JP2000286477A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

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JP2000286477A
JP2000286477A JP11090889A JP9088999A JP2000286477A JP 2000286477 A JP2000286477 A JP 2000286477A JP 11090889 A JP11090889 A JP 11090889A JP 9088999 A JP9088999 A JP 9088999A JP 2000286477 A JP2000286477 A JP 2000286477A
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piezoelectric transformer
electrode
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Yoshiyuki Watabe
嘉幸 渡部
Yukihiro Konishi
幸宏 小西
Daisuke Kaino
大助 戒能
Shigeo Ishii
茂雄 石井
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低周波駆動が可能で小型化を図ることができ
るとともに、実装面積を低減でき、生産性の向上も可能
な圧電トランスを提供する。 【解決手段】 外部電極14,16に導電性樹脂でリー
ド線18,20,22がそれぞれ設けられるとともに、
圧電焼成体12の一次側の端部が固定用樹脂24に接着
剤26によって固定される。この状態で一次側外部電極
14に接続されたリード線18,20に駆動電圧を印加
すると、一次側では圧電焼成体12の電気機械結合作用
によって機械振動が生ずる。これが二次側に伝達される
と、機械電気結合作用によって出力電圧が生じ、二次側
外部電極16に接続されたリード線22から取り出され
る。圧電焼成体12は、固定した一次側端部を基準とし
て二次側端部が振動し、圧電焼成体12の全長は駆動周
波数の略1/4になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電効果を利用し
た圧電トランスに関し、例えば液晶ディスプレイ用イン
バータや集塵機の高圧発生回路に好適な圧電トランスの
改良に関するものである。
【0002】
【背景技術】圧電トランスは、最近、ノートパソコンな
どの液晶ディスプレイのバックライト用インバータトラ
ンスとして多く用いられている。従来の庄電トランス
は、駆動周波数と焼成体の長さが共振条件を満たす一定
の関係となっており、駆動周波数に相当する波長をλと
したとき、λ駆動もしくはλ/2駆動が基本となってい
る。また、その構造も、圧電体の一端を入力部,他端を
出力部としたいわゆるローゼン型や、圧電体の中心部を
入力部,両端を出力部としたいわゆる中央駆動型が一般
的である。
【0003】図11には、ローゼン型圧電トランスの基
本構成と振動の様子が示されている。同図(A)の例で
は、板状の圧電体100の左側上下面に一次側の電極1
02が設けられており、圧電体100の右側端面に二次
側の電極104が設けられている。圧電体100の左側
は厚み方向に分極しており、圧電体100の右側は長さ
方向に分極している。このようなローゼン型の圧電トラ
ンスをλ駆動すると、圧電体100は同図(B)に点線
で示すように振動する。また、λ/2駆動すると、圧電
体100は同図(C)に点線で示すように振動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような背景技術には、次のような不都合がある。 (1)圧電トランスを液晶ディスプレイのバックライト
用インバータトランスとして使用するような場合、イン
バータトランスからバックライトの冷陰極管に至る結線
には通常リード線が用いられる。このリード線には浮遊
容量が存在するため、駆動周波数を高くすると浮遊容量
