JP2000277003A - 電子放出源の製造方法及び電子放出源 - Google Patents

電子放出源の製造方法及び電子放出源

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JP2000277003A JP11846299A JP11846299A JP2000277003A JP 2000277003 A JP2000277003 A JP 2000277003A JP 11846299 A JP11846299 A JP 11846299A JP 11846299 A JP11846299 A JP 11846299A JP 2000277003 A JP2000277003 A JP 2000277003A
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Hiroshi Takigawa
浩史 滝川
Shigeo Ito
茂生 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易で電子放出特性に優れた電子放出
源の製造方法及び電子放出源を提供すること。 【解決手段】 チャンバ101を圧力1PaのHe雰囲
気にして、直流100Aのアーク電流を流して1秒間ア
ーク放電させて、陰極102を局所的に加熱させると、
陰極102を構成する陰極材料が飛散して、表面に多数
のカーボンナノチューブが形成されたカーボン粒子が生
じる。前記カーボン粒子を収集して、電子放出源のエミ
ッタとして使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出源の製造
方法およびこれによって製造した電子放出源に関する。
【0002】
【従来の技術】電界(電子)放出源は、熱エネルギーを
利用する電子源(熱電子放出源)に比べ、省エネルギー
で長寿命化が可能など、優れた点が多い。現在よく使わ
れている電界放出源の材料としては、シリコン(Si)
などの半導体、タングステン(W)、モリブデン(M
o)などの金属、Diamond−Like Carb
on(DLC)などが知られている。
【0003】電界放出現象は、金属または半導体表面の
印加電界を10V/m程度にするとトンネル効果によ
り障壁を通過して常温でも真空中に電子放出が行われ
る。このため、エミッション部(以下エミッタという)
へ引き出し電極部(以下ゲート電極部という)から、い
かに高い電界をかけるかがその引き出し電流を決定す
る。このため、エミッタが鋭利な先端を持つほど、該エ
ミッタに印加される電界強度が高くなることが知られて
いる。このため、前記の半導体、金属の電子放出部の先
端を鋭利な針状に加工することが必要となる。
【0004】また、電界放出を安定に行わせるために、
その動作雰囲気を10−8Torr以上の高真空に保つ
必要がある。この点から、最近カーボンナノチューブが
電界放出源材料として注目されつつある。カーボンナノ
チューブはその外径が10〜数10nm、長さが数μm
と形状的には低電圧で電界放出を行わせるのに十分な構
造形態を持ち、その材料である、カーボンは化学的に安
定、機械的にも強靱であるという特徴を持つため、電界
放出源としては、理想的な材料である。
【0005】従来のカーボンナノチューブの製造方法と
しては、特開平6−280116号公報に記載されてい
るように、圧力200Torr〜2,500Torrの
Heなどの高圧ガス雰囲気中で、カーボン直流(DC)
アーク放電により、陰極のカーボン電極にカーボンナノ
チューブを含有したカーボン堆積物を作る方法がある。
カーボンナノチューブは、前記のカーボン堆積物の無定
型炭素の殻(シェル(Shell))の内部(コア(C
ore))に、集積された束となって形成されており、
通常はこのコアを超音波分散させて、フィルターなどで
カーボンナノチューブなどを抽出分級して採集する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のカーボンナ
ノチューブの製造方法においては、DCアーク放電によ
る陰極のカーボン堆積物からカーボンナノチューブを採
集するため、カーボンナノチューブの採集率が極めて低
く、またその製造方法も複雑になるという問題があっ
