACORファージ濃度5×1010個/mlのファージ
液0.5ml(つまり使用した標識ファージの総数は
2.5×1010個)をフィルタ上部よりろ過し、フィル
タ表面付近で菌とファージを反応させる) ↓ (洗浄液として生理食塩水10mlをフィルタ上部より
ろ過し、余分なファージを除去) ↓ (逆洗液(回収液)として生理食塩水5mlをフィルタ
の反対側からろ過し、この透過液を回収)。
し、染色された菌のパルス数をカウントして、逆洗液
(回収液)の菌濃度を算出したところ、0.86×l0
6個/mlであり、これを回収率70%で割ると、菌濃
度は1.23×106個/mlとなった。さらに、フィ
ルタにろ過した菌原液量は500ml、逆洗液は5ml
なので、100倍濃縮されていることになる。従って、
逆洗液の菌濃度1.23×106個/mlを1/100
倍すると、菌原液の菌濃度は1.23×104個/ml
となり、コロニーカウントの結果である1.29×10
4個/mlの値に近い検出値を得た。
の数は、実施例1ではファージの総数2.5×1011個
であるのに対して、本例では2.5×1010個であるか
ら、10分の1量の使用で測定可能な菌の染色ができる
ことが分かる。このことから、膜ろ過を行なう本例で
は、細菌を捕捉し、染色した菌を試料液よりも少量の回
収液に分離回収してフロー系検出装置で検出するので、
標識ファージ由来のバックグランド除去効果に加えて、
試料の濃縮効果が得られ、使用する標識ファージの量を
低減することができると共に、菌が低濃度の試料を対象
として良好な測定が行なえる効果が得られる。
ジを膜の逆洗して染色 参考例2の菌原液(希釈後のもので、菌濃度は1.29
×104個/ml)500mlをフィルタ上部よりろ過
した後、以下の操作を行った。 (膜上側にlmlのシリンジを挿したまま、ACORフ
ァージ濃度5×1010個/mlのファージ液lmlをフ
ィルタ下部よりろ過し、フィルタ表面付近で菌とファー
ジを反応させる) ↓ (洗浄液として生理食塩水10mlをフィルタ上部より
ろ過し、余分なファージを除去) ↓ (逆洗液(回収液)として生理食塩水5mlをフィルタ
の反対側からろ過し、この透過液を回収)。
し、染色された菌のパルス数をカウントして、逆洗液の
菌濃度を算出したところ、0.89×106個/mlで
あり、これを回収率70%で割ると、菌濃度は1.27
×106個/mlとなった。さらに、フィルタにろ過し
た原液量は500ml、逆洗液は5mlなので100倍
濃縮されていることになる。従って、逆洗液の菌濃度
1.27×106個/mlを1/100倍すると、原液
の菌濃度は1.27×104個/mlとなった。この結
果から、実施例2の標識ファージを膜上部から添加した
場合の結果である検出値1.23×104個/mlより
も、コロニーカウントの結果である1.29×104個
/mlの値にさらに近い検出値を得ることができた。こ
の理由としては、試料をろ過した際に膜表面に吸着した
細菌が、フアージ液を逆洗ろ過することで膜から剥が
れ、溶液中に浮いた状態となり、ファージとの接触効率
が向上したためと考えられる。
リーの標識ファージ等の微細な色素及び/又は蛍光物質
によるバックグラウンドノイズを除去でき、目的とする
細菌の検出精度を向上させ、高感度な細菌の定量検出を
実現することができる。
て、ファージ溶液の通液ろ過を逆洗方向から行なうよう
にした請求項2の発明によれば、試料液に含まれるノイ
ズ成分の除去のみならず、ファージ溶液に含まれるノイ
ズ成分の除去も効果的に行なうことができて、より検出
感度、精度の高い細菌検出が可能となる効果が得られ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 色素又は蛍光物質で核酸を標識したバク
テリオファージを宿主細菌に接触させることで該標識核
酸を宿主細菌に注入して細菌を染色し、この染色した状
態を光学的に検出する細菌の検出方法において、測定対
象の細菌を含む試料液をろ過材でろ過することで、該試
料液中の細菌をろ過材で捕捉すると共に、試料液に含ま
れる色素及び/又は蛍光物質を除去し、この後、上記宿
主細菌に特異的でかつ上記核酸標識したバクテリオファ
ージをろ過材上に捕捉した細菌に接触させて上記染色を
行わせ、この染色した細菌を計数することを特徴とする
細菌の検出方法。 - 【請求項2】 請求項1において、ろ過材としてろ過膜
を用い、試料液の通液ろ過により該試料液に含まれる細
菌の捕捉と色素及び/又は蛍光物質の除去とを行なった
後、このろ過膜に対し試料液の通液ろ過方向とは反対方
向に上記核酸を標識したバクテリオファージを含むファ
ージ溶液を通液ろ過してバクテリオファージを細菌に接
触させることで上記染色を行わせることを特徴とする細
菌の検出方法。 - 【請求項3】 色素又は蛍光物質で核酸を標識したバク
テリオファージの宿主細菌に接触させることで該標識核
酸を宿主細菌に注入して細菌を染色し、この染色した状
態を光学的に検出する細菌の方法において、宿主細菌に
