JP2000290235A - 3−ニトロ−2−メチル安息香酸の製造方法 - Google Patents

3−ニトロ−2−メチル安息香酸の製造方法

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JP2000290235A
JP2000290235A JP11100587A JP10058799A JP2000290235A JP 2000290235 A JP2000290235 A JP 2000290235A JP 11100587 A JP11100587 A JP 11100587A JP 10058799 A JP10058799 A JP 10058799A JP 2000290235 A JP2000290235 A JP 2000290235A
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methylbenzoic acid
acid
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Tomoyuki Niijima
智之 新島
Hiroji Mizumoto
博二 水本
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Fuso Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3−ニトロ−o−キシレンの転化率及び3−
ニトロ−2−メチル安息香酸の選択率が高く、副生物の
生成を抑えることができるとともに、生産効率が高く経
済的で、しかも、製造時に製造装置を腐食するハロゲン
を使わずに、3−ニトロ−2−メチル安息香酸を製造す
る方法の提供にある。 【解決手段】 3−ニトロ−o−キシレンを、低級脂肪
酸溶媒中、腐食性を有するハロゲン化合物の不存在下、
コバルト触媒とイニシエーターの存在下で、酸素含有ガ
スにより酸化して3−ニトロ−2−メチル安息香酸を得
ることを特徴とする3−ニトロ−2−メチル安息香酸の
製造方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は3−ニトロ−2−メ
チル安息香酸の製造方法に関し、その目的は3−ニトロ
−o−キシレンの転化率及び3−ニトロ−2−メチル安
息香酸の選択率が高く、副生物の生成を抑えることがで
きるとともに、生産効率が高く経済的で、しかも、製造
時に製造装置を腐食するハロゲンを使わずに、3−ニト
ロ−2−メチル安息香酸を製造する方法を提供すること
にある。
【0002】
【従来の技術】近年、3−ニトロ−2−メチル安息香酸
は医薬品や農薬の原料中間体としてその有用性が高まっ
ている。この3−ニトロ−2−メチル安息香酸は、従来
より3−ニトロ−o−キシレンを酸化することにより製
造されており、その具体的な製造方法としては、硝酸
による酸化方法(米国特許第4065477号公報)
や、過マンガン酸による酸化方法(Zhurnal.Obschche
i.Khimii.(Kulic,J.;Adamek,M.)60(10)2370,(1998))が
存在する。
【0003】しかしながら、上記した従来の3−ニトロ
−2−メチル安息香酸の製造方法には、以下のような問
題点が存在した。先ず、の方法、即ち硝酸により3−
ニトロ−o−キシレンを酸化して3−ニトロ−2−メチ
ル安息香酸を得る方法は、3−ニトロ−o−キシレンの
転化率が低いうえに、3−ニトロ−2−メチル安息香酸
の選択率も低いため、6−ニトロ−2−メチル安息香酸
やジニトロ体などの副生物が多量に生成してしまい、ま
た反応中に有害なNOx ガスが多量に発生するといった
問題点を有している。一方の方法、即ち過マンガン酸
により3−ニトロ−o−キシレンを酸化して3−ニトロ
