JP2000290916A - 人工芝生 - Google Patents

人工芝生

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JP2000290916A
JP2000290916A JP11103295A JP10329599A JP2000290916A JP 2000290916 A JP2000290916 A JP 2000290916A JP 11103295 A JP11103295 A JP 11103295A JP 10329599 A JP10329599 A JP 10329599A JP 2000290916 A JP2000290916 A JP 2000290916A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人工芝糸を基材に接着固定した後に透水孔を
開けることなく、特に屋外で使用される人工芝生に要求
されている所定の透水性を得る。 【解決手段】 人工芝糸2が植設された透水性を有する
基材3に接着材4を塗布して人工芝糸2を固定するにあ
たって、接着材4を粒状(粉末状)4aとして、その適
量を基材3の裏面に散布して加熱融着させ、基材3が有
している透水性を損なうことなく、人工芝糸2を基材に
接着固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は競技施設などに用い
られる人工芝生に関し、さらに詳しく言えば、透水性を
付与するための特別な後加工を必要としない透水性を有
する人工芝生に関するものである。
【0002】
【従来の技術】テニスコートなどの競技施設に用いられ
る人工芝生は、例えば繊維製基布からなる基材に人工芝
糸(パイル)を所定のピッチで植設(タフト)すること
により、その基本的な部分が構成されるが、人工芝糸の
植え付け部分を固定するため、基材の裏面側にはバッキ
ング材と呼ばれる接着材が塗布される。
【0003】従来において、バッキング材にはゴム系ラ
テックスが用いられている。すなわち、ゴム系ラテック
スを液重量で1平方メートルあたり約1000gとして
塗布し、乾燥・加硫することにより、基材の裏面側にバ
ッキング材を層状に形成するようにしている。
【0004】ところで、特に屋外施設用の人工芝生に
は、降雨時や散水時に水たまりが生じないようにするた
め、その特性の一つに透水性がよいことが要求されてい
る。繊維製基布はその織り目に隙間があるため、それ自
体は透水性を有している。また、不織布の場合でも透水
性がある。
【0005】なお、基材に非透水性の合成樹脂シートを
用いる場合でも、人工芝糸の植設に伴なってタフト孔が
開けられるため、これにより透水性が付与される。この
ように、基材には透水性があるものの、その後にバッキ
ング層が形成されることにより、全体としては非透水性
となってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、従来ではバッ
キング層を形成した後に、透水加工を行なうようにして
いる。例えば、多数の針を有する加熱ロールもしくは先
端が尖ったいわゆるハンダごてを用いて、人工芝生の裏
面からバッキング層を通して基材に至る孔を開けるよう
にしている。
【0007】しかしながら、これによると加熱ロールや
ハンダごてなどの孔開け専用機を必要とするとともに、
その分の作業工数が増えるため、コストアップは避けら
れない。また、人工芝生の全面にわたって均一な透水性
を得るには、それなりの緻密な孔開け作業が要求され
る。そればかりでなく、基材にも透水孔が開けられるた
め、基材自体の強度が低下してしまうことになる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するためになされたもので、その目的は、基材
が有している透水性を損なうことなく、接着材にて人工
芝糸を基材に接着固定することができるようにした人工
芝生を提供することにある。
【0009】上記目的を達成するため、本発明は、人工
芝糸が植設された透水性を有する基材を備え、上記人工
芝糸の植え付け部分が上記基材の裏面側で接着材により
固定されている人工芝生において、上記接着材は、粒状
