JP2000273765A - 繊維糊剤 - Google Patents

繊維糊剤

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JP2000273765A JP8280599A JP8280599A JP2000273765A JP 2000273765 A JP2000273765 A JP 2000273765A JP 8280599 A JP8280599 A JP 8280599A JP 8280599 A JP8280599 A JP 8280599A JP 2000273765 A JP2000273765 A JP 2000273765A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性が優れ、かつ製織性が良好な繊維糊
剤を提供すること。 【解決手段】 エチレン単位の含有量2〜19モル%、
重合度200〜3000、けん化度80.0〜99.9
9モル%およびカルボン酸とラクトン環の合計含有量
0.020〜0.40モル%であるビニルアルコール系
重合体からなる繊維糊剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビニルアルコール系
重合体からなる繊維糊剤に関する。さらに詳しくは、生
分解性が優れ、かつ製織性が良好な繊維糊剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、織物の経糸糊剤としてはポリビニ
ルアルコール(以下、PVAと略記することがある)が
最も多く使用され、糊付工程で糊付された糊剤は製織後
は染色工程の最初の工程で洗浄除去される。また糊抜き
時に発生するPVAを含む廃水の処理は通常活性汚泥処
理されるが、その生分解性は充分でなく、年々厳しくな
る排水規制に対応するのが困難な状況にある。また、繊
維糊剤としてエチレンなどのオレフインで変性したPV
Aも知られている(特開平8−260355号公報、同
9−31849号公報)が、この繊維糊剤も、生分解
性、製織性に優れているものの、いまだ充分とは言えな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の欠点を解消するためになされたものであり、生分
解性が優れた、かつ製織性が良好な繊維糊剤を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、エチレン単
位の含有量2〜19モル%、重合度200〜2000、
けん化度80.0〜99.99モル%およびカルボン酸
とラクトン環の合計含有量0.020〜0.40モル%
であるビニルアルコール系重合体からなる繊維糊剤を提
供することにより達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のビニルアルコール系重合
体は、エチレン単位を有していることが必須である。エ
チレン単位の含有量としては、2〜19モル%であるこ
とが必須であり、2.5〜17モル%が好ましく、3〜
15モル%がさらに好ましく、3.5〜13モル%が特
に好ましい。エチレン単位の含有量が2モル%未満の場
合には、水溶液の低温放置安定性および生分解性の向上
の程度が小さい。エチレン単位の含有量が19モル%よ
り大の場合には、PVAの最大の特徴である水溶性が低
下する。
【0006】本発明のビニルアルコール系重合体のエチ
レン単位の含有量は、該ビニルアルコール系重合体の前
駆体であるエチレン単位を含有するポリビニルエステル
のプロトンNMRから求めた。すなわち、得られたポリ
ビニルエステルをn−ヘキサン/アセトンで再沈精製を
3回以上十分に行った後、80℃での減圧乾燥を3日間
して分析用のポリビニルエステルを作成した。該ポリマ
ーをDMSO−D6に溶解し、500MHzのプロトン
NMR(JEOL GX−500)を用いて80℃で測
定した。ビニルエステルの主鎖メチンに由来するピーク
(4.7〜5.2ppm)とエチレン、ビニルエステル
および第3成分の主鎖メチレンに由来するピーク(0.
8〜1.6ppm)を用いてエチレン単位の含有量を算
出した。
【0007】本発明のビニルアルコール系重合体の粘度
平均重合度(以下、重合度と略記する)は200〜30
00であり、220〜2500が好ましい。重合度が2
00未満の場合は、製織性が充分でないし、3000よ
り大きい場合は、水溶液の粘度が高くなり、製織性も悪
くなる。
【0008】PVA系重合体の重合度(P)は、JIS
−K6726に準じて測定される。すなわち、PVA系
重合体を再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定
した極限粘度[η](dl/g)から次式により求めら
れるものである。 P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
【0009】本発明のビニルアルコール系重合体のけん
化度は80〜99.99モル%であり、84〜99.9
モル%が好ましく、87〜99.7モル%がより好まし
く、90〜99.5モル%が特に好ましい。けん化度が
80モル%未満の場合は水溶性、生分解性が充分でな
い。
【0010】本発明のビニルアルコール系重合体のカル
ボン酸とラクトン環の合計含有量は0.020〜0.4
0モル%であり、0.022〜0.37モル%が好まし
く、0.024〜0.33モル%がより好ましく、0.
