JP2000283953A - 鮮度測定方法 - Google Patents

鮮度測定方法

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JP2000283953A JP11090285A JP9028599A JP2000283953A JP 2000283953 A JP2000283953 A JP 2000283953A JP 11090285 A JP11090285 A JP 11090285A JP 9028599 A JP9028599 A JP 9028599A JP 2000283953 A JP2000283953 A JP 2000283953A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】測定時間が短くて済む、感度が官能検査に劣ら
ない、評価が数値化できる飲食物の鮮度測定方法を提供
する。 【解決手段】両親媒性物質または苦味物質を含む分子膜
を有する味覚センサを用いる。鮮度の基準となる第一の
飲食物を所定の条件で保存し(S11)、所定の条件で
保存された第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬して
その味を測定し第一の測定値を得(S12)、鮮度を測
定する対象である第二の飲食物の溶液に味覚センサを浸
漬してその味を測定し第二の測定値を得て(S13)、
第一の測定値と第二の測定値の差に基づいて第二の飲食
物の鮮度を求める(S14)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は飲食物の鮮度を測定
する方法に係り、特に味覚センサを用いて飲食物の鮮度
を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】飲食物の鮮度の測定は、化学分析等で行
われている例があるが、測定時間が掛かることや測定感
度の点で満足できるものではなく、主に官能検査で行わ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、官能検査は、
識別力に個人差があることや評価の数値化に難があり客
観性に乏しいといった問題点がある。この発明の目的
は、前述の問題点を解決して、測定時間が短くて済む、
感度が官能検査に劣らない、評価が数値化できる飲食物
の鮮度測定方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、この発明の鮮度測定方法は、請求項1に記載のも
のは、両親媒性物質または苦味物質を含む分子膜を有す
る味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定する鮮度測定
方法であって、鮮度の基準となる第一の飲食物を所定の
条件で保存する段階と、前記所定の条件で保存された前
記第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を
測定し第一の測定値を得る段階と、鮮度を測定する対象
である第二の飲食物の溶液に前記味覚センサを浸漬して
その味を測定し第二の測定値を得る段階と、前記第一の
測定値と前記第二の測定値の差に基づいて前記第二の飲
食物の鮮度を求める段階とを含んでいる。
【0005】請求項2に記載のものは、両親媒性物質ま
たは苦味物質を含む分子膜を有する味覚センサを用いて
飲食物の鮮度を測定する鮮度測定方法であって、鮮度の
基準となる第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬して
その味を測定し第一の測定値を得て該第一の測定値を記
憶する段階と、鮮度を測定する対象である第二の飲食物
の溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第二
の測定値を得る段階と、記憶された前記第一の測定値と
前記第二の測定値の差に基づいて前記第二の飲食物の鮮
度を求める段階とを含んでいる。
【0006】請求項3に記載のものは、両親媒性物質ま
たは苦味物質を含む分子膜を有する味覚センサを用いて
飲食物の鮮度を測定する鮮度測定方法であって、鮮度の
基準となる第一の飲食物を所定の第一の条件で保存する
前に該第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその
味を測定し第一の測定値を得る段階と、鮮度を測定する
対象である第二の飲食物を第二の条件の下に置く前に該
第二の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測
定し第二の測定値を得る段階と、前記第一の飲食物を所
定の第一の条件で保存する段階と、前記第一の条件で保