による損失が多くなってしまう。また、リード線の浮遊
容量がインバータトランスの二次側のインピーダンスに
影響を与え、十分な出力電圧が得られなくなるという不
都合もある。これを回避する手段としては、リード線
を極力短くして浮遊容量の絶対量を低減させる方法と、
駆動周波数を低くしてリード線のインピーダンス低下
を防ぐ方法の2種類がある。
【0005】ところで、液晶ディスプレイは、更なる薄
型化が求められているのが実情である。一方、液晶ディ
スプレイの裏側や横側にインバータトランスを実装する
と、どうしても薄型化は困難となる。そうすると、やは
り主回路の近傍にインバータを実装することになるが、
前記のリード線を短くすることは困難となる。このよ
うな点からすると、前記の低駆動周波数化の方法によ
って浮遊容量によるリード線のインピーダンス低下を防
ぐ方法が好ましい。しかし、駆動周波数を低く設定する
としても、人間やペットの可聴周波数域とすることは雑
音発生の観点から好ましくない。すると、可聴周波数域
を越えたおよそ60kHz近傍の駆動周波数が望ましいこ
とになる。
【0006】しかしながら、そのような低い周波数で上
述したλ駆動あるいはλ/2駆動を行うと、どうしても
圧電素子の全長が長くなってしまう。例えば、60kHz
で駆動するために必要な圧電素子の長さは、λ駆動で約
55mmλ/2駆動で28mmとなる。なお、駆動周波数に
対応する素子長は材料の弾性定数によって変化するが、
セラミックスを材料として用いる場合、弾性定数の変化
は微々たるものである。従って、材料の選択による素子
長の低減には限度がある。
【0007】(2)駆動周波数を低くした場合、λ駆動
方式よりもλ/2駆動方式のほうが圧電素子を短くする
ことができる。しかし、図11(C)に示したように、
ローゼン型でλ/2駆動を行うと、振動の節が一箇所と
なるため、圧電素子の支持が問題となる。また、圧電素
子の出力端は高電圧となるため、絶縁などの点から他の
電子部品を配置することは好ましくない。ところが、圧
電素子の中央部に電極を設け、両端から出力を取り出す
中央駆動型の場合は、両端で高電圧が発生するため、両
端部近傍に電子部品などを配置することができず、結果
的に圧電素子両端において部品実装面積が拡大し、液晶
ディスプレイの小型化が妨げられる。
【0008】(3)液晶ディスプレイは各種の大きさが
あり、その大きさに応じて冷陰極管のサイズも異なる。
このため、インバータトランスも冷陰極管サイズに応じ
た出力電力が得られるように仕様を変更する必要があ
る。しかし、これでは、生産性が悪く、高コスト化につ
ながってしまう。
【0009】本発明は、以上の点に着目したもので、低
周波駆動が可能で小型化を図ることができるとともに、
実装面積を低減でき、生産性の向上も可能な圧電トラン
スを提供することを、その目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、ローゼン型の圧電トランスにおいて、機
械振動の伝達方向における素子の長さを、駆動周波数の
波長の略1/4としたことを特徴とする。主要な形態の
一つは、前記圧電体を、圧電材によって形成されてお
り、一次側内部電極が設けられた圧電シートを積層して
構成したことを特徴とする。他の形態は、機械振動の伝
達方向における一次側電極の長さが、素子の長さに対し
て50%〜80%、更には、65%〜75%であること
を特徴とする。更に他の形態は、前記一次側内部電極の
端部を、圧電シートの端部からずれた位置としたことを
特徴とする。
【0011】他の発明は、圧電体に低圧側電極と高圧側
電極を形成したローゼン型の圧電トランスにおいて、機
械振動の伝達方向における素子の長さを駆動周波数の波
長の略1/4とするとともに、前記低圧側電極を固定し
たことを特徴とする。更に他の発明は、圧電体に低圧側
電極と高圧側電極を形成したローゼン型の圧電トランス
素子を複数備えており、各圧電トランス素子は、機械振
動の伝達方向における素子の長さが駆動周波数の波長の
略1/4であって、前記低圧側電極を固定するととも
に、前記高圧側電極を弾性端子に共通に接触したことを