(粉末状も含む)として上記基材の裏面側に1平方メー
トルあたり10〜1000gの量をもって散布され、同
基材に対して加熱融着されたものからなることを特徴と
している。
【0010】本発明において使用される基材は、それ自
体が透水性を有する繊維性基布(織物、不織布)の他
に、後加工により透水性が付与されたもの、例えば合成
樹脂シートであって人工芝糸の植設に伴なってタフト孔
が開けられたシート基材であってもよい。
【0011】要するに、基材は接着材の塗布前に透水性
を有しているものであればよい。なお、本発明におい
て、人工芝生(完成品)についての透水性の有無は、J
IS−A1218に準拠した透水試験で、透水係数が
1.5×10−3(cm/sec)以上のものを「透水
性あり」としている。
【0012】すなわち、透水係数が1.5×10
−3(cm/sec)以上であれば、1時間に5mm程
度の降雨があっても容易に水が引き、人工芝生に透水性
があるとしている。本発明において、人工芝生の透水性
はもっぱら基材の透水性に依存しているため、したがっ
て、基材の透水係数は人工芝生全体としての透水係数よ
りも大きいことが好ましい。
【0013】本発明によると、バッキング材としての接
着材は粒状として、人工芝糸が植設された基材の裏面側
に散布され、加熱により同基材に融着されて人工芝糸の
固定に供されるが、その散布量(付着量)は、1平方メ
ートルあたり10〜1000gの範囲とされる。好まし
くは、1平方メートルあたり600g以下がよい。
【0014】すなわち、散布量を1000g/m以下
とすることにより、基材が有している透水性が阻害され
ることがなく、したがってその後において透水性を得る
ための孔開け加工を不要とすることができる。また、散
布量が10g/m以上であるため、接着材粉末のより
均一な散布が容易に行なえるとともに、人工芝糸の固定
強度が確保される。
【0015】上記接着材は、架橋型樹脂などの接着固定
後には熱可塑性が失われる高分子体であってもよいが、
本発明においては、上記人工芝糸の接着固定後において
も熱可塑性を有する高分子体からなることが好ましく、
これによれば、人工芝生全体が熱可塑性樹脂にて統一的
に構成されるため、張り替えのために回収された人工芝
生を例えば複合再生法などによりリサイクルすることが
できる。
【0016】この種の接着固定後においても熱可塑性を
有する高分子体としては、オレフィン系熱可塑性樹脂、
代表的にはポリプロピレンやポリエチレンが挙げられる
が、その中でもアイソタクチックポリマー、アタクチッ
クポリマー、それにエチレン含有のコポリマーなどがよ
り好ましく例示される。
【0017】本発明の好ましい態様によると、この高分
子体からなる接着材内に、同接着材に対して易着性を有
する有機および/または無機の粒体が混入される。これ
によれば、易着性の個々の粒体が接着材に包み込まれる
ように含まれるため、バッキング材としての強度が高め
られる。
【0018】また、ジョイントテープや下地上にじかに
塗布された接着層によって人工芝生の端部間を接続する
際、接着材の表面に露出された粒体がその下地側接着層
に食い込んだり、粒体の材質によってはその下地側接着
層に強く付着するため、人工芝生の端部間の接合力も高
められる。
【0019】この接着材内に混入される粒体の易着性
(親和性、付着性)は、その材質自体によるものであっ
てもよいし、もしくはその形状効果により粒体に易着性
を付与するようにしてもよい。いずれにしても、粒体が
易着性を有することから、少量の粒体で接着強度を高め
ることができるとともに、接着材の熱可塑性が維持され
るため、リサイクル性が損なわれることもない。
【0020】特に、粒体の易着性を形状効果により求め
る場合には、研磨工程により発生した研磨粉が最適と言
える。すなわち、研磨粉はその表面積が同じ重量の粉体
に比べて格段に大きいことから、接着材に対する易着性
にきわめて優れており、相対的に接着材に対する添加量
を減らすことができる。しかも、この種の研磨粉は特に
他の利用用途がなく、そのまま廃棄されるものであるた
め、低コストにて入手できる。
【0021】接着材に馴染みのよい易着性の粒体として
は、各種ゴム、各種ウレタン、各種熱可塑性エラストマ