存された前記第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬し
てその味を測定し第三の測定値を得る段階と、前記第二
の条件の下に置かれた第二の飲食物の溶液に前記味覚セ
ンサを浸漬してその味を測定し第四の測定値を得る段階
と、前記第一の測定値と前記第二の測定値の差と前記第
三の測定値と前記第四の測定値の差との差に基づいて前
記第二の飲食物の鮮度を求める段階とを含んでいる。
【0007】請求項4に記載のものは、両親媒性物質ま
たは苦味物質を含む分子膜を有する味覚センサを用いて
飲食物の鮮度を測定する鮮度測定方法であって、測定対
象である飲食物の被測定溶液を複数準備する段階と、該
複数の被測定溶液をそれぞれ異なる温度で所定時間保存
する段階と、該所定時間保存された複数の被測定溶液の
それぞれについて前記味覚センサを浸漬してその味を測
定し、該複数の被測定溶液それぞれの測定値を得る段階
と、得られた複数の前記測定値と前記温度とに関連した
回帰曲線を求める段階と、該回帰曲線に基づいて所望温
度における鮮度の補正値を得る段階と、所望時間後の所
望温度における鮮度の補正値を、回帰曲線に基づいて得
られた所望温度における鮮度の補正値に前記所望時間と
前記所定時間の比の値を掛けて、求める段階と、鮮度の
基準となる第一の飲食物を所定の第一の条件で保存する
前に該第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその
味を測定し第一の測定値を得る段階と、鮮度を測定する
対象である第二の飲食物を第二の条件の下に置く前に該
第二の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測
定し第二の測定値を得る段階と、前記第一の飲食物を所
定の第一の条件で保存する段階と、前記第一の条件で保
存された前記第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬し
てその味を測定し第三の測定値を得る段階と、前記第二
の条件の下に置かれた第二の飲食物の溶液に前記味覚セ
ンサを浸漬してその味を測定し第四の測定値を得る段階
と、前記第一の測定値と前記第二の測定値の差と前記第
三の測定値と前記第四の測定値の差との差および前記補
正値に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階と
を含んでいる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する前
に本発明に用いることとした味覚センサについて説明を
する。本願出願人は、先に他と共同して「味覚センサ及
びその製造方法」の発明につき特許出願をし(特開平3-
54446 )、その明細書及び図面によって、ある種の高分
子重合体の表面マトリックス内に特定の分子配列をもっ
て収納されたいわゆる脂質性分子群が、基本味と呼ばれ
る塩味、酸味、苦味、甘味に対して、感度を示すセンサ
となることを示した。しかも、この種のセンサは、人間
の五感の一つである味覚に代わり、味を測定できるもの
であることを示した。
【0009】高分子重合体は、例えばポリ塩化ビニル
(PVC)であり、それにジオクチルフェニルフォスフ
ォネート(DOPP)のような可塑剤と脂質とを概ね2:
3:1の重量比で混合したものをテトラヒドロフラン
(THF)に溶融し、平底の容器に移して、板上で室温
に三日間保持して、THFを揮発させ、脂質膜すなわち
脂質がPVCの表面マトリックス内に収納された脂質性
分子膜を得た。膜の厚さは約200μmである。
【0010】脂質性分子膜の模式図を、化学物の設計法
で使われている表現方法で表わしたものが図8である。
脂質性分子2のうち円で示した球状部は親水基aすなわ
ち親水性部位aであり、それから原子配列が長く延びる
炭化水素の鎖構造b(例えばアルキル基)がある。図で
はいずれの場合も2本の鎖が延びて一つの分子を表わし
ており、全体で分子群を構成している。この炭化水素の
鎖の部分は、疎水性部位bである。このような脂質性分
子群3が、膜部材4の表面のマトリックス5(表面の構
造、平面的なひろがりをもったミクロな構造)の中に、
一部はマトリックス内部に溶け込ませた形(例えば図8
の2′)で収容されている。これらのような構造を持つ
分子膜の原料となる脂質の例を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】これらの脂質膜を用いたセンサプローブを
用意する。図9は前述のようにして得られた脂質膜1を
センサプローブ6に加工した概略構成を示す断面図であ
る。基材7として外形8mm、長さ55mm、肉厚1mm、の
ポリ塩化ビニルの円筒を用いる。該円筒7の先端部7a
