JP2000281441A - 誘電体薄膜 - Google Patents

誘電体薄膜

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JP2000281441A
JP2000281441A JP11089967A JP8996799A JP2000281441A JP 2000281441 A JP2000281441 A JP 2000281441A JP 11089967 A JP11089967 A JP 11089967A JP 8996799 A JP8996799 A JP 8996799A JP 2000281441 A JP2000281441 A JP 2000281441A
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thin film
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dielectric thin
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Tsuneo Mishima
常雄 見島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高誘電率の誘電体薄膜を提供する。 【解決手段】 本発明の誘電体薄膜は、金属元素として
Pb、Mg、Nb、TiおよびZrを含むペロブスカイ
ト型複合酸化物と金属元素としてPb、Mg、Nb、T
iおよびZrを含むパイロクロア型複合酸化物からなる
誘電体薄膜であって、ペロブスカイト型複合酸化物の体
積割合が95%以上であり、残りがペロブスカイト型複
合酸化物であり、パイロクロア粒子2の粒径が0.05
μm 以下でペロブスカイト粒子1の粒径が0.5μm 以
上であり、ペロブスカイト粒子の隙間を微粒のパイロク
ロア粒子2が埋めるような微構造を有する誘電体薄膜で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は誘電体薄膜に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、2種以上の金属からなる複合
ペロブスカイト酸化物、特にPb(Mg1/3 Nb2/3
3 (以下、PMNという)は室温で大きな比誘電率を
有するため、コンデンサ材料として有用であることが知
られている。
【0003】このようなPMN焼結体として、従来、P
bO粉末とMgCO3 粉末とNb2O5 粉末とを一括して
混合粉砕し、焼結する固相焼結法が知られている。
【0004】しかしながら、このような一括して混合粉
砕する固相焼結によるPMN焼結体の作製では、ほぼペ
ロブスカイト単相からなる焼結体を得るのは困難であ
り、低温で安定なパイロクロア相が生成し易くなる。ま
た生成したパイロクロア相はペロブスカイト相に比較し
て比誘電率が低いため、結果としてPMN焼結体の比誘
電率が低くなり、コンデンサ材料として不適当な場合が
多かった。
【0005】このため、固相焼結法では、MgNb酸化
物(MgNb2 6 )とPb原料、およびTi原料を反
応させるコランバイト法による合成が行われている。
【0006】この方法によれば、ほぼペロブスカイト単
相の焼結体を得ることが可能となり、比誘電率を150
00以上とすることができる。
【0007】近年、電子機器の小型、薄形化に伴い、電
子部品の小型化,薄膜化が要求されている。特に受動部
品であるコンデンサの小型、薄形化は必須となってい
る。そして、PMN等の高誘電率材料を薄膜化し、薄膜
コンデンサに応用しようとされているが、従来の固相焼
結法では膜厚はせいぜい10μm程度であった。
【0008】また薄膜においても固相焼結法による焼結
体と同様、低温で安定なパイロクロア相が生成し易く、
ほぼペロブスカイト単相からなる膜を得るのが困難とな
り、コンデンサ材料として不適当な場合が多い。特に薄
膜化する場合、下部電極との格子の不整合および化学結
合の相違等でパイロクロア相が生成し易いという問題が
ある言われており(例えば、特開平6−57437号公
報参照)、パイロクロア相の少ないペロブスカイト単相
のPMN薄膜を得るのが困難であった。
【0009】これらのパイロクロア相生成の問題を解決
する手法として、ゾルゲル法で作製されたPMN薄膜に
おいては、急速昇温焼成(特開平2−177521号公
報参照)やシーディング法(特開平6−57437号公
報参照)等の種々の手法が提案されており、ペロブスカ
イト単相に近いPMN薄膜が得られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
で作製したペロブスカイト率の高い誘電体薄膜において
もバルク材料に比べて比誘電率が低い問題があった。
【0011】本発明者等は、上記課題の解決方法を鋭意
検討した結果、ペロブスカイト粒子中に空隙やパイロク
ロア粒子の析出を有効に抑えることができ、しかも、パ
イロクロア粒子を微粒にして、ペロブスカイト粒子の粒
界中に存在させることにより、比誘電率が著しく改善さ
れる誘電体薄膜を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の誘電体薄膜は、
金属元素としてPb、Mg、Nb、TiおよびZrを含
むペロブスカイト型複合酸化物と、金属元素としてP
b、Mg、Nb、TiおよびZrを含むパイロクロア型
複合酸化物から成り、平均粒径0.5μm以上のペロブ
スカイト粒子の粒界に、平均粒径0.05μm以下のパ
イロクロア粒子が存在し、且つ前記ペロブスカイト型複
合酸化物が95体積%以上である。
【0013】また、前記金属元素酸化物のモル比による
組成式を(1−x−y)Pba (Mgb/3 Nb2/3 )O
3 ・xPba TiO3 ・yPbaZrO3 と表した時、
前記x、y、aおよびbの値が 0<x≦0.10 0<y≦0.20 1.10≦a≦1.30 1≦b≦1.15 を満足する誘電体薄膜である。
【0014】
【作用】本発明によれば、誘電体薄膜(膜厚0.4〜
2.0μm)中、ペロブスカイト型複合酸化物の体積割
合が95%以上であり、残りがパイロクロア型複合酸化
物である。しかも、パイロクロア粒子の平均粒径が0.
