JP2000291736A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JP2000291736A
JP2000291736A JP11102837A JP10283799A JP2000291736A JP 2000291736 A JP2000291736 A JP 2000291736A JP 11102837 A JP11102837 A JP 11102837A JP 10283799 A JP10283799 A JP 10283799A JP 2000291736 A JP2000291736 A JP 2000291736A
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JP11102837A
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Kaoru Tamachi
薫 玉地
Manabu Inaba
学 稲葉
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DAIDO SEIMITSU KOGYO KK
Obayashi Corp
Original Assignee
DAIDO SEIMITSU KOGYO KK
Obayashi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型・軽量化を可能とし、特に高さを低くし
て装置機能の安定性の改善を図ると共にコストの低減を
図るようにした免震装置を提供する。 【解決手段】 滑り板2上に複数の支承体3を介して水
平方向に移動自在に載置された支持台4の滑り板2に対
する原点位置を規定する少なくとも2つの原点復帰支持
部材5、5’と、滑り板2と支持台4との間に介在さ
れ、一端が原点復帰支持部材5、5’に垂直に固定さ
れ、他端が支持台4に設けられたガイド部材6、6’を
介して支持台4の滑り板2と対向する面に沿って配索さ
れたワイヤ7、7’と、ワイヤ7、7’の他端と支持台
4との間に介在されてワイヤ7、7’に張力を付与し、
支持台4を原点位置に復帰させる張力付与手段10、1
0’とを備えた構成としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免震装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】地震の際に載置台に載置された仏像等の
美術品や工芸品、精密機械、薬液槽、薬品棚等の転倒を
防止するための免震装置として例えば、特願昭61−7
6122号に開示されたものがある。この免震装置は、
設置面に固定された下板に対して摺動自在であり被載置
物が載置される上板と、これら両板の間に張架され、両
板の相対的な変位に伴い所定のループ形状を変形するワ
イヤ部材と、前記変位を元に戻す方向への付勢手段と、
変位量を小さくする変位量減少手段とを設けた構成とし
たものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記免
震装置は、構造が複雑であり、部品点数が多く、コスト
が高いという問題がある。また、構造上装置の高さが高
くなり、且つ装置全体が大型となり、小型の被載置物に
は不向きである等の問題もある。本発明は、上述の点に
鑑みてなされたもので、小型・軽量化を可能とし、特に
高さを低くして装置機能の安定性の改善を図ると共にコ
ストの低減を図るようにした免震装置を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、請求項1では、設置面に固定された
滑り板上に複数の支承体を介して水平方向に移動自在に
支持台を載置し、前記滑り板の水平方向の揺れに応じて
前記支持台を移動させて前記支持台に載置した被載置物
の揺れを低減する免震装置において、前記滑り板又は支
持台の何れか一方に設けられ、前記支持台の前記滑り板
に対する原点位置を規定する少なくとも2つの原点復帰
支持部材と、前記滑り板と支持台との間に介在され、一
端が前記原点復帰支持部材に垂直に固定され、他端が前
記滑り板又は支持台の何れか他方に設けられたガイド部
材を介して前記滑り板又は支持台の対向する面に沿って
配索されたワイヤと、前記ワイヤの他端と前記滑り板又
は支持台の何れか他方との間に介在されて前記ワイヤに
張力を付与し、前記支持台を前記原点位置に復帰させる
張力付与手段とを備えたことを特徴とする。
【0005】支持台は、支承体により滑り板の揺れに応
