JP2000286055A - El素子 - Google Patents

El素子

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JP2000286055A
JP2000286055A JP11094978A JP9497899A JP2000286055A JP 2000286055 A JP2000286055 A JP 2000286055A JP 11094978 A JP11094978 A JP 11094978A JP 9497899 A JP9497899 A JP 9497899A JP 2000286055 A JP2000286055 A JP 2000286055A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のEL素子に比べ、低い駆動電圧によっ
て高い輝度が得られるEL素子を提供する。 【解決手段】 陽極と、陰極と、前記陽極と陰極との間
にEL層とを有してなる、EL素子であって、前記EL
層と前記陽極との間に、正孔注入層を有してなり、前記
正孔注入層が、イオン化ポテンシャルが5.50eV以
下の物質と、イオン化ポテンシャルが5.60eV以上
の物質とを少なくとも含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレーなど
に用いられるEL素子(エレクトロルミネッセンス素
子)に関する。
【0002】
【従来の技術】EL素子の構造は、対向する2つの電極
の間に、少なくとも有機の蛍光物質や電荷輸送剤を含む
発光層、さらに場合によっては正孔輸送層、電子輸送層
等を単層あるいは多層に積層した構造を有している。こ
の両電極間に電圧を印加すると、正孔および電子が、陽
極、陰極からそれぞれ発光層に注入し、これらが再結合
することにより、蛍光性物質が励起され、この励起子が
失活する際の蛍光によって、EL素子が発光する。
【0003】有機EL素子は単純な素子構造で発光表示
が可能であり、軽量で、低価格のディスプレイが容易に
作製できることが大きな特徴であり、近年、ディスプレ
イへの応用が盛んに研究されている。特に、動画を表示
するディスプレイの開発は盛んである。
【0004】このような有機EL素子においては、発光
効率を高めるために電極からの正孔注入効率を改善する
正孔注入層が設ける技術が知られている。この場合、一
般に、正孔注入層に用いる材料としてイオン化ポテンシ
ャルが、電極の仕事関数よりも大きく、EL層の一部で
ある正孔輸送層に用いる材料のイオン化ポテンシャルよ
りも小さいものを選択し、これによって、電極から有機
層への注入障壁を緩和して正孔注入効率を高めている。
しかしながら、この技術においては、電極/正孔輸送層
間の正孔の注入障壁が、電極/正孔注入層と正孔注入層
/正孔輸送層の二つの界面に分割されるだけであり、電
極から注入する正孔が正孔輸送層へ注入されるまでに乗
り越えなければならない障壁は事実上変わらないため、
注入効率の向上は、不十分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電極
からの正孔(ホール)の注入障壁を小さくすることによ
って、従来のEL素子に比べて駆動電圧が低くかつ発光
効率が高いEL素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、正孔注入層
にイオン化ポテンシャルが5.50eV以下の化合物と
イオン化ポテンシャルが、5.60eV以上の化合物を
組み合わせて加えることにより、電極から正孔輸送層へ
の正孔の注入障壁が著しく低下し、EL層の発光効率を
向上させることができることを見出し本発明を完成させ
た。
【0007】したがって、本発明のEL素子は、陽極
と、陰極と、前記陽極と陰極との間にEL層とを有して
なる、EL素子であって、前記EL層と前記陽極との間
に、正孔注入層を有してなり、前記正孔注入層が、イオ
ン化ポテンシャルが5.50eV以下の物質と、イオン
化ポテンシャルが5.60eV以上の物質とを少なくと
も含有することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】EL素子の構造 図1に、本発明のEL素子の一例の素子の断面図を示
す。図中1は、ガラス基材、2はアノード電極、3は正
