JP2000273656A - 耐食性に優れた溶融Alめっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

耐食性に優れた溶融Alめっき鋼板及びその製造方法

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JP2000273656A
JP2000273656A JP11080806A JP8080699A JP2000273656A JP 2000273656 A JP2000273656 A JP 2000273656A JP 11080806 A JP11080806 A JP 11080806A JP 8080699 A JP8080699 A JP 8080699A JP 2000273656 A JP2000273656 A JP 2000273656A
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dip
hot dip
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Yoshikazu Morita
芳和 守田
Koichiro Ueda
耕一郎 上田
Minoru Saito
実 斎藤
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 白錆,変色等が抑制され、長期間にわたり良
好な表面状態を維持する溶融Alめっき鋼板を提供す
る。 【構成】 この溶融Alめっき鋼板は、下地鋼の表面に
溶融Alめっき層が形成され、ジルコニウム化合物を含
む陽極酸化皮膜で溶融Alめっき層が覆われている。ジ
ルコニウム化合物を含む陽極酸化皮膜は、濃度20重量
%以下の硫酸溶液にK2 ZrF6 を0.005〜0.1
モル/l添加した電解液に溶融溶融Alめっき鋼板を浸
漬して陽極酸化処理することにより形成される。 【効果】 緻密な陽極酸化皮膜が形成されるため、薄く
ても十分な耐食性を呈し、加工性も確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐白錆性,耐変色性等
の耐食性を改善した溶融Alめっき鋼板及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融Alめっき鋼板の表面に形成されて
いる溶融Alめっき層は、大気中又は水中の酸化成分と
反応し、緻密な酸化皮膜又は水酸化皮膜を表面に生成さ
せる。溶融Alめっき層が酸化皮膜又は水酸化皮膜で覆
われることから、通常の環境では亜鉛めっき鋼板に比較
して優れた耐食性を呈する。この長所を活用し、単にク
ロメート処理又はクリア塗装だけで溶融Alめっき鋼板
を使用することが多い。良好な耐食性を呈する溶融Al
めっき鋼板であっても、海岸地帯,工業地帯等の厳しい
腐食環境に長時間暴露される構造材等の用途では、めっ
き層表面が変色し、或いはめっき層が腐食することがあ
る。特に環境汚染が深刻な昨今では、溶融Alめっき層
が変色,腐食し易い環境にある。変色,腐食等が発生す
ると、構造物の外観が著しく損われる。構造材として使
用される溶融Alめっき鋼板は、クロメート処理によっ
て塩水噴霧環境,湿潤環境等での耐食性が格段に改善さ
れるが、硫酸,クロム酸等の酸性浴や水酸化ナトリウム
等のアルカリ浴に溶融アルミめっき鋼板を浸漬して電解
処理する陽極酸化処理で溶融Alめっき鋼板の耐食性を
改善することも一部で実施されている(特開昭63−5
7795号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】溶融Alめっき鋼板で
は、溶融Alめっき層の厚みが限られており、厚膜の陽
極酸化皮膜を形成し難い。すなわち、溶融Alめっき層
の表面に形成される陽極酸化皮膜は、一般のアルミニウ
ム材に施されている陽極酸化皮膜に比較すると薄く、環
境を遮断する十分なバリア効果をもたない。また、生成
した陽極酸化皮膜にあるピンホール欠陥等が孔食状の腐
食発生起点になりやすく、陽極酸化処理後の封孔処理が
必須になる。このようなことから、通常の陽極酸化処理
では、耐食性を向上させることは困難であり、溶融Al
めっき層の美麗な表面肌が長期間にわたって維持されな