025〜0.30モル%が特に好ましい。本発明におけ
るカルボン酸はそのアルカリ金属塩を包含し、アルカリ
金属としてはカリウム、ナトリウムなどがあげられる。
カルボン酸とラクトン環の合計含有量が0.020モル
%未満の場合には、生分解性が充分でない。一方、カル
ボン酸とラクトン環の合計含有量が0.40モル%を超
える場合には、生分解性が低下する場合がある。
【0011】さらにカルボン酸とラクトン環の合計含有
量が下記の数3を満足する場合には、本発明の効果は著
しく高くなることを見出した。
【0012】
【数3】
【0013】(ここで、含有量(単位:モル%)はカル
ボン酸とラクトン環の合計含有量を表し、Pはビニルア
ルコール系重合体の粘度平均重合度を表す。)
【0014】エチレン単位を特定量有し、かつカルボン
酸およびラクトン環を有するビニルアルコール系重合体
の製法としては、酢酸ビニルなどのビニルエステル系
単量体とカルボン酸およびラクトン環を生成する能力を
有する単量体とを共重合して得られたビニルエステル系
重合体を、アルコールあるいはジメチルスルホキシド溶
液中でけん化する方法、メルカプト酢酸、3−メルカ
プトプロピオン酸などのカルボン酸を含有するチオール
化合物の存在下で、ビニルエステル系単量体を重合した
後それをけん化する方法、酢酸ビニルなどのビニルエ
ステル系単量体を重合する際に、ビニルエステル系単量
体およびビニルエステル系重合体のアルキル基への連鎖
移動反応を起こし、高分岐ビニルエステル系重合体を得
た後にけん化する方法、エポキシ基を有する単量体と
ビニルエステル系単量体との共重合体をカルボキシル基
を有するチオール化合物と反応させた後けん化する方
法、PVAとカルボキシル基を有するアルデヒド類と
のアセタール化反応による方法などが挙げられる。
【0015】ビニルエステル系単量体としては、ギ酸ビ
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビ
ニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよび
バーサティック酸ビニル等が挙げられ、これらの中でも
PVAを得る点からは酢酸ビニルが好ましい。本発明の
カルボン酸およびラクトン環を生成する能力を有する単
量体としては、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、
無水マレイン酸または無水イタコン酸等に由来するカル
ボキシル基を有する単量体、アクリル酸およびその塩、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
プロピル、アクリル酸i−プロピル等のアクリル酸エス
テル類、メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、
メタクリル酸i−プロピル等のメタクリル酸エステル
類、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−
エチルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体、メタ
クリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチ
ルメタクリルアミド等のメタクリルアミド誘導体が挙げ
られる。
【0016】ビニルアルコール系重合体のカルボン酸と
ラクトン環の合計含有量はプロトンNMRのピークから
求めることができる。ビニルアルコール系重合体をけん
化度99.95モル%以上に完全にけん化後、十分にメ
タノール洗浄を行い、次いで90℃減圧乾燥を2日間し
て分析用のビニルアルコール系重合体を作成した。上記
の場合、作成した分析用のビニルアルコール系重合体
をDMSO−Dに溶解し、500MHzのプロトンN
MR(JEOL GX−500)を用いて60℃で測定
した。アクリル酸、アクリル酸エステル類、アクリルア
ミドおよびアクリルアミド誘導体の単量体は、主鎖メチ
ンに由来するピーク(2.0ppm)を用いて、メタク
リル酸、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミドお
よびメタクリルアミド誘導体の単量体は、主鎖に直結す
るメチル基に由来するピーク(0.6〜1.1ppm)
を用いて、常法により含有量を算出した。フマール酸、
マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸または無水イ
タコン酸等に由来するカルボキシル基を有する単量体
は、作成した分析用PVAをDMSO−D6に溶解後ト
リフルオロ酢酸を数滴加え、500MHzのプロトンN
MR(JEOLGX−500)を用いて60℃で測定し
た。定量は4.6〜5.2ppmに帰属されるラクトン
環のメチンピークを用いて常法により含有量を算出し
た。およびの場合、硫黄原子に結合するメチレンに
由来するピーク(2.8ppm)を用いて含有量を算出
した。の場合、作成した分析用PVAをメタノール−
4/D2O=2/8に溶解し、500MHzのプロトン
NMR(JEOL GX−500)を用いて80℃で測
定した。末端のカルボン酸もしくはそのアルカリ金属塩
のメチレン由来ピーク(下記の化1および化2)は2.