を約60度の角度でカットする。該カットされた先端部
7aに、その開口部7bを塞ぐように脂質膜1を、TH
FにPVCを溶解したものを接着剤として張り付ける。
直径0.5mmの銀線の先を螺旋状に巻いたものを該円筒
7の上部から挿入し電極8とする。緩衝層9として電解
液(3.3mol/l の濃度の塩化カリウム溶液)を前記電
極8の螺旋部分に8bが浸るところまで充填する。
【0013】前記センサプローブを用いた味の測定系を
図10に示す。被測定溶液11はビーカーのような容器
12に入れる。被測定溶液11中に前記センサプローブ
6を入れた。この図では1本のセンサプローブである
が、マルチチャンネルで測定する場合は脂質の異なる脂
質膜を有する(味に対する応答の異なる)複数本のセン
サプローブを用いる。使用前に、塩化カリウム1mmol/l
水溶液で電極電位を安定化した。測定の基準となる電位
を発生する電極として参照電極13を用意し、それを被
測定溶液11に入れる。センサプローブ6と参照電極1
3とは所定の距離を隔てて設置する。参照電極13の表
面は、緩衝層14として飽和塩化カリウム溶液を寒天で
固化したもので覆ってある。
【0014】脂質膜1からの電気信号は、図10のリー
ド線15によってバッファ増幅器17導かれる。バッフ
ァ増幅器17の出力は、A/D変換器18に加えられ
る。参照電極13からの電気信号もリード線16を介し
てA/D変換器18に加えられ、脂質膜1からの電位と
の差をディジタル信号に変換する。このディジタル信号
はマイクロコンピュータ19で適当に処理され、またX
−Yレコーダ20で表示される。
【0015】次に、味覚センサを用いた測定の手順の一
例を図11に基づいて説明する。 S1 基準液のセンサ電位V01 を測定する。バッチ式測
定(被測定溶液を例えばビーカー等にとって行う測定の
方式)の場合、味覚センサを空中に一定回数出し入れた
後、再度基準液のセンサ電位V01 を測定する。フロー式
測定(例えば味覚センサのセットされた測定用のパイプ
に被測定溶液及び基準液をそれぞれ流して行う測定の方
式)の場合、味覚センサに基準液一定時間流した後、再
度基準液のセンサ電位V01 を測定する。 S2 所定時間被測定溶液Siにセンサを浸漬すると共に
被測定溶液Siのセンサ電位Viを測定する。所定時間を設
定するのは各被測定溶液Siで吸着の条件を同じにするた
めである。 S3 被測定溶液Siの測定結果△Vi=Vi-V01 を算出す
る。その後連続して被測定溶液を測定する場合はS1へ
進む。
【0016】なお、脂質は両親媒性物質の一種であり、
表2に示す脂質以外の両親媒性物質、表3に示す苦味物
質も脂質の代わりに利用できる。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】以上のような両親媒性物質または苦味物質
の分子膜を備えた味覚センサを用いることにより飲食物
の鮮度を測定する事が出来る。
【0020】以下、本発明の実施の形態を図1〜4に基
づいて説明する。図1は、本発明の鮮度測定方法の第一
の実施の形態を示す流れ図であり、請求項1に対応する
ものである。 S11 鮮度の基準となる第一の飲食物を所定の条件で
保存する段階である。第一の飲食物は鮮度の基準となる
値を提供するために保存される飲食物である。したがっ
て、前記所定の条件は、時間が経過しても、第一の飲食
物の味がなるべく変化しないような条件、温度なら例え
ば0℃〜5℃、である。 S12 前記所定の条件で保存された前記第一の飲食物
の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測
定値St を得る段階である。第一の測定値St は、鮮度
の基準となる値である。 S13 鮮度を測定する対象である第二の飲食物の溶液
に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定
値Si を得る段階である。 S14 前記第一の測定値と前記第二の測定値の差に基
づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階である。
【0021】ここで、第一の実施の形態の鮮度測定方法
による実験について述べる。測定対象はスポーツドリン
クとして市販されている缶入りの飲料である。味覚セン
サは、表4に示す脂質をそれぞれ含む脂質膜8種類を用
いた8チャンネル(1ch〜8ch)の味覚センサを使
用した。
【0022】
【表4】
【0023】基準液は鮮度の基準となるスポーツドリン
クと同じ条件で保存されたスポーツドリンクを用いた。
保存は冷蔵庫で行い、温度は0℃である。測定対象のス
ポーツドリンクは、温度30℃の条件下に1週間置かれ
たもの、同じく2週間置かれたもの、温度50℃の条件
