JP2000283263A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JP2000283263A
JP2000283263A JP8436899A JP8436899A JP2000283263A JP 2000283263 A JP2000283263 A JP 2000283263A JP 8436899 A JP8436899 A JP 8436899A JP 8436899 A JP8436899 A JP 8436899A JP 2000283263 A JP2000283263 A JP 2000283263A
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Japan
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differential
pinion shaft
differential case
pinion
case
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JP8436899A
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Hisafumi Yoshida
尚史 吉田
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GKN Driveline Japan Ltd
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Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イニシャルトルク用押圧部材の耐久性を向上
させ、内押し型の利点を得ながら、デフケ−スを1ピ−
ス構造にする。 【解決手段】 ベベルギヤ式の差動機構5と、サイドギ
ヤ23、25の噛み合いスラスト力を受ける差動制限用
の摩擦クラッチ7、7と、凹部39によってピニオンシ
ャフト19と噛み合うプレッシャプレ−ト9、9と、各
プレッシャプレ−ト9とピニオンシャフト19との間に
それぞれ配置され、プレッシャプレ−ト9とサイドギヤ
23、25とを介して摩擦クラッチ7、7を押圧し、イ
ニシャルトルクを与える皿ばね11、11とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、デファレンシャ
ル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】U.S.Patent 登録証 第32
08306号に図3のようなデファレンシャル装置20
1が記載されており、U.S.Patent 登録証
第3313180号に図5のようなデファレンシャル装
置203が記載されている。
【0003】図3のデファレンシャル装置201は、エ
ンジンの駆動力によって回転するデフケ−ス205、ベ
ベルギヤ式の差動機構207、一対の多板クラッチ20
9、209、リング状のスプリング211(予圧手段)
などから構成されている。
【0004】差動機構207は、両端をデフケ−ス20
5に連結されたピニオンシャフト213と、ピニオンシ
ャフト213上に支承されたピニオンギヤ215、21
5と、これらのピニオンギヤ215とそれぞれ噛み合っ
た一対の出力側サイドギヤ217、219などから構成
されている。
【0005】各サイドギヤ217、219は車軸22
1、223を介してそれぞれの車輪側に連結されてい
る。
【0006】各多板クラッチ209は、デフケ−ス20
5とサイドギヤ217、219との間にそれぞれ配置さ
れており、各サイドギヤ217、219の噛み合いスラ
スト力を受けて締結される。
【0007】サイドギヤ217、219の噛み合いスラ
スト力は伝達トルクに比例して大きくなるから、各多板
クラッチ209が締結されると、その摩擦抵抗によって
トルク感応型の差動制限機能が得られる。
【0008】このトルク感応型差動制限機能によって差
動機構207の差動が制限され、特に、大きな駆動力が
掛かる発進時や加速時などに、車両の操縦性、安定性が
向上する。
【0009】又、このようなトルク感応型の差動制限機
構では、悪路などで一方の駆動輪が空転すると、この車
輪からトルクが逃げることによって差動制限機能が低下
する。
【0010】従って、予圧手段によってイニシャルトル
ク(差動制限力)を与える必要がある。
【0011】この予圧手段であるスプリング211は、
図3のように、各ピニオンギヤ215の径方向内側に配