−2−メチル安息香酸を得る方法は、3−ニトロ−o−
キシレンの転化率は高いものの、3−ニトロ−2−メチ
ル安息香酸の選択率が低いため、やはり6−ニトロ−2
−メチル安息香酸や3−ニトロフタル酸などの副生物が
多量に生成してしまい、また多量の過マンガン酸塩を必
要とするといった問題点も有している。
【0004】また、3−ニトロ−2−メチル安息香酸を
高選択的に得る方法として、低級脂肪酸溶媒中、重金
属触媒と反応促進剤としてハロゲン化合物を用い、酸素
含有ガスにより酸化する方法が、特開平10−2876
27号及びZhurnal.Fizicheskoi.Khimii.(K.A.Chervins
kii,V.I.Kovalev)1969,43(8)2062において開示されてい
る。
【0005】上記した特開平10−287627号にお
いて開示されている3−ニトロ−2−メチル安息香酸の
製造方法は、より具体的には、3−ニトロ−o−キシ
レンを低級脂肪族カルボン酸溶媒又は低級脂肪族カルボ
ン酸と有機溶媒との混合溶媒中、重金属触媒と反応促進
剤、更に必要に応じて反応促進助剤の存在下で、酸素又
は酸素含有ガスによって酸化して、3−ニトロ−2−メ
チル安息香酸を得る方法である。そして、この製造方法
においては、低級脂肪族カルボン酸として、酢酸,プロ
ピオン酸,酪酸等が、重金属触媒として、コバルト,マ
ンガン,セリウム,銅などの重金属の臭化物や水酸化物
(例えば酢酸コバルトなど)が、反応促進剤として、臭
素,臭化水素,臭化コバルト,臭化アンモニウム,アル
カリ金属臭素化合物などの臭素化合物の他、ヨウ素化合
物等のハロゲン化合物が、反応促進助剤として、アルデ
ヒド類やケトン類が例示されている。この製造方法
は、従来の製造方法に比べて、3−ニトロ−2−メ
チル安息香酸の選択率が高いという効果を有している
が、この方法にも以下のような問題点が存在する。
【0006】即ち、上記の方法は転化率が高く、前記
やの方法に比べると3−ニトロ−2−メチル安息香
酸の選択率はやや高いが、やはりその選択率は40〜5
6%と低いため、6−ニトロ−2−メチル安息香酸や3
−ニトロフタル酸などの副生物が多量に生成するという
問題点は残されたままである。またこの方法において
は、反応促進剤として、臭化ナトリウムや臭化アンモニ
ウム等の臭素化合物など、金属に対して腐食性の大きい
ハロゲン化合物の存在が必須条件であるため、製造の際
に製造装置が腐食する恐れがある。従って、腐食を防ぐ
ために耐食性を有する材質からなる高価な機器の使用が
必要となり、しかも、製品中には、ハロゲン化合物が残
存混入してしまうという問題点も存在する。更には、溶
媒の使用量が多いため反応後の溶媒回収に多量のエネル
ギーが必要である、基質濃度が低いため生産効率が低く
大容量の機器が必要となる、触媒の使用量も多いためそ
の処理回収に手間がかかるといった問題点も有してい
る。従って、このの方法により3−ニトロ−2−メチ
ル安息香酸を商業生産した場合には、機械コストや製品
の精製費用、廃棄物処理費用等が嵩んで、製造コストが
高くなってしまうので生産効率が悪く、の方法は商業
生産には適していなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】即ち、一般にニトロ基
を有するメチルベンゼン類を酸素含有ガスで酸化するの
は難しいと言われているため、前記の方法のように、
反応を促進するハロゲン化合物を添加したり、触媒を多
量に用いて酸化する方法が提案されているが、この方法
は前述したような種々の問題点を有しているため、3−
ニトロ−o−キシレンを酸化して3−ニトロ−2−メチ
ル安息香酸を製造する方法において、転化率及び選択率
が高く、副生物の生成を抑えることができるとともに、
生産効率が高く経済的で、更に、製造時に製造装置が腐