下に1週間置かれたもの、同じく2週間置かれたものの
4種類である。
【0024】測定手順は次のとおりである。 1) 保存液(基準液と同じもの)に味覚センサをほぼ
10時間浸漬する。 2) 基準液(洗浄用)に味覚センサを10回出し入れ
し、洗浄する。 3) 基準液(測定用)に味覚センサを浸漬し、10秒
後に味覚センサの電位を測定し、測定値をV0 とする。 4) 手順2)、3)を2回以上繰り返し、測定ごとに
今回の測定値V0 と前回の測定値V0 の差が0.3mV
以下かどうかを判断し、0.3mV以下(つまりV0 が
安定したら)であれば、手順5)へ進む。 5) 所定の条件で保存された鮮度の基準となるスポー
ツドリンク(洗浄用)に味覚センサを10回出し入れ
し、洗浄する。 6) 所定の条件で保存された鮮度の基準となるスポー
ツドリンク(測定用)に味覚センサを浸漬し、10秒後
に味覚センサの電位St を測定する。 7) 測定対象であるスポーツドリンク(洗浄用)に味
覚センサを10回出し入れし、洗浄する。 8) 測定対象であるスポーツドリンク(測定用)に味
覚センサを浸漬し、10秒後に味覚センサの電位Si を
測定する。 9) 手順2)〜8)を所定の回数繰り返す。
【0025】このようにして得られた測定値を主成分分
析にかけると図5のような結果が得られた。図5で、P
C1は第一主成分、PC2は第二主成分をそれぞれ表
す。30℃の条件下と50℃の条件下では、鮮度に対応
するポイントP31,P32,P51,P32が時間の経過に従
って、鮮度の基準となるポイントP0 から遠ざかって行
くことが分かる。また、遠ざかる方向が異なることか
ら、30℃の条件下と50℃の条件下では劣化の質が異
なることが分かる。
【0026】図2は、本発明の鮮度測定方法の第二の実
施の形態を示す流れ図であり、請求項2に対応するもの
である。 S21 鮮度の基準となる第一の飲食物の溶液に味覚セ
ンサを浸漬してその味を測定し第一の測定値St を得て
該第一の測定値St を記憶する段階である。第一の飲食
物は鮮度の基準となる値を提供するための飲食物であ
り、第一の測定値St は鮮度の基準となる値である。第
二の実施の形態では、第一の実施の形態のように、第一
の飲食物を所定の条件で保存することを要しない。 S22 鮮度を測定する対象である第二の飲食物の溶液
に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定
値Si を得る段階である。 S23 記憶された前記第一の測定値と前記第二の測定
値の差に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階
である。
【0027】図3は、本発明の鮮度測定方法の第三の実
施の形態を示す流れ図であり、請求項3に対応するもの
である。 S31 鮮度の基準となる第一の飲食物を所定の第一の
条件で保存する前に該第一の飲食物の溶液に味覚センサ
を浸漬してその味を測定し第一の測定値St を得る段階
である。第一の飲食物は鮮度の基準となる値を提供する
ために保存される飲食物である。したがって、前記所定
の第一の条件は、時間が経過しても、第一の飲食物の味
がなるべく変化しないような条件、温度なら例えば0℃
〜5℃、である。第一の測定値St は、鮮度の基準とな
る値である。 S32 鮮度を測定する対象である第二の飲食物を第二
の条件の下に置く前に該第二の飲食物の溶液に味覚セン
サを浸漬してその味を測定し第二の測定値Saを得る段
階である。第二の条件は、例えば、第二の飲食物が輸送
されたり、倉庫に保管されたり、店頭に並べられたりす
るときの温度等の条件である。 S33 前記第一の飲食物を所定の条件で保存する段階
である。 S34 前記第一の条件で保存された前記第一の飲食物
の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第三の測
定値St'を得る段階である。 S35 前記第二の条件の下に置かれた第二の飲食物の
溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第四の
測定値Sa'を得る段階である。 S36 前記第一の測定値と前記第二の測定値の差と前
記第三の測定値と前記第四の測定値の差との差{(Sa'
−St')−(Sa −St )}に基づいて前記第二の飲食
物の鮮度を求める段階である。
【0028】この方法によれば、飲食物の製造ロットの
間に鮮度の測定に影響するような味の差があるときで
も、全ロットについて第一の飲食物を保存する必要はな
く、いずれかのロットの飲食物を代表として保管すれば
足りる。ロット間の味の差は{(Sa'−St')−(Sa
−St )}の演算をすることで吸収される。
【0029】ここで、第三の実施の形態の鮮度測定方法