2ppm(積分値A)および2.3ppm(積分値B)
に帰属し、末端のラクトン環のメチレン由来ピークは
(下記の化3)は2.6ppm(積分値C)、ビニルア
ルコール単位のメチン由来ピークは3.5〜4.15p
pm(積分値D)に帰属し、下記の化3でカルボン酸お
よびラクトン環の含有量を算出する。ここで△は変性量
(モル%)を表す。 カルボン酸およびラクトン環の含有量(モル%)=50
×(A+B+C)×(100−△)/(100×D)
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】の場合、作成した分析用PVAをDMS
O−D6に溶解し、500MHzのプロトンNMR(J
EOL GX−500)を用いて60℃で測定した。ア
セタール部分のメチンに由来するピーク4.8〜5.2
ppm(下記の化4)を用いて、定法により含有量を算
出した。
【0021】
【化4】
【0022】本発明の効果を損なわない範囲であれば、
ビニルアルコール単位、エチレン、ビニルエステル単位
および前述のカルボン酸およびラクトン環を生成する能
力を有する単量体以外の単量体単位を含有していてもよ
い。このような単位としては、プロピレン、1−ブテ
ン、イソブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン類、
アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチ
ルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体、メタクリ
ルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメ
タクリルアミド等のメタクリルアミド誘導体、メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビ
ニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチ
ルビニルエーテル等のビニルエーテル類、エチレングリ
コールビニルエーテル、1,3−プロパンジオールビニ
ルエーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル等
のヒドロキシ基含有のビニルエーテル類、アリルアセテ
ート、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテ
ル、ヘキシルアリルエーテル等のアリルエーテル類、オ
キシアルキレン基を有する単量体、ビニルトリメトキシ
シラン等のビニルシラン類、酢酸イソプロペニル、3−
ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−
ヘキセン−1−オール、7−オクテン−1−オール、9
−デセン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−
オール等のヒドロキシ基含有のα−オレフィン類、エチ
レンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホ
ン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸等に由来するスルホン酸基を有する単量体;ビニロ
キシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ビニロ
キシブチルトリメチルアンモニウムクロライド、ビニロ
キシエチルジメチルアミン、ビニロキシメチルジエチル
アミン、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、3−(N−メタクリルアミド)プロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルア
ミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−ア
クリルアミドジメチルアミン、アリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウム
クロライド、ジメチルアリルアミン、アリルエチルアミ
ン等に由来するカチオン基を有する単量体が挙げられ
る。これらの単量体の含有量は、使用される目的や用途
等によって異なるが通常20モル%以下、好ましくは1
0モル%以下である。
【0023】本発明のビニルアルコール系重合体は、前
述のカルボン酸を有するメルカプタンを除く2−メルカ
プトエタノール、n−ドデシルメルカプタンなどのチオ
ール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステ
ル系単量体を、エチレンと共重合し、それをけん化する
ことによって得られる末端変性物でもよい。
【0024】ビニルエステル系単量体とエチレンとの共
重合の方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重
合法、乳化重合法などの公知の方法が挙げられる。その
中でも、無溶媒あるいはアルコールなどの溶媒中で重合
する塊状重合法や溶液重合法が通常採用される。
【0025】溶液重合時に溶媒として使用されるアルコ
ールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、
プロピルアルコールなどの低級アルコールが挙げられ
る。
【0026】共重合に使用される開始剤としては、α,
α'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、過酸化ベンゾ
イル、n−プロピルパーオキシジカーボネートなどのア
ゾ系開始剤または過酸化物系開始剤などの公知の開始剤
が挙げられる。重合温度については特に制限はないが、
0℃〜150℃の範囲が適当である。
【0027】本発明のビニルアルコール系重合体は生分
解性を有しており、活性汚泥処理あるいは土壌に埋めて
おくと分解されて水と二酸化炭素になる。該PVAを活
性汚泥で連続処理すると2日間で完全に分解される。生
分解性の点からも該ビニルアルコール系重合体は水溶性
もしくは水分散性であることが必要であり、該ビニルア
ルコール系重合体の1,2−グリコール結合含有量は
1.2〜2.0モル%であり、1.25〜1.95モル
%が好ましく、1.3〜1.9モル%がより好ましい。
該ビニルアルコール系重合体の1,2−グリコール結合
含有量が1.2モル%未満の場合には、前述の該ビニル
アルコール系重合体の生分解性が悪くなる。
【0028】ビニルアルコール系重合体の1,2−グリ
コール結合含有量は、エチレンカーボネートを代表とす
る共重合および重合温度によってコントロールすること
ができる。PVAの1,2−グリコール結合含有量はN
MRのピークから求めることができる。けん化度99.
