JP2000273225A - 熱可塑性液晶ポリマーフィルムとその改質方法 - Google Patents
熱可塑性液晶ポリマーフィルムとその改質方法Info
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Abstract
熱可塑性液晶ポリマーフィルムからなる電気絶縁層に金
属箔などを接着剤により接着して構成される回路基板を
安価に実現できる熱可塑性液晶ポリマーフィルムとその
改質方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性液晶ポリマーフィルムを、無応
力下で2%以上熱収縮させる。
Description
融相を形成し得る熱可塑性ポリマー(以下、これを、熱
可塑性液晶ポリマーと称することがある)からなるフィ
ルム(以下、これを、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと
称することがある)とその改質方法に関する。
等には、導電性の金属箔と電気絶縁性のフィルム状材料
(フィルムまたはシート、あるいはフィルム状やシート
状に金属箔上にコートされたもの)とを直接接着した形
態や、接着剤を用いて接着した形態の金属箔積層体が用
いられる。かかる積層体には、2つの金属箔層の間に電
気絶縁層が挟み込まれた形態の両面金属箔積層体と、1
つの金属箔層と電気絶縁層が合わされた形態の片面金属
箔積層体の2形態がある。
グするなどして回路パターンを形成し、その上を覆うよ
うに保護層が設けられる。この保護層としては、光硬化
性樹脂をコートしたもの、電気絶縁フィルムを接着剤で
接着したもの、電気絶縁フィルムを熱接着したものなど
が知られている。
における電気絶縁層や保護層の材料として注目されてい
る。その理由は、熱可塑性液晶ポリマーは、(1)金属
箔と直接熱接着できる、(2)高い耐熱性をもつ、
(3)低吸湿性である、(4)熱寸法安定性に優れてい
る、(5)湿度寸法安定性に優れている、(6)高周波
数特性に優れている、(7)有毒なハロゲン、燐、アン
チモン等の難燃剤を含有しなくても難燃性である、
(8)耐放射線性に優れている、(9)熱膨張係数が制
御できる、(10)低温でもしなやかであるなどの優れ
た特長を有しているためである。したがって、かかる優
れた特長を有する熱可塑性液晶ポリマーを、回路基板の
電気絶縁層や保護層として利用することへの要求は高
く、特に精密回路基板材料としての期待が高い。
は、熱可塑性液晶ポリマーの分子物性に起因する下記の
ような致命的な弱点があるので、上記のような接着剤を
用いる金属箔積層体や保護層の電気絶縁材料として用い
ることはできなかった。つまり、液晶ポリマーの分子
は、棒状の剛直な分子であり、このため溶融した液晶ポ
リマーにずり応力を発生させると、分子の向きが溶融液
晶ポリマーの流れの方向にほぼ一致して配向する。した
がって、液晶ポリマーよりフィルムを製造するとき、直
線状であれ曲線状であれ幅の狭いスリット状の孔(ダ
イ)から溶融液晶ポリマーを押し出すと、このスリット
によって発生するずり応力のために、液晶ポリマー分子
は容易に配向して、この分子の長手方向がフィルムの長
手方向(MD方向)の向きに揃ってしまう。このため、
液晶ポリマーの分子の向きが広い範囲で一方向に揃った
熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、MD方向に引き裂け
易い。また、液晶ポリマー分子は、フィルムの厚さ方向
に層が積み重なった状態で配向するので、このフィルム
内部での剥離(層内剥離)が発生し易い。
線状スリットより押し出して成形するいわゆるTダイ製
膜法により製造された熱可塑性液晶ポリマーフィルム
は、MD方向に引き裂け易く、また層内剥離が起り易い
という2つの弱点を有する。
るため、従来より種々の方法が知られている。例えば、
液晶ポリマーフィルムの製造過程において、または一旦
冷却して得られた液晶ポリマーフィルムを再度加熱し
て、その液晶ポリマーにMD方向と直角の幅方向(TD
方向)の応力をかけることにより、液晶ポリマー分子を
TD方向にも配向させて、MD方向の引き裂け易さを解
消させている。
伸法が知られている(特開平7ー323506号公
