JP2000285149A - 遺伝的アルゴリズムを用いた住宅設計システム - Google Patents

遺伝的アルゴリズムを用いた住宅設計システム

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JP2000285149A
JP2000285149A JP8904499A JP8904499A JP2000285149A JP 2000285149 A JP2000285149 A JP 2000285149A JP 8904499 A JP8904499 A JP 8904499A JP 8904499 A JP8904499 A JP 8904499A JP 2000285149 A JP2000285149 A JP 2000285149A
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English (en)
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Masashi Kuriwaki
真史 栗脇
Tokifumi Kubai
説文 玖波井
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最適若しくは最適に近い多数の住宅設計解を
得る。 【解決手段】 構造問題を遺伝子型情報に置き換えて遺
伝的操作を行う遺伝的アルゴリズムを用いた住宅設計シ
ステムであって、敷地内に配置するための種々の敷地ゾ
ーンや建物を構成する各ユニットを遺伝子型情報で表現
し、敷地の形状や隣接地の状態および建物の概略形状な
どの環境条件、立地の法的規制条件、車の台数や部屋数
などの生活系条件といった制約条件に基づいて遺伝的ア
ルゴリズムを実行することにより、敷地ゾーンやユニッ
トを種々組み合わせた住宅設計解を、最適若しくは最適
に近い複数解得る。ここで、敷地ゾーンまたはユニット
は、配置位置(x,y)、大きさ(h,w)、配置方向
(d)の構成要素からなり、これら構成要素の個々にそ
の構成要素の意味を示すラベル(L1〜L5、L6〜L
10、・・・)を付けて表現したラベル付きの遺伝子型
情報で表現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の敷地ゾーン
や建物を構成する各ユニットの全体を1度に設計する際
に好適な遺伝的アルゴリズムを用いた住宅設計システム
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、住宅の間取り設計システムと
して、探索的アルゴリズムを用いた住宅間取り自動作成
システム(情報・システム・利用・技術シンポジウム論
文集:1990年、Vol.13)が提案されている。
【0003】このシステムは、まず配置すべき部屋の順
序を決め、配置順序を固定して1部屋づつ順番に配置位
置、形状の候補を求め、順次配置を行っていくという、
いわゆる山登り法を用いている。部屋の配置の順序は、
階ごとに最初に配置すべき部屋を与え、各部屋について
は最初の部屋との親近度の大きさなどをもとに、好まし
い結果を導くといった戦略で順序を決定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな住宅間取り設計システムでは、まず最初に1つの部
屋を配置し、その配置を基準として隣接する部屋を順次
決めていくといった配置ルールになっており、その配置
ルールが満足されれば間取りが成立することになる。つ
まり、その配置ルールを満足する1つの住宅間取りが得
られた時点で探索を終了することになる。しかしなが
ら、このようにして得られた住宅間取りは、全体像を通
じて最適かどうかといった評価がされていないので、必
ずしもその住宅間取り案が最適な若しくは最適に近い間
取り案になっているとは限らないといった問題があっ
た。また、ユーザにとっても、1つの住宅間取り案しか
提示されないので、ユーザの好みに合わせて住宅の間取
りを選択するといった余地も無くなるといった問題があ
った。
【0005】本発明は係る問題点を解決すべく創案され
