JP2000291688A - 駆動力伝達装置 - Google Patents
駆動力伝達装置Info
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- JP2000291688A JP2000291688A JP11096907A JP9690799A JP2000291688A JP 2000291688 A JP2000291688 A JP 2000291688A JP 11096907 A JP11096907 A JP 11096907A JP 9690799 A JP9690799 A JP 9690799A JP 2000291688 A JP2000291688 A JP 2000291688A
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Landscapes
- Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 パイロットクラッチ機構およびカム機構間の
摩擦力が、伝達トルク特性にヒステリシスを生じさせる
とともに駆動力伝達装置の応答性を悪化させる原因とな
っていた。 【解決手段】 カム機構10eは、インナシャフト10
bに一体回転かつ軸方向へ移動可能に結合された第1カ
ム部材19と、パイロットクラッチ機構10dのインナ
クラッチプレート14aに一体回転可能に保持されたボ
ール18と、第1カム部材19とともにボール18を挟
持する第2カム部材17とから構成されていて、ボール
18はインナクラッチプレート14aに軸方向へ移動可
能に設けられたリテーナ16内で転動可能に嵌装されて
いる。
摩擦力が、伝達トルク特性にヒステリシスを生じさせる
とともに駆動力伝達装置の応答性を悪化させる原因とな
っていた。 【解決手段】 カム機構10eは、インナシャフト10
bに一体回転かつ軸方向へ移動可能に結合された第1カ
ム部材19と、パイロットクラッチ機構10dのインナ
クラッチプレート14aに一体回転可能に保持されたボ
ール18と、第1カム部材19とともにボール18を挟
持する第2カム部材17とから構成されていて、ボール
18はインナクラッチプレート14aに軸方向へ移動可
能に設けられたリテーナ16内で転動可能に嵌装されて
いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相対回転可能な回
転部材間に配設されて、これらの回転部材間でトルク伝
達を行う駆動力伝達装置に関する。
転部材間に配設されて、これらの回転部材間でトルク伝
達を行う駆動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】駆動力伝達装置の一形式として、特開平
3−282019号公報に示されているように、互いに
同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両回転部材間に
配設されて摩擦係合によりこれら両回転部材間のトルク
伝達を行うメインクラッチ機構と、通電により作動して
摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ機構と、前記
メインクラッチ機構と前記パイロットクラッチ機構間に
位置し同パイロットクラッチ機構の摩擦係合力を前記メ
インクラッチ機構に対する押圧力に変換するカム機構を
備えた駆動力伝達装置がある。
3−282019号公報に示されているように、互いに
同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両回転部材間に
配設されて摩擦係合によりこれら両回転部材間のトルク
伝達を行うメインクラッチ機構と、通電により作動して
摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ機構と、前記
メインクラッチ機構と前記パイロットクラッチ機構間に
位置し同パイロットクラッチ機構の摩擦係合力を前記メ
インクラッチ機構に対する押圧力に変換するカム機構を
備えた駆動力伝達装置がある。
【0003】当該駆動力伝達装置においては、パイロッ
トクラッチ機構を構成する電磁石の電磁コイルに通電す
ることにより磁路が形成されて、磁気誘導作用によりパ
イロットクラッチ機構が作動してメインクラッチ機構を
作動させ、両回転部材間でトルク伝達がされるように構
成されている。
トクラッチ機構を構成する電磁石の電磁コイルに通電す
ることにより磁路が形成されて、磁気誘導作用によりパ
イロットクラッチ機構が作動してメインクラッチ機構を
作動させ、両回転部材間でトルク伝達がされるように構
成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に示された駆
動力伝達装置においては、パイロットクラッチのインナ
プレートがカム機構にスプライン係合され軸方向移動可
能にされているため、パイロットクラッチが係合あるい
は離間されるとき、スプライン係合部においてパイロッ
トクラッチの移動方向とは逆方向に摩擦が生じ、この摩
擦力が伝達トルク特性にヒステリシスを生じさせるとと
もに駆動力伝達装置の応答性を悪化させる原因となって
いた。
動力伝達装置においては、パイロットクラッチのインナ
プレートがカム機構にスプライン係合され軸方向移動可
能にされているため、パイロットクラッチが係合あるい
は離間されるとき、スプライン係合部においてパイロッ
トクラッチの移動方向とは逆方向に摩擦が生じ、この摩
擦力が伝達トルク特性にヒステリシスを生じさせるとと
もに駆動力伝達装置の応答性を悪化させる原因となって
いた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記の
問題に対処することにある。本発明の請求項1に係る発
明は、互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両
回転部材間に配設されて摩擦係合によりこれら両回転部
材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構と、通電に
より作動して摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ
機構と、前記メインクラッチ機構と前記パイロットクラ
ッチ機構間に位置し同パイロットクラッチ機構の摩擦係
合力を前記メインクラッチ機構に対する押圧力に変換す
るカム機構とを備えた駆動力伝達装置において、前記カ
ム機構は、前記回転部材のいずれか一方に一体回転かつ
軸方向へ移動可能に結合された第1カム部材と、前記パ
イロットクラッチ機構のクラッチプレートに一体回転可
能に保持されたボールと、前記第1カム部材とともに前
記ボールを挟持する第2カム部材とから構成されること
を特徴とするものである。
問題に対処することにある。本発明の請求項1に係る発
明は、互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両
回転部材間に配設されて摩擦係合によりこれら両回転部