食することのない、3−ニトロ−2−メチル安息香酸を
製造する方法の創出が望まれていた。
【0008】そこで本発明者らは、転化率及び選択率が
高くて生産効率において優れ、製造装置の腐食を生じさ
せることなく、経済的に3−ニトロ−2−メチル安息香
酸を製造することのできる方法に関する鋭意研究を続け
たところ、使用する溶媒の量を少なく抑え、少量の触媒
でも基質に対する触媒の相対濃度を高く保つことによ
り、臭素化合物等の、腐食性の大きいハロゲン化合物な
しでも、高転化率、高選択率で反応が進み、製造装置の
腐食を生じさせることなく、経済的に3−ニトロ−2−
メチル安息香酸を製造することができることを見出し、
本発明の完成に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の問題
点を解決するためになされたものであって、請求項1に
係る発明は、3−ニトロ−o−キシレンを、低級脂肪酸
溶媒中、腐食性を有するハロゲン化合物の不存在下、コ
バルト触媒とイニシエーターの存在下で、酸素含有ガス
により酸化して3−ニトロ−2−メチル安息香酸を得る
ことを特徴とする3−ニトロ−2−メチル安息香酸の製
造方法に関する。
【0010】また請求項2に係る発明は、前記低級脂肪
酸溶媒として、酢酸、プロピオン酸、酪酸のうちの1種
以上を使用することを特徴とする請求項1記載の3−ニ
トロ−2−メチル安息香酸の製造方法に関し、請求項3
に係る発明は、前記低級脂肪酸溶媒の使用量が3−ニト
ロ−o−キシレンに対して、0.5重量倍以上5重量倍
未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の3−
ニトロ−2−メチル安息香酸の製造方法に関する。
【0011】請求項4に係る発明は、前記コバルト触媒
として、コバルトの低級脂肪酸塩、ナフテン酸塩、アセ
チルアセトナートのうちの1種以上を使用することを特
徴とする請求項1乃至3記載の3−ニトロ−2−メチル
安息香酸の製造方法に関し、請求項5に係る発明は、前
記コバルト触媒の使用量が3−ニトロ−o−キシレンに
対して、0.03モル倍以上0.2モル倍以下であるこ
とを特徴とする請求項1乃至4記載の3−ニトロ−2−
メチル安息香酸の製造方法に関する。
【0012】更に請求項6に係る発明は、前記イニシエ
ーターとして、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタ
ノン、アセトアルデヒド、パラアルデヒドのうちの1種
以上を使用することを特徴とする請求項1乃至5記載の
3−ニトロ−2−メチル安息香酸の製造方法に関し、請
求項7に係る発明は、前記イニシエーターの使用量が3
−ニトロ−o−キシレンに対して、0.5モル倍以上
3.0モル倍以下であることを特徴とする請求項1乃至
6記載の3−ニトロ−2−メチル安息香酸の製造方法に
関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る3−ニトロ−2−メ
チル安息香酸の製造方法は、出発原料として3−ニトロ
−o−キシレンを使用し、低級脂肪酸溶媒中、腐食性を
有するハロゲン化合物の不存在下、コバルト触媒とイニ
シエーターの存在下で、次式3(化3)に示すように、
3−ニトロ−o−キシレンを酸素含有ガスにより酸化し
て3−ニトロ−2−メチル安息香酸を得る方法である。
【化3】
【0014】使用する低級脂肪酸溶媒は特に限定され
ず、酢酸、プロピオン酸、酪酸等を例示することができ
る。また、これらの低級脂肪酸溶媒のうちの2種以上を
用いることも可能である。特に酢酸は安価で取扱いにも
優れているため好ましく用いられる。
【0015】上記溶媒の使用量も特に限定されないが、
出発原料となる3−ニトロ−o−キシレンに対し、0.
