JP2000274085A - 構造物の補強構造およびその補強工法 - Google Patents

構造物の補強構造およびその補強工法

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JP2000274085A JP11077086A JP7708699A JP2000274085A JP 2000274085 A JP2000274085 A JP 2000274085A JP 11077086 A JP11077086 A JP 11077086A JP 7708699 A JP7708699 A JP 7708699A JP 2000274085 A JP2000274085 A JP 2000274085A
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昌和 市川
Yasuhiro Ishiwatari
康弘 石渡
Atsushi Furukawa
淳 古川
Noboru Fukumoto
昇 福本
Toshiki Nakazawa
敏樹 中澤
Yukio Hagiwara
幸男 萩原
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    • E04G23/00Working measures on existing buildings
    • E04G23/02Repairing, e.g. filling cracks; Restoring; Altering; Enlarging
    • E04G23/0218Increasing or restoring the load-bearing capacity of building construction elements
    • E04G2023/0251Increasing or restoring the load-bearing capacity of building construction elements by using fiber reinforced plastic elements
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 壁体を突設した柱やスラブ付き梁等の支持部
材に高強度繊維シートを広域かつ強固に被覆し、前記繊
維シ−トが大地震時に固定具から剥離し抜け出す事態を
阻止して、支持部材の剪断破壊を防止し、構造物の耐震
性を増強する一方、前記固定具の取り付けの体裁と安全
性を向上するとともに、固定具の小形軽量化と構成の簡
潔化を図り、この種補強作業の合理化と作業性の向上を
図れる構造物の補強構造およびその補強工法を提供する
こと。 【解決手段】 支持部材1の周面に突設した壁体2の基
部両側にボルト10を介して固定具5を連結する。固定
具5を支持部材1の周面に被覆した高強度繊維シート3
aに係合する。前記高強度繊維シート3aを支持部材1
の周面と壁体2の基部周面に亘って被覆する。前記壁体
2の基部周面上の高強度繊維シート3aを、前記固定具
5と壁体2とで挟圧保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は壁体を突設した柱や
スラブ付き梁等の支持部材に高強度繊維シートを広域か
つ強固に被覆し、前記繊維シ−トが大地震時に固定具か
ら剥離し抜け出す事態を阻止して、支持部材の剪断破壊
を防止し、構造物の耐震性を増強する一方、前記固定具
の取り付けの体裁と安全性を向上するとともに、固定具
の小形軽量化と構成の簡潔化を図り、この種補強作業の
合理化と作業性の向上を図れるようにした構造物の補強
構造およびその補強工法に関する。
【0002】
【従来の技術】既設の柱やスラブ付き梁等の支持部材の
耐震性を向上する手段として、それらの表面にエポキシ
樹脂等の接着剤を用いて、炭素繊維シート等の高強度繊
維シートを被覆する補強工法が知られている。
【0003】この従来の補強工法は、独立した柱や梁に
高強度繊維シートを被覆する場合、前記繊維シートを容
易に被覆できて作業性も良く、またその全周を被覆でき
ることで充分な補強効果が得られる。しかし、張出壁を
突設した柱やスラブ付き梁に高強度繊維シートを被覆す
る場合、張出壁の両側で前記シートを個々に被覆する面
倒があって作業性が悪く、しかも張出壁部分で高強度繊
維シートの被覆が寸断される結果、その分補強効果が低
下するという問題があった。
【0004】このため、例えば特開平9−144339
号公報では、張出壁を突設した柱の表面に、接着剤を介
して高強度繊維シートを別々に接着し、該シートの端部
に山形鋼の一片を当てがい、前記張出壁の基部にボルト
孔を貫通形成し、該ボルト孔にボルトを挿入し、これを
山形鋼の他側片に差し込んでナットをねじ込み、該ナッ
トを緊締して高強度繊維シートを固定するようにしてい
る。
【0005】しかし、この従来の補強工法は、高強度繊
維シートの端部に山形鋼の一片を当てがって固定してい
るため、山形鋼の支圧力には限界があり、大地震時には
前記繊維シートが山形鋼から剥離したり抜け易いため、
柱や梁等が剪断破壊を起こして補強効果の信頼性が低
く、耐震性能に不安があるという問題がある。特に、柱
の表面に複数枚の高強度繊維シートを積層して被覆し、
構造物の耐震性を増強する場合は、各繊維シートに対す
る支圧力が相対的に低下して、補強効果が一層低下し、
前記不安が増大する懸念がある。
【0006】この場合、前記問題の解決手段として、前
記山形鋼と前記繊維シートとの接触面積を増加する方法
が考えられるが、山形鋼が大形重量化して作業性が低下
し、また材料費が上昇する等の問題を招いて採用できな
い。しかも、前記従来の補強工法は、高強度繊維シート
