JP2000273614A - 溶融ガラス製造設備用ロールおよびその製造方法 - Google Patents

溶融ガラス製造設備用ロールおよびその製造方法

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JP2000273614A
JP2000273614A JP11084136A JP8413699A JP2000273614A JP 2000273614 A JP2000273614 A JP 2000273614A JP 11084136 A JP11084136 A JP 11084136A JP 8413699 A JP8413699 A JP 8413699A JP 2000273614 A JP2000273614 A JP 2000273614A
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Yoshio Harada
良夫 原田
Kazumi Tani
和美 谷
Hiroyuki Kitaaki
廣幸 北秋
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Tocalo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融ガラス製造設備として用いられるリフト
アウトロール、レアロールなどの表面で発生しやすい、
溶融すずやその酸化物のビルドアップに起因する板ガラ
ス製品の品質低下を防止し、併せて表面に形成されてい
る皮膜の長寿命化をはかる。 【解決手段】 ロール基材の表面に、優れた密着性と耐
熱性を有するCr3C2 を主成分として含む炭化クロムと、
Co, Ni, Crから選ばれた2種以上の耐熱合金からなるサ
ーメットをアンダーコートとして溶射施工し、その上に
トップコートとしてZrO2系セラミックス皮膜を形成した
2層構造の溶射被覆を設けるか、あるいは前記アンダー
コートとトップコートの中間部にCo, Ni, Cr, Al, Y,
Ta, Siから選ばれた2種以上の金属を含む耐熱合金のイ
ンターナルコートを設けた、3層構造の複合溶射皮膜を
備えることによって解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロート法などに
より製造される溶融板ガラスなどを溶融すず浴から引き
上げるためのリフトアウトロールや、溶融板ガラスを徐
冷窯に搬送するための搬送ロール等に用いて好適な溶融
ガラス製造設備用ロールおよびその製造方法に関するも
ので、成型後のガラス製品を熱処理するロールとしても
適用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、フロート法などによる溶融板ガラ
スの製造工程においては、溶融板ガラスを溶融すず浴か
ら引き上げるためのリフトアウトロールや、溶融板ガラ
スを徐冷窯に搬送するためのレアーロール等の搬送ロー
ルが用いられている。こうした搬送ロールの例として
は、(1) Cr−Ni鋼等の合金鋼製ロールの表面に、Co系合
金等からなる耐熱合金を溶射被覆した搬送ロール(特開
平4−260629号公報、特開平8−175828号
公報参照)、(2) Cr−Ni鋼等の合金鋼製ロールの表面
に、アスベスト系材料を被覆した搬送ロール、(3) Cr−
Ni鋼等の合金鋼製ロールの表面に、酸化物セラミックス
やセラミックスと金属の混合物を溶射被覆した搬送ロー
ル(特開平4−260622号公報、特開平4−260
623号公報)、等が開発され、使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
技術は、いずれも溶融板ガラス搬送ロールとしては十分
に満足できるものではない。例えば、上記の従来技術
(1) は、高温環境下での機械的強度およびロール自体の
形状維持に効果が認められるものの、溶融すず浴から溶
融板ガラスの下面に付着して持ち出される溶融すず成分
が、このガラス板が徐冷される際に、雰囲気中に存在す
