JP2000278965A - 圧電アクチュエータ - Google Patents

圧電アクチュエータ

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JP2000278965A
JP2000278965A JP11079897A JP7989799A JP2000278965A JP 2000278965 A JP2000278965 A JP 2000278965A JP 11079897 A JP11079897 A JP 11079897A JP 7989799 A JP7989799 A JP 7989799A JP 2000278965 A JP2000278965 A JP 2000278965A
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純一 鈴鹿
Takayuki Sakurai
隆行 櫻井
Tsutomu Kameyama
勉 亀山
Kiyoshi Kato
清 加藤
Shinsuke Hirayama
心祐 平山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子を積層した振動板を筐体内に設け、
振動板を振動させることにより駆動する圧電アクチュエ
ータの生産性が向上できるようにする。 【解決手段】 圧電アクチュエータ2は、圧電素子10
を積層した振動板8、金属製の一対の支持リング12
a,12b、共にABS樹脂製のアッパケース4および
ロワケース6を備える。支持リング12aは、振動板8
を載置する載置部S、振動板8の終端部分が接触する支
持部L、支持部L上面の外端周縁に突設された板状の狭
持部Pを備える。そして、支持リング12aは、変形部
分Pの厚さをt1、支持部Lの厚さをt2とした時、比
t1/t2が1/6〜3/6となるように形成されてい
る。振動板8を支持リング12a,12bにて挟持固定
するには、変形部分Pを支持ング12b側へ折り曲げて
加締めればよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電素子が積層さ
れた振動板を筐体内に収納した圧電アクチュエータに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、角速度検出装置の一つとし
て、一定方向に噴出されたガス流に対して、移動体の進
行方向の変化による角速度が作用したときのガス流の偏
向状態を、ヒートワイヤ等からなる感温素子を用いて電
気的に検出するようにしたガス式角速度検出器が知られ
ている(特開平2−130474号公報,特開平3−2
9858号公報,特開平3−255961号公報等参
照)。
【0003】また、この種の角速度検出装置では、上記
各公報に開示されているように、角速度検出用のガス流
を生成するためのポンプとして、圧電素子が積層された
振動板を、ガスの吸入孔及び排出孔を備えた密閉筐体内
に収納し、振動板の振動によって、吸入孔からガスを吸
入し、排出孔からガスを吐出するように構成された圧電
アクチュエータが使用されている。
【0004】従来の圧電アクチュエータは、圧電素子が
積層された振動板の周縁を、密閉筐体を構成する金属製
の上ケースと下ケースとの間に挟持させるようにして、
その上ケースと下ケースを加締めや溶接またはネジ止め
などによって結合させるようにすることによって、振動
板を筐体に収納していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような金属製の筐
体を有する圧電アクチュエータを組み立てる際には、振
動板を上ケースと下ケースとの間に組み込む工程など、
振動板自体に直接触れて取り扱う場合があった。
【0006】ところが、一般に、圧電素子を積層する振
動板は、使用する共振周波数にも拠るが、薄板材にて形
成される。そのため、薄板状の振動板自体は把持しにく
く、その取扱中に不用意に、振動板を落下させるなどし
て破損させることがあった。そのような振動板は、所定
の振動特性を得ることができないため破棄処分される。
また、振動板を取り扱う際に、気づかない内に不用意に
傷を生じさせることもあり、そのような振動板を使用し
た圧電アクチュエータは、振動特性などに多大なる影響
を及ぼすなど、信頼性の低下を招くことになる。そし
て、振動板が破損することにより、圧電アクチュエータ
の製造歩留まりの低下を招くなどの影響を及ぼす。