置されており、図4のように、ピニオンシャフト213
に嵌装され、サイドギヤ217、219を介して各多板
クラッチ209を押圧し、イニシャルトルクを与えてい
る。
【0012】例えば、車両の発進時や加速時、あるい
は、悪路などで一方の駆動輪が大きく空転しようとして
も、各多板クラッチ209のイニシャルトルクによっ
て、空転車輪からのトルクの逃げが防止されるから、発
進性や加速性が高く保たれ、悪路走破性が大きく改善さ
れる。
【0013】図5のデファレンシャル装置203は、エ
ンジンの駆動力によって回転するデフケ−ス225、ベ
ベルギヤ式の差動機構227、一対の多板クラッチ22
9、229、コイルスプリング231(予圧手段)など
から構成されている。
【0014】差動機構227は、両端をデフケ−ス22
5に連結されたピニオンシャフト233と、ピニオンシ
ャフト233上に支承されたピニオンギヤ235、23
5と、これらのピニオンギヤ235とそれぞれ噛み合っ
た一対の出力側サイドギヤ237、239などから構成
されており、各サイドギヤ237、239は車軸24
1、243を介してそれぞれの車輪側に連結されてい
る。
【0015】各多板クラッチ229は、デフケ−ス22
5とサイドギヤ237、239との間にそれぞれ配置さ
れており、各サイドギヤ237、239の噛み合いスラ
スト力を受けて締結され、そのトルク感応型差動制限機
能によって差動機構227の差動を制限し、発進時や加
速時などの車両の操縦性と安定性を向上させる。
【0016】又、コイルスプリング231は、ピニオン
シャフト233を貫通して配置されており、リテ−ナ2
45、245とサイドギヤ237、239とを介して各
多板クラッチ229を押圧し、イニシャルトルクを与え
て車両の悪路走破性などを改善する。
【0017】又、デファレンシャル装置201、203
と異なって、イニシャルトルク用のスプリングをデフケ
−スと摩擦クラッチとの間(サイドギヤの軸方向外側)
に配置したデファレンシャル装置がある。
【0018】このようなデファレンシャル装置では、サ
イドギヤの噛み合いスラスト力の方向とスプリングの押
圧力の方向が反対になるから、サイドギヤの噛み合いス
ラスト力がスプリングの押圧力より大きくなって摩擦ク
ラッチをデフケ−ス側に押圧するまで、サイドギヤの噛
み合いスラスト力による差動制限力が発生せず、差動制
限力の立ち上がりが遅い。
【0019】図6は、縦軸と横軸にそれぞれ左軸トルク
と右軸トルクをとり、右の車輪が空転したとき差動制限
力によって左の車輪に送られる駆動トルクの大きさ(ト
ルクバイアスレシオ:トルク配分特性)を示すグラフで
ある。又、Tiはイニシャルトルクを示し、グラフ24
7はサイドギヤの外側から摩擦クラッチを押圧する場合
の特性である。
【0020】グラフ247の矢印249の部分は、上記
のように、サイドギヤの噛み合いスラスト力が摩擦クラ
ッチをデフケ−ス側に押圧するまでの特性であり、その
後、グラフ247は、矢印251の部分のような勾配で
立ち上がる。
【0021】外押し型の場合、矢印249が示すよう
に、イニシャルトルクによる差動制限力の立ち上がりが
緩やかであり、サイドギヤの噛み合いスラスト力による
差動制限機能が一瞬遅れるから、悪路走破性、発進性、
加速性などの改善効果が不充分である。
【0022】又、周知のように、イニシャルトルクをあ
る程度大きくすると、低速で急旋回する場合や、大きく
舵角操作しながら前進と後進とを繰り返す車庫入れの際
は、タイトコ−ナ−ブレ−キング現象や、これに伴って
異常音が発生することがある。
【0023】これに較べて、サイドギヤ217、219
の軸方向内側からスプリング211で多板クラッチ20
9を押圧するデファレンシャル装置201や、サイドギ
ヤ237、239の軸方向内側からコイルスプリング2
31で多板クラッチ229を押圧するデファレンシャル
装置203では、各サイドギヤの噛み合いスラスト力と
各スプリングの押圧力が同方向になるから、サイドギヤ
の噛み合いスラスト力による差動制限力が急速に立ち上
がる。
【0024】図6のグラフ253はサイドギヤの内側か
ら摩擦クラッチを押圧する場合(内押し型)の特性であ
り、このように内押し型では、サイドギヤの噛み合いス
ラスト力による差動制限力が瞬時に立ち上がり、遅れが
生じないから、悪路走破性、発進性、加速性などの改善
効果が大きい。
【0025】又、内押し型では、外押し型と同等のイニ
シャルトルクを設定する場合、外押し型よりもタイトコ
−ナ−ブレ−キング現象や異常音が発生しにくい。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図3のデフ