の取り付け後、山形鋼の表面にナットやボルトが露出し
て体裁が悪いばかりか、怪我の原因になる等の問題があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題を解決し、壁体を突設した柱やスラブ付き梁等の支持
部材に高強度繊維シートを広域かつ強固に被覆し、前記
繊維シ−トが大地震時に固定具から剥離し抜け出す事態
を阻止して、支持部材の剪断破壊を防止し、構造物の耐
震性を増強する一方、前記固定具の取り付けの体裁と安
全性を向上するとともに、固定具の小形軽量化と構成の
簡潔化を図り、この種補強作業の合理化と作業性の向上
を図れるようにした構造物の補強構造およびその補強工
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の発
明は、支持部材の周面に突設した壁体の基部両側にボル
トを介して固定具を連結し、該固定具を支持部材の周面
に被覆した高強度繊維シートに係合した構造物の補強構
造において、前記高強度繊維シートを支持部材の周面と
壁体基部周面に亘って被覆し、該壁体基部周面上の高強
度繊維シートを前記固定具と壁体とで挟圧保持し、前記
繊維シートを広域に被覆し、該シートによる補強寸断の
影響を補償するとともに、前記繊維シートを支持部材周
面上の定着力と、固定具による係合力と、固定具と壁体
との挟圧保持力とによって強固に保持し、大地震時に高
強度繊維シートが固定具から剥離したり抜け出す事態を
阻止し、支持部材の剪断破壊を防止して、耐震性能を大
幅に向上する。また、固定具を支持部材周面と壁体基部
周面上の二面に亘って、高強度繊維シートに接触させ、
前記繊維シ−トの保持力を増強して、従来のような一面
接触構造に比べて、固定具の小形軽量化とこの種補強作
業の作業性が向上する。
【0009】請求項2の発明は、前記高強度繊維シート
を前記壁体周面に接着し、前記繊維シートを固定具によ
る係合力と壁体との挟圧保持力、および壁体に対する接
着力とで強固に保持し、大地震時に高強度繊維シートが
固定具から剥離したり抜け出す事態を阻止して、支持部
材の剪断破壊を防止し、耐震性能を大幅に向上する。請
求項3の発明は、前記高強度繊維シートを前記固定具周
面に接着し、前記繊維シートを固定具による係合力と壁
体との挟圧保持力、および壁体と固定具に対する接着力
とで更に強固に保持し、大地震時に高強度繊維シートが
固定具から剥離したり抜け出す事態を阻止して、耐震性
能を大幅に向上させる。
【0010】請求項4の発明は、前記高強度繊維シート
を前記固定具周面に巻き付けて接着し、前記シートを固
定具に広域かつ強固に保持させ、大地震時に高強度繊維
シートが固定具から剥離したり抜け出す事態を阻止し、
耐震性能を大幅に向上させる請求項5の発明は、複数の
前記高強度繊維シートを支持部材の周面と壁体基部周面
に亘って層状に被覆し、該壁体基部周面上の高強度繊維
シートを前記固定具と壁体とで挟圧保持し、前記複数の
繊維シートを支持部材周面上の定着力と、固定具による
係合力と、固定具と壁体との挟圧保持力とによって強固
に保持し、大地震時に高強度繊維シートが固定具から剥
離したり抜け出す事態を阻止し、支持部材の剪断破壊を
強力に防止して、耐震性能を大幅に向上させる。
【0011】請求項6の発明は、前記複数の高強度繊維
シートを前記固定具周面に層状に巻き付けて接着し、前
記複数の繊維シートを固定具に広域かつ強固に保持さ
せ、大地震時に高強度繊維シートが固定具から剥離した
り抜け出す事態を阻止し、耐震性能を大幅に向上させ
る。請求項7の発明は、前記支持部材の周面に被覆した
高強度繊維シートの端部に第2高強度繊維シートを接続
し、該第2高強度繊維シートを前記固定具と壁体との間
に配置し、これら固定具と壁体とで前記第2高強度繊維
シートを挟圧保持し、高強度繊維シートを二種類に分
け、これらを重ね継手して被覆することで、該被覆作業
を二様に分け、該作業の作業性を向上するとともに、こ
れを能率良く行なうようにしている。
【0012】請求項8の発明は、前記第2高強度繊維シ
ートを前記壁体周面に接着し、前記繊維シートを固定具
による係合力と、固定具と壁体との挟圧保持力、および
壁体に対する接着力とで強固に保持し、大地震時に第2
高強度繊維シートが固定具から剥離したり抜け出す事態
を阻止して、支持部材の剪断破壊を防止し、耐震性能を
大幅に向上する。請求項9の発明は、前記第2高強度繊
維シートを前記固定具周面に接着し、前記繊維シートを
固定具による係合力と、固定具と壁体との挟圧保持力
と、壁体と固定具に対する接着力とで更に強固に保持
し、大地震時に第2高強度繊維シートが固定具から剥離
したり抜け出す事態を阻止して、耐震性能を大幅に向上
させる
【0013】請求項10の発明は、前記第2高強度繊維
シートを前記固定具周面に巻き付けて接着し、前記シー
トを固定具に広域かつ強固に保持させ、大地震時に第2
高強度繊維シートが固定具から剥離したり抜け出す事態
を阻止し、耐震性能を大幅に向上させる。請求項11の
発明は、前記支持部材の周面に複数の高強度繊維シート
を層状に被覆し、これら高強度繊維シートの端部に複数
の第2高強度繊維シートを交互に層状に接続するととも
に、該第2高強度繊維シートを前記固定具と壁体との間
に配置し、前記固定具と壁体とで前記第2高強度繊維シ
−トを挟圧保持し、前記複数の繊維シートを固定具によ
る係合力と、固定具と壁体との挟圧保持力とによって強
固に保持し、大地震時に第2高強度繊維シートが固定具
から剥離したり抜け出す事態を阻止し、支持部材の剪断
破壊を強力に防止して、耐震性能を大幅に向上させる。
【0014】請求項12の発明は、前記複数の第2高強
度繊維シートを前記固定具周面に層状に巻き付けて接着
し、前記複数の繊維シートを固定具に広域かつ強固に保