た。従って、前記のようにして得られたカーボンナノチ
ューブは極めて高価であり、それを用いて電子放出源を
製造することは、コスト的にも採算がとれないという問
題点があった。
【0007】また、従来のカーボンナノチューブを電子
放出源として、実装する工程としては、カーボンナノチ
ューブをペースト化して所定電極上に印刷形成する試み
も行われているが、印刷ペーストの溶剤の粘度、添加物
のため、印刷後のカーボンナノチューブは基板に沿って
倒れているものがほとんどであり、このため有効な電界
放出効果が得られず、引き出し電圧が高い、引き出し電
流が小さいなどの問題点があった。
【0008】本発明は、製造が容易で電子放出特性に優
れた電子放出源の製造方法を提供することを課題として
いる。また、本発明は、電子放出特性に優れ、かつ基板
への実装が容易で製造が容易な電子放出源を提供するこ
とすることを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、所定ガ
ス圧10Torrから10−6Torrの雰囲気中で、
グラファイトまたは所定の触媒金属を含有するグラファ
イトからなる固体または粉末材料をプラズマ中高温瞬間
加熱することにより、カーボンを単原子レベルに分解
し、改めて結晶核を中心に、カーボンナノチューブ、ナ
ノカプセルあるいはフラーレンが再結晶化される。
【0010】そのため、前記カーボンナノチューブ、ナ
ノカプセル、フラーレンまたはこれらの中のいずれかの
混合物を含む炭素系物質、あるいはその表面にカーボン
ナノチューブ、ナノカプセルまたはフラーレンの中の少
なくとも一つが成長したカーボン微粒子を含む炭素系物
質が生成する。前記炭素系物質は電界の作用によって電
子を放出する電子放出材料として使用できる。
【0011】本発明によれば、電子放出材料をエミッタ
として複数の電極間に配設して成る電子放出源の製造方
法において、前記のようにして得られた前記電子放出材
料を絶縁体、半導体または金属体からなる基板上に被着
させて、エミッタとして使用することを特徴とする電子
放出源の製造方法およびその方法により製造された電子
放出源が提供される。
【0012】所定のガス圧10Torrから10−6
orrの雰囲気の中での、高温瞬間加熱方法としては、
真空アーク放電法、真空熱プラズマ法、レーザーアブレ
ーション法が、更に補助加熱として、抵抗加熱やレーザ
ー加熱、ランプ加熱がある。ここで真空アーク放電法と
は、陰極アークおよび陽極アークを含んでいるものであ
り、されにこれらは、直流、交流、単発パルズおよび繰
返しパルス電流アーク型が利用できる。従来のアーク放
電法は、熱的に圧縮された陽光柱を持ち、陽極、陰極と
もに活性で、その表面に電極点を有する。
【0013】これに対して真空アーク放電法は拡散放電
ともいわれるものであり、一般に、陰極のみ活性で陰極
点は存在するが、陽極点や陽光柱は存在しない。ただ
し、陽極を陰極に比べてかなり小さくすると、陽極点が
形成され、陽極アークとなる。これに対して陰極真空ア
ークプラズマ法は、グラファイトまたは所定の触媒金属
を含有するグラファイトからなる固体または粉末材料を
陰極とし、それを取り囲む容器内壁が陽極の役割を果た
す。
【0014】従って、陰極点のみが存在し、陰極材料の
みが蒸発して、プラズマを構成する粒子を供給する。ま
た前記陰極真空アークプラズマ方式として、その陰極点
およびアークプラズマ領域を磁界により圧縮し、電流密
度を上げ、陰極点の温度を上げて、より多くのカーボン
ナノチューブ、ナノカプセル、フラーレンの中の少なく
とも一つを含む炭素系物質が表面に成長したカーボン粒
子を生成することが出来る。
【0015】またアークプラズマ法では、直流電流を連
続的あるいは間欠的に印加する、またはパルス電流を印
加する方式を用い、前記ガスとしては、C
系(X,Y,Z,W≧0)で表されるガスあるいは希
ガスを使用することが出来る。また触媒金属としては、
Ni、Y、Fe、Co、Pt、Rh、W、V、Pdおよ
びそれらの混合物が使用できる。またその触媒金属含有
方法としては、固体または粉体材料中への混合または、
固体中へ固体触媒金属を埋設する。
【0016】更に、前記絶縁体、半導体または金属体か
らなる基板は、前記のようにして電子放出源を生成する
ための生成用材料の近傍に配設され、生成したカーボン
