JP2000283831A - 車両重量及び走行路勾配の判定装置 - Google Patents

車両重量及び走行路勾配の判定装置

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JP2000283831A
JP2000283831A JP9334899A JP9334899A JP2000283831A JP 2000283831 A JP2000283831 A JP 2000283831A JP 9334899 A JP9334899 A JP 9334899A JP 9334899 A JP9334899 A JP 9334899A JP 2000283831 A JP2000283831 A JP 2000283831A
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Takeshi Nakamura
中村  剛
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両重量と走行路勾配とを互いに独立して算
出可能な車両重量及び走行路勾配の判定装置を提供す
る。 【解決手段】 判定装置は車両のECU1内に組み込ま
れており、各種のセンサ信号から走行中における実駆動
力Fを演算する一方、その実加速度dV/dtと同じ加速度
を平坦路空車走行時に得るための必要駆動力F0を演算
し、これらの差を負荷抵抗RFとして算出する。負荷抵
抗RF及び実加速度dV/dtは、それぞれの時間変化量ΔR
F,Δ(dV/dt)が算出され、車両の走行中における実加速
度dV/dtの時間変化に伴う負荷抵抗RFの時間変化量の特
性から、車両重量Wが算出される。そして、算出した車
両重量Wから走行路勾配θが算出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行中に得られた
データから車両重量及び走行路勾配を知るための車両重
量及び走行路勾配の判定装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】例えば、特開平9−79363号
公報には、車両の走行中に得られた駆動力及び加速度の
データから、所定の車両負荷度情報を求める技術が開示
されている。この車両負荷度情報は、平坦路空車走行時
の加速度と走行中の実加速度との差から定義されてお
り、車両が積車状態で登坂路を走行するときはその負荷
度が極端に大きく、一方、空車状態で平坦路を走行する
ときはその負荷度は極小、つまり、0に近い。それ故、
上述した公知の技術によれば、求めた負荷度の大小判別
から、車両が積車登坂走行または空車平坦走行の何れの
状態にあるのかを判定できると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た負荷度は、車両重量及び走行路勾配の関数として表さ
れるため、その何れか一方のみについての大小判別には
適していない。具体的には、走行中に得られた負荷度が
中程度である場合、その負荷度が車両重量または走行路
勾配の何れに大きく依存して得られたものであるのかを
判別することができない。
【0004】この点、上述した公知の技術に車両重量及
び走行路勾配の何れか一方のデータを検出するための手
段を付加すれば、求めた負荷度と検出した一方のデータ
に基づいて、演算により他方のデータを算出できると考
えられるが、この場合、少なくとも1つのセンサ類を必
要とする。本発明は上述の事情に基づいてなされたもの
で、その目的とするところは、特別なセンサ類を用いる
ことなく、車両重量及び走行路勾配を別個に算出可能と
する車両重量及び走行路勾配の判定装置を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の車両重量及び走
行路勾配の判定装置(請求項1)によれば、先ず、走行
中における実駆動力及び実加速度の既知のデータから、
車両の負荷抵抗が算出される。より詳しくは、この負荷
抵抗は走行中の実駆動力と、平坦路空車走行時に実加速
度と同じ加速度を得るために必要な駆動力との差から定
