JP2000281636A - 活性メチレン置換アレーン誘導体の製造方法 - Google Patents

活性メチレン置換アレーン誘導体の製造方法

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JP2000281636A
JP2000281636A JP11082329A JP8232999A JP2000281636A JP 2000281636 A JP2000281636 A JP 2000281636A JP 11082329 A JP11082329 A JP 11082329A JP 8232999 A JP8232999 A JP 8232999A JP 2000281636 A JP2000281636 A JP 2000281636A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便にして高収率な活性メチレン置換アレー
ン化合物の製造方法、特に、1,4ービス(ジシアノメ
チル)ベンゼン誘導体の製造方法を提供する。 【解決手段】 活性メチレン化合物とアリールハライド
を、塩基と[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロ
セン]パラジウム(II)クロライド触媒の存在下で縮
合させて、活性メチレン置換アレーン化合物を合成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性メチレン置換
アレーン化合物の製造方法に関する。特に、有機電導体
分野で用いられる電子受容体であるテトラシアノキノジ
メタン(TCNQ)誘導体中間体として重要な素材であ
る1,4ービス(ジシアノメチル)ベンゼン誘導体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電荷移動錯体を用いた有機電導体
の研究開発が活発に行われている。特に、電子受容体と
して、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)およびこ
れらの誘導体が用いられている。これらTCNQ誘導体
の合成は、Tetrahedron Lett.,2
6,1553(1985)に記載されているように中間
体として1,4ービス(ジシアノメチル)ベンゼン誘導
体を経由して合成される。1,4ービス(ジシアノメチ
ル)ベンゼン誘導体は、対応するジヨード体を触媒量の
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロ
ライド存在下、マロノニトリルと縮合させることにより
合成されるが、一般的にジヨード体は合成が難しい。一
方、安価で合成の簡便なジブロモ体を触媒量のビス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド存
在下マロノニトリルと縮合させても1,4ービス(ジシ
アノメチル)ベンゼン誘導体は得られず、TCNQ誘導
体の合成条件として慣用するための工業的製造方法とし
ては、汎用性や経済性の面で問題を含んでいるのが現状
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の方法における製造の汎用性や経済性に関する上記の問
題点を排除し、簡便にして高収率な活性メチレン置換ア
レーン化合物の製造方法、特に、1,4ービス(ジシア
ノメチル)ベンゼン誘導体の製造方法を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の本発
明を特定する事項およびその好ましい態様によって達成
された。 (1) 下記一般式(I)で表される活性メチレン化合
物と一般式(II)で表されるアリールハライドを、塩基
と[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パ
ラジウム(II)クロライド触媒の存在下で縮合させて、
一般式(III)で表される活性メチレン置換アレーン化
合物を合成することを特徴とする活性メチレン置換アレ
ーン化合物の製造方法。
【0005】
【化6】
【0006】[式中、XおよびYは各々独立にハメット
のσp値が0.2以上の置換基を表す。]
【0007】
【化7】
【0008】[式中、R1はハロゲン原子を表し、R2
置換基を表す。mは1以上6以下の整数を表し、nは0
以上5以下の整数を表し、m+n≦6である。mが2以
上のときは、R1は同じでも異なってもよい。nが2以
上のときは、R2は同じでも異なってもよく、R2同士で
連結して不飽和縮合環を形成してもよい。]
【0009】
【化8】
【0010】[式中、X、Y、R2およびmは、一般式
(I)および(II)と同義である。] (2) R2が、ハメットのσp値が0以下の置換基であ
る上記(1)の活性メチレン置換アレーン化合物の製造
方法。 (3) m=2である上記(1)または(2)の活性メ
チレン置換アレーン化合物の製造方法。 (4) 活性メチレン化合物がマロノニトリルであり、
かつ、アリールハライドが下記一般式(IV)で表される
化合物であって、下記一般式(V)で表される化合物を
合成する上記(1)または(2)の活性メチレン置換ア
レーン化合物の製造方法。
【0011】
【化9】
【0012】[式中、R1、R2およびnは一般式(II)
と同義である。]