材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構と、通電に
より作動して摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ
機構と、前記メインクラッチ機構と前記パイロットクラ
ッチ機構間に位置し同パイロットクラッチ機構の摩擦係
合力を前記メインクラッチ機構に対する押圧力に変換す
るカム機構とを備えた駆動力伝達装置において、前記カ
ム機構は、前記回転部材のいずれか一方に一体回転かつ
軸方向へ移動可能に結合された第1カム部材と、前記パ
イロットクラッチ機構のクラッチプレートに一体回転可
能に保持されたボールと、前記第1カム部材とともに前
記ボールを挟持する第2カム部材とから構成されること
を特徴とするものである。
【0006】また、本発明の請求項2に係る発明は、請
求項1に記載の駆動力伝達装置において、前記ボールは
前記パイロットクラッチ機構のクラッチプレートに軸方
向へ移動可能に設けられたリテーナ内で転動可能に嵌装
されていることを特徴とするものである。
求項1に記載の駆動力伝達装置において、前記ボールは
前記パイロットクラッチ機構のクラッチプレートに軸方
向へ移動可能に設けられたリテーナ内で転動可能に嵌装
されていることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の作用・効果】本発明の請求項1に係る駆動力伝
達装置においては、パイロットクラッチ機構が摩擦係合
したとき、この摩擦係合力の増減によりカム機構が作動
してボールが転がる。そしてこのボールの転がりに起因
する摩擦力がパイロットクラッチ機構を構成するクラッ
チプレートの移動方向に作用するので、駆動力伝達装置
の応答性が向上するとともに伝達トルク特性のヒステリ
シスが低減される。
達装置においては、パイロットクラッチ機構が摩擦係合
したとき、この摩擦係合力の増減によりカム機構が作動
してボールが転がる。そしてこのボールの転がりに起因
する摩擦力がパイロットクラッチ機構を構成するクラッ
チプレートの移動方向に作用するので、駆動力伝達装置
の応答性が向上するとともに伝達トルク特性のヒステリ
シスが低減される。
【0008】また、本発明の請求項2に係る駆動力伝達
装置においては、ボールとリテーナとの摩擦力によりリ
テーナが移動し得るようになっている。このため、パイ
ロットクラッチ機構を構成するクラッチプレートの移動
がスムーズに行われ、上記の作用効果がより顕著にな
る。
装置においては、ボールとリテーナとの摩擦力によりリ
テーナが移動し得るようになっている。このため、パイ
ロットクラッチ機構を構成するクラッチプレートの移動
がスムーズに行われ、上記の作用効果がより顕著にな
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る第1の実施の形
態を図面に基づいて説明する。当該駆動力伝達装置10
は、図1に示すように、FF(フロントエンジン・フロ
ントドライブ)ベースの四輪駆動車における後輪側への
駆動力伝達経路に配設される。
態を図面に基づいて説明する。当該駆動力伝達装置10
は、図1に示すように、FF(フロントエンジン・フロ
ントドライブ)ベースの四輪駆動車における後輪側への
駆動力伝達経路に配設される。
【0010】当該四輪駆動車において、トランスアクス
ル21はトランスミッションとトランスファを一体に備
えているもので、エンジン22の駆動力をフロントデフ
ァレンシャル23を介して両アクスルシャフト24aに
出力して前輪24bを駆動させるとともに、第1プロペ
ラシャフト25に出力する。第1プロペラシャフト25
は、駆動力伝達装置10を介して第2プロペラシャフト
26に連結しており、これら両プロペラシャフト25,
26がトルク伝達可能に連結された場合には、駆動力は
リアデファレンシャル27に伝達され、同デファレンシ
ャル27から両アクスルシャフト28aへ出力されて両
後輪28bを駆動させる。
ル21はトランスミッションとトランスファを一体に備
えているもので、エンジン22の駆動力をフロントデフ
ァレンシャル23を介して両アクスルシャフト24aに
出力して前輪24bを駆動させるとともに、第1プロペ
ラシャフト25に出力する。第1プロペラシャフト25
は、駆動力伝達装置10を介して第2プロペラシャフト
26に連結しており、これら両プロペラシャフト25,
26がトルク伝達可能に連結された場合には、駆動力は
リアデファレンシャル27に伝達され、同デファレンシ
ャル27から両アクスルシャフト28aへ出力されて両
後輪28bを駆動させる。
【0011】しかして、駆動力伝達装置10は、図2に
示すように、外側回転部材であるアウタハウジング10
a、内側回転部材であるインナシャフト10b、メイン
クラッチ機構10c、パイロットクラッチ機構10d、
およびカム機構10eを備えている。
示すように、外側回転部材であるアウタハウジング10
a、内側回転部材であるインナシャフト10b、メイン
クラッチ機構10c、パイロットクラッチ機構10d、
およびカム機構10eを備えている。
【0012】アウタハウジング10aは、有底筒状のケ
ース部11aと、ケース部11aの開口部に螺着されて
同開口部を液密的に覆蓋するカバー体11bとからなる
ものである。ケース部11aはアルミ合金等の非磁性体
にて形成されていている。また、カバー体11bは、鉄
系材料等の磁性体にて形成された磁性部位11b1,1
1b3と、両磁性部位11b1,11b3の径方向の中
間部に筒状のステンレス等の非磁性体にて形成された非
磁性部位11b2とを溶接して一体的に構成されてい
る。ケース部11aの先端部には、第1プロペラシャフ
ト25の後端部がトルク伝達可能に連結される。
ース部11aと、ケース部11aの開口部に螺着されて
同開口部を液密的に覆蓋するカバー体11bとからなる
ものである。ケース部11aはアルミ合金等の非磁性体
にて形成されていている。また、カバー体11bは、鉄
系材料等の磁性体にて形成された磁性部位11b1,1
1b3と、両磁性部位11b1,11b3の径方向の中
間部に筒状のステンレス等の非磁性体にて形成された非
磁性部位11b2とを溶接して一体的に構成されてい
る。ケース部11aの先端部には、第1プロペラシャフ
ト25の後端部がトルク伝達可能に連結される。
【0013】 インナシャフト10bは、カバー体11
bの中央部を液密的に貫通してアウタハウジング10a
内に挿入されていて、軸方向の移動を規制された状態で
ケース部11aとカバー体11bに回転可能に支持され
ている。インナシャフト10bには、第2プロペラシャ
フト26の先端部が挿入されてトルク伝達可能に連結さ
れる。
bの中央部を液密的に貫通してアウタハウジング10a
内に挿入されていて、軸方向の移動を規制された状態で
ケース部11aとカバー体11bに回転可能に支持され
ている。インナシャフト10bには、第2プロペラシャ
フト26の先端部が挿入されてトルク伝達可能に連結さ
れる。
【0014】メインクラッチ機構10cは、湿式多板式