ァレンシャル装置201では、図4のように、スプリン
グ211が矢印255の箇所でサイドギヤ217、21
9と線接触しており、その上、サイドギヤ217、21
9の差動回転に伴って、矢印255の箇所でスプリング
211がサイドギヤ217、219と摺動するから、摩
耗し易く、耐久性が低下する。
【0027】一方、図5のデファレンシャル装置203
では、リテ−ナ245、245によってコイルスプリン
グ231が保護されており、耐久性は優れている。
【0028】しかし、上記のように、コイルスプリング
231がピニオンシャフト233を軸方向に貫通する構
成では、コイルスプリング231を組付けた後にピニオ
ンシャフト233を差し込むことができないから、これ
らの組付けはコイルスプリング231をピニオンシャフ
ト233に貫通させた状態で行う以外に方法はない。
【0029】その場合、デフケ−ス225が一体の部材
で形成された1ピ−ス構造では組付けが不可能であるか
ら、デフケ−ス225は、ケ−ス部材257、259を
ボルト261で固定する2ピ−ス構造になっている。
【0030】しかし、デフケ−スをこのように分割構造
にすると、ボルト261を含めて部品点数が増加し、コ
ストが上昇する上に、分割構造にしたことによる強度低
下を補うために各ケ−ス部材257、259を肉厚にす
る必要があり、それだけ重くなる。
【0031】そこで、この発明は、イニシャルトルク用
押圧部材の摩耗を防止して耐久性を向上させると共に、
サイドギヤの内側に押圧部材を配置する構成の利点を得
ながら、デフケ−スを1ピ−ス構造にすることが可能な
デファレンシャル装置の提供を目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、デフケ−スと一体に回転するピニオンシャ
フトと、ピニオンシャフト上に支承されたピニオンギヤ
と、ピニオンギヤと噛み合った一対の出力側サイドギヤ
とを有し、エンジンの駆動力を各サイドギヤから車輪側
に配分するベベルギヤ式の差動機構と、デフケ−スと各
サイドギヤとの間に配置され、サイドギヤの噛み合いス
ラスト力を受ける一対の摩擦クラッチと、ピニオンシャ
フトと噛み合う凹部が設けられた一対のプレッシャプレ
−トと、各プレッシャプレ−トとピニオンシャフトとの
間にそれぞれ配置され、プレッシャプレ−トとサイドギ
ヤとを介して摩擦クラッチを押圧し、イニシャルトルク
を与える一対の押圧部材とを備えたことを特徴とする。
【0033】エンジンの駆動力は、デフケ−スから、あ
るいは、ピニオンシャフトから差動機構に入力する。
【0034】いずれにしても、エンジンの駆動力はピニ
オンシャフトからピニオンギヤを介して一対の出力側サ
イドギヤに伝達され、各車輪側に配分される。
【0035】このとき、各摩擦クラッチはサイドギヤの
噛み合いスラスト力によって押圧され、トルク感応型の
差動制限機能が得られる。これらの差動制限機能によっ
て差動機構の差動が制限され、大きな駆動力が掛かる発
進時や加速時などに、車両の操縦性、安定性が向上す
る。
【0036】又、各摩擦クラッチには、押圧部材によっ
て常時一定のイニシャルトルクが与えられており、発進
時、加速時、悪路などで一方の駆動輪が空転しようとし
ても、イニシャルトルクによってトルクの逃げが防止さ
れるから、車両の発進性や加速性が高く保たれ、悪路走
破性が改善される。
【0037】又、本発明のデファレンシャル装置は、各
サイドギヤの内側に配置した押圧部材によって摩擦クラ
ッチを押圧する内押し型であり、図6のグラフ253の
ように、サイドギヤの噛み合いスラスト力による差動制
限力が瞬時に立ち上がるから、悪路走破性、発進性、加
速性などの改善効果が大きい。
【0038】又、内押し型であることによって、同等の
イニシャルトルクが設定されている外押し型よりも、タ
イトコ−ナ−ブレ−キング現象や異常音が発生しにく
い。
【0039】これに加えて、本発明のデファレンシャル
装置は、互いに噛み合ったプレッシャプレ−トとピニオ
ンシャフトとの間に押圧部材を配置し、図3の従来例と
異なって、押圧部材をサイドギヤとの摺動から遮断し、
保護している。
【0040】このように保護された押圧部材には、摩耗
が生じないから、耐久性が大きく向上する。
【0041】請求項2の発明は、請求項1記載のデファ
レンシャル装置であって、デフケ−スが1部材で形成さ
れており、このデフケ−スに、各部材を内部に組み込む
ための開口が設けられていることを特徴とし、請求項1
の構成と同等の効果を得る。
【0042】これに加えて、両方のプレッシャプレ−ト