特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点
は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【0012】
【発明の実施の形態】(1)実施形態1…以下、本発明
の実施の形態について詳細に説明する。最初に、図1及
び図2を参照して実施形態1を説明する。本形態は、単
板のローゼン型の圧電トランスと同一形状の例である。
図2には、主要製造工程の様子が示されている。まず、
PZT(ジルコン酸チタン酸鉛)などの圧電セラミック
スの粉末10を用意し(図2(A)参照)、これを金型
(図示せず)を用いてプレス成形する。そして、脱バイ
ンダ処理の後、焼成して圧電焼成体12を得る(図2
(B)参照)。なお、試作した圧電焼成体12の寸法
は、長さL=13.5mm,幅W=4mm,厚さT=1.5
mmである。
【0013】次に、Agなどのよる外部電極14,16
を、スクリーン印刷などの適宜の方法で形成する(図2
(C)参照)。一次側外部電極14は低圧側,二次側外
部電極16は高圧側となっている。そして、これら外部
電極に電圧を印加して圧電焼成体12の分極を行う。す
なわち、圧電焼成体12の左側は、一次側外部電極14
間に電圧を印加して、図中に矢印FAで示す厚み方向に
分極を施す(図2(D)参照)。また、圧電焼成体12
の右側は、一次側外部電極14と二次側外部電極16の
間に電圧を印加して、図中に矢印FBで示す長さ方向に
分極を施す(図2(E)参照)。
【0014】以上のようにして得た圧電焼成体12は、
図1(A)に示すように、まず各電極面に導電性樹脂で
リード線18,20,22がそれぞれ設けられるととも
に、圧電焼成体12の一次側(図の左側)の端部が固定
用樹脂24に接着剤26によって固定される。この状態
で一次側外部電極14に接続されたリード線18,20
に駆動電圧を印加すると、一次側では圧電焼成体12の
電気機械結合作用によって機械振動が生ずる。これが二
次側(図の右側)に伝達されると、機械電気結合作用に
よって出力電圧が生じ、二次側外部電極16に接続され
たリード線22から取り出される。
【0015】表1には、本形態に関して試作した圧電ト
ランスに、100kΩの負荷を接続したときの入出力特
性が示されている。この表1に示すように、入力電圧が
5Vrms(実効値)であるのに対し、出力電圧は85Vrms
となっており、昇圧比17倍が得られた。また、出力電
流は0.32mAで、効率(出力電力/入力電力)は7
6.8%であった。これらを単板ローゼン型の従来技術
と比較しても、十分な特性となっている。また、上述し
たように、圧電焼成体12の長さがL=13.5mmであ
るが、駆動周波数は58.2kHzであり、圧電トランス
素子の長さが15mm以下、60kHz以下の低周波駆動素
子を得ることができた。図1(B)には、本形態におけ
る圧電焼成体12の振動の様子が示されている。同図に
示すように、圧電焼成体12は、固定した一次側端部を
基準として二次側端部が振動している。この変位分布か
ら、本形態の圧電焼成体12の全長が駆動周波数の略1
/4になっていることが確認できた。
【0016】
【表1】
【0017】以上のように、本形態によれば、駆動周波
数の波長λに対しトランス素子全長がλ/4であるた
め、60kHz以下の低周波で駆動しても小型化が可能で
ある。また、固定側である一次側が低電圧であるため、
絶縁処理が簡便でよく、部品の実装が容易になる。更
に、圧電トランスを小型化できるため、所望の出力とな
るように多数個を並列接続しても占有面積の増加が抑制
される。このため、一つのサイズのものを量産して多様
な出力に対応でき、コストの低減を図ることができる。
【0018】(2)実施形態2…次に、図3及び図4を
参照しながら、本発明の実施形態2について説明する。
本形態では、前記実施形態1で得られた入出力特性を更
に向上させるため、一次側電極を積層化した構成となっ
ている。最初に、図3(A)に示すように、内部電極3
0をスクリーン印刷したPZTによるグリーンシート3