ーを例示することができるが、特にウレタン、天然ゴム
やスチレンブタジエンラバーなどは汎用性が高く、好適
に採用される。
【0022】また、熱可塑性樹脂でもよく、例えば接着
材にポリエチレン、易着性の粒体として融点の高いポリ
プロピレンを用いて両者の粉末を加熱してバッキング材
とすることもできる。無機の粒体としては、炭酸カルシ
ウムや酸化アルミニウムなどのほかに、クレーなどの土
壌や砂なども使用可能である。
【0023】接着材と粒体との接着性の点からすれば、
粒体の粒径は小さく(例えば、1mm以下)、その表面
積が大きいもの(例えば、研磨粉などの表面に傷が付け
られたもの)が好ましい。
【0024】このように、粒体の粒径は好ましくは1m
m以下とされるが、ジョイントテープなどの下地側接着
層との接着性を優先するならば、その中でも粒体の粒径
は大きい方が好ましい。例えば、1μm以上であること
が好ましく、より好ましくは80μm以上、さらには4
0メッシュ/300μm以上であれば、十分な接着効果
が認められる。この場合においても、表面形状について
は上記と同様にその表面積が大きいものが好ましい。
【0025】他方において、リサイクル性の点から言え
ば、粒体の粒径は小さい方(100μm以下)が好まし
い。特には20μm以下であり、さらに好ましくは5μ
m以下であるとよい。すなわち、粒体の粒径が大きい
と、その粒体が異物として接着材内に残るため、接着材
の熱可塑性が損なわれるおそれが出てくる。これに対し
て、粒体の粒径が小さいと、その粒体が接着材内にいわ
ゆる充填材(骨材)として分散されるため、接着材に熱
可塑性が残される。
【0026】総じて言えば、接着強度を高めるには、粒
体の粒径は1μm以上で1mm以下が好ましく、リサイ
クル性の点では1〜100μmの範囲が好ましいと言え
る。また、リサイクル性の点で、接着材と粒体との混合
比率は、重量比で、接着材:粒体=99:1〜20:8
0の範囲内であることが好ましい。
【0027】本発明で用いられる基材は、とりわけそれ
自体が透水性を有する例えばポリプロピレンやポリエス
テルなどの糸を用いた平織り基布であることが好まし
い。すなわち、平織り基布は経糸と緯糸の単純な編組体
からなり、その織り目部分に空隙が2次元のマトリクス
状に規則性をもって存在するため、接着材の樹脂粉末が
均一に散布し易く、また、樹脂溶融後に比較的大きな空
隙が残される。したがって、全面にわたって透水性が均
一とされた広幅で長尺の人工芝生を得ることができる。
【0028】本発明の人工芝生は、例えば透水アスファ
ルトなどの透水性を有する基層上に敷設されることが好
ましい。また、その芝目内に目砂やゴムチップなどの粒
状物を充填してなるいわゆる砂入り人工芝生として構築
されてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、本発明を図面に示されてい
る実施例に基づいてより詳しく説明する。
【0030】図1の断面図には、本発明の実施例に係る
人工芝生1がいわゆる砂入り人工芝生として示されてい
る。これによると、この人工芝生1は多数の人工芝糸2
が植設された基材3を備えている。
【0031】人工芝糸2は、オレフィン系の樹脂繊維、
その中でもとりわけポリプロピレン繊維であることが好
まれるが、この他の樹脂繊維であってもよい。人工芝糸
2は、基材3の裏面側においてその植え付け部分が接着
材(バッキング材)4により固定されている。
【0032】本発明において、基材3には接着材4を塗
布する前に透水性を有しているものが用いられる。した
がって、それ自体が元来的に透水性を有する織布や不織
布などの繊維性基布が好ましく採用されるが、この他
に、後加工により透水性が付与されたもの、例えば合成
樹脂シートであって人工芝糸2の植設に伴なってタフト
孔が開けられたシート基材も使用することができる。な
お、もともと透水性を有する繊維性基布においても、人
工芝糸2の植設によりタフト孔が開けられるため、透水
性がより大きくなる。
【0033】この実施例では、基材3に平織り基布が用
いられていおり、図2(a)には平織り基布の一部拡大
平面図が示されており、同図(b)はそのA−A線断面
図である。この平織り基布は、例えばポリエステルやポ