たもので、その目的は、最適若しくは最適に近い多数の
住宅設計案を提供することのできる遺伝的アルゴリズム
を用いた住宅設計システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、構造問題を遺伝子型情報
に置き換えて遺伝的操作を行う遺伝的アルゴリズムを用
いた住宅設計システムであって、敷地内を配置するため
の種々の敷地ゾーンを遺伝子型情報で表現し、敷地の形
状や隣接地の状態などの環境条件、立地の法的規制条
件、車の台数などの生活系条件といった制約条件に基づ
いて遺伝的アルゴリズムを実行することにより、敷地ゾ
ーンを種々組み合わせた住宅設計解を、最適若しくは最
適に近い複数解得ることを特徴とする。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、構造問題
を遺伝子型情報に置き換えて遺伝的操作を行う遺伝的ア
ルゴリズムを用いた住宅設計システムであって、建物を
構成する各ユニットを遺伝子型情報で表現し、建物の概
略形状などの環境条件および部屋数などの生活系条件と
いった制約条件に基づいて遺伝的アルゴリズムを実行す
ることにより、ユニットを種々組み合わせた住宅設計解
を、最適若しくは最適に近い複数解得ることを特徴とす
る。
【0008】また、請求項3に記載の発明は、構造問題
を遺伝子型情報に置き換えて遺伝的操作を行う遺伝的ア
ルゴリズムを用いた住宅設計システムであって、敷地内
を配置するための種々の敷地ゾーンや建物を構成する各
ユニットを遺伝子型情報で表現し、敷地の形状や隣接地
の状態および建物の概略形状などの環境条件、立地の法
的規制条件、車の台数や部屋数などの生活系条件といっ
た制約条件に基づいて遺伝的アルゴリズムを実行するこ
とにより、敷地ゾーンやユニットを種々組み合わせた住
宅設計解を、最適若しくは最適に近い複数解得ることを
特徴とする。
【0009】また、請求項4に記載の発明は、請求項
1、2、又は3に記載の遺伝的アルゴリズムを用いた住
宅設計システムにおいて、前記敷地ゾーンまたは前記ユ
ニットが、配置位置、大きさおよび配置方向の構成要素
からなり、これら構成要素の個々にその構成要素の意味
を示すラベルを付けて表現したラベル付きの遺伝子型情
報で表現されていることを特徴とする。
【0010】また、請求項5に記載の発明は、請求項
1、2、又は3に記載の遺伝的アルゴリズムを用いた住
宅設計システムにおいて、前記遺伝子型情報が、前記敷
地ゾーンまたは前記ユニットの構成要素を任意の大きさ
に括った個々の情報に分類するとともに、その分類した
個々の情報にその情報の意味を示すラベルを付けて表現
したラベル付き遺伝子であることを特徴とする。
【0011】ここで、一般的な遺伝的アルゴリズム;G
A(genetic アルゴリズム)について簡単に説
明する。
【0012】遺伝的アルゴリズムとは、生物の遺伝にな
らったアルゴリズムであり、問題構造を遺伝子型へ置き
換えて、遺伝的操作を行うことを特徴とする確率的なア
ルゴリズムである。遺伝的アルゴリズムでは、対象問題
の定式化が大きな課題である。対象問題の定式化とは、
遺伝子をどうするか、どういう操作手法を用いるかにつ
いて決定することである。構成要素でどの手法(遺伝子
構造、交叉方法、突然変異方法など)を用いるかは、ど
のような問題を解きたいかに依存する。
【0013】ここで、交叉とは、図14(a)に示すよ
うに、一般には、01のビット列または数値列として問
題を表現し、その数値列のある部分で切って、つなぎ合
わせること(すなわち、個体間の数値列の入れ替え)を
いう。交叉には、交叉する位置が1つで固定の一点交叉
(単純交叉)と、交叉する位置が複数で固定の複数点交
叉とがある。また、突然変異とは、一般的には、図14
(b)に示すように、数値列の一部をランダムに変更す
ることである。
【0014】このような遺伝的アルゴリズムを用いるこ
とにより、以下のような特徴がある。評価の高い個体が
次世代に残る確率が高くなる。多様な準最適解が見つか
る。問題構造(表現型)を、遺伝子配列へ置き換えて操
作するため、情報を計算しやすい形式に圧縮できる。操
作が簡単である。淘汰、増殖、交叉によって解の多様性
