JP2000292626A - プラスチック光ファイバの製造方法および製造装置 - Google Patents

プラスチック光ファイバの製造方法および製造装置

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JP2000292626A
JP2000292626A JP11098211A JP9821199A JP2000292626A JP 2000292626 A JP2000292626 A JP 2000292626A JP 11098211 A JP11098211 A JP 11098211A JP 9821199 A JP9821199 A JP 9821199A JP 2000292626 A JP2000292626 A JP 2000292626A
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Atsushi Okumura
淳 奥村
Shinji Kake
伸二 掛
Toshinori Sumi
敏則 隅
Masaji Okamoto
正司 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラスチック光ファイバに均質な加熱延伸処理
を施して伝送特性や機械特性、およびその均質性に優
れ、かつファイバ径変動が小さい、高品質のプラスチッ
ク光ファイバを提供する。 【解決手段】紡糸後のプラスチック光ファイバ1に対し
て加熱延伸を施す際に、多段の加熱延伸手段9,10,
11を備えた加熱延伸装置を用いて、加熱延伸工程をn
段(n≧3)連続して行うとともに、各加熱延伸工程に
おける延伸倍率を後段へゆくにしたがって順次小さくす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチック光ファ
イバを製造する際に均質な加熱延伸を行うことによって
各種特性の向上および均質化を図ることができるように
したプラスチック光ファイバの製造方法および装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック光ファイバは石英系光ファ
イバに対して大口径、安価、および端面加工や取り扱い
の容易性などの長所を有しており、ライティング、セン
サー、通信用としてOA,FA機器間配線などの分野で
使用されている。実用化されているプラスチック光ファ
イバの大部分はポリメタクリル酸メチルを芯材料とした
芯鞘構造の光ファイバであり、その工業的製造プロセス
としては、複合ノズルを用いて芯材ポリマーと鞘材ポリ
マーを同心円状に配置し、溶融複合紡糸することでファ
イバ状に賦形し、次いで機械的特性を向上させることを
目的として加熱下で延伸処理を行うのが一般的である。
【0003】このようなプラスチック光ファイバの製造
プロセスにおいては、これまでにさまざまな提案がなさ
れており、延伸工程についてもファイバ径斑の低減、機
械特性の向上、各種特性の均質化の観点から多くの提案
がなされている。例えば特開昭63−289707号公
報では赤外線加熱による延伸方法、特開昭63−303
304号公報では炉内での延伸領域の固定化と、炉内滞
在時間の適正化を行う方法、特開平2−68503号公
報では炉出口で冷却風を巻き込む方法、特開平5−11
128号公報では加熱炉中の加熱気体の流線変更により
ファイバとの熱交換を促進する方法がそれぞれ開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような提案をもってしても、得られたファイバ特性及び
その均質性は十分でなく不満が残るものであった。本発
明の目的は伝送特性や機械特性、およびその均質性に優
れ、かつファイバ径変動が小さい、高品質のプラスチッ
ク光ファイバを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、プラスチ
ック光ファイバの延伸方法とその特性について種々の検
討を行った結果、多段による延伸操作を行うことで特性
ならびに均質性に優れたファイバが得られることを見出
し、本発明に至った。すなわち本発明のプラスチック光
ファイバの製造方法は、プラスチック光ファイバに対し
て加熱延伸処理を施す際に、それぞれ延伸倍率が1.1