の摩擦クラッチであって多数のクラッチプレート(イン
ナクラッチプレート12a、アウタクラッチプレート1
2b)を備えていて、ケース部11aの奥壁側に配設さ
れている。摩擦クラッチを構成する各インナクラッチプ
レート12aは、インナシャフト10bの外周にスプラ
イン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、各
アウタクラッチプレート12bは、アウタハウジング1
0aのケース部11aの内周にスプライン嵌合して軸方
向へ移動可能に組付けられている。各インナクラッチプ
レート12aと各アウタクラッチプレート12bとは交
互に位置して、互いに当接して摩擦係合するとともに、
互いに離間して自由状態になる。
の摩擦クラッチであって多数のクラッチプレート(イン
ナクラッチプレート12a、アウタクラッチプレート1
2b)を備えていて、ケース部11aの奥壁側に配設さ
れている。摩擦クラッチを構成する各インナクラッチプ
レート12aは、インナシャフト10bの外周にスプラ
イン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、各
アウタクラッチプレート12bは、アウタハウジング1
0aのケース部11aの内周にスプライン嵌合して軸方
向へ移動可能に組付けられている。各インナクラッチプ
レート12aと各アウタクラッチプレート12bとは交
互に位置して、互いに当接して摩擦係合するとともに、
互いに離間して自由状態になる。
【0015】パイロットクラッチ機構10dは、電磁石
13、摩擦クラッチ14、およびアーマチャ15を備え
ている。電磁石13は環状を呈しているもので、電磁コ
イル13aと同電磁コイル13aを支持するヨーク13
bとから構成されている。電磁石13は、カバー体11
bの環状凹所11b4内にて、同カバー体11bとの間
にわずかな隙間を設定して回転可能に組付けられてい
る。
13、摩擦クラッチ14、およびアーマチャ15を備え
ている。電磁石13は環状を呈しているもので、電磁コ
イル13aと同電磁コイル13aを支持するヨーク13
bとから構成されている。電磁石13は、カバー体11
bの環状凹所11b4内にて、同カバー体11bとの間
にわずかな隙間を設定して回転可能に組付けられてい
る。
【0016】摩擦クラッチ14は、複数のクラッチプレ
ート(インナクラッチプレート14a,アウタクラッチ
プレート14b)からなる。各インナクラッチプレート
14aは、図3に示すように、その内周縁部に丸穴14
a1が等角度間隔に6個設けられており、これらの各丸
穴14a1内に円筒状のリテーナ16が軸方向へ移動可
能に組付けられている。また、各アウタクラッチプレー
ト14bは、アウタハウジング10aのケース部11a
の内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付け
られている。各インナクラッチプレート14aと各アウ
タクラッチプレート14bとは交互に位置して、互いに
当接して摩擦係合するとともに、互いに離間して自由状
態になる。
ート(インナクラッチプレート14a,アウタクラッチ
プレート14b)からなる。各インナクラッチプレート
14aは、図3に示すように、その内周縁部に丸穴14
a1が等角度間隔に6個設けられており、これらの各丸
穴14a1内に円筒状のリテーナ16が軸方向へ移動可
能に組付けられている。また、各アウタクラッチプレー
ト14bは、アウタハウジング10aのケース部11a
の内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付け
られている。各インナクラッチプレート14aと各アウ
タクラッチプレート14bとは交互に位置して、互いに
当接して摩擦係合するとともに、互いに離間して自由状
態になる。
【0017】各インナクラッチプレート14aおよび各
アウタクラッチプレート14bには、磁束の短絡を防止
するため、周方向に延びる長孔が周方向に所定間隔を保
持して複数形成されている。これらの長孔は、カバー体
11bの非磁性部位11b2の先端面に対向し得る位置
にある。
アウタクラッチプレート14bには、磁束の短絡を防止
するため、周方向に延びる長孔が周方向に所定間隔を保
持して複数形成されている。これらの長孔は、カバー体
11bの非磁性部位11b2の先端面に対向し得る位置
にある。
【0018】アーマチャ15は環状を呈するもので、ア
ウタハウジング10aのケース部11aの内周にスプラ
イン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられていて、摩
擦クラッチ14を挟んでカバー体11bに対向して位置
している。
ウタハウジング10aのケース部11aの内周にスプラ
イン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられていて、摩
擦クラッチ14を挟んでカバー体11bに対向して位置
している。
【0019】図2、図3および図5に示すように、カム
機構10eは、第1カム部材であるピストン19、第2
カム部材であるスラストプレート17、および、ボール
18から構成されている。ボール18は、インナクラッ
チプレート14aの丸穴14a1に軸方向へ移動可能に
設けられたリテーナ16内に転動可能に嵌装されてい
て、両カム部材(ピストン19およびスラストプレート
17)間で挟持されている。スラストプレート17はそ
の端面に環状のボール溝17aが形成されており、ピス
トン19はその端面に等角度間隔にカム溝19aが形成
されていて、ボール18はこれら両溝17a,19a間
に挟持されている。
機構10eは、第1カム部材であるピストン19、第2
カム部材であるスラストプレート17、および、ボール
18から構成されている。ボール18は、インナクラッ
チプレート14aの丸穴14a1に軸方向へ移動可能に
設けられたリテーナ16内に転動可能に嵌装されてい
て、両カム部材(ピストン19およびスラストプレート
17)間で挟持されている。スラストプレート17はそ
の端面に環状のボール溝17aが形成されており、ピス
トン19はその端面に等角度間隔にカム溝19aが形成
されていて、ボール18はこれら両溝17a,19a間
に挟持されている。
【0020】ここで、スラストプレート17は、カバー
体11bとの間に介在されたスラストベアリング20に
軸方向へ規制された状態で回転可能に支持されている。
また、ピストン19は、インナシャフト10bの外周に
スプライン嵌合されて一体回転可能、かつ、メインクラ
ッチ機構10cを押圧可能に組付けられている。なお、
カム機構10eはその組付け後、両カム部材19,17
間でリテーナ16が軸方向へ移動できるように、リテー
ナ16の軸方向寸法が両カム部材19,17間の軸方向
クリアランスよりも小さく設定されている。
体11bとの間に介在されたスラストベアリング20に
軸方向へ規制された状態で回転可能に支持されている。
また、ピストン19は、インナシャフト10bの外周に
スプライン嵌合されて一体回転可能、かつ、メインクラ
ッチ機構10cを押圧可能に組付けられている。なお、