ナノチューブやカーボン粒子等の電子放出材料を直接被
着することにより前記電子放出源を形成することも可能
となる。また前記基板には、直流バイアスまたはRFバ
イアスを印加して、形成効率を改善することも出来る。
【0017】さらにまた前記基板に、前記電子放出源を
ペースト状にして、印刷法、電着法、スラリー形成法、
ドクターブレード法、沈降法、インクジェット印刷法な
どにより形成するか、または粉体状熊で静電吸着被着さ
せることにより前記電子源層を形成してもよい。また前
記基板は、第1の電極、絶縁層、第2の電極およびリフ
トオフ層が堆積されると共に、前記第1の電極が露出す
るように凹部が形成されており、前記基板に前記電子放
出材料を被着してエミッタを形成した後、前記リフトオ
フ層を除去する。
【0018】または第1の電極、抵抗層、絶縁層、第2
の電極およびリフトオフ層が堆積されると共に、前記抵
抗層が露出するように凹部が形成されており、前記電子
放出材料を基板に被着してエミッタを形成した後、前記
リフトオフ層を除去する。これにより作製した電子放出
源の第1の電極と第2の電極間に所定の電圧を印加する
ことにより、電界放出現象により、前記電子放出材料に
含まれるカーボンナノチューブ、ナノカプセル、フラー
レンの先端または前記カーボン粒子表面のカーボンナノ
チューブ、ナノカプセル、フラーレンの先端から電子が
放出される。尚、プラズマを使用した場合には、熱分解
で得られるよりも更に低分子のラジカル分子を生成し、
反応性を向上、制御することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態
に係る電子放出源の製造方法に使用する陰極真空アーク
プラズマ法に使用する装置の概略図である。図1に於い
て、SUS304で形成され、陽極として機能するチャ
ンバー101内には、陰極102およびMo製のトリガ
電極103が配設されている。
【0020】カーボンナノチューブ、ナノカプセル、フ
ラーレンまたはこれらの中のいずれかの混合物を含む物
質、あるいはカーボンナノチューブ、ナノカプセル、フ
ラーレンの中の少なくとも一つが表面に成長した粒子
(カーボン粒子)を含む炭素系物質を生成するための生
成用材料である陰極102の材料として、例えば、グラ
ファイト(純度99.998wt%)やNi−Y含有グ
ラファイト(Ni:14.6wt%、Y:4.9wt
%)、Y含有グラファイト(Y:0.82wt%)、F
e含有グラファイト(Fe:3.0wt%)またはCo
含有グラファイト(Co:3.0wt%)などの触媒金
属を含有するグラファイトなど、グラファイトを使用し
た種々の材料が利用出来る。
【0021】また、チャンバー101の外部には、絶縁
部材104を介して、保護抵抗105、アーク放電時に
流れる電流を検出するための電流計106およびアーク
放電を行うための電源(図示せず)が設けられている。
チャンバー101を圧力1PaのHe雰囲気にして、直
流100Aのアーク電流を流して1秒間アーク放電させ
て、陰極102を局所的に加熱させると、陰極102を
構成する陰極材料が高温アークプラズマ中で溶融飛散し
て、微少のカーボン粒子である飛散小滴(Drople
t)が生じ、これが基板やチャンバー壁に飛散付着し、
薄膜または微少のカーボン粒子層が形成される。
【0022】前記薄膜やカーボン粒子層の表面には、一
度溶融した炭素集合体が急冷される際に再結晶して、炭
素あるいは炭素と触媒金属の化合物を核として、多数の
カーボンナノチューブ、ナノチューブ、フラーレンの中
の少なくとも一つを含む炭素系物質がその表面に成長す
る。また、カーボンナノチューブ、ナノカプセル、フラ
ーレン又はこれらの中のいずれかの混合物を含む炭素系
物質も生成される。
【0023】チャンバー101の内壁に付着した前記カ
ーボン粒子を収集して電子放出源用基板に被着させる、
あるいは、チャンバー101にその基板を飛散小滴の飛
散方向に配設してこれに前記カーボン粒子を直接被着さ
せるなどの方法により、前記カーボン粒子を、電界によ
り電子を放出する電子放出材料としての機能を有し、エ
ミッタとして電子放出源に適用することが出来る。今回
の試作では、前記飛散小滴は陰極面から30度の方向に
最も多く放出された。従って、基板の位置、サイズ、膜
厚の均一性についてはその放出分布に合わせて調整する
