JP2000280977A - 浮体構造物 - Google Patents

浮体構造物

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JP2000280977A JP11095038A JP9503899A JP2000280977A JP 2000280977 A JP2000280977 A JP 2000280977A JP 11095038 A JP11095038 A JP 11095038A JP 9503899 A JP9503899 A JP 9503899A JP 2000280977 A JP2000280977 A JP 2000280977A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量でありながら十分な構造強度を備えて耐
久性にも優れ、加えて材料及び施工コスト、並びに施工
効率が良好な浮体構造物を提供する。 【解決手段】 浮体構造物Aにおける枠体Fを構成する
構造部材として、補強繊維を含んだ繊維強化樹脂材10
を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、養殖生け簀、作業
用屋形、浮き桟橋、湿原歩行路等の浮体構造物に関し、
特に該浮体構造物を、ガラス繊維などの補強繊維よりな
る繊維強化樹脂(FRP)等を用いて構築する技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、我が国を取り巻く漁業環境は経済
水域問題とともに乱獲による漁業資源枯渇など年々厳し
さを増しているのが現状であり、それに対して、ブリ、
マダイ等の魚類やその他貝類、海草類などの各種水産資
源を育成するべく、網生け簀などの養殖施設による養殖
事業が鹿児島、長崎、三重県等を中心に盛んに行われて
いる。この養殖事業に用いられる養殖生け簀は、各種構
造部材を矩形など所定の形状に組んで形成した枠体に発
泡スチロールなどからなるフロート(浮体)を取付けて
水上に浮上させるフロート式支持枠方式が一般的であ
り、自動餌蒔き機の設置及び保守が容易である点や、枠
体上に板材を架設すれば容易に歩行路を設置出来る点な
どの各種利点を有し、作業船の接舷や種々の作業を簡便
に行えるため広く普及している。
【0003】また、上記養殖生け簀と同様に、フロート
を付けた枠体上に歩み板等を渡して作業スペースを確保
するといった構造をなしているものとして、水上工事な
ど種々の作業をするための作業用筏、屋形、船からの荷
揚げや人員の乗り降りを行う浮き桟橋、岸と浮き桟橋と
を繋ぐブリッジ等があり、いずれも港湾作業などで汎用
されている。
【0004】これら養殖生け簀や浮き桟橋等の浮体構造
物は、その枠体の構造部材及び該構造部材の固定方法と
して以下〜に列記する部材及び固定方法を用いるこ
とが多かった。 間伐材や竹等の天然材を構造部材として使用し、ロー
プまたは針金等で互いを結束固定して枠体を形成する場
合。 亜鉛メッキ鋼管を構造部材として用い、各部材は溶接
或いはUボルト締結等で固定する場合。 厚肉のプラスチック被覆鋼管を用い、と同様の固定
方法をとる場合。 FRPパイプを用い、樹脂製の連結治具を使用して互
いを固定する場合。
【0005】また、上記枠体に取り付けられるフロート
は、いずれの場合でも、発泡スチロールを塩化ビニール
製等のシートで包んだもの、或いは発泡スチロールをポ
リエチレン被覆したもの等が用いられ、これをロープな
どで枠体に結束されるもので、他方、枠体に取付けられ
る歩み板は、主に杉板などの木製の板材を枠体上に架設
し、針金やロープにより固定されている。
【0006】上述の浮体構造物以外の水上作業用の構造
物として、例えば湿地帯内に敷設された電力施設等の巡
回用、或いは観光散策用としての湿原歩行路があり、そ
の構造は一般に、木材、鋼材、コンクリート、或いは廃
プラスチック等からなる杭と、係る杭を結合して歩行路
を形成する構造部材及び床板等とからなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
浮体構造物は次に述べるような、主に、浮体構造物を構
成する構造部材の特性に由来する課題を有していた。
【0008】すなわち、構造部材として例えば間伐材及
び竹を使用した場合、これらは天然材でありしかも廃材
等を適宜利用すれば材料コストは低く抑制できるが、激
しい風雨及び日射に直接曝される水上環境においては腐
