JP2000291494A - エンジンの排気ガス再循環装置のための異常検出装置 - Google Patents

エンジンの排気ガス再循環装置のための異常検出装置

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JP2000291494A
JP2000291494A JP11100720A JP10072099A JP2000291494A JP 2000291494 A JP2000291494 A JP 2000291494A JP 11100720 A JP11100720 A JP 11100720A JP 10072099 A JP10072099 A JP 10072099A JP 2000291494 A JP2000291494 A JP 2000291494A
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exhaust gas
intake
recirculation
abnormality
engine
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Takanori Taga
尊孝 多賀
衛 ▲吉▼岡
Mamoru Yoshioka
Takeo Ogiso
丈夫 小木曽
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Aisan Industry Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】EGR装置の異常検出のための機会を更に拡大
すること。 【解決手段】エンジン1の排気ガス再循環装置(EGR
装置)31は、EGR通路32、EGR弁33及びVS
VS34を備える。異常検出装置は、スロットル開度を
検出するスロットルセンサ20と、吸気圧を検出する吸
気圧センサ22とを備える。電子制御装置(ECU)3
0は、VSV34を制御してEGRの実行・停止を切り
替え、その切替前後で検出される吸気圧差を判定値と比
較して装置31の異常を判断する。ECU30は、吸気
圧差が小さくなる運転範囲を異常判断の制限範囲とし、
スロットル開度及び吸気圧がその制限範囲に該当せず、
スロットル変化量が第1の安定度に相当するときに異常
判断を許容する。ECU30は、更に、スロットル開度
及び吸気圧が制限範囲に該当するときには、スロットル
変化量が第1の安定度より変化の少ない第2の安定度に
相当するときに、異常判断を更に許容する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンの燃焼
室から排出される排気ガスの一部を吸気通路へ流して燃
焼室へ再循環させるようにした排気ガス再循環装置に係
る。特に詳しくは、その排気ガス再循環装置で発生する
異常を検出するようにしたエンジンの排気ガス再循環装
置のための異常検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、自動車に搭載される
ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等に採用される
周知の排気ガス再循環(エキゾースト・ガス・リサーキ
ュレーション:EGR)装置がある。このEGR装置
は、一般に、燃焼室から排気通路に排出される排気ガス
の一部を吸気通路へ流して燃焼室へ再循環させることに
より、燃焼室における燃料の燃焼温度を下げて排気ガス
中に含まれる窒素酸化物(NOx)を低減させるもので
ある。
【0003】この種のEGR装置は、一般に、燃焼室か
ら排出される排気ガスの一部を排気通路から吸気通路へ
流すためのEGR通路と、EGRを調節するためにEG
R通路に設けられたEGR弁とを備える。このEGR弁
には、例えば、負圧及び大気圧を作動圧として選択的に
導入することにより選択的に開閉するダイアフラム式の
ものがある。更に、このダイアフラム式のEGR弁に付
随して設けられるEGRバキューム・スイッチング・バ
ルブ(EGRVSV)がある。このEGRVSVは、E
GR弁のダイアフラム室に導入される負圧及び大気圧を
調整するために電気的に制御されるものである。このよ
うに構成されたEGR装置では、そのEGR弁の開度が
エンジンの運転状態に応じてデューティ制御されること
により、EGR通路及び吸気通路を通じて燃焼室に再循
環されるEGR量が調節される。
【0004】ところで、この種のEGR装置において、
例えば、EGR弁の破損、その弁体の固着、或いは、E
GR通路の破損及び目詰まり等の異常が発生した場合
に、燃焼室へ再循環されるEGR量が不足したり、過剰
になったりすることが考えられる。ここで、EGR量が
不足したときには、エンジンの排気ガスに含まれるNO
xが増加するおそれがあり、EGR量が過剰になったと
きには、失火が発生して未燃焼ガス又は不完全燃焼ガス
の排出を増加させるおそれがある。この種の異常は、エ
ンジンの運転性能に及ぼす影響が少ないことから、運転
者に気付かれないことが多い。
【0005】そこで、この種の異常を運転者等が早期に
認知して必要な処置をとるために、EGR装置の異常を
リアルタイムに検出するようにした方法及び装置が種々
提案されている。この種の異常検出に関する従来技術と
して、エンジンが定常運転状態にあるときに、EGR装
置によりEGRが実行さるときと、そのEGRが一時停
止されるときとの吸気通路の圧力(吸気圧)の差(吸気
圧差)を算出し、その吸気圧差を所定の判定値と比較す
ることにより、EGR装置の異常を検出し、運転者にそ
の異常を警告するようにしたものがある。EGR装置が
正常な場合には、EGRが行われるときにEGRが一時
停止されることにより、EGR通路を通じて吸気通路に
流れていた排気ガスが遮断され、これに伴い吸気圧が一
旦低下することになる。しかしながら、上記のような異
常がEGR装置に発生している場合には、EGR通路を
通じて吸気通路に流される排気ガスに過不足が生じるこ
とから、上記の吸気圧差が所定の判定値よりも小さくな
る。この原理を利用してEGR装置の異常が検出される
のである。特開平4−365962号公報及び特開平5
−231245号公報には、この種の原理を採用した異
常検出装置の一例が開示されている。
【0006】ここで、前記従来の異常検出を実行するに
は、エンジンの運転状態が、上記EGRの実行・停止に
よる吸気圧差を実質的に顕在させる範囲にあることが前
提条件となる。例えば、吸気通路に設けられたスロット
ルバルブの開度(スロットル開度)が全閉に近づく低開
度側の範囲、或いは、スロットルバルブがある程度開い
て吸気圧が大気圧に近づく中高開度側の範囲では、上記
吸気圧差は相対的に小さくなり、或いは、実質的に顕れ
なくなる。このことから、上記吸気圧差を実質的に顕在
させる運転状態の範囲が前提条件として必要になる。加
えて、エンジンの運転状態が定常状態にあることが異常
検出を実行するための前提条件となる。これは、EGR
の実行・停止による吸気圧差を、エンジンの運転状態の
違いにより生じる吸気圧の変化から区別して正確に検出
するためである。即ち、スロットル開度が大きく変化す
るような過渡状態、或いは、それに近い状態では、吸気
圧もスロットル開度の変化に伴って大きく変化すること
になる。このような運転状態においてEGRの実行・停
止による吸気圧差を検出しようとしても、その値を正確
に検出することができない。これに対し、エンジンの運
転状態がスロットル開度の変化の少ない定常状態にある
場合には、吸気圧がある程度安定することになる。従っ
て、このような定常状態では、EGRの実行・停止によ
る吸気圧差のみを正確に検出することができ、EGR装
置の異常検出を正確に行うことができるようになる。
【0007】図14には、スロットル開度に対する吸気
圧の変化をEGR実行時とEGR停止時とで比較して示
す。グラフ中、破曲線がEGR実行時における吸気圧の
変化を示し、実曲線がEGR停止時の吸気圧の変化を示
す。このグラフからも明らかなように、ある範囲のスロ
ットル開度では、EGR実行時の吸気圧がEGR停止時
のそれよりも高くなり、それ以外の範囲では両者が同じ
になることが分かる。従来は、このグラフにおいて、ス
ロットル開度が所定の設定値B〜設定値C(設定値Bは
スロットル開度で定義され、設定値Cは吸気圧で定義さ
れる)となる範囲でEGR装置の異常検出が実行されて
いた。ここで、設定値Bとして、例えば「10deg」
を当てはめることができる。設定値Cは、設定値Bより
大きいスロットル開度に相関するものであり、例えば
「大気圧−200mmHg」相当の吸気圧を当てはめる
ことができる。設定値B〜Cの範囲でEGR装置の異常
検出が実行されるのは、EGRの実行・停止による吸気
圧差が、エンジンの運転が定常状態にあるときに生じる
吸気圧の変化よりも充分に大きいからである。即ち、異
常検出のための吸気圧差に充分なシグナルとノイズの比
(S/N)を確保できるからである。従って、スロット
ル開度が設定値Bよりも小さくなる低開度側、並びに、
吸気圧が設定値Cよりも大きくなる中高開度側では、E
GRの実行・停止による吸気圧差に充分なS/Nが得ら
れないことから、EGR装置の異常検出が制限されてい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
EGR装置の異常検出では、その検出が設定値Bと設定