義される。次に、走行中における負荷抵抗及び実加速度
の時間変化量がそれぞれ算出され、その実加速度の時間
変化に伴う負荷抵抗の時間変化量から車両重量が算出さ
れる。そして、車両重量が算出されれば、この車両重量
から走行路勾配が算出される。
【0006】上述した判定装置における車両重量の算出
原理は、走行中における車両重量が一定で、走行路勾配
に急激な変化がないとしたとき、車両の負荷抵抗は実加
速度のみの関数として表され、この場合、実加速度の時
間変化に伴う負荷抵抗の時間変化量が車両重量に依存し
て線形的に増減するという特性に基づく。従って、これ
ら実加速度及び負荷抵抗の時間変化量をそれぞれ求めれ
ば、実加速度の時間変化に伴う負荷抵抗の時間変化量と
車両重量との関係から車両重量の理論値、つまり、推定
車両重量を算出可能である。
【0007】一方、負荷抵抗の絶対量は、実加速度の時
間的な変化に関わらず、走行路勾配の大きさに依存して
一律に増減する。従って、上述のように車両重量が算出
されれば、この車両重量から力学的に走行路勾配を算出
可能である。なお、車両重量の算出は車両が定常走行状
態でなく、実加速度が変化している走行状態で正確に行
うことができるので、上述した車両重量算出手段は、実
加速度の時間変化量が所定の閾値より大きいときに演算
を実行することが好ましい。
【0008】また好ましくは、上述した走行路勾配の算
出にあたり、実際の走行路における勾配θが緩勾配であ
ることを考慮すれば、車両重量の走行路面に対するベク
トル演算表記においてcosθ=1,sinθ=θとみなして
演算を行うことができる。この場合、実用的な範囲内で
勾配算出の容易化を図ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両重量及び走行
路勾配の判定装置の実施例について説明する。実施例の
判定装置はトラクタ及びトレーラからなる連結車両に適
用され、この連結車両のトラクタにはディーゼルエンジ
ンが搭載されている。但し、本発明の適用車両は、特に
連結車両に限定されるものではなく、トラック、バス、
乗用車等に広く適用可能である。
【0010】図1を参照すると、実施例の判定装置が模
式的なブロック構成で示されている。この判定装置は連
結車両に装備される電子制御ユニット(ECU)1内に
組み込まれており、ECU1が実行する種々の制御ルー
チン、例えば自動変速装置の制御ルーチンにて機能する
ことができる。なお、特に図示しないが、実施例の連結
車両は機械式のクラッチを有した自動変速装置を装備し
ており、その自動変速制御では例えば、ファジィ推論を
利用して運転者による変速意志を反映した変速段の選択
及びその変速タイミングの適正化が図られている。
【0011】ECU1は、連結車両の走行中に得られる
各種のデータを検出するためのセンサ類に接続されてお
り、これらセンサ類にはエンジン回転数センサ2、ラッ
ク位置センサ4、排気ブレーキ作動スイッチ6、クラッ
チ回転数センサ8、変速ギヤ段センサ10等がある。上
述のエンジン回転数センサ2はエンジンの出力軸の回転
数を検出し、回転数信号Neを出力する。また、ラック
位置センサ4は燃料噴射ポンプのコントロールラック位
置を検出し、そのラック位置信号SRCを出力する。な
お、排気ブレーキ作動スイッチ6からは、その切り換え
に連動してオン/オフ信号EBが出力される。
【0012】クラッチ回転数センサ8からは、クラッチ
の回転数信号Ncが出力され、また、変速ギヤ段センサ
10からは現在の変速ギヤ段信号Gpが出力される。連
結車両において自動変速装置の作動はECU1内の制御
回路12により制御されており、本実施例の判定装置
は、その制御回路12に対し有用な変速制御用パラメー
タを供給することができる。
【0013】図2を参照すると、ECU1が実行する自
動変速制御ルーチンが示されており、以下、このフロー
チャートの手順に沿い、車両重量及び走行路勾配の判定
装置の構成及びその機能を詳細に説明する。先ず、ステ
ップS10では上述した各種センサ類から必要なセンサ
信号が読み込まれる。なお、ECU1内に読み込まれた
センサ信号は、図1に示されるようにそれぞれ演算ブロ
