JP2000281383A - ガラス用エッチング液、エッチング方法、マイクロレンズ基板の製造方法 - Google Patents

ガラス用エッチング液、エッチング方法、マイクロレンズ基板の製造方法

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JP2000281383A
JP2000281383A JP11127501A JP12750199A JP2000281383A JP 2000281383 A JP2000281383 A JP 2000281383A JP 11127501 A JP11127501 A JP 11127501A JP 12750199 A JP12750199 A JP 12750199A JP 2000281383 A JP2000281383 A JP 2000281383A
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glass
etching
etching solution
glass substrate
bubble
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English (en)
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Shinichi Yotsuya
真一 四谷
Nobuo Shimizu
信雄 清水
Hideto Yamashita
秀人 山下
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Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エッチング面を滑らかなものとすることができ
るガラス用エッチング液を提供すること。 【解決手段】本発明のガラス用エッチング液は、フッ酸
と、水と、気泡離脱剤(グリセリン、エチレングリコー
ルまたはイソプロピルアルコール)とを含有することを
特徴とする。気泡離脱剤は、ガラス表面に付着した気泡
(H)を離脱させる効果を有する。この気泡は、フッ
酸がガラスと反応することにより生成される。気泡離脱
剤の好適濃度範囲は、2〜50重量%とされる。また、
本発明のエッチング液は、5〜60℃の温度範囲で好適
に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスの食刻に用
いられるガラス用エッチング液、エッチング方法、およ
びマイクロレンズ基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スクリーン上に画像を投射する投射型表
示装置(液晶プロジェクター)が知られている。かかる
投射型表示装置では、その画像形成に主として液晶パネ
ル(液晶光シャッター)が用いられている。
【0003】液晶パネルの中には、液晶パネルを透過す
る光の透過率、利用効率を高めるべく、各画素に対応す
る位置に、多数の微小なマイクロレンズを設けたものが
知られている。これにより、液晶パネルは、比較的小さ
い光量で明るい画像を形成することができるようにな
る。
【0004】マイクロレンズは、通常、液晶パネルが備
えているマイクロレンズ基板に形成されている。
【0005】このようなマイクロレンズを形成する方法
としては、例えば、予め離形剤が塗布された型に樹脂層
を介して基材を押し当て、この状態で樹脂を硬化させる
ことにより、該型の形状が転写されたマイクロレンズを
一体的に有するマイクロレンズ基材を形成する方法が知
られている(転写法)。また、基板表面に、マイクロレ
ンズの形状に対応した凸形状のレジストを設け、ドライ
エッチングを行なうことにより、かかるレジストの形状
を基板上に転写し、基板上に凸形状のマイクロレンズを
形成する方法が知られている。
【0006】さらには、ウエットエッチングにより、基
板上にマイクロレンズの形状に対応した凹部を形成し、
かかる凹部に所定の材料を充填して、マイクロレンズを
形成する方法が知られている。
【0007】ところで、優れた光学特性を得るために
は、マイクロレンズの形状は、より理想的なレンズ形状
に近いことが好ましい。このためにも、基板に凹部を形
成してマイクロレンズを形成する場合には、凹部の形状
をより理想的なレンズ形状に近付けることが必要であ
る。さらには、凹部表面も、より滑らかなものとするこ
