JP2000291370A - サンプリング装置及び方法並びに地盤サンプリング用ビット及びコアリフターケース - Google Patents

サンプリング装置及び方法並びに地盤サンプリング用ビット及びコアリフターケース

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JP2000291370A
JP2000291370A JP11104270A JP10427099A JP2000291370A JP 2000291370 A JP2000291370 A JP 2000291370A JP 11104270 A JP11104270 A JP 11104270A JP 10427099 A JP10427099 A JP 10427099A JP 2000291370 A JP2000291370 A JP 2000291370A
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Motoharu Tsukada
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NIPPON KISO GIJUTSU KK
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    • E21EARTH OR ROCK DRILLING; MINING
    • E21BEARTH OR ROCK DRILLING; OBTAINING OIL, GAS, WATER, SOLUBLE OR MELTABLE MATERIALS OR A SLURRY OF MINERALS FROM WELLS
    • E21B25/00Apparatus for obtaining or removing undisturbed cores, e.g. core barrels or core extractors
    • E21B25/10Formed core retaining or severing means
    • E21B25/12Formed core retaining or severing means of the sliding wedge type

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  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多量に湧水するような崩壊性の高い地盤につ
いても、サンプルを容易かつ確実に採取するサンプリン
グ装置及び方法並びに地盤サンプリング用ビット及びコ
アリフターケースを提供する。 【解決手段】 ビット1の先端部は、地盤を切削するた
めの部分11と、内周面に形成された内開きの第1のテ
ーパ12と、を備え、コアリフターケース2の先端部
は、第1のテーパ12との間にテーパ状の隙間を形成す
る先細の第2のテーパ22を備えている。各テーパ1
2,22の角度は、サンプリング装置の断面に対して7
0度である。この角度は、70度が最適であるが、60
度以上80度以下の角度を適宜選択してもよく、65度
以上75度未満が特に望ましい。コアリフターケース2
の先端は、ビット1の先端よりも5ミリメートル、引き
込まれた位置に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤のサンプルを
採取するためのサンプリング装置及び方法並びに地盤サ
ンプリング用ビット及びコアリフターケースの改良に関
するもので、特に、多量に湧水するような崩壊性の高い
地盤についても、サンプルを容易かつ確実に採取するよ
うにしたものである。
【0002】
【従来の技術】土木工事や地盤管理などを適切に行うた
めには、地盤の性状を正確に把握することが重要であ
り、このために、所望の深度まで掘削して地盤のサンプ
ルを採取すること(サンプリングと呼ぶ)が不可欠であ
る。このようなサンプリングのための従来技術として
は、採取するサンプルの上端にあたる面(サンプリング
面と呼ぶ)の直前まで掘削装置で掘削したうえ、その先
の地盤について、円筒状のサンプリング装置(サンプラ
ーとも呼ぶ)で円筒状に掘削を進め、サンプリング装置
に収納された部分をサンプルとして地上に引き上げるも
のが知れている。
【0003】特に、本出願人が出願しているこのような
従来技術では、掘削装置やサンプリング装置を回転させ
ながら地盤に押し込んでゆくロッドを通じて、界面活性
剤などの発泡剤と圧縮空気を混合した高圧流体を(ジェ
ットフォームと呼ぶ)送り込み、掘削装置やサンプリン
グ装置の先端から吹き出させることで、湧水や掘削屑
(スライム)を気泡流体と共に地上に排出させることが
できる。
【0004】このようなサンプリング工法は、JFB工
法として知られており、このような従来技術によれば、
気泡性状を硬膜泡に改良したり、サンプラーやビットの
形状も改良して孔壁保護を図ったりすることで、ある程
度の崩壊性や湧水を有する地層までならば、ほとんどの
地盤性状を有する地層に対して、高品質なサンプリング
が可能である。
【0005】ここで、上記のような従来技術において、
サンプリング面直前まで掘削するための掘削装置の先端
に用いられる掘削刃(ビットと呼ぶ)の一例を図8に示
す。この掘削刃は、テーパータイプ・ダイヤモンドビッ
トと呼ばれ、表面は硬質なダイヤモンド礫で覆われ、先
端部の周囲には先細のテーパTが形成され、先端面に
は、前記ジェットフォームを吹き出すための流路である
ジェットフォーム・ウェイWが複数形成されている。
【0006】このような筒状のビットは、内部に送り込
まれたジェットフォームを先端から吹き出しながら、回
転によって掘り進みつつ、テーパTで孔壁を押し固める
ことで孔壁保護を図ることができる。
【0007】続いて、サンプリング面より先の地盤か
ら、所定の長さのサンプルを採取するが、ここで、従来
技術によるサンプリング装置と、そのようなサンプリン
グ装置によるサンプリングのモデルを示す概念図を図9
に示す。また、このようなサンプリング装置の先端に取
付けられるビット及びサンプル収納器具(コアリフター
ケースと呼ぶ)の断面図を図10に、また、ビット及び
コアリフターケースの先端の部分拡大断面図を図11に
示す。
【0008】すなわち、図9に示すサンプリング装置
は、外管(アウターチューブと呼ぶ)30の内側に内管
(インナーチューブと呼ぶ)40が収まった二重構造で
あり、ロッド50によって回転させられると共に、自重
やロッド50から加えられる力で地盤を掘削する。ま
た、アウターチューブ30の先端部とインナーチューブ
40の先端部には、それぞれ、図10及び図11に示す
ビット10及びコアリフターケース20が取付けられて
いる。
【0009】このうちビット10は、サンプリング面か
らさらに円筒状に地盤を掘削するための円筒状の掘削刃
である。また、コアリフターケース20は、ビット10
によって円筒状に掘削されて中心に残った円柱状のサン
プル(コア)60を収納して、地上に持ち上げるための
手段(リフター)であり、その内周面には、サンプル6
0と互いに嵌まり合うためのコアキャッチャー(コアリ
フター)201を備えている。
【0010】ここで、ビットとコアリフターケースとの
位置関係としては、ビットの先端がコアリフターケース
の先端よりも先行するタイプ(ビット先行タイプと呼
ぶ)と、コアリフターケース先端の刃先(シューと呼
ぶ)がビット先端より先行するタイプ(シュー先行タイ
プと呼ぶ)が知られている。図10に示す例はビット先
行タイプであり、後者のシュー先行タイプは、石炭用又
は軟岩用とも呼ばれる。
【0011】そして、ジェットフォームは、図9に示す
ように、ロッド50内部を通じて送り込まれ、アウター
チューブ30とインナーチューブ40との間から噴出
し、掘削屑(スライム)や地下水を抱き込んだ気泡流体
として孔内を地上まで上昇する。
【0012】上記のような従来技術によれば、ある程度
の流量を有する地下水が存在する破砕層であっても、孔
壁が自立できるセン断強度を持っていれば、サンプリン
グは比較的容易である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術では、多量に湧水するような崩壊性地盤
のサンプル採取が困難という問題点があった。すなわ
ち、このような崩壊性地盤では、まず、地盤性状として