持させ、大地震時に第2高強度繊維シートが固定具から
剥離したり抜け出す事態を阻止し、耐震性能を大幅に向
上させる。請求項13の発明は、前記支持部材の周面を
軸方向に複数に区画し、該区画毎に前記高強度繊維シー
トまたは該高強度繊維シートおよび第2高強度繊維シー
トを被覆し、この被覆作業を合理的かつ能率良く行なえ
るようにしている。請求項14の発明は、前記固定具を
前記区画毎に少なくとも1以上配置して、固定具の小形
軽量化を図り、高強度繊維シートの被覆作業の作業性を
向上するようにしている。
【0015】請求項15の発明は、前記固定具の周面に
ボルトおよびナットを隠蔽可能な凹孔を形成し、前記ボ
ルト・ナット緊締後の体裁を改善するとともに、それら
の突出による怪我を未然に防止し、またその後の仕上材
の施工を容易に行なえるようにしている。請求項16の
発明は、前記壁体を挟んで配置する前記一対の固定具の
一方に、ボルトをねじ込み可能なネジ孔を形成し、前述
のナットを省略して、部品点数の低減と固定具の構成の
簡潔化、並びにその製作の容易化を図るようにしてい
る。
【0016】請求項17の発明は、支持部材の周面に突
設した壁体の基部両側にボルトを介して固定具を連結
し、該固定具を支持部材の周面に被覆した高強度繊維シ
ートに係合する構造物の補強工法において、前記高強度
繊維シートを支持部材の周面と壁体基部周面に亘って被
覆し、該壁体基部周面上の高強度繊維シートを前記固定
具と壁体とで挟圧保持し、前記繊維シートを広域に被覆
し、該シートによる補強寸断の影響を補償するととも
に、前記繊維シートを支持部材周面上の定着力と、固定
具による係合力と、固定具と壁体との挟圧保持力とによ
って強固に保持し、大地震時に高強度繊維シートが固定
具から剥離したり抜け出す事態を阻止し、支持部材の剪
断破壊を防止して、耐震性能を大幅に向上するようにし
ている。また、固定具を支持部材周面と壁体基部周面上
の二面に亘って、高強度繊維シートに接触させ、前記繊
維シ−トの保持力を増強させて、従来のような一面接触
構造に比べて、固定具の小形軽量化とこの種補強作業の
作業性が向上する。
【0017】請求項18の発明は、前記支持部材の周面
に被覆した高強度繊維シートの端部に第2高強度繊維シ
ートを接続し、該第2高強度繊維シートを前記固定具と
壁体との間に配置し、これら固定具と壁体とで前記第2
高強度繊維シートを挟圧保持し、高強度繊維シートを二
種類に分け、これらを重ね継手し被覆することで、該被
覆作業を二様に分け、該作業の作業性を向上するととも
に、これを能率良く行なうようにしている。請求項19
の発明は、周面に第2高強度繊維シートを巻き付けて接
着し、かつ前記周面から前記繊維シートを突出した固定
具を設け、該第2高強度繊維シートの突出部を支持部材
の周面に被覆した高強度繊維シートの端部と対向配置
し、かつこれらを重合して接着し、前記シートを固定具
に広域かつ強固に保持させ、大地震時に第2高強度繊維
シートが固定具から剥離したり抜け出す事態を阻止し、
耐震性能を大幅に向上させるようにしている。
【0018】請求項20の発明は、周面に複数の第2高
強度繊維シートを巻き付けて接着し、かつ前記周面から
各繊維シートを互いに分離して突出した固定具を設け、
該固定具を前記壁体の基部両側に固定し、前記複数の第
2高強度繊維シートを前記固定具と壁体との間に挟圧保
持し、前記第2高強度繊維シートの各突出部を支持部材
周面に接着した高強度繊維シートの端部に順次重合して
交互に層状に接着し、前記複数の繊維シートを固定具に
広域かつ強固に保持させ、大地震時に第2高強度繊維シ
ートが固定具から剥離したり抜け出す事態を阻止し、耐
震性能を大幅に向上させるようにしている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明をコンクリート構造
物に適用した図示の実施形態について説明すると、図1
乃至図8において1は鉄筋コンクリート製の矩形断面の
柱またはスラブ付き梁等の支持部材で、この実施形態の
場合は柱に適用しており、該支持部材1の両側にそれよ
りも薄厚の鉄筋コンクリート製または鉄鋼製の壁体2,
2を突設し、該壁体2,2を介して建築スペースを内外
若しくは左右に仕切形成している。
【0020】前記支持部材1の周面と壁体2,2の基部
周面に、上下複数段に亘って実質的に同一な炭素繊維シ
ートからなる高強度繊維シート3a〜3cと、第2高強
度繊繊維シート4a〜4cとが、エポキシ樹脂等の接着
剤を介して積層状態で被覆され、それらで一体的な繊維
強化プラスチック(FRP)を形成している。
【0021】このうち、高強度繊維シート3a〜3c
は、その繊維シート素材を所定長さに裁断して形成さ
れ、これを支持部材1の略半部周面に亘って略U字形状
に貼付け、その両端部を壁体2,2の基部から離間して
配置し、該両端部に第2高強度繊維シート4a〜4cの
一端部を交互に重合して接着している。
【0022】前記第2高強度繊維シート4a〜4cは、
前記高強度繊維シート3a〜3c素材よりも小幅の繊維
シート素材を所定長さ、実施形態では前記繊維シート3
a〜3cよりも短小に裁断して形成され、その一端部を
施工前に固定具5に巻き付けて固定し、他端部を固定具
5から比較的長尺に突出し、この突出部を前記高強度繊
維シート3a〜3cの端部に重ね継手している。
【0023】この場合、第2高強度繊維シート4a〜4
cを固定具5に接着固定する際、接着剤が前記突出部に
染み出さないように適宜措置し、前記突出部の各独立状
態を維持して置く。
【0024】また、第2高強度繊維シート4a〜4cを
巻き付けた固定具5に後述のボルトおよびナットを取り
付ける場合は、前記繊維シート4a〜4cの所定位置を
切出し等で開口し、取り付け後は前記開口部およびこれ