倍以上の加熱延伸工程を2段に分けて行うとともに、加
熱延伸工程における延伸倍率を後段へいくにしたがって
順次小さくすることを特徴とするものである。あるい
は、プラスチック光ファイバに対して加熱延伸を施す際
に、加熱延伸工程をn段(n≧3)に分けて行うととも
に、各加熱延伸工程における延伸倍率を後段へいくにし
たがって順次小さくすることを特徴とするものである。
【0006】本発明の製造方法において、加熱延伸前を
基準とする全段の加熱延伸工程終了後の総延伸倍率
(X)と、1段目の加熱延伸工程における延伸倍率(X
1)および最終段の加熱延伸工程における延伸倍率(X
n)との間に、 1+(X−1)/n≦X1≦1+(X−1)/2、かつ 1.1≦Xn≦1+(X−1)/n なる関係が成り立つように延伸倍率を設定することが好
ましい。前記プラスチック光ファイバの芯材が、メタク
リル酸メチルからなる構造単位を50mol%以上含む
重合体で形成されていることが好ましい。
【0007】本発明のプラスチック光ファイバ製造装置
は、プラスチック光ファイバを加熱延伸する加熱延伸手
段と該加熱延伸手段における延伸倍率を制御する手段と
を備えた延伸ユニットがn個(n≧2)配置された加熱
延伸装置を備え、前記各延伸ユニットでの延伸倍率が後
段へゆくにしたがって順次小さく設定されていることを
特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明におけるプラスチック光ファイバ(以下、
単に光ファイバ又はファイバということもある)は、光
伝送に寄与する部分がプラスチックにより構成されてい
る光ファイバであればよく、芯鞘構造のSI型や、屈折
率分布を有するGI型、階段状の屈折率分布を有するも
の等、その断面においていかなる屈折率プロファイルを
有していてもよい。また、このような屈折率プロファイ
ルを有する島部、または芯のみからなり屈折率分布を有
さない島部の複数個を、共通の海材により互いに隔てら
れた状態で集合させて形成されるマルチコア光ファイバ
であってもよい。
【0009】プラスチック光ファイバを構成する素材は
特に限定されるものではなく公知のものを用いることが
できるが、溶融紡糸によりファイバ状に賦形できるもの
を使用することが好ましい。SI型光ファイバを製造す
る場合、伝送特性に優れたファイバを得るためには、芯
材としてメタクリル酸メチルを50mol%以上含む重
合体を用いることが好ましく、特に、メタクリル酸メチ
ルを95mol%以上含む重合体を芯材として使用し、
鞘材としてフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン
共重合体あるいは、フッ素化(メタ)アクリレート/メ
タクリル酸メチル共重合体を用いることが好ましい。ま
た、SI型、GI型、もしくは階段状の屈折率分布を有
するプラスチック光ファイバ、又はマルチコア光ファイ
バ等の外周部にフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチ
レン共重合体、フッ素化(メタ)アクリレート/メタク
リル酸メチル共重合体、ポリフッ化ビニリデンとポリメ
タクリル酸メチルのブレンドポリマー、ポリメタクリル
酸メチル、またはポリカーボネート等のプラスチック材
料からなる保護層を形成してもよい。
【0010】図1は本発明において好ましく用いられる
多段式の加熱延伸装置の例を示した概略構成図である。
図中符号1は紡糸により得られたプラスチック光ファイ
バである。本発明においては紡糸により製造された光フ
ァイバを使用することが好ましいが、必ずしもこれに限
定されるものではない。この例の装置は、第1の加熱延
伸手段9、第2の加熱延伸手段10、および第3の加熱
延伸手段11を備えた3段の加熱延伸装置である。また
第1の加熱延伸手段9の前段および後段にはそれぞれニ
ップロール2,4が設けられており、これらで第1段目
の延伸ユニットが構成されている。さらに第1の加熱延
伸手段9の後段のニップロール4は第2の加熱延伸手段
10へのファイバ供給手段を兼ねており、第2段目の延
伸ユニットは、第2の加熱延伸手段10とその前段およ
び後段にそれぞれ配されているニップロール4,6とで
構成されている。同様に第3段目の延伸ユニットは、第
3の加熱延伸手段11とその前段および後段にそれぞれ