【0013】
【化10】
【0014】[式中、R2およびnは一般式(II)と同
義である。] (5) R1が臭素原子または沃素原子である上記
(1)〜(4)のいずれかの活性メチレン置換アレーン
化合物の製造方法。 (6) 塩基が水素化ナトリウムまたはアルカリ金属ア
ルコキシドである上記(1)〜(5)のいずれかの活性
メチレン置換アレーン化合物の製造方法。 (7) R1が臭素原子であり、塩基が水素化ナトリウ
ムである上記(1)〜(4)のいずれかの活性メチレン
置換アレーン化合物の製造方法。 (8) R1が沃素原子であり、塩基がアルカリ金属ア
ルコキシドである(1)〜(4)に記載の活性メチレン
置換アレーン化合物の製造方法。 (9) [1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセ
ン]パラジウム(II)クロライドの触媒量がアリールハ
ライドの0.01モル%以上100モル%以下である上
記(1)〜(8)のいずれかの活性メチレン置換アレー
ン化合物の製造方法。 (10) [1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロ
セン]パラジウム(II)クロライドの触媒量がアリール
ハライドの1モル%以上10モル%以下である上記
(1)〜(8)のいずれかの活性メチレン置換アレーン
化合物の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細を説明する。
本発明の要点は、活性メチレン化合物とアリールハライ
ドを、塩基と触媒量の[1,1-ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)フェロセン]パラジウム(II)クロライドの存在下
で縮合させて、活性メチレン置換アレーン化合物を合成
する点にある。活性メチレン化合物としては下記一般式
(I)で表される化合物が好ましい。
【0016】
【化11】
【0017】式中、XおよびYは各々独立にハメットの
σp値が0.2以上の置換基を表す。ハメットのσp値は
例えば、Chem.Rev.,91.165(199
1)に記載されている。σp値の上限は特に限定しない
が、一般的には2以下である。ハメットのσp値が0.
2以上の置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例え
ば、塩素、臭素など)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン
原子置換アルキル基(例えば、トリフルオロメチル基、
トリクロロメチル基など)、ハロゲン原子置換アリール
基(例えば、ペンタフルオロベンゼンなど)、ハロゲン
原子置換アルコキシ基(例えば、トリフルオロメトキシ
基など)、ハロゲン原子置換アルキルチオ基(例えば、
トリフルオロメチルチオ基など)、アシルオキシ基(例
えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基など)、スル
ホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基な
ど)、アシル基(例えば、アセチル基など)、オキシカ
ルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、フェノキ
シカルボニル基など)、カルバモイル基(例えば、無置
換カルバモイル基など)、チオカルバモイル基(例え
ば、無置換チオカルバモイル基など)、スルホニル基
(例えば、メタンスルホニル基、P−トルエンスルホニ
ル基など)、スルフィニル基(例えば、メタンスルフィ
ニル基など)、スルファモイル基(例えば、無置換スル
ファモイル基、メチルスルファモイル基など)、などが
挙げられる。特に好ましくは、ハロゲン原子、シアノ
基、ハロゲン原子置換アルキル基、アシル基、オキシカ
ルボニル基またはスルホニル基であり、最も好ましく
は、シアノ基である。
【0018】アリールハライドとしては下記一般式(I
I)で表される化合物が好ましい。
【0019】
【化12】
【0020】式中、R1はハロゲン原子を表し、R2は置
換基を表す。mは1以上6以下の整数を表し、nは0以
上5以下の整数を表す。ただし、m+nは6以下であ
る。mが2以上である場合、R1はそれぞれ異るハロゲ
ン原子であっても良い。R1のハロゲン原子としては、
臭素原子、沃素原子が特に好ましい。mは1、2または
3であることが好ましく、2であることが特に好まし
い。mが2である場合、2つのハロゲン原子が互いにパ
ラ位の位置に置換されていることが特に好ましい。R2
で表される置換基としては、例えば、アルキル基(例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、secーブチル、t−ブチル、シク
ロヘキシル、メトキシエチル、エトキシカルボニルエチ
ル、シアノエチル、ジエチルアミノエチル、ヒドロキシ
エチル、クロロエチル、アセトキシエチルなど)、アラ
ルキル基(例えば、ベンジルなど)、アルケニル基(例
えば、ビニルなど)、アルキニル基(例えば、エチニル
など)、アリール基(例えば、フェニル、4ーメチルフ
ェニル、4ーメトキシフェニル、4ーカルボキシフェニ
ルなど)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニ
ル、ブタノイル、クロロアセチルなど)、スルホニル基
(例えば、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル
など)、スルフィニル基(例えば、メタンスルフィニ
ル、エタンスルフィニルなど)、アルコキシカルボニル
基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル
など)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノ
キシカルボニル、4ーメトキシフェニルカルボニルな
ど)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n
−ブトキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシな
ど)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、4ーメ
トキシフェノキシなど)、アルキルチオ基(例えば、メ
チルチオ、エチルチオなど)、アリールチオ基(例え
ば、フェニルチオなど)、アシルオキシ基(例えば、ア
セトキシ、エチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカ
ルボニルオキシ、ベンゾイルオキシ、クロロアセチルオ
キシなど)、スルホニルオキシ基(例えば、メタンスル
ホニルオキシなど)、カルバモイルオキシ基(例えば、
メチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキ
シなど)、アミノ基(例えば、無置換アミノ、メチルア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノ、メ
トキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、モリホ
リノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピリジルアミノ、メト
キシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、
エチルチオカルボニルアミノ、メチルカルバモイルアミ
ノ、フェニルカルバモイルアミノ、メチルスルファモイ
ルアミノ、フェニルスルファモイルアミノ、アセチルア
ミノ、エチルカルボニルアミノ、エチルチオカルボニル
アミノ、ベンゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メ
タンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノな
ど)、カルバモイル基(例えば、無置換カルバモイル、
メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイルなど)、ス
ルファモイル基(例えば、無置換スルファモイル、メチ
ルスルファモイル、フェニルスルファモイルなど)、水
酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、スルホ基な
どが挙げられる。これらの置換基は、さらにハロゲン原
子や上記の置換基を有していてもよい。好ましくは、ハ
メットのσp値が0を越えない置換基であり、例えば、
メチル(−0.17)、エチル(−0.15)、プロピ
ル(−0.13)などのアルキル基、メトキシ(−0.
27)、エトキシ(−0.24)、ブトキシ(−0.3
2)などのアルコキシ基、水酸基(−0.37)、メチ
ルチオ(0.00)などのチオアルキル基、ジメチルア
ミノ(−0.83)、アシルアミノ(0.00)、エト
キシカルボニルアミノ(−0.15)などのアミノ基な
どが挙げられる。特に好ましくは、アルコキシ基であ
る。
【0021】nが2以上の整数を表す場合、R2はそれ
ぞれ異なっていてもよく、連結して不飽和縮合環(例え
ば、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体など)を形
成してもよい。nが2以上の場合、それぞれの置換基に
対するハメット即のσp値の総和が0を越えない置換基
の組合せが好ましく、特に好ましくは、ハメット則のσ
p値が0を越えない置換基同士の組合せである。特に好
ましくは、アルコキシ基同士の組合せである。nが2の
場合、互いにパラ位に置換されていることが好ましい。
【0022】前記一般式(II)で表される化合物は、下
記一般式(IV)で表される化合物が特に好ましい。
【0023】
【化13】
【0024】式中、R1、R2およびnは、前記一般式
(II)と同義であり、その好ましい態様も同じである。
【0025】本発明で合成される活性メチレン置換アレ
ーン化合物は、下記一般式(III)で表される。
【0026】
【化14】
【0027】式中、XおよびYは前記一般式(I)のX
およびYに、R2、mおよびnは前記一般式(II)の
2、mおよびnとそれぞれ同義であり、その好ましい
態様も同じである。
【0028】前記一般式(III)で表される化合物は、
下記一般式(V)で表される化合物が特に好ましい。
【0029】
【化15】
【0030】式中、R2およびnは前記一般式(III)の
2およびnとそれぞれ同義であり、その好ましい態様
も同じである。