カム機構10eはその組付け後、両カム部材19,17
間でリテーナ16が軸方向へ移動できるように、リテー
ナ16の軸方向寸法が両カム部材19,17間の軸方向
クリアランスよりも小さく設定されている。
【0021】なお、電磁石13の電磁コイル13aへの
通電は、アクセル開度、車速、差動回転数、舵角等の信
号を取り込み、車両の走行状態に応じて電流値を制御し
ている。また、運転者がスイッチ操作により後述する各
駆動モードに切り換え得るようにしてもよい。この場
合、スイッチは車室内の運転席の近傍に配設される。
通電は、アクセル開度、車速、差動回転数、舵角等の信
号を取り込み、車両の走行状態に応じて電流値を制御し
ている。また、運転者がスイッチ操作により後述する各
駆動モードに切り換え得るようにしてもよい。この場
合、スイッチは車室内の運転席の近傍に配設される。
【0022】かかる構成の駆動力伝達装置10において
は、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石1
3の電磁コイル13aへの通電がなされていない場合に
は磁路は形成されず、摩擦クラッチ14は非係合状態に
ある。このため、パイロットクラッチ機構10dは非作
動の状態にあって、カム機構10eを構成するリテーナ
16は、ボール18を介してピストン19と一体回転可
能であり、メインクラッチ機構10cは非作動の状態に
ある。このため、車両は二輪駆動の駆動モードを構成す
る。
は、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石1
3の電磁コイル13aへの通電がなされていない場合に
は磁路は形成されず、摩擦クラッチ14は非係合状態に
ある。このため、パイロットクラッチ機構10dは非作
動の状態にあって、カム機構10eを構成するリテーナ
16は、ボール18を介してピストン19と一体回転可
能であり、メインクラッチ機構10cは非作動の状態に
ある。このため、車両は二輪駆動の駆動モードを構成す
る。
【0023】一方、電磁石13の電磁コイル13aへ通
電されると、パイロットクラッチ機構10dには磁路が
形成されて、電磁石13はアーマチャ15を吸引する。
このため、アーマチャ15は摩擦クラッチ14を押圧し
て摩擦係合させ、パイロットクラッチ機構10dにパイ
ロットトルクが発生する。この結果、リテーナ16およ
びボール18とピストン19との間に相対回転が生じて
カム機構10eが作動する。
電されると、パイロットクラッチ機構10dには磁路が
形成されて、電磁石13はアーマチャ15を吸引する。
このため、アーマチャ15は摩擦クラッチ14を押圧し
て摩擦係合させ、パイロットクラッチ機構10dにパイ
ロットトルクが発生する。この結果、リテーナ16およ
びボール18とピストン19との間に相対回転が生じて
カム機構10eが作動する。
【0024】ここで、図6、図7および図8に基づき、
カム機構10eの作動について説明する。これらの図に
おいては、リテーナ16、ボール18およびピストン1
9に形成されたカム溝19aの斜面を模式的に示してい
る。
カム機構10eの作動について説明する。これらの図に
おいては、リテーナ16、ボール18およびピストン1
9に形成されたカム溝19aの斜面を模式的に示してい
る。
【0025】図6では、ボール18がカム溝19aの斜
面を転がらず静止している状態を示している。このとき
カム溝19aの斜面には、パイロットトルクにより発生
する力aがリテーナ16およびボール18を介して、図
中下側に作用している。この力aは、法線方向にボール
18がカム溝19aの斜面を押す力bを発生させる。そ
してこの力bの軸方向分力がカム推力cとして作用し、
このカム推力cとメインクラッチ機構10dのクラッチ
プレート12a,12bの剛性による反力Pとがつり合
っている。つまり、 P=c=a/tanθ のとき、ボール18はカム溝19aに対し静止してい
る。
面を転がらず静止している状態を示している。このとき
カム溝19aの斜面には、パイロットトルクにより発生
する力aがリテーナ16およびボール18を介して、図
中下側に作用している。この力aは、法線方向にボール
18がカム溝19aの斜面を押す力bを発生させる。そ
してこの力bの軸方向分力がカム推力cとして作用し、
このカム推力cとメインクラッチ機構10dのクラッチ
プレート12a,12bの剛性による反力Pとがつり合
っている。つまり、 P=c=a/tanθ のとき、ボール18はカム溝19aに対し静止してい
る。
【0026】図7は、図6の状態から電磁コイル13a
への通電量を大きくしてパイロットトルクが大きくなっ
た状態を示している。このときボール18がカム溝19
aの斜面を転がり、ピストン19はメインクラッチ機構
10cを押圧する。通電量の増加にともない、図7
(a)に示すように、パイロットトルクにより発生する
力a’(=a+Δa)が増加し、これにより、ボール1
8がカム溝19aの斜面を押す力b’、および、カム推
力c’が増加する。そして、図7(b)に示すように、
メインクラッチ機構10dのクラッチプレート12a,
12bの剛性による反力Pとカム推力c’との間にアン
バランスが生じ、これらが等しくなる位置まで、ボール
18が転がることとなる。ここで、 P=a/tanθ’=(a’−Δa)/tanθ’ c’=a’/tanθ’ であるから、軸方向の力のアンバランス量は、 c’−P=Δa/tanθ’ となる。このc’−Pのカム溝19aの斜面方向分力が
ボール18を転がすモーメントTを発生させ、ボール1
8の転がりによって、ボール18とリテーナ16との間
に摩擦力Fが発生する。この摩擦力Fは、図中右向き、
すなわち、パイロットクラッチ機構10dを係合させる
方向に作用する。
への通電量を大きくしてパイロットトルクが大きくなっ
た状態を示している。このときボール18がカム溝19
aの斜面を転がり、ピストン19はメインクラッチ機構
10cを押圧する。通電量の増加にともない、図7
(a)に示すように、パイロットトルクにより発生する
力a’(=a+Δa)が増加し、これにより、ボール1
8がカム溝19aの斜面を押す力b’、および、カム推
力c’が増加する。そして、図7(b)に示すように、
メインクラッチ機構10dのクラッチプレート12a,
12bの剛性による反力Pとカム推力c’との間にアン
バランスが生じ、これらが等しくなる位置まで、ボール
18が転がることとなる。ここで、 P=a/tanθ’=(a’−Δa)/tanθ’ c’=a’/tanθ’ であるから、軸方向の力のアンバランス量は、 c’−P=Δa/tanθ’ となる。このc’−Pのカム溝19aの斜面方向分力が
ボール18を転がすモーメントTを発生させ、ボール1
8の転がりによって、ボール18とリテーナ16との間
に摩擦力Fが発生する。この摩擦力Fは、図中右向き、
すなわち、パイロットクラッチ機構10dを係合させる
方向に作用する。
【0027】図8は、図6の状態から電磁コイル13a
への通電量を小さくしてパイロットトルクが小さくなっ
た状態を示している。このとき通電量の減少にともな
い、図8(a)に示すように、図中下向きに作用するパ