による実験について述べる。測定対象は缶入り緑茶であ
る。味覚センサは、前述の表4に示す脂質をそれぞれ含
む脂質膜8種類を用いた8チャンネル(1ch〜8c
h)の味覚センサである。基準液は鮮度の基準となる緑
茶と同じ条件で保存された緑茶を用いた。保存は冷蔵庫
で行い、温度は1℃である。
【0030】測定手順は次のとおりである。 1) 保存液(基準液と同じもの)に味覚センサをほぼ
10時間浸漬する。 2) 基準液(洗浄用)に味覚センサを10回出し入れ
し、洗浄する。 3) 基準液(測定用)に味覚センサを浸漬し、10秒
後に味覚センサの電位を測定し、測定値をSt とする。 4) 手順2)、3)を2回以上繰り返し、測定ごとに
今回の測定値St と前回の測定値St の差が0.3mV
以下かどうかを判断し、0.3mV以下(つまりSt が
安定したら)であれば、手順5)へ進む。 5) 測定対象である緑茶(洗浄用)に味覚センサを1
0回出し入れし、洗浄する。 6) 測定対象である緑茶(測定用)に味覚センサを浸
漬し、10秒後に味覚センサの電位Sa を測定する。 7) 30日後に、手順2)〜8)を繰り返して、基準
液の測定値St'と測定対象である緑茶の測定値Sa'を得
る。測定対象の緑茶は、30日の間、温度50℃の条件
(第二の条件)下に置かれる。緑茶の鮮度は{(Sa'−
St')−(Sa −St )}と相関が高く、この値を鮮度
の目安とすることができる。
【0031】図4は、本発明の鮮度測定方法の第四の実
施の形態を示す流れ図であり、請求項4に対応するもの
である。 S41 測定対象である飲食物の被測定溶液を複数準備
する段階である。 S42 該複数の被測定溶液をそれぞれ異なる温度で所
定時間保存する段階である。 S43 該所定時間保存された複数の被測定溶液のそれ
ぞれについて前記味覚センサを浸漬してその味を測定
し、該複数の被測定溶液それぞれの測定値を得る段階で
ある。 S44 得られた複数の前記測定値と前記温度とに関連
した回帰曲線を求める段階である。 S45 該回帰曲線に基づいて所望温度における鮮度の
補正値を得る段階である。 S46 所望時間後の所望温度における鮮度の補正値
を、回帰曲線に基づいて得られた所望温度における鮮度
の補正値に前記所望時間と前記所定時間の比の値を掛け
て、求める段階である。
【0032】S47 鮮度の基準となる第一の飲食物を
所定の第一の条件で保存する前に該第一の飲食物の溶液
に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測定値S
t を得る段階である。第一の飲食物は鮮度の基準となる
値を提供するために保存される飲食物である。したがっ
て、前記所定の第一の条件は、時間が経過しても、第一
の飲食物の味がなるべく変化しないような条件、温度な
ら例えば0℃〜5℃、である。第一の測定値St は、鮮
度の基準となる値である。 S48 鮮度を測定する対象である第二の飲食物を第二
の条件の下に置く前に該第二の飲食物の溶液に味覚セン
サを浸漬してその味を測定し第二の測定値を得る段階で
ある。第二の条件は、例えば、第二の飲食物が輸送され
たり、倉庫に保管されたり、店頭に並べられたりすると
きの温度等の条件である。 S49 前記第一の飲食物を所定の条件で保存する段階
である。 S50 前記第一の条件で保存された前記第一の飲食物
の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第三の測
定値を得る段階である。 S51 前記第二の条件の下に置かれた第二の飲食物の
溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第四の
測定値を得る段階である。 S52 前記第一の測定値と前記第二の測定値の差と前
記第三の測定値と前記第四の測定値の差との差および前
記補正値に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段
階である。
【0033】図6は、本発明の鮮度測定方法での各測定
値の関係を示す図である。図で、縦軸は味覚センサの出
力を、横軸は飲食物の製造や出荷等の鮮度の基準となる
日からの経過した日数を示している。また、St は鮮度
の基準となる第一の飲食物の鮮度の基準となる日におけ
る測定値、Sa は鮮度を測定する対象である第二の飲食
物の鮮度の基準となる日における測定値、St'は鮮度の
基準となる第一の飲食物の所定日数経過後の測定値、S
a'は鮮度を測定する対象である第二の飲食物の所定日数
経過後の測定値、Sa'' はSa を線分St St'に平行に
移動して求めた所定日数経過後の点である。
【0034】この図を用いて、前述の実施の形態につい
て説明すると、第一の実施の形態では、鮮度の基準とな