る酸素によって酸化され、硬質の異物となってロール表
面に固着する。このような固着物は、一般にビルドアッ
プとも呼ばれ、ロール表面に多数、点状に付着した突起
物として存在することから、ロール上を通過するガラス
製品に表面傷を発生させる原因ともなっていた。また、
上記従来技術(2) は、700 ℃近傍での強度劣化、アスベ
スト自体の環境汚染問題等の改善課題がある。そして、
上記従来技術(3) は、前述した溶融すず成分が酸化物と
なって固着するという欠点は防止できるものの、基材金
属ロールの熱伝導率が大きいため、溶融板ガラスが過度
の冷却遍歴を受け、しばしばガラス品質に悪影響を与え
るという問題があった。しかも、この従来技術(3) は、
被覆層であるセラミックス材の熱膨張係数が基材金属の
熱膨張係数に比較して小さいため、ロールを交換すると
き等に見られるロール表面温度の急な変化に対し、耐ス
ポーリング性(耐剥離性)が低下したり、微細な亀裂が
発生する等して、耐用寿命の著しい低下を招いていた。
【0004】以上説明したように、従来技術は、溶融す
ず浴から溶融板ガラスの下面に付着して持ち出される溶
融すずやその酸化物に起因する、製品ガラスの不良品の
増加、皮膜の耐スポーリング性低下による使用期間の短
縮、皮膜の冷却速度の過大によるガラス品質の低下など
の種々の問題を抱えていた。そこで、近年ではこうした
ロールの胴部を溶融シリカにて形成し、これに金属製の
軸材を装着した搬送用ロールなども実用化され、高温環
境下における機械的特性の向上が認められている。しか
しながら、このような搬送ロールは、耐ビルドアップ性
に改善の余地が残されているとともに、高品質ガラスの
製造に供するためのロールとしては表面機能および実用
面では不十分で、溶融板ガラスの搬送ロールとして十分
な能力を発揮できない。
【0005】そこで、本発明は、従来技術が抱えている
前述した課題を解決するためになされたもので、表面特
性に優れたロールを得ることを主たる目的とする。本発
明の他の目的は、耐ビルドアップ性に優れ、かつ皮膜の
密着力が大きく耐久性に優れるロールを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、次に示すような技術的手段を採用した。
すなわち、溶融ガラスと接するロール基材の表面に、炭
化クロム系サーメット溶射皮膜からなるアンダーコート
と、その上に施工するZrO2系セラミックス溶射皮膜から
なるトップコートとの2層からなる複合溶射皮膜を、形
成したことを特徴とする溶融ガラス製造設備用ロールで
ある。
【0007】また、本発明は、溶融ガラスと接するロー
ル基材の表面に、炭化クロム系サーメット溶射皮膜から
なるアンダーコートと、その上に施工するCo, Ni, Cr,
Al,Y,TaおよびSiから選ばれた2種以上の金属からな
る耐熱合金の溶射皮膜からなるインターナルコートと、
そして、さらにその上に施工するZrO2系セラミックス溶
射皮膜からなるトップコートとの3層からなる複合溶射
皮膜を、形成したことを特徴とする溶融ガラス製造設備
用ロールである。
【0008】本発明において、上記アンダーコートの炭
化クロム系サーメットは、Cr3C2, Cr7C3およびC23C6
ら選ばれた1種以上の炭化クロムを45〜95wt%、Co, Ni
およびCrから選ばれた2種以上の金属からなる耐熱合金
を5〜55wt%含有するものである。
【0009】また、本発明において上記トップコート
は、Y2O3, CaO, MgO, CeO2, SiO2などから選ばれた1種
以上の結晶安定化成分を5〜40wt%含むZrO2系セラミッ
クスである。
【0010】上記の本発明に係るロールは、鋼鉄製また
は非金属製ロール基材の表面に、プラズマ溶射法または
高速フレーム溶射法によって、炭化クロム系サーメット
のアンダーコートを30〜300 μm の厚さに形成し、次い
で、そのアンダーコートの上に、上記のいずれかの溶射
法によってZrO2系セラミックスのトップコートを50〜50