に連通する後述の凹孔に例えばパテを塗り込み、当該部
を閉塞する。図中、6は高強度繊維シート3a〜3cお
よび第2高強度繊維シート4a〜4cの端部を重合して
連結する継手部である。
【0025】前記固定具5は堅牢な鋳鉄で略蒲鉾形に成
形され、その隅角部は所謂アール状に形成され、その外
端面の中央に凹孔7が設けられ、該孔7の底部に通孔8
が形成されている。この場合、固定具5は鋳鉄の他に、
亜鉛合金等のダイカスト成形若しくは堅牢な合成樹脂成
形であっても良い。
【0026】図中、9は壁体2の基部に設けた貫通孔
で、前記通孔8と略同径に形成され、該通孔8および貫
通孔9にボルト10が挿入され、その螺軸10aの端部
にナット11がねじ込まれている。10bは前記ボルト
10の頭部に形成した六角孔等の係合孔で、六角レンチ
等の工具と係合可能にされている。
【0027】前記固定具5の長さは、前記第2高強度繊
維シート4a〜4cと同幅に形成され、これらを支持部
材1と壁体2の隅角部に沿って上下方向に配置してい
る。
【0028】この他、図中12,13はコンクリート構
造物の各階の上下を区画する床部と天井部、14は支持
部材1および壁体2の表面に施工した仕上材で、モルタ
ル、ボード若しくはクロス等で構成されている。
【0029】15,16は固定具5に巻き付けた第2高
強度繊維シート4a〜4cを切り出しで開口形成した開
口穴と透孔で、これらは凹孔7または通孔8に臨ませて
開口され、これらにボルト10およびナット11取り付
け後、パテ等の填充材17を塗り込み、当該部を閉塞し
ている。
【0030】このように構成した本発明においては、現
場での施工前に固定具5の製作と、該固定具5に対する
第2高強度繊維シート4a〜4cの巻き付け固定と、支
持部材1に被覆する高強度繊維シート3a〜3cの作製
を要する。先ず、固定具5の製作に際しては、実施形態
では鋳造成形によっているが、小形で構成が簡単である
から容易かつ安価に製作でき、従来の長尺な山形鋼に比
べて小形軽量で取り扱い易く、後述のように作業性が良
い。
【0031】次に、上記製作した固定具5に第2高強度
繊維シート4a〜4cを巻き付けて固定する場合は、コ
イル状に捲回された炭素繊維シート資材を所定寸法に裁
断し、同形の第2高強度繊維シート4a〜4cを作製す
る。
【0032】この場合、第2高強度繊維シート4a〜4
cを、当該シート資材と同幅で、かつ固定具5の長さと
同一に構成すれば、前記シート資材を単に所定長さに裁
断するだけで良く、前記繊維シート4a〜4cを容易に
作製できる。更に、固定具5の長さを伸長し、該固定具
5に固定する第2高強度繊維シート4a〜4cの幅を、
高強度繊維シート3a〜3cと同幅に形成すれば、それ
らのシート資材の共用化を図れ、合理的な製作が可能に
なる。
【0033】この後、固定具5の凹孔7と通孔8を含む
横長方向の周面にエポキシ樹脂等の接着剤を塗布し、該
接着剤上に第2高強度繊維シート4aの一端部を巻き付
けて貼付ける。次に前記繊維シート4a上に前記接着剤
を塗布し、該接着剤上に第2高強度繊維シート4bの一
端部を巻き付けて貼付ける。更に、前記繊維シート4b
上に接着剤を塗布し、該接着剤上に第2高強度繊維シー
ト4cの一端部を巻き付けて貼付ける。
【0034】この場合、第2高強度繊維シート4a〜4
cの過半部を固定具5の周面から突出させ、該突出部に
前記接着剤が染み出ないように適宜措置し、該突出部の
分離独立状態を維持する。この状況は図3のようであ
る。こうして、前記第2高強度繊維シート4a〜4cに
接着剤が含浸し、かつこれが硬化して、固定具5の周面
にFRP層が形成される。
【0035】次に、高強度繊維シート3a〜3cを裁断
する場合は、コイル状に捲回された炭素繊維シート資
材、実施形態では前記第2高強度繊維シート4a〜4c
用よりも幅広のシート資材を使用し、これを所定寸法、
実施形態では支持部材1の全周面長さの1/2から壁体
2の厚さ分を控除した長さに裁断して、同形の高強度繊
維シート3a〜3cを作製する。
【0036】この場合、高強度繊維シート3a〜3cの
幅を、当該シート資材と同幅に構成しているから、前記
シート資材を単に所定長さに裁断するだけで良く、前記
繊維シート3a〜3cを容易に作製できる。
【0037】こうして、作製した高強度繊維シート3a
〜3cと、第2高強度繊維シート4a〜4cを巻き付け
て固定した固定具5とを所要量、施工現場へ搬入する。
【0038】次に、前記搬入資材を用いて実際に補強作
業を行なう場合は、施工対象の支持部材1周辺の仕上材
14を引き剥がし、支持部材1と該部材1側の壁体2の
基部表面を露出させる。この後、支持部材1の四隅の角
部と、支持部材1と壁体2との交差部である隅角部と
を、モルタル等を用いてアール状に成形する下地処理を
行なう。
【0039】そして、前記モルタルの乾燥固化後にハン
マドリル等を用いて、壁体2,2の基部に通孔8と同数
の貫通孔9を厚さ方向に明ける。また、上記作業と前後
して、第2高強度繊維シート4a〜4cを巻き付けて固
定した固定具5を使用分用意し、その繊維シート4a〜
4cの所定位置を切出等で孔明けし、凹孔7に連通する
開口穴15と、通孔8に連通する透孔16を形成する。
【0040】この後、支持部材1と壁体2との隅角部
に、エポキシ樹脂等の接着剤を略固定具5の長さ分塗布
する。そして、二人の作業者が前記固定具5を壁体2の
内外で保持し、これを壁体2の両側から凹孔7を外向き
にして、前記接着剤を塗布した隅角部に当てがう。そし
て、固定具5と一体の第2高強度繊維シート4a〜4c
の一部を壁体2の基部に当てがい、かつその巻き出し端
部を支持部材1の周面に沿わせる。
【0041】次に、一方の固定具5から開口穴15を介
して、ボルト10を通孔8と透孔16に差し込み、これ