【0031】以下に、一般式(I)〜(III)で表され
る化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0032】
【化16】
【0033】
【化17】
【0034】
【化18】
【0035】
【化19】
【0036】
【化20】
【0037】
【化21】
【0038】
【化22】
【0039】本発明において用いられる塩基としては、
炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミ
ン、アルカリ金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシ
ド)、水素化ナトリウムなどを挙げることができる。特
に好ましくは、水素化ナトリウムまたはアルカリ金属ア
ルコキシドである。
【0040】本発明において用いられる[1,1-ビス(ジ
フェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ク
ロライドの触媒量は、アリールハライドの0.01モル
%以上100モル%以下が好ましく、特に0.1モル%
以上100モル%以下が好ましく、1モル%以上10モ
ル%以下が最も好ましい。また、[1,1-ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロライ
ドの添加順序には特に限定はない。すなわち、塩基、ア
リールハライドおよび活性メチレン化合物を溶媒に溶解
した後に添加してもよいし、塩基およびアリールハライ
ドを添加した後[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フ
ェロセン]パラジウム(II)クロライドを添加し、その
後活性メチレン化合物を添加してもよい。添加時の温度
に関しては反応液の沸点以下ならば特に問題ないが、好
ましくは、室温(例えば20℃)以下である。
【0041】反応温度は、20℃から150℃までの間
が好ましく、特に好ましくは、40℃から100℃の間
である。
【0042】反応系としては、水ー有機溶媒の2相系、
含水有機溶媒あるいは有機溶媒の均一系いずれであって
もよい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘキ
サンなどの炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミドなど
のアミド系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系
溶媒、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶
媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、アセトンな
どのケトン系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒な
どを用いることができる。また、2種以上の有機溶媒を
併用してもよい。最も好ましくはテトラヒドロフランで
ある。
【0043】
【実施例】以下、本発明をさらに詳しく説明するために
実施例を比較例とともにを示すが、これらは本発明を限
定するものではない。
【0044】[実施例1] 化合物(III−1)の合成 窒素雰囲気下、水素化ナトリウム62g、化合物(II−
1)100g(0.26mol)、および[1,1-ビス
(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(I
I)クロライド3.7g(化合物(II−1)に対して2
mol%)をテトラヒドロフラン1.5Lに溶解させた
後、氷冷下、マロノニトリル68g(1mol)を滴下
した。反応液を8時間加熱還流した後、イソプロピルア
ルコール120mlを加え、未反応の水素化ナトリウム
を失活させた。室温で30分間撹拌した後、反応液を1
規定塩酸水2Lに注ぎ、そのまま室温で2時間撹拌し
た。得られた白色沈殿物を濾取、水洗した後、アセトニ
トリルで再結晶して、目的物(III−1)43gを得
た。収率は63%であった。 分析値:H-NMR(CDCl3):7.13(s, 2H), 5.28(s, 2H), 4.1
(s, 6H)
【0045】[実施例2] 化合物(III−1)の合成 窒素雰囲気下、水素化ナトリウム6.2g、化合物(II
−2)7.6g(26mmol)、および[1,1-ビス
(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(I
I)クロライド0.76g(4mol%)をテトラヒド
ロフラン150mlに溶解させた後、氷冷下、マロノニ
トリル6.8g(0.1mol)を滴下した。反応液を
8時間加熱還流した後、イソプロピルアルコール12m
lを加え、未反応の水素化ナトリウムを失活させた。室
温で30分間撹拌した後、反応液を1規定塩酸水200
mlに注ぎ、そのまま室温で2時間撹拌した。得られた
白色沈殿物を濾取、水洗した後、アセトニトリルで再結
晶して、目的物(IIIー1)6.0gを得た。収率88
%。 分析値:H-NMR(CDCl3):7.13(s, 2H), 5.28(s, 2H), 4.1
(s, 6H)
【0046】[比較例1]窒素雰囲気下、水素化ナトリ
ウム6.2g、化合物(II−2)7.6g(26mmo