リプロピレンなどの平糸からなる経糸3aと緯糸3bを
互いにジクザグ状に織り込んだもので、その織り目部分
に透水可能な微細な空隙Gが2次元のマトリクス状に規
則正しく存在している。また、ミクロ的に見ると空隙G
の部分は図2(b)に示されているような段差状となっ
ている。
【0034】この平織り基布からなる基材3に多数の人
工芝糸2が所定のピッチで植設され、その植え付け部分
(根元部)が基材3の裏面側で接着材4により固定され
るのであるが、本発明では、接着材4を粉末状として基
材3の裏面側に散布し、それを加熱溶融させて、基材3
に融着させるようにしている。
【0035】図3(a)には、人工芝糸2が植設された
基材3の裏面側(同図において上面側)に接着材4の粉
末樹脂4aが散布された状態が示されている。なお、粉
末樹脂には粒状樹脂も含まれ、したがって、本明細書に
おいて粉末樹脂4aは粉末もしくは粒状の接着材と定義
される。
【0036】ここで、重要なことは粉末樹脂4aの散布
量である。すなわち、その散布量は加熱融着させたとき
に、基材3の透水性を損なう(失なう)ものであっては
ならない。他方において、人工芝糸2を固定し得る強度
がなくてはならない。
【0037】そこで、本発明では、接着材4の粉末樹脂
4aの散布量を10〜1000g/mの範囲としてい
る。好ましい数値を具体的に示せば600g/mであ
る。すなわち、粉末樹脂4aの散布量が1000g/m
以下であることにより、基材3が有している透水性が
阻害されることがなく、したがってその後において透水
性を得るための孔開け加工を不要とすることができる。
【0038】特には、600g/m以下であれば、砂
などの充填材を人工芝生の芝目間に入れて使用する際に
も十分な透水性が得られる。一方、散布量が10g/m
以上であるため、粉末樹脂4aを均一に散布すること
ができるとともに、人工芝糸2を基材3に固定するうえ
で必要とされる固定強度が確保される。
【0039】この実施例では、基材3が平織り基布から
なるため、その裏面側に散布された粉末樹脂4aが例え
ば次段の加熱溶融工程に搬送される際の振動などにより
移動して部分的に偏ってしまうおそれがない。
【0040】すなわち、平織り基布の場合、先にも説明
したように、その各織り目部分に段差があるため、これ
により粉末樹脂4aの移動範囲が限定されることにな
る。この意味において、粉末樹脂4aの粒径は、その段
差に引っかかるような大きさ、すなわち1mm以下、さ
らには500μm以下のいわゆる粉末状のものが好まし
く選択される。
【0041】図3(b)には、粉末樹脂4aを加熱溶融
して基材3の裏面に接着材4を付着した状態が模式的に
示されている。同図から分かるように、本発明によれ
ば、接着材4が粉末樹脂の加熱溶融物からなるため、層
状として基材3の裏面全面を覆うことはなく、その塗布
箇所は部分的に止められる。
【0042】したがって、透水性に寄与する織り目部分
の空隙Gおよびタフト孔の一部が接着材4に塞がれたと
しても、大部分の空隙Gとタフト孔が依然として残され
るため、透水性が失われることはない。しかも、粉末樹
脂4aが均一に散布されることにより、これに伴なって
人工芝生1の透水性も全体として均一化されることにな
る。
【0043】使用する接着材4は、ウレタンなどの架橋
型樹脂であってもよいが、リサイクル性を得ようとする
のであれば、接着材4は、人工芝糸2の接着固定後にお
いても熱可塑性を有する高分子体からなることが好まし
い。なお、この接着固定後においても熱可塑性を有する
高分子体としては、オレフィン系熱可塑性樹脂、代表的
にはポリプロピレンやポリエチレンが挙げられるが、そ
の中でもアイソタクチックポリマー、アタクチックポリ
マー、それにエチレン含有のコポリマーなどがより好ま
しく例示される。
【0044】接着材4として上記高分子体を用いる場合
には、図4に示されているように、同接着材4内に粒体
5を含ませることもできる。この粒体5は、上記高分子
体および図示しないジョイントテープの接着層に対して
馴染みのよい易着性(親和性)を有するものであれば、
その材質は有機、無機のいずれであってもよい。
【0045】粒体5の易着性をその材質に求めるなら