2と、内部電極34を同様にスクリーン印刷したPZT
によるグリーンシート36を作製する。両者は、内部電
極30,34のパターンが異なるのみで、他は同じであ
る。グリーンシート32,36の長さはLG=15.8
mm,幅はWG=4.6mm,厚みはTG=35μmであ
る。内部電極30,34は、グリーンシート32,36
のほぼ半分の長さになる大きさに印刷される。そして、
互いに逆となる側部位置に切除部30A,34Aがそれ
ぞれ形成されている。
【0019】これらグリーンシート32,36は、交互
に25層積層される。そして更に、上下に保護用のグリ
ーンシート38を積層し、全体で27層として加熱加圧
する。これにより、図3(B)に示すような圧着体40
を得る。この圧着体40の寸法は、長さLP=15.9
mm,幅WP=4.7mm,厚みTP=0.92mmである。
この庄着体40を1100℃の雰囲気で焼成したとこ
ろ、図4(A)に示すような長さLB=13.5mm,幅
WB=4mm,厚さTB=0.78mmの圧電焼成体42を
得た。この圧電焼成体42に、例えばAgペーストで外
部電極44A,44B,46を形成する。これらのう
ち、一次側外部電極44Aは、図3(A)に示した内部
電極34の切除部34Aの位置に形成されており、内部
電極30が接続している。また、一次側外部電極44B
は、図3(A)に示した内部電極30の切除部30Aの
位置に形成されており、内部電極34が接続している。
二次側外部電極46は、焼成体42の端部に形成されて
いる。
【0020】次に、これらの外部電極44A,44B,
46を用いて、図4(B)のように、一次側は矢印FA
の方向に、二次側は矢印FBの方向にそれぞれ分極を施
す。すなわち、外部電極44A,44B間に電圧を印加
することで、内部電極30,34間に電圧が印加され、
圧電焼成体42の一次側が矢印FA方向に分極される。
また、外部電極44A,44Bと外部電極46の間に電
圧を印加することで、内部電極30,34と外部電極4
6との間に電圧が印加され、圧電焼成体42の二次側が
矢印FB方向に分極される。本形態に関して試作した圧
電トランスで使用した材料の抗電界は2kV/mmであった
ため、それに応じた電圧を電極44A,44B,46間
にそれぞれ印加し、分極を行った。
【0021】次に、以上のようにして得た圧電焼成体4
2を、図4(C)に示すように、樹脂製ケース50に固
定する。すなわち、樹脂製ケース50の内側に、圧電焼
成体42の一次側端部をエポキシ系接着剤52で固定す
る。樹脂製ケース50には、電極端子54A,54B,
56がハーメチック加工によって取り付けられている。
これらの各端子54A,54B,56は、リード線58
を介して外部電極44A,44B,46に導電性樹脂あ
るいは半田付け59によって接続される。樹脂製ケース
50の深さDは1.3mmに加工されており、圧電焼成体
42と基板60の隙間Cはおよそ0.2mmである。
【0022】以上のようにして得られた圧電トランスに
対し、実施形態1と同様の評価を行ったところ、次の表
2のような結果が得られた。これを、上述した単板構成
の実施形態1と比較すると、昇圧比,出力電流,効率が
いずれも向上しており、本形態にかかる積層化の有効性
を確認できた。
【0023】
【表2】
【0024】図5には、本形態における内部電極の全長
比と出力電力の関係が示されている。横軸は、圧電焼成
体42の全長LBに対する内部電極30,34の長さL
Eの割合で、LE/LBである(図4(A)参照)。縦
軸は出力電力である。このグラフに示すように、内部電
極長が長くなると出力電力も増大するが、全長の72%
前後で出力電力はピークとなり、以後は逆に減少する。
特に、50〜80%で良好な出力電力が得られ、65〜
80%では0.4W以上の高い出力電力が得られてい
る。
【0025】図6には、本形態における内部電極の全長
比(横軸)と昇圧比(縦軸)の関係が示されている。上
述した図5に近似しており、全長の72%前後で昇圧比
もピークとなり、以後は逆に減少する。特に、50〜8
0%で良好な昇圧比が得られ、65〜80%では180
倍以上の高い昇圧比が得られている。