値Cとの間の検出範囲内で許容されるだけであり、それ
以外の範囲では制限されていたことから、異常検出の機
会が比較的少なくなるという傾向があった。EGR装置
の異常検出の機会が少なくなることにより、EGR装置
に異常があってもそれを早期に検出できなくなり、NO
x又は未燃焼ガス等の排出を増加させるおそれがあっ
た。
【0009】一方、エンジンの運転状態が定常状態にあ
って、且つ、EGR装置の異常検出を許容することので
きる検出範囲内にあっても、スロットル開度が微小に増
減変化することはある。このとき、スロットル開度が小
さいほど、或いは、エンジン回転速度が低いほどスロッ
トル開度の変化に対する吸気圧の変化は相対的に大きく
なる傾向にある。このため、EGR装置の異常をより正
確に検出するために吸気圧差をより正確に評価するべ
く、このようなスロットル開度やエンジン回転速度の大
きさに応じて吸気圧差又はその判定値を補正する必要が
ある。
【0010】同様に、エンジンの運転状態が定常状態
で、且つ、異常検出を許容できる検出範囲内にあって、
スロットル開度が微小に増減変化するとき、そのスロッ
トル開度の微小な増減変化の方向、即ち開方向への動き
か、閉方向への動きかによって吸気圧の変化が微妙に異
なることがある。このため、EGR装置の異常をより正
確に検出するために吸気圧差をより正確に評価するため
には、このようなスロットル開度の微小変化に基づいて
吸気圧差又はその判定値を補正する必要がある。
【0011】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、EGRの実行・停止の切り
替えによる吸気状態の差を評価することによりEGR装
置の異常を検出するものにおいて、EGR装置の異常検
出のための機会を更に拡大することを可能にしたエンジ
ンの排気ガス再循環装置のための異常検出装置を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、エンジンの燃焼室から
排出される排気ガスの一部を吸気通路へ流して燃焼室へ
再循環させるための再循環通路と、その再循環通路にお
ける排気ガスの流れを調節するための再循環調節手段と
を備え、再循環調節手段を制御することにより再循環通
路及び吸気通路を通じて排気ガスを燃焼室へ再循環させ
るようにした排気ガス再循環装置に対して設けられ、エ
ンジンの運転状態を検出するための運転状態検出手段
と、吸気通路における吸気状態を検出するための吸気状
態検出手段と、排気ガスを燃焼室へ再循環させるために
再循環調節手段が制御されるときに、排気ガスの再循環
を一時的に停止させるために再循環調節手段の制御を切
り替え、その切り替えの前後で検出される吸気状態の差
を所定の判定値と比較することにより排気ガス再循環装
置の異常を判断するための異常判断手段とを備えたエン
ジンの排気ガス再循環装置のための異常検出装置におい
て、吸気状態の差が相対的に小さくなることに対応する
エンジンの運転状態の範囲を異常判断手段による判断を
制限する制限範囲として特定し、検出される運転状態が
制限範囲に該当せず、且つ、第1の安定度に相当する定
常状態にある場合に、異常判断手段による判断を許容す
るための第1の判断許容手段と、検出される運転状態が
制限範囲に該当する場合において、検出される運転状態
が第1の安定度に比べて更に変化の少ない第2の安定度
に相当する定常状態にあるときに、異常判断手段による
判断を許容するための第2の判断許容手段とを備えたこ
とを趣旨とする。
【0013】上記発明の構成において、エンジンの燃焼
室から排出される排気ガスの一部は、再循環通路を流
れ、吸気通路に導入されて再び燃焼室に再循環され、燃
焼に供される。ここで、再循環調節手段が制御されるこ
とにより、再循環通路における排気ガスの流れが調節さ
れ、吸気通路に導入される排気ガスの量が増減又は停止
される。このように吸気通路に対する排気ガスの導入量
が調節されることにより、ある特定のエンジン運転状態
では、吸気通路における吸気状態、例えば、吸気圧又は
吸気量が影響を受けて変わることになる。排気ガス再循
環装置のための異常検出装置は、この吸気状態の変化を
利用して排気ガス再循環装置の異常を検出するものであ
る。即ち、排気ガスを燃焼室へ再循環させるために再循
環調節手段が制御されるとき(吸気通路に対する排気ガ
スの導入が許容されるとき)に、排気ガスの再循環(吸
気通路に対する排気ガスの導入)を一時的に停止させる
ために、異常判断手段により再循環調節手段の制御が切
り替えられ、その切り替えの前後で吸気状態検出手段に
より検出される吸気通路における吸気状態の差が、異常
判断手段により所定の判定値と比較されることにより、
排気ガス再循環装置の異常が判断される。ここで、異常
判断手段による判断は、前提として、第1の判断許容手
段により、所定の条件下でのみ許容される。即ち、吸気
状態の差が相対的に小さくなることに対応するエンジン
の運転状態の範囲が、異常判断手段による判断を制限す
る制限範囲として特定される。そして、運転状態検出手
段により検出されるエンジンの運転状態が、上記制限範
囲に該当せず、且つ、第1の安定度に該当する定常状態
にある場合に、異常判断手段による判断が第1の判断許
容手段により許容されることになる。一方、運転状態検
出手段により検出されるエンジンの運転状態が、上記制
限範囲に該当する場合でも、即ち、吸気状態の差が相対
的に小さくなるような範囲であっても、検出されるエン
ジンの運転状態が、上記第1の安定度に比べて更に変化
の少ない第2の安定度に該当するときには、異常判断手
段による判断が、第2の判断許容手段により許容される
ことになる。従って、第2の判断許容手段による判断が
加わることにより、異常判断手段による判断の機会が、
第1の判断許容手段により許容されるだけの場合に比べ
て増えることになる。
【0014】上記目的を達成するために、請求項2に記
載の発明は、請求項1に記載の発明の構成において、第
1の安定度及び第2の安定度の少なくとも一方を、検出
される運転状態に応じて算出するための安定度算出手段
を備えたことを趣旨とする。
【0015】上記発明の構成によれば、請求項1の発明
の作用に加え、エンジンの運転状態の違いに適合した第
1の安定度、第2の安定度が得られることになる。従っ
て、上記制限範囲においても、吸気通路に対する排気ガ
スの導入切り替えにより生じる吸気状態の差が、運転状
態の変化により生じる吸気状態の差と更に明確に区別さ
れることになり、排気ガス再循環装置の異常がより正確
に判断されるようになる。
【0016】上記目的を達成するために、請求項3に記
載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明の構成
において、吸気状態の差と比較される判定値を、検出さ
れる運転状態に応じて算出するための判定値算出手段を
備えたことを趣旨とする。
【0017】上記発明の構成によれば、請求項1又は請
求項2の発明の作用に加え、エンジンの運転状態の違い
に適合した判定値が得られることになる。従って、吸気
通路に対する排気ガスの導入切り替えにより生じる吸気
状態の差の大きさがより適正に判断されることになり、
排気ガス再循環装置の異常がより正確に判断されるよう
になる。
【0018】上記目的を達成するために、請求項4に記
載の発明は、請求項1乃至請求項3の一つの発明の構成
において、吸気状態の差と比較される判定値を、検出さ
れる運転状態における微小な増減変化に応じて算出する
ための判定値算出手段を備えたことを趣旨とする。
【0019】上記発明の構成によれば、請求項1乃至請
求項3の一つの発明の作用に加え、エンジンの運転状態
における微小な増減変化の違いに適合した判定値が得ら
れることになる。従って、吸気通路に対する排気ガスの
導入切り替えにより生じる吸気状態の差の大きさがより
適正に判断されることになり、排気ガス再循環装置の異
常がより正確に判断されるようになる。
【0020】上記目的を達成するために、請求項5に記
載の発明は、エンジンの燃焼室から排出される排気ガス
の一部を吸気通路へ流して燃焼室へ再循環させるための
再循環通路と、その再循環通路における排気ガスの流れ
を調節するための再循環調節手段とを備え、再循環調節
手段を制御することにより再循環通路及び吸気通路を通
じて排気ガスを燃焼室へ再循環させるようにした排気ガ
ス再循環装置に対して設けられ、エンジンの運転状態を
検出するための運転状態検出手段と、吸気通路における
吸気状態を検出するための吸気状態検出手段と、排気ガ
スを燃焼室へ再循環させるために再循環調節手段が制御
される場合に、排気ガスの再循環を一時的に停止させる
ために再循環調節手段の制御を切り替え、その切り替え
の前後で検出される吸気状態の差を所定の判定値と比較
することにより排気ガス再循環装置の異常を判断するた
めの異常判断手段とを備えたエンジンの排気ガス再循環
装置のための異常検出装置において、吸気状態の差と比
較される判定値を、検出される運転状態に応じて算出す
るための判定値算出手段を備えたことを趣旨とする。
【0021】上記発明の構成によれば、エンジンの運転
状態の違いに適合した判定値が得られることになる。従
って、吸気通路に対する排気ガスの導入切り替えにより
生じる吸気状態の差の大きさがより適正に判断されるこ
とになり、排気ガス再循環装置の異常がより正確に判断
されるようになる。
【0022】上記目的を達成するために、請求項6に記