0 μm の厚さに形成して、複合溶射皮膜を形成すること
により製造することができる。
【0011】また、本発明に係る他の製造方法は、鋼鉄
製または非金属製ロール基材の表面に、プラズマ溶射法
または高速フレーム溶射法によって、炭化クロム系サー
メットのアンダーコートを30〜300 μm の厚さに形成
し、次いで、そのアンダーコートの上に、上記のいずれ
かの溶射法によってCo, Ni, Cr, Al, Y,TaおよびSiか
ら選ばれた2種以上の金属からなる耐熱合金のインター
ナルコートを30〜300 μm の厚さに形成し、その後、上
記いずれかの溶射法によって、最上層部のトップコート
として、ZrO2系セラミックスを50〜500 μm の厚さに形
成して、複合溶射皮膜を形成することを特徴とする溶融
ガラス製造設備用ロールの製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る溶融ガラス製造設備
用ロール (以下、これを単に「搬送ロール」という) の
詳細とその製造方法について、製造工程に併せて説明す
る。 (1) 炭化クロムサーメット材料によるアンダーコートの
施工 金属製もしくは非金属製の、いわゆる、溶融ガラスに接
する搬送ロール基材の表面を、脱脂し、清浄化した後、
Al2O3 粒子を吹き付けて粗面化処理を行い、次いで、プ
ラズマ溶射法または高速フレーム溶射法によって、Cr3C
2 を主成分として含む炭化クロムサーメット材料を、ア
ンダーコートとして、30〜300 μm の厚さに施工する。
このアンダーコートの役割りは、ロール基材と炭化クロ
ム溶射皮膜との良好な密着力を確保するとともに、その
上に形成されるZrO2系セラミックス溶射皮膜との結合力
を確保することにある。即ち、炭化クロム系サーメット
溶射材料のロール基材に対する密着力は、従来技術の耐
熱合金皮膜 (Ni−Cr, Ni−Al, MCrAlX) に比べると、
はるかに大きく、また、この炭化クロム系サーメットの
アンダーコート上に施工する耐熱合金やZrO2系セラミッ
クスの溶射皮膜とも優れた密着性を示す。従って、かか
るアンダーコートを用いる限り、通常の溶融ガラスの搬
送等の処理条件下ではこのアンダーコートがロール基材
から剥離することはない。その上、Cr3C2 を主成分とす
る炭化クロム系サーメット(以下は、単に「Cr3C2サー
メット」という)のアンダーコートというのは、良好な
耐熱性を示すため、アンダーコートとしての特性を長時
間にわたって維持することができる。
【0013】このようなCr3C2 サーメット溶射材料とし
ては以下のような化学成分のものが用いられる。即ち、
本発明にかかるサーメット溶射材料は、主としてCr3C2
からなる炭化クロムを45〜95wt%、これに添加するバイ
ンダーとなる金属成分として、Co, Ni, Crから選ばれる
2種以上の金属を含む耐熱合金を5〜55wt%の割合で配
合したものであって、これらの混合物を焼結し、粉砕整
粒して粒子径:5〜80μm の範囲に調整した溶射材料粉
末を用いることが望ましい。なお、市販のCr3C2 サーメ
ット溶射材料には、Cr3C2 の他に、少量のCr23C6,Cr7C
3 を含んでいることがあるが、このような材料について
も、本発明のアンダーコート用溶射材料として使用する
ことができ、厳密なCr3C2 化合物のみに限定されるもの
ではない。
【0014】上記アンダーコートの厚さは、30〜300 μ
m の範囲がよく、30μm より薄いと溶射皮膜の均一性が
劣り、一方、300 μm より厚くても、その作用効果に格
段の向上が期待できないので、経済的に得策でない。な
お、かかるCr3C2 サーメットのアンダーコートは、鋼鉄
製ロール基材以外にも、例えば酸化珪素質性ロール基材
などの非金属製ロールに対しても形成することができ
る。これは、溶射法特有の皮膜形成能によるものであっ
て、良好な密着性は単に鋼鉄製ロール基材だけに限定さ
れるのではない。
【0015】(2) 耐熱合金によるインターナルコート