9モル%以上にけん化後、十分にメタノール洗浄を行
い、次いで90℃減圧乾燥を2日間したPVAをDMS
O−D6に溶解し、トリフルオロ酢酸を数滴加えた試料
を500MHzのプロトンNMR(JEOL GX−5
00)を用いて80℃で測定する。ビニルアルコール単
位のメチン由来ピークは3.2〜4.0ppm(積分値
A)、1,2−グリコール結合の1つのメチン由来のピ
ークは3.25ppm(積分値B)に帰属され、次式で
1,2−グリコール結合含有量を算出できる。ここで△
はエチレン変性量(モル%)を表す。 1,2−グリコール結合含有量(モル%)=B(100
−△)/A
【0029】本発明において、ビニルアルコールユニッ
トに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心
水酸基とは、PVAのDMSO−D6溶液での500 M
HzプロトンNMR(JEOL GX-500)装置、
65℃測定による水酸基プロトンのトライアッドのタク
ティシティを反映するピーク(I)を意味する。ピーク
(I)はPVAの水酸基のトライアッド表示のアイソタ
クティシティ連鎖(4.54ppm)、ヘテロタクティシ
ティ連鎖(4.36ppm)およびシンジオタクティシテ
ィ連鎖(4.13ppm)の和で表わされ、全てのビニル
アルコールユニットにおける水酸基に由来するピーク
(II)はケミカルシフト4.05ppmから4.70p
pmの領域に現れることから、本発明のビニルアルコー
ルユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連
鎖の中心水酸基のモル分率は、100×(I)/(II)
で表されるものである。
【0030】本発明においては、水酸基3連鎖の中心水
酸基の量を制御することで、ビニルアルコール系重合体
の生分解性、皮膜強度などをコントロールできる。これ
はトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基は
結晶性に富み、ビニルアルコール系重合体の特長を発現
させるためと思われる。
【0031】本発明のビニルアルコール系重合体のトラ
イアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量
は65〜98.0モル%であり、70〜97.5モル%
が好ましく、72〜97モル%がより好ましく、74〜
96モル%がさらに好ましく、75〜95モル%が特に
好ましい。
【0032】さらに本発明のビニルアルコール系重合体
が、下記の数4を満足するビニルアルコールユニットに
対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸
基のモル分率を有する場合に、本発明の効果は著しく高
くなることを見出した。
【0033】
【数4】
【0034】{ここで、モル分率(単位:モル%)はビ
ニルアルコールユニットに対するトライアッド表示によ
る水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率を表し、Etはビ
ニルアルコール系重合体が含有するエチレン含量(単
位:モル%)を表す。}
【0035】本発明のエチレンを含有するビニルアルコ
ール系重合体組成物では、アルカリ金属を有することに
より、水溶性、製織性をより向上させることができる。
ビニルアルコール系重合体(A)100重量部に対する
アルカリ金属(B)の含有割合は、アルカリ金属(B)
がナトリウム換算で0.0003〜1重量部であり、
0.0003〜0.8重量部が好ましく、0.0005
〜0.6重量部がより好ましく、0.0005〜0.5
重量部が特に好ましい。アルカリ金属としては、カリウ
ム、ナトリウム等が挙げられ、それらは主として酢酸や
プロピオン酸などの低級脂肪酸の塩、本発明のカルボン
酸を特定量含有するPVAのカルボン酸の塩および共重
合単量体中に含まれるスルホン酸の塩として存在し、さ
らには添加剤中に存在する場合も一向に差し支えない。
【0036】本発明において、特定量のアルカリ金属
(B)をビニルアルコール系重合体中に含有させる方法
は特に制限されず、いったんビニルアルコール系重合体
を得た後にアルカリ金属含有の化合物を添加する方法、
ビニルエステルの重合体を溶媒中においてけん化するに
際し、けん化触媒としてアルカリ金属を含有するアルカ
リ性物質を使用することによりビニルアルコール系重合
体中にアルカリ金属を配合し、けん化して得られたビニ
ルアルコール系重合体を洗浄液で洗浄することにより、
ビニルアルコール系重合体中に含まれるアルカリ金属を
制御する方法などが挙げられるが後者のほうが好まし
い。アルカリ金属の含有量は、原子吸光法で求めること
ができる。
【0037】本発明の特定のエチレンを有するビニルア
ルコール系重合体の製法としては、エチレンと前述のビ
ニルエステル系単量体とを共重合して得られたビニルエ
ステル系重合体を、アルコールあるいはジメチルスルホ
キシド溶液中でけん化する方法などの公知の方法が挙げ
られる。
【0038】けん化触媒として使用するアルカリ性物質
としては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムがあ
げられる。けん化触媒に使用するアルカリ性物質のモル
比は、酢酸ビニル単位に対して0.004〜0.5が好
ましく、0.005〜0.05が特に好ましい。けん化
触媒は、けん化反応の初期に一括添加しても良いし、け
ん化反応の途中で追加添加しても良い。けん化反応の溶
媒としては、メタノール、酢酸メチル、ジメチルスルホ
キシド、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。これ
らの溶媒の中でもメタノールが好ましく、含水率を0.