孔注入層、4は有機EL層、2′はカソード電極であ
る。
【0010】図1に示す有機EL層4は、単層でもよい
が、正孔輸送層、発光層、または、電子注入層等を組み
合せて、多層構造にしてもよい。
【0011】正孔注入層 正孔注入層は、アノード電極とEL層との間に設けら
れ、電極からの正孔の注入を促進させる層である。本発
明の正孔注入層は、イオン化ポテンシャルが5.50e
V以下の物質と、イオン化ポテンシャルが5.60eV
以上の物質を含み、好ましくはこれらがそれぞれ正孔輸
送材料と電荷発生材料である。本発明の正孔注入層に
は、必要に応じて、バインダー樹脂、電子受容性物質、
光導電性の分光感度をシフトさせるための増感色素、そ
の他、光安定化剤、酸化防止剤等を混合してもよい。ま
た、正孔注入層が、光導電性を有することが好ましい。
【0012】正孔の注入障壁が低下する機構は明らかで
はないが、正孔注入層において、イオン化ポテンシャル
が5.50eV以下の化合物とイオン化ポテンシャル
が、5.60eV以上の化合物を混合すると、これらの
化合物の間で電子的な相互作用が生じ正孔の注入障壁が
低下すると考えられる。このような相互作用としては、
例えば、電荷移動錯体等の形成による導電性の低下、あ
るいは、電極界面近傍で空間電荷をトラップすることに
よる界面障壁の低下などが考えられる。
【0013】本発明の正孔注入層に用いるイオン化ポテ
ンシャルが5.50eV以下の物質としては特に限定さ
れるものではないが、好ましくは正孔輸送性材料であ
る。具体的には例えば、オキサジアゾール系、オキサゾ
ール系、トリアゾール系、チアゾール系、トリフェニル
メタン系、スチリル系、ピラゾリン系、ヒドラゾン系、
芳香族アミン系、カルバゾール系、ポリビニルカルバゾ
ール系、スチルベン系、エナミン系、アジン系、トリフ
ェニルアミン系、ブタジエン系、多環芳香族化合物系、
スチルベン二量体等の物質が挙げられる。
【0014】また、正孔輸送剤のうちπ共役系高分子と
しては、ポリアセチレン、ポリジアセチレリン、ポリ
(P−フェニレン)、ポリ(P−フェニレンスルフィ
ド)、ポリ(P−フェニレンオキシド)、ポリ(1,6
−ヘプタジイン)、ポリ(P−フェニレンビニレン)、
ポリ(2,5チエニレン)、ポリ(2,5−ピロー
ル)、ポリ(m−フェニレンスルフィド)、ポリ(4,
4′−ビフェニレン)等が挙げられる。
【0015】また、正孔輸送剤のうち、電荷移動高分子
錯体としては、ポリスチレン・AgCl04、ポリビニ
ルナフタレン・TCNE、ポリビニルナフタレン・P−
CA、ポリフェニルナフタレン・DDQ、ポリビニルメ
シチレン・TCNE、ポリナフアセチレン・TCNE、
ポリビニルアンスラセン・Br2、ポリビニルアンセラ
セン・I2、ポリビヌルアンセラセン・TNB、ポリジ
メチルアミノスチレン・CA、ポリビニルイミダゾール
・CQ、ポリP−フェニレンI2・ポリ−1−ビニルピ
リジン・I2、ポリ−4−ビニルピリジン・I2、ポリ−
P−1−フェニレン・I2、ポリビニルピリジウム・T
CNQ等が挙げられる。また、低分子電荷移動錯体とし
ては、TCNQ−TTF等が、金属錯体高分子として
は、ポリ銅フタロシアニン等が挙げられる。
【0016】電荷輸送性物質としてはイオン化ポテンシ
ャルの小さい材料が好ましく、特にブタジエン系、エナ
ミン系、ヒドラゾン系、トリフェニルアミン系、が好ま
しい。
【0017】本発明の正孔注入層に用いるイオン化ポテ
ンシャルが5.60eV以上の物質としては特に限定さ
れるものではないが、好ましくは電荷発生材料である。
具体的には、特にa−Se系材料、a−Si系材料、ポ
リビニルカルバゾール(PVK)、ポリ−N−エチレン
性不飽和基置換フェノチアジン類、ポリビニルピレン、
ピリリウム系染料、チアピリリウム系染料、アズレニウ
ム系染料、アズレニウム塩、シアニン系染料、スクワリ
リウム塩系染料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、
ピラントロン系顔料、多環キノン系顔料、インジゴ系顔
料、キナクリドン系顔料、ピロール系顔料、アゾ顔料、
アンサンスロン系顔料等が挙げられる。顔料系の電荷発
生材料は、樹脂との分散膜として用いることができる。
特に、イオン化ポテンシャルの大きいアゾ顔料系の電荷
発生剤が好ましい。
【0018】また、より好ましくはイオン化ポテンシャ