じて水平面内で移動可能とされており、張力付与手段に
よりワイヤを介して張力(復元力)が付与されて滑り板
の原点位置に保持されている。滑り板に水平方向の揺れ
(振動)が入力されると、支持台は、張力付与手段によ
る張力に抗して移動最大位置まで移動し、このとき、滑
り板から伝達される揺れが減衰され、被載置物の転倒が
防止される。支持台は、最大位置から前記張力付与手段
による張力により原点位置に復帰する。
【0006】請求項2の発明では、前記原点復帰支持部
材及び前記ガイド部材の前記ワイヤとの摺接部は、ワイ
ヤ径の3〜10倍の半径で面取りされていることを特徴
とする。ワイヤとの摺接部をワイヤ径の3〜10倍の半
径で面取りすることで、支持台の動きが大きいときには
大きな摺動力が作用し、支持台の動きが小さいときには
小さな摺動力が作用し、ワイヤの動きが円滑になる。
【0007】請求項3の発明では、前記張力付与手段
は、バネ部材であることを特徴とする。バネ部材は、弾
性力によりワイヤを引っ張って支持台に免震装置として
必要な減衰力を付与するとともに、支持台を原点位置に
円滑に復帰させる。請求項4の発明では、前記滑り板と
支持台との間に、前記支持台を係止し且つ前記滑り板に
大きな揺れが入力されたときに前記支持台の係止を解除
するトリガ機構が設けられていることを特徴とする。
【0008】トリガ機構は、滑り板に規定以下の入力が
されたときに支持台を係止することで、滑り板の僅かな
揺れに対する支持台の揺れを防止する。請求項5の発明
では、前記滑り板と支持台との間に、前記支持台の移動
に対して摩擦力を付与するダンパ機構が設けられている
ことを特徴とする。ダンパ機構は、支持台4の移動に対
して摩擦力を付与して急激な変化を抑えることで、被載
置物の転倒を防止する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
より詳細に説明する。図1は、本発明に係る免震装置の
平面図、図2は、図1の免震装置の作動状態を示す図で
ある。図1及び図2に示すように、免震装置1は、滑り
板2、滑り板2上に支承体例えば、転がり支承体3を介
して載置された支持台4、滑り板2に固定され、支持台
4の滑り板2に対する原点位置を規定する2つの原点復
帰支持点としての原点復帰支持部材であるワイヤ固定部
材5、5’、支持台4にワイヤ固定部材5、5’と対応
して固定されたワイヤガイド6、6’、支持台4とワイ
ヤ固定部材5、5’との間に介在されたワイヤ7、
7’、支持台4に設けられ、ワイヤ7、7’の配索方向
を転換する配索方向転換手段としてのガイドローラ8、
8’、9、9’、及びワイヤ7、7’に原点位置方向へ
の張力を付与する張力付与手段としてのコイルスプリン
グ10、10’等により構成されている。ワイヤガイド
6、ガイドローラ8、9及びワイヤガイド6’、ガイド
ローラ8’、9’により夫々ガイド部材が構成される。
【0010】図3及び図4に示すように、滑り板2は、
正方形状の厚板で例えば、耐銹性を有するステンレス部
材とされており、設置面としての床面に固定されてい
る。支持台4は、滑り板2よりも小さい正方形状の厚板
で例えば、透明なアクリル樹脂部材等の合成樹脂部材に
より構成されており、下面の四隅に固定された4個の転
がり支承体3により滑り板2上を水平面内で全方向(3
60°)に移動自在とされている。支持台4の下面に
は、例えば、前側の左右の転がり支承体3、3の各中心
を結ぶ直線LF上、及び後側の左右の転がり支承体3、
3の各中心を結ぶ直線LR上の各中央位置PF、PRに
ワイヤガイド6、6’が設けられている。また、支持台
4の下面には凹部4a、4bが1つの対角線の両側に当
該対角線に沿って平行に設けられていており、凹部4
a、4bの各始端にピン11、11’が垂設されてい
る。尚、小型、軽量の美術品・工芸品等を載置する場合
には、支持台4を透明な部材とすることで、保守管理等
の容易化、軽量化を図ることができる。
【0011】また、転がり支承体3と支持台4との間に
図3に2点鎖線で示すようにバネ部材例えば、皿バネ1
2を介在させることにより支持台4の上下方向の振動を
減衰させることが可能である。また、図3に示す免震装
置1を天地逆に配置する、即ち、支持台4を固定側とし
てその上面を床面等の設置面に固定し、滑り板2を載置
台とした構成としてもよい。更に、この場合、支持台4
を設置面に設けた凹部に収納し、滑り板2を設置面と僅
かな間隙を存して移動可能とするようにしてもよく、こ
のような構成とすることで、被載置物を床面等の設置面