にピニオンシャフトと噛み合わせるための凹部を設けた
ことにより、デファレンシャル装置を組付けるに当たっ
て、両方のプレッシャプレ−トと押圧部材をデフケ−ス
に組付けた後、デフケ−スの外部から、ピニオンシャフ
トをデフケ−スの貫通孔と各プレッシャプレ−ト間の凹
部と反対側の貫通孔とに差し込むことによって、ピニオ
ンシャフトをデフケ−スとプレッシャプレ−トに組付け
ることができる。
【0043】従って、図5の従来例と異なり、部材を組
付けるためにデフケ−スを分割構造にする必要がない。
【0044】こうして、デフケ−スを1部材で形成する
1ピ−ス構造にしたことにより、ボルトのような連結部
材を含めた部品点数の増加と、コストの上昇とが防止さ
れると共に、強度低下を補うための重量化も避けられる
から、それだけ軽量に構成できる。
【0045】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載の発明であって、一対の押圧部材の少なくとも一
方が皿ばねであることを特徴とする。
【0046】したがって、請求項1又は請求項2の発明
と同等の効果を得ると共に、軸方向にスペースをとらな
いため小型、軽量でレイアウトが容易である。
【0047】又、皿ばねをピニオンシャフト挿入時のガ
イドとして利用できるので、組み付け性が向上する。
【0048】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かに記載の発明であって、ピニオンシャフトが、両端を
デフケ−スに連結した長いピニオンシャフトと、外側の
端部をデフケ−スに連結し、内側の端部を長いピニオン
シャフト側に突き当てた短いピニオンシャフトとからな
ることを特徴とし、請求項1〜3のいずれかの発明と同
等の効果を得る。
【0049】この構成は、例えば、長い1本のピニオン
シャフト(2個のピニオンギヤ)と2本の短いピニオン
シャフト(各1個のピニオンギヤ)とを用いたものであ
り、各プレッシャプレ−トには各ピニオンシャフトと噛
み合うための凹部が設けられている。
【0050】この構成では、デフケ−スの外部から、長
いピニオンシャフトを貫通孔と各プレッシャプレ−トの
凹部と貫通孔とに差し込み、その後、短いピニオンシャ
フトをデフケ−スの貫通孔と各プレッシャプレ−トの凹
部に差し込んで、端部を長いピニオンシャフトに突き当
てれば、各ピニオンシャフトを組付けることができる。
【0051】このように、本発明のデファレンシャル装
置は、上記のような、内押し型でデフケ−スを1ピ−ス
構造にできるなどの効果を得ながら、例えば、4個のピ
ニオンギヤを用いて構成することが可能である。
【0052】請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれ
かに記載の発明であって、ピニオンシャフトが、外側の
端部をデフケ−スに連結し、内側の端部を両プレッシャ
プレ−トの間で互いに突き当てた複数本の短いピニオン
シャフトとからなることを特徴とし、請求項1〜3のい
ずれかの発明と同等の効果を得る。
【0053】この構成は、例えば、3本の短いピニオン
シャフト(各1個のピニオンギヤ)を用いたものであ
り、請求項4の構成と同様に、各プレッシャプレ−トに
は各ピニオンシャフトと噛み合うための凹部が設けられ
ている。
【0054】この構成では、各ピニオンシャフトを、デ
フケ−スの外部から貫通孔と各プレッシャプレ−トの凹
部に差し込み、それぞれの端部を互いに突き当てれば、
各ピニオンシャフトを組付けることができる。
【0055】このように、本発明のデファレンシャル装
置は、内押し型でデフケ−スを1ピ−ス構造にできるな
どの効果を得ながら、例えば、3個のピニオンギヤを用
いて構成することができる。
【0056】請求項6の発明は、請求項1〜3のいずれ
かに記載の発明であって、デフケ−スに対して移動自在
に連結された一対のプレッシャプレートと、各プレッシ
ャプレートとピニオンシャフトとの間に設けられ、伝達
トルクを受けて作動するカムとを備え、このカムのスラ
スト力によりプレッシャプレートを介して摩擦クラッチ
が押圧されることを特徴とする。
【0057】したがって、請求項1〜3のいずれかの発
明と同等の効果を得ると共に、伝達トルクを受けてカム
が作動し、そのカムスラスト力が押圧部材の押圧力に付
加されるので、差動制限力が増加し、発進時や加速時な
どの操縦性、安定性が向上する。
【0058】請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれ
かに記載の発明であって、デフケ−スを収容するアウタ