ほとんどが多量の出水(湧水)現象を持つので、孔壁の
自立が難しい。また、地盤自体が、高温・高圧下におい
て形成された超硬質な岩石(鉱物)や緻密な硬質岩等の
岩片が、大小様々な形状を呈しながら、不規則にしかも
多量に点在あるいは介在しているようなものである。
【0014】ここで、図9にしたがって、従来技術によ
って地盤(地層)が崩壊するメカニズムを簡単に説明す
る。すなわち、まず、掘削によって形成される孔内に
は、地下水が逐次流入して孔内水となる。一方、孔内の
最下部では、圧縮空気と界面活性剤の気泡が混合流体と
なって噴射され掘削流体となる。この流体の運動エネル
ギーが流体と掘削屑(スライム)の上昇運動を起こさせ
ることと併せて、流体中に無数に発生している気泡によ
り孔内水の比重が小さくなるので、これもまた、気泡ポ
ンプの原理と同じく、大気との圧力差で流体が上昇する
エネルギーとなる。
【0015】これら二つの上昇エネルギーにより、孔内
水は孔口より噴出されているが、上記のような従来技術
の場合、他の気泡工法よりこの噴出能力は相当に高い。
なぜならば、高品質のサンプルを採取するためには、掘
削屑(スライム)を効率よく排除することも重要な技術
の一つであり、発泡効率を非常に高めて、充分な空気量
を高速に循環させているからである。
【0016】しかし、図9に示すような地層では、上記
の二つの強力な上昇エネルギーにより出水(湧水)現象
を促すことになるので、出水(湧水)を有する地層が崩
壊性地盤、破砕帯層等のセン断強度が極めて小さい地層
の場合、孔壁や特にサンプルが崩れやすく流出しやすい
という問題があった。
【0017】特に、上記のような地盤では、サンプリン
グ装置として前記ビット先行タイプのものを使用した場
合、掘削は容易であるが、サンプルは流出しやすかっ
た。一方、このような地盤に、前記シュー先行タイプの
ビットを使用すると、サンプル流出の危険性は低くなる
ものの、掘削自体が相当に困難となるだけでなく、サン
プル自体の品質がかなり低下するという問題があった。
【0018】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたもので、その目的は、多量
に湧水するような崩壊性の高い地盤についても、サンプ
ルを容易かつ確実に採取するサンプリング装置及び方法
並びに地盤サンプリング用ビット及びコアリフターケー
スを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、地盤を切削するための円筒状の
ビットと、前記ビットの内側で前記地盤のサンプルを収
納するための円筒状のコアリフターケースと、を備えた
サンプリング装置において、前記ビットの先端部は、前
記地盤を切削するための部分と、内周面に形成された内
開きの第1のテーパと、を備え、前記コアリフターケー
スの先端部は、前記第1のテーパとの間にテーパ状の隙
間を形成する先細の第2のテーパを備え、前記各テーパ
の角度は、サンプリング装置の断面に対して60度以上
80度以下であることを特徴とする。請求項4の発明
は、円筒の先端部に、地盤を切削するための部分と、内
周面に形成された内開きのテーパを備えたサンプリング
用ビットにおいて、前記テーパの角度は、サンプリング
用ビットの断面に対して60度以上80度以下であるこ
とを特徴とする。請求項5の発明は、円筒の先端部に先
細のテーパを備えた地盤サンプリング用のコアリフター
ケースにおいて、前記テーパの角度は、コアリフターケ
ースの断面に対して60度以上80度以下であることを
特徴とする。請求項6の発明は、地盤を切削するための
円筒状のビットを先端に備えた外管と、前記地盤のサン
プルを収納するための円筒状のコアリフターケースを先
端に備え、前記外管の内側に位置する内管と、サンプリ
ングしようとする地盤に前記外管を前記内管と共に回転
させながら押し込むための管状のロッドと、前記ロッド
を通じて、界面活性剤を含む圧縮空気を、前記外管と前
記内管との間に送り込むための手段と、を備えたことを
特徴とするサンプリング装置において、前記ビットの先
端部は、前記地盤を切削するための部分と、内周面に形
成された内開きの第1のテーパと、を備え、前記コアリ
フターケースの先端部は、前記第1のテーパとの間にテ
ーパ状の隙間を形成する先細の第2のテーパを備え、前
記各テーパの角度は、サンプリング装置の断面に対して
60度以上80度以下であることを特徴とする。請求項
7の発明は、請求項1,6の発明を方法という見方から
とらえたもので、地盤を切削するための円筒状のビット
を先端に備えた外管と、前記地盤のサンプルを収納する
ための円筒状のコアリフターケースを先端に備え、前記
外管の内側に位置する内管と、を用いて前記地盤のサン
プルを収集するためのサンプリング方法において、前記
ビットの先端部は、前記地盤を切削するための部分と、
内周面に形成された内開きの第1のテーパと、を備え、
前記コアリフターケースの先端部は、前記第1のテーパ
との間にテーパ状の隙間を形成する先細の第2のテーパ
を備え、前記各テーパの角度は、前記ビットの断面に対
して60度以上80度以下であり、サンプリングしよう
とする地盤に、管状のロッドによって、前記外管を前記
内管と共に回転させながら押し込みながら、前記ロッド
を通じて、界面活性剤を含む圧縮空気を、前記外管と前
記内管との間に送り込むことを特徴とする。本発明で
は、掘削形成されたサンプル側面周囲に気泡流体が噴射
される角度が、サンプル断面に対して70度すなわち軸
方向に対して20度前後であり、これは、従来技術にお
ける45度よりも軸に沿った向きである。このため、サ
ンプル側面周囲にかかる噴射による衝撃力、引張り(吸
出し)力、単位面積あたりのセン断力などが大幅に低減
され、地下水が多量に湧出するような崩壊地盤(破砕帯
層)においてもサンプルを流出させることなく確実かつ
容易に回収することができる。
【0020】請求項2の発明は、請求項1記載のサンプ
リング装置において、前記コアリフターケースの内周面
に、前記サンプルと嵌まり合うためのコアキャッチャー
を設けたことを特徴とする。請求項2の発明では、サン
プリング対象の地盤が比較的均一かつ硬質である場合で
も、掘削成形されたサンプルをコアキャッチャーが確実
に保持することによって、地盤から確実かつ容易に切り
離すことができる。
【0021】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
サンプリング装置において、前記コアリフターケースの
先端は、前記ビットの先端よりも15ミリメートル以
下、引き込まれた位置に設けられたことを特徴とする。
【0022】請求項3の発明では、ビットの先端とコア
リフターケースの先端との距離すなわちサンプル収納距
離が15ミリメートル以下、望ましくは5ミリメートル
以下であり、実際のサンプリングにおいて、崩壊性地盤
等のセン断強度が極めて小さいことから、このサンプル
収納距離にあたる掘削時間は直径120mm程度の場合
で10〜15秒以下と短く、サンプルの品質の低下や流
出の危険性が効果的に低減される。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、各図
とその説明で、それ以前の図又は説明に登場したものと
同一又は同種の部材については同一の符号を付けるなど
して、説明は省略する。
【0024】〔1.前提となる物理的なメカニズム〕ま
ず、本発明を説明する前提として、崩壊性地盤などのサ
ンプリングに使用していた従来のビットとコアリフター
ケースに関する物理的なメカニズムについて、具体的に
説明する。なお、以下の理論及び計算は、従来の技術で
説明したJFB工法を例に取ったものであるが、本発明
の実施形態について考察したり、従来技術と比較する際
にも適用可能なものである。
【0025】まず、図10は、従来技術におけるビット
及びコアリフターケースの先端部分の拡大断面図であ
る。すなわち、上記のような従来技術では、例えば、外
管(アウターチューブ)に取り付けられたビットと、内
管(インナーチューブ)に取り付けられたコアリフター
ケースの間に形成された2mm程度の狭い隙間に、時速
122kmの高速流体、すなわち圧縮空気と界面活性剤
の混合流体が流れている。
【0026】また、この流体は、コアリフターケース先
端の形状とビット先端内周面の形状により、サンプリン
グ装置の断面からみて45度の角度で前記の隙間より噴