と略同じ高さ位置に配置することができる。
【0012】図5に示すようにワイヤガイド6は、側面
視略凹型をなし、底部6aにワイヤ挿通孔6bが垂直に
穿設され、且つ下側開口端6cが所定半径R(コーナR
径)で面取りされている。ワイヤ挿通孔6bは、ワイヤ
7が僅かな間隙を存して挿通可能とされている。また、
コーナR径は、後述するようにワイヤ7の外径(ワイヤ
径)Dの3〜10倍とされている。ガイドローラ8は、
ワイヤガイド6の凹部に収納され、軸12により垂直面
内で回転自在に支持され、ワイヤ掛回用溝8aの垂直方
向の接線がワイヤ挿通孔6bの中心に位置するように、
当該ワイヤ挿通孔6bの上方に配置されている。ワイヤ
ガイド6は、ワイヤ挿通孔6bが前記中央位置PFの真
下に位置し、且つガイドローラ8の溝8aが直線LFの
真下に当該直線LFに沿って配置され、支持台4の下面
に固定されている。ワイヤガイド6’もワイヤガイド6
と同様に構成されている。
【0013】ガイドローラ9は、支持台4の下面に水平
面内で回転自在に支持され、且つ外周面に形成されてい
るワイヤ掛回用の溝9aの接線方向が、直線LFと凹部
4aの中心線と合致するように配置されている。ガイド
ローラ9’もガイドローラ9と同様に配置されている。
図1に戻り、支持台4は、滑り板2の中央位置に配置さ
れ状態が当該滑り板2に対する原点位置とされ、この原
点位置において滑り板の原点(中心)Oに支持台4の中
心O’が一致している。そして、滑り板2には、支持台
4が原点位置に位置している状態において、図3に示す
ようにワイヤガイド6のワイヤ挿通孔6bの真下位置に
ワイヤ固定部材5が僅かな間隙を存して設けられてい
る。
【0014】図5に示すようにワイヤ固定部材5は、頭
部5aと軸部5bの中心を貫通してワイヤ挿通孔5cが
穿設されており、上部開口端5dが前記所定半径Rで面
取りされている。そして、ワイヤ7の一端がワイヤ挿通
孔5cに挿通され、且つ強固に固定されている。このワ
イヤ固定部材5は、軸部5bが滑り板2に穿設された孔
2aに嵌合固定されている。
【0015】ワイヤ7は、ワイヤ固定部材5のワイヤ挿
通孔5cから垂直に上方に延出してワイヤガイド6のワ
イヤ挿通孔6bを挿通し、ガイドローラ8に掛回されて
水平方向に方向転換され、図4に示すように支持台4の
下面に沿って側方中央に向かって延出し、ガイドローラ
9に掛回されて凹部4aに延出し、他端部が当該凹部4
a内に収納されているコイルスプリング10の一端に固
定される。コイルスプリング10の他端は、ピン11に
係止されている。ワイヤ7は、コイルスプリング10に
より矢印A方向に張力を付与されて引っ張られている。
ガイドローラ8、9によりワイヤ7の方向変換機構が構
成されている。ワイヤ固定部材5’、ワイヤ7’、コイ
ルスプリング10’についても同様である。
【0016】コイルスプリング10、10’は、支持台
4の被載置物の重量、免震装置1の免震周期に応じて最
適なものが選定される。そして、コイルスプリング1
0、10’のばね力を最適値に設定することで、地震等
における変位(揺れ)に良好に対応させることが可能と
なる。尚、コイルスプリング10、10’は、凹部4
a、4bに必ずしも収納する必要はないが、巻径が大き
い場合にはその半分(半径)程度凹部4a、4bに収納
することで、滑り板2からの支持台4の高さを低くする
ことが可能となる。即ち、免震装置1の高さを大幅に低
く(約50cm位)することができる。
【0017】図6に示すように滑り板2と支持台4との
間には、トリガ機構15が設けられてる。このトリガ機
構15は、滑り板2の揺れが規定値以下のときには支持
台4を静止状態に保持し、規定値を超えたときには支持
台4を移動可能即ち、当該免震装置1を作動可能とする
もので、例えば、合成樹脂部材により形成されたトリガ
ピン16により構成されている。トリガピン16は、支
持台4が滑り板2の原点位置にある状態において下端が
滑り板2の穴2eに嵌合され、上端が支持台4の孔4e
に嵌合されて滑り板2に支持台4を係止している。トリ
ガピン16は、滑り板2の揺れが規定値よりも大きくな
ると折れて支持台4の移動を可能とする。
【0018】これにより、支持台4が小さな振動により
変位することが防止される。尚、トリガピン16の適宜
箇所にノッチ16aを設け、当該ノッチ16aの箇所で
折れるようにすることで、リセットする際に折れ片の穴
2eからの取り出しが容易となり、トリガピン16の交
換が容易となる。このようにして滑り板2上に支持台4
が載置され、ワイヤ固定部材5、5’、ワイヤガイド