(中間層) の形成 このインターナルコートは、Cr3C2 サーメットアンダー
コートの上に、必要に応じて施工されるものであって、
Co, Ni, Cr, Al, Y,TaおよびSiから選ばれる2種以上
の金属からなる耐熱合金を、プラズマ溶射法、または高
速フレーム溶射法によって30〜300 μm の厚さに形成す
る。このインターナルコート上には、その後さらに後述
するZrO2系セラミックストップコートを施工して、3層
構造の複合溶射皮膜とする場合に用いられる。この耐熱
合金による中間層であるインターナルコートは、アンダ
ーコートおよびトップコートの両方に対して良好な密着
性を示すほか、溶融ガラス搬送用ロールとして使用中、
ZrO2系セラミックスのトップコートに存在する微小な亀
裂や気孔部を通して内部へ侵入してくる空気(酸素)に
よるアンダーコートの酸化消耗を防ぐ役割を担う層であ
る。
【0016】また、このインターナルコートのより重要
な役割は、操業条件によって、厚膜の溶射皮膜つきロー
ルが必要となった場合に、このインターナルコートを形
成することによって、トップコートやアンダーコートの
性能を損なうことのない、好適な溶融ガラス搬送ロール
を得ることにある。
【0017】本発明において、上記Cr3C2 サーメットア
ンダーコートと耐熱合金のインターナルコートおよびZr
O2系セラミックストップコートのそれぞれの熱膨張係数
は、鋼鉄製基材のそれ (10〜12×10-6/K) といずれも
近似しており、熱変化に伴う応力の発生が小さいので、
耐熱衝撃性にも優れている。
【0018】(3) ZrO2系セラミックスによるトップコー
トの形成 このトップコートは、上述したCr3C2 サーメットアンダ
ーコートの上に、直接的に、または耐熱合金インターナ
ルコートを介して間接的に、基材上に施工形成される。
その施工に当たっては、基材上に、プラズマ溶射法や高
速フレーム溶射法によって、ZrO2系セラミックス溶射材
料粉末を溶射して50〜500 μm の厚さに形成する。一般
に、ZrO2系セラミックスは、卓越した耐熱性を有すると
ともに、溶融すずとも反応せず、また溶融すずが付着し
ても簡単に剥離除去することができるうえ、適当な硬さ
(ビッカース硬さ700 〜850)をもっているため、良好な
耐摩耗性を発揮する。本発明において使用するZrO2系セ
ラミックスとしては、Y2O3, CaO, MgO, CeO2およびSiO2
などから選ばれた1種以上の酸化物からなる結晶安定化
成分を、5〜40wt%含むものがよい。それは、5wt%よ
り少ないと耐スポーリング性に劣り、一方、40wt%より
多いと皮膜が軟質化して傷が付き易くなるほか、ZrO2
高温特性が低下して適当でないので5〜40wt%とした。
【0019】
【実施例】(1) 実施例1 この実施例では、基材として、幅50mm×長さ100mm ×厚
さ5mmのステンレス鋼(SUS410)試験片を用い、その表面
に、プラズマ溶射法および高速フレーム溶射法によっ
て、各種の合金、酸化物系セラミックス、炭化クロム系
サーメットを形成した後、得られた溶射皮膜についてそ
れの密着性と熱衝撃特性を調べた。表1は、この試験結
果を要約したものである。表1に示すように、Al2O3, C
r2O3皮膜 (No. 1,2)は、密着力が小さいだけでな
く、加熱と冷却の繰返しによって容易に剥離した。ま
た、WC−12Co皮膜 (No. 5,6)は強力な密着力を有す
るものの、耐高温酸化性に乏しいため、皮膜が甚しく酸
化消耗した。この点、本発明の条件に適合するCr3C2
ーメット溶射皮膜 (No. 7,8)は、基材との密着性、
耐熱衝撃性ともに優れた性能を発揮し、この傾向はトッ
プコートであるZrO2系セラミックスを溶射形成した場合
についても (No. 9〜12)、全く同じ傾向を示してい
た。
【0020】なお、溶射皮膜の密着性試験としては、JI
SH8666規定のセラミックス溶射皮膜の密着性試験方法に
準拠して行ったが、試験片No. 6〜8の皮膜は、強い密
着力を示し容易に剥離しなかったため、そのまま負荷を