05μm 以下でペロブスカイト粒子の平均粒径が0.5
μm 以上であり、ペロブスカイト粒子の隙間を微粒のパ
イロクロア粒子が埋めるような構造を持ち、パイロクロ
ア粒子はペロブスカイト粒子中には存在しない誘電体薄
膜である。
【0015】これにより、比誘電率低下の原因となるパ
イロクロア粒子は存在するものの、ペロブスカイト相が
材料中の95体積%以上を占めるため比誘電率の低下を
有効に抑えることができる。
【0016】尚、ペロブスカイト粒子の粒界に存在する
パイロクロア粒子は、ペロブスカイト粒子の隙間(空
隙)を埋めるものであり、これにより、機械的な強度を
高めるように作用している。
【0017】本発明の誘電体薄膜でペロブスカイト相が
95体積%以上としているのは、ペロブスカイト相が減
ると誘電率の低下してしまうためである。また、ペロブ
スカイト相が減り、パイロクロア相が増えると、パイロ
クロア相がペロブスカイト相内に存在する傾向があり、
比誘電率を低下させてしまうのでペロブスカイト相が9
5体積%以上である必要がある。ペロブスカイト粒子は
誘電率向上のために粒径0.5μm 以上である必要があ
る。
【0018】また、パイロクロア相の粒径を0.05μ
m 以下としているのはパイロクロア粒子が大きくなると
ペロブスカイト粒子の隙間を埋めることができないから
である。
【0019】実際には、(1−x−y)Pb(Mgb/3
Nb2/3 )O3 ・xPba TiO3・yPba ZrO3 にお
いて、x、y、a及びbの値を規定することが重要とな
る。
【0020】Pba TiO3 量を示すx値及びPba
rO3 量を示すy値をそれぞれ0.1および0.2以下
としたのは、それよりも多くなると、室温での比誘電率
が低くなるからである。
【0021】また、a値を1.10〜1.30としたの
は、a値が1.10未満の場合には、ペロブスカイト相
の生成を左右するものであり、ペロブスカイト相の生成
率が低下してしまい、その結果、比誘電率が低下する。
また、aの値を大きくなると、ペロブスカイト相の生成
率が向上するものの、1.30を越えると、ペロブスカ
イト粒子の粒界に、低誘電率のPbOが粒界に析出し
て、比誘電率が低下するからである。
【0022】さらに、bを1〜1.15としたのは、b
が1よりも小さい場合や1.15よりも大きい場合に
は、安定したペロブスカイト相の生成ができなくなり、
その結果、比誘電率が低下する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体薄膜は、Pb、M
g、Nb、TiおよびZrを含むペロブスカイト型複合
酸化物と金属元素としてPb、Mg、Nb、Tiおよび
Zrを含むパイロクロア型複合酸化物から成る誘電体薄
膜である。
【0024】そして、平均粒径0.5μm以上のペロブ
スカイト粒子の粒界に、平均粒径0.05μm以下のパ
イロクロア粒子に存在して、前記ペロブスカイト型複合
酸化物が全誘電体薄膜中95体積%以上となっている。
【0025】このような、誘電体薄膜は、下部電極が形
成された絶縁基板上に、誘電体薄膜となる塗布溶液をス
ピンコート法、ディップコート法、スプレー法等の手法
により塗布し、360から400℃の間の温度で熱処理
し、これを所定回数繰り返し所定膜厚のゲル膜を形成
し、800℃〜875℃で焼成を行い誘電体薄膜を形成
する。その後、誘電体薄膜上に上部電極を形成する。
【0026】上述の焼成処理された誘電体薄膜の膜厚は
2μm以下とすることが望ましい。
【0027】例えば、焼成処理された誘電体薄膜の膜厚
が2μm以上とすると工程数が増加し、また、コンデン
サを構成した場合、誘電体薄膜を挟持する電極間距離が
大きくなり、容量が小さくなるからである。
【0028】上述の誘電体薄膜の製造方法について詳細
に説明する。
【0029】先ず、塗布溶液としてPb、Mg、Nb、
TiおよびZrの有機金属化合物が均一に溶解した前駆