6、6’、ワイヤ7、7’、ガイドローラ8、8’、
9、9’及びコイルスプリング10、10’が、滑り板
2の原点Oに対して原点対称に配置されている。また、
ワイヤ7、7’及びコイルスプリング10、10’を支
持台4の対角線上(45°)に配置したことで、最長と
することが可能となる。即ち、図4は、支持台4の最大
可動距離に応じて最もコンパクトな部品の取付配置を示
している。
【0019】ところで、支持台4が図1に示す原点位置
から図2に示す最大変位位置まで変位する間に、何れの
転がり支承体3も滑り板2のワイヤ固定部材5、5’と
干渉しないことが必要である。図1に示すように、ワイ
ヤ固定部材5、5’の取付位置は、支持台4を滑り板2
の原点位置に保持した状態において、滑り板2の原点位
置Oよりも最も遠く、各転がり支承体3から最も遠い位
置であることが必要である。従って、図1に示す実施例
では、ワイヤ固定部材5、5’は、左右の転がり支承体
3、3の中間位置にあり、且つその間隔(距離)が図2
に示す支持台4の最大変位量よりも長いことである。
【0020】そこで、図1に示すように支持台4が滑り
板2の原点位置に位置しているときの各転がり支承体3
とワイヤ固定部材(原点復帰支持部材)5との間隔L
を、図2に示すように支持台4が最大距離移動したとき
の移動距離Lmよりも大きく設定してある。これによ
り、転がり支承体3が滑り板2上を転動する際にワイヤ
固定部材5、5’と干渉することが防止される。
【0021】次に、図5に示すワイヤ固定部材5のワイ
ヤ挿通孔5cの開口端5d、及びワイヤガイド6のワイ
ヤ挿通孔6bの開口端6cに設けた各面取りR即ち、コ
ーナR径について説明する。 (1)一般的な特性として、免震装置1は、コーナR径
の大小によって支持台4の動きと関連して以下のことが
いえる。 イ.R径が小さいときには、 1)R径が小さすぎると、ワイヤ7が摩耗、損傷しやす
い。 2)支持台4の動きが大きいときにはワイヤ7の摺動抵
抗が大きくなり、当該支持台4が動き難くなる。 3)支持台4の動きが小さいときには、ワイヤ7の追随
がスムーズである。 4)支持台4が原点位置に復帰する際にワイヤ7のブレ
が小さいために原点に戻り易い。 ロ.R径が大きいとき 1)支持台4が原点位置に復帰する際にワイヤ7のブレ
が大きいために原点に戻り難い。 2)支持台4の動きが大きいときには、ワイヤ7の追随
がスムーズである。 (2)コーナR径の適正範囲 ワイヤ7の安全率、原点復帰性と支持台4が変位1mm以
内に復帰する条件で、コーナR径の適正範囲を図7に示
す。図7において、横軸にコーナR径(ワイヤ径Dの倍
数)を、縦軸にワイヤの安全率(=107疲労強度/発生
応力)及び原点復帰性(=1/(摺動抵抗/復元力))
をとると、ワイヤ安全率は直線Iのように変化し、原点
復帰性は、曲線IIのように変化する。この特性図から明
らかなように、ワイヤ7が破断しない領域で、且つ原点
復帰が変位1mm以内に入る範囲を満足するコーナR径の
範囲は、3D〜10Dとなる。
【0022】以下に作用を説明する。図1に示すように
滑り板2が静止しているときには、支持台4は、当該滑
り板2の原点位置に位置している。即ち、ワイヤ7、
7’がコイルスプリング10、10’により矢印A、
A’で示す互いに反対方向に引っ張られており、図5、
図8(a)に示すように一端部7a側がワイヤ固定部材
5から垂直に立ち上がってワイヤガイド6のワイヤ挿通
孔6b内を垂直に挿通し、ガイドローラ8により水平方
向に転換される。この状態において、ワイヤ7のワイヤ
固定部材5とガイドローラ8との間の長さが最小とな
る。ワイヤ7’についても同様である。ワイヤ7、7’
は、ワイヤ固定部材5、5’、ガイドローラ8、8’が
原点位置Oに対して対称位置に配置され、コイルスプリ
ング10、10’が同じ特性を有していることで、均等
な張力を受け、支持台4が原点位置に支持される。トリ
ガピン16は、支持台4を当該原点位置に保持してい
る。また、支持台4には美術品等の被載置物(図示せ
ず)が載置されている。
【0023】この状態において、例えば、地震により図
2に示すように滑り板2が矢印B方向に変位し、その大
きさが所定の大きさを超えるとトリガピン16が折れ、
支持台4を滑り板2に係止している係止力が解除され
る。支持台4は、転がり支承体3により滑り板2に対し
て全方向(360°)に水平に相対変位(移動)可能と
されており、滑り板2が矢印B方向に変位しても略静止
状態に保持される。滑り板2が矢印B方向に変位する