−ケ−スと、アウタ−ケ−スとデフケ−スとを連結する
クラッチと、このクラッチを断続する操作手段とを備え
たことを特徴とし、請求項1〜6のいずれかの発明と同
等の効果を得る。
【0059】この構成のデファレンシャル装置は、四輪
駆動車の前輪側動力伝達系、あるいは、後輪側動力伝達
系に配置される。
【0060】クラッチを連結すると、アウタ−ケ−スを
回転させるエンジンの駆動力がデフケ−スに伝達され、
車輪は四輪駆動状態になる。又、クラッチの連結を解除
すると、デフケ−ス以下がエンジンから切り離されて車
輪は二輪駆動状態になる。
【0061】このように、動力の断続機能を持ちなが
ら、内押し型でデフケ−スを1ピ−ス構造にできるなど
の効果が得られる。
【0062】
【発明の実施の形態】図1と図2によって本発明の一実
施形態を説明する。
【0063】この実施形態は請求項1、2の特徴を備え
ている。図1はこの実施形態のデファレンシャル装置1
を示している。又、左右の方向は各図での左右の方向で
あり、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0064】デファレンシャル装置1は、デフケ−ス
3、ベベルギヤ式の差動機構5、多板クラッチ7、7
(摩擦クラッチ)、プレッシャプレ−ト9、9、押圧部
材としての皿ばね11、11などから構成されている。
【0065】デファレンシャル装置1はオイル溜りが設
けられたデフキャリヤの内部に配置されている。デフケ
−ス3の左右のボス部13、15はベアリングによって
デフキャリヤに支承されており、デフケ−ス3はエンジ
ンの駆動力によって回転駆動される。
【0066】デフケ−ス3は1ピ−ス構造であり、内部
に収容する各部材を組み込むための開口17が設けられ
ている。
【0067】差動機構5は、1本のピニオンシャフト1
9と、ピニオンシャフト19上に回転自在に配置された
2個のピニオンギヤ21と、各ピニオンギヤ21と噛み
合った出力側のサイドギヤ23、25とから構成されて
いる。
【0068】ピニオンシャフト19は、その両端をデフ
ケ−ス3に設けられた貫通孔27、27に係合して、デ
フケ−ス3に連結されている。
【0069】サイドギヤ23、25は、それぞれのボス
部29、31によってデフケ−ス3の支承部33、35
に支承されている。又、これらのボス部29、31はそ
れぞれの車軸にスプライン連結されており、各車軸を介
して左右の車輪側に連結されている。
【0070】デフケ−ス3の内周には2箇所に球面ワッ
シャ部37が形成されており、これらの球面ワッシャ部
37は各ピニオンギヤ21の背面を支持し、その遠心力
と噛み合いスラスト力とを受けている。
【0071】多板クラッチ7はそれぞれデフケ−ス3の
内周とボス部29、31(サイドギヤ23、25)の外
周との間に配置されている。
【0072】プレッシャプレ−ト9は、図1のように、
ピニオンシャフト19と各サイドギヤ23、25との間
にそれぞれ配置されている。
【0073】又、図2のように、プレッシャプレ−ト9
には半円形の凹部39が設けられており、各プレッシャ
プレ−ト9はこれらの凹部39によってピニオンシャフ
ト19と噛み合い、相対回転不能に連結されている。
【0074】皿ばね11は、プレッシャプレ−ト9とピ
ニオンシャフト19との間にそれぞれ配置されており、
プレッシャプレ−ト9とサイドギヤ23、25とを介し
て各多板クラッチ7を押圧し、イニシャルトルクを与え
ている。
【0075】このように、皿ばね11は互いに噛み合っ
たプレッシャプレ−ト9とピニオンシャフト19との間
に配置されているから、皿ばね11がサイドギヤ23、
25と摺動することはない。
【0076】デフケ−ス3を回転させるエンジンの駆動
力は、ピニオンシャフト19からピニオンギヤ21に伝
達され、サイドギヤ23、25を介して左右の車輪側に
配分される。
【0077】又、発進時、加速時、悪路走行中などに車
輪間に駆動抵抗差が生じると、エンジンの駆動力はピニ
オンギヤ21の自転によって左右の車輪に差動配分され
る。
【0078】このとき、各多板クラッチ7は、ピニオン
ギヤ21との噛み合いによって生じるサイドギヤ23、
25の噛み合いスラスト力により、各サイドギヤ23、
25とデフケ−ス3との間で押圧され、締結される。
【0079】伝達トルクに比例して大きくなるサイドギ
ヤ23、25の噛み合いスラスト力によって各多板クラ
ッチ7が締結されると、その摩擦抵抗によってトルク感
応型の差動制限機能が得られ、差動機構5の差動が制限
される。
【0080】特に、大きな駆動力が掛かる発進時や加速
時などには、トルク感応型差動制限機能によって差動制