【0007】そのため、振動板の取り扱いには細心の注
意が要求され、圧電アクチュエータの生産性が良くなか
った。本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであ
り、振動板を筐体内に収納した圧電アクチュエータの生
産性を向上することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段,発明の実施の形態及び発
明の効果】かかる目的を達成するためになされた請求項
1に記載の発明は、板面中央に圧電素子が積層された振
動板と、前記圧電素子が積層されない前記振動板の板面
周縁部分を挟持する、金属製の一対の環状部材と、前記
振動板を、前記一対の環状部材にて挟持させた状態で収
納する筐体と、を備えた圧電アクチュエータであって、
前記一対の環状部材の内の一方は、前記振動板及び他方
の環状部材を順に載置するための載置部と、該載置部に
載置された振動板及び他方の環状部材の周囲を囲む支持
部と、該支持部の前記載置部とは反対側面に突設された
挟持部と、からなり、該挟持部を環の内側に折り曲げて
加締めることにより、前記挟持部と前記載置部との間に
前記振動板及び他方の環状部材を挟持するよう構成さ
れ、しかも、当該環状部材は、前記挟持部の厚さをt
1、前記支持部の厚さをt2としたとき、各値t1,t
2の比t1/t2が1/6〜3/6の範囲内となるよう
に形成されたことを特徴とする。
【0009】このように、請求項1記載の圧電アクチュ
エータにおいては、従来の圧電アクチュエータでは振動
板を直接筐体に固定していたのとは異なり、振動板をま
ず一対の環状部材にて挟持固定するようにしたため、振
動板を取り扱う際には、環状部材を把持するなどして取
り扱えばよく、その取り扱いに要する注意量が軽減され
る。
【0010】また、振動板を一対の環状部材に固定した
以降では、例えば、圧電素子の積層やこの圧電素子に駆
動電源供給用のリード線を取り付けるなどを除き、この
振動板自体に直接触れて取り扱うことをなくすことが可
能となるため、圧電アクチュエータの製造途中における
振動板の破損を、未然に防ぐことが可能となる。そのた
め、圧電アクチュエータの取り扱いが容易となり、生産
性を向上させることが可能となる。
【0011】そして、このように構成された一対の環状
部材にて振動板を挟持固定するには、まず、一対の環状
部材のうちの一方の環状部材(以下、下側の環状部材と
いう)に形成された載置部に振動板の周縁部分を載置
し、その振動板の周縁部分上に他方の環状部材(以下、
上側の環状部材という)を載置し、下側の環状部材の挟
持部を上側の環状部材の上面を覆うように折り曲げ、折
り曲げた挟持部を加締めればよい。このように固定すれ
ば、振動板の周縁部分をこれら一対の環状部材にてしっ
かりと挟持固定することができる。
【0012】尚、振動板を挟持固定する際において、挟
持部の折り曲げおよび加締めといった作業は、単純に行
うことができるので、これらの作業を追加することによ
って圧電アクチュエータの組立工程が複雑化することは
ない。更に、振動板を下側の環状部材上に載置する際に
は、振動板の終端部分が支持部にて囲まれるようなって
いるので、振動板の位置決めが容易である。また、上側
の環状部材の終端部分についても、支持部にて囲まれる
ようになっているので、上側の環状部材の位置決めが容
易である。そのため、一対の振動板にて挟持する作業が
容易である。
【0013】また、金属にて形成された一対の環状部材
にて振動板の周縁部分を挟持固定することにより、振動
板が金属製の上下からなる筐体に挟持された従来の圧電
アクチュエータと同様に、振動板の振動を筐体等の外部
へ伝わりにくくすることが可能となる。また、振動板の
周縁部分が挟持固定されることにより、振動板の良好な
振動特性を得ることが可能となる。
【0014】尚、一対の環状部材の外観は、円形状、三
角等の多角状、丸みを帯びた多角状等種々の形状が考え
られるが、振動板の形状に対応するように一対の環状部
材を形成すればよい。但し、振動板の振動特性を高める
には、振動板および環状部材を円形状に形成するのが好
ましい。
【0015】また、特に本発明(請求項1)では、下側
の環状部材において、挟持部の径方向の厚さt1と、支
持部の厚さt2との比t1/t2が、1/6〜3/6の
範囲内となるようにしているので、上側の環状部材の上
面を下側の環状部材の挟持部にて確実に密着させて覆う