射されている。そして、噴射された流体は、一気(瞬
時)に100倍〜1000倍に膨張して微粒で均一な硬
膜泡となり、このときに断熱変化によりビットを冷却す
ることと併せて、界面活性効力により、スライムをほぼ
完全に気泡膜表面に吸着して、上昇エネルギーにより孔
口に運ばれ排出される。また、出水(湧水)による孔内
水が存在する場合は、これも併せて排出される。この一
連の現象を物理的に考察し、次に示す。
【0027】〔1−1.湧水等、掘削屑、孔壁崩壊を考
慮しない場合〕最初に、湧水及び地下水は無く、また、
掘削屑(スライム)は微量とみなして無視し、併せて、
孔壁崩壊現象が発生していないと想定したサンプリング
モデルにおいて、気泡流体が流動する際に作用するセン
断力について考察する。
【0028】まず、ビット先端の内周部とコアリフター
ケース先端の外周部との間の隙間は、サンプリング装置
の断面に対して45度の角度で内側に向いているから、
掘削成形されたサンプル円周側面に直接、気泡が噴射さ
れる。この時、サンプルが直接受ける衝撃力(F)は、
セン断力(τs)として働き、次式で求められる。
【数1】 但し、m:(慣性)質量、υ:速度である。
【0029】周知の通り、この式より求められるものは
運動エネルギーであるから、力学では仕事(W)とな
る。よって、C・G・S(M・K・S)単位は、g・c
2 /sec2 (kg・m2 /sec2 )であり、力
(F)g・cm/sec2 (kg・m/sec2 )では
ないが、W=Fとなることは後で詳しく説明する。
【0030】ここに、
【数2】 である。但し、ρ:密度、A:断面積、υ:速度、△
t:短時間である。
【0031】そして、
【数3】 であるから、加速度(α)は
【数4】 であることは、周知の通りである。
【0032】また、F1 (力)は、m(質量)と、α
(加速度)の積であるから、
【数5】 ちなみに、質量(m)と、速度(υ)の積を、運動量
(m・υ)という。この、運動量(m・υ)が、衝突、
撃力(衝撃力)のような極めて短い時間(△t)に大き
く変化する場合を考えてみると、運動している場合を
(m・υ)0 、衝撃力が作用した後の運動量を(m・
υ)1 とすると、この時の運動量(m・υ)は、
【数6】 となる(運動量保存の法則)。
【0033】故に、F1 (力)との関係は、
【数7】 となるから、この式を積分すると、
【数8】 である。なお、ここに示す、
【数9】 は、Iと記すこともあり、これを〔力積〕と言い、F1
(力)を△t時間で積分したものであるから、このI
(力積)の単位は(g・cm/sec)である。
【0034】従って、この方程式を解けば、
【数10】 となり、C=0とすれば、
【数11】 となる。
【0035】次に、前記のような従来技術による実際の
サンプリング施工において、気泡流体が流動する時に作
用するセン断力(Στs)について考察する。
【0036】この場合のサンプリングモデルは、サンプ
リング掘削孔(φs)はビット径と同様とするから、φ
s=124mmとし、サンプリング深度(Hs)は、G
L−20mとすると、このサンプリングモデルにおい
て、JFB工法における気泡流体が作用するセン断力
(Στs)は、ベルヌーイの運動エネルギーの式より求
められる、
【数12】 となる。ちなみに、(12)式を連続させたものをベル
ヌーイの連続方程式といい、(m)を(ρ)に変換し
て、(13)式に示すが、この式は圧力を表している。
【数13】 但し、前記したように、(12)式より求められるもの
はセン断力(τ)ではなく、気泡流体の運動エネルギ
ー、即ち、仕事(W)であり、 第1項に示す、1/2・m・υ2 は、運動エネルギー 第2項に示す、m・G・Hは、位置エネルギー 第3項に示す、P・A・υ・△tは、圧力エネルギー を示す。
【0037】しかし、ここでは、W=F(=τ)とし、
第1項をF1 、第2項をF2 、第3項をF3 、とする
と、
【数14】 となる。
【0038】なお、本出願で使用する物理量は、工学単
位(実用単位)に統一し、以下に示す。
【0039】
【数15】 また、△t時間に流れる流体の質量は、
【数16】 より求められる。
【0040】また、周知のことであるが、質量(m)
は、2種類に分類され、(15)式で求められるものを
慣性質量といい、一定の加速度(α)を与えるために必
要な力を比べることにより測られる。一方、静止してい
る物体について天秤又はバネ秤で測られるものを重力質
量と称し、両者が等しいことは当然である。よって、サ
ンプラー内を流れている時(噴射前)の気泡流体質量
(ms)は、
【数17】 である。次に、F1 、F2 、F3 のそれぞれについて求
める。
【数18】 また、(14)式より、
【数19】 となり、F3 (圧力エネルギー)が、Στsのほとんど
を占めていることとなる。しかし、F3 は噴射前、つま
り、サンプラー内の流路を通過している時の圧力(P
s)が、噴射後、圧力(PF )に変化して大気圧とな
り、As(流路断面積)を有する流路内に、υsの流速
で流動した際に発生するものである。
【0041】一方、本出願におけるサンプリングモデル
では、噴射前の気泡流体が、噴射直後に掘削成形された
サンプル側面に衝突し、その後、サンプラーと孔壁の隙
間を流路として移動している。また、この場合、噴射前
後の気泡流体は層流状態と想定し、併せて、流路断面の
変化は無いとすれば、圧力(P)の変化は無くなるの
で、噴射前後の圧力差がなくなることになるから、噴射
された気泡流体が、サンプル側面に衝突した瞬間、気泡
流体速度(υF )は消滅する。
【0042】また、基準面を孔底(サンプリング深度)
とし、mF を噴出後の気泡流体質量とすると、(12)
式の、ベルヌーイの連続運動方程式から、(16)式に
示すようになる。
【数20】 故に、F1 +F2 となるので、(14)式は、
【数21】 となる。
【0043】つまり、F3 は、P(圧力)変化を生じな
いと、当然、F3 (圧力エネルギー)は発生しないこと
を意味している。従って、気泡流体がビットより噴射さ
れることによって生じる衝突エネルギーは、F1 (運動
エネルギー)とサンプリング深度20mの位置エネルギ
ーである、F2 の和となるので、Στs1 は、
【数22】 となる。
【0044】しかし、本出願におけるサンプリングモデ
ルでは、気泡流体がビットより噴射される前後では、流
路断面の差異により平均流速が異なり、又、各種の損失
水頭により流体圧力(P)も変化する。さらに、これら
変化により気泡流体が層流状態であることを確認する必
要が生じてくる。
【0045】以上のような気泡流体が噴射前後に流動状
態が変化し、しかも、実際のサンプリングでは、湧水、
及び、孔壁崩壊等の現象が生じているとすれば、質量
(m)と、流体圧力(P)は変化するので、F3 (圧力
エネルギー)が発生することは当然である。
【0046】ちなみに、F3 はサンプル円周側面より孔
壁側に向って、放射状に作用する力(F)であるので、
サンプリング掘削面(孔底)付近では、Στs1 (=F
1 +F2 )とは、方向が逆となる。よって、孔底付近で
は掘削成形されたサンプルは、Στs1 (=F1
2 )とF3 でセン断されていることになる(図9に示
したサンプリングモデルを参照)。
【0047】ここで、W=F(=τ)となることについ
て、説明する。まず、Wの単位(ディメンジョン)は、
M・K・S単位で、仕事(運動量の大きさ)となってい
る。つまり、F(kg・m/sec2 )と距離(m)の
積となっている。これは、質量(m)がある速度(υ)
で運動している場合、衝撃等により停止するために必要
とする運動エネルギー(仕事)であり、〔W〕で表示
し、単位としては、〔ジュール〕、すなわち1ニュート
ンの力により、その方向に1m動かす仕事をするエネル
ギーの単位で表される。
【0048】しかし、衝撃力のように極めて短い時間に
運動が停止してしまう場合では、衝撃を受ける側の質量
(m)が極めて大きければ、力が作用する方向に移動さ
れることはほとんどないので、移動する距離は無視でき
る。従って、F(力)=W(仕事)と見なすことができ
る。但し、前記したように、衝撃するF(力)に比べ、
衝撃力を受ける側の物体の質量(m)が絶対的に大き
く、このF(力)により、その方向にほとんど動かない
状態でなければ成立しない。
【0049】〔1−2.湧水による孔壁崩壊がある場
合〕次に削面(孔底)付近には、50(l(リットル)
/min)なる湧水現象が生じ、この現象により孔壁が