必要がある。
【0024】図2は、前記条件下で生成された前記カー
ボン粒子を収集して走査型電子顕微鏡(SEM)により
観察した写真である。細い線状に見えるのがカーボンナ
ノチューブである。前記方法により、その表面が多数の
カーボンナノチューブによって覆われている事が分か
る。
【0025】図3は、前記カーボン粒子をチャンバー壁
より収集して、透過型電子顕微鏡(TEM)によって観
察した写真の一部を示す図である。多層カーボンナノチ
ューブが生成していることがわかる。
【0026】図4は、本発明の実施の形態に係る電子放
出源を示す図で、前記方法によって生成したカーボン粒
子を収集して、これを電子放出材料としてエミッタに利
用した電子放出源の部分断面図である。図4において、
ガラス製基板401、第1の電極としてのカソード電極
402、抵抗層403、絶縁層404および第2の電極
としてのゲート電極405が積層配設されると共に、抵
抗層403が露出するように凹部407が形成されてい
る。なお、カーボンナノチューブ、ナノカプセル、フラ
ーレン又はこれらの中のいずれかの混合物を含む物質を
収集して、これを電子放出材料としてエミッタに利用し
た場合にも同様の構成となる。基板401として、セラ
ミック製の基板や半導体性や導電性の基板、またプラス
チック基板なども使用することが出来る。また、基板4
01に直流バイアスやRF(Radio Freque
ncy)バイアスを加えて、生成条件を制御することも
出来る。
【0027】凹部407内の抵抗層403上には、前述
のようにして得られたカーボンナノチューブ、ナノカプ
セル、フラーレン又はこれらの中のいずれかの混合物を
含む電子放出材料、あるいはカーボンナノチューブ、ナ
ノカプセル、フラーレンの中の少なくとも一つが成長し
たカーボン粒子406を含む電子放出材料をペースト状
にして、厚膜印刷、あるいは電着法、スラリー形成法、
ドクターブレード法、沈降法など、あるいは粉体塗布の
方法などにより被着されて、電界放出源のエミッタを形
成している。尚、過電流によるエミッタ破壊防止のため
の抵抗層403を用いる必要がない場合には、カーボン
粒子406はカソード電極402上に直接被着される。
【0028】以上のように構成された電子放出源は、カ
ソード電極402とゲート電極405の間に電圧を印加
することにより、電界放出現象により、エミッタを形成
するカーボンナノチューブ、ナノカプセル、フラーレン
の層またはこれらの中のいずれかの混合物の先端、ある
いはカーボン粒子406表面のカーボンナノチューブ、
ナノカプセルまたはフラーレンの先端から電子が放出さ
れる。これは電界放出ディスプレイや真空マイクロデバ
イスのカソードとして用いることが出来る。
【0029】なお、本実施の形態においては、チャンバ
ー101を圧力1PaのHe雰囲気にして行ったが、O
、H、NあるいはArなどの希ガス中で、10T
orr以下の低真空から、10−3〜10−6Torr
の中高真空までの雰囲気中で行うことが可能である。
【0030】図5は、本発明の第2の実施形態に係る電
子放出源の製造方法に使用する装置の概略図である。図
5において、SUS304で形成され、陽極として機能
するチャンバー501内には、陰極502、遮蔽板50
3、Mo製トリガ電極505、基板固定台506が配設
されている。基板固定台506は、絶縁部材507によ
って電気的にフロートした状態でチャンバー501に固
定されており、また基板固定台506にはSi、Ni、
CoあるいはFeによって形成された基板504が固定
されている。基板504は、陰極502の近傍に配設さ
れており、例えば、陰極502の表面から85mm程度
離間した位置に配設されている。
【0031】カーボンナノチューブ、ナノカプセル、フ
ラーレンまたはこれらの中のいずれかの混合物を含む電
子放出材料、あるいはカーボンナノチューブ、ナノカプ
セル、フラーレンの中の少なくとも一つが表面に成長し
たカーボン粒子を含む電子放出材料を生成するための生
成用材料である陰極502の材料としては、第1の実施
の形態と同様に、グラファイト(純度99.998wt
%)やNi−Y含有グラファイト(Ni:14.6wt
%、Y:4.9wt%)、Y含有グラファイト(Y:
0.82wt%)、Fe含有グラファイト(Fe:3.