イロットトルクにより発生する力a”(=a−Δa)が
減少し、これにより、ボール18がカム溝19aの斜面
を押す力b”、および、カム推力c”が減少する。そし
て、図8(b)に示すように、クラッチプレート12
a,12bの剛性による反力Pがカム推力c”に打ち勝
ってボール18を転がし、ボール18とリテーナ16と
の間に摩擦力Fが図中左向き(パイロットクラッチを離
間する方向)に発生する。
への通電量を小さくしてパイロットトルクが小さくなっ
た状態を示している。このとき通電量の減少にともな
い、図8(a)に示すように、図中下向きに作用するパ
イロットトルクにより発生する力a”(=a−Δa)が
減少し、これにより、ボール18がカム溝19aの斜面
を押す力b”、および、カム推力c”が減少する。そし
て、図8(b)に示すように、クラッチプレート12
a,12bの剛性による反力Pがカム推力c”に打ち勝
ってボール18を転がし、ボール18とリテーナ16と
の間に摩擦力Fが図中左向き(パイロットクラッチを離
間する方向)に発生する。
【0028】この結果、メインクラッチ機構10cは摩
擦クラッチ14の摩擦係合力に応じて摩擦係合して、ア
ウタハウジング10aとインナシャフト10bとの間の
トルク伝達を行う。このため車両は、電磁石13の電磁
コイル13aへの印加電流の値に応じて、両プロペラシ
ャフト25,26間が非結合状態〜直結状態の間でトル
ク伝達可能な四輪駆動の駆動モードを構成する。
擦クラッチ14の摩擦係合力に応じて摩擦係合して、ア
ウタハウジング10aとインナシャフト10bとの間の
トルク伝達を行う。このため車両は、電磁石13の電磁
コイル13aへの印加電流の値に応じて、両プロペラシ
ャフト25,26間が非結合状態〜直結状態の間でトル
ク伝達可能な四輪駆動の駆動モードを構成する。
【0029】また、電磁石13の電磁コイル13aへの
印加電流を所定の値に高めると、アーマチャ15は強く
吸引されて摩擦クラッチ14の摩擦係合力を増大させ、
リテーナ16とピストン19との間の相対回転を増大さ
せる。この結果、ボール18は、ピストン19に対する
押圧力を高めてメインクラッチ機構10cを結合状態と
する。このため、車両は両プロペラシャフト25,26
が直結した四輪駆動の駆動モードを構成する。
印加電流を所定の値に高めると、アーマチャ15は強く
吸引されて摩擦クラッチ14の摩擦係合力を増大させ、
リテーナ16とピストン19との間の相対回転を増大さ
せる。この結果、ボール18は、ピストン19に対する
押圧力を高めてメインクラッチ機構10cを結合状態と
する。このため、車両は両プロペラシャフト25,26
が直結した四輪駆動の駆動モードを構成する。
【0030】しかして、当該駆動力伝達装置10におい
ては、図6、図7および図8に示すように、ボール18
およびリテーナ16間の摩擦力Fがパイロットクラッチ
機構10dの移動方向に作用するため、駆動力伝達装置
10の伝達トルク特性の応答性が向上するとともにその
ヒステリシスが低減される。
ては、図6、図7および図8に示すように、ボール18
およびリテーナ16間の摩擦力Fがパイロットクラッチ
機構10dの移動方向に作用するため、駆動力伝達装置
10の伝達トルク特性の応答性が向上するとともにその
ヒステリシスが低減される。
【0031】次に、本発明に係る第2の実施の形態を図
面に基づいて説明する。当該駆動力伝達装置10は、第
1の実施の形態と同様、図1に示すように、四輪駆動車
における後輪側への駆動力伝達経路中(第1プロペラシ
ャフト25と第2プロペラシャフト26との間)に配設
されている。
面に基づいて説明する。当該駆動力伝達装置10は、第
1の実施の形態と同様、図1に示すように、四輪駆動車
における後輪側への駆動力伝達経路中(第1プロペラシ
ャフト25と第2プロペラシャフト26との間)に配設
されている。
【0032】しかして、駆動力伝達装置10は、図9に
示すように、外側回転部材であるアウタハウジング10
a、内側回転部材であるインナシャフト10b、摩擦ク
ラッチであるメインクラッチ機構10c、および同メイ
ンクラッチ機構10cを押圧する押圧力発生手段10f
を備えて差動回転数に応じたトルクを伝達するよう構成
されていて、さらにロック手段10gとしてパイロット
クラッチ機構10dおよびカム機構10eを備えてい
る。
示すように、外側回転部材であるアウタハウジング10
a、内側回転部材であるインナシャフト10b、摩擦ク
ラッチであるメインクラッチ機構10c、および同メイ
ンクラッチ機構10cを押圧する押圧力発生手段10f
を備えて差動回転数に応じたトルクを伝達するよう構成
されていて、さらにロック手段10gとしてパイロット
クラッチ機構10dおよびカム機構10eを備えてい
る。
【0033】アウタハウジング10aは、有底の筒状の
アウタケース11aと、アウタケース11aの一端開口
部に螺着されて同開口部を覆蓋するカバー体11bから
なるもので、インナシャフト10bはカバー体11bの
中央部を液密的に貫通してアウタケース11a内に延び
ていて、軸方向の移動を規制された状態で回転可能に支
持されている。アウタハウジング10aにおけるアウタ
ケース11aの先端部には第1プロペラシャフト25が
トルク伝達可能に連結され、かつインナシャフト10b
にはその内孔内に挿入された第2プロペラシャフト26
がトルク伝達可能に連結される。
アウタケース11aと、アウタケース11aの一端開口
部に螺着されて同開口部を覆蓋するカバー体11bから
なるもので、インナシャフト10bはカバー体11bの
中央部を液密的に貫通してアウタケース11a内に延び
ていて、軸方向の移動を規制された状態で回転可能に支
持されている。アウタハウジング10aにおけるアウタ
ケース11aの先端部には第1プロペラシャフト25が
トルク伝達可能に連結され、かつインナシャフト10b
にはその内孔内に挿入された第2プロペラシャフト26
がトルク伝達可能に連結される。
【0034】メインクラッチ機構10cは、多数枚のク
ラッチディスク12aとクラッチプレート12bを備え
た湿式多板の摩擦クラッチで、各クラッチディスク12
aはインナシャフト10bの外周側にスプライン嵌合し
て軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ各クラッチプレ
ート12bはアウタケース11aの内周側にスプライン
嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられている。各クラ
ッチディスク12aと各クラッチプレート12bとは交
互に位置していて、互いに当接して摩擦係合するととも
に互いに離間して自由状態となる。
ラッチディスク12aとクラッチプレート12bを備え
た湿式多板の摩擦クラッチで、各クラッチディスク12
aはインナシャフト10bの外周側にスプライン嵌合し
て軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ各クラッチプレ
ート12bはアウタケース11aの内周側にスプライン
嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられている。各クラ
ッチディスク12aと各クラッチプレート12bとは交
互に位置していて、互いに当接して摩擦係合するととも
に互いに離間して自由状態となる。
【0035】押圧力発生手段10fは、ピストン10f
1、ロータ10f2、および流体室Rに封入された高粘
性流体からなるもので、ピストン10f1はアウタハウ
ジング10a内にて、インナシャフト10bの外周に液
密的に回転可能で軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ
アウタケース11aに対しては液密的に軸方向へ移動可
能でかつ一体回転可能に組付けられている。ピストン1
0f1は、この状態でアウタケース11aの奥壁の内側
面に設けた凹所を流体室Rに形成している。
1、ロータ10f2、および流体室Rに封入された高粘
性流体からなるもので、ピストン10f1はアウタハウ
ジング10a内にて、インナシャフト10bの外周に液
密的に回転可能で軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ
アウタケース11aに対しては液密的に軸方向へ移動可
能でかつ一体回転可能に組付けられている。ピストン1
0f1は、この状態でアウタケース11aの奥壁の内側
面に設けた凹所を流体室Rに形成している。
【0036】ロータ10f2は、径方向へ延びる複数の
突出部を有するもので、インナシャフト10bの外周に
固定された状態で流体室Rに収容されている。
突出部を有するもので、インナシャフト10bの外周に
固定された状態で流体室Rに収容されている。
【0037】ロック手段10gは、パイロットクラッチ
機構10d、カム機構10e、およびピストン19から
構成されている。ここでは、ロック手段10gについて
は、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。パ
イロットクラッチ機構10dを構成する電磁石13の電
磁コイル13aは、運転席近傍に配設されたon−of
fスイッチに接続されていて、通常(off)は通電が
遮断され、スイッチ操作(on)によりメインクラッチ
機構10cを完全に結合したロック状態とするのに必要
な所定の電流が流れるようになっている。
機構10d、カム機構10e、およびピストン19から
構成されている。ここでは、ロック手段10gについて
は、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。パ
イロットクラッチ機構10dを構成する電磁石13の電
磁コイル13aは、運転席近傍に配設されたon−of
fスイッチに接続されていて、通常(off)は通電が
遮断され、スイッチ操作(on)によりメインクラッチ
機構10cを完全に結合したロック状態とするのに必要
な所定の電流が流れるようになっている。
【0038】これにより、パイロットクラッチ機構10
dにおいては、電磁石13の電磁コイル13aに通電さ
れた場合には、ヨーク13b、摩擦クラッチ14、およ
びアーマチャ15間に磁界が発生して、アーマチャ15
および摩擦クラッチ14は磁気誘導作用により電磁石1
3側に吸引され、カム機構10eの作用によってピスト
ン19がメインクラッチ機構10cを押圧し、メインク
ラッチ機構10cがロック状態となる。なお、カム機構
10eは、第1の実施の形態と同様のもので、図3およ
び図4に示されている。
dにおいては、電磁石13の電磁コイル13aに通電さ
れた場合には、ヨーク13b、摩擦クラッチ14、およ
びアーマチャ15間に磁界が発生して、アーマチャ15
および摩擦クラッチ14は磁気誘導作用により電磁石1
3側に吸引され、カム機構10eの作用によってピスト
ン19がメインクラッチ機構10cを押圧し、メインク
ラッチ機構10cがロック状態となる。なお、カム機構
10eは、第1の実施の形態と同様のもので、図3およ
び図4に示されている。
【0039】かかる構成の駆動力伝達装置10において
は、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石1
3の電磁コイル13aが非通電状態にある場合には、摩
擦クラッチ14およびアーマチャ15は自由状態にあっ
て、カム機構10eのリテーナ16はボール18を介し
てインナシャフト10bに一体回転可能な状態にあり、
摩擦クラッチ14およびカム機構10eはそれらの機能
を規制された状態にある。
は、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石1
3の電磁コイル13aが非通電状態にある場合には、摩
擦クラッチ14およびアーマチャ15は自由状態にあっ
て、カム機構10eのリテーナ16はボール18を介し
てインナシャフト10bに一体回転可能な状態にあり、
摩擦クラッチ14およびカム機構10eはそれらの機能
を規制された状態にある。
【0040】従って、当該駆動力伝達装置10を搭載し
た車両において、両プロペラシャフト25,26間に差
動回転が発生し、これに起因してアウタハウジング10
aとインナシャフト10b間に相対回転が発生した場合
には、押圧力発生手段10fを構成するロータ10f2
は流体室R内でアウタハウジング10aに対して相対回
転して、流体室R内には両プロペラシャフト25,26
間の差動回転速度に応じた押圧力が発生する。この押圧
力はピストン10f1を押圧してメインクラッチ機構1
0cに伝達され、メインクラッチ機構10cは差動回転
速度に応じて摩擦係合する。
た車両において、両プロペラシャフト25,26間に差
動回転が発生し、これに起因してアウタハウジング10
aとインナシャフト10b間に相対回転が発生した場合
には、押圧力発生手段10fを構成するロータ10f2
は流体室R内でアウタハウジング10aに対して相対回
転して、流体室R内には両プロペラシャフト25,26
間の差動回転速度に応じた押圧力が発生する。この押圧
力はピストン10f1を押圧してメインクラッチ機構1
0cに伝達され、メインクラッチ機構10cは差動回転
速度に応じて摩擦係合する。
【0041】このため、第1プロペラシャフト25は、
アウタハウジング10a、メインクラッチ機構10c、
インナシャフト10bを介して第2プロペラシャフト2
6に連結され、第1プロペラシャフト25から第2プロ
ペラシャフト26へ差動回転速度に応じたトルクが伝達
される。
アウタハウジング10a、メインクラッチ機構10c、
インナシャフト10bを介して第2プロペラシャフト2
6に連結され、第1プロペラシャフト25から第2プロ
ペラシャフト26へ差動回転速度に応じたトルクが伝達
される。
【0042】一方、当該駆動力伝達装置10において
は、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石1
3の電磁コイル13aに通電すると、ヨーク13b、摩
擦クラッチ14、およびアーマチャ15間に磁界が発生
して、アーマチャ15および摩擦クラッチ14は磁気誘
導作用により電磁石13側に吸引される。この結果、摩