続け皮膜と接着剤(エポキシ樹脂)の界面から剥離した
ときの荷重により評価したものである。
【0021】
【表1】
【0022】(2) 実施例2 この実施例では、ZrO2系セラミックストップコートの表
面に、溶融すずが接触した場合の固着性について実験室
的に調査した。試験用の皮膜は、実施例1と同じような
方法で製作し、700 ℃に加熱溶融したすずを滴下し、凝
固付着、機械的強制除去、再滴下を繰返して評価した。
表2は、このときの試験結果を示したものである。1回
目の滴下試験では、溶射皮膜の種類に関係なく、溶融す
ずの濡れが悪く、凝固後も容易に剥離できるが、滴下回
数を重ねるにしたがって、炭化物サーメット系の皮膜
(No. 5〜7)では、固化後の滴下すずの剥離が困難に
なるとともに、剥離後の皮膜表面が粗くなっていること
が確認された。これに対し、酸化物系セラミックス皮膜
(No. 1〜4)は、5回滴下を繰返しても、固化した溶
融すずが容易に剥離できるとともに、剥離後の表面も平
滑であった。なお、Al2O3 (No.4) 皮膜は、実施例1で
実施した熱衝撃試験結果が十分でないので、本発明の適
合例から除外した。
【0023】
【表2】
【0024】(3) 実施例3 この実施例では、溶融ガラスの搬送用ロールに本発明の
複合溶射皮膜を施工した場合の効果について説明する。
直径192mm 、面長3718mmの鋼鉄製ロールに対し、その表
面を脱脂、ブラスト処理した後、Cr3C2 −20wt%Ni−5
wt%Crのサーメットを高速フレーム溶射法によって 150
μm の厚さに施工し、その上に、8wt%Y2O3・ZrO2をプ
ラズマ溶射法によって350 μm の厚さに形成した。その
後、8wt%Y2O3・ZrO2溶射皮膜(トップコート)の表面
を人造ダイヤモンド砥石を用いて円筒研削し、皮膜厚さ
250 μm±50μm 、算術平均粗さRa≦3μm に仕上げ
た。この他、同寸法のロールを用いて、Cr3C2 −20wt%
Ni−5wt%Crのアンダーコート100 μm の上に25Cr−10
Ni−7Al−5Ta−1Y −残Co (wt%) の耐熱合金をイン
ターナルレイヤーとして、プラズマ溶射して形成し、さ
らに最上層部に、24wt% MgO・ZrO2を300 μm の厚さに
プラズマ溶射してトップコートとし、そのトップコート
の表面を研削仕上げしたロールも同時に製造した。
【0025】このようにして製作した各ロールを、溶融
ガラス製造プロセスにおいて用いられるリフトアウトロ
ールならびにレアロールとして適用したところ、いずれ
のロールも溶融すずおよびその酸化物のビルドアップが
極めて少なく、高品質板ガラスの製造を長期間にわたっ
て維持することができた。
【0026】なお、本発明は、上述した溶融板ガラスを
搬送するための搬送用ロールおよびその製造方法に限定
されず、高温搬送物を搬送するために広く一般に用いら
れる搬送用ロールにも適用が可能であり、その用途、用
法は問わない。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
炭化クロム系サーメットのアンダーコートと、その上に
直接もしくは間接的に施工されたZrO2系セラミックス溶
射皮膜とからなる複合皮膜を形成したので、基材に対し
ての付着力が大きく、耐熱衝撃性にも優れ、しかも溶融
すずやその酸化物のビルドアップ現象も極めて少なく、
長期間にわたって、高品質の板ガラスを安定して製造す
ることができる。それ故に、ロールの取替え頻度が少な
くなって生産性が向上し、製品コストの低減にも大きな
効果が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北秋 廣幸 兵庫県神戸市東灘区深江北町4丁目13番4 号 トーカロ株式会社内 Fターム(参考) 4K031 AA02 AA04 AA08 AB03 AB04 AB08 AB09 CB21 CB22 CB26 CB27 CB32 CB42 CB45 DA01 DA04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融ガラスと接するロール基材の表面