崩壊し、孔内に30(l/min)の崩壊土(岩)が流
入しているとした場合、このような現象がサンプリング
施工中にサンプルに与える影響について考察する。
【0050】先ず、噴射後の気泡流体平均速度(υF
を算出する。
【数23】 υsの場合は、JFB工法の硬膜泡による流路断面の補
正効果等により、層流状態で圧力変化は無いものと想定
したから、損失水頭も無いことになる。しかし、噴射後
は流路断面の形状変化に伴う、流体の圧力の変化と損失
水頭を無視することは現実的でない。
【0051】そこで、次に、屈折による損失水頭(Hb
e)、急拡による損失水頭(Hse)、流体運動の摩擦抵
抗による摩擦損失水頭(Hf)、の以上3損失水頭を求
め、併せて、レイノルズ数(Re)を求めることで層流
状態であることを証明する。
【0052】〔1−2−1.屈折による損失水頭(Hb
e)〕まず、図9のサンプリングモデルに示すように、
サンプラー(ビット)先端より噴射された高速気流は掘
削面(孔底付近)に衝突し、サンプラーと孔壁の隙間を
通り、孔口より排出される。従って、気泡流体の流速方
向は、垂直下降流から一気に垂直上昇流へと180度屈
折されるので、この時に生じる屈折損失水頭(Hbe)を
求める。
【数24】 但し、fbeは屈折損失係数であり、ワイスバッハの実験
式より屈折角(θ)が180度の場合は、fbe=2.4
3(円形管の直径が30mm)となっているので、この
実験値を使用する(土木学会:水理公式集より引用)。
【0053】
【数25】 〔1−2−2.急拡による損失水頭(Hse)〕また、噴
射前の気泡流体は、流速(υs)を有し、流路断面積
(As)なるサンプラーの流路を通り、ビット先端で一
気に噴射された後、AF なる流路断面積を有する孔壁
と、サンプラーの隙間を流路として通過し、孔口に排出
される。従って、この場合の気泡流体は、Asより、A
F に流路断面が急激に拡大された所を通過することにな
るので、この時に生じる急拡による損失水頭(Hse)を
求める。
【数26】 但し、fseは、流路断面の急拡による損失係数であり、
Asと、AF の比より求めた実験値、fseを次に示す。
【数27】 よって、As/AF が0.4である場合のfseは、土木
学会:水理公式集より引用し、
【数28】 故に、
【数29】 である。
【0054】〔1−2−3.流体運動の摩擦抵抗による
摩擦損失水頭(Hf)〕また、JFB工法では、硬膜泡
の高速気流がサンプラー内の流路より、孔壁とサンプラ
ーの隙間なる流路へ流れているので、ここでは、この流
体運動の摩擦抵抗により生じる摩擦損失水頭(Hf)に
ついて考察する。
【0055】しかし、JFB工法における流路形状は大
変複雑なものとなっているから正確な算出は非常に煩雑
となり、現時点では不可能である。よって、孔壁を円筒
形の管水路とみなし、極めて簡単にモデル化して算出す
る。このため、この値は、指針的な値ではあるが、現時
点における実用的な数値としては充分に使用できるもの
と考える。なお、JFB工法によるサンプリング孔壁
は、サンプリング中では、硬膜気泡が孔壁面に絶えず供
給されており、滑らかな円管として扱う。
【0056】先ず、層流状態であることを確認するが、
ここに必要な、JFB工法における気泡の粘性係数(μ
J)について考察すると、JFB工法における硬膜気泡
は、10円硬貨を載せて見た場合の沈降速度は、1(c
m/sec)位であるので、20(℃)〜30(℃)の
μJは、
【数30】 とする。
【0057】よって、動粘性係数(νJ)は、
【数31】 これより、レイノルズ数(Re)を求めると、
【数32】 但し、υF (流体平均速度)は、気泡が完全流体である
場合の速度、つまり、損失水頭を考慮していない気泡流
体速度であるが、ここではこれを使用する。また、Dは
管の内径であるから、φ124mmのサンプリング孔径
がこれに相当する。
【0058】よって、
【数33】 故に、
【数34】 となり、JFB工法における硬膜気泡は、層流領域内に
ある。
【0059】ちなみに、200(km/h)の場合は、
υ=55.56(m/sec)であるから、同様に算出
して、Reを求めると、Re=98.6となり、これも
また層流である。なお、2000<Re<4000の範
囲を遷移領域と称し、Re>4000になると乱流領域
になるといわれている。
【0060】これで判明したように、JFB工法で使用
している硬膜泡は、極めて粘(度)性が大きく、密度
(ρk)も非常に微小であるため、時速200kmの高
速度であったとしても充分に層流領域内に存在する。
【0061】一方、管内壁面が相当に粗くなっても、J
FB工法では絶えず硬膜泡がこの壁面に付着し、表面を
滑らかにしているので、これも又、層流状態になる要因
となっている。従って、層流状態であるから、ハーゲン
・ポアージュ−ユの法則により、摩擦抵抗(Hf)を求
めてみる。
【数35】 但し、lは、サンプラーと同径のセジメントチューブの
和とし、2.30(m)とする。また、υはυF (流体
平的速度)を使用する。
【数36】 〔1−2−4.損失水頭の和〕以上、屈折による損失水
頭(Hbe)、急拡による損失水頭(Hse)、流体運動の
摩擦抵抗による摩擦損失水頭(Hf)を求め、この3つ
の損失水頭の和を全損失水頭(ΣH)とするならば、
【数37】 となるので、
【数38】 となる。ここで、(13)式を、ω(=ρ・G)で割る
と水頭の式となり、右辺は噴射後の水頭であるから、Σ
Hを加えると、
【数39】 となり、この(23)式に各物性値を代入する。
【数40】 よって、
【数41】 であり、これにより、JFB工法の高速気泡流体では、
損失水頭が約506.5(m)と相当な損失水頭となっ
ている。
【0062】しかし、JFB工法の硬膜気泡自体の単位
体積重量(ωk)が1.43×10-6(kg/cm3
と非常に軽量であるため、損失水頭による気泡流体圧力
(PF1)は約1.14(kg/cm2 )であり、つま
り、Ps=1.20(kg/cm2 )だから、0.06
(kg/cm2 )だけ圧力降下(変化)が生じたことに
なるので、(14)式の、F3 (圧力エネルギー)が発
生する。
【0063】よって、(16)式より、
【数42】 となり、故に、
【数43】 となる。これは、気泡噴射付近では直径(φ)92mm
のサンプル側面円周上に2.248(kg)の力(F)
で高速気泡流体が衝突し、12.018(kg)の引張
り(吸出し)力が相俟ってセン断力となっていることに
なる。
【0064】また、図10に示す通り、流体噴射角度
(θ)は45度であるから実際にサンプル側面円周上に
セン断力(τsφ)として作用している力は、
【数44】 故に、
【数45】 である。この時、サンプル側面の円周1cm幅(△l)
の面積に、作用している単位面積当りのセン断力(τs
k)は、
【数46】 である。
【0065】ここまでの算出結果より判明されたことと
して、気泡流体の運動エネルギーのほとんどは圧力エネ
ルギーである。このことは、他の運動エネルギー、及
び、位置エネルギーは構成要因である気泡流体密度(ρ
k)が極めて微小であるために他ならない。
【0066】よって、気泡流体圧力(P)が変化しない
場合のセン断力(Στs1 )と流動損失水頭による、P
の変化を生じるセン断力(Στs2 )を比較すると、
【数47】 となる。つまり、Pの変化しない場合のΣτs1 は、P
の変化が生じている場合のΣτs2 の、15.8(%)
に過ぎない。
【0067】次に、湧水、及び、湧水と孔壁崩壊土
(岩)が気泡流体に混入した場合について、以下に考察
する。
【0068】〔1−2−5.湧水の影響〕まず、サンプ
リング掘削面(孔底)付近に毎分50(l)が湧水する
場合のサンプルに及ぽす影響について考察する。ここで
は、まず、湧水を含む気泡流体密度(ρkw)を求める。
すなわち、本出願におけるサンプリングモデルでは、湧
水量(Qw)は50(l/min)であり、このよう
に、Qwが多くなった場合の流動様式を考えて、
【数48】 が成立するかを初めに検討する。ここに示す、ρwは水
の密度である。
【0069】但し、この成立可能な区間はサンプラーの
長さの範囲以内とする。また、Qwは、JFB工法にお
ける気泡の単位時間当りの全流量(ΣQa:流動体積)
に占める割合である。
【0070】ここで、流動様式を判定(判断)する物理
的根拠は、気液2層流に当てはめて決めることが最適と
思われるが、その場合、実際には非常に煩雑で多様な物