【0026】図7には、本形態における内部電極の全長
比(横軸)と効率(縦軸)の関係が示されている。な
お、効率は、出力電力/入力電力である。同図に示すよ
うに、内部電極の全長比が70%以上になると効率は徐
々に低下する。しかし、75%以下であれば、効率は6
0%以上の効率を得ることができる。
【0027】以上の結果を総合すると、内部電極の全
長比が50〜80%で、良好な出力電力と昇圧比が得ら
れる。特に、65〜80%では、更に高い出力電力と昇
圧比が得られる。内部電極の全長比が65〜75%
で、出力電力,昇圧比,及び効率のいずれもが良好とな
る。
【0028】(3)実施形態3…次に、図8及び図9を
参照しながら、本発明の実施形態3について説明する。
上述した実施形態2の場合、図3(A)に示したよう
に、グリーンシート32,36の一次側の端部まで内部
電極30,34が形成されている。一方、圧電焼成体4
2は、図4(C)に示したように、一次側端部が固定さ
れている。このため、固定端部付近に着目すると、シー
トと電極の積層部に、圧電トランス素子の変位による応
力がかかるようになり、場合によっては、積層面の剥離
やトランス素子の破壊などが生ずる可能性がある。そこ
で、本形態では、実施形態2で得られた特性を更に向上
させるため、一次側端部の固定部に、変位による応力の
緩和部を設けたものである。
【0029】すなわち、本形態では、図8(A)に示す
ように、一次側の内部電極30,34のシート端部側に
切除部30B,34Bを設け、電極端部がシート端部か
らわずかに内側にずれた位置となっている。これを前記
実施形態2と同様に積層,焼成し、図8(B)に示す圧
電焼成体70を得た。その寸法は、長さLb=13.6
mm,幅Wb=4mm,厚さTb=0.78mmであった。こ
の圧電焼成体70を、図9(A)に示すように、樹脂製
ケース50に収納する。収納方法は、上述した実施形態
2と同様である。
【0030】以上のようにして得られた圧電トランスに
対し、実施形態2と同様の評価を行ったところ、次の表
3のような結果が得られた。これを、上述した実施形態
2と比較すると、出力電流が増加している。これは、圧
電焼成体70の固定端部における歪みが、電極切除部3
0B,34Bの作用によって緩和されたため、一次側の
変位損失が低減され、二次側に振動が効率的に伝達され
たためと思われる。
【0031】
【表3】
【0032】このように、本形態によれば、圧電トラン
スの固定側である一次側端部の積層構造を改良し、固定
部分に生ずる応力を焼成体内部で緩和する構造としたの
で、振動が効率的に二次側に伝達され、積層面の剥離や
圧電トランス素子の破壊などが良好に低減される。な
お、本形態の試作例では、一次側端部から電極端部の距
離(切除部30B,34Bの長さ)を、素子全体長の5
%としたが、この距離は、全体長の30%以内にするこ
とが特性上有効であることが確認されている。また、前
記形態では、内部電極30,34に同一長さの切除部3
0B,34Bを設けたが、図9(B)の内部電極30
C,34Cのように、切除部の長さが異なるようにして
もよい。このようにすると、トランス素子端部で積層構
造が更に改良され、応力が更に緩和されるようになる。
【0033】(4)実施形態4…次に、図10を参照し
ながら、本発明の実施形態4について説明する。本形態
は、上述した実施形態3の圧電トランス素子を利用して
高出力型のトランスを構成したものである。上述した実
施形態1〜3は、いずれもその出力電力が0.5W〜
0.7W程度のものであり、出力の大きさはやや乏し
い。そこで、図10のように圧電焼成体を並列接続する
構造とする。図10中、(B)は(A)の平面図であ
る。
【0034】まず実施形態3で得た圧電トランス素子を
2個準備し、それらを図10(A),(B)のように、
樹脂製ケース80内に収納する。すなわち、圧電焼成体
70P,70Qの一次側がケース側,二次側が互いに対
峙するように、対称に配置する。トランス素子固定や電
極接続の方法は、上述した実施形態3と同様である。ま
た、対峙する圧電焼成体70P,70Qの二次側には、
弾性端子82が設けられている。