ば、有機の場合には、各種のゴム、ウレタン、熱可塑性
エラストマーなどが例示されるが、特にはウレタン、天
然ゴムやスチレンブタジエンラバーが好適である。無機
の粒体としては、炭酸カルシウムや酸化アルミニウム、
それにクレーなどの土壌や砂なども使用できる。
【0046】粒体5の易着性をその形状に求めるなら
ば、接着材との接触面積が大きくて、いわゆる「かじり
付き性」によいものが好ましい。例えば、研磨工程によ
り発生した研磨粉が最適である。
【0047】また、粒体5の粒径rについては、接着材
4自体の強度を高めることからすれば、その粒径rは1
mm以下であることが好ましい。より好ましくは、その
上で研磨粉のように表面積が大きいとよい。
【0048】粒体5は接着材4内に均一に混合されるこ
とにより、図4に示されているように、一部の粒体5が
接着材4aの表面にも露出され、その結果、ジョイント
テープとの接着力を高めることになる。すなわち、人工
芝生1の裏面にジョイントテープを貼り合わせる際、粒
体5がジョイントテープの接着層に食い込んで、いわゆ
るアンカーの役割を果たすため、人工芝生1とジョイン
トテープとがより強固に接合される。
【0049】この粒体5によるアンカー効果をより発揮
させるという点からすれば、粒体5の粒径rが1mm以
下の下において、その粒径rは大きい方が好ましく、1
μm以上であるとよい。例えば、40メッシュ/300
μm以上とすることにより、ジョイントテープとの十分
な接合強度が得ることができる。
【0050】他方において、接着材4のリサイクル性を
維持するには、粒体5の粒径rは小さい方が好ましい。
具体的には100μm以下で、好ましくは20μm以
下、さらには5μm以下がよい。要するに、接着強度を
高めるには、粒体5の粒径rが1μm≦r≦1mmであ
ることが好ましく、これに対してリサイクル性を維持す
るには、粒径rが1μm≦r≦100μmの範囲内がよ
いということになる。
【0051】この人工芝生1は、次のようにして得るこ
とができる。図5によりその一例を説明すると、人工芝
糸2が植設された基材3は、その裏面側を上にして搬送
ローラR、Rによる搬送経路に沿って矢印A方向(図5
において右方向)に搬送される。この搬送経路上にはホ
ッパ6が設けられている。また、ホッパ6よりも搬送方
向下流側には、例えば赤外線ヒータからなるヒータ7が
設けられている。
【0052】この製造例において、ホッパ6内には接着
材(上記高分子体)4の樹脂粉末4aと、有機もしくは
無機の粒体5とが混合されて入れられており、基材3の
搬送に伴なって、ホッパ6から基材3の裏面側にその適
量が散布される。そして、ヒータ7にて加熱されること
により、基材3の裏面側に粒体5を含む接着材4が付着
され、人工芝糸2が固定される。
【0053】なお、ホッパーを2つ用意し、その一方の
ホッパから接着材4の粉末樹脂4aを散布し、他方のホ
ッパーから粒体5を散布するようにしてもよい。もっと
も、粒体5を接着材4に混合しない場合にはホッパーは
一つであってよい。いずれの場合においても、粉末樹脂
4aをホッパー内で流動化しない範囲で予熱してもよ
い。
【0054】テニスコート面などを構築するにあたっ
て、この人工芝生1は図示しない下地上に敷設され、そ
の隣接する端部同士がジョイントテープを介して互いに
連結される。なお、ジョイントテープによる連結後に、
必要に応じて人工芝生1の芝目内に目砂Sが充填され
る。
【0055】本発明による人工芝生1は、バッキング材
としての接着材4によって基材3の透水性が損なわれる
ことがないため、従来のように針付き加熱ローラや棒状
のハンダごてによる孔開けを行なう必要はない。
【0056】なお、人工芝生の透水性有無の判断基準と
して、本発明では、土の透水試験方法であるJIS−A
1218に準拠した透水試験で、透水係数が1.5×1
(cm/sec)以上のものを「透水性あり」と
している。
【0057】ここで、図6の模式図により、その試験装
置10について説明する。同試験装置10は、樋状の外
側水槽11と、上面および下面が開放された内側水槽1
2とを備えている。外側水槽11の側壁の所定高さ位置
には排水口11aが設けられており、また、内側水槽1
2の側壁上部には水位を一定に保つための越流口12a