理量の数値が不可欠であり、それなりの詳細、且つ、精
度の高いデ一夕ーを必要とする。よって、大まかに、ボ
イド率を拡大解釈して全流量(ΣQa:流動体積)に占
める湧水量(Qw)の割合により流動様式を判定するこ
ととする。ちなみに、ボイド率とは、流体流路断面内の
気相(気体として均一になっている状態のもの)が存在
する面積割合である。
【0071】そして、本出願におけるサンプリングモデ
ルにおいて、孔壁とサンプラーにできる隙間を流路断面
(AF )とすると、
【数49】 である。また、JFB工法における気泡流体の流れの方
向を垂直上昇流として、1秒間当りの流速(υF )と、
F の積を全流量(ΣQa:流動体積)とする。また、
この場合、ΣQaは、JFB工法の硬膜気泡で満たされ
ているものとすると、ΣQaは、
【数50】 である。
【0072】一方、湧水量(Qw)は50(l/mi
n)であるから、1秒間当りのQwは、
【数51】 とすると、故に、
【数52】 つまり、ΣQa(全流量)の約4%が、Qw(湧水量)
で占められていることになるので、流動様式は、気相が
ほとんどを占めている環状噴霧流、又は、噴霧流である
が、性状は環状噴霧流の流動様式をより強く呈している
と考えられる。従って、(26)式は成立するものと判
断する。
【0073】ちなみに、環状噴霧流とは、孔壁、及び、
サンプラー表面上に液膜が存在し、流路断面中央部(気
液2相流ではコア部という)に多数の液滴を伴う気相が
流れている流動状態を称する。また、噴霧流とは、ボイ
ド率がより一層高くなって(つまり、気相割合がよりー
層多くなる)環状噴霧流の発達した状態で、孔壁、及
び、サンプラーの表面上の液膜が消失した流動状態をい
う。但し、環状噴霧流はサンプラー長さ(l=2.3
m)区間のみで、その上のロッド部分ではフロス流、及
び、スラグ流の流動様式になると考えられる。
【0074】ここに、(26)式に、(28)式を代入
して、ρkwを求める。但し、ωwは水の単位体積重量
(1.0g/cm3 )である。
【数53】 また、
【数54】 つまり、毎分50(l)の湧水が生じると、湧水を含む
気泡流体密度(ρkw)は、気泡流体密度(ρk)の30
倍も大きくなることになる。
【0075】以上の結果より、ρkがρkwに変化した場
合に生じるサンプルへの影響について考察する。
【0076】この場合、(13)式のベルヌーイの連続
方程式より、ρkがρkwに変化することを流体圧力の変
化として求めてみる。すなわち、(13)式より各物性
値を代入して、(29)式に示す。
【数55】 但し、基準面をサンプリング掘削面(孔底)とし、Hs
=20m、HF =0mとする。
【0077】この場合、左辺は、
【数56】 右辺は、
【数57】 故に、
【数58】 つまり、サンプルには、27(g/cm2 )=27×1
-3(kg/cm2 )の引張りセン断応力が、50(l
/min)の湧水により生じていることになる。
【0078】次に、この場合の圧力エネルギー量を求め
る。まず、損失水頭によるPF1と、湧水によるPF2によ
り、それぞれの圧力降下した量の和を、Psより差引い
た量を、PF3とすると、
【数59】 となり、よって、圧力エネルギー(F3 )は、
【数60】 となる。
【0079】これにより、損失水頭と湧水により生じる
セン断力(Στs3 )は、
【数61】 である。また、(24)式より、気泡噴射付近では、サ
ンプル側面円周上に作用しているセン断力(τsφ2
は、
【数62】 であり、(25)式より、サンプル側面の円周1cm幅
(△l)の面積に作用している、単位面積当りのセン断
力(τsw)は、
【数63】 となる。
【0080】〔1−2−6.湧水と孔壁崩壊の影響〕次
に、サンプリング掘削面(孔底)付近に毎分50(l)
が湧水する場合で、この現象により、さらに、毎分30
(l)の孔壁崩壊を誘発している場合のサンプルに与え
る影響について考察する。
【0081】まず、この場合のサンプリングモデルは、
〔1−2−5.湧水の影響〕において湧水の影響だけを
考慮した場合と同様であり、施工条件として、毎分50
(l)が湧水することと併せて、毎分30(l)の孔壁
崩壊現象が生じている。この場合の孔壁崩壊土(岩)の
単位体積重量(ωs)は2.8(g/cm3 )とする
と、この土(岩)の密度(ρs)は、
【数64】 であり、この場合、流動様式より判断して、(30)式
が成立する。
【数65】 また、〔1−2−5.湧水の影響〕において湧水の影響
だけを考慮した場合と同様にすると、(27)式で、
【数66】 となる。
【0082】そして、崩壊土(岩)量(Qs)は30
(l/min)であるから、1秒間当たりのQsは、
【数67】 となり、よって、Qsの、ΣQaに対する割合をVsと
すると、(28)式と同様にして、
【数68】 となる。また、ρσは(30)式より、
【数69】 である。
【0083】つまり、湧水量が50(l/min)と孔
壁崩壊土(岩)量が30(l/min)の両方が、JF
B工法の気泡流体に混入すると、この流体密度(ρσ)
は1.154×10-4(g・sec2 /cm4 )とな
り、気泡密度(ρk)の約80倍も大きくなっている。
【0084】以上の結果より、ρkが、ρσに変化した
場合に生じる、サンプルへの影響について考察する。ま
ず、(29)式に従って、ρkが、ρσに変化した場合
の流体圧力変動として求めてみるが、Hs=20m、H
F =0m、とすると、
【数70】 となり、各物性値を代入して、Pσを求める。
【0085】この場合、左辺は、〔1−2−5.湧水の
影響〕において湧水の影響だけを考慮した場合で求めて
いるから、
【数71】1211.239(g/cm2 ) であり、右辺は、
【数72】 である。よって、〔左辺〕=〔右辺〕 として、
【数73】 となる。
【0086】故に、
【数74】 である。つまり、湧水と孔壁崩壊により、サンプルに
は、90(g/cm2 )[=9×10-2(kg/c
2 )]の引張り(吸出し)力が生じていることにな
る。
【0087】次に、〔1−2−5.湧水の影響〕におい
て湧水の影響だけを考慮した場合と同様に圧力エネルギ
ー(F3 )を求めるが、先ず、損失水頭と湧水、及び、
孔壁崩壊による全圧力降下量を求める。
【数75】 よって、圧力エネルギー(F3 )は、
【数76】 となり、これより、損失水頭と湧水、及び区壁崩壊によ
り生じる全セン断力(Στsσ)は、
【数77】 となる。また、単位面積当たりのセン断応力(τSR
は、
【数78】 となる。
【0088】〔1−2−7.考察〕以上、これまでに、
サンプリング掘削面(孔底)付近のサンプル側面円周上
に作用するセン断力(Στs)とセン断応力(τs)に
ついて、初めに、〔1−1.湧水等、掘削屑、孔壁崩壊
を考慮しない場合〕で気泡流体のみの場合を想定し、気
泡噴射により生じる衝撃力(F1 )と位置エネルギー
(F2 )をセン断力として求めた。次に、〔1−2.湧
水による孔壁崩壊がある場合〕で湧水、及び湧水と孔壁
崩壊土(岩)が気泡流体に混入した場合について考察を
行った。
【0089】このうち、まず、〔1−2−5.湧水の影
響〕では、湧水の影響だけを考慮したが、この場合、湧
水現象が生じ、この湧水量が気泡流体に混入することに
より、流体密度が変化する。このことと併せて、サンプ
ラー内の流路面積と、サンプラーと孔壁の隙間による流
路面積の差異に生じる流体流速の速度変化と、これに伴
う摩擦抵抗、又、流路断面形状の差異、及び、流速方向
の屈折による損失水頭について、それぞれ考察した。
【0090】その結果、ビット口より噴射する前(サン
プラー内の流路を通る気泡流体)と、後(サンプラーと
孔壁の隙間を通る気泡流体)では、共にレイノルズ数
(Re)が2000よりも遥かに小さく、層流状態とな
っていることが確認された。
【0091】また、JFB工法においては、損失水頭は
屈折角が180度の場合と、気泡流路形状による急拡に
よるものよりも、硬膜気泡の極めて高い粘性度による流
体摩擦抵抗の損失の方が遥かに大きく、気泡密度が微小
にも係わらず、その損失は444(m)も生じ、全損失
水頭は約506(m)に昇った。
【0092】従って、この損失水頭による圧力降下は、
0.06(kg/cm2 )となり、圧力エネルギーは約
12(kg・m)で運動エネルギーのほとんどを占める
結果となった。
【0093】一方、流体速度は層流状態であることか
ら、気泡の流体流量を流路断面積で割った平均速度を使