ことができ、しかも、振動板をこれら一対の環状部材に
て確実に加締めて固定することができる。そのため、振
動板の最良な共振特性を得ることが可能である。
【0016】このように、下側の環状部材において、比
t1/t2が1/6〜3/6の範囲内となるようにする
のは、本発明者らが各種実験を行って検討した結果、以
下に示すことが判明したからである。即ち、比t1/t
2が3/6よりも大きい場合には、挟持部が厚くなり過
ぎてしまい、折り曲げられにくくなってしまうことが判
った。そして、たとえ、折れ曲がったとしても、上側の
環状部材の上面に挟持部を均一に密着させることができ
ない。つまり、この場合(比t1/t2>3/6)に
は、挟持部と上側の環状部材の上との接触面積を十分に
確保することができず、上側の環状部材の上面に均等な
圧力を加えることができない。そのため、加締めても十
分に振動板および上側の環状部材を挟持固定することが
できず、良好な振動特性を得ることができない。
【0017】また、t1/t2が1/6よりも小さい場
合には、挟持部が折り曲げられ易くはなるが、挟持部が
薄いため、たとえ加締めたとしても、上側の環状部材と
振動板を挟持固定する固定力を十分に確保することがで
きないことが判った。また、この場合(比t1/t2<
3/6)には、熱サイクル環境下で圧電アクチュエータ
を使用すると、圧電アクチュエータ自体が熱を受けるた
め、薄い挟持部が熱に耐えきれず、固定力が低下してし
まう。そのため、良好な振動特性を得ることができな
い。
【0018】そして、比t1/t2が1/6〜3/6の
範囲内では、上側の環状部材の上面に密着するように挟
持部を折り曲げることができるので、挟持部と上側の環
状部材との接触面積を十分に確保することが可能となる
ことが判った。そのため、上側の環状部材に挟持部にて
均等に圧力を加えることができ、振動板をこれら一対の
環状部材にて確実に加締めて固定することができる。
【0019】そして、振動板の周縁部分を一対の環状部
材にて確実に挟持し、しかも、所望の振動板の共振特性
を確実に得ようとするならば、請求項2に記載のよう
に、一対の環状部材の少なくとも一方が、振動板との当
接部分に突条部分を備えるようにすればよい。
【0020】つまり、一対の環状部材のいずれか一方に
突条部分を設けることにより、振動板の周縁部分を挟持
する際には、挟持圧力(つまり、加締めにて発生してい
る圧力)が突条部分に集中するため、あたかも振動板に
突条部分が食い込むようにその環状部材が振動板に接す
ることとなる。したがって、一対の環状部材にて振動板
を、より強い固定力にて確実に一体固定することが可能
となる。
【0021】一方、圧電素子を駆動して振動板を振動さ
せるためには、圧電素子の表・裏面に交流駆動電圧を印
加する必要があり、そのためには、圧電素子と振動板と
の間に交流駆動電圧を印加する必要がある。本発明(請
求項1)では、一対の環状部材を金属にて形成している
ため、これら環状部材を介して振動板に駆動電圧を供給
することが可能となる。つまり、一対の環状部材のいず
れか一方と圧電素子との間に交流駆動電圧を印加するこ
とにより、圧電素子を駆動させることが可能となり、振
動板を振動させることが可能となる。
【0022】また、従来の圧電アクチュエータでは、振
動板を収納する筐体の形成材料に金属が用いられていた
が、その理由の一つは、筐体と圧電素子との間に交流駆
動電圧を印加し、圧電素子を駆動させて振動板を振動さ
せていたためであった。そこで、本発明の圧電アクチュ
エータは、先に述べたように、圧電素子を駆動させるに
は、この圧電素子と一対の環状部材との間に交流駆動電
圧を印加すればよいので、これらを収納する筐体には、
金属に限定されることなく、種々の形成材料(例えば、
非導電性材料など)を用いることが可能となる。
【0023】尚、筐体の形成材料としては、請求項3に
記載のように、合成樹脂を用いるのがよい。合成樹脂を
用いると、例えば、この圧電アクチュエータをポンプと
して形成する場合には、前述した吸入孔,排出孔,リー
ド線挿通孔などが、モールド成形などの方法により、精
密に、しかも容易に加工することが可能となる。また、
筐体を成形にて形成することが可能となるため、高品質
を有する同一の筐体を大量に製造することが可能とな
り、圧電アクチュエータの生産性の向上を図ることが可
能となる。
【0024】しかも、合成樹脂は金属に比べて安価であ
るため、製造コストの低減を図ることが可能となる。ま