体溶液を調製する。
【0030】次に、Mg及びNbの有機酸塩、無機塩、
アルコキシドから選択される少なくとも1種のMg化合
物、Nb化合物をMg:Nb=b:2(1≦b≦1.1
5)のモル比でR1OH、R2 OC2 4 OH、R3 C
OOH(R1 、R2 、R3 :炭素数1以上のアルキル
基)で示される溶媒に混合する。混合後、所定の操作を
行い、IRスペクトルにおいて656cm-1付近に吸収
を有し、他の求核性の有機金属化合物の存在下において
も安定なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合アル
コキシド分子を合成する。IRスペクトルにおいて65
6cm-1付近に吸収を有するMgNb複合アルコキシド
分子を得るには、以下のような方法がある。
【0031】第1の方法として、MgおよびNbのアル
コキシド原料を溶媒に混合し、溶媒の沸点まで溶液の温
度を上昇させ、例えば酸等の触媒の共存下で還流操作を
行うことにより、分子内での脱エーテル反応を促進する
方法。
【0032】第2の方法として、上記のようにMgおよ
びNbのアルコキシド原料を溶媒に混合し、溶媒の沸点
まで溶液の温度を上昇させ、還流操作による複合化を行
った後、無水酢酸、エタノールアミン、アセチルアセト
ン等に代表される安定化剤を添加する方法。
【0033】第3の方法として、Mgのカルボン酸塩と
Nbのアルコキシドとの還流操作により、分子内での脱
エステル反応を促進する方法。
【0034】第4の方法として、Mgの水酸化物とNb
のアルコキシド、あるいはMgのアルコキシドとNbの
水酸化物の還流操作により、分子内での脱アルコール反
応を促進する方法。
【0035】第5の方法しとて、鉛前駆体の求核性を小
さくする為、前述の無水酢酸,エタノールアミン、アセ
チルアセトン等の安定化剤を添加する方法。
【0036】以上のいずれかの手法を用いる事により、
他の求核性有機金属化合物の存在下においても安定なM
g−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分
子を合成できる。
【0037】これらのうちでも、第2の方法である還流
操作後に安定化剤を添加する方法が最も望ましい。
【0038】また、合成した上記MgNb複合アルコキ
シド溶液に水と溶媒の混合溶液を滴下し、部分加水分解
を行い、前述のMgNb複合アルコキシドが重縮合した
MgNbゾルを形成させる。部分加水分解とは、分子内
のアルコキシル基の一部を水酸基と置換し、置換された
分子内での脱水、あるいは脱アルコール反応により、重
縮合させる方法である。
【0039】次に、鉛(Pb)の有機酸塩、無機塩、ア
ルコキシドから選択される少なくとも1種の鉛化合物を
R1 OH、R2 OC2 4 OH、R3 COOH(R1 、
R2、R3 :炭素数1以上のアルキル基)で示される溶
媒に混合する。この時、鉛化合物が結晶水を含む場合に
は、作製したPb前駆体溶液中に水が存在しないように
脱水処理する。
【0040】作製したPb前駆体溶液とMgNb複合ア
ルコキシド溶液、あるいはMgNbゾルをPb:(Mg
+Nb)=a:1(1.10≦a≦1.30)のモル比
で混合し、PMN前駆体溶液とする。
【0041】ZrまたはTiの有機酸塩、アルコキシド
等から選択される1種のZrまたはTi化合物と前述し
たPb前駆体溶液とをPb:ZrまたはTi=a:1
(1.10≦a≦1.30)のモル比で混合した後、還
流操作を行いPZまたはPT前駆体溶液を合成する。
【0042】前述のPMN前駆体溶液とPZまたはPT
前駆体溶液をモル比でPMN:PZまたはPT=(1−
x):xとなる様に混合し、(1−x)PMN−xPZ
またはPT前駆体溶液とする。
【0043】または、ZrまたはTiの有機酸塩、アル
コキシド等から選択される1種のZrまたはTi化合物
をR1 OH、R2 OC2 4 OH、R3 COOH(R1