ルが、5.50eV以上の電荷発生材料として光導電性
材料を用いることにより、EL層が発光した光を利用し
てさらに、電極からの正孔の注入障壁を低下させること
ができる。さらに、正孔注入層に光導電性を持たせた場
合、増感色素を添加することによって分光感度をシフト
させることができる。
【0019】本発明の正孔注入層に用いることのできる
増感色素としては、ビクトリアブルー、クリスタルバイ
オレッド、ブリリアントグリーン、マラカイトグリー
ン、ローダミン、メチレンブルー、ピリリウム塩、ベン
ゾピリリウム塩、トリメチンベンゾピリリウム塩、トリ
アリルカルボニウム塩等がある。
【0020】正孔注入層の膜厚は、0.001〜10μ
m、好ましくは、0.01〜1μmとするとよい。膜厚
がこれより薄いと膜形成が困難であり、また、厚いと電
極から正孔の注入が起こらなくなる。
【0021】正孔注入層に、電荷発生材料と正孔輸送材
料を混合する場合、電荷発生材料1molに対して0.
01〜1000molで好ましくは0.1〜10mol
混合するとよい。バインダー樹脂を混合する場合は、電
荷発生剤1重量部に対して0.1〜10重量部で好まし
くは、0.2〜1重量部がよい。
【0022】EL層 EL(エレクトロルミネッセンス)層は、発光層のみの
単層でもよいが、正孔輸送層、電子輸送層等を組合せ
て、多層構成にしてもよい。また、発光波長を調整した
り、発光効率を向上させる等の目的で、これらの各層に
適当な材料をドーピングすることもできる。EL層の各
層に用いる材料は、無機材料でも有機材料であることも
できるが、典型的には、発光層は有機層とする。形成方
法は、蒸着、スパッタ等の真空成膜法で成膜しても、塗
布液にして塗布して成膜してもよい。
【0023】(発光層)本発明において発光層は、例え
ばアルミキノリウム錯体で発光機能と電子輸送機能を兼
ねていることができるが、蛍光を発する材料であれば特
に限定されない。使用する発光材料としては、例えば以
下のものが挙げられる。
【0024】<色素系>シクロペンタジエン誘導体、テ
トラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘
導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導
体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン
誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジ
ン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴ
チオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサ
ジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー。
【0025】<金属錯体系>アルミキノリノール錯体、
ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾー
ル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜
鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、
等、中心金属に、Al、Zn、Be等または、Tb、E
u、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾ
ール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベ
ンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体。
【0026】<高分子系>ポリパラフェニレンビニレン
誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘
導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリ
ビニルカルバゾール等、ポリフルオレン誘導体。
【0027】<ドーピング材料>発光層中に発光効率の
向上、発光波長を変化させる等の目的でドーピングを行
うことができる。このドーピング材料としては例えば、
ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キ
ナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン
誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリ
ン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンが挙げられ
る。
【0028】(電荷輸送層)EL素子の好ましい構成要
素である電荷輸送層には正孔輸送層、および/または電
子輸送層が含まれる。これらは、例えば特願平9−15
5284号明細書に記載のものように、EL素子に一般
に用いられるものであれば特に限定されない。
【0029】(電荷注入層)EL素子の構成要素である
電荷注入層には正孔注入層および/または電子注入層が
含まれる。このうち、正孔注入層は、別項目として前記
したように、本発明において特徴的な必須の層である。
電子注入層は好ましく用いられる層であって、例えば特
願平9−155284号明細書に記載のものように、E
L素子に一般に用いられるものであれば特に限定されな
い。
【0030】絶縁層 本発明において好ましく用いられる絶縁層は、ELをパ
ターニングしたときの画素間の導通を避けるために設け
られるものである。絶縁層を形成する材料としては、例
えばポリイミドなどの絶縁性の高分子が挙げられる。
【0031】電極 電極層は、アノード電極とカソード電極のどちらか一方
が、透明または、半透明であり、アノード電極として
は、正孔が注入し易いように仕事関数の大きい導電性材
料が好ましく、好ましくは4.60eV以上とする。逆
にカソード電極としては、電子が注入し易いように仕事
関数の大きい導電性材料が好ましい。また、複数の材料
を混合させてもよい。いずれの電極も、抵抗はできるだ
け小さいものが好ましく、一般には、金属材料が用いら
れるが、有機物あるいは無機化合物を用いてもよい。
【0032】一般に、電極層は、蒸着、スパッタ、CV
D等、真空中で成膜するが、導電性高分子、導電性有機
化合物等を水や溶剤に溶解あるいは分散させて、塗布に
より成膜してもよい。
【0033】アノード電極の材料としては、例えばIT
O、酸化インジウム、金、ポリアニリン、酸化錫が挙げ
られ、このうち透明で仕事関数の大きいITOが好まし
い。またカソード電極の材料としては、例えばマグネシ
ウム合金(MgAg他)、アルミニウム合金(AlL
i、AlCa、AlMg他)、金属カルシウムが挙げら
れる。
【0034】陰極バッファー材料、電子注入層 本発明に好ましく用いることのできる陰極バッファー材
料あるいは電子注入層は、陰極からの電子の注入を促進
させる材料であれば特に限定されない。このような材料
としては、例えばアルミリチウム、フッ化リチウム、ス
トロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウ
ム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化
バリウム、酸化アルミニウム、酸化ストロンチウム、カ
ルシウム、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンス
ルホン酸ナトリウムが挙げられる。
【0035】
【実施例】正孔注入層における陽極からの正孔の注入効
果を調べるため、ITO電極/正孔注入層/正孔輸送層
/金電極の順番に構成した素子(本発明のEL素子の一
部分に相当する)を作製し、I−V特性を調べた。以
下、参考例、参考比較例により説明する。
【0036】(イオン化ポテンシャル、仕事関数の測
定)電極の仕事関数、電荷発生材料および正孔輸送材料
のイオン化ポテンシャルは、大気下光電子分析による表
面分析装置(AC−1:理研計器製)を用いて測定し
た。照射光量は、10〜1000nWで測定した。光導
電性材料(電荷発生材料)CG1〜CG10の構造を以
下に示し、イオン化ポテンシャルを表1に示した。、ま
た、正孔輸送材料CT1〜CT21の構造を以下に示
し、イオン化ポテンシャルを表2に示した。さらに、金
属材料(電極材料)の仕事関数を表3に示した。
【0037】
【化1】
【0038】
【化2】
【0039】
【表1】
【0040】
【化3】
【0041】
【化4】