5重量倍以上5重量倍未満、望ましくは0.5〜2重量
倍とするのが好ましい。これは、0.5重量倍未満で
は、反応速度が低下するとともに、3−ニトロ−2−メ
チル安息香酸の選択率も低下することとなり、一方5重
量倍以上使用すると、選択率は若干上昇するが、より大
きな反応容器が必要となるため釜効率が悪く、転化率が
低下して生産性が悪くなり、いずれの場合も好ましくな
いからである。
【0016】使用するコバルト触媒は、反応時に前記低
級脂肪酸溶媒に溶解可能なものであればよく、特に限定
されない。具体的には、酢酸コバルト等のコバルトの低
級脂肪酸塩やコバルトのナフテン酸塩、コバルトのアセ
チルアセトナートを例示することができ、2種以上を用
いることも可能である。特に酢酸コバルトは経済的であ
るため好ましく用いられる。
【0017】上記コバルト触媒の使用量も特に限定され
ないが、出発原料となる3−ニトロ−o−キシレンに対
し、0.03〜0.2モル倍、望ましくは0.06〜
0.1モル倍とするのが好ましい。これは、0.03モ
ル倍未満では、選択率が低下するとともに反応速度が遅
く、0.2モル倍を超えて使用しても反応速度は変わら
ず、経済的に不利であり、いずれの場合も好ましくない
からである。
【0018】イニシエーターは反応を促進するために用
いられるもので、アルデヒド類やケトン類などと無機・
有機強酸類等を使用することができる。また、2種以上
を用いることも可能である。特に、2−ブタノン、4−
メチル−2−ペンタノン、アセトアルデヒド、パラアル
デヒドは、反応系への不純物の混入や装置の耐食性の点
から好ましく用いられ、この中でも2−ブタノンは毒性
及び取扱いの点から最も好ましく用いられる。
【0019】上記イニシエーターの使用量も特に限定さ
れないが、出発原料となる3−ニトロ−o−キシレンに
対し、0.5〜3.0モル倍、望ましくは0.5〜1.
5モル倍とするのが好ましい。これは、0.5モル倍未
満では、イニシエーターによる効果が十分に発揮され
ず、反応速度が低下し、3.0モル倍を超えて使用する
と3−ニトロ−2−メチル安息香酸の選択率が低下する
ため、いずれの場合も好ましくないからである。
【0020】上記した低級脂肪酸を溶媒として用い、コ
バルト触媒とイニシエーターの存在下で、酸素含有ガス
により3−ニトロ−o−キシレンを酸化することにより
3−ニトロ−2−メチル安息香酸を得ることができる。
尚、本発明においては、臭化ナトリウムや臭化アンモニ
ウム等の臭化物やヨウ化物などのハロゲン化合物の不存
在下で酸化反応が行われる。これは、反応促進剤となる
ハロゲン化合物は金属に対する腐食性が大きいため、製
造装置の腐食を防ぐために耐食性を有する材質からなる
高価な機器の使用が必要となり、しかもハロゲン化合物
の存在下で酸化反応を行うと、製品中にハロゲン化合物
が残存混入してしまうからである。しかも、本発明にお
いてはこのハロゲン化合物の不存在下でも十分に高い転
化率,選択率で酸化反応が進むため、ハロゲン化合物を
反応促進剤として使用する必要はない。
【0021】酸化反応の酸化剤としては、酸素含有ガス
であれば特に限定されることなく用いることができる
が、反応中の安全性や経済性の点から、空気が好ましく
用いられる。
【0022】酸素含有ガスの導入方法は特に限定されな
いが、分散効率の点から、反応液中に吹き込む方法が最
も好ましい。また導入の際の反応圧力は1〜20気圧、
望ましくは1〜10気圧とするのが好ましい。常圧でも
酸化反応は進行するが、十分な反応速度が得られず、2
0気圧を超えても格別の効果はないうえに、装置にコス
トがかかりすぎ、いずれの場合も好ましくないからであ
る。
【0023】また、酸素含有ガスの導入量も特に限定さ
れないが、反応に消費される酸素量を考え、更に反応容
器からの排ガスの酸素濃度が9%以下になるように設定
するのが好ましい。これは、排ガスの酸素濃度が9%を
超えると、反応器気相部が爆発性混合気体を形成する恐
れがあるため、安全性を考えると好ましくないからであ
る。具体的には、3−ニトロ−o−キシレン1モルに対
し、0.5〜1L/min導入するのが好ましい。
【0024】反応温度も特に限定されず、使用するガス