食速度が速く耐久性に問題があり、例えば竹は約2〜3
年で、間伐材は約5〜6年で著しく強度が低下して使用
不能となる場合もあった。また、亜鉛メッキ鋼管や被覆
鋼管を使用した場合、亜鉛メッキやプラスチック被覆が
防蝕膜として有効に機能し続ければ前記間伐材及び竹よ
りもかなり耐久性があるものの、溶接箇所或いは被覆損
傷箇所等からは腐食しやすく、一旦腐食が進行すると1
0年以下で使用不能となることが多い。また、鋼製であ
ることから弾力性に乏しく、波浪、船との接触衝突によ
る衝撃などを受けるとその衝撃変形を吸収することは困
難で、変形すると自己復元することも難しい。
【0009】さらに、FRP(主にフィラメントワイン
ディング法により成形されたもの)を構造部材として用
いる場合もあったが、耐久性は良好である反面、FRP
そのものが高価で材料コストが嵩むばかりでなく、被覆
を特に持たないため損傷を受けやすく、ジョイント箇所
での保護構造に格別の配慮を要しコスト的にも作業効率
的にも課題が多かった。しかも表面が平滑で滑りやすく
作業の効率を更に低下させるといった問題も抱えてい
た。
【0010】これら浮体構造物に加えて、木材、鋼材、
コンクリート、廃プラスチック等からなる杭体を打設し
てその杭上に歩行路を設ける湿原歩行路等を形成する場
合、上述の浮体構造物の構造部材が抱える問題と同様
に、木材、鋼材は腐蝕しやすく耐久性に乏しい一方、コ
ンクリートや廃プラスチックは重量が大きく、湿地帯の
条件によっては杭が沈み込み、歩行路として役務を果た
すことが出来なくなるといった問題も有している。
【0011】構造部材の特性に由来する上記課題の他に
も、例えば針金やロープによる結束などの構造部材同士
の固定手段などにも、耐久性やコストの面で上記同様の
課題が存在しており、上述の種々の課題と併せて考える
と、従来の浮体構造物はいずれの場面においても耐久性
及び作業効率が低く、製作及び維持コストも嵩むといっ
た問題を抱えているのである。
【0012】そこで、本発明はこのような従来の課題に
着目してなされたもので、軽量でありながら十分な構造
強度を備えて耐久性にも優れ、加えて材料及び施工コス
ト、並びに施工効率が良好な浮体構造物を提供するもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するためになされたもので、構造部材を所定形状に組
み合わせて枠体を形成し、該枠体に浮体を取付けること
で浮力を得て水上にあり、漁労その他の水上作業を可能
にする浮体構造物において、前記枠体を構成する構造部
材が、熱可塑性樹脂からなる中空部を有する中芯と、補
強繊維を熱硬化性樹脂で一体に結着してなり、前記中芯
外周を被覆する中間層と、該中間層を被覆し熱可塑性樹
脂よりなる外層との三層よりなる繊維強化中空構造体か
らなることを特徴とする。
【0014】本発明においては、前記浮体構造物上で作
業を行う際の歩み板等として前記枠体に取付けられる構
造部材が、板状の前記繊維強化中空構造体からなると好
適である。
【0015】加えて、前記繊維強化中空構造体の外層に
凹凸加工が施されていると更に好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。ここで
まず、本発明の浮体構造物を構築する際に実際に用いる
構造部材及び構造部材同士の固定作業概要を示す。
【0017】図1は本発明の浮体構造物10を構成する
繊維強化中空構造体の断面図を示し、そのうち、(a)
は角パイプ状の中空構造体、(b)は丸パイプ状の中空
構造体、(c)は板状の中空構造体の各断面図を示す。
【0018】浮体構造物構築に供される構造部材として
は、図に示す様な、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂から
なる中空部11を有する中芯12と、ガラス繊維などの
補強繊維13をビニエステル樹脂などの熱熱硬化性樹脂
で一体に結着してなり、前記中芯12外周を被覆するF
RP層14(中間層)と、該FRP層14を被覆しAB
S樹脂などの熱可塑性樹脂よりなる外層15との三層よ
りなる繊維強化中空構造体10を成形して、管材(例え
ば、商品名コンポーズ:宇部日東化成株式会社製)或い
は板材(例えば、商品名ハニカムコンポーズ:宇部日東
化成株式会社製)などにしたものを構造部材として使用
する。
【0019】係る構造部材を各種連結治具等を用いて、
用途及び求める機能に応じた矩形或いは円形などの所定
