JP2000291621A - ボルト・ナットによる締結装置及びその製造方法 - Google Patents
ボルト・ナットによる締結装置及びその製造方法Info
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Abstract
合いを良好なものにする。 【解決手段】 ナットのボルト挿入側の開口端部に、そ
の雌ねじ部のフランク角と等しい角度の第1のテーパ状
の面取り部を、またはその外側にフランク角より大きな
角度の第2のテーパ状の面取り部を形成する一方、ボル
トの先端部には、ナット側の第1の面取り部7と角度の
等しいボルト側面取り部22を形成する。そのボルト側
面取り部22を、ナットの第1の面取り部7に着座させ
ることにより、ボルトとナットの互いの軸線がより一致
するように姿勢調整する。また、ナットの第1の面取り
部7及びボルトの面取り部22がいずれもねじのフラン
ク角とほぼ等しくされていることから、不完全ねじ部の
長さが短くなり、これによって噛み合い不良も生じにく
くなる。
Description
による締結装置及びその製造方法に関する。なお、ここ
でナットとは、主に軸心部に雌ねじが形成された雌ねじ
部材を総称する用語として用いる。また、ボルトとは一
般にナットと組んで用いる雄ねじを持った雄ねじ部材の
総称として用いる。
側)にテーパ状のボルトガイドが設けられたナットで
は、テーパ部が雌ねじ谷径まで同一角度で均一に形成さ
れている。また、そのテーパ部の角度は、ねじ山の角度
との相関性は考慮されておらず、ねじ山の角度(フラン
ク角)より大きくされている。また、従来のボルトには
その先端部にテーパ状外周面が面取りとして形成されて
いるが、その面取りの角度は自身のフランク角とは無関
係に設定され、また相手方のナットとも無関係に定まっ
ている。
では、ナットにテーパ部のボルトガイドがあっても、ボ
ルトとナットの組付けの際に、ナットの軸心とボルトの
軸心がずれたり、傾斜したりして、必ずしも噛み合わせ
が容易とは言えず、またその状態で無理に螺合しようと
すると、ナットの不完全ねじ山とボルトのそれとが噛み
込みを生じる場合もあり、ボルトとナットとを注意深く
同心的に噛み合わせる必要がある。
のボルト・ナットによる締結装置は、ボルトの螺合開始
側における先端部に、テーパ状外周面がボルト側面取り
部として形成され、そのボルト側面取り部を残しつつそ
の面取り部を基点として雄ねじ部が形成されたボルト
と、ナットの螺合開始側における開口部内周側に、テー
パ状内周面がナット側面取り部として形成され、その面
取り部を残しつつその面取り部を基点として雌ねじ部が
形成されたナットとを含み、かつ、前記ボルト側面取り
部と前記ナット側面取り部との面取り角が互いにほぼ等
しくされ、これらボルトとナットの螺合開始時には、前
記ボルト側面取り部とナット側面取り部が互いに係合し
て、ボルトとナットの軸線の傾斜を同軸的になる向きに
矯正することを特徴とする。
ける先端部に、そのボルトの雄ねじ部のフランク角(螺
合されるナットの雌ねじ部のフランク角)とほぼ等しい
角度のテーパ状外周面がボルト側面取り部として形成さ
れ、その面取り部を残しつつその面取り部を基点として
雄ねじ部が形成されたボルトと、ナットの螺合開始側に
おける開口部内周側に、そのナットの雌ねじ部のフラン
ク角(螺合されるボルトの雄ねじ部のフランク角)とほ
ぼ等しい角度のテーパ状内周面がナット側面取り部とし
て形成され、その面取り部を残しつつその面取り部を基
点として雌ねじ部が形成されたナットとを含み、かつ、
これらボルトとナットの螺合開始時には、互いのフラン
ク角にほぼ等しい前記ボルト側面取り部と前記ナット側
面取り部とが互いに係合して、ボルトとナットの軸線の
傾斜を同軸的になる向きに矯正することを特徴とする。
の螺合開始側における開口部内周側に、そのナットの雌