と、これに伴いワイヤ7、7’がコイルスプリング1
0、10’のばね力に抗して矢印B方向に引っ張られ、
図8(b)に示すようにワイヤ固定部材5とワイヤガイ
ド6との相対位置が変化する。そして、滑り板2の矢印
B方向への変位は、コイルスプリング10、10’のば
ね力により減衰されて支持台4に伝達される。
【0024】ワイヤ固定部材5、ワイヤガイド6の各ワ
イヤ挿通孔5c、6bの開口端5d、6cが半径Rで面
取りされていることで、ワイヤ7が円滑に湾曲し、且つ
ワイヤ挿通孔6b内を円滑に摺動可能となる。また、ワ
イヤ7が、ワイヤ挿通孔6bの開口端6c(コーナR)
に摺接することで、摺動抵抗が発生してブレーキ作用が
発生する。ワイヤ7’についてもワイヤ7と同様に作用
する。支持台4は、滑り板2の矢印B方向の変位が大き
くなるにつれてワイヤ7、7’が引っ張られ、図2に示
す最大変位置まで変位可能とされる。
【0025】ワイヤ7は、支持台4の変位量が大きくな
るにつれて図8(c)に示すように略水平状態近くまで
傾斜して、ワイヤ固定部材5の頭部5aの上面、及びワ
イヤガイド6のワイヤ挿通孔6bの開口端面(コーナ径
R)に当接して摺動抵抗(ブレーキ力)が大きくなる。
これにより、支持台4が図2に示す最大変位位置に近づ
くにつれて減速力も大きくなる。ワイヤ7’についても
同様である。これにより、支持台4への振動が免震され
て、即ち、地震エネルギが減衰されて被載置物の転倒が
防止される。
【0026】そして、図1及び図2に示すように支持台
4が滑り板2の原点に位置しているときの転がり各支承
体3とワイヤ固定部材5、5’との間隔Lを、支持台4
が最大距離移動したときの移動距離Lmよりも大きく設
定してあることで、各転がり支承体3が滑り板2上を転
動する際にワイヤ固定部材5、5’と干渉することが防
止される。
【0027】図2に示すように、支持台4が滑り板2に
対して最大変位位置まで相対的に変位した後、滑り板2
の矢印B方向への変位が終了すると、コイルスプリング
10、10’のばね力によりワイヤ7、7’が引っ張ら
れて、支持台4が原点位置に引き戻される。このとき、
ワイヤ7、7’がワイヤガイド6、6’のワイヤ挿通孔
6b、6b’の開口端面(コーナR)に当接しているこ
とで摺動抵抗(ブレーキ力)が大きく、支持台4の最大
変位位置から原点位置までの復帰速度が減速されて徐々
に近づき、近づくにつれて図8(b)の状態になり前記
摺動抵抗が徐々に小さくなる。滑り板2の矢印B方向以
外の他の方向への変位についても同様である。これによ
り、支持台4に載置されている被載置物の転倒等が防止
される。尚、コイルスプリング10にピストン等の空気
ブレーキを接続して、ダンパ機能を持たせるようにして
もよい。
【0028】また、支持台4は、ワイヤ7、7’及びコ
イルスプリング10、10’により張力を付与されてい
ることで、浮き上がりが防止されると共に滑り板2の上
下方向の揺れに対しても対応可能である。支持台4は、
ワイヤ固定部材5、5’が滑り板2の原点位置Oに対称
な位置に配置されており、且つ滑り板2から垂直に延出
されていることで、略元の原点位置に復帰される。支持
台4は、最終的に手動調整により原点位置に正確に復帰
された後、支持台4と滑り板2との間に新たなトリガピ
ン16が装着されて、原点位置に係止される。
【0029】図9は、本免震装置1の復元力と変位との
関係の一例を示す。図9は、横軸に滑り板2の変位(水
平方向の移動)をとり、縦軸に支持台4に水平方向に作
用する荷重とヒステリシスをとり、コーナR径を一定に
した場合の特性図である。曲線Iはスプリング10のバ
ネ張力F0、曲線IIはコーナRとワイヤ7と間に作用す
る摩擦力F’、曲線IIIは免震装置1の復元力Fx(+)
(支持台4が原点位置から離れる方向に移動するときに
当該支持台4に作用する荷重)、曲線IVは免震装置1の
復元力Fx(−)(支持台4が原点位置に近づく方向に移
動するときに当該支持台4に作用する荷重)、曲線Vは
ヒステリシス(%)を表す。
【0030】また、図10に本免震装置1の減衰特性の
実測値の一例を示す。図10において横軸は、経過時間
(sec)を、縦軸は、振幅(cm)を示す。そして、曲線
Iは、支持台4に被載置物が載置されていない「空」の
状態における支持台4の減衰特性を示し、曲線IIは、支
持台4に被載置物が載置されている「積」(約4kg)と
きの支持台4の減衰特性を示している。この特性図から
明らかなように、免震装置1は、特別のダンパ機能を付
加することなく、約7%程度の減衰が得られる。勿論、