を貫通孔9を経て他方の固定具5の通孔8に挿入し、凹
孔7に突出した螺軸端部にナット11をねじ込み、これ
を緊締する。
【0042】このようにすると、前記隅角部に相対する
第2高強度繊維シート4a〜4cの一部、つまり固定具
5に固定した部分が、前記接着剤を介して隅角部周辺に
貼り付けられ、更に固定具5と壁体2、および支持部材
1と固定具5との間の二面に挟持されて、強固かつ確実
に固定される。
【0043】したがって、固定具5は前記第2高強度繊
維シート4a〜4cに対し、充分広い接触面積を得られ
るから、従来のように固定具5を大形化して接触面積を
確保する必要がなく、その分固定具5の小形軽量化を図
れ、その取り扱いと作業性が向上する。しかも、前記第
2高強度繊維シート4a〜4cの一部は、固定具5の周
面に固定されているから、前記固定強度が一層増強され
る。
【0044】また、ボルト10の頭部とナット11が各
固定具5,5の凹孔7の底部に係合し、ボルト10の頭
部と螺軸10a端部、およびナット11等が凹孔7内に
収容されて外部から隠蔽されるから、固定具5周辺の体
裁が良く、しかもこれらとの接触を回避し得るから、以
後の作業における怪我を未然に防止し得る。
【0045】このような状況の下で前記隅角部を除く支
持部材1の周面に、エポキシ樹脂等の接着剤を塗布し、
該接着剤上に高強度繊維シート3aを平面略U字形に貼
り付け、かつ該繊維シート3aの両端部を、前記第2高
強度繊維シート4aの突出部の内側に相対して配置す
る。この後、前記高強度繊維シート3aの両端部表面に
接着剤を塗布し、該接着剤上に第2高強度繊維シート4
aの突出部を貼り付ける。
【0046】この状況は図6のようで、高強度繊維シー
ト3aの両端部に、前記第2高強度繊維シート4aの突
出部が重合して貼り付けられ、該重合部を介して両繊維
シート3a,4aが一体的に連結される。
【0047】この後、前記高強度繊維シート3aと、前
記重合部の第2高強度繊維シート4a上に接着剤を塗布
し、該接着剤上に高強度繊維シート3bを平面略U字形
に貼り付け、かつ該繊維シート3bの両端部を、前記第
2高強度繊維シート4bの突出部の内側に相対して配置
する。そして、高強度繊維シート3bの両端部表面、つ
まり重合部表面に接着剤を塗布し、該接着剤上に第2高
強度繊維シート4bの突出部を貼り付ける。
【0048】この状況は図7のようで、高強度繊維シー
ト3bの両端部に前記第2高強度繊維シート4bの突出
部が重合して貼り付けられ、該重合部を介して両繊維シ
ート3b,4bが一体的に連結される。
【0049】この後、前記高強度繊維シート3bと、前
記重合部の第2高強度繊維シート4b上に前記接着剤を
塗布し、該接着剤上に高強度繊維シート3cを平面略U
字形に貼り付け、かつ前記繊維シート3cの両端部を、
前記第2高強度繊維シート4cの突出部の内側に相対し
て配置する。この状況は図8のようである。そして、前
記高強度繊維シート3cの両端部表面、つまり重合部表
面に接着剤を塗布し、該接着剤上に第2高強度繊維シー
ト4cの突出部を貼り付ける。
【0050】こうして高強度繊維シート3cの両端部
に、前記第2高強度繊維シート4cの突出部が重合して
貼り付けられ、該重合部を介して両繊維シート3c,4
cが一体的に連結される。
【0051】このようにして、高強度繊維シート3a〜
3cと、第2高強度繊維シート4a〜4cとが積層状態
で支持部材1の周面に被覆され、かつそれらの端部が連
結部6で一体に連結される。しかも、各繊維シート3a
〜3c,4a〜4cに接着剤が含浸され、かつこれが硬
化して一体のFRP層を形成する。
【0052】こうして、支持部材1の周面に一段分、つ
まり高強度繊維シート3a〜3cを一幅分被覆し、また
固定具5の長さ分、第2高強度繊維シート4a〜4cを
被覆したところで、その上方または下方の支持部材1の
周面に施工位置を移動し、当該位置の支持部材1の周面
に前述と同じ要領で高強度繊維シート3a〜3cを接着
し、第2高強度シート4a〜4cを重ねて被覆する。
【0053】以下、これらの作業を繰り返し、支持部材
1周面の略全域に亘って、高強度繊維シート3a〜3c
を接着し、更に第2高強度シート4a〜4cを上下方向
に被覆する。この状況は図2のようである。
【0054】このようにして支持部材1の略全周面と壁
体2の基部周面を、高強度繊維シート3a〜3cと第2
高強度シート4a〜4cで被覆し、各固定具5の開口穴
15と凹孔7にパテ17を填充して閉塞し、支持部材1
と壁体2の基部周面にボード若しくはクロス等の仕上材
14を施工すれば、一連の補強作業が終了する。この状
況は図1のようである。
【0055】この場合、固定具5の内部にボルト10の
頭部や螺軸11a、ナット11が隠蔽され、また凹孔7
にパテ17が填充されて、支持部材1と壁体2の隅角部
周面の凹凸を極力無くしているから、前記仕上材14を
容易かつ確実に施工できる。
【0056】このように補強した支持部材1は、その略
全面をFRP層を形成する一体的な高強度繊維シート3
a〜3cと、第2高強度繊維シート4a〜4cとで被覆
し、その両端部の第2高強度繊維シート4a〜4cを固
定具5に巻き付けて固定している。そして、上記一対の
固定具5をボルト10およびナット11を介して連結す
るとともに、前記巻き付けた第2高強度繊維シート4a
〜4cの直交する二面を、支持部材1と壁体2とに押圧
かつ接着して固定している。
【0057】したがって、支持部材1の略全面が前記F
RP層によって補強され、大地震時における支持部材1
の剪断破壊を防止するとともに、前記FRP層の固定具
5からの剥離ないし抜け出しを強力に阻止して、耐震性
能を大幅に向上できる。しかも、従来のこの種補強法に
比べて、前記FRP層を支持部材1と壁体2,2周面に