ねじ部のフランク角(螺合されるボルトの雄ねじ部のフ
ランク角)とほぼ等しい角度のテーパ状内周面が第1の
ナット側面取り部として形成され、その第1のナット側
面取り部を残しつつその第1のナット側面取り部を基点
として雌ねじ部が形成されるとともに、その第1のナッ
ト側面取り部の外周縁に接続するようにその外側に、前
記雌ねじ部のフランク角(ボルトの雄ねじ部のフランク
角)より大きい角度のテーパ状内周面が第2のナット側
面取り部として形成され、その第2のナット側面取り部
には雌ねじ部が形成されておらず、その第2のナット側
面取り部が前記ボルトのボルト側面取り部をナットの中
心側に案内する作用をなし、前記第1のナット側面取り
部と前記ボルト側面取り部が係合することにより、ボル
トとナットの軸線の傾斜を同軸的になる向きに矯正す
る。
のナット側面取り部の外径は、ナットの雌ねじ部の谷径
とほぼ等しくすることができる。また、前記ボルトのボ
ルト側面取り部の内径は、前記ナットの雌ねじ部の内径
(山径)とほぼ等しいか、それより小さくすることがで
きる。
を形成するための下穴の、螺合開始側における開口部内
周側に、予めそのナットの雌ねじ部のフランク角とほぼ
等しい角度のテーパ状内周面をナット側面取り部として
形成しておき、そのナット側面取り部を含んで雌ねじ部
を形成することによりナットを製造する一方、ボルトの
製造工程として、ボルト素材の先端部に、予めそのボル
トの雄ねじ部のフランク角とほぼ等しい角度のテーパ状
外周面をボルト側面取り部として形成しておき、その面
取り部を含んで雄ねじ部を形成することによりボルトを
製造することができる。
じ部を形成するための下穴の、螺合開始側における開口
部内周側に、予めナットの雌ねじ部のフランク角とほぼ
等しい角度のテーパ状内周面を第1のナット側面取り部
として、またその第1のナット側面取り部の外周縁に接
続するようにその外側に、前記雌ねじ部のフランク角よ
り大きいテーパ状内周面を第2のナット側面取り部とし
てそれぞれ形成しておき、その第2のナット側面取り部
には雌ねじ部を形成せず、第1のナット面取り部が雌ね
じの基点となるように雌ねじ部を形成することもでき
る。
取り部との互いの角度が対応してしているため、両者の
係合によりボルトとナットの各軸芯が同心的になりやす
く、仮に初期螺合時にボルト・ナットの双方の軸線が傾
斜状態にあっても、それを同心的に一致させくなる。ま
た、好ましい態様として、ナットの雌ねじ部のフランク
角とほぼ等しい角度のテーパ状内周面(面取り部)を端
として、雌ねじ部がらせん状に形成されるが、そのテー
パ状内周面の少なくとも一部はナットの螺合開始端側に
残っていて、ここにボルト(雄ねじ部材の総称)のフラ
ンク角にほぼ等しい角度の上記ボルト側面取り部が着座
することで、ボルト・ナットの姿勢調整機能が働く。
ほぼ等しい角度のテーパ状内周面(面取り部)を基点
(始端又は終端)として雌ねじ部が形成され、ボルトで
は雄ねじ部のフランク角とほぼ等しい角度のテーパ状外
周面を基点(始端又は終端)とし て雄ねじ部が形成さ
れ、このようにすれば、ボルト及びナットの双方で不完
全ねじ部の長さを従来に比べて、例えば1/2ないし1
/3程度に短くすることができる。これによりたとえナ
ットとボルトが傾斜状態でも、噛み込みが生じにくくな
り、初期螺合時の良好な噛み合い状態が得られる。
つつ本発明の実施の形態を説明する。図1に示すナット
1は、例えば袋ナットの形態をなす。もちろん、袋ナッ
ト以外の単純なナットでもよい。ナット1は軸状の本体
2を備え、それを貫通するように同心的に雌ねじ部3が
形成され、その出口側の開口を覆う(塞ぐ)ようにカバ
ー4が溶接等により本体2と一体化されている。本体2
の中間部にはフランジ5が形成され、このフランジ5と
隣り合うようにワッシャ6が本体2の外周に装着されて