る第一の飲食物をなるべく鮮度が落ちないような所定の
条件で保存しているので、所定日数経過した時点での鮮
度は、第二の飲食物としてサンプリングした飲食物の測
定値Sa'とSt'との差を目安とする。第二の実施の形態
では、鮮度の基準となる第一の飲食物を保存せずにSt
を記憶しておいて、所定日数経過した時点での鮮度は、
第二の飲食物としてサンプリングした飲食物の測定値S
a'とSt との差を目安とする。この実施の形態では、第
一の飲食物の劣化によるyが測定結果に含まれない。第
三の実施の形態では、{(Sa'−St')−(Sa −St
)}、即ちxを鮮度の目安とする。この実施の形態で
は、製造ロットの間に味の差(Sa −St )があったと
しても、{(Sa'−St')−(Sa−St )}を求める
ので、全ロットについて第一の飲食物を準備する必要は
ない。第三の実施の形態も、第一の飲食物の劣化による
yが測定結果に含まれてしまう。このyが鮮度の測定に
影響するような値になるものについては、次の第四の実
施の形態のように、yについての補正を行う。
【0035】図7は、本発明の鮮度測定方法の第四の実
施の形態での補正係数を求める回帰曲線を示す図であ
る。図で、縦軸は味覚センサの出力、横軸は保存温度で
ある。飲食物としては、缶入りの緑茶を用いた。10
℃、20℃、30℃、40℃、50℃で3日間保存した
緑茶をそれぞれ味覚センサで測定し、その測定値から図
のような回帰曲線を求め、0℃や1℃の場合のyを推定
する。例えば、1℃のとき3日間で0.1mVのセンサ
出力だとすると、1℃30日間では1mVになる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、両親媒性物質または苦
味物質を含む分子膜を有する味覚センサを用いて飲食物
の鮮度を測定することとしたから、測定時間が短くて済
む、感度が官能検査に劣らない、評価が数値化できる飲
食物の鮮度測定方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鮮度測定方法の第一の実施の形態を示
す流れ図である。
【図2】本発明の鮮度測定方法の第二の実施の形態を示
す流れ図である。
【図3】本発明の鮮度測定方法の第三の実施の形態を示
す流れ図である。
【図4】本発明の鮮度測定方法の第四の実施の形態を示
す流れ図である。
【図5】本発明の鮮度測定方法の第一の実施の形態での
実験結果を示す図である。
【図6】本発明の鮮度測定方法での各測定値の関係を示
す図である。
【図7】本発明の鮮度測定方法の第四の実施の形態での
補正係数を求める回帰曲線を示す図である。
【図8】脂質膜を化学物の設計で使われている表現方法
で表した模式図である。
【図9】脂質膜を用いたセンサプローブの概略構成を示
す断面図である。
【図10】測定系を示す図である。
【図11】測定手順を示す流れ図である。
【符号の説明】
1 脂質膜 2 脂質性分子 3 脂質性分子群 4 膜部材 5 マトリックス 6 センサプローブ 7 基材(円筒) 8 電極 9 緩衝層 10 測定系 11 被測定溶液 12 容器 13 参照電極 14 緩衝層 15 リード線 16 リード線 17 バッファ増幅器 18 A/D変換器 19 マイクロコンピュータ 20 X−Yレコーダ 21 シールド
フロントページの続き (72)発明者 駒井 寛 東京都港区南麻布五丁目10番27号アンリツ 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両親媒性物質または苦味物質を含む分子
    膜を有する味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定する
    鮮度測定方法であって、鮮度の基準となる第一の飲食物
    を所定の条件で保存する段階(S11)と、前記所定の
    条件で保存された前記第一の飲食物の溶液に味覚センサ
    を浸漬してその味を測定し第一の測定値を得る段階(S
    12)と、鮮度を測定する対象である第二の飲食物の溶
    液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測
    定値を得る段階(S13)と、前記第一の測定値と前記
    第二の測定値の差に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を
    求める段階(S14)とを含む鮮度測定方法。
  2. 【請求項2】 両親媒性物質または苦味物質を含む分子
    膜を有する味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定する
    鮮度測定方法であって、鮮度の基準となる第一の飲食物