が設けられている。
【0058】内側水槽12は、その下面に試験材Dが張
設された状態で、外側水槽11内の支持台13上に載置
される。支持台13は、有孔底板13aとその周りに形
成された側板13bとを有し、内側水槽12は、その内
部の水が試験材Dのみを通して外側水槽11内に漏れ出
るように支持台13上にセットされる。
【0059】試験に際しては、例えば外側水槽11内に
水をその排水口11aの水位近くに至るまで貯めた状態
として、内側水槽12を支持台13上にセットする。そ
して、内側水槽12内に水を連続的に供給し、余剰な水
が越流口12aからあふれ出るようにして、内側水槽1
2内の水位が常に一定に保たれるようにする。
【0060】これにより、試験材Dには常に一定の水圧
がかけられ、試験材Dを透過した水量分だけ外側水槽1
1の水かさが増えることになり、同量の水が排水口11
aから排水される。この排水量を所定時間単位で計量す
ることにより、試験材Dの透水係数が求められる。その
透水係数kの計算式は次式による。
【0061】 k=L/h×〔Q/{A×(t1−t2)}〕 式中、Lは試験材Dの厚さ、hは水頭差、Aは透水面
積、Qは透水量、t1−t2は透水時間である。
【0062】
【実施例】次に、本発明に基づいて実際に行なった実施
例とその比較例について説明するが、各例ともに、人工
芝糸(パイル糸)には8000dのポリプロピレン製テ
ープ糸を用い、基材に対するの植え付け密度は5/16
ゲージ、4.5ステッチとした。
【0063】透水性の有無については、先に図6で説明
した試験装置により、試験材Dとして各人工芝生の透水
係数を測定した。各人工芝生ともに、その厚さL(芝長
さ)は1.9cm、水頭差hは5.0cm、透水面積A
は456.75cm、透水時間は約30秒とした。
【0064】また、パイル糸の引張(抜糸)強度につい
ては、接着材による固定後に、毎分100mmの引張力
を加えて抜けの有無を観察した。リサイクル性(熱可塑
性の有無)の評価は、人工芝全体を粉砕機により粒径5
mm程度に粉砕し、180℃のオーブンに投入して、そ
の溶融状態を観察した。
【0065】《実施例1》基材としてナイロン製の不織
布を用いた。この基材に上記の植え付け条件で人工芝糸
を植設し、基材の裏面側に接着材の粉末樹脂として平均
粒径が約300μmの粉末ポリエチレンを1平方mあた
り950g散布し、加熱融着させた。この人工芝生の透
水係数kは1.6×10−3(cm/sec)であり、
通常レベルの透水性が得られた。パイル糸の引張強度は
良好で、リサイクル性はきわめて良好であった。
【0066】《実施例2》基材としてポリプロピレン製
の平織り基布を用いた。この基材に上記の植え付け条件
で人工芝糸を植設し、基材の裏面側に接着材の粉末樹脂
として平均粒径が約300μmの粉末ポリエチレンを1
平方mあたり950g散布し、加熱融着させた。この人
工芝生の透水係数kは3.0×10−3(cm/se
c)であり、実施例1よりも高い透水性が得られた。ま
た、実施例1と同様に、パイル糸の引張強度は良好で、
サイクル性はきわめて良好であった。
【0067】《実施例3》基材として実施例2と同じく
ポリプロピレン製の平織り基布を用いた。この基材に上
記の植え付け条件で人工芝糸を植設し、基材の裏面側に
接着材の粉末樹脂として平均粒径が約300μmの粉末
ポリエチレンを1平方mあたり590g散布し、加熱融
着させた。そして、この実施例3では、芝目内に住友ゴ
ム工業社製のオムニサンドNを目砂として厚さ18mm
に充填し、砂入り人工芝生とした。この人工芝生の透水
係数kは3.1×10−3(cm/sec)であり、充
填材として目砂を入れても優れた透水性が得られた。ま
た、実施例1と同じく、パイル糸の引張強度は良好で、
リサイクル性はきわめて良好であった。
【0068】《実施例4》基材としてポリプロピレン製
の平織り基布を用いた。この基材に上記の植え付け条件
で人工芝糸を植設し、基材の裏面側に接着材の粉末樹脂
として平均粒径が約300μmの粉末ポリエチレンに、
平均粒径が約300μmのウレタン研磨粉を重量比10
0:15で混合したものを1平方mあたり338g散布
し、加熱融着させた。この人工芝生の透水係数kは1.