配されているニップロール6,8とで構成される。この
ように構成された加熱延伸装置に紡糸後のプラスチック
光ファイバを導入させることによって、プラスチック光
ファイバに対して3段の加熱延伸工程が連続して施され
る。
【0011】また、この例の加熱延伸装置は3段の延伸
ユニットを備えているが、本発明では2段以上であれば
任意の段数の延伸ユニットを設けることができる。本発
明において、延伸ユニットを3段以上とすると、後述す
るファイバの糸斑低減効果および機械特性向上効果がよ
り一層向上するので、延伸ユニットすなわち加熱延伸工
程の段数は3段以上とすることが好ましい。この段数を
増やすほど特性が良好なファイバが得られるが、製造装
置が複雑化したり、段数の増加に伴う特性改善効果が小
さくなることから、実際の実施においては、加熱延伸工
程の段数は、加熱延伸前のファイバ長と全段の加熱延伸
工程終了後のファイバ長とから算出される延伸倍率、す
なわち総延伸倍率(X)の2倍(2X)程度以下に設定
することが好適である。例えば、総延伸倍率2倍の延伸
を行う場合は3段または4段、多くても5段程度とし、
また総延伸倍率3倍の延伸を行う場合は3〜6段、多く
ても7段程度とするのが好ましい。
【0012】本発明において加熱延伸手段9,10,1
1は、プラスチック光ファイバ1を加熱延伸できる加熱
延伸炉であればよく、その形状や加熱方法について特に
限定されるものではない。例えばこれまでにプラスチッ
ク光ファイバや各種プラスチック繊維状物用加熱炉とし
て提案されている各種の加熱延伸炉から適宜選択するこ
とが可能である。特にプラスチック光ファイバに対して
不活性な加熱媒体を用い、かつ非接触の加熱方式による
加熱延伸炉であれば、光ファイバに対して傷、こすれな
どによる物理的ダメージを与えないので好ましい。好ま
しい加熱媒体の具体例としては加熱空気、加熱窒素、加
圧蒸気などが挙げられる。また加熱媒体の炉内への導入
方法についても特に制限はなく、ファイバの進行方向に
対して向流あるいは、並流、直交流いずれの方法でもよ
く、装置構成を鑑みて好適な導入方法を選択すればよ
い。図1の例では、加熱延伸手段9,10,11として
熱風発生・循環装置3,5,7をそれぞれ備えた直交流
式の加熱延伸炉が用いられている。
【0013】また、各加熱延伸手段9,10,11の両
側には一定速度でプラスチック光ファイバを加熱延伸手
段9,10,11へ供給する機構および加熱延伸手段
9,10,11から引き取る機構がそれぞれ設けられ
る。このような供給、引き取り機構としては例えば、ニ
ップロール、ゴデットロール、ネルソンロール等の駆動
ロールを好適に使用することができる。図1の例ではニ
ップロール2,4,6,8が用いられている。そして、
これらの駆動ロール(ニップロール2,4,6,8)を
制御して各加熱延伸手段9,10,11へのファイバ1
の供給速度および引き取り速度を決定することにより、
各延伸ユニットにおけるプラスチック光ファイバ1の延
伸倍率が決まる。例えば、k段目の延伸ユニットにおけ
るファイバの供給速度を(Vkin)、引き取り速度を
(Vkout)としたとき、 Vkout>Vkinで
あり、このk段めの延伸ユニットでの延伸倍率(Xk)
はXk=Vkout/Vkinと表わされる。またk段
目の延伸ユニットにおける引き取り速度と次の(k+
1)段目の延伸ユニットにおける供給速度は等しいの
で、加熱延伸前の光ファイバに対してn段の加熱延伸を
施した後の最終延伸倍率(X)はX=Vnout/V1
inと表わされる( Vnoutは最終段における引き
取り速度、V1inは1段目における供給速度である
)。
【0014】本発明においては多段に加熱延伸を行う際
に、各延伸ユニットにおける延伸倍率が後段へいくにし
たがって順次小さくなるように設定することが重要であ
る。延伸倍率を順次低下させつつ多段の延伸を行うこと
で、前段の加熱延伸過程で生じたファイバ径斑や、加熱
炉中の温度斑に起因する高分子鎖の高次構造のばらつき
を、次段の加熱延伸過程で緩和させ、より均質化させつ
つ延伸することが可能となり、優れた特性と均質性を併
せ持つプラスチック光ファイバを得ることができる。一
般的なプラスチックの延伸では延伸倍率、あるいは変形
倍率が大きいほど、高分子の高次構造のばらつきは大き