0wt%)またはCo含有グラファイト(Co:3.0
wt%)などの触媒金属を含有するグラファイトなど、
グラファイトを使用した種々の材料が利用出来る。
【0032】チャンバー501の外部には、絶縁部材5
07を介して保護抵抗510およびアーク放電時に流れ
る電流を検出するための電流計509が接続されてお
り、またアーク放電が生じる領域を磁界によって所定の
範囲内に制限するための磁石508およびアーク放電を
行うための電源(図示せず)が設けられている。また、
ガス導入口513からはHeが注入されるようになって
おり、またガス排出口側には、隔膜真空計511および
オートバルブ512が設けられている。
【0033】まず、ガス導入口513からHeを供給す
ることによりチャンバー501内を圧力0.5PaのH
e雰囲気にした後、直流100Aのアーク電流を流す。
尚、アーク放電を生じさせる方式として、直流電流を連
続的あるいは間欠的に印加するまたはパルス電流を印加
する方式を用いてもよい。これにより磁石508によっ
て制限された領域内でアーク放電させて、陰極502を
局所的に加熱させると、陰極502を構成する陰極材料
が飛散し、微少なカーボン粒子である飛散小滴が生成さ
れる。
【0034】図1に関して説明したのと同様に、前記陰
極材料表面の溶融部から、高温プラズマにより一度溶融
した炭素集合体が、周りの雰囲気で急冷される際に再結
晶化して、炭素あるいは炭素と触媒金属の化合物を核と
して、多数のカーボンナノチューブ、ナノカプセルある
はフラーレンの結晶成長が行われる。また比較的大きな
カーボン溶融粒子が飛散した場合、その表面の原子状炭
素が急冷され、カーボンナノチューブ、ナノカプセル、
フラーレンまたはこれらの中のいずれかの混合物がその
粒子表面に成長し、カーボン粒子が生成する。前記カー
ボン粒子は、陰極502の近傍に配設された基板504
に被着する。
【0035】図6は、成膜時間を1分間とし、前記条件
下で前記カーボン粒子が被着した基板504をSEM観
察した写真で、図7はその拡大写真である。細い線状に
見えるのがカーボンナノチューブで、前記カーボン粒子
表面が多数のカーボンナノチューブで覆われていること
がわかる。
【0036】図8は、図5に示した装置を用いた電子放
出源の製造方法を説明するための部分断面図である。図
8において、基板としての電子放出源用基板800は、
ガラス製の基板801、第1の電極としてのカソード電
極802、抵抗層803、絶縁層804、第2電極とし
てのゲート電極805およびリフトオフ膜806が積層
配設されると共に、抵抗層803が露出するように凹部
807が形成されている。なお、基板801としてガラ
ス製の基板の他に、セラミック製の基板や半導体性や導
電性の基板、またプラスチック基板なども使用すること
が出来る。また、基板に直流バイアスやRFバイアスを
加えて、生成条件を制御することも出来る。
【0037】電子放出源を製造する場合には、図5にお
いて、基板504の代わりに、前記電子放出源用基板8
00を基板固定台506に固定し、陰極502の近傍に
配設する。この状熊で、前述のようにアーク放電を起こ
してカーボン粒子808を生成し、カーボン粒子808
を電子放出源用基板800に被着させる。
【0038】これにより、図8に示すように、抵抗層8
03およびリフトオフ膜806にカーボン粒子808が
被着する。この状態で、リフトオフ膜806を剥離除去
することにより、図4と同様に、カーボン粒子808が
抵抗層803にのみ被着したエミッタが形成され、電子
放出源が出来る。この場合にも、過電流によるエミッタ
破壊防止のための抵抗層803を使用しない場合には、
カーボンナノチューブ、ナノカプセル、フラーレンの層
およびそれらが表面に成長した微少カーボン粒子808
はカソード電極802上に直接被着される。
【0039】以上のように構成された電子放出源は、カ
ソード電極802とゲート電極805の間に電圧を印加
することにより、電界放出現象により、エミッタを形成
するカーボンナノチューブ、ナノカプセル、フラーレン
又はこれらの中のいずれかの混合物の層、あるいはそれ
らが表面に成長した微少カーボン粒子808表面のカー
ボンナノチューブ、ナノカプセル又はフラーレンの先端
から電子が放出される。これを電界放出ディスプレイや
真空マイクロデバイスのカソードとして用いることが出
来る。
【0040】なお、本実施の形態においては、チャンバ
101を圧力0.5PaのHe雰囲気にして行ったが、
、H、NあるいはArなどの希ガス中で、10
Torr以下の低真空から10−6Torrまでの高真
空雰囲気中で行うことが可能である。
【0041】図9は、本発明の第3の実施の形態に係る
電子放出源の製造方法を説明するための部分断面図であ
る。図9において、基板としてのガラス製の絶縁性基板
901上には、第1の電極としてのカソード電極902
及び第2の電極としてのゲート電極903が蒸着等の方
法により被着形成される。
【0042】次に、前記第1、第2の実施の形態で生成
した電子放出材料を、エミッタ904として、カソード
電極とゲート電極の間である、カソード電極902の上