の種類などにより適宜設定すればよい。例えば、酸素含
有ガスとして空気を用いる場合には、60〜150℃、
より好ましくは80〜120℃とすればよい。これは、
60℃より低い低温では反応速度が遅くなりすぎ、逆に
150℃を超える高温では、反応速度は速くなるものの
選択率が大きく低下してしまい、生産性が低くなるから
である。
【0025】上記した方法により酸化反応を行った後、
反応液から目的物である3−ニトロ−2−メチル安息香
酸を得る方法は特に限定されず、常法に準じて行えばよ
い。例えば、以下のような方法を例示することができ
る。先ず反応液を濃縮した後に抽出溶剤で抽出を行い、
この抽出液を水洗浄した後に再度アルカリで抽出を行
う。次にアルカリ抽出液を再度洗浄し、その後、酸性化
して濾過を行い、最後に乾燥することにより3−ニトロ
−2−メチル安息香酸を得ることができる。
【0026】上記方法の他、簡素化法として、以下の方
法を例示することができる。先ず反応液を濃縮し、その
後、水を注入して結晶化する。次にスラリー液を濾過し
て少量の酢酸で洗浄し、最後に水洗浄して乾燥すること
により3−ニトロ−2−メチル安息香酸を得ることがで
きる。
【0027】本発明に係る3−ニトロ−2−メチル安息
香酸の製造方法は以上の通りであり、後記する実施例か
らも明らかな如く、高転化率及び高選択率で経済的に3
−ニトロ−2−メチル安息香酸を製造することができ
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明に係る3−ニトロ−2−メチル
安息香酸の製造方法を実施例を挙げて詳細に説明する。
但し、この発明は以下の実施例により何ら限定されるも
のではない。
【0029】(実施例1)還流冷却機、温度計、空気導
入口、攪拌機を備えた1Lオートクレーブに反応溶媒と
しての酢酸605g,触媒としての酢酸コバルト・4水
和物25g(0.1モル),イニシエーターとしての2
−ブタノン72g(1モル),3−ニトロ−o−キシレ
ン151g(1モル)を順に仕込み、8kg/cm2 に
加圧して、1L/minの速度で空気を導入した。その
後、80℃に加熱しながら酸素吸収がなくなるまで酸化
反応を行った。
【0030】(実施例2〜7)酢酸量,触媒量を変えた
以外は実施例1と同様の方法で反応を行った。具体的な
数値については後記表1に示す。
【0031】(実施例8〜12)2−ブタノン量を変え
た以外は実施例1と同様の方法で反応を行った。具体的
な数値については後記表1に示す。
【0032】(実施例13〜17)反応温度,酢酸量,
触媒量を変えた以外は実施例1と同様の方法で反応を行
った。具体的な数値については後記表1に示す。
【0033】(実施例18)反応圧力を5kg/cm
2 ,反応温度を85℃に変えた以外は実施例7と同様の
方法で反応を行った。
【0034】(実施例19〜20)反応溶媒をプロピオ
ン酸又は酪酸に変え、更に反応圧力を5kg/cm2 ,
反応温度を85℃に変えた以外は実施例1と同様の方法
で反応を行った。
【0035】(実施例21〜22)反応圧力を5kg/
cm2 ,触媒をコバルトのナフテン酸塩又はアセチルア
セトナートに変え、更に酢酸の量を303gに変えた以
外は実施例1と同様の方法で反応を行った。
【0036】(実施例23〜25)反応圧力を5kg/
cm2 ,イニシエーターを4−メチル−2−ペンタノ
ン、アセトアルデヒド又はパラアルデヒドに変え、更に
酢酸の量を303gに変えた以外は実施例1と同様の方
法で反応を行った。
【0037】(実施例26)100Lグラスライニング
反応槽を用いて実施例18のスケールアップを実施し
た。即ち、酢酸22.75kg,酢酸コバルト・4水和
物2.5kg(10モル),2−ブタノン10.85k
g(150モル),3−ニトロ−o−キシレン22.7
5kg(150モル)を用い、空気を8M3 /h導入し
た後、反応温度85℃で酸化反応を行った。
【0038】(比較例1)還流冷却機、温度計、空気導
入口、攪拌機を備えた1Lフラスコに酢酸484g,酢
酸コバルト・4水和物20g(0.8モル),臭化アン
モニウム8g(0.08モル),3−ニトロ−o−キシ
レン121g(0.8モル)を仕込み、常圧下、1L/