限力が強化されるから、車両の操縦性や安定性が大きく
向上する。
【0081】又、上記のように、各多板クラッチ7には
皿ばね11によってイニシャルトルクが与えられてい
る。
【0082】従って、発進時や加速時、あるいは、悪路
走行中などのように、片輪が大きく空転してトルク感応
型差動制限機能が低下するような条件下でも、多板クラ
ッチ7、7のイニシャルトルクによって、空転車輪から
のトルクの逃げが防止され常時一定の差動制限力が得ら
れるから、悪路走破性、発進性、加速性などの低下が防
止されると共に、車体の挙動が安定し、操縦性が大きく
向上する。
【0083】又、デフケ−ス3には、開口17の他に、
オイル取り入れ用の開口41、41が形成されており、
デフキャリヤに設けられたオイル溜りのオイルは、デフ
ケ−ス3の回転に伴ってこれらの開口17、41からデ
フケ−ス3に流出入し、多板クラッチ7、7、球面ワッ
シャ部37、各ギヤの噛み合い部、プレッシャプレ−ト
9とサイドギヤ23、25との摺動面などを充分に潤滑
する。
【0084】デファレンシャル装置1の組付けに当たっ
て、ピニオンシャフト19を除いた差動機構5の各部
材、多板クラッチ7、7、プレッシャプレ−ト9、9、
皿ばね11、11などは、デフケ−ス3の開口17から
内部に組み込まれる。
【0085】その後、ピニオンシャフト19を、外部か
らデフケ−ス3の貫通孔27と両プレッシャプレ−ト9
の凹部39と反対側の貫通孔27に差し込み、組付けを
終了する。ピニオンシャフト19の挿入時に皿ばね1
1、11がガイドの役割を果たす。
【0086】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0087】上記のように、デファレンシャル装置1
は、各サイドギヤ23、25の内側に配置した皿ばね1
1、11によって多板クラッチ7、7を押圧する内押し
型であるから、図6のグラフ253のように、サイドギ
ヤ23,25の噛み合いスラスト力による差動制限力が
瞬時に立ち上がり、遅れが生じない。
【0088】従って、車両の悪路走破性、発進性、加速
性などの改善効果が大きい。
【0089】又、内押し型であることによって、同等の
イニシャルトルクが設定されている外押し型よりも、タ
イトコ−ナ−ブレ−キング現象や異常音が発生しにく
い。
【0090】又、互いに噛み合ったプレッシャプレ−ト
9とピニオンシャフト19との間に皿ばね11を配置し
て、サイドギヤ23、25との摺動から遮断し、保護し
ているから、皿ばね11は、摩耗せず、耐久性が大きく
向上する。
【0091】又、両方のプレッシャプレ−ト9にピニオ
ンシャフト19と噛み合わせるための凹部39を設けた
から、デファレンシャル装置1を組付ける際に、上記の
ように、両方のプレッシャプレ−ト9と皿ばね11をデ
フケ−ス3に組付けた後、ピニオンシャフト19をデフ
ケ−ス3の外部から差し込むことによって、ピニオンシ
ャフト19を組付けることができる。
【0092】従って、図5の従来例と異なり、部材を組
付けるためにデフケ−ス3を分割構造にする必要がな
く、このようにデフケ−ス3を1ピ−ス構造にしたこと
により、ボルトのような連結部材を含めた部品点数の増
加とコストの上昇とが防止されると共に、強度低下を補
うための重量化も避けられるから、それだけ軽量に構成
されている。
【0093】なお、請求項4の構成は、例えば、長い1
本のピニオンシャフト(2個のピニオンギヤ)と2本の
短いピニオンシャフト(各1個のピニオンギヤ)とを用
いたものであり、長いピニオンシャフトをデフケ−スの
貫通孔と各プレッシャプレ−トの凹部と貫通孔に差し込
んだ後、短いピニオンシャフトをデフケ−スの貫通孔と
各プレッシャプレ−トの凹部に差し込み、端部を長いピ
ニオンシャフトに突き当てれば、各ピニオンシャフトを
組付けることができる。
【0094】このように、本発明のデファレンシャル装
置は、内押し型でデフケ−スを1ピ−ス構造にできるな
どの効果を得ながら、例えば、4個のピニオンギヤを用
いて構成することが可能である。
【0095】又、請求項5の構成は、例えば、3本の短
いピニオンシャフト(各1個のピニオンギヤ)を用いた
ものであり、各ピニオンシャフトをデフケ−スの貫通孔
と各プレッシャプレ−トの凹部に差し込み、それぞれの
端部を互いに突き当てれば、各ピニオンシャフトを組付
けることができる。
【0096】このように、本発明のデファレンシャル装
置は、内押し型でデフケ−スを1ピ−ス構造にできるな
どの効果を得ながら、例えば、3個のピニオンギヤを用
いて構成することができる。
【0097】又、請求項6の構成は、摩擦クラッチの押