とが必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エッ
チング面を滑らかなものとすることができるガラス用エ
ッチング液、さらには、かかるエッチング液を用いたエ
ッチング方法、およびマイクロレンズ基板の製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(12)の本発明により達成される。
【0010】(1) ガラスを食刻するガラス用エッチ
ング液であって、フッ酸と、水と、ガラス表面に生じた
気泡の離脱を促進させる気泡離脱剤とを含有することを
特徴とするガラス用エッチング液。
【0011】(2) 前記気泡離脱剤は、アルコール性
水酸基を有する水溶性の物質である上記(1)に記載の
ガラス用エッチング液。
【0012】(3) 前記気泡離脱剤は、多価アルコー
ルである上記(2)に記載のガラス用エッチング液。
【0013】(4) 前記気泡離脱剤は、グリセリン、
エチレングリコールまたはイソプロピルアルコールのう
ちの少なくとも1つを含有するものである上記(2)に
記載のガラス用エッチング液。
【0014】(5) 前記気泡離脱剤の濃度が2〜50
重量%である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載
のガラス用エッチング液。
【0015】(6) 前記フッ酸の濃度が1〜40重量
%である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のガ
ラス用エッチング液。
【0016】(7) 前記フッ酸の濃度をC、前記気
泡離脱剤の濃度をCとしたとき、C:Cは、10
0:5〜100:2000である上記(1)ないし
(6)のいずれかに記載のガラス用エッチング液。
【0017】(8) pHが5以下である上記(1)な
いし(7)のいずれかに記載のガラス用エッチング液。
【0018】(9) 上記(1)ないし(8)のいずれ
かに記載のガラス用エッチング液を、ガラス基板に接触
させることによりエッチングを行なうことを特徴とする
エッチング方法。
【0019】(10) ガラス基板上に、シリコンまた
はシリコンの窒化物で構成されたマスク層を形成して、
前記ガラス用エッチング液を前記ガラス基板に接触させ
る上記(9)に記載のエッチング方法。
【0020】(11) 5〜60℃の温度条件下でエッ
チングを行なう上記(9)または(10)に記載のエッ
チング方法。
【0021】(12) 上記(9)ないし(11)のい
ずれかに記載のエッチング方法によりガラス基板に多数
の凹部を形成し、該凹部に前記ガラス基板より高い屈折
率の材料を充填することを特徴とするマイクロレンズ基
板の製造方法。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好適実施例に基づ
いて詳細に説明する。
【0023】本発明のエッチング液(ガラス用エッチン
グ液)は、ガラスを食刻し、フッ酸(HF)と、水と、
ガラス表面の気泡の離脱を促進させる気泡離脱剤とを含
有することを特徴とする。
【0024】本発明のエッチング液は、フッ酸を含有す
ることを第1の特徴とする。フッ酸は、ガラスを食刻す
る主用成分であり、これにより、本発明のエッチング液
は、ガラスを食刻することができる。したがって、フッ
酸の濃度を適宜選択することにより、ガラス基板のエッ
チングレート、すなわち、食刻の速度を調整することが
できる。なお、水は、例えば溶媒として機能する。
【0025】また、本発明のエッチング液は、ガラス基
板表面の気泡の離脱を促進させる気泡離脱剤(濡れ性改
善剤)を含有することを第2の特徴とする。
【0026】フッ酸によりガラスを食刻する場合、食刻
時に、フッ酸とガラスとが反応して、例えば水素ガス
(H)が発生する。この水素ガスは、気泡となって、
ガラスのエッチングされる部分、すなわち、エッチング
部に付着し、残存することがある。また、種々の要因に
より、ガラス基板のエッチング部には、気泡が付着する
場合がある。
【0027】かかる気泡が付着した部分では、気泡によ
り、エッチング液がガラスに十分接触せず、円滑な食刻
が阻害される。このため、気泡が付着した部分とそうで
ない部分とでは、ガラスの食刻される度合いに相違が生
じてしまう。その結果として、食刻された部位の表面、
すなわち、エッチング面が粗くなってしまう。
【0028】本発明者は、エッチング面を滑らかにすべ
く、エッチング液の組成等について鋭意研究を重ねた結
果、エッチング液に気泡離脱剤を添加することにより、