た、合成樹脂は金属に比べて軽量であるため、このよう
な圧電アクチュエータを装着した装置全体の軽量化を図
ることができる。また、合成樹脂製の筐体に振動板を収
納し、振動板を振動させても、振動板の周縁部分は金属
製の硬い環状部材に挟持固定されているため、振動板の
振動は筐体へ伝わりにくい。
【0025】尚、合成樹脂材料としては、容易にモール
ド成形可能であれば、種々の合成樹脂を使用することが
可能であり、例えば、PBT樹脂,6−ナイロン樹脂,
テフロン樹脂、PBT樹脂、ABS樹脂などが好適であ
る。ところで、本発明(請求項1〜請求項3)の圧電ア
クチュエータは、振動板の形状,板厚,材質、或いは振
動板の周縁を挟持する挟持力等によって、振動板の振動
特性(共振周波数)が決まるため、これらのパラメータ
を適宜設定することにより、振動板の振動特性を任意に
設定することができる。このため、本発明の圧電アクチ
ュエータは、前述したポンプとして使用する以外にも、
例えば、振動板の振動により所定の周波数帯の音波(例
えば超音波)を発生する音波発生器として構成し、超音
波洗浄機や加湿機(霧化機)の駆動源として使用するこ
ともできる。
【0026】そして、特に、前述した角速度検出装置用
のポンプとして使用する場合には、請求項4に記載のよ
うに、筐体を密閉構造とし、この筐体の外壁に、ガスの
吸入孔及び排出孔を設けて、振動板の振動によりガスを
吸入孔から筐体内部に吸入し、排出孔からガスを吐出す
るように構成すればよい。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。図1は、前述のポンプとして構成された実施例の圧
電アクチュエータの構成を表し、(a)はその平面図、
(b)は(a)に示すX−X線断面図である。
【0028】図1に示すように、本実施例の圧電アクチ
ュエータ2は、中央に凹部4aを有し、円皿状を呈する
合成樹脂製のアッパケース4と、円盤状を呈する合成樹
脂製のロワケース6と、これら各ケース4,6の内側に
おいて互いに対向配置することにより形成されるポンプ
室を2分する金属製の振動板8と、振動板8の周縁を挟
持する金属製の一対の環状部材である円形の支持リング
12a,12bとを備える。
【0029】尚、支持リング12aは、請求項および発
明を解決するための手段にて述べた一方の環状部材に相
当し、支持リング12bは、同じく他方の環状部材に相
当する。振動板8は、扁平な円盤状に形成されており、
アッパケース4側の板面中央には、圧電素子10が積層
されている。また、圧電素子10は、PZT等の圧電体
の表・裏面に電極を形成したものであり、圧電素子10
の振動板とは反対側(表面)には、振動板8の振動特性
に対応した周波数の交流駆動電圧を印加するためのリー
ド線14aが、半田付け,ろう付け或いは溶接等により
接続されている。尚、リード線14aは、導電線をシリ
コンゴム等の絶縁材にて被覆した被覆線である。
【0030】また、後述するように、振動板8と支持リ
ング12a,12bとは一体固定される。さらに、その
状態の支持リング12a,12bは各ケース4,6の溝
部18a,18bにて挟持されることにより、ポンプ室
内に固定され、ポンプ室を上下2室に分離している。
【0031】そして、支持リング12aの外壁には、支
持リング12aを介して振動板8(延いては圧電素子1
0の振動板8側電極)に交流駆動電圧を印加するため
に、リード線14aと同じ被覆線からなるリード線14
bが、半田付け,ろう付け或いは溶接等によって接続さ
れている。
【0032】尚、本実施例において、振動板8および支
持リング12a,12bは、共に、鉄とニッケルとの合
金であるFe42Niからなる。また、アッパケース4
とロワケース6とを形成する合成樹脂は、共に、ABS
樹脂からなる。次に、アッパケース4の凹部4aのう
ち、リード線14aが圧電素子10に半田付けされる部
分は、段差を付けてより大きく凹んでおり、その凹部の
上側壁には、リード線14aを外部に引き出すためのリ
ード線挿通孔4cと、ポンプ室内に外気を導入するため
の吸入孔4dとが、それぞれ穿設されている。また、ア
ッパケース4において、支持リング12aにリード線1
4bが半田付けされている側の側壁には、リード線14
bを外部に引き出すためのリード線挿通孔4eが穿設さ
れている。
【0033】そして、アッパケース4の凹部4aにおい
て、振動板8と対向する対向面の吸入孔4dとは離れた
位置には、ポンプ室内のガスを排出するための吹出ノズ