載の発明は、エンジンの燃焼室から排出される排気ガス
の一部を吸気通路へ流して燃焼室へ再循環させるための
再循環通路と、その再循環通路における排気ガスの流れ
を調節するための再循環調節手段とを備え、再循環調節
手段を制御することにより再循環通路及び吸気通路を通
じて排気ガスを燃焼室へ再循環させるようにした排気ガ
ス再循環装置に対して設けられ、エンジンの運転状態を
検出するための運転状態検出手段と、吸気通路における
吸気状態を検出するための吸気状態検出手段と、排気ガ
スを燃焼室へ再循環させるために再循環調節手段が制御
される場合に、排気ガスの再循環を一時的に停止させる
ために再循環調節手段の制御を切り替え、その切り替え
の前後で検出される吸気状態の差を所定の判定値と比較
することにより排気ガス再循環装置の異常を判断するた
めの異常判断手段とを備えたエンジンの排気ガス再循環
装置のための異常検出装置において、吸気状態の差と比
較される判定値を、検出される運転状態における微小な
増減変化に応じて算出するための判定値算出手段を備え
たことを趣旨とする。
【0023】上記発明の構成によれば、エンジンの運転
状態における微小な増減変化の違いに適合した判定値が
得られることになる。従って、吸気通路に対する排気ガ
スの導入切り替えにより生じる吸気状態の差の大きさが
より適正に判断されることになり、排気ガス再循環装置
の異常がより正確に判断されるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、本発
明(請求項1に記載の発明)のエンジンの排気ガス再循
環装置のための異常検出装置を具体化した第1の実施の
形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0025】図1には、自動車に搭載されたエンジンシ
ステムの概略構成を示す。エンジン1は周知の構造を有
する多気筒タイプのものであり、この実施の形態では、
1番気筒#1〜4番気筒#4の4つの気筒を有するエン
ジン1が採用される。エンジン1は、吸気通路2を通じ
て供給される燃料及び空気、即ち可燃混合気を、各気筒
#1〜#4の燃焼室で爆発・燃焼させ、その燃焼後の排
気ガスを排気通路3を通じて排出させることにより、ピ
ストン(図示しない)を駆動させ、クランクシャフト4
を回転させて動力を得るものである。
【0026】吸気通路2に設けられたスロットルバルブ
5は、同通路2を流れて各気筒#1〜#4に吸入される
空気量(吸気量)を調節するために開閉されるものであ
る。このバルブ5は、運転席に設けられたアクセルペダ
ル6の操作に連動して作動するものである。スロットル
バルブ5に対して設けられたスロットルセンサ20は、
このバルブ5の開度(スロットル開度)TAを検出し、
その検出信号に応じた電気信号を出力するものである。
吸気通路2の入口に設けられた吸気温センサ21は、吸
気通路2に吸入される空気の温度(吸気温)THAを検
出し、その検出信号に応じた電気信号を出力するもので
ある。吸気通路2に設けられた吸気圧センサ22は、ス
ロットルバルブ5の下流側の吸気通路2における吸気圧
力PMをを検出し、その検出信号に応じた電気信号を出
力するものである。
【0027】各気筒#1〜#4に対応する吸気ポートに
設けられた複数のインジェクタ7は、各気筒#1〜#4
に対応して燃料を噴射供給するためのものである。これ
らインジェクタ7は、共通するデリバリパイプ8に設け
られる。デリバリパイプ8は、燃料タンク9から圧送さ
れる燃料を、各インジェクタ7へ分配するためのもので
ある。
【0028】各気筒#1〜#4に対応してエンジン1に
設けられた複数の点火プラグ10は、ディストリビュー
タ11から分配される点火信号を受けて作動する。ディ
ストリビュータ11は、イグナイタ12から出力される
高電圧をクランクシャフト4の回転角、即ち「クランク
角(°CA)」の変化に対応して各点火プラグ10へ分
配するものである。各点火プラグ10の作動時期、即
ち、点火時期は、イグナイタ12から出力される高電圧
の出力タイミングにより決定される。従って、イグナイ
タ12を制御することにより、各気筒#1〜#4におけ
る各点火プラグ10による点火時期が制御される。
【0029】排気通路3に設けられた酸素センサ23
は、各気筒#1〜#4から同通路3へ排出される排気ガ
ス中の酸素濃度Oxを検出し、その検出信号に応じた電
気信号を出力するものである。
【0030】ディストリビュータ11に設けられた回転
速度センサ24は、クランクシャフト4の角速度、即
ち、エンジン回転速度NEを検出し、その検出信号に応
じた電気信号を出力するものである。ディストリビュー
タ11には、クランクシャフト4の回転に連動して回転
すると共に外周に複数の歯を有するロータ(図示しな
い)が内蔵される。回転速度センサ24は、このロータ
と、ロータの外周に対向配置された電磁ピックアップ
(図示しない)とを備える。このロータの回転に伴って
電磁ピックアップが各歯の通過を検出する毎に、回転速
度センサ24からは一つのパルス信号が出力される。こ
の実施の形態では、クランク角が30°CA進む毎に、
回転速度センサ24から一つのパルス信号が出力される
ことになる。同じく、ディストリビュータ11には、ロ
ータの回転に応じてクランク角の変化を所定の割合で検
出するための気筒判別センサ25が設けられる。この実
施の形態では、1番気筒#1〜4番気筒#4の全てが順
次に燃焼行程を終了するまでにクランクシャフト4が2
回転するものとして、720°CA毎の割合で、気筒判
別センサ25から基準位置信号GSとしての一つのパル
ス信号が出力されるようになっている。
【0031】エンジン1に設けられ水温センサ26は、
エンジン1の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温)T
HWを検出し、その検出信号に応じた電気信号を出力す
るものである。
【0032】この実施の形態において、上記のスロット
ルセンサ20、吸気温センサ21、吸気圧センサ22、
酸素センサ23、回転速度センサ24、気筒判別センサ
25及び水温センサ26等は、エンジン1の運転状態を
検出するための本発明の運転状態検出手段を構成する。
又、吸気圧センサ22は、吸気通路2における吸気状態
を検出するための本発明の吸気状態検出手段に該当す
る。
【0033】前述した各インジェクタ7、デリバリパイ
プ8及び燃料タンク9等は燃料供給装置を構成する。燃
料タンク9に内蔵された電動式の燃料ポンプ13は、同
タンク9に貯溜された燃料を汲み上げ、吐出するもので
ある。燃料ポンプ13の吐出ポート側に接続された燃料
パイプ14は、燃料フィルタ15を介してデリバリパイ
プ8に接続される。ここで、燃料ポンプ13が作動する
ことにより、燃料タンク9内の燃料は、同ポンプ13か
ら燃料パイプ14へと吐出され、燃料フィルタ15で異
物が除去された後、デリバリパイプ8へと圧送され、各
インジェクタ7へ分配される。各インジェクタ7に圧送
された燃料は、それらインジェクタ7の作動に伴い吸気
ポートへと噴射され、各気筒#1〜#4へと供給され
る。
【0034】排気ガス再循環(EGR)装置31は、各
気筒#1〜#4の燃焼室から排気通路3へ排出される排
気ガスの一部を吸気通路2へ流して各燃焼室へ再循環さ
せるためのものである。このEGR装置31は、吸気通
路2と排気通路3との間に接続されたEGR通路32
と、そのEGR通路32に設けられたEGR弁33と、
そのEGR弁33を作動させるために電気的に制御され
るEGRバキューム・スイッチング・バルブ(EGRV
SV)34及びEGRバキューム・モジュレータ(EG
RVM)35とを備える。
【0035】EGR通路32の一端は、スロットルバル
ブ5の下流において吸気通路2に連通され、その他端は
排気通路3に連通される。EGR通路32は、エンジン
1の各燃焼室から排気通路3へ排出される排気ガスの一
部を吸気通路2へ流して各燃焼室へ再循環させるための
ものであり、本発明の再循環通路に相当する。EGR弁
33は、EGR通路32における排気ガスの流れ、即
ち、EGRを調節するためのものである。こののEGR
弁33は、負圧及び大気圧を作動圧として選択的に導入
することにより、選択的に開閉するダイアフラム式弁で
ある。EGR弁33は、ダイアフラムにより区画される
ダイアフラム室と、そのダイアフラムに固定された弁体
と、その弁体をEGR通路32が閉じられる方向へ付勢
するスプリングとを含む。
【0036】EGRVSV34は、EGR弁33のダイ
アフラム室に導入される負圧及び大気圧を調整するため
に電気的に制御されるものである。EGRVSV34の
入力ポートは、配管36を通じてスロットルバルブ5の
上流側直近に接続され、出力ポートはEGR弁33のダ
イアフラム室に接続される。このEGRVSV34は、
EGR弁33を所定の開度で開くために、デューティ制
御されるものである。
【0037】EGRVM35は、EGR弁33のダイア
フラム室に導入される負圧を平滑化させるためのもので
ある。このEGRVM35の二つの入力ポートは、配管
37,38を通じてスロットルバルブ5の上流側直近に
接続され、出力ポートは、配管39を通じてEGR弁3
3のEGR通路32に接続される。
【0038】吸気通路2に連通する各配管36〜38の
ポートには、スロットルバルブ5が閉じたときに大気圧
が導入され、スロットルバルブ5がある開度まで開いた