を減少、収束に向かわせることができる。突然変異によ
って解の多様性を増加させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0016】図1は、本発明の遺伝的アルゴリズムを用
いた住宅設計システムの全体構成を示すブロック図であ
る。
【0017】この住宅設計システムは、大別すると、設
計基本情報入力部1、遺伝子型情報発生部2、表現型変
換部3、個体評価部4、次世代候補生成部5、循環処理
部6、および途中経過情報ファイル画面出力部7によっ
て構成されている。
【0018】設計基本情報入力部1は、敷地の形状や隣
接地の状態および建物の概略形状などの環境条件、立地
の法的規制条件、車の台数や部屋数などの生活系条件と
いった住宅設計の制約条件、品質評価指標の基準となる
要求品質および重み付けなどの基本情報を入力するブロ
ックである。
【0019】遺伝子型情報発生部2は、敷地内を配置す
るための種々の敷地ゾーンや建物を構成する各ユニット
を、配置位置、大きさおよび配置方向といった要素で構
成し、これら構成要素の個々の情報にその情報の意味を
示すラベルを付けてラベル付き遺伝子とし、この遺伝子
型情報を、制約条件に基づいて複数個体生成するブロッ
クである。より具体的に説明すると、住宅の設計課題
を、パラメータとして扱える情報と、組み合わせ的に選
択肢として扱える情報とに分類するとともに、分類した
個々の情報にその情報の意味を示すラベルを付けてラベ
ル付き遺伝子とし、この遺伝子型情報を、設計基本情報
入力部1より入力された制約条件に基づいて複数個体生
成するブロックである。
【0020】表現型変換部3は、遺伝子型情報発生部2
により生成された各個体の遺伝子型情報を、住宅の品質
評価指標および住宅形状(敷地ゾーンの配置形状やユニ
ットの配置形状)に変換するブロックである。
【0021】個体評価部4は、表現型変換部3により変
換された個々の住宅の評価値を、品質評価指標に与えら
れた重み付けに従い総合適応度として計算するととも
に、この総合適応度に基づいて個体の選択確率を計算す
るブロックである。より具体的に説明すると、個体評価
部4は、図2に示すように、表現型変換部3により変換
された個々の住宅形状について、品質評価指標の値を計
算するとともに、この計算した値が要求品質にどのぐら
い近いかに従って適応度を計算し、品質評価指標に与え
られた重み付けに従って総合適応度を計算する適応度計
算手段41と、この適応度計算手段41によって計算さ
れた各個体の総合適応度を、個体間の差が大きくなるよ
うにスケーリングするスケーリング手段42と、スケー
リング後の総合適応度に基づいて各個体の選択確率を計
算する選択確率計算手段43とを備えている。
【0022】次世代候補生成部5は、個体評価部4によ
り計算された個々の住宅の選択確率に基づいて次世代の
親となる個体を選択し、その個体の遺伝子型情報の交叉
点数および交叉位置を選択確率に基づいて決定して交叉
を行って、次世代候補の個体を生成し、この生成した次
世代候補の個体の遺伝子型情報を表現型変換部3に供給
する。また、交叉に加え、選択した個体の遺伝子型情報
の突然変異位置を選択確率に基づいて決定して突然変異
を行って、次世代候補の個体を生成し、この生成した次
世代候補の個体の遺伝子型情報を表現型変換部3に供給
するブロックである。個体が一定の数になるように、個
体をそのまま次世代候補にする。
【0023】循環処理部6は、これら表現型変換部3、
個体評価部4、および次世代候補生成部5による循環処
理を、次世代候補生成部5により生成される個体の世代
数が予め設定された一定数(n世代)に達するまで、ま
たは集団中において評価値がある点数以上の個体が全体
の一定割合を超えるまで繰り返し行うブロックである。
例えば、集団中の個体のうち、総合適応度が80%を超
える個体が、40%以上ある場合といったように、ある
程度の住宅設計解が見つかったと判断するまで、繰り返
し行う。
【0024】途中経過情報ファイル画面出力部7は、遺
伝子型情報発生部2、表現型変換部3、および個体評価
部4において計算された結果である各個体の「遺伝子型