い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、ジルコニウム化
合物を含む陽極酸化皮膜を溶融Alめっき層の表面に形
成することにより、薄い溶融Alめっき層であっても通
常のアルミニウム材と同等の陽極酸化処理効果を発現さ
せ、過酷な腐食環境に曝される構造材として長期間にわ
たって使用されても白錆,変色等が抑制された溶融Al
めっき鋼板を提供することを目的とする。本発明の溶融
Alめっき鋼板は、その目的を達成するため、下地鋼の
表面に溶融Alめっき層が形成され、ジルコニウム化合
物を含む陽極酸化皮膜で溶融Alめっき層が覆われてい
ることを特徴とする。この溶融Alめっき鋼板は、濃度
20重量%以下の硫酸溶液にK2 ZrF6 を0.005
〜0.1モル/l添加した電解液に溶融Alめっき鋼板
を浸漬して陽極酸化処理し、溶融Alめっき層の表面に
ジルコニウム化合物を含む陽極酸化皮膜を形成すること
により製造される。
【0005】
【作用】本発明者等は、溶融Alめっき層の表面に形成
される陽極酸化皮膜が耐食性改善に及ぼす影響を種々調
査検討した。その結果、K2 ZrF6 等のZr系アニオ
ン種を添加した硫酸浴で溶融Alめっき鋼板を陽極酸化
処理するとき、ジルコニウム化合物を含む陽極酸化皮膜
が形成され、薄膜であるにも拘わらず耐食性が大幅に改
善されることを見出した。ジルコニウム化合物が耐食性
の向上に働く理由は定かでないが、陽極酸化皮膜が緻密
化し、皮膜構造も変わることに原因があるものと推察さ
れる。すなわち、K2 ZrF6 の添加によって溶融Al
めっき層に対するエッチング作用が強化され、陽極酸化
皮膜が緻密化することを知見しており、結果として耐食
性が向上するものと考えられる。また、皮膜に取り込ま
れたZrが遮断性の大きなバリア層を形成すること、腐
食環境下において皮膜中から溶出するジルコニウム化合
物がAl系腐食生成物を安定化させること等によっても
耐食性が向上するものと推察される。
【0006】得られた陽極酸化皮膜は、硫酸単独の電解
浴で形成された陽極酸化皮膜と同じ膜厚であっても、耐
食性が格段に優れ、めっき層表面の変色やめっき層の腐
食を効果的に抑制する。薄い陽極酸化皮膜でも十分な耐
食性が得られるため、溶融Alめっき鋼板の加工性も確
保される。耐食性改善効果は、陽極酸化皮膜に含まれる
ジルコニウム化合物がZr換算で0.02重量%以上に
なると顕著になる。通常、厚膜の陽極酸化皮膜が形成さ
れた溶融Alめっき鋼板に曲げ加工,絞り加工等を施す
と、陽極酸化処理によって硬質化している溶融Alめっ
き層の表層に亀裂が発生し易い。亀裂は、腐食発生起点
として働き、耐食性が低下した加工部に赤錆を発生させ
る原因になる。他方、ジルコニウム化合物を含む陽極酸
化皮膜は、薄膜でも十分な耐食性が得られるので溶融A
lめっき層の表層を硬質化する程度も低く、曲げ加工,
絞り加工等の際に亀裂の発生が抑えられる。
【0007】ジルコニウム化合物は、電解液に添加され
たK2 ZrF6 ,(NH42 [ZrF6 ],Zr(C
3 COO)4 等のアニオン種から供給され、ZrF
4 ,ZrO2 等として陽極酸化皮膜に取り込まれる。Z
r系アニオン種を電解液に添加しても、電流−電圧曲線
に及ぼす影響は硫酸濃度の方が大きいため、陽極酸化皮
膜の成膜条件に悪影響を及ぼすことはない。なお、以下
の説明では、K2 ZrF 6 でZr系アニオン種を代表さ
せる。K2 ZrF6 は、電解液中でK+ とZrF6 2-
解離する。解離したZrF6 2-は、電解液のアニオン種
と同様に皮膜に取り込まれる。この点、ジルコニウム化
合物含有溶液で陽極酸化皮膜を封孔処理するだけでは、
陽極酸化皮膜にジルコニウム化合物が取り込まれず、十
分な耐食性改善効果が発現しない。他方、ジルコニウム
化合物を含む陽極酸化皮膜では、緻密な皮膜構造をとる
ため、陽極酸化処理後の封孔処理を省略することも可能
である。
【0008】電解液としては、濃度20重量%以下の硫
酸溶液が使用される。硫酸は、安価な上、取扱いも比較
的容易なことから好ましい。硫酸濃度が20重量%を超
えると、電解液の取扱いが困難になる。電解液に添加さ
れるK2 ZrF6 の添加量は、0.005〜0.1モル
/lの範囲に定められる。K2 ZrF6 の添加量が0.