ル16が形成され、吹出ノズル16に穿設された排出孔
16aから、ポンプ室内のガスを真っ直ぐ吐出できるよ
うにされている。そして、振動板8の排出孔16aとの
対向位置には連通孔8aが穿設され、この連通孔8aに
て、アッパケース4の凹部4aにて形成される一方のポ
ンプ室と、ロワケース6側に形成される他方のポンプ室
とが連通されている。
【0034】また、アッパケース4の周縁でロワケース
6に当接する当接部分には、凸条4bが形成され、ロワ
ケース6においてアッパケース4に当接する当接部分に
は、凸条4bに対応する溝部6bが形成されている。そ
して、アッパケース4とロワケース6とは、凸条4bを
溝部6bに嵌合させ、接着剤や溶着(例えば、超音波溶
着等)により互いに接合させることにより、一体化さ
れ、密閉筐体を構成している。
【0035】尚、アッパケース4およびロワケース6に
施した複雑な形状は、アッパケース4およびロワケース
6の構成材料にABS樹脂が使用されているため、モー
ルド成形にて容易に形成することが可能である。また、
ABS樹脂などの合成樹脂を使用することにより、軽量
化を実現することができるため製造コストを低減するこ
とが可能となる。
【0036】次に、支持リング12a,12bについ
て、図2を用いて説明する。図2は、圧電素子10が積
層された振動板8を支持リング12a,12bにて挟持
する状態を示す断面図であり、(a)は支持リング12
aの挟持部Pを折り曲げる前の状態を示す断面図、
(b)は挟持部Pを折り曲げた状態を示す断面図、
(c)は(a)に示すA部分の拡大断面図である。尚、
各図に示された断面図は、図1(a)に示した圧電アク
チュエータ2におけるX−X線と同じ位置での縦断面を
示す。
【0037】図2に示すように、支持リング12aは、
内側に振動板8を載置できるように載置部Sが設けら
れ、その断面形状が階段状を呈している。そして、支持
リング12aの内側には、振動板8および支持リング1
2bを載置する際にそれらの位置決めを容易にするため
の支持部Lが設けられている。尚、振動板8および支持
リング12bが支持リング12aに載置された際に、支
持部Lと夫々の終端部との間に若干の空隙が存在するよ
うな支持リング12a上の位置に支持部Lは設けられて
いる。
【0038】そして、支持リング12aにおいて、支持
部Lの上端の外側端部周縁には、加締め用の挟持部Pが
設けられている。図2(c)に示すように、挟持部Pは
板状を呈し、支持リング12aと一体に形成されてい
る。また、挟持部Pにおいて、その内壁と外壁との間の
距離(即ち、挟持部Pにおける径方向の厚さ)をt1と
し、支持部Lにおいて、その内壁と外壁との間の距離
(即ち、支持部Lの径方向における厚さ)をt2とする
と、本実施例における支持リング12aの挟持部Pは、
比t1/t2が、2/6(即ち、t1/t2=1/3)
となるように形成されている。
【0039】尚、比t1/t2は1/6〜3/6の範囲
内であれば、どのような比にて支持リング12aを形成
してもよい。一方、支持リング12bは断面形状が略長
方形となるように形成されている。尚、支持リング12
bの断面形状は略長方形に限定されず、振動板8を支持
リング12aとで確実に挟持固定できるならば他の断面
形状(例えば、正方形、直角三角形等)となるように支
持リング12bを形成してもよい。
【0040】ところで、挟持部Pは支持リング12aと
共に金属にて形成されているため、挟持部Pを折り曲げ
る際に、折り曲げ部分となるその根本付近は、曲線を描
くように折り曲げられる。そして、挟持部Pの板面が支
持リング12bの上面に平行となるまで折り曲げると、
支持部Lの上面と挟持部Pの板面との間に間隙が発生す
るようになる。このような状態では、挟持部Pの板面
(即ち、挟持部Pの内壁)が支持リング12bの上面に
均等に密着することができない。そのため、挟持部Pを
加締めた際に発生する固定力が不均等となるため、振動
板8の良好な振動特性が得られなくなる。
【0041】そこで、支持リング12a上に振動板8お
よび支持リング12bを積層した状態において、支持リ
ング12aの底面から支持リング12bの上面までの高
さh1と、支持リング12aの底面から支持リング12
aの支持部Lの上面までの高さh2との差分h1−h2
が、挟持部Pを折り曲げることによって、挟持部Pの板
面と、支持部Lの上面との間に発生する間隙の面間距離
hpと等しくなるように、支持リング12a,12bを