ック20,22に入力される。
【0014】次に、ステップS12では、読み込まれた
センサ信号に基づいてエンジントルクTE、車速V及び
実加速度dV/dtがそれぞれ算出される。具体的には、演
算ブロック20では、エンジン回転数Ne、ラック位置
SRC及びオン/オフ信号EBに基づいて、予め用意さ
れたトルクマップから実際にエンジンが発生するトルク
Eが求められる。そして、得られたエンジントルクTE
は、次の演算ブロック24に供給される。
【0015】一方、演算ブロック22では、クラッチ回
転数Nc及びギヤ段Gpに基づき車速Vが求められる。
ここで得られた車速Vは、次の処理ブロック26及び演
算ブロック28にそれぞれ供給される。そして、処理ブ
ロック26では、車速Vの微分処理により実加速度dV/d
tが求められる。次のステップS14では、上述した各
種の演算信号、つまり、エンジントルクTE、車速V及
び加速度dV/dtに対し、それぞれフィルタ処理がなされ
る。このフィルタ処理は例えば、ECU1内のローパス
フィルタ(図示しない)にて実行することができる。
【0016】次に、ステップS16では車両の負荷抵抗
Fが算出される。この負荷抵抗RFは、複数の演算ブロ
ック24,28,30での演算結果から算出することが
できる。具体的には、上述したギヤ段信号Gpは演算ブ
ロック24にも入力されるようになっており、演算ブロ
ック24では、供給されたエンジントルクTE及びギヤ
段信号Gpに基づいて既知の車両諸元から、車両におい
て実際に発揮されている駆動力(トラクタ牽引力)、つ
まり、実駆動力Fが算出される。
【0017】なお、実駆動力Fは車両重量W、走行路勾
配θとすると、車両の運動方程式から次式(1)の両辺
で表される。 TE・γT・γF・η/RD=(W+WR)/g・dV/dt+(μcosθ+sinθ)・W+λ・A・V2・・・ (1) ここに、γT:トランスミッションギヤ比(走行ギヤ
段) γF:ファイナルリダクションギヤ比 η:駆動系伝達効率 RD:駆動輪タイヤ有効半径 WR:回転部分相当重量 g:重力加速度 μ:転がり抵抗係数 λ:空気抵抗係数 A:車両前面投影面積 また、回転部分相当重量WRは車両が加減速走行してい
るか、又は、惰性で走行しているかで異なり、それぞれ
の場合について以下の式で表される。
【0018】 WR=g・{IW+(IF+IE・γT 2)・γF 2}/RD 2 (加
減速時) WR=g・(IW+IF・γF 2)/RD 2 (惰
行時) ここに、IW:車輪及び車輪と同一回転部分の慣性モー
メント IF:ファイナルリダクション入力軸と同一回転部分の
慣性モーメント IE:トランスミッション入力軸及びエンジン出力軸と
同一回転分の慣性モーメント である。上式(1)から明らかなように、実駆動力Fはエ
ンジントルクTE及び既知の車両諸元に基づいて式(1)
の左辺から算出可能である。
【0019】また、演算ブロック28では、車速Vから
車両の空気抵抗FAが算出される。空気抵抗FAは式(1)
の右辺に含まれており、 FA=λ・A・V2 にて表される。算出された空気抵抗FA及び上述の実加
速度dV/dtは、演算ブロック30に入力される。演算ブ
ロック30では、これら実加速度dV/dt及び空気抵抗FA
に基づいて車両の運動方程式から、平坦路空車走行時相
当の必要駆動力F0が算出される。より詳しくは、この
必要駆動力F0は、車両が直線平坦路を空車状態で走行
するとした場合、現在の実加速度dV/dtと同じ加速度を
得るために必要な駆動力として定義され、次式(2)の両
辺にて表される。
【0020】 TE0・γT・γF・η/RD=(W0+WR)/g・dV/dt−μ・W0−FA ・・・(2) ここに、TE0:平坦路空車走行時相当の必要エンジント
ルク W0 :空車(単車)重量 上式(2)から明らかなように、平坦路空車走行時相当の
必要駆動力F0は、空気抵抗FA、実加速度dV/dt及び既
知の車両諸元に基づいて上式(2)の右辺から算出可能で
ある。
【0021】負荷抵抗RFは実駆動力Fと平坦路空車走
行時相当の必要駆動力F0との差から定義される。それ
故、上述のように実駆動力F及び必要駆動力F0がそれ