0×10−1(cm/sec)であり、通常レベル以上
であった。パイル糸の引張強度およびリサイクル性はと
もに良好であった。
【0069】《実施例5》基材としてポリプロピレン製
の平織り基布を用いた。この基材に上記の植え付け条件
で人工芝糸を植設し、基材の裏面側に接着材の粉末樹脂
として平均粒径が約300μmの粉末ポリエチレンに、
平均粒径が約300μmのクレーを重量比100:20
で混合したものを1平方mあたり417g散布し、加熱
融着させた。そして、この実施例5では芝目内に住友ゴ
ム工業社製のオムニサンドNを目砂として厚さ18mm
に充填し、砂入り人工芝生とした。この人工芝生の透水
係数kは1.3×10−2(cm/sec)であり、通
常レベル以上であった。また、パイル糸の引張強度およ
びリサイクル性はともに良好であった。
【0070】〈比較例1〉基材としてポリプロピレン製
の平織り基布を用いた。この基材に上記の植え付け条件
で人工芝糸を植設した後、基材の裏面側にポリエチレン
を溶融後、1平方cmあたり400gとして均一に熱ラ
ミネートした。この人工芝生の透水係数kは1.0×1
−4(cm/sec)であり、明らかに透水性不足で
あった。なお、パイル糸の引張強度およびリサイクル性
はともに良好であった。
【0071】〈比較例2〉基材としてポリプロピレン製
の平織り基布を用いた。この基材に上記の植え付け条件
で人工芝糸を植設した後、基材の裏面側に接着材の粉末
樹脂として平均粒径が約300μmの粉末ポリエチレン
を1平方mあたり9g散布し、加熱融着させた。この人
工芝生の透水係数kは1.5×10−1(cm/se
c)で良好あったが、接着材の使用量(粉末樹脂の散布
量)が少ないため、パイル糸を強固に固定し得ず、パイ
ル糸の引張強度試験でいくらかの糸抜けが見られた。な
お、リサイクル性は良好であった。
【0072】〈比較例3〉基材としてポリプロピレン製
の平織り基布を用いた。この基材に上記の植え付け条件
で人工芝糸を植設した後、基材の裏面側に接着材の粉末
樹脂として平均粒径が約300μmの粉末ポリエチレン
を1平方mあたり1080g散布し、加熱融着させた。
接着材の使用量(粉末樹脂の散布量)多いため、この人
工芝生の透水係数kは1.0×10−3(cm/se
c)で透水性不足と判定された。なお、パイル糸の引張
強度およびリサイクル性はともに良好であった。
【0073】〈透水性についての参考例〉基材としての
ポリプロピレン製の平織り基布に上記の植え付け条件で
人工芝糸を植設した後、その裏面側にSBR/NRラテ
ックスを1平方mあたり約1000gベタ塗りして均一
な厚さのバッキング層を形成した。そして、透水性を付
与するため、後加工として加熱棒にて直径5mmの透水
孔を縦・横方向ともに7cm間隔で開け、しかる後、芝
目内に住友ゴム工業社製のオムニサンドNを目砂として
厚さ18mmに充填し、砂入り人工芝生とした。この種
の後加工による人工芝生では、約0.5×10−2
2.0×10−2(cm/sec)の透水係数が得られ
ている。なお、この参考例では、パイル糸の引張強度は
きわめて良好であるが、リサイクル性はない。
【0074】まとめとして、上記実施例1〜5、比較例
1〜3そして参考例の各仕様および評価を次表に示す。
【0075】
【表1】
【0076】実施例1〜5のように、本発明によれば、
人工芝糸を基材に固定するための接着材を粉末状とし
て、その適量を基材裏面に散布して加熱融着させること
により、人工芝生に要求されている透水性、すなわち1
時間に5mm程度の降雨があっても容易に水が引く透水
係数が1.5×10−3(cm/sec)以上の人工芝
生が得られる。したがって、透水性を付与するための後
加工が不要になる。
【0077】また、参考例として説明した後加工により
透水孔を開けたものは確かに透水係数が高いが、透水孔
からのみ水が抜けるため部分的な排水となる傾向にある
が、本発明によれば、人工芝生全体として均一な透水性
が得られる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