くなる。このため後段で前段より大きな倍率の延伸を施
そうとすると、前段の構造のばらつきを緩和させるどこ
ろか、より大きな構造のばらつきを与えてしまう。ま
た、前段に比べて延伸倍率を小さくすることで、延伸と
同時に緊張下で緩和処理を行うことが可能となる。プラ
スチック光ファイバの芯材として用いられるポリメタク
リル酸メチル等の非晶性高分子の場合、非緊張下、すな
わち弛緩下、あるいは定長で加熱して緩和させた場合、
それまで施されていた分子鎖の配向までもが緩和してし
まい、ファイバの機械特性の低下を生じてしまうが、緊
張下で加熱して緩和させることで分子鎖の配向を保ちつ
つ、高分子鎖の構造のばらつきを緩和することが可能と
なる。分子鎖の配向を十分に保ちつつ、高分子鎖の構造
のばらつきを緩和するためには、各延伸ユニットにおけ
る延伸倍率は1.07倍以上とすることが好ましく、
1.1倍以上とすることがさらに好ましい。加熱延伸工
程の段数を2段とする場合は、各延伸ユニットにおける
延伸倍率は、1.1倍以上とされる。
【0015】また本発明において、1段目の加熱延伸工
程における延伸倍率(X1)と総延伸倍率(X)との間
に、 1+(X−1)/n≦X1≦1+(X−1)/2 なる関係があることが好ましい。 X1>1+(X−
1)/2では、1段目の延伸倍率が大きいため、2段目
以降での緩和が不十分となり、ファイバの特性向上効果
が低下するおそれがある。また、1+(X−1)/n>
X1では段数が多くなり、装置が複雑化するおそれが
ある。また、最終段における延伸倍率(Xn)と総延伸
倍率(X)との間に、 1.1≦Xn≦1+(X−1)/n なる関係があることが好ましい。 Xn>1+(X−
1)/nでは高分子構造のばらつきが残りファイバ特性
の均質性が低下し、1.1>Xnでは延伸により施され
た分子鎖の配向の保存性が低下するおそれがある。
【0016】例えば、図1に示す3段の延伸ユニットを
備えた装置を用いて、紡糸後のプラスチック光ファイバ
に総延伸倍率2倍の加熱延伸処理を施す場合には、上記
の条件を満たす具体的な延伸倍率の値として、1段目の
延伸ユニットにおける延伸倍率をX1=1.4、2段目
の延伸ユニットにおける延伸倍率をX2=1.25、3
段目の延伸ユニットにおける延伸倍率をX3=1.14
と設定することができる。また総延伸倍率3倍、延伸ユ
ニット5段の場合には、例えばX1=1.43、X2=
1.27、X3=1.22、X4=1.18、X5=
1.15と設定することができる。このような各段にお
けるファイバの延伸倍率を実現するためには延伸炉の両
側に設けたファイバの供給、引き取り装置の速度比を操
作すればよい。また、各段の延伸温度の設定について
は、特に限定されるものでなく、全段同温度でもよく、
各段の温度が異なっていてもよい。延伸による糸斑増加
抑制、分子配向の保存性の観点からは、後段になるに従
って徐々に温度が低くなるように設定するのが好まし
い。
【0017】
【実施例】以下、具体的な実施例を示して本発明の効果
を明らかにする。 (実施例1)芯材としてポリメタクリル酸メチル、鞘材
としてメタクリル酸トリフルオロエチル/メタクリル酸
パーフルオロオクチルエチル/メタクリル酸メチル3元
共重合体(共重合組成50/30/20重量%)、保護
材としてフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共
重合体(共重合組成80/20mol%)をそれぞれ用
い、これらの樹脂を同心円状複合ノズルに供給して、2
25℃にて芯/鞘/保護の3層ファイバ状に溶融紡糸し
た。引き続き、紡糸したファイバを図1に示す3段の延
伸ユニットを備えた加熱延伸装置に供給して、総延伸倍
率2倍の加熱延伸処理を施した。各段の延伸ユニットに
おける延伸条件(加熱条件および延伸倍率)は下記表1
に示す通りに設定した。最終段の延伸ユニットにおいて
は30m/minの速度で巻き取り、芯・鞘・保護から
なる3層構造のプラスチック光ファイバを作製した。得
られたプラスチック光ファイバについて、レーザー外径
測定機を用いてファイバ径を測定した。その結果、ファ
イバ径の平均は1002μm、ファイバ径斑変動は±
8.8μmであり、波長650nmにおける伝送損失
(25m−5mカットバック法、入射NA=0.1)は
135dB/kmであった。またこのファイバの長さ1