いる。ワッシャ6は、フランジ5に対し雌ねじ部3の入
口側に隣接し、本体2の外周に形成された図示しないセ
レーション等により本体2から抜けないようにされてい
る。
されるが、ナット1のボルト挿入側の端部、言い換えれ
ばナット1の雌ねじ部(ねじ穴)3の螺合開始側の開口
部Aには、図2(b)に示すように、テーパ状内周面か
らなる第1の面取り部7と、これとは異なる角度のテー
パ状内周面からなる第2の面取り部8とが形成されてい
る。ここで、φDは雌ねじ谷径(螺合されるボルトを基
準にすれば、ねじ外径)、φdは雌ねじ山径(ねじ内
径)を示す。そして、ナット1の軸線を含んだ断面にお
ける第1の面取り部7(の表面)と、そのナット1の軸
線に直角な直線又は平面とのなす角度θ1は、ナット1
の雌ねじ山のフランク角(ねじの軸線を含んだ断面にお
いて測った個々のフランクが、ねじの軸線と直角な直線
となす角度(θf))と実質的に等しくされている。
するナットでは、第1の面取り部7の角度θ1は約30
°程度とされる。一般的に言えば、第1の面取り部7の
角度θ1は、ナット1の雌ねじ部3のフランク角をθfと
すれば、θ1はθfの約±20%、より好ましくは±10
%程度、言い換えればθ1は、0.8〜1.2θf、より望
ましくは0.9〜1.1θf程度に設定することができ
る。
な平面を基準とする以外に、その円錐内周面のテーパ角
度(ねじの軸断面における円錐の二つの母線の間の角
度)α1で表すこともできる。その場合、第1の面取り
部7のテーパ角度α1は、フランク角が30°のナット
であれば、例えば約120°程度とされる。また、この
第1の面取り部7の、ナット1のねじ軸線方向の長さ
(深さ)をLとすれば、Lは雌ねじ部3の例えば1/2
ピッチ程度とすることができる。上記Lは、この他に、
雌ねじ部3の例えば1/5〜2ピッチ分、好ましくは1
/3〜1ピッチ分の範囲で適宜設定することができる。
のボルト螺合側の開口縁となり、第1の面取り部7の外
周縁に続いて、第2の面取り部8がその外周側に位置す
る。第2の面取り部8の、ねじ軸線に直角な平面又は直
線とのなす角度θ2は、第1の面取り部7の角度θ1より
大きくされ、例えば第1の面取り部7の角度θ1が30
°くらいであれば、第2の面取り部8の角度θ2は、約
45°程度に設定することができる。その場合、第2の
面取り部8をテーパ角度α2でみれば、約90°にな
る。第2の面取り部8の外周縁は、ナット1のボルト挿
入側の円環状の端面9に連なり、その端面9の外周側に
は、ナット端部の外周面取り部10としてテーパ状外周
面が形成されている。この外周面取り部10は、例えば
ナット1が自動車の車輪ホイールをハブに固定するハブ
ナットとして使用される場合、図示しないホイールに形
成されたナット挿入孔へのナット1の挿入を容易にす
る。
θ1及びθ2の関係(テーパ角度α1及びα2との関係に置
き換えてもよい)は、θ2/θ1(又はα1/α2)が、例
えば1.1ないし2.5程度、望ましくは1.2ないし2.
0程度がよい。第2の面取り部8の角度θ2は90°以
下とされ、この第2の面取り部8がボルト先端をねじ軸
線側にガイドするボルトガイドの役割を果たすことを考
慮すれば、その角度θ2は90°未満とされる。
部8を、ナットのねじ軸線に直角な平面へ投影したとき
の各面取り部7及び8の幅寸法をそれぞれw1及びw2と
すれば、第1の面取り部7の幅寸法w1は、雌ねじ部3
のねじ山高さにほぼ等しくされている。言い換えれば、
第1の面取り部7の外径は、ナット1の雌ねじの谷径
(φD)にほぼ等しくされ、の第2の面取り部8の幅寸
法w2は、第1の面取り部7の幅寸法w1より大きくする
ことができる。あるいはそれらw1及びw2を同じ位にす
ることもできる。第2の面取り部8の角度θ2が相当大
きくなった場合は、w1がw2より大きくなることもあり
得るが、好適な態様では、w1/w2は0.1ないし0.
