JP2000294231A - 有機電解質電池 - Google Patents

有機電解質電池

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JP2000294231A
JP2000294231A JP11193208A JP19320899A JP2000294231A JP 2000294231 A JP2000294231 A JP 2000294231A JP 11193208 A JP11193208 A JP 11193208A JP 19320899 A JP19320899 A JP 19320899A JP 2000294231 A JP2000294231 A JP 2000294231A
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Japan
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manganese dioxide
organic electrolyte
surface area
specific surface
electrolyte battery
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Satoshi Hirahara
聡 平原
Eiji Otomo
栄二 大友
Koji Fujita
宏次 藤田
Junichi Shimizu
純一 清水
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Toshiba Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機電解質電池の常温での放電特性を低下させ
ることなく低温での放電特性を向上させる。 【解決手段】正極作用物質、導電剤および結着剤からな
るシート状正極板4と、アルカリ金属もしくはその合金
からなるシート状負極板6とを、セパレータ12を介し
て捲回してなる渦巻状電極群3を有し、リチウムを溶解
させた有機電解液を有する有機電解質電池であって、正
極作用物質として、比表面積が60〜95m2 /gでか
つ、平均粒径30〜40μmの化学二酸化マンガンを、
温度380〜470℃の範囲で熱処理し、熱処理後の比
表面積を23〜30m2 /gとした化学二酸化マンガン
を用いることによって、低温での放電特性を向上させな
がらしかも常温での放電特性の低下を防ぐことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機電解質電池、
特にリチウム電池に係わり、詳しくはその低温放電特性
を改善するために正極材料を改良した有機電解質電池に
係わる。
【0002】
【従来の技術】二酸化マンガンを作用物質とする正極
と、アルカリ金属もしくはその合金を作用物質とする負
極とを有する有機電解質電池、特にリチウム電池は、高
エネルギー密度を有していることから、既に多くの電子
機器の電源等として実用化されている。この有機電解質
電池は現在カメラ等の用途にも用いられているが、カメ
ラ等の電子機器の多機能化が進む中で、電源としての電
池にも広い温度範囲でのバランスの良い放電特性、特に
低温での放電特性の高容量化が望まれている。
【0003】このような背景の中で、これまでに正極の
二酸化マンガンと混合する導電剤、または低粘度の電解
液および高導電率の電解液等が検討されてきた。しかし
ながら、これらの改善においても特に低温放電特性は満
足できるものではなかった。また、特許第2,522,
328号発明に示すように、高比表面積二酸化マンガン
を用いることにより、低温放電特性及び重負荷放電特性
を改善する試みもなされてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、二酸化
マンガンが高比表面積化することで正極体中の作用物質
量が減少し、常温における放電特性が低下する問題があ
った。また、高比表面積二酸化マンガンを正極作用物質
として用いることで、電極反応が活性化できる反面、電
解液との反応性も高く、長期保存下での特性劣化が大き
くなるという問題があった。
【0005】さらに、正極作用物質である化学二酸化マ
ンガンは、製造工程においてNaOHで中和されてお
り、このため多量のNaがマンガン中に存在していた
が、このNaが長期保存中に負極作用物質中に析出し特
性劣化を引き起こしていた。
【0006】本発明はこれらの問題に鑑みてなされたも
のであって、有機電解質電池において、低温放電特性を
向上させることを目的とするものであり、さらに長期保
存性を向上させることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、正極作用物質、導電剤および結着剤からな
るシート状正極板と、アルカリ金属もしくはその合金か
らなるシート状負極板とを、セパレータを介して捲回し
てなる渦巻状電極群を有し、リチウム塩を溶解させた有
機電解液を有する有機電解質電池において、正極作用物
質として、比表面積が60〜95m2 /g、平均粒径が
30〜40μmの化学二酸化マンガンを、温度380〜
470℃の範囲で熱処理し、熱処理後の比表面積を23