報)。この方法は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムから
なる原材料フィルムと、合成樹脂フィルムからなる支持
フィルムとを重ね合わせてラミネート体とし、このラミ
ネート体をTD方向に延伸させた後に、原材料フィルム
層を支持フィルム層から分離させて、製品フィルムとす
る。これによれば、MD方向に配向した液晶ポリマー分
子がTD方向に延伸されて、一部の液晶ポリマー分子が
TD方向にも配向するため、MD方向のみの配向が解消
されて、この方向の引き裂き易さが効果的に解消され
る。
き易さを解消できたとしても、液晶ポリマーフィルム特
有の層内剥離の問題が残る。つまり、層内剥離の問題が
解消されないと、接着剤を用いて熱可塑性液晶ポリマー
フィルムを接着した場合、接着剤と熱可塑性液晶ポリマ
ーフィルムとの界面で剥離が起る以前に、このフィルム
の内部で剥離が発生するので、実用には耐えられない。
として、液晶ポリマーフィルムを融点以上に加熱して溶
融させ、これにより液晶ポリマーフィルムの厚さ方向の
配向を一部解消して層内剥離を防止することが知られて
いる(特開平8ー90570号公報)。
によるラミネート体の場合、その全体を原材料フィルム
である熱可塑性ポリマーフィルムの融点以上に加熱し
て、得られる製品フィルムの層内剥離をなくすことが考
えられる。
に、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを融点以上に加熱し
て溶融させる場合、フィルム単独で融点以上に加熱する
と、溶融したフィルムの形態が崩れるので、その形態保
持のために、金属箔や樹脂フィルムからなる支持体を用
い、これらの間に前記フィルムを密着保持させて加熱す
る必要がある。このことは、支持体の材料費だけでな
く、これを除去するための工程が別途必要となるので、
製造コストが高くなる。
ト体の場合、溶融時に原材料フィルムが支持フィルムに
より形態保持されるので、別途形態保持用の支持体を用
いることなく、ラミネート体の全体をそのまま加熱すれ
ばよいが、良好な結果が得られ難い。つまり、前記のラ
ミネート体延伸法では、延伸処理をした後、物性を安定
化させるため、240℃、3分間のアニール処理を行な
うことが望ましいことが報告されている(特開平7−3
23506号公報)。しかし、これによれば多少の層内
剥離解消の傾向は見られるものの、実用化する上で十分
な程度にまで層内剥離を解消することはできない。
ルムの層内剥離を解決するために研究を行ったところ、
層内剥離の解消は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを融
点以上に加熱することが必ずしも必須条件ではなく、融
点以下であっても熱可塑性液晶ポリマーフィルムを特定
の条件下で熱収縮させれば、層内剥離を解消できること
を見出した。つまり、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの
熱収縮は、従来代表的なフィルム物性の一つである熱収
縮率の測定において行われることはあっても、フィルム
製造においては行われてはいない。特に、熱収縮は熱可
塑性液晶ポリマーフィルムの平坦性を損なうため、好ま
しくない物性であるとして、むしろ逆に如何に熱収縮を
起こさなくするかという工程上あるいは物性上の努力が
なされているのが実情である。そこで、本発明の目的
は、以上のような融点以下での熱収縮を利用して、低廉
なコストで層内剥離を確実に防止できる熱可塑性液晶ポ
リマーフィルムとその改質方法を提供することにある。
に、第1の発明では、熱可塑性液晶ポリマーフィルム
を、無応力下で2%以上熱収縮させる。
ィルムの処理を行うことにより、層内剥離が確実に防止
される。このとき、熱収縮率2%が層内剥離解消効果の
現れる最低の条件となるため、熱収縮率は、これ以上、
望ましくは3%以上、さらに望ましくは5%以上とす
る。また、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱収縮を行
うとき、応力をかけると、フィルムの歪みや変形などを
招くことがあるので、熱収縮は無応力下で行う。このと
き、無応力で熱収縮を行うためには、例えば熱風乾燥炉
中にフィルムを吊り下げて移動させ、または駆動ロール
や駆動ベルトを用いて移動させる。これによれば、簡単