側面上に被着形成することにより、電子放出源が完成す
る。尚、エミッタ904は、カソード電極902の上側
面上ではなく、カソード電極902とゲート電極903
の間である、カソード電極902側壁部に被着形成する
ようにしてもよい。カソード電極902とゲート電極9
03間に所定の電圧を印加することにより、エミッタ9
04に含まれるカーボンナノチューブ、ナノカプセルま
たはフラーレンの先端、あるいはカーボン粒子表面のカ
ーボンナノチューブ、ナノカプセルまたはフラーレンの
先端から電子が放出される。
【0043】以上述べた実施形態においては、O、H
、NあるいはHe、Arなどの希ガス中で、所定の
10Torr以下の低真空から10−3〜10−6To
rrの中高真空の雰囲気まで、グラファイトまたは所定
の触媒金属を含有するグラファイトからなる生成用材料
を局所的に加熱することによりカーボンナノチユーブ、
ナノカプセル、フラーレン又はこれらの中のいずれかの
混合物の薄膜、あるいはそれらが表面に成長した微少カ
ーボン粒子を生成し、これを直接基板に被着して電界放
出素子として使用することを特徴としているので、従来
のDCアーク放電などの陰極堆積物の殻(Core)部
からカーボンナノチューブ、ナノカプセルまたはフラー
レンを抽出精製するなどの作業が不要になり、大量生産
が容易な電子放出源の製造方法を提供することが可能に
なる。
【0044】また、従来は、陰極と陽極をmmオーダー
で対向離間させ、前記両電極間に安定な電圧を印加する
ことにより、アーク放電を安定維持させる必要があるた
め、極めて高度な制御が必要であったが、前記各実施の
形態によれば、陰極の表面上に、トリガ電極でアーク放
電プラズマを発生させるだけという簡単な制御で、容易
に長時間にわたり安定して、所定基板の表面にカーボン
ナノチューブ、ナノカプセル、フラーレンまたはこれら
の中のいずれかの混合物を形成した薄膜またはそれらが
表面に成長した微少なカーボン粒子を生成することが出
来る。
【0045】なお、前記したグラファイトなどの材料表
面を局所的に加熱溶融させるのに、補助加熱法として、
抵抗加熱、レーザ照射、ランプ加熱などの組み合わせも
適用出来る。また、前記カーボンナノチューブ、ナノカ
プセル、フラーレンまたはこれらの中のいずれかの混合
物、あるいはそれらが表面に成長した微少なカーボン粒
子を収集してペースト状にし、印刷法、電着法、スラリ
ー形成法、ドクターブレード法、沈降法、インクジェッ
ト印刷法などにより形成するか、または粉体状態で静電
吸着被着させることにより前記エミッタを形成すること
が出来ることにより、製造が容易な電子放出源の製造方
法を提供することが可能になる。
【0046】さらにまた、前記基板には、カソード電
極、抵抗層、絶縁層、ゲート電極およびリフトオフ層が
堆積されると共に、前記抵抗層が露出するように凹部が
形成されており、前記基板に前記カーボンナノチュー
ブ、ナノカプセル、フラーレンまたはこれらの中のいず
れかの混合物の薄膜、あるいはそれが表面に成長した微
少なカーボン粒子を被着させた後、前記リフトオフ層を
除去して、カソード電極とゲート電極に所定の電圧を印
加することにより、前記カーボンナノチューブ、ナノカ
プセルまたはフラーレンの先端、あるいは前記カーボン
粒子表面のカーボンナノチューブ、ナノカプセルまたは
フラーレンの先端から電子を放出する機能を持つ電子放
出源の製造が可能となる。これにより、低しきい値を持
ち、高電流密度のエミッション放出が可能となる電子放
出源が得られる。
【0047】このようにして得られた電子放出源は、微
少カーボン粒子表面にウニ状に多数のカーボンナノチュ
ーブ、ナノカプセル、フラーレンあるいはこれらの混合
物が形成されているので、これをカソード基板に形成す
る際に、いかなる方向に前記カーボン粒子が置かれて
も、常に基板に対して垂直な方向に向いているカーボン
ナノチューブが一定の割合以上に高密度に存在するた
め、電界放出電子源として、引き出し電界が小さく高電
流密度の電子源が得られる。 例えば、Spindt型
電界放出素子と比較した場合、より低い駆動電圧で電子
放出が可能となると共に、高電流密度が得られ、製造コ
ストが大幅に低減出来る。
【0048】また、前記カーボン粒子を用いて電子放出
源を製造するときには、スクリーン印刷法、インクジェ
ット印刷法、電着法、スラリー法、沈降法などの場合、
溶剤への分散が容易でペースト化が容易であるという利
点もある。なお、カーボンナノチューブ、ナノカプセル
やフラーレンが成長した微少カーボン粒子の大きさは、
使用する材料、密度、陰極電極に添加、または混合させ
る触媒金属材料、プラズマ生成条件および冷却固体化す
る条件により異なるため、これらの条件を適宜制御する
ことにより、特定の大きさの分布を持ったカーボン粒子
が得られる。
【0049】従って、所定条件に設定して生成したカー
ボン粒子を収集して、所望の大きさのカーボン粒子をさ
らに選択分級することにより、ペースト化、静電塗布な
どにより適当な材料とすることが出来、これを用いるこ
とにより、さらに電子放出特性に優れた、電子放出源が