、R2 、R3 :炭素数1以上のアルキル基)で示され
る溶媒に混合し、ZrまたはTi溶液を作製する。作製
したZrまたはTi溶液をMgNb複合アルコキシド溶
液、あるいはMgNbゾルと混合した後、アセチルアセ
トン等のキレート剤をMg−Nb溶液の金属量の0.5
倍量以上加え、混合する。
【0044】作製したPb前駆体溶液もしくは酢酸Pb
・3水和物のような鉛(Pb)の有機酸塩と混合し、
(1−x)PMN−xZrまたはTi前駆体溶液とす
る。
【0045】このようして作製した塗布溶液を、基板上
にスピンコート法、ディップコート法、スプレー法等の
手法により成膜する。
【0046】成膜後、360から400℃の間の温度、
例えば380℃で1分間熱処理(パイロリシス)を行
い、膜中に残留した有機物を燃焼させ、ゲル膜とする。
尚、1回の膜厚は0.1μm以下が望ましい。
【0047】成膜−熱処理を所定の膜厚になるまで繰り
返した後、800℃〜875℃で焼成を行い、本発明の
結晶質の誘電体薄膜が作製される。
【0048】
【実施例】MgエトキシドとNbエトキシドを1.0
5:2のモル比で秤量し、2−メトキシエタノール中で
還流操作(130℃で17時間)を行い、1M(mol
/l)濃度のMgNb複合アルコキシド溶液を合成し
た。
【0049】IRスペクトルにおいて、656cm-1
近にMg−O−Nb結合による吸収が見られた。次にT
iプロポキシドを2−メトキシエタノールに室温で溶解
し、1M濃度のTi溶液を作製した。同様にZrプロポ
キシドを2−メトキシエタノールに室温で溶解し、1M
濃度のZr溶液を作製した。1M濃度のZrおよびTi
溶液を、MgNb複合アルコキシド溶液に、(Mg+N
b):Ti:Zr=1−x−y:x:yの比率で混合
し、その後、アセチルアセトンをMgーNb溶液の全金
属量の1倍量添加後、室温で10分間撹拌し、安定化さ
せた。酢酸鉛・3水和物と2−メトキシエタノールをM
g−Nb―Ti―Zr溶液にPb:(Mg+Nb+Ti
+Zr)=1.2:1となるように混合し、1時間室温
で撹拌する事により、1M濃度のPb1.20(Mg1.05/3
Nb2/3 )1-X Tix Zry 3 前駆体溶液を合成し
た。
【0050】電極となるPt(111)が650℃でス
パッタ蒸着されたサファイア単結晶基板上の上記Pt電
極の表面に、前記塗布溶液をスピンコーターで塗布し、
乾燥させた後、380℃で熱処理を1分間行い、ゲル膜
を作製した。
【0051】塗布溶液の塗布−熱処理の操作を10回繰
り返した後、830℃で0.5分間(大気中)の急速昇
温焼成を行い、膜厚0.80μmのPb1.20(Mg
1.05/3Nb2/3 )1-X Tix Zry 3 薄膜を得た。
【0052】得られた薄膜のTEM観察結果より、イン
ターセプト法を用いてペロブスカイト生成率を計算する
と約96体積%であった。
【0053】また、同じくインターセプト法により、ペ
ロブスカイト粒子の粒径は0.5μm以上であり、パイ
ロクロア粒子の粒径は0.05μm以下であった。その
TEM観察によるイメージ図を図1に示した。尚、図に
おいて、1はペロブスカイト結晶粒子を示し、2はパイ
ロクロア粒子である。
【0054】さらに各種の組成を変更し(成膜条件は同
一)の誘電体薄膜を作製し、比誘電率を測定し、表1に
まとめた。
【0055】
【表1】
【0056】表1において、試料番号1では、Xの値が
0、即ち、一般式Pba (Mgb/3Nb2/3 )O3 ・x
Pba TiO3 ・yPba ZrO3 のPbTiO3 が存
在しない。この場合、ペロブスカイト生成率が低下し、
その結果、誘電率が低下してしまう。
【0057】また、試料番号5では、Xの値が0.1を
越えて例えば0.15であり、PbTiO3 が過剰に存
在する。この場合、キュリー点Tcが高温側に移動する
ため、その結果、室温での誘電率が低下してしまう。
【0058】また、試料番号6では、Yの値が0、即