情報」、「住宅の各品質評価指標および住宅形状」、
「品質評価指標ごとの適応度」、「総合適応度」、「ス
ケーリング後の品質評価指標ごとの適応度」、「スケー
リング後の総合適応度」、および「選択確率」を各世代
情報としてファイルに出力するとともに、各個体の総合
適応度に基づいて、「集団全体の分散」、「集団の平均
適応度」、「集団中での最高適応度の個体番号および最
高適応度」、「集団中での最小適応度の個体番号および
最小適応度」をそれぞれ計算し、各世代情報としてファ
イルに出力するブロックである。また、途中経過情報フ
ァイル画面出力部7は、次世代候補生成部5により生成
される個体の世代数が予め設定された一定数に達する
と、この時点で生成されている次世代候補の個体情報
を、住宅設計結果として出力するブロックである。
【0025】ここで、遺伝子型情報発生部2において生
成されるラベル付き遺伝子型情報の構造、個体評価部4
での個体評価方法、次世代候補生成部5での交叉、突然
変異について、それぞれ説明する。
【0026】[ラベル付き遺伝子型情報構造]遺伝子型
情報発生部2において生成されるラベル付き遺伝子型情
報は、図3に示すように、ラベル(例えば、L1)と、
敷地ゾーンやユニットを構成する配置位置、大きさおよ
び配置方向といった要素(例えば、x1)とがセットに
なって1つの情報を構成し、これが必要個数配列されて
1個体(1敷地ゾーンまたは1ユニットの全体)を表現
する形で生成される。つまり、ラベルが遺伝子の役割を
果たしており、複数ある敷地ゾーンの構成要素またはユ
ニットの構成要素を1つの遺伝子配列として扱うことが
できる。ここで、図3中のx,yは配置位置を示し、
h,wは大きさを示し、dは配置方向を示している。
【0027】また、本実施の形態では、同じ意味を持つ
遺伝子を1個体の中に重複して持つことを許容してい
る。そのため、同じ意味を持つ遺伝子が複数できた場
合、遺伝子配列の先頭に近い方を優性遺伝子、遠い方を
劣性遺伝子とする。すなわち、先頭に近い方を、表現型
へ変換する際の計算に用い、遠い方は用いない。このこ
とより、隠れた多様性(表現型に現れずに生き残ってい
るという意味での多様性)が増すことになる。
【0028】また、ラベル付きであるため、敷地ゾーン
やユニットの構成要素が変わったり、品質評価指標(項
目)が変わったりしても、モジュールを変えるのみで対
応できる。
【0029】[ラベル付き遺伝子型情報構造と交叉]次
世代候補生成部5では、このようなラベル付き遺伝子型
情報構造とすることにより、交叉位置をランダムに選択
することができ、複数点交叉や可変長交叉が可能とな
る。図4では、第1の個体Vを(L2 y1)と(L3
h1)との間で切り離し、第2の個体Wを(L8 h
2)と(L9 w2)との間で切り離し、第1の個体V
の前部分と第2の個体Wの後ろ部分とをつなぎ合わせ、
第2の個体Wの前部分と第1の個体Vの後ろ部分とをつ
なぎ合わせている。その結果、第1の個体Vの前部分と
第2の個体Wの後ろ部分とをつなぎ合わせて生成した新
たな個体V′は情報量が4、第2の個体Wの前部分と第
1の個体Vの後ろ部分とをつなぎ合わせて生成した新た
な個体W′は情報量が6となっている。つまり、個体
V′では情報が不足することになる。そのため、足りな
いラベルがあればこれを補完して、遺伝子長を補正す
る。
【0030】ここで、劣性遺伝子は、本実施の形態では
1個までとし、同じラベルが3個以上あればカットす
る。すなわち、本実施の形態では、劣性遺伝子について
は、前から順に遺伝子を読み込んで行き、同じラベルが
3個以上あればカットする。つまり、同じラベルは2個
まで存在可能としている。同じラベルがある場合、最初
に読み込んだ遺伝子のみ有効(優性遺伝子)とする。従
って、2個目のラベルの遺伝子は無視する。そのため、
表現形態には影響を及ぼさない。劣性遺伝子であって
も、交叉により、前にでてきたら優性遺伝子になる可能
性があり、この意味で隠れた多様性が増すことになる。
【0031】[突然変異]突然変異とは、上記した如
く、一般には数値列の一部を変更することであるが(図
14(b)参照)、本実施の形態では、ラベルに応じた