minの速度で空気を導入した。その後、85℃に加熱
しながら酸素吸収がなくなるまで酸化反応を行った。
【0039】(比較例2)還流冷却機、温度計、空気導
入口、攪拌機を備えた1Lフラスコに酢酸484g,酢
酸コバルト・4水和物20g(0.8モル),臭化ナト
リウム2.8g(0.027モル),3−ニトロ−o−
キシレン121g(0.8モル)を仕込み、5kg/c
m2 に加圧して、1L/minの速度で空気を導入し
た。その後、120℃に加熱しながら酸素吸収がなくな
るまで酸化反応を行った。
【0040】(比較例3)2−ブタノンを添加した以外
は比較例2と同様の方法で反応を行った。
【0041】上記実施例1〜26及び比較例1〜3の反
応終了後、得られたそれぞれの反応液を高速液体クロマ
トグラフィーで分析し、3−ニトロ−o−キシレンの転
化率、3−ニトロ−2−メチル安息香酸の選択率及び生
成率を求めた。結果を表1及び表2に示す。尚、表中、
溶媒量は3−ニトロ−o−キシレンの重量に対する重量
倍数で、触媒量,2−ブタノン量及び臭化物量は3−ニ
トロ−o−キシレンに対するモル%で示してある。また
生産効率とは、目的物の量(g)/仕込み重量(kg)×時間
(h) により算出される値である。
【表1】
【表2】
【0042】表1及び表2の結果から、本発明に係る方
法により3−ニトロ−2−メチル安息香酸を製造する
と、転化率及び選択率のいずれも比較的高く、生産効率
も高いことがわかる。一方、比較例1〜3は転化率,選
択率共に低く、生産効率が極めて低いことがわかる。し
かも、本発明においては、比較例において用いている腐
食性の大きいハロゲン化合物を使用していないので、目
的物にハロゲンが混入することや、廃棄物にハロゲンが
含まれることはなく、また製造装置が腐食することもな
い。
【0043】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1に係る発明
は、3−ニトロ−o−キシレンを、低級脂肪酸溶媒中、
腐食性を有するハロゲン化合物の不存在下、コバルト触
媒とイニシエーターの存在下で、酸素含有ガスにより酸
化して3−ニトロ−2−メチル安息香酸を得ることを特
徴とする3−ニトロ−2−メチル安息香酸の製造方法に
関するものであるから、以下のような効果を奏する。
【0044】即ち、3−ニトロ−o−キシレンの転化率
及び3−ニトロ−2−メチル安息香酸の選択率が高いの
で、副生物の生成を抑えることができるとともに、反応
中に有害なNOx ガスが発生するのを防ぐことができ
る。しかも生産効率が高いので、経済的に3−ニトロ−
2−メチル安息香酸を製造することができる。また、金
属に対する腐食性を有するハロゲン化合物の不存在化
で、効率よく3−ニトロ−2−メチル安息香酸を製造す
ることができるので、製造装置が腐食したり、製品中に
ハロゲン化合物が残存混入することはなく、しかも製造
設備に特殊な耐食材料を使用する必要がないため、製造
コストを低減することができる。更に廃棄物にもハロゲ
ンが含まれないので、環境にもやさしく、廃棄物処理の
負担も低減することができる。
【0045】また請求項2に係る発明は、前記低級脂肪
酸溶媒として、酢酸、プロピオン酸、酪酸のうちの1種
以上を使用することを特徴とする請求項1記載の3−ニ
トロ−2−メチル安息香酸の製造方法に関し、請求項3
に係る発明は、前記低級脂肪酸溶媒の使用量が3−ニト
ロ−o−キシレンに対して、0.5重量倍以上5重量倍
未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の3−
ニトロ−2−メチル安息香酸の製造方法に関するもので
あるから、以下のような効果を奏する。即ち、反応溶媒
の量を低減し、3−ニトロ−2−メチル安息香酸の選択
率を向上することにより、反応容器に対する目的物の生
産量の大幅な増加、目的物の取り出しにかかるエネルギ
ーの低減及び生成方法の簡素化ができるので、製造費用
を大幅に低減することができる。
【0046】請求項4に係る発明は、前記コバルト触媒
として、コバルトの低級脂肪酸塩、ナフテン酸塩、アセ
チルアセトナートのうちの1種以上を使用することを特
徴とする請求項1乃至3記載の3−ニトロ−2−メチル