形状に連結固定し、あるいは接合し浮体構造物の根幹を
成す枠体を構成する。ここで使用される連結治具として
は、例えば、角パイプ状或いは丸パイプ状の中空構造体
P(以下、単にパイプとする)を交差或いは並列固定す
る際に用いられる交差ジョイント20(図2(a)、
(b)参照)があり、これはステンレス(例えばSUS
304、316、317等)製あるいは構造部材と同様
の繊維強化樹脂製(例えばガラス繊維強化PPからな
り、商品名アズデル:宇部日東化成株式会社製)で、パ
イプP外周を略内包する断面半円状の把持部21と、ス
テンレス製ボルトBを連通させて締結固定を行うフラン
ジ部22とを有するものである。場合によっては前記把
持部21に貫通穴(図示しない)を開け、把持するパイ
プPと交差ジョイント20とをボルトBにて締結固定し
てもよい。前記把持部21は、パイプ締付け方向の内空
寸法が、把持されるパイプPの外径より若干(例えば1
〜3mm)小さくなっており、該ジョイント20の形状
自体が締め付け構造を成すものとする。また、交差ジョ
イント20の把持部21内面と把持されるパイプP外面
とにエポキシ系接着剤を塗布して接着接合すると、更に
接合強度が向上し連結の信頼性も高まることとなる。
【0020】パイプPの交差或いは並列固定に加え、構
築する枠体が長尺に及ぶ場合などはパイプPを継ぎ足し
て使用するためにパイプP先端の端面を突き合わせ接合
する必要もあり、その場合の連結治具は、例えば図3
(a)、(b)、(c)に示す様な、断面コの字型で左
右両側部にはボルト貫通穴31が設けられている突き合
わせジョイント30が用いられる。この突き合わせジョ
イント30は、2部材一組になっており、コの字型断面
開口を合わせるように2部材を接合してその内空にパイ
プPを挟持するとともに、パイプPに予め開けられた連
通穴(図示しない)と前記ボルト貫通穴31とを連通す
るようにボルトBを挿入しこれを締結固定する。その締
結結合の際に、例えばエポキシ系接着剤をジョイント3
0内面及びパイプP表面に塗布して後、ボルト締結すれ
ばより一層の連結信頼性が得られる。
【0021】他に、パイプP同士を直接連結固定するも
のではないが、図4(a)、(b)、(c)に示すヒヤ
シ40と呼ばれるスペーサーを用いて、枠体を構成する
パイプP同士の間隔を所定のものに保ち固定する治具も
用いられる。
【0022】上記のパイプP等の管材の他に、浮体構造
物上で作業を行う際の歩み板や床板等として枠体に取付
けられる板状繊維強化中空構造体の連結或いは固定は、
該板状繊維強化中空構造体にドリル等で結束穴を設け
て、枠体或いはヒヤシ40と結束穴とにロープや針金を
挿通巻回させて結束する。また、ヒヤシ40或いは板状
繊維強化中空構造体を受けとして使用し、これに穴を開
けてボルト及びナットで締結固定する方法もある。
【0023】その他、例えば枠体を形成する角パイプ状
繊維強化中空構造体と板状中空構造体とを連通するよう
ドリルで下穴を開け、ステンレス製のタッピングビスで
止め両者を固定する方法なども状況に応じて採用でき
る。この際、ドリルとネジが一体になったドリルネジ等
を使用すると、前準備として下穴を開ける必要が無く、
電動ドライバー等を用いてそのまま穴開け作業と締結作
業とを同時かつ容易に実施できる。
【0024】図5は本発明の浮体構造物Aの第1実施例
である養殖生け簀50の構造概要を示す説明図である。
【0025】図において、該養殖生け簀50は、外径7
8mm、長さ13mで、表面にリブ及びエンボス加工を
施したパイプ状繊維強化中空構造体51(商品名コンポ
ーズ:宇部日東化成株式会社製、以下メインパイプと称
する)を主な枠体Fの材料として使用し、13m四方サ
イズの田の字型の形状に前記メインパイプ51を連結固
定し形成されたものである。枠体Fの組立て手順として
は、前記メインパイプ51を例えば40cmの間隔をお
いて梯状に平行配列し、これを生け簀50中央部で十字
交差させ、また生け簀50外周部も同様に40cm間隔
で梯状に平行配列したメインパイプ51を生け簀50の
角隅部でクロスさせた。生け簀50中央部及び角隅部に
おけるメインパイプ51同士の交差部分は、ステンレス
板(例えば厚さ3mm)を曲げ加工して作成した前述の
交差ジョイント20(図2参照)と、ステンレス製のボ
ルトナット(M10)を使用して締結固定した。平行配
列されたメインパイプ51間の40cmといった間隔は
FRP製のヒヤシ40で保持固定するものとし、平行配