に無応力下でのフィルムの熱収縮を行える。また、熱収
縮により、フィルムは波打ちや歪みなどが多少発生する
が、これは梨地メッキされた金属ロール(260℃)に
接触させることにより、簡単に平坦にできる。
ーフィルムと支持フィルムとで構成されるラミネート体
を延伸させて得られる延伸ラミネート体を、無応力下で
10%以上熱収縮させる。
を用いるので、第1発明の場合よりも大きい10%以上
の熱収縮率とする。そして、熱収縮を行った後に支持フ
ィルムから熱可塑性液晶ポリマーフィルムを分離させて
製品フィルムとする。これにより、実用し得る程度にま
で層内剥離が解消された製品フィルムが得られる。この
とき、熱収縮率10%が層内剥離解消効果の現れる最低
の条件となるため、熱収縮率は、これ以上、望ましくは
15%以上とする。また熱収縮は、第1発明の場合と同
様に無応力下で行う。
性液晶ポリマーの融点よりも15℃低い温度以上で融点
未満の温度範囲で行うことが好ましい。この温度範囲で
熱収縮を行うことにより、優れた層内剥離解消の効果が
得られる。
フィルムの原料は、特に限定されるものではないが、そ
の具体例として、以下に例示する(1)から(4)に分
類される化合物およびその誘導体から導かれる公知のサ
ーモトロピック液晶ポリエステルおよびサーモトロピッ
ク液晶ポリエステルアミドを挙げることができる。但
し、光学的に異方性の溶融相を形成し得るポリマーを得
るためには、各々の原料化合物の組み合わせには適当な
範囲があることは言うまでもない。
合物(代表例は表1参照)
(代表例は表2参照)
例は表3参照)
アミンまたは芳香族アミノカルボン酸(代表例は表4参
照)
液晶ポリマーの代表例として表5に示す構造単位を有す
る共重合体(a)〜(e)を挙げることができる。
リマーとしては、フィルムの所望の耐熱性および加工性
を得る目的においては、約200〜約400℃の範囲
内、とりわけ約250〜約350℃の範囲内に融点を有
するものが好ましいが、フィルム製造の観点からは、比
較的低い融点のものが好ましい。したがって、より高い
耐熱性や融点が必要な場合には、一旦得られたフィルム
を加熱処理することによって、所望の耐熱性や融点にま
で高めることが有利である。加熱処理の条件の一例を説
明すれば、一旦得られたフィルムの融点が283℃の場
合でも、260℃で5時間加熱すれば、融点は320℃
になる。
フィルム(以下これを原材料フィルムということがあ
る)は、熱可塑性液晶ポリマーを押出成形して得られ
る。このとき、任意の押出成形法が適用できるが、周知
のTダイ法やインフレーション法あるいはこれらを組み
合わせた方法が工業的に有利である。また、本発明で
は、ラミネート延伸法により得られた熱可塑性液晶ポリ
マーフィルムを用いることもできる。特に、インフレー
ション法やラミネート延伸法では、フィルムのMD方向
だけでなく、TD方向にも応力が加えられるため、MD
方向とTD方向における機械的性質および熱的性質のバ
ランスのとれたフィルムが得られるので、より好適に用
いられる。
Rを0.8〜1.4とすることが好ましい。より好まし
くは、0.9〜1.2である。この原材料フィルムは、
MD方向とTD方向における機械的性質および熱的性質
のバランスが良好である。特に、この範囲にある原材料
フィルムを用いてラミネート延伸法を行う場合、ラミネ
ート延伸時の延伸倍率を小さくできるので、ラミネート
延伸工程が容易になり、製造コストが低下するばかりで
なく、延伸むらが少なく、均一性においてより良好な熱
可塑性液晶ポリマーフィルムが得られる。
entation Ratio)とは、分子を構成するセグメントに
ついての分子配向の度合いを与える指標をいい、従来の
MOR(Molecular Orientation Ratio)とは異なり、
物体の厚さを考慮した値である。この分子配向度SOR
は、以下のように算出される。
において、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを、マイクロ
波の進行方向にフィルム面が垂直になるように、マイク
ロ波共振導波管中に挿入して、該フィルムを透過したマ
イクロ波の電場強度(マイクロ波透過強度)を測定す
る。そして、この測定値に基づいて、次式により、m値