【0035】弾性端子82は、図10(C)に拡大して
示すように、円筒状の薄板の一部を切り欠きして形成し
た金属製の弾性プレート84と、その中央部で貫通する
引出部86によって構成されている。引出部86は、図
10(B)に示すように、ハーメチック加工によって樹
脂製ケース80に取り付けられている。このように、弾
性端子82は、弾性プレート84が外側から中心に向か
って変位可能となっている。そして、弾性プレート84
が圧電焼成体70P,70Qの二次側外部電極46P,
46Qに適度な弾性を持って接触する構造になってお
り、圧電焼成体70P,70Qの振動が阻害されないよ
うになっている。また、この弾性端子82によって、2
つの圧電トランス素子の二次側外部電極46P,46Q
が共通端子化されている。
【0036】更に、圧電焼成体70P,70Qは、図1
0(D)に矢印で一例を示すように、弾性端子82を中
心として線対称となるように分極が施されている。これ
は、圧電焼成体70P,70Qが、同一方向に振動する
ように、すなわち一方の圧電焼成体が伸びるときは他方
も伸び、一方の圧電焼成体が縮むときは他方も縮むよう
になっている。
【0037】以上のような構成の圧電トランスの一次側
端子54A,54Bに入力電圧を印加すると、圧電焼成
体70P,70Qが同一方向に振動する。出力電圧は、
二次側外部電極46P,46Qを共通化した弾性端子8
2から取り出される。本形態によれば、左右の各圧電焼
成体70P,70Qからそれぞれ出力を得ることができ
るため、前記実施形態3の出力を2倍した形で電力を取
り出すことが可能になる。
【0038】以上のようにして得られた圧電トランスに
対し、実施形態と同様の評価を行ったところ、次の表4
のような結果が得られた。これを、上述した実施形態3
と比較すると、出力電圧はほぼ同等であるが、出力電流
がほぼ2倍に増加しており、上述の出力電力が2倍とな
る作用の妥当性が確認された。この実施形態によれば、
二次側の高電圧がトランス素子の中心部から取り出され
る。このため、実装時における近傍の部品配置条件が緩
和され、制約を受けることなく部品を圧電トランス近傍
に実装できる。
【0039】
【表4】
【0040】本発明には数多くの実施形態があり、以上
の開示に基づいて多様に改変することが可能である。例
えば、次のようなものも含まれる。 (1)前記形態では、圧電焼成体が中空に浮くように一
次側を固定支持したが、圧電焼成体と周囲のケースや基
板との隙間に、圧電焼成体の振動を阻害しない程度の柔
らかい発砲樹脂製シートやゲル状樹脂シートを挿入して
もよい。 (2)前記形態では、二つの圧電焼成体を並列に配置し
て出力電力の向上を図ったが、更に多数の圧電焼成体を
並列もしくは重畳配置するようにしてもよい。また、圧
電焼成体の幅を広くするようにしてもよい。 (3)電極を引き出すためのリード線は、可能であれば
振動しない個所から取り出すと、長寿命化などの観点か
ら好都合である。このような理由から、一次側のリード
線は、できる限り圧電焼成体の固定端に近い位置から引
き出すとよい。 (4)前記実施形態に示した寸法や材料は一例であり、
発明の趣旨の範囲内で変更してよい。また、前記形態
は、ローゼン型の例であるが、焼成体を中心に非対称の
構造であってλ/4駆動が可能であれば、どのようなタ
イプにも本発明は適用可能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果がある。 (1)素子長さを駆動周波数の波長の略1/4としたの
で、低周波駆動でありながら小型化を図ることができ
る。また、一端が低圧側であるため、その周辺の部品の
実装条件を緩和できる。 (2)圧電体を積層構造としたので、昇圧比,出力電
力,効率が向上する。 (3)一次側電極の長さを素子長さに対して50%〜8
0%としたので、昇圧比,出力電力,効率が向上する。
65%〜75%とすると更に効率が向上する。 (4)一次側内部電極端部を圧電シート端部からずれた
位置としたので、振動時の固定部位における応力が緩和
される。 (5)複数の圧電トランス素子を並列接続することで所
望の出力を得るため、1つのタイプの圧電トランスを量