9、なかでも0.2ないし0.5程度に設定することがで
きる。
ット1’の雌ねじ部3’のボルト挿入側の開口部に、単
一の面取り部8’を備えるものがあるが、その面取り部
8’の角度θ’は、そのナット1’のフランク角が例え
ば30°とすれば、そのフランク角より大きく、例えば
θ’=45°となっている。また、この面取り部8’を
テーパ角度で表せば、90°となる。これに対し、本発
明の好ましい実施の態様では、θ1がフランク角とほぼ
等しい約30°の第1の面取り部7と、θ2がフランク
角より大きな約45°とされた第2の面取り部8(テー
パ角度で言えば、約120°と90°)との、2重の
(2段の)面取り部を有する。
でフランク角より大きな角度の面取り部8’に、そこを
基点として雌ねじ部3’が形成された例を示すものであ
るが、雌ねじ部3’の基点(不完全ねじ部の始端)R1
から不完全ねじ部の終端R2までは約270°位あり、
不完全ねじ部長が長いものとなる。これに対し、図2
(b)に示す本発明の好適な実施の形態では、雌ねじ部
3のフランク角とほぼ等しい第1の面取り部7の1箇所
を始端S1として不完全ねじ部が形成され、その終端S2
から完全ねじ部になり、不完全ねじ部長が従来のナット
1’に比べて半分以下となり、ねじ穴全周の約1/3程
度に抑えることができる。
のフランク角とほぼ等しい角度の第1の面取り部7は、
多点状で表すように、雌ねじの形成に拘らず、その大半
の部分はナット1の螺合開始側の開口端部(ボルト挿入
側の開口端部)に残っている。つまり、不完全ねじ部の
始端S1から終端S2までは、部分的に螺旋状に削り取ら
れたような形態となるが、それ以外の範囲では第1の面
取り部7はテーパ状内周面として存在し、部分的に欠け
た一部残っているところを加えれば、ほぼナット1の全
周又は全周に近い範囲で現れる。
すもので、雌ねじ部3の不完全ねじ部は仮想線で概念的
に表している。そして、図2の従来のナット1’のA’
部分の構造では、図5(a)のように、転造ダイス12
で面取り部8’からねじを転造する際に、開口側に押し
出された盛り上がり部13(不完全ねじ部といえる)が
顕著に生じ、この盛り上がり部13がボルト挿入時にね
じ軸方向の障害となりやすい。つまり、ナットとボルト
を軸方向に同心的に接近させた際に、ボルトの先端外周
縁がこの盛り上がり部13と干渉しやすい。これに対
し、本発明では図5(b)に示すように、転造の場合、
ねじのフランク角とほぼ等しい第1の面取り部7を基点
にねじの転造が開始され、結果的に転造ダイス12のフ
ランク角と第1の面取り部7の角度とがほぼ等しいた
め、上述のような大きな盛り上がり部13が生じにく
い。よって、ナットへの相対的なボルトの挿入がスムー
ズに行い得る。
り部7、8を、第1、第2のナット側面取り部とすれ
ば、図1のボルト20の雄ねじ部21の先端部に、ボル
ト側面取り部(以下、単に面取り部ともいう)22とし
てテーパ状外周面を形成することができる。このボルト
20は頭部23を有するが、頭部のないボルト(例えば
植え込みボルト等)でもよい。図6に模式的に示すよう
に、ボルト20の先端部にテーパ状外周面として形成さ
れた面取り部22は、ボルトの軸線に直角な直線又は平
面とのなす角度θBが、そのボルト20のねじ山のフラ
ンク角をθfBとしたとき、そのフランク角θfBとほぼ等
しくされている。例えば、ボルト側面取り部22の角度
θBは、フランク角θfBが30°であれば、ほぼ30°
に設定される。
2の角度θBは、ボルト雄ねじ部21のフランク角θfB
(これはボルトが螺合される相手方のナット1の雌ねじ
部3のフランク角θfとみなすこともできる)の約±2
0%、より好ましくは±10%程度、言い換えればθB
は、0.8〜1.2θfB(又はθf)、より望ましくは0.
9〜1.1θfB(又はθf)程度に設定することができ
る。また、ボルト側面取り部22の外周縁はボルト雄ね
じ部21のねじ山円筒につながり、ボルト側面取り部2
2の内周縁は、雄ねじ部21のねじ谷円筒と一致させる
こともできるし、あえてずらすこともできる。つまり、
ボルト雄ねじ部21のねじ外径をφDB、ねじ内径をφ
dBとすれば、面取り部22の外径はねじ外径φDBに等
しくなり、面取り部22の内径はねじ内径φdBと一致
させてもよいし、このねじ内径φdBより小さく又は大
きくすることもできる。
22の内径φd1は、ねじ内径φdBより一定量小さくさ
れる。言い換えれば、面取り部22はねじ内径を越える
ようにされ、ボルト20の軸直角平面に面取り部22を
投影したとき、その軸直角方向の幅寸法WBは、雄ねじ
部21のねじ山高さ(谷深さ)より大きく(例えば1〜
20%程度、より好ましくは2〜10%程度)すること