ガラス表面に対するエッチング液の濡れ性が向上し、ガ
ラスの表面から、円滑に気泡を離脱させることができる
ことを発見した。すなわち、本発明者は、エッチング液
に気泡離脱剤を含有させることにより、食刻時に、ガラ
スの表面から円滑に気泡を除去することができ、ひいて
は、エッチング面を非常に滑らかなものとすることがで
きることを発見した。
【0029】本発明者は、様々な物質について様々な角
度から実験、検討を重ねた結果、気泡離脱剤として種々
のものを発見した。その中でも優れた気泡離脱剤を列挙
すると、例えば、グリセリン、エチレングリコール、イ
ソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、sec
−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、エチルアルコ
ール、メチルアルコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロパングリコール等のアルコール類、ア
セトン、ジエチルケトン、エチルメチルケトン等のケト
ン類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオ
ンアルデヒド等のアルデヒド類、ジヒドロキシアセト
ン、グリセルアルデヒドなどを挙げることができる。
【0030】この中でも特に、気泡離脱剤としては、ア
ルコール性水酸基を有する水溶性の物質であることが好
ましい。本発明者は、上述したような各種気泡離脱剤の
中でも、アルコール性水酸基を有するものが、気泡の離
脱能に特に優れていることを発見した。また、気泡離脱
剤が水溶性であると、エッチング液へ気泡離脱剤を添加
し、含有させることが容易となる。
【0031】このようなアルコール性水酸基を有する水
溶性の物質としては、例えば、グリセリン、エチレング
リコール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコ
ール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、
エチルアルコール、メチルアルコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,3−プロパングリコール、ジヒド
ロキシアセトン、グリセルアルデヒドなどが挙げられ
る。
【0032】さらにその中でも、気泡離脱剤としては、
多価アルコールが最適である。エッチングは、ある程度
加熱条件下(例えば25℃以上)で行なわれることが多
い。かかる場合に、1価アルコールは、揮発しやすい場
合がある。一方、多価アルコールは、比較的揮発しにく
い。このため、気泡離脱剤として多価アルコールを用い
ると、エッチング中に気泡離脱剤が揮発し、気泡離脱剤
の濃度が減少することが抑制される。これにより、エッ
チング工程の最終段階まで、ガラス表面の気泡を非常に
好適に離脱させることができるようになる。
【0033】多価アルコールとしては、例えば、グリセ
リン、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコ
ール、1,3−プロパングリコールなどが挙げられる。
【0034】上述した種々の気泡離脱剤の中でも、気泡
離脱能、揮発性、取り扱い性、安全性等を総合して考慮
すると、グリセリン、エチレングリコールまたはイソプ
ロピルアルコールが、気泡離脱剤として、非常に優れた
特性を有している。
【0035】また、本発明者は、エッチング液中での気
泡離脱剤の好適な濃度についても、実験、検討を行なっ
た。その結果、本発明者は、気泡離脱剤の好適濃度範囲
として、2〜50重量%を見出した。さらにかかる範囲
内でも、5〜30重量%が最適であることを見出した。
すなわち、気泡離脱剤の濃度がこの範囲の下限値末満で
あると、エッチング液の気泡離脱能が低下し、フッ酸の
濃度、ガラス材料等によっては、エッチング面が滑らか
にならない場合がある。一方、気泡離脱剤の濃度がこの
範囲の上限値を超えると、フッ酸の濃度、ガラス材料等
によっては、エッチング効率が悪くなる場合がある。
【0036】また、本発明のエッチング液では、好適に
ガラスを食刻する観点から、フッ酸の濃度は、1〜40
重量%程度であることが好ましく、5〜25重量%程度
であることがより好ましい。フッ酸の濃度がこの範囲の
上限値を超えると、エッチング液に気泡除去剤を十分量
含有させることが困難となる場合がある。また、食刻速