前述したように免震装置1は、更に減衰が必要な場合に
は、ダンパ機構、ブレーキ機構等を設けることで減衰の
調整が可能である。
【0031】また、図11、図12は、本免震装置1の
水平振動の実験結果の一例を示す。図11は、水平加震
装置を示し、水平方向に振動可能な振動台50に免震装
置1を設置し、支持台4に被載置物として錘体51を載
置し、振動台50及び錘体51に夫々加速度センサ5
2、53を取り付けたものである。加速度センサ52
は、振動台50の入力加速度(gal)を検出し、加速度セ
ンサ53は、支持台4の応答加速度(gal)を検出する。
振動台50に地震波として水平方向の振動を入力させた
ときの免震装置1の測定結果を図12に示す。通常、こ
のような免震装置は、応答加速度として、200(gal)
以下が要求されるものである。この図12に示す測定結
果から明らかなように、本免震装置1においては、20
0(gal)以下の値を十分に満足しており、また、免震効
果(応答加速度/入力加速度)も1/4〜1/5と極めて優れ
た性能を示している。
【0032】ところで、支持台4に載置する被載置物の
形状及び重心の偏りに対しては良好な対応が必要であ
る。支持台4に載置する被載置物の形状は、様々であ
り、また、その重心位置も様々である。従って、支持台
4に回転モーメントを加えないためには、原点復帰支持
点は、2箇所以上必要である。また、被載置物の重心と
合成した復帰力の中心点を合わせることが必要である。
【0033】実施例では、正方形状の支持台4の四隅に
転がり支承体3を配置し、滑り板2に原点復帰支持点と
してのワイヤ固定部材5、5’を2箇所設けた構成につ
いて記述した。しかしながら、免震すべき被載置物の対
称、非対称の形状変化に伴う重心位置を考慮して、転が
り支承体やワイヤ固定部材の取付位置、取付数等を設定
することで、被載置物に最適な免震装置を構成すること
ができ、被載置物の転倒を更に良好に防止することが可
能となる。
【0034】図13は、前記被載置物の形状及び重心の
偏りに対応した原点復帰支持点の一例を示し、符号P
は、原点復帰支持点を、符号Wは、被載置物を、符号+
は、合成した復帰力の中心点を表している。図13
(a)は、前述した原点復帰支持点が2箇所の場合を、
(b)は、原点復帰支持点が3箇所の場合を示す。
(c)は、原点復帰支持点が4箇所で、支持台4に載置
する被載置物が対称形状で等荷重の場合を示し、(d)
は、長方形状の支持台とされ、原点復帰支持点が4箇所
で、支持台4に載置する被載置物が非対称形状で偏荷重
の場合を示す。また、図14は、図13(c)に示す原
点復帰支持点が4箇所の場合における支持台4の原点復
帰支持点P、コイルバネS、コイルバネSの固定点S
0、ワイヤW、及びガイドローラGRの配置の一例を示
す。
【0035】また、支持台4の滑り板2上を変位し、復
元する際に必要な減衰力及び摩擦力の大きさを変更する
ことが可能である。図15は、ガイドローラ8の取り付
け位置をワイヤ固定部材5の真上位置からずらし、即
ち、ガイドローラ8のワイヤ掛回用の溝8aの垂直方向
の接線位置をワイヤガイド6のワイヤ挿通孔6bの中心
から図4に示す直線LFに沿って中央位置PF側にずら
し、且つワイヤ挿通孔6bの上、下の開口端6c’、6
cに夫々コーナRを設けた構成としたものである。この
ような構成とすることで、ワイヤ固定部材5、ワイヤ
7、ワイヤガイド6間における摩擦力を小さくすること
ができる。ガイドローラ8’についても同様である。
【0036】図16は、ガイドローラ8と支持台4との
間にダンパ機構17を設けたもので、ダンパ部材18を
スプリング19でガイドローラ8の側面に圧接させて摩
擦力を付与し、支持台4に減衰力(ブレーキ力)を付与
するようにしたものである。尚、ガイドローラ9と支持
台4との間にダンパ機構を設けてもよい。また、ダンパ
機構17の代わりにブレーキを内蔵したガイドローラ8
又は9を使用してもよい。
【0037】図17は、滑り板2と支持台4との間にダ
ンパ機構20を設けたもので、支持台4側に設けたダン
パ部材21をスプリング22で滑り板2の滑り面(上
面)に圧接させ摩擦力を付与し、支持台4に減衰力(ブ
レーキ力)を付与するようにしたものである。図18
は、トリガ機構の他の実施例を示す。トリガ機構24
は、磁石式とされ、滑り板2側にマグネット25が、支
持台4側にマグネット26が互いに吸着可能に設けられ
ており、マグネット26は、スプリング27によりマグ
ネット25から離反する方向にバネ力を付与されてい
る。そして、スプリング27のばね力は、マグネット2