ができる。このようにすれば、螺合のための組付けの際
に、ボルト22とナット1の軸が多少ずれたり傾いたり
しても、ボルト22の面取り部22がナット側の第1の
面取り部7に安定に着座しやすくなり、芯ずれ又は芯傾
斜の矯正作用を行わせる上でより好ましい。
の長さ寸法Qは、雄ねじ部21のねじ山の望ましくは1
/2ピッチ以上がよいが、面取り部22の内径φd1を
ねじ内径φdBより大きくする(ねじ外径φDBとねじ内
径φdBの中間にもってくる)ような場合は、1/2ピ
ッチ未満の場合も生じ得る。一般的には、ボルト側面取
り部22のねじ軸方向の長さ寸法Qは、雄ねじ部21の
ねじ山ピッチの1/5〜1.5、より望ましくは1/3
〜1.0程度に設定できる。また、そのボルト側面取り
部22を前記テーパ角度で規定すれば、雄ねじ部21の
フランク角が30°の場合、ボルト側面取り部22のテ
ーパ角度は約120°となる。
部22の1箇所を基点として転造又は切削で形成される
が、この面取り部22の角度が雄ねじ部21のフランク
角にほぼ等しくされているため、不完全ねじ部長を従来
のものより短くできる。すなわち、ナットでの説明に使
用した図3をボルトにも援用して説明すれば、従来のボ
ルトの不完全ねじ部(同図(a))がねじの全周の約3
/4の範囲で生じるのに対し、フランク角にほぼ等しい
ボルト側面取り部22を有するボルト20では、それが
ねじの全周の1/4程度(多くても1/2以下)とな
る。
示すように、ボルト20’をナット1’に螺合(挿入)
する際、ボルト20’の先端には面取り部29があるも
のの、その角度はナット1’の面取り部8’とは対応せ
ず、また雄ねじ部21’のフランク角とも無関係に設定
されるため、組付け時にボルト・ナットの軸がずれた
り、互いの軸線が傾斜状態になった場合、それを矯正す
る作用は充分でなく、ボルト・ナットの各軸線を容易に
同心的状態にできるとは言い難い。また、ボルト2
0’、ナット1’の双方の不完全ねじ部が長いので、上
記傾斜状態等でかみ込みが生じやすい。
(b)、図9(b)に示すように、ナット1とボルト2
0を螺合させる(相対的にボルト20をナット1に挿入
する)過程で、ナット1の第2の面取り部8にボルト2
0の先端部が接して、ボルト20がナット1の中心側に
ガイドされ、さらに、互いにフランク角に等しいボルト
側面取り部22とナット側面取り部7とが係合し、ボル
ト20とナット1の各軸線が一致しやすい状況となる。
言い換えれば、ボルト20の面取り部22がナット1の
中心側の面取り部7に着座すれば、双方の面取り部7及
び22は角度がほぼ等しいため、いわば互いに対応する
角度のテーパ外周面及びテーパ内周面同士が嵌合したよ
うな格好になり、その状態ではボルト20とナット1の
軸線は一義的にほぼ同心(同軸)的な姿勢になりやす
い。
軸芯とがより一致した状態に姿勢調整されて、両者の位
置合わせ(姿勢調整)があたかも自動的に行われ、ボル
ト20がナット1に容易に挿入される。しかも、ボルト
20及びナット1共に、不完全ねじ部が短いため、両者
がたとえ傾斜状態となっても、従来に比べて噛み込みが
生じにくい。これらのことから、ボルト20とナット1
の初期螺合時において、噛み合い不良の発生が有効に回
避されるとともに、両者のねじ山の軸芯がより一致した
状態が得られ、初期螺合時の噛み合いが従来より良好に
行われることとなる。
ナット1による(これらをセット(ユニット)として組
み合わせたボルト・ナット締結装置24を示すものであ
る。だだし、このようなボルト・ナット締結装置24に
おいて、ボルト側面取り部22の角度θB(図6)と、
ナット側(第1の)面取り部7の角度θ1(図2)と
は、互いにねじのフランク角にそれぞれほぼ等しい形態
でθ1とθBとをほぼ等しくすることが、不完全ねじ部を
短くすること等を考慮すると望ましい態様ではあるが、
必ずしもそれに限らず、上記フランク角とは無関係に、
ボルト側面取り部22とナット側面取り部7の角度θ1
とθBとをほぼ等しくすること(例えば±20%、望ま
しくは±10%以内の範囲で)もできる。その場合は上
記角度θ1及びθBは、ねじのフランク角より大きい場合
も、小さい場合もあり得、フランク角とは必ずしも一致
しない。この態様でも、ボルトとナットの各軸芯を一致
させるように姿勢制御することができる。
に、ナット側の第1の面取り部7を正確な円錐面(テー
パ面)ではなく、例えば外側に凸状の(膨らむ)断面の
曲面7’で形成すること、あるいは内側に凸状の(膨ら
む)断面の曲面7''で形成することもできる(ナット1
6、17)。この場合、元の面取り部7がそれらの曲面
7’又は7''に対し、接線(接面)とすることもでき
る。さらに同図(c)に示すように、第1の面取り部7
から第2の面取り部8にまたがるような、内側にわずか