005モル/l未満では耐食性の改善が十分でなく、逆
に0.1モル/lを超える添加量では溶融Alめっき層
に対するエッチング作用が大きくなりすぎ、却って耐食
性が低下する。電解条件としては、電流密度5〜150
A/dm2 ,電解時間1〜10秒が採用される。5A/
dm2 未満の電流密度では、処理時間が短いことから十
分な膜厚をもつ皮膜が形成されない。逆に、電流密度が
150A/dm2 を超えると、短時間処理であっても皮
膜に焼けが生じ、外観が損われる。溶融Alめっき鋼帯
を連続的に陽極酸化処理する場合、生産性を考慮して短
時間で効率よく陽極酸化皮膜を形成することが必要とさ
れる。電流密度を高く設定することにより陽極酸化処理
に要する処理時間が短縮されるが、硫酸浴を電解液とし
て使用しているので、電流密度を上昇させても処理条件
が不安定にならない。しかも、耐食性改善に必要な陽極
酸化皮膜が0.05〜0.2μmと薄くて済むことと相
俟って、陽極酸化処理の一層の効率化が図られる。
【0009】
【実施例】目付け量40g/m2 の溶融Alめっき鋼板
から200mm×100mmの試験片を切り出した。ジ
ルコニウム塩K2 ZrF6 を硫酸溶液に添加して調製し
た電解液に試験片を浸漬し、浴温30℃,電流密度10
A/dm2 で10秒間陽極電解した。陽極電解後に溶融
Alめっき鋼板の表面を観察したところ、膜厚が約0.
2μmの陽極酸化皮膜が形成されていた。陽極酸化皮膜
の膜厚は、K2 ZrF6 の添加量に影響されずほぼ一定
の値であった。陽極酸化処理された各試験片を塩水噴霧
試験に供し、耐食性を調査した。塩水噴霧試験では、1
50mm×70mmのサイズに切り出した試験片の周囲
をマスキングし、JIS Z2371に準拠して35℃
で5%NaCl水溶液を試験片に噴霧した。塩水噴霧を
24時間継続した後、試験片の表面を観察して白錆発生
及び変色の有無を調査し、それぞれ試験片全面に占める
白錆及び変色部の面積率を求めた。
【0010】表1の調査結果にみられるように、電解液
にK2 ZrF6 を添加することにより陽極酸化皮膜の耐
食性が向上していることが判る。効果的なK2 ZrF6
の添加量は電解液の硫酸濃度との関係で変わるが、0.
005〜0.1モル/lの範囲で耐食性改善効果がみら
れた。しかし、濃度10重量%の硫酸溶液にK2 ZrF
6 を0.03モル/l添加した電解液を使用した試験番
号7では、24時間の塩水噴霧試験後に試験片全面が変
色した。試験番号3の試験片表面を陽極酸化処理後にE
SCA分析したところ、皮膜表面にZrF6 ,ZrO2
が検出され、陽極酸化皮膜にZrが取り込まれているこ
とが判った。皮膜形態も、K2 ZrF6 の添加量が多く
なるに従ってポーラス状から緻密な構造に変化した。緻
密構造の陽極酸化皮膜は、溶融Alめっき層を環境から
遮断するバリア作用が強いため、表1にみられるように
優れた耐食性を溶融Alめっき鋼板に付与したものと考
えられる。
【0011】
【0012】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の溶融A
lめっき鋼板は、ジルコニウム化合物を含む陽極酸化皮
膜を溶融Alめっき層の表面に形成しているため、陽極
酸化皮膜が緻密で溶融Alめっき層を環境から遮断する
バリア作用が強化されている。しかも、薄い陽極酸化皮
膜であっても十分な耐食性が得られるため、曲げ加工,
絞り加工等の際に亀裂を発生させ易い厚膜の陽極酸化皮
膜を形成する必要がなく、陽極酸化処理後にも加工性が
確保される。そのため、海岸地域,工業環境等の過酷な
腐食環境に長期間にわたって曝される場合でも、白錆や
変色がなく良好な表面状態を維持する構造材として使用
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 実 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K027 AA05 AA22 AB05 AB48 AC82 4K044 AA02 AB02 BA10 BA20 BB03 BB11 BC02 CA11 CA16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地鋼の表面に溶融Alめっき層が形成
    され、ジルコニウム化合物を含む陽極酸化皮膜で溶融A
    lめっき層が覆われている耐食性に優れた溶融Alめっ
    き鋼板。
  2. 【請求項2】 濃度20重量%以下の硫酸溶液にK2
    rF6 を0.005〜0.1モル/l添加した電解液に
    溶融Alめっき鋼板を浸漬して陽極酸化処理し、溶融A
    lめっき層の表面にジルコニウム化合物を含む陽極酸化
    皮膜を形成する耐食性に優れた溶融Alめっき鋼板の製
    造方法。
JP11080806A 1999-03-25 1999-03-25 耐食性に優れた溶融Alめっき鋼板及びその製造方法 Withdrawn JP2000273656A (ja)

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