001〜1重量%に制御したメタノールがより好まし
く、含水率を0.003〜0.9重量%に制御したメタ
ノールがより好ましく、含水率を0.005〜0.8重
量%に制御したメタノールが特に好ましい。けん化反応
の温度としては、5〜80℃が好ましく、20〜70℃
がより好ましい。けん化時間としては5分間〜10時間
が好ましく、10分間〜5時間がより好ましい。けん化
方法としてはバッチ法や連続法など公知の方法が適用可
能である
【0039】洗浄液としては、メタノール、アセトン、
酢酸メチル、酢酸エステル、ヘキサン、水などがあげら
れ、これらの中でもメタノール、酢酸メチル、水の単独
もしくは混合液がより好ましい。洗浄液の量としてはア
ルカリ金属(B)の含有割合を満足するように設定され
るが、通常、PVA100重量部に対して、30〜10
000重量部が好ましく、50〜3000重量部がより
好ましい。洗浄温度としては、5〜80℃が好ましく、
20〜70℃がより好ましい。洗浄時間としては20分
間〜10時間が好ましく、1時間〜6時間がより好まし
い。洗浄方法としてはバッチ法や交流洗浄法など公知の
方法が適用可能である。
【0040】本発明で得られる特定のエチレン変性量、
重合度、けん化度、カルボン酸およびラクトン環量、
1,2−グリコール結合量、水酸基連鎖を有するビニル
アルコール系重合体からなる繊維糊剤は、とくに経糸糊
剤として極めて有用である。糊剤の水溶液からなる糊液
の樹脂分濃度としては、3〜15%程度が好適である。
紡績糸の場合は、合成繊維と天然繊維との組み合わせが
多いため、経糸に合った糊液調製が必要であり、フイラ
メントの場合は、単繊維間の接着による集束が主目的で
あるので、低粘度、高接着性の糊液調製が必要である。
また、繊維に対する糊剤の付着量は織物の種類、使用す
る織機、糊付機などによって任意に選ばれるが、3〜1
5%程度が好適である。
【0041】本発明の繊維糊剤には、本発明の目的を阻
害しない範囲で、通常のPVA、澱粉、変性澱粉(加工
澱粉)、アクリル系糊剤、水溶性セルロース系化合物
(ヒドロキシルセルロース、カルボキシルメチルセルロ
ースなど)、油剤、およびその他の助剤(消泡剤、防黴
剤、帯電防止剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活
性剤、カチオン界面活性剤など)を併用することもでき
る。
【0042】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」は、特に断らない限り重量
基準を意味する。また、得られたエチレン変性PVAの
分析、水溶性、生分解性、製織性を下記の要領で評価し
た。
【0043】[エチレン変性PVAの分析方法]PVA
の分析方法は特に記載のない限りはJIS−K6726
に従った。本発明のエチレン変性量は変性ポリビニルエ
ステルを用いて、カルボン酸とラクトン環の合計含有
量、1,2−グリコール結合量および水酸基3連鎖の水
酸基の含有量は、変性PVAを用いて500 MHz プ
ロトンNMR(JEOL GX-500)装置による測定
から前述のとおり求めた。本発明の変性PVAの融点
は、DSC(メトラー社、TA3000)を用いて、窒
素中、昇温速度10℃/分で250℃まで昇温後室温ま
で冷却し、再度昇温速度10℃/分で250℃まで昇温
した場合のPVAの融点を示す吸熱ピークのピークトッ
プの温度を調べた。アルカリ金属の含有量は原子吸光法
で求めた。
【0044】[エチレン変性PVAの水溶性]溶解濃度
が10%になるように、所定量のPVAを蒸留水中に分
散させた後、温度95℃で3時間加熱攪拌を行ってPV
A水溶液を調製した。次いで20℃に冷却し、目視によ
り評価した。その結果を下記の記号で示す。
【0045】 5:水に完全に溶解し、水溶液は無色透明。 4:水に完全に溶解するが、水溶液は白濁。 3:水にほとんど溶解するが、一部不溶物がある。 2:かなり不溶物がある。 1:まったく溶解しない。
【0046】[エチレン変性PVA生分解性]5L曝気
槽および2L沈殿槽からなる連続式排水処理試験機を用
いて、カルボン酸およびラクトン環を有すエチレン変性
PVAの生分解性を評価した。PVAを水に溶解させた
後に、PVA、グルコース、L−グルタミン酸、塩化ア
ンモニウム、塩化カリウム、りん酸二すい素カリウム、
りん酸すい素二カリウム、塩化カルシウム、硫酸鉄およ
び硫酸マグネシウムを700、360、180、12
0、8.4、300、300、6.7、1.5、0.7
の各濃度(mg/l)で水に溶解し苛性ソーダでpH7
に調整した後、殺菌して培地に使用した。汚泥は下水処
理場のものを使用し、初期の汚泥濃度を4400ppm
とした。曝気槽への培地供給速度は5L/日、曝気量は
2L/日、曝気槽からオーバーフローした液は沈殿槽へ
移動した後に沈殿物を分離させてから曝気槽へ返送汚泥
として供給した。処理温度30℃で連続3日間の処理試
験した後に、曝気槽中央部より懸濁した汚泥をピペット
で採取した。次いで遠心分離を行った後に、上澄液中の
PVA濃度(ppm)をよう素法で求め、これによりP
VAの生分解性(%)を求めた。
【0047】[エチレン変性PVAの製織性]エチレン
変性PVA濃度7%および油剤(ワープセット100;