ぞれ算出されると、減算部32にてこれら実駆動力Fと
必要駆動力F0との差が求められ、これにより、車両の
負荷抵抗RFが得られる。そして、減算部32にて算出
された負荷抵抗RFは、次の演算ブロック34に供給さ
れる。
【0022】なお、負荷抵抗RFは上述の定義より、上
式(1),(2)から次式(3)で表すことができる。 RF=TE・γT・γF・η/RD−(W0+WR)/g・dV/dt−μ・W0−FA・・・(3) 更に、自動変速制御ルーチンの実行に伴い、次のステッ
プS18では車両が連結状態にあるか否かが判別され
る。この判別は例えば、カプラから供給されるトレーラ
連結信号に基づいて行うことができる。
【0023】いま、車両が連結状態にある場合、ステッ
プS18での判別結果は真(Yes)であり、この場
合、次にステップS20が実行される。これに対し、車
両が単車状態にある場合、その判別結果は偽(No)で
あり、ステップS22が実行される。なお、単車状態に
ある場合の手順については後述する。ステップS20で
は、後述する車両重量Wの値が既に確定されているか否
かが判別される。制御ルーチンの初回では、未だ車両重
量Wが確定されていないので、初回のステップS20で
の判別結果は偽(No)であり、次にステップS24が
実行される。
【0024】ステップS24では、上述した負荷抵抗R
F及び実加速度dV/dtの時間変化量、つまり、負荷抵抗変
化量ΔRF及び実加速度変化量Δ(dV/dt)がそれぞれ算出
される。これら変化量ΔRF,Δ(dV/dt)の算出はそれぞ
れ演算ブロック34,36にて行われ、具体的には、こ
れら演算ブロック34,36では、負荷抵抗RF及び実
加速度dV/dtの今回値と前回値との差をそれぞれ負荷抵
抗変化量ΔRF、実加速度変化量Δ(dV/dt)として算出す
る。
【0025】演算ブロック34にて算出された負荷抵抗
変化量ΔRFは、負荷抵抗RFと共に次の演算ブロック3
8に供給される。この演算ブロック38には、演算ブロ
ック36にて算出された実加速度変化量Δ(dV/dt)もま
た供給される。次のステップS26では、求めた実加速
度変化量Δ(dV/dt)が所定の閾値を超えているか否かが
判別される。具体的には、次のステップS28での演算
において、実加速度変化量Δ(dV/dt)による除算が行わ
れることから、この閾値は例えば、この除算にて実用的
に問題がない程度の最小値に設定することができる。
【0026】いま、車両が加減速走行する場合、実加速
度変化量Δ(dV/dt)は上述の閾値を超える程度に充分に
大きいので、ステップS26での判別結果は真であり、
次にステップS28が実行される。ステップS28で
は、車両重量Wが算出される。具体的には、演算ブロッ
ク38では、供給された負荷抵抗変化量ΔRF及び実加
速度変化量Δ(dV/dt)に基づいて、実加速度dV/dtの時間
変化に伴う負荷抵抗変化量ΔRFの特性から、次式(4)
により車両重量Wが求められる。
【0027】W=m・g+W0 ・・・(4) なお、m=ΔRF/Δ(dV/dt)である。ここで、上述した
演算ブロック38における車両重量Wの算出原理につい
て詳細に説明する。先ず、負荷抵抗RFの定義より、式
(1)及び式(2)の右辺から負荷抵抗RFは次式(5)で表
すことができる。
【0028】 RF=(W−W0)/g・dV/dt+{(μcosθ+sinθ)・W−μ・W0}・・・(5) 上式(5)において、実加速度dV/dtの変化に伴う負荷抵
抗RFの時間変化量に着目すると、走行路勾配θには殆
ど時間的な変化がなく、無視できることから、負荷抵抗
変化量ΔRFと実加速度変化量Δ(dV/dt)との関係は次
式、 ΔRF=(W−W0)/g・Δ(dV/dt) ・・・(6) により表される。
【0029】本発明の発明者は上式(5),(6)から、走
行中における車両重量Wが一定で、走行路勾配θに急激
な変化がないとしたとき、車両の負荷抵抗RFは実加速
度dV/dtのみの関数として表されることに着目する一
方、実加速度dV/dtの時間変化に伴う負荷抵抗RFの時間
変化量から車両重量Wを理論的に算出可能であることを
確認している。また、負荷抵抗RFはトランスミッショ