(屈折率と称する)が算出される。 m=(Zo/△z)X[1−νmax /νo] ただし、Zoは装置定数、△zは物体の平均厚、νmax
はマイクロ波の振動数を変化させたとき、最大のマイク
ロ波透過強度を与える振動数、νoは平均厚ゼロのとき
(すなわち物体がないとき)の最大マイクロ波透過強度
を与える振動数である。
の回転角が0°のとき、つまり、マイクロ波の振動方向
と、物体の分子が最もよく配向されている方向であっ
て、最小マイクロ波透過強度を与える方向とが合致して
いるときのm値をm0 、回転角が90°のときのm値を
m90として、分子配向度SORはm0 /m90により算出
される。
って、必要とされる分子配向度SORは当然異なるが、
SOR≧1.5の場合は液晶ポリマー分子の配向の偏り
が著しいためにフィルムが硬くなり、またMD方向に裂
け易い。加熱時の反りが殆どないなどの形態安定性が必
要とされる用途分野の場合には、SOR≦1.3である
ことが望ましい。特に加熱時の反りを無くす必要がある
用途分野の場合には、SOR≦1.03であることが望
ましい。
あってもよく、また複数枚重ね合わせて用いてもよく、
5mm以下の板状またはシート状のものをも包含する。
晶ポリマーフィルムと他の電気絶縁性材料、例えば酸化
アルミニウムやセラミックス粉体との複合体や、複数種
類の熱可塑性液晶ポリマーや、ポリアリレート、ポリエ
ーテルケトン、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポ
リエーテルイミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポ
リテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニ
ル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン
等との複合体あるいはポリマーアロイを使用することも
できる。なお、原材料フィルムには、滑剤、酸化防止剤
などの添加剤が配合されていてもよい。
るのではなく、これを融点未満で特定の熱収縮率で熱収
縮させることにより、低コストで層内剥離の問題が解消
される。よって、熱可塑性液晶ポリマーフィルムからな
る電気絶縁層に金属箔などを接着剤により接着して構成
される回路基板が安価に提供される。
て詳細に説明する。
モル%、p−ヒドロキシ安息香酸単位75モル%からな
る熱可塑性液晶ポリエステルを単軸押出機を用いて28
5〜300℃で加熱混練し、直径40mm、スリット間
隔0.6mmのインフレーションダイより押し出し、厚
さ50μmのフィルムを得た。得られた熱可塑性液晶ポ
リマーフィルムのDSC測定による融点は285℃で、
その分子配向度SORは1.02であった。
ムの無応力下での熱収縮処理を次のようにして行った。
つまり、熱風乾燥炉の代わりに、実験用として溶融ハン
ダ浴槽を用い、所定温度のハンダ浴面上に液晶ポリマー
フィルム試料を浮かべ、5分間放置し、この後試料を取
出した。このようにして得られた熱可塑性液晶ポリマー
フィルムの試験結果を、表6に示す。
中の約7cmの深さにまで浸漬して測定したものであ
る。
融状態(溶融ハンダ浴上にあるフィルム試料が溶融して
いるかいないか)は、もとの熱可塑性液晶ポリマーフィ
ルムが乳白色不透明であるので、フィルム試料が茶黄色
で透明になっておれば溶融しており、不透明であれば溶
融していないとして容易に判定することができる。そこ
で、肉眼判定をさらに容易にするために、厚さ18μm
の電解銅箔上に熱可塑性液晶ポリマーフィルムを載せ、
これをハンダ浴上に浮かべて、このフィルムの透明、不
透明を観察することにより行った。
晶ポリマーフィルムを2枚のポリイミドフィルムの間に
挟み込み、これを真空平板熱プレス機に入れ、その熱盤
の温度を上記ハンダ浴と同じ温度に調整しながら、圧力
30Kg/cm 2でプレスし、5分間保持した後に圧力
解除して取出した。このようにして得られた熱可塑性液
晶ポリマーフィルムの試験結果を、表6に示す。なお、
同表に示す温度は、真空平板熱プレス機の熱平板温度を
予め熱電対を用いて測定した温度である。
ようにして行った。つまり、実施例1と比較例1で得ら
れた熱可塑性液晶ポリマーフィルムの両面に、アルミニ
ウムシートで補強された粘着テープを貼付けて、幅1c