亘って広域に被覆しているから、前述したFRP層の保
持力増強と相俟って、耐震性能を大幅に向上できる。
【0058】なお、前述の実施形態は、高強度繊維シー
ト3a〜3cの端部に、第2高強度繊維シート4a〜4
cを重合して接着しているが、これを一体の長尺の高強
度繊維シートに構成し、その単一または複数を被覆する
ことも可能である。そのようにすることで、各繊維シー
ト3a〜3c,4a〜4cの裁断と接着の手間を軽減
し、この種の被覆作業を速やかに行なえる。
【0059】図9は本発明の他の実施形態を示し、前述
の実施形態と対応する構成部分に同一の符号を用いてい
る。この実施形態は、壁体2を挟んで配置する一対の固
定具5のうち、一方の固定具5にボルト10の螺軸10
aをねじ込み可能なネジ孔18を設けてナット11を省
略し、部品点数の低減と固定具5の構成の簡潔化、並び
にその製作の容易化を図るようにしている。
【0060】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、高強
度繊維シートを支持部材の周面と壁体基部周面に亘って
被覆し、該壁体基部周面上の高強度繊維シートを前記固
定具と壁体とで挟圧保持したから、前記繊維シートを広
域に被覆し、該シートによる補強寸断の影響を補償する
ことができる。また、前記高強度繊維シートを支持部材
周面上の定着力と、固定具による係合力と、固定具と壁
体との挟圧保持力とによって強固に保持したから、大地
震時に高強度繊維シートが固定具から剥離したり抜け出
す事態を阻止し、支持部材の剪断破壊を防止して、耐震
性能を大幅に向上することができる。更に、固定具を支
持部材周面と壁体基部周面上の二面に亘って、高強度繊
維シートに接触させたから、前記繊維シ−トの保持力を
増強して、従来のような一面接触構造に比べて、固定具
の小形軽量化とこの種補強作業の作業性を向上すること
ができる。
【0061】請求項2の発明は、前記高強度繊維シート
を前記壁体周面に接着したから、前記繊維シートを固定
具による係合力と壁体との挟圧保持力、および壁体に対
する接着力とで強固に保持し、大地震時に高強度繊維シ
ートが固定具から剥離したり抜け出す事態を阻止して、
支持部材の剪断破壊を防止し、耐震性能を大幅に向上す
ることができる。請求項3の発明は、前記高強度繊維シ
ートを前記固定具周面に接着したから、前記繊維シート
を固定具による係合力と壁体との挟圧保持力、および壁
体と固定具に対する接着力とで更に強固に保持し、大地
震時に高強度繊維シートが固定具から剥離したり抜け出
す事態を阻止して、耐震性能を大幅に向上することがで
きる。
【0062】請求項4の発明は、前記高強度繊維シート
を前記固定具周面に巻き付けて接着し、前記シートを固
定具に広域かつ強固に保持させ、大地震時に高強度繊維
シートが固定具から剥離したり抜け出す事態を阻止し、
耐震性能を大幅に向上することができる。請求項5の発
明は、複数の前記高強度繊維シートを支持部材の周面と
壁体基部周面に亘って層状に被覆し、該壁体基部周面上
の高強度繊維シートを前記固定具と壁体とで挟圧保持し
たから、前記複数の繊維シートを支持部材周面上の定着
力と、固定具による係合力と、固定具と壁体との挟圧保
持力とによって強固に保持し、大地震時に高強度繊維シ
ートが固定具から剥離したり抜け出る事態を阻止し、支
持部材の剪断破壊を強力に防止して、耐震性能を大幅に
向上することができる。
【0063】請求項6の発明は、前記複数の高強度繊維
シートを前記固定具周面に層状に巻き付けて接着したか
ら、前記複数の繊維シートを固定具に広域かつ強固に保
持し、大地震時に高強度繊維シートが固定具から剥離し
たり抜け出る事態を阻止し、耐震性能を大幅に向上する
ことができる。請求項7の発明は、前記支持部材の周面
に被覆した高強度繊維シートの端部に第2高強度繊維シ
ートを接続し、該第2高強度繊維シートを前記固定具と
壁体との間に配置し、これら固定具と壁体とで前記第2
高強度繊維シートを挟圧保持したから、高強度繊維シー
トを二種類に分け、これらを継ぎ足して被覆すること
で、該被覆作業を二様に分け、該作業の作業性を向上す
るとともに、これを能率良く行なうことができる。
【0064】請求項8の発明は、前記第2高強度繊維シ
ートを前記壁体周面に接着したから、前記繊維シートを
固定具による係合力と、固定具と壁体との挟圧保持力、
および壁体に対する接着力とで強固に保持し、大地震時
に第2高強度繊維シートが固定具から剥離したり抜け出
る事態を阻止し、支持部材の剪断破壊を防止し、耐震性
能を大幅に向上することができる。請求項9の発明は、
前記第2高強度繊維シートを前記固定具周面に接着した
から、前記繊維シートを固定具による係合力と、固定具
と壁体との挟圧保持力と、壁体と固定具に対する接着力
とで更に強固に保持し、大地震時に第2高強度繊維シー
トが固定具から剥離したり抜け出る事態を阻止し、耐震
性能を大幅に向上することができる。
【0065】請求項10の発明は、前記第2高強度繊維
シートを前記固定具周面に巻き付けて接着したから、前
記シートを固定具に広域かつ強固に保持し、大地震時に
第2高強度繊維シートが固定具から剥離したり抜け出る
事態を阻止し、耐震性能を大幅に向上することができ
る。請求項11の発明は、前記支持部材の周面に複数の
高強度繊維シートを層状に被覆し、これら高強度繊維シ
ートの端部に複数の第2高強度繊維シートを交互に層状
に接続するとともに、該第2高強度繊維シートを前記固
定具と壁体との間に配置し、前記固定具と壁体とで前記
第2高強度繊維シ−トを挟圧保持したから、前記複数の
繊維シートを固定具による係合力と、固定具と壁体との
挟圧保持力とによって強固に保持し、大地震時に第2高
強度繊維シートが固定具から剥離したり抜け出る事態を