    に、炭化クロム系サーメット溶射皮膜からなるアンダー
    コートと、その上に施工するZrO2系セラミックス溶射皮
    膜からなるトップコートとの2層からなる複合溶射皮膜
    を、形成したことを特徴とする溶融ガラス製造設備用ロ
    ール。
  2. 【請求項2】 溶融ガラスと接するロール基材の表面
    に、炭化クロム系サーメット溶射皮膜からなるアンダー
    コートと、その上に施工するCo, Ni, Cr, Al,Y,Taお
    よびSiから選ばれた2種以上の金属からなる耐熱合金の
    溶射皮膜からなるインターナルコートと、そして、さら
    にその上に施工するZrO2系セラミックス溶射皮膜からな
    るトップコートとの3層からなる複合溶射皮膜を、形成
    したことを特徴とする溶融ガラス製造設備用ロール。
  3. 【請求項3】 上記アンダーコートの炭化クロム系サー
    メットは、Cr3C2, Cr7C3およびC23C6 から選ばれた1種
    以上の炭化クロムを45〜95wt%、Co, NiおよびCrから選
    ばれた2種以上の金属からなる耐熱合金を5〜55wt%含
    有するものである請求項1または2記載の溶融ガラス製
    造設備用ロール。
  4. 【請求項4】 上記トップコートは、Y2O3, CaO, MgO,
    CeO2, SiO2などから選ばれた1種以上の結晶安定化成分
    を5〜40wt%含むZrO2系セラミックスである請求項1ま
    たは2記載の溶融ガラス製造設備用ロール。
  5. 【請求項5】 鋼鉄製または非金属製ロール基材の表面
    に、プラズマ溶射法または高速フレーム溶射法によっ
    て、炭化クロム系サーメットのアンダーコートを30〜30
    0 μm の厚さに形成し、次いで、そのアンダーコートの
    上に、上記のいずれかの溶射法によってZrO2系セラミッ
    クスのトップコートを50〜500 μm の厚さに形成して、
    複合溶射皮膜を形成することを特徴とする溶融ガラス製
    造設備用ロールの製造方法。
  6. 【請求項6】 鋼鉄製または非金属製ロール基材の表面
    に、プラズマ溶射法または高速フレーム溶射法によっ
    て、炭化クロム系サーメットのアンダーコートを30〜30
    0 μm の厚さに形成し、次いで、そのアンダーコートの
    上に、上記のいずれかの溶射法によってCo, Ni, Cr, A
    l, Y,TaおよびSiから選ばれた2種以上の金属からな
    る耐熱合金のインターナルコートを30〜300 μm の厚さ
    に形成し、その後、上記いずれかの溶射法によって、最
    上層部のトップコートとして、ZrO2系セラミックスを50
    〜500 μm の厚さに形成して、複合溶射皮膜を形成する
    ことを特徴とする溶融ガラス製造設備用ロールの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 上記アンダーコートの炭化クロム系サー
    メットは、Cr3C2, Cr7C3およびC23C6 から選ばれた1種
    以上の炭化クロムを45〜95wt%、Co, NiおよびCrから選
    ばれた2種以上の金属からなる耐熱合金を5〜55wt%含
    有するものである請求項5または6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記トップコートは、Y2O3, CaO, MgO,
    CeO2, SiO2などから選ばれた1種以上の結晶安定化成分
    を5〜40wt%含むZrO2系セラミックスである請求項5ま
    たは6記載の溶融ガラス製造設備用ロールの製造方法。
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