ち、一般式Pba (Mgb/3 Nb2/3)O3 ・xPba
TiO3 ・yPba ZrO3 のPbZrO3 が存在しな
い。この場合、試料番号9の誘電率5710をピークと
して、Yの値の減少により誘電率が低下し、Yの値で
は、誘電率が4000未満となってしまう。
【0059】また、試料番号10では、Yの値が0.2
を越えて、例えば0.25であり、PbZrO3 が過剰
に存在する。この場合、キュリー点Tcが高温側に移動
するため、その結果、室温での誘電率が低下してしま
う。
【0060】また、試料番号11、12、19では、a
の値が1.10未満である。即ち、Pba (Mgb/3
2/3 )O3 ・xPba TiO3 ・yPba ZrO3
Pb成分が相対的に少ない場合である。この場合、ペロ
ブスカイトの生成率が低下し、その結果、誘電率が低下
してしまう。
【0061】さらに、試料番号18、25では、aの値
が1.30を越えて、例えば1.35であり、Pb成分
が過剰となっている。この場合、パイロクロアは存在認
められなかったものの、PbOが存在するために、誘電
率が4000未満となってしまう。
【0062】また、試料番号26では、bの値が1.0
0未満である。即ち、Mgが成分が少ない場合である。
この場合、ペロブスカイトの生成率が低下し、その結
果、誘電率が低下してしまう。
【0063】逆に試料番号29では、bの値が1.15
を越えて、例えば1.17であり、Mg成分が過剰とな
っている。この場合、MgO粒子が析出し、その結果、
誘電率が低下してしまう。
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明では、金属元素とし
てPb、Mg、Nb、TiおよびZrを含むペロブスカ
イト型複合酸化物と金属元素としてPb、Mg、Nb、
TiおよびZrを含むパイロクロア型複合酸化物から成
る誘電体薄膜であって、平均粒径0.5μm以上のペロ
ブスカイト粒子の粒界に、平均粒径0.05μm以下の
パイロクロア粒子に存在して、前記ペロブスカイト型複
合酸化物が全誘電体薄膜中95体積%以上となってい
る。
【0065】これより、パイロクロア相がペロブスカイ
ト相内に内在することがなく、安定的にペロブスカイト
粒子の粒界にパイロクロア粒子が存在する。
【0066】これにより、誘電体薄膜中に、低誘電率の
パイロクロアの影響を有効に抑えることができ、その結
果、4000以上の誘電率が達成できる。
【0067】また、ペロブスカイト粒子の隙間に埋ま
り、誘電体薄膜の機械的な強度を高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体薄膜のそのTEM観察による断
面概略図である。
【符号の説明】
1・・・・ペロブスカイト粒子 2・・・パイロクロア粒子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属元素としてPb、Mg、Nb、Ti
    およびZrを含むペロブスカイト型複合酸化物と、金属
    元素としてPb、Mg、Nb、TiおよびZrを含むパ
    イロクロア型複合酸化物から成り、 平均粒径0.5μm以上のペロブスカイト粒子の粒界
    に、平均粒径0.05μm以下のパイロクロア粒子が存
    在し、且つ前記ペロブスカイト型複合酸化物が95体積
    %以上であることを特徴とする誘電体薄膜。
  2. 【請求項2】 前記金属元素酸化物のモル比による組成
    式を(1−x−y)Pba (Mgb/3 Nb2/3 )O3
    xPba TiO3 ・yPbaZrO3 と表した時、 前記x、y、aおよびbの値が 0<x≦0.10 0<y≦0.20 1.10≦a≦1.30 1≦b≦1.15 を満足する請求項1の誘電体薄膜。
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