範囲で乱数をふって変更する。その他にも、劣性遺伝子
が優性遺伝子になる機会を増やすために、逆位を盛り込
んでもよい。逆位とは、図5に示すように、ランダムに
遺伝子を決めて、その位置を交換すること(反転するこ
と)をいう。
【0032】[評価方法]個体評価部4では、ラベル付
き遺伝子型情報より、住宅品質を表す値(指標値)を求
め、求めた指標値が、要求品質(目標値、基準値)に対
してどのぐらい達成しているかを、品質評価項目ごとに
計算して個別適応度とする。そして、この個別適応度
に、設計基本情報入力部1から予め入力されている重み
付けを加味して、下式(1)により総合適応度を計算す
る。
【0033】 総合適応度=a×α+b×β+c×γ+d×δ+・・・ ・・・(1) 図6は、品質評価項目と、計算された個別適応度と、設
計基本情報入力部1から入力された各項目の重みとの関
係を例示している。
【0034】なお、個体評価部4では、このようにして
求めた各個体の総合適応度を、個体間の差が大きくなる
ようにスケーリングし、スケーリング後の総合適応度に
基づいて各個体の選択確率を計算することになる。
【0035】ここで、スケーリングと選択確率につい
て、図7に示すスケーリングのフローチャートおよび図
8に示す選択確率のフロチャートをそれぞれ参照して説
明する。
【0036】〔スケーリング〕スケーリングは、計算し
た総合適応度の個体差を変えて、選択時の確率に反映さ
せるものであり、本実施の形態では、以下の方法によっ
てスケーリングを行っている。すなわち、任意の個体
(具体的には1個目の個体)を選択し(ステップS
1)、その個体について下式(2)の計算を行い、スケ
ーリング後の総合適応度を算出する(ステップS2)。
【0037】 スケーリング後の総合適応度 =総合適応度−(すべての個体の総合適応度の平均値/2) ・・・(2) 次に、スケーリング後の総合適応度が0.0より大きい
か否かを判断する(ステップS3)。そして、スケーリ
ング後の総合適応度が0.0より小さい場合には、その
総合適応度の値がもともと低く、その個体を次世代に残
す必要性も少ないので、総合適応度を0.0とする。つ
まり、次の選択確率の計算では、この個体の選択確率は
0となる。一方、スケーリング後の総合適応度が0.0
より大きい場合には、そのスケーリング後の総合適応度
をその個体の総合適応度として(ステップS5)、次の
選択確率に反映させる。
【0038】個体評価部4では、このような処理を全て
の個体について行い(すなわち、ステップS6での判断
がYesになるまで、ステップS1〜ステップS6の処
理を繰り返して)、各個体のスケーリング後の総合適応
度を計算する。
【0039】なお、スケーリングについては、上記のよ
うな方法に限定されるものではなく、例えば各個体の総
合適応度をそれぞれ2乗するといったより簡単な方法
等、従来から行われている種々の方法が適用可能であ
る。
【0040】〔選択確率〕本実施の形態では、期待値の
部分合計を選択確率とした処理を選択確率計算処理とし
た。そして、ここではさらに、0から個体の集団サイズ
までの数を乱数でふり、その数によって個体を選択する
といった方法を採用している。この他にも、例えば0か
ら1.0までの数の選択確率をわりふり、0から1.0
までの数を乱数発生させて個体を選択するといった方法
でもよい。
【0041】まず、1個目の個体を選択し(ステップS
11)、この1個目の個体について、下式(3)によっ
て変数(prior)を計算し、この変数(prio
r)を1個目の個体の選択確率とする(ステップS1
2)。
【0042】 変数(prior) =1個目の個体のスケーリング後の総合適応度/すべての個体の総合適応度 の平均値 ・・・(3) 次に、2個目の個体を選択し(ステップS13)、この
2個目の個体について、下式(4)の計算を行って選択
確率を算出する(ステップS4)。
【0043】 2個目以降の個体の選択確率 =(2個目以降の個体のスケーリング後の総合適応度/すべての個体の総合 適応度の平均値)+1個前の個体の変数(prior) ・・・(4) 個体評価部4では、このような処理を最終の1個前の個