m、長さ10cmに切り出した。そして、引っ張り強度
測定機を用いて粘着テープを引き剥がす方向に力をかけ
ることにより、各フィルムに層内剥離を発生させて、そ
のときの層内剥離強度を測定した。
ーフィルムの層内剥離強度は0.14Kg/cmである
のに対し、実施例1の場合は、260℃加熱で得られた
液晶ポリマーフィルムの層内剥離強度が0.20Kg/
cm、265℃加熱で得られた液晶ポリマーフィルムの
層内剥離強度が0.61Kg/cmとなる。また、27
0℃または280℃の加熱により得られた液晶ポリマー
フィルムの層内剥離強度は、上記粘着テープと液晶ポリ
マーフィルムとの粘着界面が剥離し、そのときの剥離強
度は1.2Kg/cmである。一方、比較例1の場合、
最も有利な280℃で加熱したときでも、層内剥離強度
が0.20Kg/cmであり、上記熱処理前の液晶ポリ
マーフィルムの場合と殆ど変わらず、層内剥離強度は小
さいままである。同表中の層内剥離解消欄において○印
は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを実用化し得る程度
にまで層内剥離強度が高められて層内剥離が解消された
ことを、×は層内剥離が解消されていないことを示す。
つまり、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを実用可能とす
るためには、0.6Kg/cm以上の層内剥離強度を必
要とするので、この値を基準に層内剥離が解消されたか
否かの判定を行っている。
験片の寸法をノギスで測定し、次式により算出した。
よれば、温度265〜280℃の範囲において実用可能
な程度にまで層内剥離が改善されている。また、260
℃の場合は、層内剥離の改善が十分ではない。このた
め、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱収縮は、その融
点(実施例1の場合は280℃)よりも15℃低い温度
以上、融点未満の温度範囲で行うのが好ましい。また、
260℃の場合の熱収縮率は1.5%、265℃の場合
の熱収縮率は2%、270℃の場合の熱収縮率は12
%、280℃の場合の熱収縮率は23%である。よっ
て、層内剥離強度を高めるためには、熱収縮率を2%以
上とする必要がある。
℃に加熱しても、層内剥離強度は低いままで層内剥離は
全く解消されない。このとき熱可塑性液晶ポリマーフィ
ルムは、平板熱プレスにより上下から圧力が付与され
て、平面方向に押し伸ばされるので、収縮率はゼロまた
はマイナス値となる。
ィルムを、好ましくはその融点よりも15℃低い温度以
上、融点未満の温度範囲で、しかも無応力下で2%以上
熱収縮させることにより、層内剥離強度を実用可能な程
度にまで高め得ることが理解できる。
る。
−2−ナフトエ酸の共重合物で、融点が285℃である
熱可塑性液晶ポリマーを溶融押し出し、Tダイ製膜法に
より膜厚が100μm、分子配向度SORが1.6のフ
ィルムを得、このフィルムをラミネート体延伸法の原材
料フィルムとした。そして、膜厚25μmのポリエーテ
ルスルホンフィルムを支持フィルムとし、これら2枚の
支持フィルムの間に前記原材料フィルムを挿み込んだ構
成で、2段ラミネート加工を施した。つまり、先ずラミ
ネート温度265℃、圧力20Kg/cm2でラミネー
トし、次にラミネート温度340℃、圧力0.5Kg/
cm2でラミネートした。この結果、厚さ150μmの
ラミネート体を得た。
用いて、延伸温度297℃、幅方向延伸倍率4倍、長手
方向延伸倍率1.5倍、延伸速度50%/分で延伸し、
厚さ25μmの延伸ラミネート体を得た。
ダ浴槽を用い、所定温度のハンダ浴面上に上記で得られ
た延伸ラミネート体を浮かべ、5分間放置し、その後取
出した。そして、このラミネート体の熱収縮率を求め
た。次いで、延伸ラミネート体の支持フィルム層と原材
料フィルム層とを手で引き剥がして分離させることによ
り、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを得た。
縮率と層内剥離強度を調べた。それらの結果を、表7に
示す。同表に示す層内剥離試験および熱収縮率の測定
は、実施例1の場合と同様にして行った。
の層内剥離強度は0.14Kg/cmであるのに対し、
上記表7から明らかなように、260℃加熱で得られた