ンギヤ比の影響を受けない点でも有利である。
【0030】この場合、式(6)から明らかなように、実
加速度dV/dtの時間変化に伴う負荷抵抗RFの時間変化量
は、車両重量Wに依存して決定され、その特性は車両重
量Wに比例して増大する。従って、実加速度変化量と負
荷抵抗変化量の比(ΔRF/Δ(dV/dt))を求めれば、上
式(4)から車両重量Wを算出することができる。なお、
車両が一定速度で走行している場合(定常走行)、実加
速度変化量Δ(dV/dt)は0であり、車両重量Wの算出を
行うことはできない。この場合、上述したステップS2
6での判別結果が偽となり、ステップS28を実行する
ことなくステップS30に進む。
【0031】ステップS30では、車両重量Wが前回
値、つまり、前回の演算周期にて算出された値に保持さ
れる。なお、制御ルーチンの初回では、未だ車両重量W
が算出されていないので、この場合、車両重量Wとして
例えば、適当な初期値が与えられる。次に、ステップS
32では、算出した車両重量Wの値が収束したか否かが
判別される。具体的には、制御ルーチンの演算周期毎に
求めた車両重量Wを順次蓄積した結果、その値がほぼ安
定すると、ステップS32での判別結果が真となる。こ
の場合、次にステップS34が実行され、演算ブロック
38にて得られた車両重量Wが確定される。そして、演
算ブロック38から確定した車両重量Wが出力される。
【0032】これに対し、求めた車両重量Wの値が演算
周期毎に離散しており、未だ安定しない間は、ステップ
S32での判別結果は偽となる。この場合、ステップS
34は実行されず、演算ブロック38からは単に演算周
期毎に求めた車両重量Wが出力される。なお、ステップ
S34が実行されて車両重量Wが確定された後は、次回
の演算周期からステップS20での判別結果が真とな
り、上述したステップS24〜S34の処理は実行され
ない。この場合、車両重量Wとして常に確定された値が
使用される。
【0033】上述のように車両重量Wが算出されると、
次にステップS36が実行される。そして、ステップS
36では車両重量Wから走行路勾配θが算出される。具
体的には、走行路勾配θは演算ブロック40にて算出さ
れ、この演算ブロック40では、演算ブロック38から
供給される車両重量Wに基づいて走行路勾配θが算出さ
れる。走行路勾配θは例えば、式(5)の変形により、既
に求めた負荷抵抗RF及び実加速度dV/dtを用いて、次式
(7)から算出することができる。
【0034】 μcosθ+sinθ=(RF−m・dV/dt+μ・W0)/W ・・・(7) なお、連結車両等の重量積載物搭載車にあっては、極端
な急勾配路を走行することはなく、それ故、実際の走行
路は通常、その勾配が±10%程度の範囲内にある。こ
のような緩勾配路では、車両重量の走行路面に対するベ
クトル成分表記においてcosθ=1、sinθ=θ(rad)と
して式(7)の演算を簡略化することができる。この場
合、走行路勾配θは次式、 θ={RF−m・dV/dt−μ・(W−W0)}/W ・・・(8) から算出することができる。
【0035】上述のように本実施例の車両重量及び走行
路勾配の判定装置は、車両重量W及び走行路勾配θをそ
れぞれ別個に具体的な数値として算出することができ
る。更に、これら算出した値W,θから、車両の積載荷
重がどの程度にあり、また、車両が実際にどの程度の勾
配路を走行しているか否かを明確に判定することができ
る。
【0036】ところで、上述したステップS18での判
別結果が偽、つまり、車両がトラクタ単車状態にある場
合は、ステップS36の代わりにステップS38にて走
行路勾配θが算出される。ステップS38では、上述し
た車両重量Wの算出手順によらず、既知の単車重量W0
から走行路勾配θが算出される。この場合、W=W0
あり、従って、m=0であることから、演算ブロック4
0では単に次式、 θ=RF/W0 ・・・(9) により走行路勾配θが算出される。この場合、単車状態
にあっても走行路勾配θを具体的な数値として算出する
ことができ、登坂路または平坦路の別を正確に判定可能
である。
【0037】判定装置にて得られた車両重量W及び走行