00m毎に30点サンプリングし、吊り下げ状態で90
℃乾熱50時間でのファイバの軸方向の熱収縮率測定、
引張試験機による破断強度測定を実施し、ファイバ特性
とその均質性を評価した。その結果を表2に示す。この
表において熱収縮率と破断強度は上記30点の測定値の
平均とばらつきを示している。次いで、このプラスチッ
ク光ファイバにポリエチレンによる被覆を施し、ケーブ
ル径2.2mmのプラスチック光ファイバケーブルを製
造した。この光ファイバケーブルを2本の端面の半径が
15mmの円筒状物で挟持し、光ファイバケーブルの一
端に500gの重りを取り付け、他端を円筒状物側面に
沿って、両円筒状物側に90度づつ合計180度光ファ
イバケーブルを屈曲させる繰り返し屈曲破断試験を行
い、光ファイバケーブルが破断するまでの屈曲回数を測
定した。この結果を表2に併せて示す。
【0018】(実施例2、3、4および比較例1、2)
上記実施例1において、プラスチック光ファイバの構成
および加熱延伸条件を下記表1に示す通りに変更し、他
は実施例1と同様にしてプラスチック光ファイバを作製
した。また得られたファイバについて実施例1と同様に
して特性およびその均質性を評価した。その結果を下記
表2に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】表1および表2の結果より、加熱延伸の段
数が2段と少なく、かつ最終段の延伸倍率が小さい比較
例1、および3段の加熱延伸を行う際に各段での延伸倍
率を順次大きくした比較例2は、実施例1〜4に比べ
て、得られたプラスチック光ファイバのファイバ径変動
が大きく、伝送特性、機械的特性およびその均質性も劣
っていた。特に比較例2ではファイバ径の変動と破断強
度のばらつきが大きく、繰り返し屈曲特性が劣ってい
た。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明のプラスチッ
ク光ファイバの製造方法によれば、紡糸後のプラスチッ
ク光ファイバに対して延伸倍率を順次低下させつつ2段
以上、好ましくは3段以上の多段の加熱延伸工程を連続
して行うことにより、前段の加熱延伸工程で生じたファ
イバ径斑や、高分子鎖の高次構造のばらつきを次段の加
熱延伸工程で緩和させ、より均質化させつつ延伸するこ
とができるので、伝送特性、機械特性、熱収縮特性など
の各種特性が良好で、かつ特性の均質性に優れた高品質
のプラスチック光ファイバが得られる。
【0023】また加熱延伸前を基準として全段の加熱延
伸工程終了後の総延伸倍率をXとするとき、1段目の加
熱延伸工程における延伸倍率(X1)を 1+(X−1)/n≦X1≦1+(X−1)/2 となるように設定することが好ましく、これにより装置
の複雑化を回避しつつ2段目以降の加熱延伸工程で十分
な緩和効果を得て、各種特性が良好で、かつ特性の均質
性に優れたプラスチック光ファイバを効率よく得ること
ができる。さらに、最終段の加熱延伸工程における延伸
倍率(Xn)については、 1≦Xn≦1+(X−1)/n となるように設定することが好ましく、これにより延伸
により施された分子鎖の配向を保ちつつ、高分子鎖の構
造のばらつきを好ましく緩和して、各種特性が良好で、
かつ特性の均質性に優れたプラスチック光ファイバを好
適に得ることができる。
【0024】本発明において、プラスチック光ファイバ
として、芯材がメタクリル酸メチルからなる構造単位を
50mol%以上含む重合体で形成されているものを用
いることが好ましく、特に伝送特性に優れたファイバが
得られる。
【0025】本発明のプラスチック光ファイバの製造装
置によれば、プラスチック光ファイバを加熱延伸する加
熱延伸手段と該加熱延伸手段における延伸倍率を制御す
る手段とを備えた延伸ユニットがn個(n≧2)配置さ
れたn段の加熱延伸装置を備え、前記各延伸ユニットで
の延伸倍率が後段へいくにしたがって順次小さく設定さ
れているので、前段の加熱延伸工程で生じたファイバ径
斑や、高分子鎖の高次構造のばらつきが次段の加熱延伸
工程で緩和され、より均質化されつつ延伸される。した
がって、伝送特性、機械特性、熱収縮特性などの各種特
性が良好で、かつ特性の均質性に優れた高品質のプラス
チック光ファイバが得られる。また延伸ユニットを連結
して多段に設けることにより、2段目以降の加熱延伸手