阻止し、支持部材の剪断破壊を強力に防止して、耐震性
能を大幅に向上することができる。
【0066】請求項12の発明は、前記複数の第2高強
度繊維シートを前記固定具周面に層状に巻き付けて接着
したから、前記複数の繊維シートを固定具に広域かつ強
固に保持し、大地震時に第2高強度繊維シートが固定具
から剥離したり抜け出る事態を阻止し、耐震性能を大幅
に向上することができる。請求項13の発明は、前記支
持部材の周面を軸方向に複数に区画し、該区画毎に前記
高強度繊維シートまたは該高強度繊維シートおよび第2
高強度繊維シートを被覆したから、この被覆作業を合理
的かつ能率良く行なうことができる。
【0067】請求項14の発明は、前記固定具を前記区
画毎に少なくとも1以上配置したから、固定具の小形軽
量化を図れ、高強度繊維シートの被覆作業の作業性を向
上することができる。請求項15の発明は、前記固定具
の周面にボルトおよびナットを隠蔽可能な凹孔を形成し
たから、前記ボルト・ナット緊締後の体裁を改善すると
ともに、それらの突出による怪我を未然に防止し、また
その後の仕上材の施工を容易かつ安全に行なうことがで
きる。請求項16の発明は、前記壁体を挟んで配置する
前記一対の固定具の一方に、ボルトをねじ込み可能なネ
ジ孔を形成したから、前述のナットを省略して、部品点
数の低減と固定具の構成の簡潔化、並びにその製作の容
易化を図ることができる。
【0068】請求項17の発明は、前記高強度繊維シー
トを支持部材の周面と壁体基部周面に亘って被覆し、該
壁体基部周面上の高強度繊維シートを前記固定具と壁体
とで挟圧保持したから、前記繊維シートを広域に被覆
し、該シートによる補強寸断の影響を補償することがで
きる。また、前記繊維シートを支持部材周面上の定着力
と、固定具による係合力と、固定具と壁体との挟圧保持
力とによって強固に保持し、大地震時に高強度繊維シー
トが固定具から剥離したり抜け出る事態を阻止し、支持
部材の剪断破壊を防止して、耐震性能を大幅に向上する
ことができる。更に、固定具を支持部材周面と壁体基部
周面上の二面に亘って、高強度繊維シートに接触させた
から、前記繊維シ−トの保持力を増強し、従来のような
一面接触構造に比べて、固定具の小形軽量化とこの種補
強作業の作業性を向上することができる。
【0069】請求項18の発明は、前記支持部材の周面
に被覆した高強度繊維シートの端部に第2高強度繊維シ
ートを接続し、該第2高強度繊維シートを前記固定具と
壁体との間に配置し、これら固定具と壁体とで前記第2
高強度繊維シートを挟圧保持したから、高強度繊維シー
トを二種類に分け、これらを継ぎ足して被覆すること
で、該被覆作業を二様に分け、該作業の作業性を向上す
るとともに、これを能率良く行なうことができる。請求
項19の発明は、周面に第2高強度繊維シートを巻き付
けて接着し、かつ前記周面から前記繊維シートを突出し
た固定具を設け、該第2高強度繊維シートの突出部を支
持部材の周面に被覆した高強度繊維シートの端部と対向
配置し、かつこれらを重合して接着したから、前記シー
トを固定具に広域かつ強固に保持し、大地震時に第2高
強度繊維シートが固定具から剥離したり抜け出る事態を
阻止し、耐震性能を大幅に向上することができる。
【0070】請求項20の発明は、周面に複数の第2高
強度繊維シートを巻き付けて接着し、かつ前記周面から
各繊維シートを互いに分離して突出した固定具を設け、
該固定具を前記壁体の基部両側に固定し、前記複数の第
2高強度繊維シートを前記固定具と壁体との間に挟圧保
持し、前記第2高強度繊維シートの各突出部を支持部材
周面に接着した高強度繊維シートの端部に順次重合して
交互に層状に接着したから、前記複数の繊維シートを固
定具に広域かつ強固に保持し、大地震時に第2高強度繊
維シートが固定具から剥離したり抜け出る事態を阻止
し、耐震性能を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による支持部材と壁体の補強状況を示す
断面図である。
【図2】本発明による支持部材と壁体の補強状況を示す
正面図である。
【図3】本発明に適用した固定具と、その周面に巻き付
けた第2高強度繊維シートの状況を示す断面図である。
【図4】本発明に適用した固定具を用いて第2高強度繊
維シートを被覆する状況を示す斜視図である。
【図5】図1の要部を拡大して示す断面図である。
【図6】本発明による高強度繊維シートの被覆状況を示
す断面図で、支持部材に被覆した1枚目の高強度繊維シ
ートの端部に、1枚目の第2高強度繊維シートを重合し
て接着した状況を示している。
【図7】本発明による高強度繊維シートの被覆状況を示
す断面図で、支持部材に被覆した2枚目の高強度繊維シ
ートの端部に、2枚目の第2高強度繊維シートを重合し
て接着した状況を示している。
【図8】本発明による高強度繊維シートの被覆状況を示
す断面図で、支持部材に被覆した3枚目の高強度繊維シ
ートの端部に、3枚目の第2高強度繊維シートを重合し
て接着した状況を示している。
【図9】本発明の他の実施形態の要部を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 支持部材(柱,梁) 2 壁体 3a〜3c 高強度繊維シート(炭素繊維シート) 4a〜4c 第2高強度繊維シート(炭素繊維シート) 5 固定具 7 凹孔 10 ボルト 11 ナット 18 ネジ孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石渡 康弘 東京都千代田区三崎町2丁目5番3号 鉄 建 建 設 株式会社内 (72)発明者 古川 淳 東京都千代田区三崎町2丁目5番3号 鉄 建 建 設 株式会社内 (72)発明者 福本 昇 大阪府大阪市天王寺区東高津町12番6 号 株式会社淺沼組内 (72)発明者 中澤 敏樹 大阪府大阪市天王寺区東高津町12番6 号 株式会社淺沼組内 (72)発明者 萩原 幸男 大阪府大阪市天王寺区東高津町12番6 号 株式会社淺沼組内 Fターム(参考) 2E164 AA05 CB11 EA05 2E176 AA04 BB29