ときに吸気負圧が導入される。
【0039】ここで、スロットルバルブ5がある開度ま
で開いたときに、EGRVSV34が電気的にオンされ
ることにより、EGR弁33のダイアフラム室に吸気負
圧が導入される。この吸気負圧の導入により、EGR弁
33では、ダイアフラムがスプリングの付勢力に抗して
上方へ変位し、その弁体が上動してEGR通路32が開
かれる。つまり、EGR弁33が開弁してEGR通路3
2を排気ガスが流れ、その排気ガスが吸気通路2へ流れ
て各燃焼室へ再循環される。即ち、EGRが実行され
る。一方、EGRVSV34が電気的にオフされること
により、EGR弁33のダイアフラム室に大気圧が導入
される。この大気圧の導入により、EGR弁33では、
ダイアフラムがスプリングの付勢力により下方へ変位
し、その弁体が下動してEGR通路32が閉じられる。
つまり、EGR弁33が閉弁してEGR通路32におけ
る排気ガスの流れが停止する。即ち、EGRが停止され
る。
【0040】この実施の形態において、自動車(図示し
ない)の運転席には、EGR装置31の異常が検出され
た場合に点灯される警告ランプ16が設けられる。運転
席には、周知のイグニッションスイッチ(図示しない)
が設けられる。エンジン1は、このスイッチの操作によ
り、スタータ(図示しない)を起動させることにより始
動される
【0041】この実施の形態で、電子制御装置(EC
U)30は、前述したスロットルセンサ20、吸気温セ
ンサ21、吸気圧センサ22、酸素センサ23、回転速
度センサ24、気筒判別センサ25及び水温センサ26
等から出力される各種信号を入力する。ECU30は、
これらの入力信号に基づき、空燃比制御を含む燃料噴射
制御、点火時期制御、EGR制御及びその異常検出制御
等を実行するために、各インジェクタ7、イグナイタ1
2、警告ランプ16及びEGRVSV34等をそれぞれ
制御する。この実施の形態において、ECU30は、請
求項1の発明における異常判断手段、第1の判断許容手
段及び第2の判断許容手段を構成する。
【0042】周知のように、ECU30は中央処理装置
(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダム
アクセスメモリ(RAM)、バックアップRAM、外部
入力回路及び外部出力回路等を備える。ECU30は、
CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMと、外
部入力回路及び外部出力回路等とをバスにより接続して
なる論理演算回路を構成する。ROMは、上記各種制御
に関する所定の制御プログラムを予め記憶したものであ
る。RAMは、CPUの演算結果を一時記憶するもので
ある。バックアップRAMは、予め記憶したデータを保
存するものである。CPUは、入力回路を介して入力さ
れる各種センサ20〜26の検出信号に基づき、所定の
制御プログラムに従って前述した各種制御等を実行す
る。
【0043】ここで 点火時期制御とは、エンジン1の
運転状態に応じてイグナイタ12を制御することによ
り、各点火プラグ10による点火時期を制御することで
ある。燃料噴射制御とは、エンジン1の運転状態に応じ
て各インジェクタ7から噴射される燃料量(燃料噴射
量)及びその噴射タイミングを制御することである。空
燃比制御とは、少なくとも酸素センサ23の検出信号に
基づいてエンジン1に供給される燃料及び空気の可燃混
合気の空燃比をフィードバック制御することである。
【0044】EGR制御とは、エンジンの運転状態に応
じてEGRVSV34及びEGR弁33を制御すること
により、EGR通路32及び吸気通路2を通じて各燃焼
室に対するEGRを制御することである。EGR異常検
出制御とは、先ずEGRVSV34及びEGR弁33が
制御されてEGRが行われているときに、EGRを一時
的に停止させるためにEGRVSV34及びEGR弁3
3の制御を切り替える。そして、その切り替えの前後で
検出される吸気圧力PMの値の差を所定の判定値と比較
することにより、EGR装置31の異常を判断し、警告
ランプ16を制御等することである。ここで、EGR装
置31の異常として、ダイアフラムの破れや弁体の固着
等を含むEGR弁33の故障、EGRVSV34の故
障、EGRVM35の故障、或いは、EGR通路32の
詰まりや破損等が含まれる。
【0045】次に、ECU30が実行する各種制御のう
ち、EGR装置31のための異常検出制御の処理内容に
ついて説明する。図2に、その異常検出制御に関するフ
ローチャートを示す。
【0046】ECU30は、図2に示すルーチンを所定
の時間間隔毎に周期的に実行する。先ずステップ100
で、ECU30は吸気温センサ21、吸気圧センサ2
2、回転速度センサ24及び水温センサ26の検出信号
に基づき、吸気温THA、冷却水温THW及び大気圧P
Aの値をそれぞれ読み込む。ここで、大気圧PAの値と
して、イグニッションスイッチがオンされてからスター
タが起動されるまでの間に検出された吸気圧PMの値が
使用される。その後、この大気圧PAの値は、運転時の
スロットル開度TA及びエンジン回転速度NEの各値に
基づいて補正されるものである。
【0047】ステップ110で、ECU30はEGR装
置31の異常検出のための前提条件が成立しているか否
かを判断する。ここで、異常検出のための前提条件に
は、エンジン1の暖機が完了していること、EGRを行
うためにEGR装置31が制御されていること等が含ま
れる。ECU30は、上記の異常検出のための前提条件
が成立するのを待って、処理をステップ120へ移行す
る。
【0048】ステップ120で、ECU30は、スロッ
トルセンサ20、吸気圧センサ22及び回転速度センサ
24の検出信号に基づき、スロットル開度TA、吸気圧
PM及びエンジン回転速度NEの値をそれぞれ読み込
む。
【0049】次に、ステップ130で、ECU30は、
読み込まれたスロットル開度TAの値が所定の設定値A
より大きく、且つ、読み込まれた吸気圧PMの値が所定
の設定値Dより小さいか否かを判断する。ここで、各設
定値A,Dは、前述した図14に準ずる図3のグラフに
示されるものであり、本実施の形態では、エンジン1の
運転状態に応じて規定される異常検出に係る全範囲(検
出全範囲)S0を示すものである。スロットル開度TA
の低開度側(吸気圧PMの負圧が大きい側)では、検出
全範囲S0をスロットル開度TAで規定するために設定
値Aが設けられる。この設定値Aとして、例えば「5d
eg」を当てはめることができる。一方、スロットル開
度TAの中高開度側(吸気圧PMの負圧が小さい側)で
は、検出全範囲S0を吸気圧PMで規定するために設定
値Dが設けられる。この設定値Dとして、例えば「PA
−120mmHg」を当てはめることができる。この検
出全範囲S0は、前述した設定値B及び設定値Cで規定
される従来の検出範囲S1よりも広いものであり、図3
において、破曲線で示すEGR実行時の吸気圧PMが、
実曲線で示すEGR停止時の吸気圧PMよりも高くなる
範囲に含まれるものである。このステップ130の判断
結果が否定である場合、ECU30は、エンジン1の運
転状態が検出全範囲S0に含まれないものとして処理を
ステップ120へ戻す。同判断結果が肯定である場合、
ECU30は、同運転状態が検出全範囲S0に含まれる
ものとして処理をステップ140へ移行する。
【0050】ステップ140では、前回読み込まれたス
ロットル開度TAの値と今回読み込まれたスロットル開
度TAの値に基づき、スロットル開度TAの単位時間当
たりの変化量(スロットル変化量)ΔTAを算出する。
このスロットル変化量ΔTAは、エンジン1の運転状態
が安定した定常状態にあるか、加速傾向・減速傾向を伴
う変化状態にあるかを示すものである。
【0051】その後、ステップ150で、ECU30
は、読み込まれたスロットル開度TAの値が所定の設定
値Bより大きく、且つ、読み込まれた吸気圧PMの値が
所定の設定値Cより小さいか否かを判断する。ここで、
各設定値B,Cは、前述した図3のグラフに示されるも
のであり、上記検出全範囲S0よりも狭い従来の検出範
囲S1を規定するものである。スロットル開度TAの低
開度側(吸気圧PMの負圧が大きい側)では、従来の検
出範囲S1をスロットル開度TAで規定するために設定
値Bが設けられる。この設定値Bとして、例えば「10
deg」を当てはめることができる。一方、スロットル
開度TAの中高開度側(吸気圧PMの負圧が小さい側)
では、従来の検出範囲S1を吸気圧PMで規定するため
に設定値Bが設けられる。この設定値Bとして、例えば
「PA−200mmHg」を当てはめることができる。
この従来の検出範囲S1も、EGR実行時の吸気圧PM
がEGR停止時の吸気圧PMよりも高くなる範囲に含ま
れる。図3において、スロットル開度TAで規定される
二つの設定値A,Bの間は、従来の検出範囲S1では異
常の判断が制限されていた低開度側の検出制限範囲S2
を規定するものである。同じく、吸気圧PMで規定され
る二つの設定値C,Dの間は、従来の検出範囲S1では
異常の判断が制限されていた中高開度側の制限範囲S3
を規定するものである。
【0052】上記ステップ150の判断結果が肯定であ
る場合、ECU30は、エンジン1の運転状態が従来の
検出範囲S1に含まれるものとして処理をステップ16
0へ移行する。同判断結果が否定である場合、ECU3
0は、従来の検出範囲S1に含まれず、検出制限範囲S