【0042】
【化5】
【0043】
【化6】
【0044】
【化7】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】 (試料の作製)正孔注入層の塗布液として、表1に示し
た光導電性材料(電荷発生材料)3重量部、ポリビニル
ホルマール樹脂1重量部、1,4−ジオキサン98重量
部および、シクロヘキサノン98重量部を混合し、混合
機により充分に混練し、顔料分散液とした。電荷発生材
料と等しいモル数の表2に示した正孔輸送材料を1,4
−ジキオサン98重量部およびシクロヘキサノン98重
量部との混合溶媒、または適切な溶剤に溶解させ、先の
顔料分散液に、電荷発生材料1molに対して正孔輸送
材料が1molになるように混合した。
【0047】洗浄した電極基板上に、正孔注入層の塗布
液をスピンナーを用いて乾燥膜厚が1μmになるように
塗布し、クリーンオーブン中で80℃で、30分乾燥し
た後、測定用に上部電極として、4mm角のサイズの金
を50nmの膜厚で真空蒸着により成膜した。
【0048】(I−V測定による正孔注入電流の測定)
図2に上記測定用試料を測定する電流測定装置を示す。
図中21は、ガラス基板、22はITO電極、22′は
金電極、23は、正孔注入層、25は、正孔輸送層、2
6は、ソースメーター(2400型:キーエンス社
製)、27は、パソコンである。この電流測定装置にお
いて、測定用試料のITO電極を+、金電極を−として
両電極間に20Vの直流電圧を印加して電流を測定し
た。
【0049】(参考例1)図3に電荷発生材料としてC
G2を用い、正孔輸送材料として異なるイオン化ポテン
シャルを有するCT1〜CT21を用いて観測された注
入電流の値を示した。また、正孔輸送材料を混合しない
場合も同様に示した。
【0050】これより正孔輸送材料のイオン化ポテンシ
ャルが5.50eV以下で正孔注入電流が増大した。こ
の結果はCG2と正孔輸送材料の混合比を変化させても
同様であった。正孔輸送材料を混合しない場合は注入電
流密度は10-7A/cm2以下となり、5.50eV以
上の正孔輸送材料を組み合せた場合と同様であった。
【0051】(参考例2)図4に正孔輸送材料としてC
T6を用い、電荷発生材料として異なるイオン化ポテン
シャルを有するCG1〜CG10を用いて観測された注
入電流の値を示した。また、電荷発生材料を混合しない
場合も同様に示した。
【0052】これより電荷発生材料のイオン化ポテンシ
ャルが5.60eV以上で、正孔注入電流が増大した。
これは、CT6と正孔輸送材料の混合比を変化させても
同様の結果が得られた。電荷発生材料を混合しない場合
は、注入電流密度は10-7A/cm2以下となり、5.
60eV以下の電荷発生材料を組み合せた場合と同じで
あった。
【0053】(参考例3)図5に電荷発生材料としてC
G2と正孔輸送材料としてCT6を組み合せた正孔注入
層において、電極を変化させた場合の電極の仕事関数に
対して、観測された注入電流の値を示した。電極の仕事
関数が4.62eV以上で、正孔注入電流が増大した。
【0054】以下、さらに本発明のEL素子の実施例を
説明する。
【0055】(実施例1)ITO電極上に、電荷発生材
料CG1〜CG10のそれぞれに対して、正孔輸送材料
CT1〜CT21のそれぞれを組み合せ、正孔注入層を
形成した。正孔注入層を50nmの膜厚にすること以外
は、参考例と同様に成膜し、次いで、正孔輸送層とし
て、下記構造の正孔輸送剤(N,N′−dipheny
1[1,1′−bipheny1]−4,4′−dia
mine)を1×10-6torrの真空度で5nm/秒
の速度で蒸着し、60nmの膜厚に積層した。
【0056】
【化8】 続いて、この正孔輸送層上に、発光層として、下記構造
のトリス(8キノリノレート)アルミニウムを1×10
-6torrの真空度で5nm/秒の速度で蒸着し、60
nmの膜厚に積層した。
【0057】
【化9】 さらに、発光層上に、カソード電極として、MgAg
(Mg:Ag=10:1)を1×10-6torrの真空
度で5nm/秒の速度、0.16cm2の面積で、10
0nmの膜厚で積層し、本発明のEL素子を得た。
【0058】(発光特性の評価)得られたEL素子の発
光特性を評価するために、図6に示す発光測定装置を構
成した。図中、61は、ガラス基板、62は、アノード