にくぼんだ滑らかな曲面7'''で形成して、実質的に面
取り部7、8に相当する位置に、互いに傾きの異なる
(面取り部7ではフランク角とほぼ等しく、面取り部8
ではそのフランク角より傾斜の大きな)テーパ状の各内
周面を形成することも可能である(ナット18)。実際
に、鍛造等でナット素材を形成する場合は、第1、第2
の面取り部7、8の境界がシャープに現れるとは限ら
ず、その境界がアール状に丸みが付く場合もある。
図示はしないが事情は同様であり、その面取り部22を
厳密な円錐面としなくても、外側にやや膨らんだ、又は
内側にややくぼんだ曲面で構成し、これを実質的にテー
パ状外周面としてもよい。
に、ボルトの挿入方向が一義的に決まっておらず、ナッ
トの両側開口のいずれからでもボルトが挿入可能なナッ
トの場合は、ナット19の雌ねじ部3の両側開口部にそ
れぞれ第1、第2の面取り部7、8を設けることができ
る。
の面取り部8の双方を設けて中間に段を形成する形態以
外にも、図14に示すように、第2の面取り部8を省略
して、単一で段差のない一つのナット側7とし、この面
取り部7の外周縁を、ナット15の端面10まで延長す
ることもできる。この場合、ナット側面取り部7は、前
述のように雌ねじ部3のフランク角とほぼ等しくされる
か、あるいはそのフランク角と関係なく、ボルト側面取
り部22(図7等)とほぼ一致させられることとなる。
造方法について説明する。図15(a)は、第1の金型
31(下型)のキャビティ32内に、予め冷間鍛造等で
成形されたナット素材N1が収容され、これが第2の金
型30(上型)により打撃され、(b)のようなナット
素材N2となる。ここで、ナット素材N2の下孔の一方の
開口となるべき部分は、パンチ33でくぼみ33’がつ
けられ、他方の開口部となるべき部分が、前述のA部分
(図1、図2等)に示した部分である。このA部分に
は、第2の金型30と一体的又は別体に形成されたパン
チ34が入り込んで、前述の第1のナット側面取り部
7、第2のナット側面取り部8の形態を、予め冷間鍛造
等で形成しておく。なお、A部分の拡大図から示すよう
に、第1の面取り部7の内周縁から軸方向にほぼ平行に
浅いくぼみ34’が形成され、このくぼみ34’が後工
程の下孔打抜きの基準となる。上述の反対側のくぼみ3
3’と、くぼみ34’とは、同じ大きさで、かつ同心的
に形成される。
2に対して打抜きパンチ37で、中心部のねじ下孔4
0’が打抜かれる。N3’は、打抜かれたかすであり、
打抜きパンチ37は、第1の金型(下型)35の筒状部
36内に移動可能に配置され、第2の金型38がナット
素材N2を押さえ付け、打抜反力を受ける。これによ
り、ナット素材N3の下孔40’の一方の開口部に、第
1のナット側面取り部7(後に形成される雌ねじのフラ
ンク角にほぼ等しい)と、このフランク角より傾斜の大
きな第2の面取り部8とを有するナット素材N3を得
る。
に、このナット素材N3を型39に固定して、例えば転
造ダイス40を回転させつつ、ナット素材N3のねじ下
孔40’にねじ込んでいくことにより(図17(c)〜
(d)参照)、ねじ下孔40’の内周面に雌ねじ部3を
転造する。その際、図16(b)のように、転造ダイス
40の先端がナット素材N3の上記第1、第2の面取り
部7及び8が形成された開口に達すると、その転造ダイ
ス40のフランク角と、第1の面取り部7の角度とがほ
ぼ等しいため、前述のような外側に盛り上がった部分が
生じにくく、かつ不完全ねじ部も短い形態で初期の転造
が行われる。図17(c)、(d)を経て転造が完成す
ることにより、そのねじ下孔40’には雌ねじ部3が形
成され、その状態において、A部分には第2の面取り部
8はもちろん、第1の面取り部7も相当部分がその開口
部に残る。
場合も、基本的には転造ダイス40がねじ切りダイスに
代わるほかは、工程的に大きな違いはない。ただし、転
造ダイス40の場合は、ねじ下孔40’の肉の移動によ
り雌ねじ部が形成されるため、転造ダイス40の外径は
予定される雌ねじ部の、ねじ山径とねじ谷径のほぼ中間
に位置するのに対し、ねじ切りダイスの場合は、その外
径がねじ谷径と実質的に一致することとなる。
を示すものである。この例で、第1の金型42(例えば
下型)の鍛造キャビティ形成部43には、ボルト素材B
1の、ボルト先端部となるべき部分(B部分)に、図6
及び7等に示したボルト側面取り部22が形成されるよ
うに、その面取り部22に対応する型面を有するキャビ
ティ44が形成されている。このキャビティ44で、ボ
ルト素材B1は、第2の金型(例えば上型)45側のパ
ンチ50により、軸方向に打撃され、その結果ボルト素
材B1の先端部にボルト側面取り部22となるべき部分