用することが可能となった。また、気液2相流体(工)
学より、ボイド率の考えを引用して、流動形態を環状噴
霧流と決定されたことにより、湧水による流体密度の増
加は容易に求めることができた。
【0094】このようにして、多様な物性値をそれぞれ
の理論にあてはめると共に、従来のJFB工法における
現場実験結果とも照らし合わせることで、これら数値を
その都度できる限り検討して、本出願における物性値と
して採用した。
【0095】また、湧水を含むことにより、気泡流体密
度が増加し、それに伴う流体圧力の変化を求めた。その
結果として、サンプルに作用する引張り(吸出し)セン
断力は、湧水現象により発生するものよりも、損失水頭
で発生する引張り(吸出し)セン断力の方が、約2倍も
大きいことが確認された。
【0096】また、〔1−2−6.湧水と孔壁崩壊の影
響〕では、湧水することで、孔壁崩壊現象が発生した場
合の流体密度の増加による流体圧力の増減を、〔1−2
−5.湧水の影響〕と同様に求めた。その結果、湧水と
孔壁崩壊現象により発生するサンプルに対するセン断力
は、約32(kg)であるが、そのうち、圧力降下によ
る引張りセン断力は、約30(kg)、気泡流体の噴
射、衝突による運動エネルギーと、位置エネルギーの和
は、約2(kg)であることから、JFB工法におい
て、セン断力のほとんどは、圧力降下による引張りセン
断力であることが確認された。
【0097】以上、湧水量(Qw)と孔壁崩壊土(岩)
の流出量(Qs)が、JFB気泡流体に混入した時のサ
ンプルへの影響を、運動エネルギーの変化による物理量
として求めた。この結果、気泡噴射によるセン断力は、
実際の現場施工で感覚的に考えられていた数値より小さ
かったが、損失水頭による流体圧力の降下と、これに伴
う引張りセン断力は大きいものであった。
【0098】もっとも、この力学的数値は絶対的なもの
ではなく、その理由は、JFB気泡流体の高速流体運動
に対し、湧水量(Qw)と孔壁崩壊土(岩)の流出量
(Qs)が、この気泡流体内に均ーに混入していると仮
定し、算出されているからである。しかし、現実には、
局部的に刻々変化する流速、粘性、圧力、密度等を考慮
する必要がある。
【0099】なお、以上のように、JFB工法のサンプ
リングにおいて、このような気泡流体の高速流体運動に
より、起因される損失水預、及び、湧水と孔壁崩壊がも
たらすサンプルへの影響について、初めて力学的考察を
行うことが可能となり、実務的理論値が求められた。
【0100】〔2.実施形態の構成〕まず、図1は本実
施形態におけるビット及びコアリフターケースの第1実
施例を示す断面図であり、図2は、ビット1及びコアリ
フターケース2の先端部の構成を示す部分拡大図であ
る。すなわち、これらの図に示すように、ビット1は、
地盤を切削するための円筒状の部材であり、コアリフタ
ーケース2は、ビット1の内側で地盤のサンプルを収納
するための円筒状の部材である。
【0101】また、図2に示すように、ビット1の先端
部は、地盤を切削するための部分11と、内周面に形成
された内開きの第1のテーパ12と、を備え、コアリフ
ターケース2の先端部は、第1のテーパ12との間にテ
ーパ状の隙間を形成する先細の第2のテーパ22を備え
ている。ここで、これら各テーパ12,22の角度は、
サンプリング装置の断面に対して70度である。なお、
この角度は、70度が最適であるが、60度以上80度
以下の角度を適宜選択してもよく、65度以上75未満
が特に望ましい。
【0102】また、本実施形態のサンプリング装置の直
径は120mm程度であるのに対して、コアリフターケ
ース2の先端は、ビット1の先端よりも5ミリメート
ル、引き込まれた位置に設けられている。なお、このよ
うに引き込まれている距離をサンプル収納距離と呼び、
15ミリメートル以下であれば自由に決めることができ
るが、5ミリメートル以下が望ましい。
【0103】また、第1実施例では、コアリフターケー
ス2の内周面に、サンプルと嵌まり合うためのコアキャ
ッチャー25を設けている。このような第1実施例で
は、サンプリング対象の地盤が比較的均一かつ硬質であ
る場合でも、掘削成形されたサンプルをコアキャッチャ
ー25が確実に保持することによって、地盤から確実か
つ容易に切り離すことができる。
【0104】また、図3及び図4は、本実施形態の第2
実施例を示す図である。すなわち、これらの図に示すよ
うに、コアリフターケースの内周面には、コアキャッチ
ャー25を設けない例も考えられる。ここで、このよう
にコアキャッチャー25を設けない場合のコアリフター
ケースをリフターレスケース2bと呼ぶ。
【0105】すなわち、地盤全体のセン断強度が極めて
小さいが、超硬質な岩石(鉱物)等の岩片が大小様々な
形状を呈し、不規則に、しかも、多量に点在、もしく
は、介在してあるような地盤性状を有する地層を掘削成
形すると、サンプルは地中応力の解放に伴い、短時間で
想像を越して大きく膨張する。このような状態となった
サンプルが、コアリフターケースに収納された状態でコ
アキャッチャーに強く食い込むと、取り出しが困難にな
り、後のサンプリング施工の支障になることも考えられ
る。第2実施例は、このような食い込みを防止すること
で、サンプルを取り出しやすくするという利点がある。
【0106】また、図5は、本実施形態におけるサンプ
リングモデルを示す図である。すなわち、本実施形態に
おけるサンプリング装置は、外管(アウターチューブと
呼ぶ)3と、内管(インナーチューブと呼ぶ)4との先
端にそれぞれ、上記のように構成されたビット1と、コ
アリフターケース2又はリフターレスケース2bを取付
けたものである。
【0107】また、本実施形態のサンプリング装置は、
サンプリングしようとする地盤に前記アウターチューブ
3をインナーチューブ4と共に回転させながら押し込む
ための管状のロッド5を備えている。また、図示はしな
いが、本実施形態におけるサンプリング装置は、ロッド
5を通じて、界面活性剤を含む圧縮空気を、アウターチ
ューブ3とインナーチューブ4との間に送り込むための
ポンプなどの手段を備えている。
【0108】〔3.実施形態の作用及び効果〕上記のよ
うな本実施形態では、図8に例示したような掘削装置
で、予めサンプリング面直前まで掘削したうえ、改め
て、このサンプリング面から先のサンプリングしようと
する地盤に、ロッド5によって、アウターチューブ3と
インナーチューブ4と共に回転させながら押し込みなが
ら、ロッド5を通じて、界面活性剤を含む圧縮空気を、
アウターチューブ3とインナーチューブ4との間に送り
込む。そして、所定の長さだけ掘り進むことで、その部
分のサンプル6がコアリフターケース2に収納された
ら、サンプリング装置を地表に引き上げ、コアリフター
ケース2からサンプルを採取する。
【0109】このような本実施形態では、掘削形成され
たサンプル側面周囲に気泡流体が噴射される角度が、サ
ンプル断面に対して70度すなわち軸方向に対して20
度前後であり、これは、従来技術における45度よりも
軸に沿った向きである。このため、サンプル側面周囲に
かかる噴射による衝撃力、引張り(吸出し)力、単位面
積あたりのセン断力などが大幅に低減され、地下水が多
量に湧出するような崩壊地盤(破砕帯層)においてもサ
ンプルを流出させることなく確実かつ容易に回収するこ
とができる。
【0110】また、本実施形態では、ビット1の先端と
コアリフターケース2又はリフターレスケース2bの先
端との距離すなわちサンプル収納距離が5ミリメートル
以下であり、実際のサンプリングにおいて、崩壊性地盤
等のセン断強度が極めて小さいことから、このサンプル
収納距離にあたる掘削時間は直径120mm程度の場合
で10〜15秒以下と短く、サンプルの品質の低下や流
出の危険性が効果的に低減される。
【0111】〔4.実施形態と従来技術の比較〕以下
に、図1,2に示す本実施形態のサンプリング装置(新
型ビットと呼ぶ)と、図9及び10に示した従来のサン
プリング装置(従来型ビットと呼ぶ)の差異について考
察する。すなわち、本実施形態のサンプリング装置と従
来型との差異として、次の点が挙げられる。 (1)従来型ビットでは、気泡流体が噴射される噴射角
がサンプリング装置の断面に対して45度であったのに
対して、新型ビットでは、70度になっている(図
6)。 (2)また、例えば孔径120mm程度の場合における
ビット先端と、コアリフターケースとの段差、つまり、
サンプル収納距離(η)が、従来型ビットでは17mm