電極、63は、導電性メモリ層、65は、正孔輸送層、
66は、発光層、62′は、カソード電極、67は、ソ
ースメータ(ケースレー社製2400)、69は、輝度
計(ミノルタ社製BM−8)、68は、パソコンであ
る。この測定装置において、上記で作製したそれぞれの
有機EL素子のアノード電極を+、カソード電極を−と
して、両電極間に直流電圧を印加し、このときの発光輝
度を輝度計で測定した。
【0059】表4に、正孔注入層として、電荷発生材料
CG1〜CG10のそれぞれに対して、正孔輸送層CT
1〜CT21のそれぞれを組み合せた素子において、5
Vの直流電圧を印加したときの発光特性を示した。ここ
で、1000cd/m2以上の発光が確認できたものを
A、500〜1000cd/m2の発光が確認できたも
のをB、100〜500cd/m2の発光が確認できた
ものをC、100cd/m2未満の発光しか確認できな
かったものをDとした。正孔注入層を設けなかった素子
は、1000cd/m2以下の発光であり、Bであっ
た。
【0060】
【表4】
【0061】
【発明の効果】本発明によって、従来のEL素子に比
べ、低い駆動電圧によって高い輝度が得られるEL素子
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のEL素子の一例の断面図である。
【図2】本発明の参考例を用いた電流測定装置の説明図
である。
【図3】電荷発生材料としてCG2を用い、正孔輸送材
料として異なるイオン化ポテンシャルを有するCT1〜
CT21を用いて観測された注入電流の値を示すグラフ
である。
【図4】正孔輸送材料としてCT6を用い、電荷発生材
料として異なるイオン化ポテンシャルを有するCG1〜
CG10を用いて観測された注入電流値を示すグラフで
ある。
【図5】電極の仕事関数に対して、観測された注入電流
の値を示すグラフである。
【図6】本発明のEL素子の実施例に用いた発光測定装
置の説明図である。
【符号の説明】 1 ガラス基材 2 アノード電極 2′ カソード電極 3 正孔注入層 4 有機EL層 21 ガラス基板 22 ITO電極 22′金電極 23 正孔注入層 25 正孔輸送層 26 ソースメーター(2400型:キーエンス社製) 27 パソコン 61 ガラス基板 62 アノード電極 62′カソード電極 63 導電性メモリ層 65 正孔輸送層 66 発光層 67 ソースメータ(ケースレー社製2400) 68 パソコン 69 輝度計(ミノルタ社製BM−8)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と、陰極と、前記陽極と陰極との間に
    EL層とを有してなる、EL素子であって、 前記EL層と前記陽極との間に、正孔注入層を有してな
    り、 前記正孔注入層が、イオン化ポテンシャルが5.50e
    V以下の物質と、イオン化ポテンシャルが5.60eV
    以上の物質とを少なくとも含有することを特徴とする、
    EL素子。
  2. 【請求項2】前記陽極の仕事関数が、4.60eV以上
    である、請求項1記載のEL素子。
  3. 【請求項3】前記イオン化ポテンシャル5.50eV以
    下の物質が、正孔輸送材料であり、前記イオン化ポテン
    シャル5.60eV以上の物質が、電荷発生材料であ
    る、請求項1または2に記載のEL素子。
  4. 【請求項4】前記EL層が単層である、請求項1〜3の
    いずれか1項に記載のEL素子。
  5. 【請求項5】前記EL層が、発光層と、少なくともさら
    に電荷輸送層、電荷注入層、正孔輸送層および絶縁層か
    ら選ばれる一つ以上の層を有するものである、請求項1
    〜3のいずれか1項に記載のEL素子。
  6. 【請求項6】前記正孔注入層が、光導電性を有するもの
    である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のEL素
    子。
  7. 【請求項7】前記正孔注入層が、バインダー樹脂中に、
    イオン化ポテンシャル5.50eV以下の正孔輸送材料
    と、イオン化ポテンシャル5.60eV以上の電荷発生
    材料が分散したものである、請求項3に記載のEL素
    子。
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