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部材の周面に突設した壁体の基部両
    側にボルトを介して固定具を連結し、該固定具を支持部
    材の周面に被覆した高強度繊維シートに係合した構造物
    の補強構造において、前記高強度繊維シートを支持部材
    の周面と壁体基部周面に亘って被覆し、該壁体基部周面
    上の高強度繊維シートを前記固定具と壁体とで挟圧保持
    したことを特徴とする構造物の補強構造。
  2. 【請求項2】 前記高強度繊維シートを前記壁体周面に
    接着した請求項1記載の構造物の補強構造。
  3. 【請求項3】 前記高強度繊維シートを前記固定具周面
    に接着した請求項2記載の構造物の補強構造。
  4. 【請求項4】 前記高強度繊維シートを前記固定具周面
    に巻き付けて接着した請求項3記載の構造物の補強構
    造。
  5. 【請求項5】 複数の前記高強度繊維シートを支持部材
    の周面と壁体基部周面に亘って層状に被覆し、該壁体基
    部周面上の高強度繊維シートを前記固定具と壁体とで挟
    圧保持した請求項1記載の構造物の補強構造。
  6. 【請求項6】 前記複数の高強度繊維シートを前記固定
    具周面に層状に巻き付けて接着した請求項5記載の構造
    物の補強構造。
  7. 【請求項7】 前記支持部材の周面に被覆した高強度繊
    維シートの端部に第2高強度繊維シートを接続し、該第
    2高強度繊維シートを前記固定具と壁体との間に配置
    し、これら固定具と壁体とで前記第2高強度繊維シート
    を挟圧保持した請求項1記載の構造物の補強構造。
  8. 【請求項8】 前記第2高強度繊維シートを前記壁体周
    面に接着した請求項7記載の構造物の補強構造。
  9. 【請求項9】 前記第2高強度繊維シートを前記固定具
    周面に接着した請求項7記載の構造物の補強構造。
  10. 【請求項10】 前記第2高強度繊維シートを前記固定
    具周面に巻き付けて接着した請求項7記載の構造物の補
    強構造。
  11. 【請求項11】 前記支持部材の周面に複数の高強度繊
    維シートを層状に被覆し、これら高強度繊維シートの端
    部に複数の第2高強度繊維シートを交互に層状に接続す
    るとともに、該第2高強度繊維シートを前記固定具と壁
    体との間に配置し、前記固定具と壁体とで前記第2高強
    度繊維シ−トを挟圧保持した請求項7記載の構造物の補
    強構造。
  12. 【請求項12】 前記複数の第2高強度繊維シートを前
    記固定具周面に層状に巻き付けて接着した請求項7記載
    の構造物の補強構造。
  13. 【請求項13】 前記支持部材の周面を軸方向に複数に
    区画し、該区画毎に前記高強度繊維シートまたは該高強
    度繊維シートおよび第2高強度繊維シートを被覆した請
    求項1または請求項7記載の構造物の補強構造。
  14. 【請求項14】 前記固定具を前記区画毎に少なくとも
    1以上配置した請求項13記載の構造物の補強構造。
  15. 【請求項15】 前記固定具の周面にボルトおよびナッ
    トを隠蔽可能な凹孔を形成した請求項1記載の構造物の
    補強構造。
  16. 【請求項16】 前記壁体を挟んで配置する前記一対の
    固定具の一方に、ボルトをねじ込み可能なネジ孔を形成
    した請求項1記載の構造物の補強構造。
  17. 【請求項17】 支持部材の周面に突設した壁体の基部
    両側にボルトを介して固定具を連結し、該固定具を支持
    部材の周面に被覆した高強度繊維シートに係合する構造
    物の補強工法において、前記高強度繊維シートを支持部
    材の周面と壁体基部周面に亘って被覆し、該壁体基部周
    面上の高強度繊維シートを前記固定具と壁体とで挟圧保
    持することを特徴とする構造物の補強工法。
  18. 【請求項18】 前記支持部材の周面に被覆した高強度
    繊維シートの端部に第2高強度繊維シートを接続し、該
    第2高強度繊維シートを前記固定具と壁体との間に配置
    し、これら固定具と壁体とで前記第2高強度繊維シート
    を挟圧保持する請求項17記載の構造物の補強工法。
  19. 【請求項19】 周面に第2高強度繊維シートを巻き付
    けて接着し、かつ前記周面から前記繊維シートを突出し
    た固定具を設け、該第2高強度繊維シートの突出部を支
    持部材の周面に被覆した高強度繊維シートの端部と対向
    配置し、かつこれらを重合して接着した請求項18記載
    の構造物の補強工法。
  20. 【請求項20】 周面に複数の第2高強度繊維シートを
    巻き付けて接着し、かつ前記周面から各繊維シートを互
    いに分離して突出した固定具を設け、該固定具を前記壁
    体の基部両側に固定し、前記複数の第2高強度繊維シー
    トを前記固定具と壁体との間に挟圧保持し、前記第2高
    強度繊維シートの各突出部を支持部材周面に接着した高
    強度繊維シートの端部に順次重合して交互に層状に接着
    した請求項18記載の構造物の補強工法。
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