構成するとよい。このようにすることで、挟持部Pの板
面を、支持リング12bの上面に完全に密着させるよう
にして折り曲げることが可能となる。
【0042】このように構成された支持リング12a,
12bにて、圧電素子10が積層された振動板8を挟持
固定するには、まず、図2(a)に示すように、振動板
8を支持リング12aの支持部Lの内側に設けられた載
置部S上に載置し、さらに、振動板8の周縁部上に、し
かも、支持部Lの内側に支持リング12bを載置する。
次に、図2(b)に示すように、支持リング12aの
挟持部Pを内側に折り曲げる。更に、所定の治具にて加
締めることにより、振動板8の各周縁部分が支持リング
12a,12bに密着して挟持固定され、振動板8と支
持リング12a,12bとが一体化される。
【0043】以上説明したように、本実施例の圧電アク
チュエータ2では、圧電素子10を積層した振動板8を
一対の金属製の支持リング12a,12bにて挟持固定
することができ、その状態の支持リング12a,12b
をアッパケース4およびロワケース6にて挟持固定する
ことができる。
【0044】そして、支持リング12aの支持部Lの上
端の外側端部周縁には挟持部Pが設けられ、この挟持部
Pを内側に折り曲げるて加締めることで、支持リング1
2a上に積層された振動板8と支持リング12bとを、
挟持固定することが可能となる。
【0045】さらに、挟持部Pの厚さが、支持部Lの厚
さの2/6(即ち、1/3となるように挟持部Pが形成
されているので、挟持部Pを折り曲げが容易となるだけ
でなく、挟持部Pを加締めると、振動板8と支持リング
12a,12bとを確実に一体固定することが可能とな
る。したがって、このように構成された圧電アクチュエ
ータ2は良好な振動特性を得ることが可能となる。
【0046】また、挟持部Pを折り曲げて加締めるとい
った作業は単純であり、しかも、圧電アクチュエータ2
を組み立てる際等、振動板8を取り扱う際には、振動板
8を挟持固定した支持リング12a,12bを把持して
取り扱えばよいため、振動板を破損することを防止で
き、生産性を向上させることが可能となる。
【0047】また、支持リング12a,12bが導電体
のFe42Niから形成されているため、圧電素子10
を駆動させるための交流駆動電源は、この圧電素子10
と、支持リング12a,12bとの間に印加すればよい
ため、ABS樹脂からなるアッパケース4およびロワケ
ース6に、圧電素子10を積層した振動板8と支持リン
グ12a,12bとを収納しても、外部に引き出された
各リード線14a,14bを介して交流駆動電源を印加
することが可能となる。
【0048】そして、支持リング12a,12bに導電
体のFe42Niを使用することで、振動板8を収納す
るアッパケース4およびロワケース6にABS樹脂を用
いることが可能となり、圧電アクチュエータ2の軽量化
を図ることが可能となる。また、ABS樹脂を使用する
ことで、アッパケース4およびロワケース6に形成する
複雑な形状は、モールド成形にて容易に形成することが
可能となるため、生産性を向上させることが可能とな
る。更に、ABS樹脂は、生産性を向上させるだけでな
く、それ自体が金属に比べて安価であるため、圧電アク
チュエータ2の製造コストを低減させることが可能とな
る。
【0049】尚、アッパケース4またはロワケース6
は、ABS樹脂に限定されず、容易にモールド成形可能
であれば、他の合成樹脂材料(例えば、PBT樹脂,6
−ナイロン樹脂,テフロン樹脂など)を用いて形成して
もよい。以上、本発明の一実施例について説明したが、
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、以下の
ように変更してもく、その場合でも、上記実施例と同様
の作用および効果を得ることができる。
【0050】(1)挟持部Pを突設する位置は、支持リ
ング12aの支持部Lの上端の内側端部周縁に限定され
ず、支持部Lの上面における他の位置に突設してもよ
い。図3は、図2(a)中の部分Aに示された挟持部P
の突設位置を変更した断面図を示す。
【0051】即ち、図3の突設位置1に示すように、支
持部Lの上端の内側端部周縁に突設してもよい。また、
突設位置2に示すように、支持部Lの上面における内側
端部と外側端部との間に突設してもよい。各突設位置
1,2においても、上記実施例にて述べた挟持部Pの作
用および効果と同様な作用および効果を得ることができ
る。
【0052】(2)支持リング12a,12bにおい