人工芝糸が植設された透水性を有する基材に接着材を塗
布して人工芝糸を固定するにあたって、接着材を粒状
(粉末状)として、その適量を基材裏面に散布して加熱
融着させ、基材が有している透水性を損なうことなく、
人工芝糸を基材に接着固定するようにしたことにより、
特に屋外で使用される人工芝生に要求されている所定の
透水性が得られる。
【0079】したがって、人工芝糸の接着固定後に特に
透水孔を開ける後加工が不要となるため、製造工程が簡
略化され、その分のコストダウンが図れる。また、基材
に透水孔が開けられることがないため、基材の強度も弱
められることもない。
【0080】さらには、接着材として人工芝糸の接着固
定後においても熱可塑性を有する高分子体を用いること
により、張り替え時に回収された人工芝生を例えば複合
再生法などによりリサイクルすることができる。また、
その高分子体に易着性の有機および/または無機の粒体
を混入することにより、ジョイントテープなどの下地側
接着層との接合強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る人工芝生を示した断面
図。
【図2】上記実施例で基材として用いられている平織り
基布の拡大平面図およびそのA−A線断面図。
【図3】上記平織り基布上に接着材の粉末樹脂を散布し
た状態およびその粉末樹脂を加熱溶融させた状態をそれ
ぞれ示した断面図。
【図4】本発明の他の実施例を示した図1と同様の断面
図。
【図5】本発明による人工芝生を得るための製造装置の
一例を示した模式図。
【図6】人工芝生の透水試験を行なう試験装置を示した
模式図。
【符号の説明】
1 人工芝生 2 人工芝糸 3 基材 3a 経糸 3b 緯糸 4 接着材 4a 接着材の粉末(粒状)樹脂 5 粒体 6 ホッパ 7 ヒータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人工芝糸が植設された透水性を有する基
    材を備え、上記人工芝糸の植え付け部分が上記基材の裏
    面側で接着材により固定されている人工芝生において、 上記接着材は、粒状として上記基材の裏面側に1平方メ
    ートルあたり10〜1000gの量をもって散布され、
    同基材に対して加熱融着されたものからなることを特徴
    とする人工芝生。
  2. 【請求項2】 上記接着材が、上記人工芝糸の接着固定
    後においても熱可塑性を有する高分子体からなることを
    特徴とする請求項1に記載の人工芝生。
  3. 【請求項3】 上記接着材内には、同接着材に対して易
    着性の有機および/または無機の粒体が混入されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の人工芝生。
  4. 【請求項4】 上記基材は、それ自体が透水性を有する
    シート状であることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれか1項に記載の人工芝生。
  5. 【請求項5】 上記シート状基材が、平織り基布である
    ことを特徴とする請求項4に記載の人工芝生。
  6. 【請求項6】 当該人工芝生は透水性を有している基層
    上に敷設されることを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれか1項に記載の人工芝生。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009013781A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Mondo Spa 例えば人工芝のような床張り材のための基材、対応する人工芝および製造方法
KR101832277B1 (ko) * 2017-10-27 2018-02-27 주식회사 베노 환경친화적이며 배수성이 향상된 인조잔디 및 그 제조방법과 인조잔디 구조체

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