体まで繰り返し行う(すなわち、ステップS15での判
断がYesになるまで、ステップS11〜ステップS1
5の処理を繰り返す)。そして、最終の個体になると
(ステップS15でYesの場合)、下式(5)によっ
て最終の個体の選択確率を計算する(ステップS1
6)。
【0044】 最終の個体の選択確率=集団サイズ ・・・(5)
【0045】
【実施例】次に、上記構成の遺伝的アルゴリズムを用い
た住宅設計システムにおいて、実際に住宅の敷地ゾーン
の配置を設計する実施例について説明する。
【0046】本実施例では、敷地ゾーンの具体例とし
て、住宅外では、車庫、庭1(庭2)、サービスヤー
ド、アプローチなどがあり、住宅内では、玄関、パブリ
ック、家事、プライベートなどがある。これらを敷地内
に配置する。
【0047】また、前記基本情報入力部1から入力され
る制約条件としては、(1)環境条件として、敷地形状
(x、y)×n(グラフィック入力)、方位、隣接地状
況、隣が何か(道路・家等)、(2)法的規制条件とし
て、建蔽率(敷地内の住宅の建築面積比)、容積率(敷
地内の延べ床面積比)、北側斜線、道路斜線(隣接地が
日陰にならないようにする家の高さと角度の制限)、
(3)生活系条件として、生活人数、車台数、配置を必
要としないゾーン、などがある。
【0048】遺伝子型情報発生部2は、上記のような制
約条件に基づき、ラベル付き遺伝子をつなげて、初期個
体を複数個ランダムに発生させる。
【0049】このようにして発生された初期個体S,
T,U・・・の一例を図9に示す。ここで、上記した如
く、x,yは各敷地ゾーン1〜8の配置位置、h,wは
大きさ、dは配置方向である。ただし、配置位置x,y
については、敷地入力条件下の範囲とする。
【0050】表現型変換部3では、遺伝子型情報発生部
2により生成された複数個体の遺伝子型情報を、住宅の
品質評価指標および敷地配置に変換する。
【0051】ここで、例えば図9に示した初期個体Sの
敷地ゾーンが、車庫、家事、プライベート、パブリック
の4ゾーンであって、各敷地ゾーンの構成要素(x,
y,h,w,d)の具体的数値が、図10に示すように
与えられているものとすると、この初期個体Sを図11
(a)に示す長方形状の敷地に配置した状態(形状発
現)が、図11(b)である。このようにしていくつも
個体を生成するのであるが、本実施例では、車庫のhと
w(大きさ)は固定とし、その他のゾーンのhとwは3
〜5種類程度とする。また、各ゾーンのx,yが取り得
る範囲は、0≦x≦12、0≦y≦10とする。
【0052】表現型変換部3では、このように変換した
住宅の品質評価指標および敷地配置を、個体評価部4に
与える。
【0053】個体評価部4では、与えられた各初期個体
S,T,U・・・の敷地配置に対して評価を加え、順位
付けを行う。ここで、評価指標(評価項目)としては、
(1)生活動線、(2)日照、(3)視線、(4)防
音、(5)通風、(6)面積(建蔽率)、などがある。
(1)生活動線については、台所とサービスヤードは距
離が近ければよいといった条件で点数化し、車庫と玄関
は距離が近ければよいといった条件で点数化する。
(2)日照については、庭や住宅内パブリックゾーン
(リビング)の南側に障害物が無いほうがよいといった
条件で点数化する。(3)視線については、道路から住
宅(建物)の距離がとられているほどよいといった条件
で点数化する。(4)防音については、道路から住宅
(建物)の距離がとられているほどよいといった条件で
点数化する。(5)通風については、隣家と住宅(建
物)との距離がとられているほどよいといった条件で点
数化する。(6)面積(建蔽率)については、法的に決
められている上限を超えると0.1、上限以下ではその
計算値を点数とする。
【0054】ここで、初期個体Sの評価値の計算例につ
いて具体的に説明する。初期個体Sでは、玄関とサービ
スヤードがないので、生活動線は評価しないこととす
る。
【0055】まず、日照については、パブリック(家族
共通のリビング等)の日当たりがよいものの評価点数を
高くする。すなわち、パブリックの南側にさえぎられる
ことのない壁がいくつあるかを調べ、 [(日のあたる壁の枚数)/(パブリックの総周壁枚