産すればよく、コストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の圧電トランスを示す図で
ある。
【図2】前記実施形態1の圧電トランスの主要製造手順
を示す図である。
【図3】本発明の実施形態2の圧電トランスの積層構造
を示す図である。
【図4】前記実施形態2の圧電トランスの外部電極と実
装の様子を示す図である。
【図5】前記実施形態2の圧電トランスの電極全長比と
出力電力の関係を示すグラフである。
【図6】前記実施形態2の圧電トランスの電極全長比と
昇圧比の関係を示すグラフである。
【図7】前記実施形態2の圧電トランスの電極全長比と
効率の関係を示すグラフである。
【図8】本発明の実施形態3の圧電トランスの積層構造
を示す図である。
【図9】前記実施形態3の実装の様子と他の例を示す図
である。
【図10】本発明の実施形態4の圧電トランスの実装の
様子を示す図である。
【図11】圧電トランスの背景技術を示す図である。
【符号の説明】
10…粉末 12…圧電焼成体 14…一次側外部電極 16…二次側外部電極 18,22…リード線 24…固定用樹脂 26…接着剤 30,34…内部電極 30A,30B,34A,34B…切除部 32,36,38…グリーンシート 40…圧着体 42…圧電焼成体 44A,44B…一次側外部電極 46,46P,46Q…二次側外部電極 50…樹脂製ケース 52…エポキシ系接着剤 54A…一次側端子 58…リード線 59…半田 60…基板 70,70P,70Q…圧電焼成体 80…樹脂製ケース 82…弾性端子 84…弾性プレート 86…引出部 L,Lb,LB,LG,LP…長さ T,Tb,TB,TG,TP…厚み W,Wb,WB,WG,WP…幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戒能 大助 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 (72)発明者 石井 茂雄 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローゼン型の圧電トランスにおいて、 機械振動の伝達方向における素子の長さを、駆動周波数
    の波長の略1/4としたことを特徴とする圧電トラン
    ス。
  2. 【請求項2】 前記圧電体を、 圧電材によって形成されており、一次側内部電極が設け
    られた圧電シートを積層して構成したことを特徴とする
    請求項1記載の圧電トランス。
  3. 【請求項3】 機械振動の伝達方向における一次側電極
    の長さが、素子の長さに対して50%〜80%であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の圧電トランス。
  4. 【請求項4】 機械振動の伝達方向における一次側電極
    の長さが、素子の長さに対して65%〜75%であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の圧電トランス。
  5. 【請求項5】 前記一次側内部電極の端部を、圧電シー
    トの端部からずれた位置としたことを特徴とする請求項
    2記載の圧電トランス。
  6. 【請求項6】 圧電体に低圧側電極と高圧側電極を形成
    したローゼン型の圧電トランスにおいて、 機械振動の伝達方向における素子の長さを駆動周波数の
    波長の略1/4とするとともに、前記低圧側電極を固定
    したことを特徴とする圧電トランス。
  7. 【請求項7】 圧電体に低圧側電極と高圧側電極を形成
    したローゼン型の圧電トランス素子を複数備えており、
    各圧電トランス素子は、 機械振動の伝達方向における素子の長さが駆動周波数の
    波長の略1/4であって、前記低圧側電極を固定すると
    ともに、前記高圧側電極を弾性端子に共通に接触したこ
    とを特徴とする圧電トランス。
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