l)、および(Ph3P)2PdCl20.72g(4mol%)を
テトラヒドロフラン150mlに溶解させた後、氷冷
下、マロノニトリル6.8g(0.1mol)を滴下し
た。反応液を8時間加熱還流した後、イソプロピルアル
コール12mlを加え、未反応の水素化ナトリウムを失
活させた。室温で30分間撹拌した後、反応液を1規定
塩酸水200mlに注ぎ、そのまま室温で2時間撹拌し
た。得られた白色沈殿物を濾取し、H−NMRにより構
造を同定したところ目的物(III−1)は得られず、下
記化合物(a)のみを6.7g(収率91%)得た。 分析値:H-NMR(dmso-d6):7.50(s, 1H), 7.20(s, 1H),
6.30(s, 1H), 3.90(s, 3H), 3.80(s, 3H)
【0047】
【化23】
【0048】[実施例3] 化合物(III−1)の合成 窒素雰囲気下、カリウムt-ブトキシド3.4g(30m
mol)、化合物(II−1)2.0g(5mmol)、
および[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセ
ン]パラジウム(II)クロライド0.16g(4mol
%)をテトラヒドロフラン30mlに溶解させた後、氷
冷下、マロノニトリル1.3g(20mmol)を滴下
した。反応液を8時間加熱還流した後、イソプロピルア
ルコール2mlを加え、未反応の水素化ナトリウムを失
活させた。室温で30分間撹拌した後、反応液を1規定
塩酸水50mlに注ぎ、そのまま室温で2時間撹拌し
た。得られた白色沈殿物を濾取、水洗した後、アセトニ
トリルで再結晶して、目的物(III−1)1.0gを得
た。収率80%。 分析値:H-NMR(CDCl3):7.13(s, 2H), 5.28(s, 2H), 4.1
(s, 6H)
【0049】[比較例2]窒素雰囲気下、カリウムt-
トキシド3.4g(30mmol)、化合物(IIー1)
2.0g(5mmol)、および(Ph3P)2PdCl20.14
g(4mol%)をテトラヒドロフラン30mlに溶解
させた後、氷冷下、マロノニトリル1.3g(20mm
ol)を滴下した。反応液を8時間加熱還流した後、イ
ソプロピルアルコール2mlを加え、未反応の水素化ナ
トリウムを失活させた。室温で30分間撹拌した後、反
応液を1規定塩酸水50mlに注ぎ、そのまま室温で2
時間撹拌した。得られた白色沈殿物を濾取し、H−NM
Rにより構造を同定したところ目的物(IIIー1)は得
られず、原料である化合物(IIー1)がほぼ回収され
た。
【0050】[実施例4] 化合物(III−2)の合成 窒素雰囲気下、水素化ナトリウム1.2gおよび化合物
(II−3)2.1g(5mmol)をテトラヒドロフラ
ン30mlに溶解させた後、氷冷下、マロノニトリル
1.3g(20mmol)を滴下した。滴下完了後、室
温にて[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセ
ン]パラジウム(II)クロライド73mg(2mol
%)を加え、この反応液を8時間加熱還流した。反応終
了後、イソプロピルアルコール2.5mlを加え、未反
応の水素化ナトリウムを失活させた。室温で30分間撹
拌した後、反応液を1規定塩酸水80mlに注ぎ、氷冷
下2時間撹拌した。得られた白色沈殿物を濾取、水洗し
た後、アセトニトリルで再結晶して、目的物(III−
2)1.3gを得た。収率92%。 分析値:H-NMR(CDCl3):7.18(s, 2H), 5.25(s, 2H), 4.1
5(q, 4H), 1.52(t, 6H)
【0051】[実施例5] 化合物(III−3)の合成 窒素雰囲気下、水素化ナトリウム1.9g、化合物(II
−5)3.8g(8mmol)、および[1,1-ビス(ジ
フェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ク
ロライド0.12g(2mol%)をテトラヒドロフラ
ン50mlに溶解させた後、氷冷下、マロノニトリル
2.1g(32mmol)を滴下した。反応液を8時間
加熱還流した後、イソプロピルアルコール2mlを加
え、未反応の水素化ナトリウムを失活させた。室温で3
0分間撹拌した後、反応液を1規定塩酸水100mlに
注ぎ、そのまま室温で2時間撹拌した。得られた白色沈
殿物を濾取、水洗した後、アセトニトリルで再結晶し
て、目的物(III−3)2.4gを得た。収率85%。 分析値:H-NMR(dmso-d6):7.4(s, 2H), 6.3(s, 2H), 3.7
3(dd, 4H), 3.5(dd, 4H), 3.35(s, 6H)
【0052】[実施例6] 化合物(III−4)の合成 窒素雰囲気下、水素化ナトリウム1.6g、化合物(II
−6)2.3g(5mmol)、および[1,1-ビス(ジ
フェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ク
ロライド0.15g(4mol%)をテトラヒドロフラ
ン30mlに溶解させた後、氷冷下、マロノニトリル
1.3g(20mmol)を滴下した。反応液を8時間
加熱還流した後、イソプロピルアルコール2mlを加
え、未反応の水素化ナトリウムを失活させた。室温で3
0分間撹拌した後、反応液を1規定塩酸水150mlに
注ぎ、そのまま室温で2時間撹拌した。得られた白色沈