    の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測
    定値を得て該第一の測定値を記憶する段階(S21)
    と、鮮度を測定する対象である第二の飲食物の溶液に前
    記味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定値を
    得る段階(S22)と、記憶された前記第一の測定値と
    前記第二の測定値の差に基づいて前記第二の飲食物の鮮
    度を求める段階(S23)とを含む鮮度測定方法。
  3. 【請求項3】 両親媒性物質または苦味物質を含む分子
    膜を有する味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定する
    鮮度測定方法であって、鮮度の基準となる第一の飲食物
    を所定の第一の条件で保存する前に該第一の飲食物の溶
    液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測定値
    を得る段階(S31)と、鮮度を測定する対象である第
    二の飲食物を第二の条件の下に置く前に該第二の飲食物
    の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測
    定値を得る段階(S32)と、前記第一の飲食物を所定
    の第一の条件で保存する段階(S33)と、前記第一の
    条件で保存された前記第一の飲食物の溶液に味覚センサ
    を浸漬してその味を測定し第三の測定値を得る段階(S
    34)と、前記第二の条件の下に置かれた第二の飲食物
    の溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第四
    の測定値を得る段階(S35)と、前記第一の測定値と
    前記第二の測定値の差と前記第三の測定値と前記第四の
    測定値の差との差に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を
    求める段階(S36)とを含む鮮度測定方法。
  4. 【請求項4】 両親媒性物質または苦味物質を含む分子
    膜を有する味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定する
    鮮度測定方法であって、測定対象である飲食物の被測定
    溶液を複数準備する段階(S41)と、該複数の被測定
    溶液をそれぞれ異なる温度で所定時間保存する段階(S
    42)と、該所定時間保存された複数の被測定溶液のそ
    れぞれについて前記味覚センサを浸漬してその味を測定
    し、該複数の被測定溶液それぞれの測定値を得る段階
    (S43)と、得られた複数の前記測定値と前記温度と
    に関連した回帰曲線を求める段階(S44)と、該回帰
    曲線に基づいて所望温度における鮮度の補正値を得る段
    階(S45)と、所望時間後の所望温度における鮮度の
    補正値を、回帰曲線に基づいて得られた所望温度におけ
    る鮮度の補正値に前記所望時間と前記所定時間の比の値
    を掛けて、求める段階(S46)と、鮮度の基準となる
    第一の飲食物を所定の第一の条件で保存する前に該第一
    の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し
    第一の測定値を得る段階(S47)と、鮮度を測定する
    対象である第二の飲食物を第二の条件の下に置く前に該
    第二の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測
    定し第二の測定値を得る段階(S48)と、前記第一の
    飲食物を所定の第一の条件で保存する段階(S49)
    と、前記第一の条件で保存された前記第一の飲食物の溶
    液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第三の測定値
    を得る段階(S50)と、前記第二の条件の下に置かれ
    た第二の飲食物の溶液に前記味覚センサを浸漬してその
    味を測定し第四の測定値を得る段階(S51)と、前記
    第一の測定値と前記第二の測定値の差と前記第三の測定
    値と前記第四の測定値の差との差および前記補正値に基
    づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階(S52)
    とを含む鮮度測定方法。
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