度が速くなりすぎ、このため、気泡離脱剤の種類、含有
量によっては、食刻時に生成された気泡を離脱させきれ
ず、気泡がガラス表面に残存し、エッチング面が滑らか
とならない場合がある。一方、フッ酸の濃度がこの範囲
の下限値未満であると、ガラスの材料、種類、および、
気泡離脱剤の種類、含有量によっては、食刻速度が遅く
なりすぎ、エッチング効率が低下する場合がある。
【0037】また、本発明者は、フッ酸と気泡離脱剤の
好適な含有比についても見出した。すなわち、フッ酸と
気泡離脱剤の含有比は、エッチング液中のフッ酸の濃度
をC(重量%)、気泡離脱剤の濃度をC(重量%)
としたとき、C:Cは、100:5〜100:20
00程度とすることが好ましく、100:20〜10
0:500程度とすることがより好ましい。フッ酸と気
泡離脱剤の含有比がこの範囲内のとき、よりエッチング
面を滑らかとすることができる。
【0038】なお、エッチング液のpHは、5以下であ
ることが好ましく、2.5以下であることがより好まし
い。エッチング液のpHがこの値以下であると、より好
適にガラスを食刻することができる。
【0039】本発明のエッチング液は、例えば、石英ガ
ラス、ソーダライムガラス、アルカリアルミノシリケー
トガラス、多成分無アルカリガラス等、種々のガラス材
料に対して好適にエッチングを行うことができる。
【0040】なお、本発明のエッチング液は、上述した
気泡離脱剤を複数種類含有していてもよい。
【0041】また、本発明のエッチング液は、上述した
成分以外に、他の添加剤、例えば、フッ化アンモニウム
等の触媒(エッチング促進剤)、界面活性剤などを含有
していてもよい。
【0042】以下、本発明のエッチング液の使用方法、
すなわち、本発明のエッチング液を用いたエッチング方
法について、ガラス基板に多数の凹部を形成して、例え
ばマイクロレンズ基板に用いられる凹部付きガラス基板
を製造する場合を例に説明する。
【0043】まず、図1に示すように、母材として、例
えば朱加工のガラス基板5を用意する。このガラス基板
5には、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に
用いられる。また、ガラス基板5は、洗浄等により、そ
の表面が清浄化されているものが好ましい。
【0044】<1>まず、ガラス基板5の表面に、図1
(a)に示すように、マスク層6を形成する。また、こ
れとともに、ガラス基板5の裏面(マスク層6を形成す
る面と反対側の面)に裏面保護層69を形成する。
【0045】マスク層6の構成材料としては、例えば、
多結晶シリコン(ポリシリコン)、アモルファスシリコ
ン等のシリコン、窒化シリコン等のシリコンの窒化物な
どが、好適に用いられる。
【0046】本発明者は、上記エッチング液が、このよ
うなマスク材料を非常に食刻しにくい、すなわち、この
ような材料に対しては非常にエッチングレートが低いこ
とを発見した。したがって、このような材料でマスク層
6を構成し、さらに、本発明のエッチング液を用いてガ
ラス基板5を食刻すると、ガラス基板5を選択的に食刻
することができる。したがって、本発明のエッチング液
を用いると、このような材料でマスク層6を構成した場
合、後述するように、比較的薄い厚さでも、ガラス基板
5を保護することができる。
【0047】上述した中でも特に、マスク層6を構成す
る材料としては、多結晶シリコンが好ましい。多結晶シ
リコンでマスク層6を構成すると、ガラス基板5の表面
に緻密な層を形成することができる。このため、マスク
層6にピンホール等の欠陥が生じにくい。また、多結晶
シリコンは、ガラスに対する密着性が高い。このため、
本発明のエッチング液を用いてウエットエッチングを行
なった場合には、ガラス基板5とマスク層6との間の不
必要な部分にエッチング液が侵入しにくくなる。
【0048】マスク層6の厚さは、特に限定されない
が、0.01〜10μm程度が好ましく、0.2〜1μ
m程度がより好ましい。厚さがこの範囲の下限値未満で
あると、ガラス基板5を十分に保護できない場合があ
り、上限値を超えると、マスク層6の内部応力によりマ
スク層6が剥がれ易くなる場合がある。
【0049】マスク層6は、例えば、化学気相成膜法
(CVD法)等によると、好適に形成することができ
る。これは、化学気相成膜法によると、ガラス基板5の
表面付近で化学反応を行なわせて成膜することが可能と
なるため、ピンホール等の欠陥の発生を効果的に抑制す
ることができるうえ、緻密で密着力のある膜を形成でき
ることによる。