列したメインパイプ51間の所定位置に、例えば塩化ビ
ニール製等のシートで包んだ発泡スチロール製フロート
(図示しない)をロープなどで結束し固定している。な
お、生け簀50外周の4辺のメインパイプ51内側に
は、網受け用として、表面にエンボス加工が施されてい
ないφ50mmのパイプ状中空構造体52を平行配置し
枠体F本体とロープで結束した。
【0026】図6は本発明の浮体構造物Aの第2実施例
である板状中空構造体を歩み板として使用した養殖生け
簀60の構造概要を示す説明図である。
【0027】該養殖生け簀60は、第1実施例で得た養
殖生け簀50中央の十字型の枠体F上において、メイン
パイプ51を拘束するヒヤシ40の上から長さ6m、幅
240mm、厚さ30mmの板状中空構造体HC(商品
名ハニカムコンポーズ:宇部日東化成株式会社製)を4
枚取り付けたものであり、取付け方法としては、ドリル
等で板状中空構造体HCに結束穴(図示しない)を開
け、その結束穴にロープ或いは針金等を挿通巻回してヒ
ヤシ40やメインパイプ51と結束する方法を採用し
た。田の字型の養殖生け簀60中央部には、養殖魚に給
餌を行うための給餌開口61を設けてあり、また枠体F
の外周4辺の内、対向する2辺の中央部に長さ4mの板
状中空構造体HCを上記と同様に取り付け、餌蒔き機搬
入の際の足場となしている。また、本実施例においては
上記の様な養殖生け簀60の枠体Fに補強を施す為、図
7(a)に示す様に、生け簀60外周の四隅に、長さ4
m、幅240mm、厚さ30mmの板状中空構造体70
をステンレス製ジョイントによりハンチ状に取付けて枠
体Fの構造強度を向上させている。この補強用に取り付
けられた板状中空構造体70は、枠体Fの補強と歩み板
の機能とを兼ねるものとなっている。その他、同図
(b)に示すとおり、補強材として前記板状中空構造体
70に代えてパイプ状中空構造体71を、斜め交差ジョ
イント72(同図(c)、(d)、(e)参照)により
枠体Fに取り付けてもよい。係る斜め交差ジョイント7
2は、パイプ状中空構造体71を把持する把持部72a
と、ボルト締結孔72bを有するフランジ部72cとか
らなる本体部分と、該本体部分のフランジ部72cに当
接され、一体にボルト締結されるプレート72dとから
なるものである。
【0028】図8(a)は、本発明の浮体構造物Aの第
3実施例である浮き桟橋80の構造概要を示す平面図で
あり、(b)は同断面図である。この浮き桟橋80は、
船からの荷揚げや人員の乗り降りを行う軽便な構造であ
り、本実施例では、例えば平面形状が長さ10m、幅4
mの略矩形浮き桟橋について示す。
【0029】該浮き桟橋80の組立にあたって、浮き桟
橋80の長さが10mであるから、まず4.5mと5.
5m長の60mm角のパイプ状中空構造体の突き合わせ
接合をステンレス製突き合わせジョイント30により行
って10mの部材81を形成した。なお、ジョイント3
0内部にはエポキシ接着剤を塗布した後、ジョイント3
0を組んでボルト締結を行い、一晩放置することで接着
剤の固化を確実ならしめた。突き合わせ接合された10
mのパイプ81を並列配置した梯状のフロート止め82
(40cm間隔で3組、計6本)を枠体F最下層に配置
し、更にこのフロート止め82上において、該フロート
止め82と直交する方向に4m長の60mm角パイプ状
中空構造体83をほぼ均等に16本並列配置した。パイ
プ状中空構造体81、83の計96箇所の交点において
は、ガラス繊維強化ポリプロピレン(例えば、商品名ア
ズデル:宇部日東化成株式会社製)製の交差ジョイント
(図示しない)を使用して固定を行い、その後、幅24
0mm、厚さ30mmの板状中空構造体HCを39枚、
間隔を1cm空けてステンレス製のビス(6mm×50
mmL、鍋タッピングビス)で60mm角パイプ状中空
構造体83に固定した。枠体Fが完成したら、所定位置
に例えば塩化ビニール製等のシートで包んだ発泡スチロ
ール製フロート84をロープなどで結束して取付け浮体
としているのである。
【0030】図9は本発明の浮体構造物Aの第4実施例
である作業筏90の構造概要を示す説明図である。
【0031】図の作業筏90は大きさが長さ20m、幅
10mの漁具洗浄など網洗い用の筏であり、構造として
は、前記メインパイプ51と同径で長さ10mのパイプ
91と、長さ6.5mのパイプ92とをステンレス製並
列ジョイント93で並列接合し長さ20mとした部材を
枠体F構築に供し、20mの該部材をFRP製の前記ヒ