5と26との吸着力よりも小さく設定されており、マグ
ネット26がマグネット25から離反したときに支持台
4側に保持されるようになっている。また、マグネット
26にはリセットノブ28が設けられている。
【0038】滑り板2の揺れ(入力)が小さく規定値以
下の時には、マグネット26がマグネット25に吸着さ
れており、支持台4が原点位置に係止されている。滑り
板2の揺れが大きくなり規定値を超えると、マグネット
26がマグネット25から離反し、スプリング27のば
ね力で上方に引き上げられて保持される。これにより、
滑り板2と支持台4との係止が解除される。このとき、
マグネット26が上方に引き上げられていることで、滑
り板2の上面(摺動面)との接触等が防止されて滑り板
2の傷つきが防止される。
【0039】支持台4を原点位置に係止させるときに
は、マグネット25の上方にマグネット26を位置さ
せ、セットノブ28を押してスプリング27のバネ力に
抗してマグネット26を押し下げ、マグネット25に吸
着させる。これにより、滑り板2に支持台4を係止させ
ることができる。このような構成によれば、簡単に、且
つ安価にトリガ機構を構成することが可能である。
【0040】尚、上記実施例では、支持台4を正方形状
として、ワイヤ7、7’、コイルスプリング10、1
0’を対角線上(45°)に配索したがこれに限るもの
ではない。しかしながら、実施例のような構造とするこ
とでコンパクト化が図られる。また、ワイヤ7、7’に
張力を付与する手段としてコイルスプリングに限るもの
ではなく、他の張力付与手段例えば、板巻きバネ(ゼン
マイ)等を使用しても良い。
【0041】また、ワイヤ7の方向転換手段として、ガ
イドローラ8、9を使用したが、ガイドローラに代えて
支持台4に固定したピン等を使用してもよい。しかしな
がら、実施例のようにガイドローラを使用した方が、ワ
イヤの摩擦が軽減されるとともに、摩耗が防止されて好
ましい。更に、転がり支承体3と支持台4との間に皿ば
ね12等のバネ部材を介在させることで、上下方向の揺
れを更に良好に吸収して免震することが可能である。
【0042】更に、上記実施例では滑り板2側に原点復
帰支持点としてのワイヤ固定部材5、5’を、支持台4
側にワイヤガイド6、6’、ガイドローラ8、8’、
9、9’及びコイルスプリング10、10’を配置した
が、これに限るものではなく、上述と反対に、滑り板2
側にワイヤガイド6、6’、ガイドローラ8、8’、
9、9’及びコイルスプリング10、10’を、支持台
4側にワイヤ固定部材5、5’を配置してもよい。
【0043】更に、上記実施例では、小型、軽量の被載
置物を対象とした免震装置について説明したが、これに
限るものではなく、大型の構造物例えば、建築物等の免
震装置にも適用し得ることは勿論である。更に、上記実
施例では支持台4を支持するための支承体として転がり
支承体3を使用した場合について記述したが、必ずしも
転がり支承体に限るものではなく、例えば、滑り支承体
等の他の構造の支承体を使用してもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
では、構造が簡単であり、且つ小型、軽量化を図ること
ができ、特に、高さを低くすることができるために免震
装置の機能の安定性及び被載置物の安定性を向上させる
ことができる。また、コストの低減が図られる。
【0045】請求項2の発明では、ワイヤとの摺接部を
ワイヤ径の3〜10倍の半径で面取りすることで、支持
台の動きが大きいときには大きな摺動力が作用し、支持
台の動きが小さいときには小さな摺動力が作用し、ワイ
ヤの動きが円滑となり、これに伴い支持台の動きが円滑
になる。請求項3の発明では、張力付与手段をバネ部材
とすることで、免震装置として必要な減衰力を付与する
とともに、簡単な構成で支持台を円滑に原点位置に復帰
させることができる。
【0046】請求項4の発明では、滑り板と支持台との
間にトリガ機構を設けて滑り板に大きな揺れが入力され
たときに支持台を係止することで、滑り板の僅かな揺れ
に対する支持台の揺れを防止することができる。請求項
5の発明では、滑り板と支持台との間にダンパ機構を設
けることで、支持台4の急激な移動を抑えることがで
き、被載置物の転倒を良好に防止することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る免震装置の実施例を示す平面図で
ある。
【図2】図1に示す免震装置の作動を示す説明図であ
る。
【図3】図1の免震装置の正面図である。