殿物を濾取、水洗した後、アセトニトリルで再結晶し
て、目的物(III−4)1.6gを得た。収率98%。 分析値:H-NMR(dmso-d6):7.4(s, 2H), 6.3(s, 2H), 4.1
5(dd, 4H), 3.8(dd, 4H)
【0053】[比較例3]窒素雰囲気下、水素化ナトリ
ウム1.6g、化合物(II−6)2.3g(5mmo
l)、および(Ph3P)2PdCl20.13g(4mol%)を
テトラヒドロフラン30mlに溶解させた後、氷冷下、
マロノニトリル1.3g(20mmol)を滴下した。
反応液を8時間加熱還流した後、イソプロピルアルコー
ル2mlを加え、未反応の水素化ナトリウムを失活させ
た。室温で30分間撹拌した後、反応液を1規定塩酸水
150mlに注ぎ、そのまま室温で2時間撹拌した。得
られた白色沈殿物を濾取し、H−NMRにより構造を同
定したところ目的物(III−4)は得られず、原料であ
る化合物(II−6)がほぼ定量的に回収された。
【0054】以上の結果より、本発明の合成法は収率よ
く、目的とする一般式(III)で表される活性メチレン
置換アレーン誘導体を与えることがわかる。特に実施例
6と比較例3の比較より明らかなように、従来法では合
成不可能であった化合物を高収率で合成できるようにな
った。また、実施例2と比較例1の比較より明らかなよ
うに、本発明の合成法によれば、安価で合成の簡便なジ
ブロモ体より高収率で活性メチレン置換アレーン化合物
に誘導できる。さらに、実施例3と比較例2の比較より
明らかなように、従来法では発火の危険性の高い水素化
ナトリウムを用いる必要性があるのに対し、本発明では
アルカリ金属アルコキシドを用いて合成することができ
る点で有利である。
【0055】
【発明の効果】本発明の合成法により、活性メチレン置
換アレーン誘導体を収率よく、安価で製造することがで
きる。また、火の危険性の低いアルカリ金属アルコキシ
ドを用いて合成できるため、安全な製造法を提供でき
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される活性メチレ
    ン化合物と一般式(II)で表されるアリールハライド
    を、塩基および[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フ
    ェロセン]パラジウム(II)クロライド触媒の存在下で
    縮合させて、一般式(III)で表される活性メチレン置
    換アレーン化合物を合成することを特徴とする活性メチ
    レン置換アレーン化合物の製造方法。 【化1】 [式中、XおよびYは各々独立にハメットのσp値が
    0.2以上の置換基を表す。] 【化2】 [式中、R1はハロゲン原子を表し、R2は置換基を表
    す。mは1以上6以下の整数を表し、nは0以上5以下
    の整数を表し、m+n≦6である。mが2以上のとき
    は、R1は同じでも異なってもよい。nが2以上のとき
    は、R2は同じでも異なってもよく、R2同士で連結して
    不飽和縮合環を形成してもよい。] 【化3】 [式中、X、Y、R2およびmは、一般式(I)および
    (II)と同義である。]
  2. 【請求項2】 m=2である請求項1の活性メチレン置
    換アレーン化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 活性メチレン化合物がマロノニトリルで
    あり、かつ、アリールハライドが下記一般式(IV)で表
    される化合物であって、下記一般式(V)で表される化
    合物を合成する請求項1の活性メチレン置換アレーン化
    合物の製造方法。 【化4】 [式中、R1、R2およびnは一般式(II)と同義であ
    る。] 【化5】 [式中、R2およびnは一般式(II)と同義である。]
  4. 【請求項4】 R1が臭素原子または沃素原子である請
    求項1〜3のいずれかの活性メチレン置換アレーン化合
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】 塩基が水素化ナトリウムまたはアルカリ
    金属アルコキシドである請求項1〜4のいずれかの活性
    メチレン置換アレーン化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 R1が臭素原子であり、塩基が水素化ナ
    トリウムである請求項1〜3のいずれかの活性メチレン
    置換アレーン化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 R1が沃素原子であり、塩基がアルカリ
    金属アルコキシドである請求項1〜3に記載の活性メチ
    レン置換アレーン化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 [1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フ
    ェロセン]パラジウム(II)クロライドの触媒量がアリ
    ールハライドの0.01モル%以上100モル%以下で
    ある請求項1〜7のいずれかの活性メチレン置換アレー
    ン化合物の製造方法。
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