安息香酸の製造方法に関し、請求項5に係る発明は、前
記コバルト触媒の使用量が3−ニトロ−o−キシレンに
対して、0.03モル倍以上0.2モル倍以下であるこ
とを特徴とする請求項1乃至4記載の3−ニトロ−2−
メチル安息香酸の製造方法に関するものであるから、触
媒の使用量を低減して、触媒の処理回収の手間を小さく
することができる。
【0047】請求項6に係る発明は、前記イニシエータ
ーとして、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノ
ン、アセトアルデヒド、パラアルデヒドのうちの1種以
上を使用することを特徴とする請求項1乃至5記載の3
−ニトロ−2−メチル安息香酸の製造方法に関し、請求
項7に係る発明は、前記イニシエーターの使用量が3−
ニトロ−o−キシレンに対して、0.5モル倍以上3.
0モル倍以下であることを特徴とする請求項1乃至6記
載の3−ニトロ−2−メチル安息香酸の製造方法に関す
るものであるから、高転化率及び高選択率を維持しつ
つ、酸化反応を促進することができる。
【0048】本発明に係る3−ニトロ−2−メチル安息
香酸の製造方法においては、上記したような種々の効果
が奏されるため、生産効率を上げるとともに、製造コス
トを低減することにより、3−ニトロ−2−メチル安息
香酸を工業的に、またより経済的に製造することができ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式1(化1)で示される3−ニトロ−
    o−キシレンを、低級脂肪酸溶媒中、腐食性を有するハ
    ロゲン化合物の不存在下、コバルト触媒とイニシエータ
    ーの存在下で、酸素含有ガスにより酸化して次式2(化
    2)で示される3−ニトロ−2−メチル安息香酸を得る
    ことを特徴とする3−ニトロ−2−メチル安息香酸の製
    造方法。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 前記低級脂肪酸溶媒として、酢酸、プロ
    ピオン酸、酪酸のうちの1種以上を使用することを特徴
    とする請求項1記載の3−ニトロ−2−メチル安息香酸
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記低級脂肪酸溶媒の使用量が3−ニト
    ロ−o−キシレンに対して、0.5重量倍以上5重量倍
    未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の3−
    ニトロ−2−メチル安息香酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記コバルト触媒として、コバルトの低
    級脂肪酸塩、ナフテン酸塩、アセチルアセトナートのう
    ちの1種以上を使用することを特徴とする請求項1乃至
    3記載の3−ニトロ−2−メチル安息香酸の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記コバルト触媒の使用量が3−ニトロ
    −o−キシレンに対して、0.03モル倍以上0.2モ
    ル倍以下であることを特徴とする請求項1乃至4記載の
    3−ニトロ−2−メチル安息香酸の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記イニシエーターとして、2−ブタノ
    ン、4−メチル−2−ペンタノン、アセトアルデヒド、
    パラアルデヒドのうちの1種以上を使用することを特徴
    とする請求項1乃至5記載の3−ニトロ−2−メチル安
    息香酸の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記イニシエーターの使用量が3−ニト
    ロ−o−キシレンに対して、0.5モル倍以上3.0モ
    ル倍以下であることを特徴とする請求項1乃至6記載の
    3−ニトロ−2−メチル安息香酸の製造方法。
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