が形成される。この面取り部22は、前述のように後に
形成される雄ねじ部のフランク角とほぼ等しくされる。
上型45には、ボルト素材B1に対し、さらに頭部を形
成するためのキャビティ47を備えたキャビティ形成部
46を有している。そして、図18(b)のように、第
2の型45が第1の型42に対して相対的に移動し、キ
ャビティ47内でパンチ50により鍛造された頭部を有
するボルト素材B2となる。
に、このボルト素材B2の脚部(胴部)に対し雄ねじ部
を転造ダイス52、53により形成する。転造ダイス5
2、53は、ボルト素材B2の胴部を挟み付けて相対的
に矢印のように移動し、ボルト素材B2は、転動しなが
らその外周に雄ねじ部が転造されて、ボルト素材B3と
なる。そして、そのボルト素材B3の先端部には、図
6、7等で述べたボルト側面取り部22が、そのねじ山
のフランク角とほぼ等しい角度で残ることとなる。な
お、このようなボルトの転造に加えて、雄ねじ部を切削
形成してもよい。
従来例と比較して示す図。
して示す図。
図。
図。
す図。
面図。
断面図。
Claims (7)
- 【請求項1】 ボルトの螺合開始側における先端部に、
テーパ状外周面がボルト側面取り部として形成され、そ
のボルト側面取り部を残しつつその面取り部を基点とし
て雄ねじ部が形成されたボルトと、 ナットの螺合開始側における開口部内周側に、テーパ状
内周面がナット側面取り部として形成され、その面取り
部を残しつつその面取り部を基点として雌ねじ部が形成
されたナットとを含み、かつ、 前記ボルト側面取り部と前記ナット側面取り部との面取
り角が互いにほぼ等しくされ、これらボルトとナットの
螺合開始時には、前記ボルト側面取り部とナット側面取
り部が互いに係合して、ボルトとナットの軸線の傾斜を
同軸的になる向きに矯正することを特徴とするボルト・
ナットによる締結装置。 - 【請求項2】 ボルトの螺合開始側における先端部に、
そのボルトの雄ねじ部のフランク角(螺合されるナット
の雌ねじ部のフランク角)とほぼ等しい角度のテーパ状
外周面がボルト側面取り部として形成され、その面取り
部を残しつつその面取り部を基点として雄ねじ部が形成
されたボルトと、 ナットの螺合開始側における開口部内周側に、そのナッ
トの雌ねじ部のフランク角(螺合されるボルトの雄ねじ
部のフランク角)とほぼ等しい角度のテーパ状内周面が
ナット側面取り部として形成され、その面取り部を残し
つつその面取り部を基点として雌ねじ部が形成されたナ
ットとを含み、かつ、 これらボルトとナットの螺合開始時には、互いのフラン
ク角にほぼ等しい前記ボルト側面取り部と前記ナット側
面取り部とが互いに係合して、ボルトとナットの軸線の
傾斜を同軸的になる向きに矯正することを特徴とするボ
ルト・ナットによる締結装置。 - 【請求項3】 前記ナットは、ナットの螺合開始側にお
ける開口部内周側に、そのナットの雌ねじ部のフランク
角(螺合されるボルトの雄ねじ部のフランク角)とほぼ
等しい角度のテーパ状内周面が第1のナット側面取り部
として形成され、その第1のナット側面取り部を残しつ
つその第1のナット側面取り部を基点として雌ねじ部が
形成されるとともに、その第1のナット側面取り部の外
周縁に接続するようにその外側に、前記雌ねじ部のフラ
ンク角(ボルトの雄ねじ部のフランク角)より大きいテ
ーパ状内周面が第2のナット側面取り部として形成さ
れ、その第2のナット側面取り部には雌ねじ部が形成さ
れておらず、その第2のナット側面取り部が前記ボルト
のボルト側面取り部をナットの中心側に案内する作用を
なし、前記第1のナット側面取り部と前記ボルト側面取
り部が係合することにより、ボルトとナットの軸線の傾
斜を同軸的になる向きに矯正する請求項1又は2に記載
のボルト・ナットによる締結装置。 - 【請求項4】 前記ナット側面取り部又は前記第1のナ
ット側面取り部の外径は、ナットの雌ねじ部の谷径とほ
ぼ等しくされている請求項1ないし3のいずれかに記載
のボルト・ナットによる締結装置。 - 【請求項5】 前記ボルトのボルト側面取り部の内径
は、前記ナットの雌ねじ部の内径(山径)とほぼ等しい
か、それより小さくされている請求項1ないし4のいず
れかに記載のボルト・ナットによる締結装置。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のナ
ットの製造工程として、雌ねじ部を形成するための下穴
の、螺合開始側における開口部内周側に、予めそのナッ
トの雌ねじ部のフランク角とほぼ等しい角度のテーパ状
内周面をナット側面取り部として形成しておき、そのナ
ット側面取り部を含んで雌ねじ部を形成することにより
ナットを製造する一方、 請求項1ないし5のいずれかに記載のボルトの製造工程