得られる。これを応用することにより、高輝度、大画面
表示に向いた電界放出ディスプレイが可能となる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、電子放出源のより低コ
スト、大量生産が容易な製造方法を提供することが可能
になる。また、本発明によれば、電子放出特性に優れ、
製造が容易で、大面積化が容易な電子放出源を提供する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電子放出源の
製造方法に使用する装置の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る製造方法によ
って生成されたカーボン粒子を示す走査電子顕微鏡写真
である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る製造方法によ
って生成されたカーボン粒子を透過型電子顕微鏡により
観察した写真の部分図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る電子放出源を示す図
である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る電子放出源の
製造方法に使用する装置の概略図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る製造法によっ
て製造された基板の走査電子顕微鏡写真である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る製造法によっ
て製造された基板の拡大された走査電子顕微鏡写真であ
る。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る電子放出源の
製造方法を説明するための部分側断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る電子放出源の
製造方法を説明するための部分側断面図である。
【符号の説明】
101、501・・・チャンバ 102、502・・・陰極 504・・・基板 104・・・ガラス製基板 402、802、902・・・第1の電極としてのカソ
ード電極 403、803・・・抵抗層 404、804・・・絶縁層 405、805、903・・・第2の電極としてのゲー
ト電極 406、808・・・電子法放出材料であるカーボン粒
子 407、807・・・凹部 506・・・基板固定台 800・・・基板としての電子放出源用基板 806・・・リフトオフ膜 904・・・エミッタ

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子を放出する電子放出材料をエミッタ
    として複数の電極間に配設して成る電子放出源の製造方
    法において、 所定ガス圧10Torrから10−6Torrの雰囲気
    中で、グラファイトまたは所定の触媒金属を含有するグ
    ラファイトからなる固体または粉末材料をプラズマ中で
    加熱させることにより、カーボンナノチューブ、ナノカ
    プセルまたはフラーレンあるいはこれらの中のいずれか
    の混合物を含む電子放出材料を生成し、前記電子放出材
    料を、絶縁体、半導体または金属導体からなる基板上に
    被着させて、エミッタとして使用することを特徴とする
    電子放出源の製造方法。
  2. 【請求項2】 電子を放出する電子放出材料をエミッタ
    として複数の電極間に配設して成る電子放出源の製造方
    法において、 所定ガス圧10Torrから10−6Torrの雰囲気
    中で、グラファイトまたは所定の触媒金属を含有するグ
    ラファイトからなる固体または粉末材料をプラズマ中で
    加熱させることにより、その表面にカーボンナノチュー
    ブ、ナノカプセルまたはフラーレンの中の少なくとも一
    つが成長したカーボン粒子を含む電子放出材料を生成
    し、前記電子放出材料を絶縁体、半導体または金属導体
    からなる基板上に被着させて、エミッタとして使用する
    ことを特徴とする電子放出源の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記触媒金属は、グラファイト粉体材料
    中への混合または、固体のグラファイトへの埋設によ
    り、前記グラファイトに含有されていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の電子放出源の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記プラズマの発生方法として、真空ア
    ーク放電法、真空熱プラズマ法、レーザーアブレーショ
    ン法を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か一に記載の電子放出源の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記電子放出材料は、グラファイトまた