であったのに対して、新型ビットでは5mm以下になっ
ている。
【0112】そして、従来のJFB工法によるサンプリ
ングでは、前記のように、本工法特有な硬膜泡気泡が極
めて高い粘度を有することに起因して、大きな損失水頭
を生じているが、このことが圧力降下に伴う予想外の引
張り(吸出し)セン断力を発生させていた。
【0113】以下では、サンプリング施工条件として、
セン断強度の非常に小さな崩壊性地盤で、しかも、湧水
現象が発生している場合、従来型ビットと新型ビットと
の上記のような差異が、どのような効果を生じさせるか
について具体的に説明する。
【0114】すなわち、以下では、 (1)噴射角が70度に変わったことで、サンプル側面
周囲上に作用するセン断力(τSφ)と、セン断応力
(τS)がどのように変化したか (2)ビット先端とコアリフターケース先端とのサンプ
ル収納距離(η)が5mm以下に変わったことで、セン
断応力(τS)がどのように変化したか の2項目について、現場でのサンプリング施工条件とし
て、 (1).流体流路に気泡流体のみが存在している場合 (2).湧水現象も生じている場合 (3).湧水現象により孔壁崩壊まで引き起こしている場合 の3つの組み合わせの場合について、従来型ビットと新
型ビットについて、力学的に比較する。なお、図7は、
従来型ビットと新型ビットとを比較した結果を示す図表
である。
【0115】(1).流体流路に気泡流体のみが存在してい
る場合 (1-1).損失水頭を無視した場合のエネルギー量(ΣτS
1 ) まず、損失水頭を無視した場合のエネルギー量(ΣτS
1 )は、
【数79】 である。
【0116】また、サンプルに噴射する衝撃力(τSφ
0 )は、従来型ビット(噴射角:θ=45度)では、
【数80】 であったのに対して、新型ビット(噴射角:θ=70
度)では、
【数81】 となる。
【0117】次に、サンプル側面円周上の単位面積当り
のセン断応力(τS1 )は、従来型ビット(η=17m
m)では、
【数82】 であったのに対して、新型ビット(η=5mm)では、
【数83】 となる。
【0118】(1-2).損失水頭を考慮した場合のエネルギ
ー量(ΣτS2 ) また、損失水頭を考慮した場合のエネルギー量(ΣτS
2 )は、
【数84】 である。
【0119】(1-2-1).サンプルに噴射する衝撃力と引張
り(吸出し)力(τSφ1 ) そして、サンプルに噴射する衝撃力と引張り(吸出し)
力(τSφ1 )は、従来型ビット(噴射角:θ=45
度)では、
【数85】 であったのに対して、新型ビット(噴射角:θ=70
度)では、
【数86】 となる。
【0120】(1-2-2).サンプル側面円周上の単位面積当
りのセン断応力(τS2 ) また、サンプル側面円周上の単位面積当りのセン断応力
(τS2 )は、従来型ビット(η=17mm)では、
【数87】 であったのに対して、新型ビット(η=5mm)では、
【数88】 となる。
【0121】(2).気泡流体の流路に50(l/min)
の湧水現象が生じている場合 (2-1).エネルギー量(ΣτS3 ) この場合、エネルギー量(ΣτS3 )は、
【数89】 である。
【0122】(2-2).サンプルに噴射される衝撃力と引張
り(吸出し)力(τSφ2 ) そして、サンプルに噴射される衝撃力と引張り(吸出
し)力(τSφ2 )は、従来型ビット(噴射角:θ=4
5度)では、
【数90】 であったのに対して、新型ビット(噴射角:θ=70
度)では、
【数91】 となる。
【0123】(2-3).サンプル側面円周上の単位面積当り
のセン断応力(τS3 ) また、サンプル側面円周上の単位面積当りのセン断応力
(τS3 )は、従来型ビット(η=17mm)では、
【数92】 であったのに対して、新型ビット(η=5mm)では、
【数93】 となる。
【0124】(3).気泡流体の流路に湧水現象で起因され
る孔壁崩壊が生じている場合 (3-1).エネルギー量(ΣτSσ) この場合、まず、エネルギー量(ΣτSσ)は、
【数94】 である。
【0125】(3-2).サンプルに噴射される衝撃力と引張
り(吸出し)力(τSφ3 ) そして、サンプルに噴射される衝撃力と引張り(吸出
し)力(τSφ3 )は、従来型ビット(噴射角:θ=4
5度)では、
【数95】 であったのに対して、新型ビット(噴射角:θ=70
度)では、
【数96】 となる。
【0126】(3-3).サンプル側面円周上の単位面積当り
のセン断応力(τSσ) また、サンプル側面円周上の単位面積当りのセン断応力
(τSσ)は、従来型ビット(η=17mm)では、
【数97】 であったのに対して、新型ビット(η=5mm)では、
【数98】 となる。
【0127】以上、これまでに、新型ビットと従来型ビ
ットについて、衝撃力とセン断力の2項目の力学的な考
察を行ない、軽減率を求めてみた。ここで、サンプリン
グとは、多種多様なハードウェアー・テクノロジーと、
ソフトウェアー・テクノロジーが相互に深く関連してい
るので、これら2項目による力学的軽減率を、2項目の
積と考えるならば、気泡流体の流路に湧水現象で起因さ
れる孔壁崩壊が生じている場合でも、
【数99】 となる。
【0128】このことは、従来型ビットで作用している
応力を100%とすると、新型ビットで作用する応力
は、14%以下であることを意味している。また、新型
ビットのサンプリング装置でサンプリングを行なうと、
サンプルに作用しているセン断応力は、29%に軽減さ
れることになる(図5に示した新型ビットにおけるサン
プリングモデル参照)。
【0129】但し、ここまでに示した各々の数値は、あ
くまで理論上のことであり、新型ビットの効力を充分に
発揮するためには、現場技術者がこれらに充分対応した
現場施工条件を満足させる必要がある。
【0130】また、新型ビットを従来型ビットと比較し
た場合について、この他の優位性について考えると、ま
ず、サンプル収納距離が5mm以下となると、実際のサ
ンプリングでは、崩壊性地盤等のセン断強度が極めて小
さいから、この区間の掘削時間は、10(sec)〜1
5(sec)以下となるため、サンプルの品質の低下と
流出の危険性は相当に低くなると思われる(図6に示し
た従来型ビットと新型ビットの比較サンプリングモデル
参照)。ちなみに、〔1.前提となる物理的なメカニズ
ム〕に示した図9は、従来型ビットを使用した場合のサ
ンプリングモデルである。
【0131】そして、これまでに行なってきた数々の力
学的(物理的)考察に基づいて考察すると、新型ビット
を使用した場合のサンプル収納距離(η)による影響
は、ほとんど消滅すると考えられるので、従来技術で述
べたシュ−(刃先)先行タイプと同様の効果が期待でき
る。従って、サンプル流出の危険は極めて低くなり、併
せて、サンプル自体の品質についても相当に向上するも
のと考えられる。
【0132】ところで、JFB工法において、硬膜気泡
の高速気泡流体を掘削流体として使用する以外は、基本
的には送水工法と共通ともいえる。よって、ビット回転
による掘削抵抗(掘削セン断力)、ロツドの回転運動で
生じる遠心力による湾曲、併せて、ボーリング機械の給
圧、及び、ロツド自重による座屈現象等のサンプリング
技術に支障となる様々な現象が組み合わさることによ
り、サンプリング施工中にサンプラー自体にプレを生
じ、高品質なサンプリングを施工する際に障害となる可
能性も考えられる。
【0133】この点について考察すると、まず、JFB
工法におけるビット掘削抵抗〔回転掘削セン断力(τ
d)〕は、例えば97.6kgf/cm2 (Max)で
あり、これは、崩壊性地盤のセン断力に比べ、相当に大
きい。
【0134】また、地盤におけるサンプリングの掘削に
ついて、切削理論を基に考察すれば、高品質のサンプリ
ングを可能とする最適な掘削(切削)方式は、掘削刃
(ビット)にある圧力を掛けて、ビットを掘削表面に強
制的に食い込ませて、適宜量の薄層を剥ぎ取るようにし
て掘削する強制切り込み方式である。この方式は、一般
的に研削加工と称される。具体的に表現すれば、木材を
鉋で削り落とすようにして切削する方式である。
【0135】この方式では、ビットを強制的に食い込ま
せるため、食い込み量に適合した圧力を掛ける必要があ
り、サンプリングにおいては、ボーリング機械の給圧が
これに相当する。従って、地盤セン断強度が極めて小さ
い崩壊性地盤では、この給圧と前記した回転掘削セン断
力により、掘削面付近が体積破壊してしまう可能性があ