2,S3のいずれか一方に含まれるものとして処理をス
テップ170へ移行する。
【0053】ステップ160では、ECU30は、今回
算出されたスロットル変化量ΔTAの絶対値が所定の設
定値Fよりも小さいか否かを判断する。つまり、エンジ
ン1の運転状態に所定の変化挙動がないか否かを判断す
る。この設定値Fは、本発明の第1の安定度に相当する
定常状態を規定するためのものである。このステップ1
60の判断結果が否定である場合は、エンジン1の運転
状態が従来の検出範囲S1には該当するが各検出制限範
囲S2,S3には該当せず、且つ、第1の安定度に相当
する定常状態にないことから、ECU30は、異常検出
のための異常判断を制限するために処理をステップ12
0へ戻す。一方、同判断結果が肯定である場合は、エン
ジン1の運転状態が従来の検出範囲S1には該当するが
各検出制限範囲S2,S3には該当せず、且つ、第1の
安定度に該当する定常状態にあることから、ECU30
は、異常検出のための異常判断を許容するために処理を
ステップ180へ移行する。
【0054】これに対して、ステップ170では、EC
U30は、今回算出されたスロットル変化量ΔTAの絶
対値が所定の設定値Eよりも小さいか否かを判断する。
この設定値Eは、前述した第1の安定度に相当する定常
状態を規定するための設定値Fに比べて更に変化の少な
い第2の安定度に相当する定常状態を規定するためのも
のである。つまり、このステップ170では、エンジン
1の運転状態に、設定値Fで規定されるよりも更に小さ
い所定の変化挙動がないか否かを判断するのである。こ
のステップ170の判断結果が否定である場合は、エン
ジン1の運転状態が各検出制限範囲S2,S3には該当
するが、第2の安定度に相当する定常状態にはないこと
から、ECU30は、異常検出のための異常判断を制限
するために処理をステップ120へ戻す。一方、同判断
結果が肯定である場合は、エンジン1の運転状態が各検
出制限範囲S2,S3に該当し、且つ、第2の安定度に
該当する定常状態にあることから、ECU30は、異常
検出のための異常判断を許容するために処理をステップ
180へ移行する。
【0055】ここで、スロットル変化量ΔTAに対する
吸気圧差ΔP(ノイズ:N)と、EGR実行・停止が切
り替えられたときの吸気圧差ΔP(シグナル:S)との
比を「S/N」として、各範囲S2,S1,S3の間の
S/Nの差を図5〜図7に示す。各図中、実曲線はスロ
ットル変化量ΔTAに対する吸気圧差ΔPを表す。二点
鎖線は、EGR実行・停止時の吸気圧差ΔPを表す。図
5は低開度側の検出制限範囲S2におけるS/Nを示
す。図5から明らかなように、この検出制限範囲S2で
は、EGR実行・停止時の吸気圧差ΔP(シグナル)が
「約50mmHg」を示す。そして、スロットル変化量
ΔTAに対する吸気圧差ΔP(ノイズ)は、スロットル
変化量ΔTAが「約4.5deg」を上回るときに、こ
の「約50mmHg」を越えることになる。従って、こ
の検出制限範囲S2では、スロットル変化量ΔTAが
「約4.5deg」以下のときにS/Nが有り、即ち、
異常検出が可能となり、スロットル変化量ΔTAが「約
4.5deg」を上回るときにS/Nが無くなる、即
ち、異常検出が不可能となる。図6は従来の検出範囲S
1におけるS/Nを示す。図6から明らかなように、こ
の検出範囲S1では、EGR実行・停止時の吸気圧差Δ
P(シグナル)が「約75mmHg」を示す。そして、
スロットル変化量ΔTAに対する吸気圧差ΔP(ノイ
ズ)は、スロットル変化量ΔTAが「約12.5de
g」を上回るときに、この「約75mmHg」を越える
ことになる。従って、この検出範囲S1では、スロット
ル変化量ΔTAが「約12.5deg」以下のときにS
/Nが有り、スロットル変化量ΔTAが「約12.5d
eg」を上回るときにS/Nが無くなる。図7は高開度
側の検出制限範囲S3におけるS/Nを示す。図7から
明らかなように、この検出制限範囲S3では、EGR実
行・停止時の吸気圧差ΔP(シグナル)が「約25mm
Hg」を示す。そして、スロットル変化量ΔTAに対す
る吸気圧差ΔP(ノイズ)は、スロットル変化量ΔTA
が「約11deg」を上回るときに、この「約25mm
Hg」を越えることになる。従って、この検出制限範囲
S3では、スロットル変化量ΔTAが「約11deg」
以下のときにS/Nが有り、スロットル変化量ΔTAが
「約11deg」を上回るときにS/Nが無くなる。こ
のように、S/Nを確保することのできるスロットル変
化量ΔTAの上限値は、各検出範囲S1,S2,S3で
異なる。従って、各検出範囲S1,S2,S3で異常検
出を許容するには、それらの範囲に応じてスロットル変
化量ΔTA、即ちエンジン1の運転状態の安定度を評価
する必要がある。上記各ステップ160,170の判断
は、従来の検出範囲S1と各検出制限範囲S2,S3に
おいて、異常検出を許容することのできるスロットル変
化量ΔTAを個別に評価するために設けられたものであ
る。
【0056】そして、ステップ180で、ECU30
は、吸気圧センサ22の検出信号に基づき新たに吸気圧
PMの値を読み込み、その値をEGR実行時の吸気圧P
1として設定する。ステップ190で、ECU30は、
EGRを強制的に一時停止させるために、EGRVSV
34をオフする。ステップ200で、ECU30は、E
GRを一時停止させてから所定時間が経過した時点で、
吸気圧センサ22の検出信号に基づき、再び新たに吸気
圧PMの値を読み込み、その値をEGR停止時の吸気圧
P2として設定する。ステップ210で、ECU30
は、今回設定されたEGR実行時の吸気圧P1に基づき
計算吸気圧P11を算出する。この計算吸気圧P11
は、EGR実行時の吸気圧P1を、EGR停止時の吸気
圧P2と同時点に読み込まれたものとして換算されたも
のである。この計算吸気圧P11は、吸気圧PMの変化
率から吸気圧P1を補正することにより算出されるもの
である。
【0057】その後、ステップ220で、ECU30
は、計算吸気圧P11の値とEGR停止時の吸気圧P2
の値との差を算出し、その算出結果をEGR実行時とE
GR停止時との間の吸気圧PMの差(吸気圧差)ΔPと
して設定する。図4には、EGR実行時の吸気圧P1、
その計算吸気圧P11、EGR停止時の吸気圧P2及び
吸気圧差ΔPの関係を示す。同図に実曲線で示すよう
に、計算吸気圧P11に対してEGR停止時の吸気圧P
2の落ち込みが相対的に大きい場合、吸気圧差ΔPはE
GR装置31が正常なときのそれを示すことになる。こ
れに対して、同図に破曲線で示すように、計算吸気圧P
11に対してEGR停止時の吸気圧P2の落ち込みが相
対的に小さい場合、吸気圧差ΔPはEGR装置31が異
常なときのそれを示すことになる。
【0058】その後、ステップ230で、ECU30
は、今回算出された吸気圧差ΔPの値が所定の判定値G
よりも大きいか否かを判断する。このステップ230の
判断結果が肯定の場合、ECU30は、ステップ240
で、正常判定処理を行う。正常判定処理とは、例えば、
警告ランプ16を消灯させたり、EGR装置31が正常
であることを示す正常コードをバックアップRAMに記
憶させたりすることである。更に、ステップ250で
は、ECU30は、EGR装置31が正常であると判断
されたことから、EGRを再作動させるために、EGR
VSV34をデューティ制御し、その後の処理を一旦終
了する。
【0059】これに対して、ステップ230の判断結果
が否定の場合、ECU30は、ステップ260で、異常
判定処理を行う。異常判定処理とは、例えば、警告ラン
プ16を点灯させたり、EGR装置31が異常であるこ
とを示す異常コードをバックアップRAMに記憶させた
りすることである。その後、ECU30は、EGR装置
31が異常であると判断されたことから、そのままEG
Rを停止させたまま、その後の処理を一旦終了する。
【0060】以上説明したように、上記EGR装置31
の構成において、エンジン1の各燃焼室から排出される
排気ガスの一部は、EGR通路32を流れ、吸気通路2
に導入されて再び各燃焼室に再循環され、燃焼に供され
る。ここで、EGRVSV34及びEGR弁33が制御
されることにより、EGR通路32における排気ガスの
流れが調節され、吸気通路2に導入されるEGR量が増
減又は停止される。このように吸気通路2に対する排気
ガスの導入量が調節されることにより、図3に示すよう
に、ある特定のエンジン運転状態において、EGR実行
時とEGR停止時とで吸気圧PMが影響を受けて変わる
ことになる。この異常検出装置では、このEGR実行・
停止切替時の吸気圧PMの変化を利用してEGR装置3
1の異常を検出するようにしている。
【0061】即ち、排気ガスを各燃焼室へ再循環させる
ためにEGRVSV34及びEGR弁33が制御される
とき(吸気通路2に対する排気ガスの導入が許容される
とき)に、EGR(吸気通路2に対する排気ガスの導
入)を一時的に停止させるために、ECU30によりE
GRVSV34及びEGR弁33の制御が切り替えられ
る。そして、その切り替えの前後で吸気圧センサ22に
より検出される吸気圧PMの差、即ち吸気圧差ΔPが、
ECU30により所定の判定値Gと比較されることによ
り、EGR装置31の異常が判断されることになる。
【0062】ここで、ECU30による判断は、前提と
して、所定の条件下でのみ許容される。即ち、図3に示
す検出全範囲Sにおいて、EGR実行・停止切替時の吸