竹本油脂社製)濃度0.7%の水溶液からなる糊剤を調
製し、下記の条件で製織した。 (1)織物 経糸:ポリエステル(65%)・綿(35%)混紡 4
5/1コーマ 緯糸:同上 組織:平織 織機:津田駒社製エアージェツト織機 (3)糊付 糊付機:津田駒社製 2ボックス型 糊付温度:94℃ 付着量:12% 糸速度:65ヤード/分 乾燥温度:105〜125℃ (4)製織性は次の基準により評価した。 平均製織効率: ○ 平均製織効率93%より大 △ 平均製織効率85〜93% × 平均製織効率85%未満 糸切れ: ○ 経糸切れ0.4回/時未満 △ 経糸切れ0.4回〜1回/時 × 経糸切れ1回/時より大
【0048】実施例1 [エチレン変性PVAの製造]撹拌機、窒素導入口、エ
チレン導入口、開始剤添加口およびディレー溶液添加口
を備えた250L加圧反応槽に酢酸ビニル107.2k
g、メタノール42.8kgおよび無水マレイン酸1
5.6gを仕込み、60℃に昇温した後30分間窒素バ
ブリングにより系中を窒素置換した。次いで反応槽圧力
が5.9Kg/cm2となるようにエチレンを導入仕込
みした。開始剤として2,2’−アゾビス(4−メトキ
シ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMV)をメ
タノールに溶解した濃度2.8g/L溶液を調整し、窒
素ガスによるバブリングを行って窒素置換した。またデ
ィレー溶液として無水マレイン酸をメタノールに溶解し
た濃度5%溶液を調整し、窒素ガスによるバブリングを
行って窒素置換した。上記の重合槽内温を60℃に調整
した後、上記の開始剤溶液204mlを注入し重合を開
始した。重合中はエチレンを導入して反応槽圧力を5.
9Kg/cm2に、重合温度を60℃に維持し、上記の
開始剤溶液を用いて640ml/hrでAMVを、また
上記ディレー溶液を用いて無水マレイン酸を重合系中の
酢酸ビニルと無水マレイン酸の比率が一定となるように
しながら連続添加して重合を実施した。4時間後に重合
率が30%となったところで冷却して重合を停止した。
この時点でディレーにより添加した無水マレイン酸ディ
レー溶液の総量は1400mlであった。反応槽を開放
して脱エチレンした後、窒素ガスをバブリングして脱エ
チレンを完全に行った。次いで減圧下に未反応酢酸ビニ
ルモノマーを除去しポリ酢酸ビニルのメタノール溶液と
した。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液にメタノールを加
えて濃度が30%となるように調整したポリ酢酸ビニル
のメタノール溶液333g(溶液中のポリ酢酸ビニル1
00g)に、46.5g(ポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニ
ルユニットに対してモル比[MR]0.10)のアルカ
リ溶液(NaOHの10%メタノール溶液)を添加して
けん化を行った。アルカリ添加後約1分で系がゲル化し
たものを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけ
ん化を進行させた後、酢酸メチル1000gを加えて残
存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示
薬を用いて中和の終了を確認後、濾別して得られた白色
固体のPVAにメタノール1000gを加えて室温で3
時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3回繰り返した後、
遠心脱液して得られたPVAを乾燥機中70℃で2日間
放置して乾燥PVA(PVA−1)を得た。
【0049】[エチレン変性PVAの分析]得られたカ
ルボン酸およびラクトン環を有するエチレン変性PVA
のけん化度は98.5モル%であった。また該変性PV
Aを灰化させた後、酸に溶解したものを用いて原子吸光
光度計により測定したナトリウムの含有量は、変性PV
A100重量部に対して0.36重量部であった。ま
た、重合後未反応酢酸ビニルモノマーを除去して得られ
たポリ酢酸ビニルのメタノール溶液をn−ヘキサンに沈
殿、アセトンで溶解する再沈精製を3回行った後、80
℃で3日間減圧乾燥を行って精製ポリ酢酸ビニルを得
た。該ポリ酢酸ビニルをDMSO−D6に溶解し、50
0MHzのプロトンNMR(JEOLGX−500)を
用いて80℃で測定したところ、エチレン単位の含有量
は7モル%であった。上記のポリ酢酸ビニルのメタノー
ル溶液をアルカリモル比0.5でけん化した後、粉砕し
たものを60℃で5時間放置してけん化を進行させた
後、メタノールソックスレーを3日間実施し、次いで8
0℃で3日間減圧乾燥を行って精製されたカルボン酸お
よびラクトン環を有すエチレン変性PVAを得た。該P
VAの平均重合度を常法のJIS K6726に準じて
測定したところ1000であった。該精製PVAのカル
ボン酸およびラクトン環の含有量、1,2−グリコール
結合量および水酸基3連鎖の水酸基の含有量を500
MHz プロトンNMR(JEOL GX-500)装置
による測定から前述のとおり求めたところ、それぞれ
0.246モル%、1.61モル%および87%であっ