擦クラッチ14は摩擦係合してナット部材16をアウタ
ケース11a側に連結し、リテーナ16とピストン19
とを相対回転可能な状態とする。これにより、カム機構
10eは有効に機能する。
は、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石1
3の電磁コイル13aに通電すると、ヨーク13b、摩
擦クラッチ14、およびアーマチャ15間に磁界が発生
して、アーマチャ15および摩擦クラッチ14は磁気誘
導作用により電磁石13側に吸引される。この結果、摩
擦クラッチ14は摩擦係合してナット部材16をアウタ
ケース11a側に連結し、リテーナ16とピストン19
とを相対回転可能な状態とする。これにより、カム機構
10eは有効に機能する。
【0043】従って、当該駆動力伝達装置10を搭載し
た車両において、両プロペラシャフト25,26間に差
動回転が発生し、これに起因してアウタハウジング10
aとインナシャフト10b間に相対回転が発生した場合
には、押圧力発生手段10fでは押圧力が発生する。こ
のとき電磁石13の電磁コイル13aに通電すると、ロ
ック手段10gにおいても押圧力が発生する。
た車両において、両プロペラシャフト25,26間に差
動回転が発生し、これに起因してアウタハウジング10
aとインナシャフト10b間に相対回転が発生した場合
には、押圧力発生手段10fでは押圧力が発生する。こ
のとき電磁石13の電磁コイル13aに通電すると、ロ
ック手段10gにおいても押圧力が発生する。
【0044】すなわち、ロック手段10gにおいては、
アウタハウジング10aとインナシャフト10b間に相
対回転が発生すると、摩擦クラッチ14の摩擦係合力に
よりリテーナ16およびピストン19間に相対回転が発
生してカム機構10eを作動させ、ピストン19をメイ
ンクラッチ機構10c側へ押圧する。この結果、メイン
クラッチ機構10cは、押圧力発生手段10fにて発生
する押圧力と、これとは反対側に位置するロック手段1
0gにて発生する押圧力とにより、両側から強く押圧さ
れて強固に摩擦係合されて完全に結合したロック状態と
なる。
アウタハウジング10aとインナシャフト10b間に相
対回転が発生すると、摩擦クラッチ14の摩擦係合力に
よりリテーナ16およびピストン19間に相対回転が発
生してカム機構10eを作動させ、ピストン19をメイ
ンクラッチ機構10c側へ押圧する。この結果、メイン
クラッチ機構10cは、押圧力発生手段10fにて発生
する押圧力と、これとは反対側に位置するロック手段1
0gにて発生する押圧力とにより、両側から強く押圧さ
れて強固に摩擦係合されて完全に結合したロック状態と
なる。
【0045】従って、当該駆動力伝達装置10において
は、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石1
3の電磁コイル13aに通電することによりロック手段
10gを有効状態とし、両プロペラシャフト25,26
間に差動回転が発生した場合には、メインクラッチ機構
10cを瞬時にロック状態として車両を完全な四輪駆動
状態に構成して、車両の脱輪状態からの脱出、悪路走
行、砂地走行等の過酷な走行条件下での走行性能を向上
させることができる。このため、過酷な状態に遭遇した
場合には、車両をこの過酷な走行条件に適した走行性能
に容易に切換えることができる。また、当該駆動力伝達
装置10においては、on−offスイッチのスイッチ
操作により、前後輪間の差動回転速度に応じたトルクを
伝達する四輪駆動状態から完全な四輪駆動状態に切り換
えるように構成しているので、高価な制御装置を必要と
しない。
は、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石1
3の電磁コイル13aに通電することによりロック手段
10gを有効状態とし、両プロペラシャフト25,26
間に差動回転が発生した場合には、メインクラッチ機構
10cを瞬時にロック状態として車両を完全な四輪駆動
状態に構成して、車両の脱輪状態からの脱出、悪路走
行、砂地走行等の過酷な走行条件下での走行性能を向上
させることができる。このため、過酷な状態に遭遇した
場合には、車両をこの過酷な走行条件に適した走行性能
に容易に切換えることができる。また、当該駆動力伝達
装置10においては、on−offスイッチのスイッチ
操作により、前後輪間の差動回転速度に応じたトルクを
伝達する四輪駆動状態から完全な四輪駆動状態に切り換
えるように構成しているので、高価な制御装置を必要と
しない。
【0046】次に、本発明に係る第3の実施の形態を図
面に基づいて説明する。第3の実施の形態は、図10お
よび図11に示すように、第1および第2の実施の形態
とはカム機構10eおよびその周辺部のみが相異してお
り、ここではこの相異点を説明し、その他の構成の説明
は省略する。
面に基づいて説明する。第3の実施の形態は、図10お
よび図11に示すように、第1および第2の実施の形態
とはカム機構10eおよびその周辺部のみが相異してお
り、ここではこの相異点を説明し、その他の構成の説明
は省略する。
【0047】第3の実施の形態では、リテーナ16は円
盤状に形成されていて、その外周が摩擦クラッチ14の
各インナクラッチプレート14aの内周とスプライン連
結するようになっている。また、リテーナ16には丸穴
16aが等角度間隔かつ軸方向に複数個形成されてい
て、各丸穴16a内にはボール18が転動可能に嵌装さ
れている。なお、リテーナ16の内周は、インナシャフ
ト10bに対し回転可能にされている。
盤状に形成されていて、その外周が摩擦クラッチ14の
各インナクラッチプレート14aの内周とスプライン連
結するようになっている。また、リテーナ16には丸穴
16aが等角度間隔かつ軸方向に複数個形成されてい
て、各丸穴16a内にはボール18が転動可能に嵌装さ
れている。なお、リテーナ16の内周は、インナシャフ
ト10bに対し回転可能にされている。
【0048】各ボール18は、第1カム部材であるピス
トン19および第2カム部材であるスラストプレート1
7に挟持されている。第1および第2の実施の形態では
カム溝19aが第1カム部材(ピストン19)にのみ形
成されていたが、ここでは両カム部材(ピストン19お
よびスラストプレート17)にカム溝19a,17aが
形成され、両カム溝19a,17a間にてボール18が
挟持されている。また、カム機構10eはその組付け
後、両カム部材19,17間でリテーナ16が軸方向へ
移動できるように、リテーナ16の軸方向寸法が両カム
部材19,17間の軸方向クリアランスよりも小さく設
定されている。なお、カム機構10eの作用は、第1お
よび第2の実施の形態と同様であるので、ここではその
説明を省略する。
トン19および第2カム部材であるスラストプレート1
7に挟持されている。第1および第2の実施の形態では
カム溝19aが第1カム部材(ピストン19)にのみ形
成されていたが、ここでは両カム部材(ピストン19お
よびスラストプレート17)にカム溝19a,17aが
形成され、両カム溝19a,17a間にてボール18が