気圧差ΔPが相対的に小さくなることに対応するエンジ
ン1の運転状態の範囲が、異常判断を制限する各検出制
限範囲S2,S3として各設定値A〜Dにより特定され
る。そして、スロットルセンサ20及び吸気圧センサ2
2により検出されるスロットル開度TA及び吸気圧PM
が、上記検出制限範囲S2,S3に該当せず、且つ、ス
ロットル変化量ΔTAの絶対値が設定値Fを基準とする
第1の安定度に該当する定常状態にある場合に、ECU
30によりEGR装置31の異常判断が許容される。一
方、検出されるスロットル開度TA及び吸気圧PMが、
上記検出制限範囲S2,S3に該当する場合でも、即
ち、EGR実行・停止切替時の吸気圧差ΔPが相対的に
小さくなるような範囲であっても、スロットル変化量Δ
TAの絶対値が、上記設定値Fを基準とする第1の安定
度に比べて更に変化の少ない設定値Eを基準とする第2
の安定度に該当するときには、ECU30による異常判
断が許容されることになる。従って、ECU30による
異常判断の機会が、従来の検出範囲S1でのみ異常判断
が許容されていた場合と比べて増えることになる。この
ため、EGRの実行・停止切り替えによる吸気圧差ΔP
を評価することによりEGR装置31の異常を検出する
ものにおいて、EGR装置31の異常検出のための機会
を、従来の検出範囲S1でのみ判断する場合と比べて、
更に拡大することができ、異常に対する処置を促進する
ことができるようになる。
【0063】しかも、この異常検出装置では、各検出制
限範囲S2,S3における異常判断で、スロットル変化
量ΔTAが設定値Fを基準とする第1の安定度よりも変
化の少ない設定値Eを基準とする第2の安定度に該当す
るときに、ECU30による異常判断が許容される。従
って、吸気圧差ΔPが相対的に小さくなるような上記検
出制限範囲S2,S3においても、EGR実行・停止切
替時の吸気圧差ΔPが、スロットル開度TAの変化を含
むエンジン運転状態の変化で生じる吸気圧差ΔPと区別
され、即ち、S/Nが確保され、EGR装置31の異常
判断が正確性をもって行われるようになる。この意味で
も、EGR装置31の異常検出機会を、従来の場合と比
べて、更に拡大することができるようになる。
【0064】この実施の形態の異常検出装置によれば、
EGR装置31の異常が検出されたときに、警告ランプ
16が点灯されることから、運転者等がその異常を直ち
に認知することができる。このため、その異常の報せ受
けてEGR装置31の各部品32〜35を適宜に点検・
補修することにより、EGR装置31を正常な状態に復
元することができる。この意味で、EGR装置31の異
常に起因するエンジン1のエミッションの悪化に早めに
対処することが可能となる。
【0065】この実施形態の異常検出装置によれば、E
GR装置31の異常が検出されたときに、そのことが異
常コードによってECU30の中のバックアップRAM
に記憶される。このため、エンジン1の点検時に、作業
者がバックアップRAMの中のデータを読み出すことに
より、EGR装置31の異常に関する履歴を確認するこ
とができる。この意味で、EGR装置31の各部品32
〜35を適期に交換することが可能となり、EGR装置
31の異常に起因するエンジン1のエミッションの悪化
に早めに対処することが可能となる。
【0066】[第2の実施の形態]次に、本発明(請求
項2,3,5に記載の発明)のエンジンの排気ガス再循
環装置のための異常検出装置を具体化した第2の実施の
形態を図面に従って説明する。尚、本実施の形態を含む
以下の各実施の形態において、前出した第1の実施の形
態と同一の構成要素については、同一の符号を付して説
明を省略し、以下には異なった点を中心に説明する。
【0067】この実施の形態では、ECU30が実行す
る異常検出制御の処理内容の点で前記第1の実施の形態
と異なる。図8に、本実施の形態の異常検出制御に関す
るフローチャートを示す。この実施の形態において、E
CU30は、請求項2,3,5における異常判断手段、
第1の判断許容手段、第2の判断許容手段、安定度算出
手段及び判定値算出手段を構成する。
【0068】図8のフローチャートにおいて、図2のフ
ローチャートに同一番号で示す各ステップの処理内容
は、前記第1の実施の形態のそれと同じである。図8の
フローチャートに示す処理内容は、ステップ130とス
テップ140との間にステップ135が加わり、ステッ
プ220とステップ230との間にステップ221,2
22,223,224,225が加わった点で、図2の
フローチャートに示す処理内容と異なる。
【0069】この実施の形態では、ステップ130の判
断結果が肯定である場合、ステップ135で、ECU3
0は、検出されたスロットル開度TAの値に基づいてス
ロットル変化量ΔTAと比較される各設定値E,Fを算
出する。ECU30は、図9にグラフで示すような関数
データを参照することにより、各設定値E,Fを算出す
る。この関数データでは、スロットル開度TAの増大に
伴い各設定値E,Fが二次曲線的に増大するようになっ
ている。設定値Fは設定値Eに比べて常に大きくなるよ
うになっている。ECU30は、このステップ135の
処理の実行した後、スロットル変化量ΔTAを算出する
ために、処理をステップ140へ移行する。
【0070】更に、ステップ220で、吸気圧差ΔPを
設定した後、ステップ221〜225の一連の処理にお
いて、ステップ230で使用される判定値Gの値をエン
ジン1の運転状態に応じて算出する。これは、単位時間
当たりに各燃焼室に供給されるEGR量、即ちEGR率
特性の違いに適合させるものである。図10には、EG
R率特性をグラフに示す。このグラフからも明らかなよ
うに、EGR率特性は、中速域・中負荷域ほど高くなる
傾向にあることから、判定値Gの補正が行われるのであ
る。即ち、ステップ221では、ECU30は、今回検
出された吸気圧PM及びエンジン回転速度NEの各値に
基づいて基準吸気圧差ΔP1を算出する。次に、ステッ
プ222で、ECU30は、検出されたエンジン回転速
度NEの値に基づいて回転速度補正係数kNEの値を算
出する。ECU30は、この補正係数kNEの値を、図
11(a)にグラフで示すような関数データを参照する
ことにより算出する。この関数データにおいて、補正係
数kNEは、低速域では徐々に「1.0」に近づき、中
速域では「1.0」となり、高速域では「1.0」から
徐々に小さくなるように設定される。次に、ステップ2
23で、ECU30は、検出されたスロットル開度TA
の値に基づいて開度補正係数kTAの値を算出する。E
CU30は、この補正係数kTAの値を、図11(b)
にグラフで示すような関数データを参照することにより
算出する。この関数データにおいて、補正係数kTA
は、低開度域では徐々に「1.0」に近づき、中高開度
域では「1.0」となる。次に、ステップ224で、E
CU30は、検出された吸気圧PMの値に基づいて圧力
補正係数kPMの値を算出する。ECU30は、この補
正係数kPMの値を、図11(c)にグラフで示すよう
な関数データを参照することにより算出する。この関数
データにおいて、補正係数kPMは、低中圧域では
「1.0」となり、高圧域では「1.0」から徐々に小
さくなるように設定される。その後、ステップ225
で、ECU30は、上記算出された各パラメータΔP
1,kNE,kTA,kPMを互いに乗算することによ
り、判定値Gをエンジン1の運転状態に応じて算出す
る。ECU30は、このステップ225の処理の実行し
た後、吸気圧差ΔPと判定値Gを比較するために、処理
をステップ230へ移行する。
【0071】以上が、本実施の形態が前記第1の実施の
形態の異常検出制御の処理内容と異なる点である。この
ため、この実施の形態の異常検出装置によれば、ステッ
プ135において、エンジン1の運転状態が安定した定
常状態にあるかを判断するための第1の安定度及び第2
の安定度、即ち設定値F及び設定値Eの値がそれぞれス
ロットル開度TAの大きさに応じて算出されることか
ら、エンジン1の運転状態の違いに適合した設定値F及
び設定値Eが得られることになる。従って、上記した各
検出制限範囲S2,S3においても、EGR実行・停止
切り替えにより生じる吸気圧差ΔPが、第1の実施の形
態の場合に比べて、スロットル開度TAの変化により生
じる吸気圧ΔPの差と更に明確に区別され、即ち、より
高いS/Nが得られることになり、EGR装置31の異
常がより正確に判断されるようになる。この結果、EG
R装置31の異常検出精度を高めることができ、この意
味でも、EGR装置31の異常検出の機会を拡げること
ができるようになる。
【0072】この実施の形態の異常検出装置によれば、
EGR実行・停止切替時の吸気圧差ΔPと比較される判
定値Gが、検出される各種パラメータNE,TA,PM
等に応じて算出され、エンジン1の運転状態の違いに適
合した判定値Gが得られることになる。従って、EGR
実行・停止切り替えにより生じる吸気圧差ΔPの大きさ
がより適正に判断されることになり、EGR装置31の
異常が、第1の実施の形態の場合に比べて、より正確に
判断されるようになる。この結果、EGR装置31の異
常検出精度を高めることができ、この意味でも、EGR
装置31の異常検出の機会を拡げることができるように
なる。特に、エンジン1の運転状態が定常状態にあっ
て、且つ、異常検出を許容できる従来の検出範囲S1又
は各検出制限範囲S2,S3にあっても、スロットル開
度TAが微小に増減変化することはある。このとき、ス