数)]×100 を日照評価値Aとする。
【0056】個体Sの場合、図11(b)から、4枚が
プライベートにさえぎられ、1枚がさえぎられていない
ので、 A=(1/24)×100≒4.1(%) となる。
【0057】次に、面積(建蔽率)については、評価値
Bとすると、 B=[建物面積(パブリック+プライベート+家事)/敷地総面積]×100 =[(35+15+9)/120]×100≒49.1(%) となる。ここで、建蔽率については、その敷地の場所に
より定められた「用途地域」という使用目的により法的
に上限が定まっている。そのため、その上限(60%)
を超えた場合には、評価値Bを0とする。超えない場合
は、その建蔽率をそのまま評価値Bとする。
【0058】次に、異常・エラーについても評価する。
すなわち、パブリックとプライベートと家事とが離れて
いる場合には、現実に住宅を建てることができないの
で、評価値係数Cを0.1とする。また、玄関はパブリ
ック若しくはプライベートに含まれていると考え、どち
らかが道路に接していないと評価値係数Cを0.1とす
る。一方、異常がない場合は評価値係数Cを1とする。
【0059】この評価方法の場合、評価値=評価値係数
C×(重みβ×日照評価値A+重みζ×面積評価値B)
となり、重みβ=20、重みζ=1とすると、個体Sの
評価値は、 1.0×(20.0×4.1+1.0×49.1)≒1
31.1 となる。
【0060】なお、生活動線の評価は、玄関と車庫との
距離、サービスヤードと車庫との距離が近いほど、動き
やすいと考え、 1/(玄関−車庫の距離)+1/(サービスヤード−車
庫の距離) を生活動線の評価値とする。
【0061】このようにして、他の個体T,U・・・に
ついても同様に評価値を求め、点数の高いものが交叉さ
れやすいように選択を行い、終了世代(例えば、n世
代)まで遺伝的操作を繰り返すことによって、敷地ゾー
ンを種々組み合わせた住宅設計解を、最適若しくは最適
に近い複数解得ることができる。
【0062】図12(a),(b)は、このような遺伝
的操作を繰り返した結果、最適若しくは最適に近いとし
て得られた個体の敷地配置の例を示している。
【0063】また、図13は、最適若しくは最適に近い
として得られた複数の個体(敷地配置例)の表示形態の
一例を示している。同図(a)は、敷地配置の各図と評
価項目(生活動線、日照、通風、音、視線等)に対応し
た評価の内容とが、評価点数の高いもの順に左から並べ
て表示されている。また、同図(b)は、同図(a)の
形で表示されたものの中から、ユーザが選択した1つの
敷地配置図とその評価内容とを対応させて表示した状態
を示している。
【0064】なお、上記の実施例では、敷地ゾーンの配
置についてのみ説明しているが、建物を構成する各ユニ
ットの配置についても同様にして行うことができる。ま
た、敷地ゾーンとユニットとを含む全体の配置設計につ
いても、同様にして行うことができる
【0065】
【発明の効果】本発明の遺伝的アルゴリズムを用いた住
宅設計システムによれば、最適若しくは最適に近い多数
の住宅設計プランを短時間の間に作成することができ
る。従って、多数の住宅設計プランをユーザに提供でき
るので、ユーザもその中から好みの住宅設計プランを自
由に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遺伝的アルゴリズムを用いた製品設計
システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】個体評価部の具体的構成を示すブロック図であ
る。
【図3】ラベル付き遺伝子型情報の構造を示す説明図で
ある。
【図4】ラベル付き遺伝子型情報の構造と交叉例とを示
す説明図である。
【図5】逆位を説明する図である。
【図6】品質評価項目と個別適応度と重み付けとの関係
例を示す説明図である。
【図7】スケーリング方法の一例を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図8】選択確率の方法の一例を説明するためのフロー
チャートである。
【図9】発生させた初期個体の例を示す説明図である。