た。さらに該精製された変性PVAの5%水溶液を調整
し厚み10ミクロンのキャスト製フィルムを作成した。
該フィルムを80℃で1日間減圧乾燥を行った後に、D
SC(メトラー社、TA3000)を用いて、前述の方
法によりPVAの融点を測定したところ210℃であっ
た。
【0050】[エチレン変性PVAの水溶性、生分解性
および製織性]上記で得られたエチレン変性PVA(P
VA−1)を用いて、前述の方法により水溶性を評価し
たところ、蒸留水に完全に溶解しており水溶液は無色透
明であった。また上記処方にしたがって生分解性および
製織性を測定した。その結果を、表13に示す。
【0051】実施例2〜5、8〜11、12および16
〜17 表1および表2に示す条件に変更した以外は実施例1と
全く同様にしてビニルエステル系重合体を合成した。引
き続き該ビニルエステル系重合体を表3および表4に示
す条件に変更した以外は実施例1と全く同様にしてPV
A系重合体を合成した。得られたPVA系重合体のエチ
レン含有量、重合度、けん化度、カルボン酸およびラク
トン環含有量、1,2−グリコール結合量、ビニルアル
コールユニットに対するトライアッド表示による水酸基
3連鎖の中心水酸基の量およびPVA系重合体100重
量部に対するナトリウム換算したアルカリ金属の含有量
を表5および表6に示す。得られたPVA系重合体の水
溶性、生分解性および製織性を表13および表14に示
す。
【0052】比較例1〜4、6〜11および13〜15 重合時の圧力を変更する(エチレンを含有しないPVA
系重合体を合成する際には窒素シールの状態で重合し
た。)など、表7および表8に示す条件に変更した以外
は実施例1と全く同様にしてビニルエステル系重合体を
合成した。引き続き該ビニルエステル系重合体を、表9
および表10に示す条件に変更した以外は実施例1と全
く同様にしてPVA系重合体を合成した。得られたPV
A系重合体のエチレン含有量、重合度、けん化度、カル
ボン酸およびラクトン環含有量、1,2−グリコール結
合量、ビニルアルコールユニットに対するトライアッド
表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の量およびPVA
系重合体100重量部に対するナトリウム換算したアル
カリ金属の含有量を表11および表12に示す。得られ
たPVA系重合体の水溶性、生分解性および゛製織性を
表15および表16に示す。
【0053】表13から表16に示すように、PVAの
水溶性、生分解性および製織性の評価において、いずれ
も良好な結果を示すのは本発明の所定の範囲の物性を有
するもののみであり、比較例として挙げたものはいずれ
も水溶性、生分解性あるいは製織性のいずれかが悪い結
果であった。
【0054】実施例6および比較例5 実施例6は、攪拌機、窒素導入口、エチレン導入口およ
び開始剤添加口を備えた250L加圧反応槽に、酢酸ビ
ニル76.6kg、メタノール73.3kgおよびアリ
ルグリシジルエーテル217gを仕込み、実施例1と全
く同様にして系中を窒素置換した。次いで反応槽圧力、
AMV量、コモノマーであるアリルグリシジルエーテル
を連続添加しないなど表1に示す条件に変更した以外は
実施例1と全く同様にしてアリルグリシジルエーテルを
含有するビニルエステル系重合体を重合した。3時間後
に重合率が20%となったところで冷却して重合を停止
し、反応槽を開放して脱エチレンした後、窒素ガスをバ
ブリングして脱エチレンを完全に行った。次いで減圧下
に未反応酢酸ビニルモノマーを除去しポリ酢酸ビニルの
メタノール溶液とした。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液
にメタノールを加えて濃度が35%となるように調整し
たポリ酢酸ビニルのメタノール溶液286g(溶液中の
ポリ酢酸ビニル100g)に、0.54gの3−メルカ
プトプロピオン酸と0.1gの酢酸ナトリウムを加えて
50℃で2時間攪拌を行った後、46gのアルカリ溶液
(NaOHの10%メタノール溶液)を添加してけん化
を行った。アルカリ添加後約1分で系がゲル化したもの
を粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を
進行させた後、酢酸の1%メタノール溶液1000gを
加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレ
イン指示薬を用いて中和の終了を確認後、濾別して得ら
れた白色固体のPVAにメタノール1000gを加えて
室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3回繰り返
した後、遠心脱液して得られたPVAを乾燥機中70℃
で2日間放置して乾燥したカルボン酸を有するエチレン
変性PVA(PVA−6)を得た。該エチレン変性PV
Aの分析結果および評価結果を表5および表13に示
す。比較例5は、エチレン加圧での重合を窒素シールの
状態で重合するなど、表7および表9に示す条件に変更
した以外は実施例6と全く同様にしてカルボン酸変性P
VA(PVA−34)を得た。該PVAの分析結果およ
び評価結果を表11および表15に示す。