圧力をカムで増幅して大きなトルク感応型差動制限機能
を得るものであり、内押し型のイニシャルトルクによっ
て、車輪が空転したときのトルク感応型差動制限機能の
低下を補い、車両の悪路走破性、発進性、加速性を高く
保つことができる。
【0098】又、請求項7の構成は、アウタ−ケ−スと
デフケ−スの連結をクラッチで断続するものであり、本
発明は、内押し型でデフケ−スを1ピ−ス構造にできる
などの効果を得ながら、このような構成にも適用でき
る。
【0099】なお、本発明において、摩擦クラッチは多
板クラッチに限らず、例えば、円錐クラッチのように他
の形式の摩擦クラッチでもよい。
【0100】又、請求項1乃至請求項6のデファレンシ
ャル装置は、フロントデフ(エンジンの駆動力を左右の
前輪に配分するデファレンシャル装置)と、リヤデフ
(エンジンの駆動力を左右の後輪に配分するデファレン
シャル装置)と、センタ−デフ(エンジンの駆動力を前
輪と後輪に配分するデファレンシャル装置)のいずれに
も用いることができる。
【0101】又、請求項7のデファレンシャル装置は、
フロントデフとリヤデフに用いることができる。
【0102】なお、イニシャルトルクを付与する押圧部
材としては皿ばね11に限られるものではなく、例えば
コイルばね、波ばね、ゴム等の弾性力を有する部材であ
れば、適用可能である。
【0103】
【発明の効果】請求項1のデファレンシャル装置は、サ
イドギヤの内側に配置した押圧部材によって摩擦クラッ
チを押圧する内押し型であり、サイドギヤの噛み合いス
ラスト力による差動制限力に遅れが生じないから、悪路
走破性、発進性、加速性などの改善効果が大きい。
【0104】又、内押し型であることによって、同等の
イニシャルトルクが設定されている外押し型よりも、タ
イトコ−ナ−ブレ−キング現象や異常音が発生しにく
い。
【0105】又、押圧部材がピニオンシャフトとプレッ
シャプレ−トとの間で保護され、サイドギヤと摺動する
ことがないから、耐久性が大きく向上する。
【0106】請求項2の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得ると共に、ピニオンシャフトをデフケ−スの
外部から貫通孔と各プレッシャプレ−トの凹部に差し込
むことによって、1ピ−ス構造のデフケ−スにピニオン
シャフトとプレッシャプレ−トと押圧部材を組付けるこ
とができる。
【0107】又、デフケ−スを1ピ−ス構造にしたこと
により、ボルトのような連結部材を含めた部品点数の増
加とコストの上昇とが防止されると共に、強度低下を補
うための重量化も避けられ、それだけ軽量に構成でき
る。
【0108】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の発明と同等の効果を得ると共に、軸方向にスペースを
とらないため小型、軽量でレイアウトが容易である。
【0109】又、皿ばねをピニオンシャフト挿入時のガ
イドとして利用できるので、組み付け性が向上する。
【0110】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの発明と同等の効果を得ると共に、内押し型でデフケ
−スを1ピ−ス構造にできるなどの効果を得ながら、例
えば、4個のピニオンギヤを用いて構成することが可能
である。
【0111】請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの発明と同等の効果を得ると共に、内押し型でデフケ
−スを1ピ−ス構造にできるなどの効果を得ながら、例
えば、3個のピニオンギヤを用いて構成することができ
る。
【0112】請求項6の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの発明と同等の効果を得ると共に、カムで摩擦クラッ
チの押圧力を増幅し大きなトルク感応型差動制限機能を
得る。
【0113】請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれ
かの発明と同等の効果を得ると共に、動力の断続機能を
持ちながら、内押し型でデフケ−スを1ピ−ス構造にで
きるなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】第1の従来例を示す断面図である。
【図4】図3の要部断面図である。
【図5】第2の従来例を示す断面図である。
【図6】摩擦クラッチを押圧するスプリングを、サイド
ギヤの内側に配置した内押し型と、サイドギヤの外側に
配置した外押し型との差動制限力配分特性を比較するグ