ロットル開度TAが相対的に小さいほど、エンジン回転
速度NEが相対的に低いほどスロットル開度TAの変化
に対する吸気圧PMの変化が相対的に大きくなる傾向に
ある。上記した判定値Gの算出は、このような運転状態
の特性に応じた対処を可能にするものである。
【0073】この実施の形態において、その他の作用及
び効果は、前記第1の実施の形態のそれと同じである。
【0074】[第3の実施の形態]次に、本発明(請求
項4,6に記載の発明)のエンジンの排気ガス再循環装
置のための異常検出装置を具体化した第3の実施の形態
を図面に従って説明する。
【0075】この実施の形態では、ECU30が実行す
る異常検出制御の処理内容の点で前記第2の実施の形態
と異なる。図12に、本実施の形態の異常検出制御に関
するフローチャートを示す。この実施の形態において、
ECU30は、請求項4,6における異常判断手段、第
1の判断許容手段、第2の判断許容手段、安定度算出手
段及び判定値算出手段を構成する。
【0076】図12のフローチャートにおいて、図8の
フローチャートに同一番号で示す各ステップの処理内容
は、前記第2の実施の形態のそれと同じである。図12
のフローチャートに示す処理内容は、ステップ225に
代わってステップ226及びステップ226が加わった
点で、図8のフローチャートに示す処理内容と異なる。
【0077】この実施の形態では、ステップ224で、
圧力補正係数kPMが算出された後、ステップ226
で、ECU30は、今回算出されたスロットル変化量Δ
TAに基づいて変化量補正係数kΔTAの値を算出す
る。このスロットル変化量ΔTAは正・負の値を含むも
のであり、その値の違いは、スロットル開度TAの微小
な増減変化、増減傾向を示すことになる。ECU30
は、この補正係数kΔTAの値を、図13にグラフで示
すような関数データを参照することにより算出する。こ
の関数データにおいて、スロットル変化量ΔTAが負の
値として大きくなることにより、即ち、減速傾向が増す
ことにより、補正係数kΔTAは、「1.0」よりも曲
線的に大きくなる。一方、この関数データにおいて、ス
ロットル変化量ΔTAが正の値として大きくなることに
より、即ち、加速傾向が増すことにより、補正係数kΔ
TAは、「1.0」よりも曲線的に小さくなる。その
後、ステップ227で、ECU30は、ステップ221
〜224で算出された各パラメータΔP1,kNE,k
TA,kPMに加え、変化量補正係数kΔTAを互いに
乗算することにより、判定値Gをエンジン1の運転状態
に応じて算出する。ECU30は、このステップ227
の処理の実行した後、吸気圧差ΔPと判定値Gを比較す
るために、処理をステップ230へ移行する。
【0078】以上が、本実施の形態が前記第2の実施の
形態の異常検出制御の処理内容と異なる点である。この
ため、この実施の形態の異常検出装置によれば、EGR
実行・停止切り替えにより生じる吸気圧差ΔPと比較さ
れる判定値Gが、スロットル開度TAにおける微小な増
減変化に応じて算出されることから、その微小な増減変
化の違いに適合した判定値Gが得られることになる。従
って、EGR実行・停止切り替えにより生じる吸気圧差
ΔPの大きさが第1又は第2の実施の形態の場合と比
べ、より適正に判断されることになり、EGR装置31
の異常がより正確に判断されるようになる。この結果、
EGR装置31の異常検出精度を高めることができ、こ
の意味でも、EGR装置31の異常検出の機会を拡げる
ことができるようになる。
【0079】特に、エンジン1の運転状態が定常状態に
あって、且つ、異常検出を許容できる従来の検出範囲S
1又は各検出制限範囲S2,S3にあっても、スロット
ル開度TAが微小に増減変化することはある。このと
き、そのスロットル開度TAが微小に開方向へ動いた
り、微小に閉方向へ動いたりすることによって吸気圧P
Mの変化が微妙に異なることがある。上記した判定値G
の算出は、このような運転状態の特性に応じた対処を可
能にするものである。
【0080】この実施の形態において、その他の作用及
び効果は、前記第2の実施の形態のそれと同じである。
【0081】尚、この発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲
で構成の一部を適宜に変更して実施することもできる。
【0082】(1)前記第2の実施の形態では、吸気圧
差ΔPをより正確に評価するために、スロットル開度T
A、エンジン回転速度NE及び吸気圧PMの大きさに応
じて判定値Gを算出するようにした。これに対し、基本
の判定値をエンジン1の運転状態の違いに応じて補正す
るようにしてもよい。又、EGR実行・停止切り替えに
より生じる吸気圧差ΔPを、スロットル開度TA、エン
ジン回転速度NE及び吸気圧PMの大きさに応じて補正
することによっても、上記と同様の効果が得られること
になる。
【0083】(2)前記第3の実施の形態では、吸気圧
差ΔPをより正確に評価するために、スロットル開度T
Aの微小な増減変化の違いに応じて判定値Gを算出する
ようにした。これに対し、基本の判定値をスロットル開
度TAの微小な増減変化の違いに応じて補正するように
してもよい。又、EGR実行・停止切り替えにより生じ
る吸気圧差ΔPを、スロットル開度TAの微小な増減変
化の違いに応じて補正することによっても、上記と同様
の効果が得られることになる。
【0084】(3)前記第2及び第3の実施の形態で
は、ステップ135で、各設定値E,Fの算出を行った
が、このステップ135の処理を省略してもよい。
【0085】(4)前記各実施の形態では、EGR実行
・停止切替時の吸気状態の差として、吸気圧差ΔPを評
価するようにしたが、これに相当するものとして、EG
R実行・停止切替時の吸気通路を流れる吸気量の差を評
価するようにしてもよい。
【0086】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の構成によれば、
EGRの実行・停止の切り替えによる吸気状態の差を評
価することによりEGR装置の異常を検出する異常検出
装置において、第2の判断許容手段による判断が加わる
ことにより、異常判断手段による判断の機会が、第1の
判断許容手段により許容されるだけの場合に比べて増え
ることになる。このため、EGR装置の異常検出のため
の機会を更に拡大することができ、異常に対する処置を
促進することができるという効果を発揮する。
【0087】請求項2に記載の発明の構成によれば、異
常検出の制限範囲においても、EGR実行・停止の切り
替えにより生じる吸気状態の差が、運転状態の変化によ
り生じる吸気状態の差と更に明確に区別されることにな
り、EGR装置の異常がより正確に判断されるようにな
る。このため、請求項1に記載の発明の効果に加え、E
GR装置の異常検出精度を高めることができ、この意味
でも、EGR装置の異常検出の機会を拡げることができ
るという効果を発揮する。
【0088】請求項3に記載の発明の構成によれば、エ
ンジンの運転状態の違いに適合した判定値が得られ、E
GR実行・停止の切り替えにより生じる吸気状態の差の
大きさがより適正に判断されることになり、EGR装置
の異常がより正確に判断されるようになる。このため、
請求項1又は請求項2の発明の効果に加え、EGR装置
の異常検出精度を高めることができ、この意味でも、E
GR装置の異常検出の機会を拡げることができるという
効果を発揮する。
【0089】請求項4に記載の発明の構成によれば、エ
ンジンの運転状態における微小な増減変化の違いに適合
した判定値が得られ、EGR実行・停止の切り替えによ
り生じる吸気状態の差の大きさがより適正に判断される
ことになり、EGR装置の異常がより正確に判断される
ようになる。このため、請求項1乃至請求項3の一つの
発明の効果に加え、EGR装置の異常検出精度を高める
ことができ、この意味でも、EGR装置の異常検出の機
会を拡げることができるという効果を発揮する。
【0090】請求項5に記載の発明の構成によれば、エ
ンジンの運転状態の違いに適合した判定値が得られ、E
GR実行・停止の切り替えにより生じる吸気状態の差の
大きさがより適正に判断されることになり、EGR装置
の異常がより正確に判断されるようになる。この結果、
EGR装置の異常検出精度を高めることができるという
効果を発揮する。
【0091】請求項6に記載の発明の構成によれば、エ
ンジンの運転状態における微小な増減変化の違いに適合
した判定値が得られ、EGR実行・停止の切り替えによ
り生じる吸気状態の差の大きさがより適正に判断される
ことになり、EGR装置の異常がより正確に判断される
ようになる。この結果、EGR装置の異常検出精度を高
めることができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係り、エンジンシステムを
示す概略構成図である。
【図2】同じく、異常検出ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図3】同じく、スロットル開度に対する吸気圧の変化
を示すグラフである。
【図4】同じく、EGR実行時の吸気圧、その計算吸気
圧、EGR停止時の吸気圧及び吸気圧差の関係を示すタ
イムチャートである。
【図5】同じく、低開度側の検出制限範囲におけるS/
Nを示すグラフである。
【図6】同じく、従来の検出範囲におけるS/Nを示す
グラフである。