り、サンプリング施工自体の継続が不可能となる要因と
なる。
【0136】よって、このことを防止するためには、J
FB工法で実施しているように給圧は可能な限り小さく
し、掘削回転もできる限り低速にすることと併せて、掘
削成形されたサンプルをできる限り、短い時間内にコア
リフターケースに収納することが効果的であり、このこ
とが、新型ビットにおいては、掘削面とコアリフターケ
ースの距離をできる限り短くした根本的な理由である。
【0137】また、図3及び図4に示した第2実施例で
は、コアリフタ−(コアキャッチャー)を取り除いてあ
る。この理由は、具体的には、次のようなものである。
すなわち、まず、地盤全体のセン断強度が極めて小さい
が、超硬質な岩石(鉱物)等の岩片が大小様々な形状を
呈し、不規則に、しかも、多量に点在、もしくは、介在
してあるような地盤性状を有する地層を掘削成形する
と、サンプルは地中応力の解放に伴い、短時間で想像を
越して大きく膨張する。このような状態となったサンプ
ルが、コアリフターケースに収納されると、コアリフタ
ー(コアキャッチャー)に食い込んでしまい、後のサン
プリング施工ができなくなる場合も考えられるからであ
る。
【0138】一方、図1及び図2に示した第1実施例に
おいて、コアリフター(コアキャッチャー)が取り付け
てある理由は、サンプリング対象地盤が比較的均ーであ
ることと併せて、硬質である場合、掘削成形されたサン
プルを地盤より切り離すために有利だからである。
【0139】ところで、従来から知られている送水工法
では、比較的軟質な地盤、あるいは、未固結な地層のサ
ンプリングにおいては、コアリフターケース先端にシュ
ー(刃)を取り付けることにより、ビット先端面より、
刃先を先行させた形にして使用していた。
【0140】このようなサンプラーを軟岩用サンプラー
(炭層用サンプラーとも呼ばれる)と称し、このサンプ
ラーを使用するサンプリング目的は、主に地層(構成)
の把握であるが、場合によっては、このサンプルが室内
力学試験の供試体として使用されることも珍しくない。
このような従来技術では、JFB工法に比べて、サンプ
リング自体も対象地盤が相当に安定したものでなければ
非常に困難となるので、結果的に、地質調査結果の信頼
性と精度が大きく低下してしまう可能性もあり、この点
から考えても、新型ビットを用いたJFB工法が従来技
術よりも優れている点が確認できる。
【0141】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多量に湧水するような崩壊性の高い地盤についても、サ
ンプルを容易かつ確実に採取するサンプリング装置及び
方法並びに地盤サンプリング用ビット及びコアリフター
ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のサンプリング装置につい
て、第1実施例の構成を示す断面図。
【図2】本発明の実施形態のサンプリング装置につい
て、第1実施例におけるビット及びコアリフターケース
の先端部分の構成を示す部分拡大断面図。
【図3】本発明の実施形態のサンプリング装置につい
て、第2実施例の構成を示す断面図。
【図4】本発明の実施形態のサンプリング装置につい
て、第2実施例におけるビット及びコアリフターケース
の先端部分の構成を示す部分拡大断面図。
【図5】本発明の実施形態におけるサンプリングモデル
を示す概念図。
【図6】従来技術による従来型ビットを使ったサンプリ
ング(a)と、本発明の実施形態による新型ビットを使
ったサンプリング(b)と、を比較する概念図。
【図7】従来技術による従来型ビットと、本発明の実施
形態による新型ビットと、の物理的特性を比較するため
の図表。
【図8】従来技術及び本発明の実施形態における掘削装
置の構成を示す図。
【図9】従来技術におけるサンプリングモデルを示す概
念図。
【図10】従来技術におけるサンプリング装置の構成を
示す断面図。
【図11】従来技術におけるサンプリング装置につい
て、ビット及びコアリフターケースの先端部分の構成を
示す部分拡大断面図。
【符号の説明】
1,10…ビット 12,22,T…テーパ 2,20…コアリフターケース 2b…リフターレスケース 25,201…コアキャッチャー 3,30…アウターチューブ 4,40…インナーチューブ 5,50…ロッド 6,60…サンプル W…ジェットフォーム・ウェイ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤を切削するための円筒状のビット
    と、前記ビットの内側で前記地盤のサンプルを収納する
    ための円筒状のコアリフターケースと、を備えたサンプ
    リング装置において、 前記ビットの先端部は、 前記地盤を切削するための部分と、 内周面に形成された内開きの第1のテーパと、を備え、 前記コアリフターケースの先端部は、前記第1のテーパ
    との間にテーパ状の隙間を形成する先細の第2のテーパ
    を備え、 前記各テーパの角度は、サンプリング装置の断面に対し
    て60度以上80度以下であることを特徴とするサンプ
    リング装置。
  2. 【請求項2】 前記コアリフターケースの内周面に、前
    記サンプルと嵌まり合うためのコアキャッチャーを設け
    たことを特徴とする請求項1記載のサンプリング装置。
  3. 【請求項3】 前記コアリフターケースの先端は、前記
    ビットの先端よりも15ミリメートル以下、引き込まれ
    た位置に設けられたことを特徴とする請求項1又は2記
    載のサンプリング装置。
  4. 【請求項4】 円筒の先端部に、地盤を切削するための
    部分と、内周面に形成された内開きのテーパを備えたサ
    ンプリング用ビットにおいて、 前記テーパの角度は、サンプリング用ビットの断面に対
    して60度以上80度以下であることを特徴とするサン
    プリング用ビット。
  5. 【請求項5】 円筒の先端部に先細のテーパを備えた地
    盤サンプリング用のコアリフターケースにおいて、 前記テーパの角度は、コアリフターケースの断面に対し
    て60度以上80度以下であることを特徴とするコアリ
    フターケース。
  6. 【請求項6】 地盤を切削するための円筒状のビットを
    先端に備えた外管と、 前記地盤のサンプルを収納するための円筒状のコアリフ
    ターケースを先端に備え、前記外管の内側に位置する内
    管と、 サンプリングしようとする地盤に前記外管を前記内管と
    共に回転させながら押し込むための管状のロッドと、 前記ロッドを通じて、界面活性剤を含む圧縮空気を、前
    記外管と前記内管との間に送り込むための手段と、 を備えたことを特徴とするサンプリング装置において、 前記ビットの先端部は、 前記地盤を切削するための部分と、 内周面に形成された内開きの第1のテーパと、を備え、 前記コアリフターケースの先端部は、前記第1のテーパ
    との間にテーパ状の隙間を形成する先細の第2のテーパ
    を備え、 前記各テーパの角度は、サンプリング装置の断面に対し
    て60度以上80度以下であることを特徴とするサンプ
    リング装置。
  7. 【請求項7】 地盤を切削するための円筒状のビットを
    先端に備えた外管と、 前記地盤のサンプルを収納するための円筒状のコアリフ
    ターケースを先端に備え、前記外管の内側に位置する内
    管と、 を用いて前記地盤のサンプルを収集するためのサンプリ
    ング方法において、 前記ビットの先端部は、 前記地盤を切削するための部分と、 内周面に形成された内開きの第1のテーパと、を備え、 前記コアリフターケースの先端部は、前記第1のテーパ
    との間にテーパ状の隙間を形成する先細の第2のテーパ
    を備え、 前記各テーパの角度は、前記ビットの断面に対して60
    度以上80度以下であり、 サンプリングしようとする地盤に、管状のロッドによっ
    て、前記外管を前記内管と共に回転させながら押し込み
    ながら、 前記ロッドを通じて、界面活性剤を含む圧縮空気を、前
    記外管と前記内管との間に送り込むことを特徴とするサ
    ンプリング方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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