【0050】裏面保護層69は、次工程以降でガラス基
板5の裏面を保護するためのものである。この裏面保護
層69により、ガラス基板5の裏面の侵食、劣化等が好
適に防止される。この裏面保護層69は、例えば、マス
ク層6と同様の材料で構成されている。このため、裏面
保護層69は、マスク層6の形成と同時に、マスク層6
と同様に設けることができる。
【0051】<2>次に、図1(b)に示すように、マ
スク層6に、複数の開口61を形成する。
【0052】開口61は、凹部を形成する位置に設け
る。また、開口61の形状は、形成する凹部の形状に対
応している。
【0053】かかる開口61は、例えば次のように形成
することができる。まず、マスク層6上に、開口61に
対応したパターンを有するレジスト層(図示せず)を形
成する。次に、かかるレジスト層をマスクとして、マス
ク層6の一部を除去する。次に、前記レジスト層を除去
する。
【0054】なお、マスク層6の一部除去は、例えば、
CFガス、塩素系ガス等によるドライエッチング、フッ
酸+硝酸水溶液、アルカリ水溶液等の剥離液への浸漬
(ウエットエッチング)などにより行うことができる。
【0055】<3>次に、本発明のエッチング液を用い
てウエットエッチングを行ない、図1(c)に示すよう
に、ガラス基板5上に多数の凹部3を形成する。
【0056】このとき、ガラス基板5は、開口61より
等方的に食刻される。しかも、本発明のエッチング液
は、上述したような効果を有している。このため、開口
61が設けられた部分には、表面が非常に滑らかで、し
かも理想的なレンズ形状に近い凹部3が形成される。
【0057】ウエットエッチングを行う際の好適な温度
条件、すなわち、本発明のエッチング液を使用する際の
好適な温度範囲は、通常、5〜60℃程度、さらにその
中でも、25〜50℃程度とされる。本発明のエッチン
グ液をこの温度範囲内で使用すると、非常に好適にガラ
ス基板を食刻することができる。
【0058】なお、ウエットエッチングは、例えば、ガ
ラス基板5を本発明のエッチング液に浸漬すること、ガ
ラス基板5に本発明のエッチング液を噴射すること等に
より、本発明のエッチング液をガラス基板5に接触させ
て、行なうことができる。
【0059】エッチング液をガラス基板5に接触させる
時間、すなわち、エッチング時間は、凹部3がマイクロ
レンズの形成に用いられる場合には、10分〜12時間
程度が好ましく、1〜4時間程度がより好ましい。これ
により、より理想のレンズ形状に近い凹部3を形成する
ことかできる。
【0060】<4>次に、図1(d)に示すように、マ
スク層6を除去する。また、この際、マスク層6の除去
とともに裏面保護層69も除去する。
【0061】これは、例えば、フッ酸+硝酸水溶液、ア
ルカリ水溶液等の剥離液への浸漬(ウエットエッチン
グ)、CFガス、塩素系ガス等によるドライエッチング
などにより行うことができる。
【0062】これにより、図1(d)に示すように、ガ
ラス基板5の表面に多数の凹部3が形成された凹部付き
ガラス基板(マイクロレンズ用凹部付き基板)2が得ら
れる。
【0063】このようにして得られた凹部付きガラス基
板2の凹部3に、所定の屈折率、特にガラス基板5より
高い屈折率の材料(例えば樹脂(接着剤)など)を充填
することにより、マイクロレンズ4を形成することがで
きる。
【0064】例えば、ガラス基板5の凹部3が形成され
た面全体に、ガラス基板5より高い屈折率の未硬化の樹
脂(接着剤)9を設け、次いで、かかる樹脂9にガラス
層(カバーガラス)8を接合し、次いで、樹脂9を硬化
(固化)させることにより、図1(e)に示すように、
マイクロレンズ基板1を得ることができる。
【0065】なお、ガラス層8を接合後、必要に応じて
研削、研磨等を行ない、ガラス層8の厚さを調整しても
よい。
【0066】このようにして製造されたマイクロレンズ
基板1は、ガラス基板5に多数の凹部3が設けられた凹
部付きガラス基板2の凹部3が設けられた面に、樹脂
(樹脂層)9を介して、ガラス層8が接合された構成と
なっており、また、樹脂9では、凹部3内に充填された
樹脂によりマイクロレンズ4が形成されている。
【0067】以上、本発明のエッチング液の使用方法の
一例として、凹部付きガラス基板を製造する場合を例に
説明したが、本発明のエッチング液は、他の用途に使用
可能なことは言うまでもない。例えば、本発明のエッチ
ング液は、ガラスに溝を形成すること、ガラスの厚みを
調整することなどに用いることができる。
【0068】