ラフである。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置 3 1ピ−ス構造のデフケ−ス 5 ベベルギヤ式の差動機構 7、7 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 9、9 プレッシャプレ−ト 11、11 皿ばね(押圧部材) 17 デフケ−ス3の開口 19 ピニオンシャフト 21 ピニオンギヤ 23、25 出力側サイドギヤ 39 プレッシャプレ−ト9に設けられピニオンシャフ
ト19と噛み合う凹部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デフケ−スと一体に回転するピニオンシ
    ャフトと、ピニオンシャフト上に支承されたピニオンギ
    ヤと、ピニオンギヤと噛み合った一対の出力側サイドギ
    ヤとを有し、エンジンの駆動力を各サイドギヤから車輪
    側に配分するベベルギヤ式の差動機構と、 デフケ−スと各サイドギヤとの間に配置され、サイドギ
    ヤの噛み合いスラスト力を受ける一対の摩擦クラッチ
    と、ピニオンシャフトと噛み合う凹部が設けられた一対
    のプレッシャプレ−トと、 各プレッシャプレ−トとピニオンシャフトとの間にそれ
    ぞれ配置され、プレッシャプレ−トとサイドギヤとを介
    して摩擦クラッチを押圧し、イニシャルトルクを与える
    一対の押圧部材とを備えたことを特徴とするデファレン
    シャル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、 デフケ−スが1部材で形成されており、このデフケ−ス
    に、各部材を内部に組み込むための開口が設けられてい
    ることを特徴とするデファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の発明であ
    って、 一対の押圧部材の少なくとも一方が皿ばねであることを
    特徴とするデファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の発明で
    あって、 ピニオンシャフトが、両端をデフケ−スに連結した長い
    ピニオンシャフトと、外側の端部をデフケ−スに連結
    し、内側の端部を長いピニオンシャフト側に突き当てた
    短いピニオンシャフトとからなることを特徴とするデフ
    ァレンシャル装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の発明で
    あって、 ピニオンシャフトが、外側の端部をデフケ−スに連結
    し、内側の端部を両プレッシャプレ−トの間で互いに突
    き当てた複数本の短いピニオンシャフトとからなること
    を特徴とするデファレンシャル装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の発明で
    あって、 デフケ−スに対して移動自在に連結された一対のプレッ
    シャプレートと、各プレッシャプレートとピニオンシャ
    フトとの間に設けられ、伝達トルクを受けて作動するカ
    ムとを備え、このカムのスラスト力によりプレッシャプ
    レートを介して摩擦クラッチが押圧されることを特徴と
    するデファレンシャル装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の発明で
    あって、 デフケ−スを収容するアウタ−ケ−スと、アウタ−ケ−
    スとデフケ−スとを連結するクラッチと、このクラッチ
    を断続する操作手段とを備えたことを特徴とするデファ
    レンシャル装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008240991A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 デファレンシャル装置
US11394270B2 (en) 2018-10-23 2022-07-19 Atieva, Inc. Differential for an active core electric motor having pin with friction fit
CN115667764A (zh) * 2020-05-25 2023-01-31 吉凯恩汽车有限公司 差速器装置

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