    は所定の触媒金属を含有するグラファイトからなる固体
    または粉末材料を陰極とし、それを取り囲む容器内壁が
    陽極の役割を果たす、グラファイト陰極点を使った陰極
    真空アークプラズマ法を用いて生成することを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか一に記載の電子放出源の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記陰極真空アークプラズマ法として、
    電極に、直流電流を間欠的に印加する、またはパルス電
    流を印加することを特徴とする請求項5記載の電子放出
    源の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記プラズマ中での補助加熱法として、
    抵抗加熱、ランプ加熱またはレーザー加熱を用いること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の電子
    放出源の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記陰極真空アークプラズマ方式とし
    て、そのアークプラズマ領域の制御に磁界を用いること
    を特徴とする請求項5乃至7のいずれか一に記載の電子
    放出源の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ガスは、C系(X、
    Y、Z、W≧0)で表されるガスあるいは希ガスである
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の
    電子放出源の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記触媒金属は、Ni、Y、Fe、C
    o、Pt、Rh,W、VまたはPd、あるいはこれらの
    中の複数の混合物であることを特徴とする請求項1乃至
    9のいずれか一に記載の電子放出源の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記基板には、直流バイアスまたはR
    Fバイアスを印加することを特徴とする請求項1乃至1
    0のいずれか一に記載の電子放出源の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記基板は、前記電子放出材料を生成
    するための生成用材料の近傍に配設され、生成した前記
    電子放出材料を直接被着することによりエミッタを形成
    することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一に
    記載の電子放出源の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記基板に、前記電子放出材料をペー
    スト状または粉体状で被着させることにより前記エミッ
    タを形成することを特徴とする請求項1乃至11のいず
    れか一に記載の電子放出源の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記基板は、第1の電極、絶縁層、第
    2の電極およびリフトオフ層が堆積されると共に、前記
    第1の電極が露出するように凹部が形成されており、前
    記基板に、前記電子放出材料を被着させた後、前記リフ
    トオフ層を除去することを特徴とする請求項1乃至13
    のいずれか一に記載の電子放出源の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記基板は、第1の電極、抵抗層、絶
    縁層、第2の電極およびリフトオフ層が堆積されると共
    に、前記抵抗層が露出するように凹部が形成されてお
    り、前記基板に、前記電子放出材料を被着させた後、前
    記リフトオフ層を除去することを特徴とする請求項1乃
    至13のいずれか一に記載の電子放出源の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至15のいずれか一に記載
    の方法を用いて製造された電子放出源。
  17. 【請求項17】 絶縁性基板上に形成された第1の電極
    及び第2の電極と、前記第1の電極と第2の電極間に、
    請求項1乃至13のいずれか一に記載の方法により得ら
    れるエミッタを配設し、前記第1の電極と第2の電極間
    に所定の電圧を印加することにより、前記エミッタに含
    まれるカーボンナノチューブ、ナノカプセルまたはフラ
    ーレンの先端、あるいはカーボン粒子表面のカーボンナ
    ノチューブ、ナノカプセルまたはフラーレンの先端から
    電子を放出することを特徴とする電子放出源。
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