挟持されている。また、カム機構10eはその組付け
後、両カム部材19,17間でリテーナ16が軸方向へ
移動できるように、リテーナ16の軸方向寸法が両カム
部材19,17間の軸方向クリアランスよりも小さく設
定されている。なお、カム機構10eの作用は、第1お
よび第2の実施の形態と同様であるので、ここではその
説明を省略する。
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装
置を搭載した車両の概略説明図である。
置を搭載した車両の概略説明図である。
【図2】同駆動力伝達装置の断面図である。
【図3】同駆動力伝達装置のパイロットクラッチ機構を
構成するインナクラッチプレート、リテーナおよびボー
ルの正面図である。
構成するインナクラッチプレート、リテーナおよびボー
ルの正面図である。
【図4】同駆動力伝達装置の部分拡大断面図である。
【図5】同駆動力伝達装置における図4のA−A断面図
である。
である。
【図6】同駆動力伝達装置におけるカム機構の作用図で
ある。
ある。
【図7】同駆動力伝達装置におけるカム機構の作用図で
ある。
ある。
【図8】同駆動力伝達装置におけるカム機構の作用図で
ある。
ある。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る駆動力伝達装
置の断面図である。
置の断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る駆動力伝達
装置の部分拡大断面図である。
装置の部分拡大断面図である。
【図11】同駆動力伝達装置のリテーナの正面図であ
る。
る。
10…駆動力伝達装置、10a…アウタハウジング、1
0b…インナシャフト、10c…メインクラッチ機構、
10d…パイロットクラッチ機構、10e…カム機構、
10f…押圧力発生手段、10f1…ピストン、10f
2…ロータ、R…流体室、10g…ロック手段、11a
…ケース部、11b…カバー体、12a…インナクラッ
チプレート、12b…アウタクラッチプレート、13…
電磁石、13a…電磁コイル、14…摩擦クラッチ、1
4a…インナクラッチプレート、14b…アウタクラッ
チプレート、14a1…丸穴、15…アーマチャ、16
…リテーナ、16a…丸穴、17…スラストプレート
(第2カム部材)、17a…カム溝、18…ボール、1
9…ピストン(第1カム部材)、19a…カム溝、20
…スラストベアリング、21…トランスアクスル、22
…エンジン、23…フロントデファレンシャル、24a
…アクスルシャフト、24b…前輪、25…第1プロペ
ラシャフト、26…第2プロペラシャフト、27…リア
デファレンシャル、28b…後輪。
0b…インナシャフト、10c…メインクラッチ機構、
10d…パイロットクラッチ機構、10e…カム機構、
10f…押圧力発生手段、10f1…ピストン、10f
2…ロータ、R…流体室、10g…ロック手段、11a
…ケース部、11b…カバー体、12a…インナクラッ
チプレート、12b…アウタクラッチプレート、13…
電磁石、13a…電磁コイル、14…摩擦クラッチ、1
4a…インナクラッチプレート、14b…アウタクラッ
チプレート、14a1…丸穴、15…アーマチャ、16
…リテーナ、16a…丸穴、17…スラストプレート
(第2カム部材)、17a…カム溝、18…ボール、1
9…ピストン(第1カム部材)、19a…カム溝、20
…スラストベアリング、21…トランスアクスル、22
…エンジン、23…フロントデファレンシャル、24a
…アクスルシャフト、24b…前輪、25…第1プロペ
ラシャフト、26…第2プロペラシャフト、27…リア
デファレンシャル、28b…後輪。
Claims (2)
- 【請求項1】互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する
内外両回転部材間に配設されて摩擦係合によりこれら両
回転部材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構と、
通電により作動して摩擦係合する電磁式のパイロットク
ラッチ機構と、前記メインクラッチ機構と前記パイロッ
トクラッチ機構間に位置し同パイロットクラッチ機構の
摩擦係合力を前記メインクラッチ機構に対する押圧力に
変換するカム機構とを備えた駆動力伝達装置において、
前記カム機構は、前記回転部材のいずれか一方に一体回
転かつ軸方向へ移動可能に結合された第1カム部材と、
前記パイロットクラッチ機構のクラッチプレートに一体
回転可能に保持されたボールと、前記第1カム部材とと
もに前記ボールを挟持する第2カム部材とから構成され
ることを特徴とする駆動力伝達装置。 - 【請求項2】請求項1に記載の駆動力伝達装置におい
て、前記ボールは前記パイロットクラッチ機構のクラッ
チプレートに軸方向へ移動可能に設けられたリテーナ内
で転動可能に嵌装されていることを特徴とする駆動力伝
達装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11096907A JP2000291688A (ja) | 1999-04-02 | 1999-04-02 | 駆動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11096907A JP2000291688A (ja) | 1999-04-02 | 1999-04-02 | 駆動力伝達装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000291688A true JP2000291688A (ja) | 2000-10-20 |
Family
ID=14177443
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11096907A Pending JP2000291688A (ja) | 1999-04-02 | 1999-04-02 | 駆動力伝達装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000291688A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113374805A (zh) * | 2020-02-21 | 2021-09-10 | 丰田自动车株式会社 | 车辆用电磁离合器 |
-
1999
- 1999-04-02 JP JP11096907A patent/JP2000291688A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113374805A (zh) * | 2020-02-21 | 2021-09-10 | 丰田自动车株式会社 | 车辆用电磁离合器 |
| CN113374805B (zh) * | 2020-02-21 | 2023-01-13 | 丰田自动车株式会社 | 车辆用电磁离合器 |
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