として、ボルト素材の先端部に、予めそのボルトの雄ね
じ部のフランク角とほぼ等しい角度のテーパ状外周面を
ボルト側面取り部として形成しておき、その面取り部を
含んで雄ねじ部を形成することによりボルトを製造する
ことを特徴とするボルト・ナットによる締結装置の製造
方法。 - 【請求項7】 請求項3のナットの製造工程として、雌
ねじ部を形成するための下穴の、螺合開始側における開
口部内周側に、予めナットの雌ねじ部のフランク角とほ
ぼ等しい角度のテーパ状内周面を第1のナット側面取り
部として、またその第1のナット側面取り部の外周縁に
接続するようにその外側に、前記雌ねじ部のフランク角
より大きい角度のテーパ状内周面を第2のナット側面取
り部としてそれぞれ形成しておき、その第2のナット側
面取り部には雌ねじ部を形成せず、第1のナット面取り
部が雌ねじの基点となるように雌ねじ部を形成すること
を特徴とするボルト・ナットによる締結装置の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09822899A JP3685951B2 (ja) | 1999-04-05 | 1999-04-05 | ボルト・ナットによる締結装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09822899A JP3685951B2 (ja) | 1999-04-05 | 1999-04-05 | ボルト・ナットによる締結装置及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000291621A true JP2000291621A (ja) | 2000-10-20 |
| JP3685951B2 JP3685951B2 (ja) | 2005-08-24 |
Family
ID=14214114
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09822899A Expired - Lifetime JP3685951B2 (ja) | 1999-04-05 | 1999-04-05 | ボルト・ナットによる締結装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3685951B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013528270A (ja) * | 2010-05-24 | 2013-07-08 | エマーソン プロセス マネージメント レギュレーター テクノロジーズ インコーポレイテッド | アクチュエーターとともに使用するためのバネ座 |
| CN113606241A (zh) * | 2021-06-21 | 2021-11-05 | 山西煤矿机械制造股份有限公司 | 组合式互锁螺母 |
| CN114867947A (zh) * | 2019-12-20 | 2022-08-05 | 哈得螺克工业株式会社 | 防松装置 |
| JP2024529234A (ja) * | 2021-07-16 | 2024-08-06 | ヘレウス アムロイ テクノロジーズ ゲーエムベーハー | 雌ねじを有する金属を含むか又はそれからなるねじ山要素 |
-
1999
- 1999-04-05 JP JP09822899A patent/JP3685951B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013528270A (ja) * | 2010-05-24 | 2013-07-08 | エマーソン プロセス マネージメント レギュレーター テクノロジーズ インコーポレイテッド | アクチュエーターとともに使用するためのバネ座 |
| CN114867947A (zh) * | 2019-12-20 | 2022-08-05 | 哈得螺克工业株式会社 | 防松装置 |
| CN113606241A (zh) * | 2021-06-21 | 2021-11-05 | 山西煤矿机械制造股份有限公司 | 组合式互锁螺母 |
| JP2024529234A (ja) * | 2021-07-16 | 2024-08-06 | ヘレウス アムロイ テクノロジーズ ゲーエムベーハー | 雌ねじを有する金属を含むか又はそれからなるねじ山要素 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3685951B2 (ja) | 2005-08-24 |
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