液晶ポリマーフィルムは層内剥離強度が0.2Kg/c
m、265℃加熱で得られた液晶ポリマーフィルムは層
内剥離強度が0.8Kg/cmとなる。また、270℃
以上の加熱により得られた液晶ポリマーフィルムの層内
剥離強度は、上記粘着テープと液晶ポリマーフィルムと
の粘着界面が剥離し、そのときの剥離強度は1.2Kg
/cmである。
65〜280℃の範囲において、同表中に○印で示すよ
うに、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを実用化し得る程
度にまで層内剥離強度が高められ、層内剥離が改善され
ている。一方、260℃の場合は、層内剥離の改善が十
分ではない。このことから、熱可塑性液晶ポリマーフィ
ルムの熱収縮は、第1発明の場合と同様に、フィルム融
点よりも15℃低い温度以上、融点未満の温度範囲で行
うのが好ましい。また、260℃の場合の収縮率は5
%、265℃の場合の収縮率は10%、270℃の場合
の収縮率は16%、280℃の場合の収縮率は32%で
あった。よって、層内剥離強度を高めるためには、延伸
ラミネート体の熱収縮率を10%以上とする必要があ
る。
ましくは、その原材料フィルムの融点よりも15℃低い
温度以上、融点未満の温度範囲で、しかも無応力下で1
0%以上熱収縮させることにより、得られる熱可塑性液
晶ポリマーフィルムの層内剥離を効果的に解消できるこ
とが理解される。
延伸ラミネート体を、引き剥がし速度0.3m/分で支
持フィルム層と原材料フィルム層を引き剥がして分離
し、この原材料フィルム層からなる熱可塑性液晶ポリマ
ーフィルムを得た。
m、分子配向度SORが1.03、フィルムの表面粗度
Raは0.09μmであった。また、同フィルムの層内
剥離強度は0.14Kg/cmと極めて低く、実用に耐
え得るものではない。
ストで層内剥離を確実に防止することができる。よっ
て、熱可塑性液晶ポリマーフィルムからなる電気絶縁層
に金属箔などを接着剤により接着して構成される回路基
板を安価に提供できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可
塑性ポリマーからなるフィルム(以下、これを熱可塑性
液晶ポリマーフィルムと称する)を、無応力下で2%以
上熱収縮させることを特徴とする熱可塑性液晶ポリマー
フィルムの改質方法。 - 【請求項2】 熱可塑性液晶ポリマーフィルムと支持フ
ィルムとで構成されるラミネート体を延伸させて得られ
る延伸ラミネート体を、無応力下で10%以上熱収縮さ
せることを特徴とする熱可塑性液晶ポリマーフィルムの
改質方法。 - 【請求項3】 請求項1または2において、熱収縮は、
熱風乾燥炉中において行う熱可塑性液晶ポリマーフィル
ムの改質方法。 - 【請求項4】 請求項1,2または3において、熱収縮
は、熱可塑性液晶ポリマーの融点よりも15℃低い温度
以上、融点未満の温度範囲で行う熱可塑性液晶ポリマー
フィルムの改質方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにより得られる
熱可塑性液晶ポリマーフィルム。
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|---|---|---|---|
| JP08248199A JP4184529B2 (ja) | 1999-03-25 | 1999-03-25 | 熱可塑性液晶ポリマーフィルムとその改質方法 |
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|---|---|
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| JP08248199A Expired - Lifetime JP4184529B2 (ja) | 1999-03-25 | 1999-03-25 | 熱可塑性液晶ポリマーフィルムとその改質方法 |
Country Status (1)
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| JP (1) | JP4184529B2 (ja) |
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