て、振動板8が接する部分に、以下の形状1〜3に示す
ように、突条部分を設けてもよい。図4は、支持リング
12aにおける振動板8を載置する面の各種表面形状を
示す拡大断面図である。
【0053】形状1は、複数の突条部分Tを有するよう
に形成したもので、突条部分Tの上部は尖状を成してい
る。このように、支持リング12aの上面に尖状の突条
部分Tを形成すると、支持リング12a(または突条部
分T)が振動板8と同じ硬度か、あるいはそれ以下の硬
度を有する場合には、支持リング12aの上面に振動板
8を載置し、挟持部Pを振動板側に折り曲げて加締める
ことにより、突条部分Tの上部付近が加締め等の圧力を
受けてつぶれ、支持リング12aと振動板8とを互いに
密着固定することが可能となる。
【0054】このようにすることで、振動板8の良好な
振動特性を得ることができ、振動板8の振動が外部へ伝
達しにくくなる。また、形状2のように、上部に丸みを
有する複数の突条部分Rを持たせて形成してもよい。こ
の場合においても、振動板8を支持リング12aに確実
に挟持固定させることができる。また、形状1と同様
に、振動板8の良好な振動特性を得ることが可能であ
り、振動板8の振動が外部へ伝達しにくくなる。
【0055】そして、形状3のように、上部が平らに形
成された複数の突条部分Fを持たせ形成すると、形状2
の場合よりも支持リング12aが振動板8に接する面積
が大きくなるため、より確実に振動板8を挟持固定する
ことが可能となる。そのため、形状1および形状2と同
様に、振動板8の良好な振動特性を得ることが可能であ
り、振動板8の振動が外部へ伝達しにくくなる。
【0056】尚、形状1〜3に示した形状は、支持リン
グ12aにおける振動板8の載置面に形成するのに限定
されず、振動板8の終端部分が接触する支持部Lや、支
持リング12bの底面に設けるのが望ましい。その場合
には、さらに良好な共振特性を得ることが可能となる。
【0057】なお、支持リング12aにおける振動板8
の載置面の突条部分と、支持リング12bの底面の突条
部分とを、互い違いとなるように配列しておけば、振動
板8の周縁部分を支持リング12a,12bにて挟持す
る際に、振動板8の周縁部分が各突状部分にて押圧され
るので、まるで振動板8が波を打つように支持リング1
2a,12bにて挟持されるようになる。このようにす
ると、振動板8が支持リング12a,12bにて、強い
固定力にて一体固定されるようになるため好適である。 [実験]次に、支持リング12aの挟持部Pの厚さt1
と、支持部Lの厚さt2との比を変化させた支持リング
12aを作成し、各比t1/t2における圧電アクチュ
エータの各種振動特性(共振周波数および共振抵抗)を
計測する実験を行ったので説明する。
【0058】実験に使用した圧電アクチュエータは、支
持リング12aの挟持部Pの大きさが異なること以外
は、図1に示した圧電アクチュエータ2と同様の構成で
ある。そして、挟持部Pの厚さt1と、支持部Lの厚さ
t2との比t1/t2が、1/6,2/6,3/6,4
/6となるように構成された4種の支持リング12aを
作成した。尚、支持部Lの厚さは0.6mmに固定し
た。また、前記の4種の支持リング12aを各5個ずつ
作成した。したがって、4種×5個=計20個の圧電ア
クチュエータを作成した。尚、比t1/t2を1/6よ
りも小さくすると、支持リング12aの加工が困難にな
るだけでなく、加締めによる固定力が低下するため、圧
電アクチュエータとしての耐久性が確保できない等の理
由から、比t1/t2が1/6より小さい分については
実験対象から除外した。
【0059】そして、各種振動特性(共振周波数および
共振抵抗)の測定は、作成された圧電アクチュエータに
つき、それぞれ一回ずつ行った。その測定結果を、下記
の表1、並びに図5のグラフに示す。尚、図5(a)は
比t1/t2と共振周波数との関係を示し、図5(b)
は比t1/t2と共振抵抗との関係を示す。また、共振
周波数および共振抵抗の測定は、振動板8に積層された
圧電素子10に印加する交流電圧の周波数(換言すれば
振動周波数)を変化させ、インピーダンスが最小となっ
た点を共振点として、そのときのインピーダンスおよび
駆動周波数を測定する、といった手順にて行った。
【0060】
【表1】
【0061】上記測定結果から、比t1/t2が大きい
ほど、共振周波数および共振抵抗がばらついて安定しな
いことが判明した。また、比t1/t2が大きくなるに