ヤシ40をもって40cm間隔の所定位置に並列固定し
た。パイプの交差部は第1実施例と同じくステンレス製
の交差ジョイント20を使用し、ボルト締結して固定す
るものとする。以下、床板としての板状中空構造体HC
や、フロート94等の取付け手順は上述の実施例と同様
である。
【0032】図10は本発明の浮体構造物Aの第5実施
例である作業用屋形100の構造概要を示す説明図であ
る。
【0033】該作業用屋形100は例えば、13m四方
の矩形状であり、主に直径78mm、長さ13mのパイ
プ状中空構造体101を図の示す如く平行配置して形成
した。該パイプ状中空構造体101は、フロート係止用
に40cmの間隔で平行配置し、その間はFRP製の前
記ヒヤシ40で固定してある。パイプ状中空構造体10
1と直交して60mm角のパイプ状中空構造体102を
計19本均等間隔で設置し、両パイプ101、102の
交差部はステンレス製交差ジョイント20(図示しな
い)で固定されている。本実施例では、作業用屋形10
0外周において使用されている交差ジョイント20に
は、その内面に例えばエポキシ系接着剤を塗布し、枠体
Fをなすパイプ状中空構造体101、102と該交差ジ
ョイント20とを強固に接着接合し、構造強度の向上を
図っている。
【0034】図11(a)は、本発明の浮体構造物Aの
第6実施例である湿原巡視路110の構造概要を示す平
面図であり、(b)は同側断面図である。
【0035】本実施例の湿原巡視路110は、例えば、
湿原地帯に設置されている電力施設等の巡回用に設けら
れる浮橋構造の巡視路であり、以下の手順のもと構築さ
れるものである。長さ1.5mと1mの50mm角パイ
プ状中空構造体にボルト挿通用穴(図示しない)を設
け、両者をジョイント等で連結固定して形成したフロー
ト係止用枠体111に、フロート112を例えばステン
レスバンド113にて巻回して取付ける。更に長さ5.
5mの板状中空構造体114を湿原巡視路110の歩行
路Wを成すよう、前記フロート係止用枠体111に連結
治具を用いてフロート114a共に取り付けてある。実
際の湿原巡視路として使用する際には、この単体の湿原
巡視路110を長手方向に適宜連結して歩行路Wを形成
するのである。このような湿原巡視路110は、従来の
ものと違って杭を使用しないため自重やその他の荷重に
より湿原中に沈埋する恐れがないだけでなく、耐久性、
経済性の面においても良好な特性を示すものとなる。
【0036】なお、以上の実施例で使用したステンレス
製の交差ジョイント20の接合強度を評価したところ、
係る交差ジョイント20は十分に高い引き抜き耐力を示
し、加えてエポキシ系樹脂接着を施すとより確実な引き
抜き耐力を示した為、好ましくは、構造部材のジョイン
ト部分には例えばエポキシ系樹脂接着剤による接着を実
施すると好ましい。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の浮
体構造物は、構造部材を所定形状に組み合わせて枠体を
形成し、該枠体に浮体を取付けることで浮力を得て水上
にあり、漁労その他の水上作業を可能にする浮体構造物
において、前記枠体を構成する構造部材が、熱可塑性樹
脂からなる中空部を有する中芯と、補強繊維を熱硬化性
樹脂で一体に結着してなり、前記中芯外周を被覆する中
間層と、該中間層を被覆し熱可塑性樹脂よりなる外層と
の三層よりなる繊維強化中空構造体からなることを特徴
とするものであるから、該浮体構造物は構造的に、軽
量、高強度かつ高剛性といった優れた特性を備えること
となり、加えて、高い電気絶縁性を備えて海水等と接し
ても容易に腐蝕することもなく、また、耐候性に優れる
ため、耐久性及び耐腐食性も、従来の竹や間伐材或いは
鋼材といったものに比して著しく良好なのものとなる。
【0038】これらの良好な特性は、すなわち、竹、木
材などの天然物と違い、長期に亘り荷重が負荷されたと
してもクリープ現象を生じないことや、また、例えば波
浪及び風浪による繰り返し曲げ荷重が作用しても、鋼材
によく見受けられるような疲労現象をほとんど生じない
といったことにもつながり、本発明の浮体構造物が、長
期に亘り良好な強度を保ち得て保守点検のコストや手間
を抑制し、従来の浮体構造物ではなしえなかった低コス
ト長期使用を達成できる。
【0039】また、浮体構造物を構成する枠体等の部材
は工場生産品であり、したがって使用する各部材は安定
した品質と所定の性能とを確実に得られ、更に部材の生