路勾配θは、ECU1内にてそれぞれ演算ブロック3
8,40から制御回路12に供給される。この後、自動
変速制御ルーチンではステップS40の実行により、変
速制御信号の形成処理が行われる。制御回路12には、
図示しないセンサ類及び他の演算ブロックから種々の制
御用パラメータが供給されており、制御回路12では、
これらパラメータや、供給された車両重量W及び走行路
勾配θの情報に基づいて、予め用意された変速マップか
ら目標変速ギヤ段が決定される。
【0038】そして、公知のように所定のドライバ意志
定量化ファジィルールが成立したとき、そのドライバ意
志が決定され、この後、決定したドライバ意志に基づい
て変速操作が実行される場合は、制御回路12から所定
の変速制御信号が出力される。この場合、制御回路12
には車両重量W及び走行路勾配θの情報がそれぞれ別個
に供給されているので、制御回路12はこれらW,θの
情報から例えば、車両が登坂路空車走行(Wが小、θが
大)または平坦路積車走行(Wが大、θが小)の何れの
状態にあるのかを正確に判別することができる。従っ
て、制御回路12では、車両の積車状態に関わらず走行
路勾配に応じて適切な変速タイミングを設定することが
でき、その変速ショック低減に大きく寄与することがで
きる。
【0039】一方、本発明の判定装置は、車両重量及び
走行路勾配を数値的に算出可能であることから、例えば
公知の坂道発進補助装置や駐車補助(パーキングサポー
ト)装置の作動制御、ABS制御、また、エンジンブレ
ーキ補助システムや排気ブレーキの作動制御等にも利用
可能である。その他、本発明は上述した一実施例に制約
されることなく、種々に変形して実施可能である。例え
ば、車両重量Wの算出は、実加速度変化量Δ(dV/dt)に
対する負荷抵抗変化量ΔRFの関係を予めプロットした
マップから算出するようにしてもよい。また、演算ブロ
ック40では、走行路勾配θを式(1)から算出するよう
にしてもよい。この場合、図1のブロック構成におい
て、演算ブロック40には負荷抵抗RFに代えて実駆動
力Fが供給される。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両重量
及び走行路勾配の判定装置(請求項1)によれば、車両
の走行中に得られる既知のデータだけから、車両重量及
び走行路勾配を数値演算することができる。従って、単
なる空車又は積車の判定、或いは、平坦路又は登坂路の
判定のみに止まらず、車両重量及び走行路勾配の正確な
情報を提供することができ、他の車両走行制御技術への
利用にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の判定装置の構成を示したブロック図で
ある。
【図2】実施例の判定装置を使用した自動変速制御ルー
チンのフローチャートである。
【符号の説明】
1 ECU 32 減算部(負荷抵抗算出手段) 34 演算ブロック(負荷抵抗変化量算出手段) 36 演算ブロック(実加速度変化量算出手段) 38 演算ブロック(車両重量算出手段) 40 演算ブロック(走行路勾配算出手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行中における実駆動力と、この
    実駆動力にて得られた実加速度と同じ加速度を平坦路空
    車走行時に得るために必要な駆動力との差を、前記車両
    の負荷抵抗として算出する負荷抵抗算出手段と、 前記実加速度の時間変化量を算出する実加速度変化量算
    出手段と、 前記負荷抵抗の時間変化量を算出する負荷抵抗変化量算
    出手段と、 前記実加速度の時間変化に伴う前記負荷抵抗の時間変化
    量から車両重量を算出する車両重量算出手段と、 前記算出した車両重量から走行路勾配を算出する勾配算
    出手段とを具備したことを特徴とする車両重量及び走行
    路勾配の判定装置。
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Cited By (16)

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