【実施例】以下、特に断りのない限り、「%」は、重量
%を意味するものとする。
【0069】1.凹部付きガラス基板およびマイクロレ
ンズ基板の製造 [1.1]凹部付きガラス基板およびマイクロレンズ基
板の製造 [1.1.1]まず、本発明のエッチング液として、溶
媒として水、フッ酸10%、グリセリン10%の組成の
エッチング液(pH1)を調製した。
【0070】次に、かかるエッチング液を用いて、以下
のようにして、凹部付きガラス基板、さらには、マイク
ロレンズ基板を製造した。
【0071】まず、母材として、厚さが均一で、たわみ
や傷のない未加工の石英ガラス基板を用意した。次に、
この石英ガラス基板を85℃の洗浄液(80%硫酸+2
0%過酸化水素水)に浸漬して洗浄を行い、その表面を
清浄化した。
【0072】−1− 次に、この石英ガラス基板の表面
および裏面に、CVD法により、厚さ0.6μmの多結
晶シリコンの膜を形成した。
【0073】これは、石英ガラス基板を、600℃、8
0Paに設定したCVD炉内に入れ、SiHを300
mL/分の速度で供給することにより行なった。
【0074】−2− 次に、形成した多結晶シリコン膜
に、形成する凹部に対応した開口を、複数形成した。
【0075】これは、次のようにして行なった。まず、
多結晶シリコン膜上に、フォトレジストにより、形成す
る凹部のパターンを有するレジスト層を形成した。次
に、多結晶シリコン膜に対してCFガスによるドライエ
ッチングを行い、開口を形成した。次に、前記レジスト
層を除去した。
【0076】−3− 次に、調製した上記エッチング液
に石英ガラス基板を2時間浸漬して、ウエットエッチン
グを行い、石英ガラス基板上に多数の凹部(曲率半径1
0μm)を形成した。
【0077】ウエットエッチングは、温度を30℃に設
定して行なった。エッチングレートは、約5μm/hと
いう結果を得た。
【0078】−4− 次に、石英ガラス基板をテトラメ
チル水酸化アンモニウム水溶液(剥離液)に浸漬して、
表面および裏面に形成した多結晶シリコン膜を除去し
た。これにより、凹部付きガラス基板を得た。
【0079】−5− 次に、かかる凹部付きガラス基板
の凹部が形成された面に、紫外線(UV)硬化型エポキ
シ系の光学接着剤(屈折率1.60)を気泡なく塗布
し、次いで、かかる光学接着剤に石英ガラス製のカバー
ガラスを接合し、次いで、かかる光学接着剤に紫外線を
照射して光学接着剤を硬化させた。最後に、カバーガラ
スを研削、研磨して、マイクロレンズ基板を得た。
【0080】[1.1.2]まず、本発明のエッチング
液として、溶媒として水、フッ酸10%、エチレングリ
コール10%の組成のエッチング液(pH1)を調製し
た。
【0081】次に、かかるエッチング液を用いて、前記
と同様にして、凹部付きガラス基板、さらには、マイク
ロレンズ基板を製造した。
【0082】なお、上記−3−におけるエッチングレー
トは、約5μm/hという結果を得た。
【0083】[1.1.3]まず、本発明のエッチング
液として、溶媒として水、フッ酸10%、イソプロピル
アルコール10%の組成のエッチング液(pH1)を調
製した。
【0084】次に、かかるエッチング液を用いて、前記
と同様にして、凹部付きガラス基板、さらには、マイク
ロレンズ基板を製造した。
【0085】なお、上記−3−におけるエッチングレー
トは、約5μm/hという結果を得た。
【0086】[1.1.4]まず、本発明のエッチング
液として、溶媒として水、フッ酸10%、グリセリン1
0%の組成のエッチング液(pH1)を調製した。
【0087】次に、上記[1.1.1]の−1−におけ
る多結晶シリコンの膜を窒化シリコンの膜とし、−4−
における剥離液をリン酸水溶液とした以外は、上記
[1.1.1]と同様にして、凹部付きガラス基板、さ
らには、マイクロレンズ基板を製造した。なお、窒化シ
リコン膜は、低圧CVD法により成膜した。
【0088】なお、上記−3−におけるエッチングレー
トは、約5μm/hという結果を得た。
【0089】[1.2]評価上記工程−3−における気
泡の除去の有無について確認した。また、上記[1.
1.1]〜[1.1.4]で製造された各凹部付きガラ
ス基板について、形成された凹部の評価を行なった。ま
た、製造された各マイクロレンズ基板について、評価を
行なった。
【0090】[1.2.1]上記工程−3−の途中で適
宜、エッチング液に浸漬中の石英ガラス基板およびエッ
チング液を目視により観察した。
【0091】その結果、上記[1.1.1]〜[1.