産性が高く生産コスト低減も図ることができるから、浮
体構造物の構造強度の信頼性を確保できるとともに、そ
の製作コストも圧縮可能なのである。
【0040】そして、前記繊維強化中空構造体の構造
上、外層の被覆樹脂が外界に対して保護効果を発揮する
為、中間層の耐腐食性、耐久性を高めることにつなが
り、また、部材同士の接合時には係る外層がジョイント
によるFRP層の摩耗を抑止することも可能である。こ
の外層は、他部材とのジョイント部分において緩衝材と
しても機能し、かかる荷重を分散させてジョイント端部
での応力集中を緩和するといった効果も奏する。加え
て、接着剤等で部材同士を接着する際には、外層表面と
接着剤とのなじみが良好であることから、接着後の信頼
性を高めることになり、また、リブ加工、或いはエンボ
ス加工が表面に施されていることから、良好な歩行感を
得ることにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮体構造物を構成する繊維強化中空構
造体のうち、(a)は角パイプ状の中空構造体、(b)
は丸パイプ状の中空構造体、(c)は板状の中空構造体
の各断面図を示す。
【図2】(a)は、本発明の浮体構造物を形成する際に
使用するパイプ状の中空構造体同士の交差固定を行う、
交差ジョイントを示す説明図であり、(b)は、その使
用例を示す説明図である。
【図3】(a)は、本発明の浮体構造物を形成する際に
使用する突き合わせジョイントの断面図、(b)は同側
面図を示し、(c)は、係る突き合わせジョイントの使
用例を示す説明図である。
【図4】(a)は、本発明の浮体構造物を形成する際に
使用するヒヤシ(スペーサー)の側面図を、(b)は同
平面図を、(c)は同断面図示す。
【図5】本発明の浮体構造物の第1実施例である養殖生
け簀の構造概要を示す説明図である。
【図6】本発明の浮体構造物の第2実施例である板状中
空構造体を歩み板として使用した養殖生け簀の構造概要
を示す説明図である。
【図7】本発明の浮体構造物である養殖生け簀の枠体四
隅にハンチ状の補強を施した例のうち、(a)は補強材
として板状中空構造体を取付けた場合、(b)は、補強
材としてパイプ状中空構造体を取付けた場合を示してお
り、また、係るパイプ状中空構造体の取付けに用いる斜
め交差ジョイントの断面図を(c)に、同側面図を
(d)に、更に、該斜め交差ジョイントと一体締結され
るプレートを(e)に示す。
【図8】(a)は、本発明の浮体構造物の第3実施例で
ある浮き桟橋の構造概要を示す平面図であり、(b)は
同断面図である。
【図9】本発明の浮体構造物の第4実施例である作業筏
の構造概要を示す説明図である。
【図10】本発明の浮体構造物の第5実施例である作業
用屋形の構造概要を示す説明図である。
【図11】(a)は、本発明の浮体構造物の第6実施例
である湿原巡視路の構造概要を示す平面図であり、
(b)は同側断面図である。
【符号の説明】
A 浮体構造物 F 枠体 10 繊維強化樹脂材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野寺 章夫 東京都中央区東日本橋1−1−7 宇部日 東化成株式会社内 Fターム(参考) 2B104 CG04 CG05 CG07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造部材を所定形状に組み合わせて枠体
    を形成し、該枠体に浮体を取付けることで浮力を得て水
    上にあり、漁労その他の水上作業を可能にする浮体構造
    物において、 前記枠体を構成する構造部材が、熱可塑性樹脂からなる
    中空部を有する中芯と、補強繊維を熱硬化性樹脂で一体
    に結着してなり、前記中芯外周を被覆する中間層と、該
    中間層を被覆し熱可塑性樹脂よりなる外層との三層より
    なる繊維強化中空構造体からなることを特徴とする浮体
    構造物。
  2. 【請求項2】 前記浮体構造物上で作業を行う際の歩み
    板等として前記枠体に取付けられる構造部材が、板状の
    前記繊維強化中空構造体からなることを特徴とする請求
    項1に記載の浮体構造物。
  3. 【請求項3】 前記繊維強化中空構造体の外層に凹凸加
    工が施されていることを特徴とする請求項1または2に
    記載の浮体構造物。
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