【図7】同じく、中高開度側の検出制限範囲におけるS
/Nを示すグラフである。
【図8】第2の実施の形態に係り、異常検出ルーチンを
示すフローチャートである。
【図9】同じく、スロットル開度とスロットル変化量の
設定値との関数データを示すグラフである。
【図10】同じく、EGR率特性を示すグラフである。
【図11】同じく、(a)〜(c)は、各種運転パラメ
ータと各種補正係数との関数データを示すグラフであ
る。
【図12】第3の実施の形態に係り、異常検出ルーチン
を示すフローチャートである。
【図13】同じく、スロットル変化量とその補正係数と
の関数データを示すグラフである。
【図14】従来例に係り、スロットル開度に対する吸気
圧の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 吸気通路 22 吸気圧センサ(吸気状態検出手段) 20 スロットルセンサ 21 吸気温センサ 24 回転速度センサ 26 水温センサ(20,21,24,26:運転状
態検出手段) 30 ECU(異常判断手段、第1及び第2の判断許
容手段、安定地算出手段、判定地算出手段) 31 EGR装置 32 EGR通路(再循環通路) 33 EGR弁 34 EGRVSV(33,34は再循環調節手段を
構成する。) ΔP 吸気圧差(吸気状態の差) G 判定値 S2 検出制限範囲 S3 検出制限範囲 E 設定値(第2の安定度の基準) F 設定値(第1の安定度の基準) ΔTA スロットル変化量(運転状態の変化)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼岡 衛 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小木曽 丈夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G062 EA05 GA02 GA04 GA06 GA08 GA12 GA17 3G084 BA05 BA20 DA28 FA02 FA10 FA11 FA20 FA29 FA33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの燃焼室から排出される排気ガ
    スの一部を吸気通路へ流して前記燃焼室へ再循環させる
    ための再循環通路と、その再循環通路における排気ガス
    の流れを調節するための再循環調節手段とを備え、前記
    再循環調節手段を制御することにより前記再循環通路及
    び前記吸気通路を通じて前記排気ガスを前記燃焼室へ再
    循環させるようにした排気ガス再循環装置に対して設け
    られ、 前記エンジンの運転状態を検出するための運転状態検出
    手段と、 前記吸気通路における吸気状態を検出するための吸気状
    態検出手段と、 前記排気ガスを前記燃焼室へ再循環させるために前記再
    循環調節手段が制御されるときに、前記排気ガスの再循
    環を一時的に停止させるために前記再循環調節手段の制
    御を切り替え、その切り替えの前後で検出される吸気状
    態の差を所定の判定値と比較することにより前記排気ガ
    ス再循環装置の異常を判断するための異常判断手段とを
    備えたエンジンの排気ガス再循環装置のための異常検出
    装置において、 前記吸気状態の差が相対的に小さくなることに対応する
    エンジンの運転状態の範囲を前記異常判断手段による判
    断を制限する制限範囲として特定し、前記検出される運
    転状態が前記制限範囲に該当せず、且つ、第1の安定度
    に相当する定常状態にある場合に、前記異常判断手段に
    よる判断を許容するための第1の判断許容手段と、 前記検出される運転状態が前記制限範囲に該当する場合
    において、前記検出される運転状態が前記第1の安定度
    に比べて更に変化の少ない第2の安定度に相当する定常
    状態にあるときに、前記異常判断手段による判断を許容
    するための第2の判断許容手段とを備えたことを特徴と
    するエンジンの排気ガス再循環装置のための異常検出装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエンジンの排気ガス再
    循環装置のための異常検出装置において、 前記第1の安定度及び前記第2の安定度の少なくとも一
    方を、前記検出される運転状態に応じて算出するための
    安定度算出手段を備えたことを特徴とするエンジンの排
    気ガス再循環装置のための異常検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のエンジン
    の排気ガス再循環装置のための異常検出装置において、 前記吸気状態の差と比較される判定値を、前記検出され
    る運転状態に応じて算出するための判定値算出手段を備
    えたことを特徴とするエンジンの排気ガス再循環装置の
    ための異常検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の一つに記載のエ
    ンジンの排気ガス再循環装置のための異常検出装置にお
    いて、 前記吸気状態の差と比較される判定値を、前記検出され
    る運転状態における微小な増減変化に応じて算出するた
    めの判定値算出手段を備えたことを特徴とするエンジン
    の排気ガス再循環装置のための異常検出装置。
  5. 【請求項5】 エンジンの燃焼室から排出される排気ガ
    スの一部を吸気通路へ流して前記燃焼室へ再循環させる
    ための再循環通路と、その再循環通路における排気ガス
    の流れを調節するための再循環調節手段とを備え、前記
    再循環調節手段を制御することにより前記再循環通路及
    び前記吸気通路を通じて前記排気ガスを前記燃焼室へ再
    循環させるようにした排気ガス再循環装置に対して設け
    られ、 前記エンジンの運転状態を検出するための運転状態検出
    手段と、 前記吸気通路における吸気状態を検出するための吸気状
    態検出手段と、 前記排気ガスを前記燃焼室へ再循環させるために前記再
    循環調節手段が制御されるときに、前記排気ガスの再循
    環を一時的に停止させるために前記再循環調節手段の制
    御を切り替え、その切り替えの前後で検出される吸気状
    態の差を所定の判定値と比較することにより前記排気ガ
    ス再循環装置の異常を判断するための異常判断手段とを
    備えたエンジンの排気ガス再循環装置のための異常検出
    装置において、 前記吸気状態の差と比較される判定値を、前記検出され
    る運転状態に応じて算出するための判定値算出手段を備
    えたことを特徴とするエンジンの排気ガス再循環装置の
    ための異常検出装置。
  6. 【請求項6】 エンジンの燃焼室から排出される排気ガ
    スの一部を吸気通路へ流して前記燃焼室へ再循環させる
    ための再循環通路と、その再循環通路における排気ガス
    の流れを調節するための再循環調節手段とを備え、前記
    再循環調節手段を制御することにより前記再循環通路及
    び前記吸気通路を通じて前記排気ガスを前記燃焼室へ再
    循環させるようにした排気ガス再循環装置に対して設け
    られ、 前記エンジンの運転状態を検出するための運転状態検出
    手段と、 前記吸気通路における吸気状態を検出するための吸気状
    態検出手段と、 前記排気ガスを前記燃焼室へ再循環させるために前記再
    循環調節手段が制御されるときに、前記排気ガスの再循
    環を一時的に停止させるために前記再循環調節手段の制
    御を切り替え、その切り替えの前後で検出される吸気状
    態の差を所定の判定値と比較することにより前記排気ガ
    ス再循環装置の異常を判断するための異常判断手段とを
    備えたエンジンの排気ガス再循環装置のための異常検出
    装置において、 前記吸気状態の差と比較される判定値を、前記検出され
    る運転状態における微小な増減変化に応じて算出するた
    めの判定値算出手段を備えたことを特徴とするエンジン
    の排気ガス再循環装置のための異常検出装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7827784B2 (en) 2006-08-03 2010-11-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust gas control apparatus for internal combustion engine and method of controlling same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7827784B2 (en) 2006-08-03 2010-11-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust gas control apparatus for internal combustion engine and method of controlling same

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