1.4]のいずれのエッチング液においても、気泡は石
英ガラス基板表面に付着することなく、石英ガラス基板
表面から円滑に離脱していることが確認された。
【0092】[1.2.2]上記工程−4−を終了後、
各凹部付きガラス基板の表面を、走査型電子顕微鏡(株
式会社日立製作所製「S−4500」)で、それぞれ観
察した。
【0093】その結果、いずれの凹部付きガラス基板に
ついても、きれいな半球状の凹部が形成されており、ま
た、かかる凹部の表面は、非常に滑らかであり、凹凸等
は確認されなかった。
【0094】[1.2.3]製造された各マイクロレン
ズ基板に、それぞれ、凹部付きガラス基板側から光を入
射させて、光を透過させたところ、いずれのマイクロレ
ンズ基板でも、各マイクロレンズが形成された部位から
明るい光が出射されるのが確認された。
【0095】さらに、各マイクロレンズ基板について、
カバーガラスのマイクロレンズに対応した位置に開口が
設けられた遮光膜(Cr膜)、すなわち、ブラックマト
リックスを形成した。そして、これら各ブラックマトリ
ックス付きマイクロレンズ基板について、それぞれ、凹
部付きガラス基板側から光を入射させて、光を透過させ
た。
【0096】その結果、これらのブラックマトリックス
付きマイクロレンズ基板のマイクロレンズ形成領域にお
ける光透過率は、上記[1.1.1]では87%、上記
[1.1.2]では85%、上記[1.1.3]では8
5%、上記[1.1.4]では84%であった。
【0097】2.気泡離脱剤の濃度と、エッチングレー
トおよびエッチング面の滑らかさとの関係以下のように
して、気泡離脱剤の濃度とエッチングレートとの関係に
ついて調べた。さらには、製造された凹部付きガラス基
板について、エッチング面の滑らかさについても調べ
た。
【0098】グリセリンの濃度を、それぞれ、2、5、
10、15、20、30、40、50%に調製したエッ
チング液を用意した。また、比較例として、グリセリン
濃度が0%のエッチング液、すなわち、単なるフッ酸水
溶液を用意した。なお、これらのエッチング液では、溶
媒は水、フッ酸の濃度は、全て10%に統一した。ま
た、これらのエッチング液のpHは、いずれもほぼ1で
あった。
【0099】次に、これらのエッチング液を用いて、前
記[1.1.1]と同様にして、凹部付きガラス基板
を、それぞれ製造した。
【0100】このとき、上記工程−3−の途中で適宜、
エッチング液に浸漬中の石英ガラス基板およびエッチン
グ液を目視により観察した。その結果を下記表1に示
す。なお、表では、石英ガラス基板表面に気泡が付着す
ることなく、石英ガラス基板表面から円滑に離脱してい
ることが確認されたものを「○」、また、気泡が石英ガ
ラス基板表面から円滑に離脱していなかったものを
「×」とした。
【0101】
【表1】
【0102】図2に、グリセリン濃度とエッチングレー
トとの相関を示す。ここでのエッチングレートとは、前
記工程−3−を行った際のエッチングレートである。
【0103】また、得られた各凹部付きガラス基板の表
面を、走査型電子顕微鏡を用い、前記[1.2.2]と
同様にして、観察した。その結果を、併せて前記表1に
示す。なお、表1では、石英ガラス基板上にきれいな半
球状の凹部が形成され、かかる凹部の表面が非常に滑ら
かで、かつ、特に凹凸等が確認されなかったものを
「○」、また、凹部の表面が滑らかでなく、凹凸模様が
観察されたものを「×」とした。
【0104】図3に、グリセリン濃度が15%のエッチ
ング液を用いて製造した凹部付きガラス基板の、凹部が
形成された面の走査型電子顕微鏡写真を示す。なお、他
のグリセリン濃度のエッチング液を用いて製造した凹部
付きガラス基板も、かかる写真のものと同様に、凹部の
表面が非常に滑らかであった。なお、倍率は3万倍であ
る。
【0105】さらに、グリセリン濃度が0%のエッチン
グ液を用いて製造した凹部付きガラス基板の、凹部か形
成された面の走査型電子顕微鏡写真を、図4に示す。な
お、倍率は4万倍である。
【0106】表1および図2、3からも分かるように、
本発明のエッチング液は、気泡離脱剤の濃度が2〜50
%のときに、高いエッチングレートを維持しつつ、しか
も、気泡の離脱をより効率よく行なえ、エッチング面を
より滑らかなものとすることができるといえる。また、
気泡離脱剤の濃度が5〜30%のときに、より高いエッ
チングレート等が得られるといえる。
【0107】さらに、気泡離脱剤をエチレングリコー
ル、さらには、イソプロピルアルコールに置換して、上
記と同様の実験を行なった。なお、これらのエッチング
液のpHは、いずれもほぼ1であった。
【0108】これらの結果についても、併せて表1およ
び図2に示す。なお、得られた各凹部付きガラス基板の
表面を前記と同様にして走査型電子顕微鏡で観察したと