特異的でかつ上記核酸標識したバクテリオファージを含
むファージ溶液を測定対象の細菌を含む試料液に添加し
て該バクテリオファージを細菌に接触させることで上記
染色を行わせ、この溶液をろ過材でろ過して上記染色し
た細菌を捕捉すると共に、該溶液に含まれる色素及び/
又は蛍光物質を除去した後、染色した細菌を計数するこ
とを特徴とする細菌の検出方法。 - 【請求項4】 請求項1又は3において、ろ過材がろ過
膜であることを特徴とする細菌の検出方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
バクテリオファージの核酸を標識する色素又は蛍光物質
で染色された細菌を捕捉しているろ過材上の染色点を、
光学的検出手段により測定することで細菌数を計数する
ことを特徴とする細菌の検出方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
回収液によるろ過材の洗浄あるいは回収液へのろ過材の
浸漬により、該ろ過材に捕捉されている細菌を回収液中
に分離回収し、この回収液中の染色細菌を光学的に検出
して計数することを特徴とする記載の細菌の検出方法。 - 【請求項7】 請求項2又は4において、回収液による
ろ過膜の逆洗あるいは回収液中へのろ過膜の浸漬によ
り、該ろ過膜に捕捉されている細菌を回収液中に分離回
収し、この回収液中の染色細菌を光学的に検出して計数
することを特徴とする細菌の検出方法。 - 【請求項8】 請求項6又は7において、ろ過材に通液
ろ過する試料液量50ml以上に対し、該ろ過材に捕捉
した細菌を分離回収する回収液量が10ml以下である
ことを特徴とする低濃度試料液中の含有細菌の検出方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11083590A JP2000270892A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 細菌の検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11083590A JP2000270892A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 細菌の検出方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000270892A true JP2000270892A (ja) | 2000-10-03 |
| JP2000270892A5 JP2000270892A5 (ja) | 2005-03-17 |
Family
ID=13806717
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11083590A Pending JP2000270892A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 細菌の検出方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000270892A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003135094A (ja) * | 2001-10-30 | 2003-05-13 | Iatron Lab Inc | 新規の細菌分析方法 |
| KR100998888B1 (ko) | 2008-11-14 | 2010-12-08 | 한국생명공학연구원 | 바이러스 여과능 평가 장치 및 방법 |
| JP2014135935A (ja) * | 2013-01-17 | 2014-07-28 | Azbil Corp | 微生物検出システム及び微生物検出方法 |
| JP2018535700A (ja) * | 2015-11-20 | 2018-12-06 | シナミラ アーゲー | 細菌を検出するための方法及び装置 |
-
1999
- 1999-03-26 JP JP11083590A patent/JP2000270892A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003135094A (ja) * | 2001-10-30 | 2003-05-13 | Iatron Lab Inc | 新規の細菌分析方法 |
| KR100998888B1 (ko) | 2008-11-14 | 2010-12-08 | 한국생명공학연구원 | 바이러스 여과능 평가 장치 및 방법 |
| JP2014135935A (ja) * | 2013-01-17 | 2014-07-28 | Azbil Corp | 微生物検出システム及び微生物検出方法 |
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