【図4】図3の免震装置の支持台の底面図である。
【図5】図3の免震装置の原点復帰支持部材の断面図で
ある。
【図6】図1の滑り板と支持台との間に介在されるトリ
ガ機構の一例を示す説明図である。
【図7】図5に示すワイヤとガイド部材のコーナR径と
の関係を示す特性図である。
【図8】図2に示す免震装置の作動時における図5の原
点復帰支持部材の動作説明図である。
【図9】図1の免震装置の復元力と変位との関係の一例
を示す特性図である。
【図10】図1の免震装置の振動減衰特性の一例を示す
特性図である。
【図11】図1に示す免震装置を水平加震装置に設置し
た説明図である。
【図12】図11の加震装置による免震装置の測定結果
の一例を示す図である。
【図13】本発明に係る免震装置の原点復帰支持点の他
の例を示す説明図である。
【図14】原点復帰支持点を4箇所設けた場合の原点復
帰支持点、コイルバネ、ガイドローラの配置の一例を示
す図である。
【図15】図5の原点復帰支持部材とワイヤの他の実施
例を示す断面図である。
【図16】図1の支持台のダンパ機構の一例を示す説明
図である。
【図17】図1の支持台のダンパ機構の他の実施例を示
す説明図である。
【図18】図1の滑り板と支持台との間に介在されるト
リガ機構の他の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 免震装置 2 滑り板 3 転がり支承体(支承体) 4 支持台 5 ワイヤ固定部材(原点復帰支持部材) 6 ワイヤガイド 7 ワイヤ 8、9 ガイドローラ 10、10’ コイルスプリング 15、24 トリガ機構 16 トリガピン 17、20 ダンパ機構 25、26 マグネット 50 振動台 51 錘体(被載置物) 52、53 加速度センサ
フロントページの続き (72)発明者 稲葉 学 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内 Fターム(参考) 3J048 AA03 AB07 BC03 BG02 BG04 CB30 EA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 設置面に固定された滑り板上に複数の支
    承体を介して水平方向に移動自在に支持台を載置し、前
    記滑り板の水平方向の揺れに応じて前記支持台を移動さ
    せて前記支持台に載置した被載置物の揺れを低減する免
    震装置において、 前記滑り板又は支持台の何れか一方に設けられ、前記支
    持台の前記滑り板に対する原点位置を規定する少なくと
    も2つの原点復帰支持部材と、 前記滑り板と支持台との間に介在され、一端が前記原点
    復帰支持部材に垂直に固定され、他端が前記滑り板又は
    支持台の何れか他方に設けられたガイド部材を介して前
    記滑り板又は支持台の対向する面に沿って配索されたワ
    イヤと、 前記ワイヤの他端と前記滑り板又は支持台の何れか他方
    との間に介在されて前記ワイヤに張力を付与し、前記支
    持台を前記原点位置に復帰させる張力付与手段とを備え
    たことを特徴とする免震装置。
  2. 【請求項2】 前記原点復帰支持部材及び前記ガイド部
    材の前記ワイヤとの摺接部は、ワイヤ径の3〜10倍の
    半径で面取りされていることを特徴とする請求項1に記
    載の免震装置。
  3. 【請求項3】 前記張力付与手段は、バネ部材であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
  4. 【請求項4】 前記滑り板と支持台との間に、前記支持
    台を係止し且つ前記滑り板に大きな揺れが入力されたと
    きに前記支持台の係止を解除するトリガ機構が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の免震装
    置。
  5. 【請求項5】 前記滑り板と支持台との間に、前記支持
    台の移動に対して摩擦力を付与するダンパ機構が設けら
    れていることを特徴とする請求項1乃至4に記載の免震
    装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023039638A (ja) * 2021-09-09 2023-03-22 株式会社竹中工務店 建設構造体の交換・補強方法

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