【0055】実施例7 実施例7は、PVA−2の100gを蒸留水に溶解した
10%水溶液に濃塩酸を加えて水溶液のpHが1となる
ように調整したものに、4−オキソ−ブタン酸0.52
gを加えて50℃で2時間攪拌した後反応溶液をNaO
H溶液で中和して溶液のpHを7とし、該水溶液をMe
OHに投じて析出したPVAを濾別し、3日間ソックス
レー抽出(MeOH)を行ったものを乾燥機中70℃で
2日間放置して乾燥したカルボン酸を有するエチレン変
性PVA(PVA−7)を得た。それぞれのPVAの分
析結果を表5および表11に、評価結果を表13および
表15にそれぞれ示す。
【0056】表5に示すように、実施例6のごとくエポ
キシ基を有するポリ酢酸ビニルとカルボン酸を有するチ
オールとの反応物をけん化した場合や、PVAにカルボ
ン酸を有するアルデヒド化合物をアセタール化により付
加反応させた場合においても、全く問題なくカルボン酸
およびラクトン環をPVAに導入することができること
がわかる。また表13の実施例6および実施例7に示す
とおり、このような手法を用いて導入されたカルボン酸
およびラクトン環は、共重合などの手法により導入され
た場合と全く相違ない機能を有することがわかる。
【0057】実施例16および比較例12 コモノマーであるエチルビニルエーテルあるいはビニル
トリメトキシシランを重合仕込み操作時に添加するのみ
で、重合中に連続添加しないことおよび表2、表4、表
8、表10に示す条件に変更した以外は実施例1と全く
同様にして三元共重合変性PVA(PVA−15、PV
A−41)を得た。それぞれのPVAの分析結果を表6
および表12に、評価結果を表14および表16にそれ
ぞれ示す。
【0058】実施例13、14および比較例16、17 実施例13および14は、実施例2においてPVA−2
を合成する際に重合して得られたPVAcペーストを用
いて、表4に示すPVAの洗浄方法の変更以外は実施例
2と全く同様にして、アルカリ金属含有量の異なるPV
A(PVA−13、PVA−14)を得た。比較例16
および17は、表8および表10に示す条件により、P
VA−45およびPVA−46を得た。それぞれのPV
Aの分析結果を表6および表12に、評価結果を表14
および表16にそれぞれ示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【0068】
【表10】
【0069】
【表11】
【0070】
【表12】
【0071】
【表13】
【0072】
【表14】
【0073】
【表15】
【0074】
【表16】
【0075】
【発明の効果】本発明の繊維糊剤は、生分解性が優れ、
かつ製織性が良好である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン単位の含有量2〜19モル%、
    重合度200〜3000、けん化度80.0〜99.9
    9モル%およびカルボン酸とラクトン環の合計含有量
    0.020〜0.40モル%であるビニルアルコール系
    重合体からなる繊維糊剤。
  2. 【請求項2】 ビニルアルコール系重合体のカルボン酸
    とラクトン環の合計含有量が下記の数1を満足する請求
    項1記載の繊維糊剤。 【数1】 {ここで、含有量(単位:モル%)はカルボン酸とラク
    トン環の合計含有量を表し、Pはビニルアルコール系重
    合体の粘度平均重合度を表す。}
  3. 【請求項3】 ビニルアルコール系重合体の1,2−グ
    リコール結合の含有量1.2〜2.0モル%、ビニルア
    ルコールユニットに対するトライアッド表示による水酸
    基3連鎖の中心水酸基のモル分率65〜98.0モル%
    である請求項1または2記載の繊維糊剤。
  4. 【請求項4】 ビニルアルコール系重合体のトライアッ
    ド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率が下
    記の数2を満足する請求項3記載の繊維糊剤。 【数2】 {ここで、モル分率(単位:モル%)はビニルアルコー
    ルユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連
    鎖の中心水酸基のモル分率を表し、Etはビニルアルコー
    ル系重合体が含有するエチレン含量(単位:モル%)を
    表す。}
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のビ
    ニルアルコール系重合体(A)100重量部に対して、
    ナトリウム換算で0.0003〜1重量部のアルカリ金
    属(B)を含有する繊維糊剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2003293218A (ja) * 2002-03-29 2003-10-15 Kuraray Co Ltd 高吸湿・吸水性ポリビニルアルコール系重合体繊維
JP2019105008A (ja) * 2017-12-13 2019-06-27 株式会社クラレ 繊維用糊剤

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