ころ、図3に示す写真のものと同様に、凹部の表面が非
常に滑らかであった。
【0109】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、エ
ッチング面を滑らかなものとすることができるガラス用
エッチング液を提供することができる。
【0110】また、本発明によれば、ガラス基板を好適
にエッチングできるエッチング方法を提供することがで
きる。
【0111】さらには、本発明によれば、理想的なレン
ズ形状に近く、非常にレンズ曲面が滑らかな凹部付きガ
ラス基板、さらには、マイクロレンズ基板を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガラス用エッチング液を用いて、凹
部付きガラス基板、さらには、マイクロレンズ基板を製
造する方法を説明するための図である。
【図2】 気泡離脱剤の濃度と、ガラス基板のエッチン
グレートとの相関を示すグラフである。
【図3】 走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図4】 走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【符号の説明】
1 マイクロレンズ基板 2 凹部付きガラス基板 3 凹部 4 マイクロレンズ 5 ガラス基板 6 マスク層 61 開口 69 裏面保護層 8 ガラス層 9 樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 秀人 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株 式会社内 Fターム(参考) 4F213 AC05 AD04 AD08 AD24 AF01 AH74 AJ06 AJ08 WA02 WA52 WA85 WB01 WC02 4G059 AA01 AC01 BB04 BB16 BB17 5F043 AA37 BB25 BB28 DD07 DD10 DD30 GG10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスを食刻するガラス用エッチング液
    であって、 フッ酸と、水と、ガラス表面に生じた気泡の離脱を促進
    させる気泡離脱剤とを含有することを特徴とするガラス
    用エッチング液。
  2. 【請求項2】 前記気泡離脱剤は、アルコール性水酸基
    を有する水溶性の物質である請求項1に記載のガラス用
    エッチング液。
  3. 【請求項3】 前記気泡離脱剤は、多価アルコールであ
    る請求項2に記載のガラス用エッチング液。
  4. 【請求項4】 前記気泡離脱剤は、グリセリン、エチレ
    ングリコールまたはイソプロピルアルコールのうちの少
    なくとも1つを含有するものである請求項2に記載のガ
    ラス用エッチング液。
  5. 【請求項5】 前記気泡離脱剤の濃度が2〜50重量%
    である請求項1ないし4のいずれかに記載のガラス用エ
    ッチング液。
  6. 【請求項6】 前記フッ酸の濃度が1〜40重量%であ
    る請求項1ないし5のいずれかに記載のガラス用エッチ
    ング液。
  7. 【請求項7】 前記フッ酸の濃度をC、前記気泡離脱
    剤の濃度をCとしたとき、C:Cは、100:5
    〜100:2000である請求項1ないし6のいずれか
    に記載のガラス用エッチング液。
  8. 【請求項8】 pHが5以下である請求項1ないし7の
    いずれかに記載のガラス用エッチング液。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載のガ
    ラス用エッチング液を、ガラス基板に接触させることに
    よりエッチングを行なうことを特徴とするエッチング方
    法。
  10. 【請求項10】 ガラス基板上に、シリコンまたはシリ
    コンの窒化物で構成されたマスク層を形成して、前記ガ
    ラス用エッチング液を前記ガラス基板に接触させる請求
    項9に記載のエッチング方法。
  11. 【請求項11】 5〜60℃の温度条件下でエッチング
    を行なう請求項9または10に記載のエッチング方法。
  12. 【請求項12】 請求項9ないし11のいずれかに記載
    のエッチング方法によりガラス基板に多数の凹部を形成
    し、該凹部に前記ガラス基板より高い屈折率の材料を充
    填することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方
    法。
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