【図10】1つの個体の各配置ゾーンの構成要素の具体
的数値を示す説明図である。
【図11】(a)は敷地ゾーンを配置する長方形状の敷
地の例を示す説明図、(b)は1つの個体を長方形状の
敷地に配置した状態を示す説明図である。
【図12】(a),(b)は、最適若しくは最適に近い
として得られた個体の敷地配置の例を示す説明図であ
る。
【図13】(a)は、最適若しくは最適に近いとして得
られた複数の敷地配置の各図と評価項目に対応した評価
の内容とを、評価点数の高いもの順に並べて表示した状
態を示す説明図、(b)は、(a)の形で表示されたも
のの中から、ユーザが選択した1つの敷地配置図とその
評価内容とを対応させて表示した状態を示す説明図であ
る。
【図14】(a)は基本的な交叉例を示す説明図、
(b)は一般的な突然変異例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 設計基本情報入力部 2 遺伝子型情報発生部 3 表現型変換部 4 個体評価部 5 次世代候補生成部 6 循環処理部 7 途中経過情報ファイル画面出力部 41 適応度計算手段 42 スケーリング手段 43 選択確率計算手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造問題を遺伝子型情報に置き換えて遺
    伝的操作を行う遺伝的アルゴリズムを用いた住宅設計シ
    ステムであって、 敷地内を配置するための種々の敷地ゾーンを遺伝子型情
    報で表現し、敷地の形状や隣接地の状態などの環境条
    件、立地の法的規制条件、車の台数などの生活系条件と
    いった制約条件に基づいて遺伝的アルゴリズムを実行す
    ることにより、敷地ゾーンを種々組み合わせた住宅設計
    解を、最適若しくは最適に近い複数解得ることを特徴と
    する遺伝的アルゴリズムを用いた住宅設計システム。
  2. 【請求項2】 構造問題を遺伝子型情報に置き換えて遺
    伝的操作を行う遺伝的アルゴリズムを用いた住宅設計シ
    ステムであって、 建物を構成する各ユニットを遺伝子型情報で表現し、建
    物の概略形状などの環境条件および部屋数などの生活系
    条件といった制約条件に基づいて遺伝的アルゴリズムを
    実行することにより、ユニットを種々組み合わせた住宅
    設計解を、最適若しくは最適に近い複数解得ることを特
    徴とする遺伝的アルゴリズムを用いた住宅設計システ
    ム。
  3. 【請求項3】 構造問題を遺伝子型情報に置き換えて遺
    伝的操作を行う遺伝的アルゴリズムを用いた住宅設計シ
    ステムであって、 敷地内を配置するための種々の敷地ゾーンや建物を構成
    する各ユニットを遺伝子型情報で表現し、敷地の形状や
    隣接地の状態および建物の概略形状などの環境条件、立
    地の法的規制条件、車の台数や部屋数などの生活系条件
    といった制約条件に基づいて遺伝的アルゴリズムを実行
    することにより、敷地ゾーンやユニットを種々組み合わ
    せた住宅設計解を、最適若しくは最適に近い複数解得る
    ことを特徴とする遺伝的アルゴリズムを用いた住宅設計
    システム。
  4. 【請求項4】 前記敷地ゾーンまたは前記ユニットが、
    配置位置、大きさおよび配置方向の構成要素からなり、
    これら構成要素の個々にその構成要素の意味を示すラベ
    ルを付けて表現したラベル付きの遺伝子型情報で表現さ
    れている請求項1、2または3に記載の遺伝的アルゴリ
    ズムを用いた住宅設計システム。
  5. 【請求項5】 前記遺伝子型情報が、前記敷地ゾーンま
    たは前記ユニットの構成要素を任意の大きさに括った個
    々の情報に分類するとともに、その分類した個々の情報
    にその情報の意味を示すラベルを付けて表現したラベル
    付き遺伝子である請求項1、2、または3に記載の遺伝
    的アルゴリズムを用いた住宅設計システム。
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