つれて、共振周波数の平均値が小さくなり、共振抵抗の
平均値は大きくなる。このように、共振周波数が低下し
たり、共振抵抗が上昇したりすると、例えば、圧電アク
チュエータをポンプとして形成した際には、流量効率が
低下することになる。
【0062】したがって、本実験から、振動板8が良好
に振動でき、かつ、圧電アクチュエータとして問題なく
駆動させるには、比t1/t2が1/6〜3/6の範囲
内となるように支持リング12aを形成すればよいこと
が判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の圧電アクチュエータの構成を表す説
明図である。
【図2】 実施例の振動板8と支持リング12a,12
bとの関係を示す説明図である。
【図3】 実施例の挟持部Pの突設位置を示す説明図で
ある。
【図4】 実施例の支持リング12aの上面の形状を示
す説明図である。
【図5】 実験における圧電アクチュエータの測定結果
を示すグラフである。
【符号の説明】
2…圧電アクチュエータ、4…アッパケース、4d…吸
入孔、6…ロワケース、8…振動板、10…圧電素子、
12a,12b…支持リング、16a…排出孔、L…支
持部、P…挟持部、S…載置部、F,T,R…突条部
分。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫻井 隆行 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 亀山 勉 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 加藤 清 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 平山 心祐 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3H077 CC02 CC09 DD06 EE34 FF02 FF09 FF36

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板面中央に圧電素子が積層された振動板
    と、 前記圧電素子が積層されない前記振動板の板面周縁部分
    を挟持する、金属製の一対の環状部材と、 前記振動板を、前記一対の環状部材にて挟持させた状態
    で収納する筐体と、 を備えた圧電アクチュエータであって、 前記一対の環状部材の内の一方は、 前記振動板及び他方の環状部材を順に載置するための載
    置部と、 該載置部に載置された振動板及び他方の環状部材の周囲
    を囲む支持部と、 該支持部の前記載置部とは反対側面に突設された挟持部
    と、 からなり、該挟持部を環の内側に折り曲げて加締めるこ
    とにより、前記挟持部と前記載置部との間に前記振動板
    及び他方の環状部材を挟持するよう構成され、 しかも、当該環状部材は、前記挟持部の径方向の厚さを
    t1、前記支持部の径方向の厚さをt2としたとき、各
    値t1,t2の比t1/t2が1/6〜3/6の範囲内
    となるように形成されたことを特徴とする圧電アクチュ
    エータ。
  2. 【請求項2】 前記一対の環状部材の少なくとも一方
    は、 前記振動板への当接部分に、環状の突条を備えることを
    特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記筐体は、合成樹脂から形成されるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電アク
    チュエータ。
  4. 【請求項4】 前記筐体を密閉構造とし、該筐体の外壁
    に、ガスの吸入孔及び排出孔を設けることにより、前記
    振動板の振動によりガスを吸・排するポンプとして構成
    したことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記
    載の圧電アクチュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN118582373A (zh) * 2024-08-06 2024-09-03 成都汇通西电电子有限公司 一种阵列排布的超薄高频超声气泵恒流模组

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