段には高温状態のプラスチック光ファイバが供給される
ので、加熱延伸手段における加熱を効率良く行うことが
でき、省エネルギー化、コスト削減の上で好ましい。ま
た前段の加熱延伸手段と次段の加熱延伸手段を連結して
設けることによって、前段の加熱延伸手段からのファイ
バ引き取り装置と次段の加熱延伸手段へのファイバ供給
装置を1つの駆動装置で兼ねることが可能であり、装置
の小型化、省スペース化、部品点数の低減、およびコス
ト削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加熱延伸装置の例を示す概略構成
図である。
【符号の説明】
1…プラスチック光ファイバ 2、4、6、8…ニップロール(延伸倍率制御手段) 10、11…加熱延伸手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 隅 敏則 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 岡本 正司 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 2H050 AA13 AB43X AB43Y AB44Y AB48Y AB50Y AC03 AC05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック光ファイバに対して加熱延伸
    処理を施す際に、それぞれ延伸倍率が1.1倍以上の加
    熱延伸工程を2段に分けて行うとともに、加熱延伸工程
    における延伸倍率を後段へいくにしたがって順次小さく
    することを特徴とするプラスチック光ファイバの製造方
    法。
  2. 【請求項2】プラスチック光ファイバに対して加熱延伸
    を施す際に、加熱延伸工程をn段(n≧3)に分けて行
    うとともに、各加熱延伸工程における延伸倍率を後段へ
    いくにしたがって順次小さくすることを特徴とするプラ
    スチック光ファイバの製造方法。
  3. 【請求項3】加熱延伸前を基準とする全段の加熱延伸工
    程終了後の総延伸倍率(X)と、1段目の加熱延伸工程
    における延伸倍率(X1)および最終段の加熱延伸工程
    における延伸倍率(Xn)との間に、 1+(X−1)/n≦X1≦1+(X−1)/2、かつ 1.1≦Xn≦1+(X−1)/n なる関係があることを特徴とする請求項1または請求項
    2のいずれかに記載のプラスチック光ファイバの製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記プラスチック光ファイバの芯材が、メ
    タクリル酸メチルからなる構造単位を50mol%以上
    含む重合体で形成されていることを特徴とする請求項1
    〜請求項3のいずれか一項に記載のプラスチック光ファ
    イバの製造方法。
  5. 【請求項5】プラスチック光ファイバを加熱延伸する加
    熱延伸手段と該加熱延伸手段における延伸倍率を制御す
    る手段とを備えた延伸ユニットがn個(n≧2)配置さ
    れた加熱延伸装置を備え、前記各延伸ユニットでの延伸
    倍率が後段へいくにしたがって順次小さく設定されてい
    ることを特徴とするプラスチック光ファイバの製造装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002266189A (ja) * 2001-03-15 2002-09-18 Mitsubishi Rayon Co Ltd 繊維状成形物の加熱延伸方法
JP2011185986A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Asahi Glass Co Ltd マルチコアプラスチック光ファイバ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002266189A (ja) * 2001-03-15 2002-09-18 Mitsubishi Rayon Co Ltd 繊維状成形物の加熱延伸方法
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