〜30m2 /gとした化学二酸化マンガンを用いること
を特徴とする。
【0008】上記において、温度390〜470℃の範
囲で熱処理し、熱処理後の比表面積を23〜30m2
gとした化学二酸化マンガンを用いてもよいし、温度3
80〜430℃の範囲で熱処理し、熱処理後の比表面積
を25〜30m2 /gとした化学二酸化マンガンを用い
てもよい。
【0009】有機電解質電池においては、正極作用物質
として比表面積の大きい二酸化マンガンを用いることに
より、正極合剤を活性化して低温での放電特性を向上さ
せることができる。しかしその反面、比表面積の大きい
二酸化マンガンを用いると、正極製造段階での充填密度
が低下するため、正極作用物質である二酸化マンガン量
が減少し、常温における放電特性が低下する傾向があ
る。本発明では、上記したような一定条件の化学二酸化
マンガンを一定条件で熱処理することにより、常温にお
ける放電特性の低下を防止しながら低温での放電特性を
向上させることができる。なお、電解二酸化マンガンの
場合には、その製造上の問題から、上記目的を達成する
比表面積を得ることは不可能ではないにしても、技術
的、製造効率的に問題点が多いので、適していない。
【0010】また、高比表面積二酸化マンガンを用いる
ことで電極反応は活性化できるが、電解液との反応性も
高く長期保存下での特性劣化が大きくなる。これは、電
池内の有機電解液が二酸化マンガンによって分解するた
めであり、リチウム塩にフッ素を含む有機電解質を用い
ることで、反応を抑制し長期保存下での特性劣化を防止
することができる。したがって、本発明においては、電
解液に溶解するリチウム塩として、フッ素を含む有機電
解質を用いることが好ましい。
【0011】さらに、二酸化マンガン中にNaが多量に
存在することでも、長期保存下での特性劣化が大きくな
る。これは二酸化マンガン中に含まれるNaが支持電解
質に含まれるリチウムと置換反応し、負極作用物質表面
に皮膜を形成して特性劣化を引き起すためと考えられて
いるが、二酸化マンガンをアンモニア中和し、Na含有
量を約600ppm以下に調整することによって、長期
保存下での特性劣化を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明の実施の
形態を説明する。図1は本発明の一実施例に係わる有機
電解質電池CR123Aの要部構成を示す断面図であ
る。 (実施例1)正極作用物質として、比表面積が60〜9
5m2 /g、平均粒径が30〜40μmの化学二酸化マ
ンガンを、温度420〜440℃で加熱処理し、比表面
積を28m2 /gに調製したものを用いた。なお、ここ
で使用した化学二酸化マンガンは、二酸化マンガン鉱石
を焙焼し、これにHNO3 を加えて硝酸マンガンとし、
これを精製した後、(NH4 2 CO3 を加えて炭酸マ
ンガンとし、これにNH4 NO3 を加えて加熱酸化させ
て得たものである。
【0013】上記の比表面積を28m2 /gに調製した
もの90重量部に、導電剤として黒鉛粉末を5重量部、
バインダーとしてポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)水性ディスパージョン5重量部(固形分として)と
を混練して、正極合剤を調製し、この正極合剤をステン
レス製のエキスパンドメタルへ塗着した後に、乾燥、圧
延し、所定の形状に裁断し、再度乾燥してシート状正極
板4を得た。
【0014】また、負極作用物質としてのリチウムアル
ミニウム合金箔を所定の寸法に裁断してシート状負極板
6とし、その一部にL字状のニッケルメッキ鋼板からな
る負極集電板7の一部を圧着した。
【0015】次に、前記シート状正極板4とシート状負
極板6をポリプロピレン製のマイクロポーラスフィルム
からなるセパレータ12を介して、渦巻状に捲回し、電
極群3とした。この電極群3の巻き中心軸に垂直方向の
下面より突出した負極集電板7の端部を、樹脂製の絶縁
板8(電極群3の端面に平行に配置されている)を介し
て前記電極群3端面内方向に折り曲げた。この電極群3
を、負極集電板側端面を先頭にして、負極端子を兼ねた
外装缶1の中へ挿入し、外装缶1の内底面と負極集電板
7の端部とを同図中9の部分で抵抗溶接した。
【0016】以上のようにして電極群3を外装缶1に収
納した後、プロピレンカーボネイトと1,2−ジメトキ
シエタンの混合比3:7の混合溶媒にトリフルオロメタ
スルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )を0.5mo
l/l溶解した有機電解液を所定量注液し、封口体2お
よび正極端子11を外装缶1の開口端でカシメ固定し、
有機電解質電池CR123Aを組み立てた。なお、封口
体2の底面部分には、電極群3の上面より突出した正極
リード5が抵抗溶接されている。
【0017】(実施例2)正極作用物質として、前記化
学二酸化マンガンを温度390〜410℃で加熱処理
し、比表面積を30m2 /gとしたものを用いた以外
は、実施例1と同じ構成の有機電解質電池を作成し、実
施例2とした。
【0018】(実施例3)正極作用物質として、前記化
学二酸化マンガンを温度450〜470℃で加熱処理
し、比表面積を23m2 /gとしたものを用いた以外
は、実施例1と同じ構成の有機電解質電池を作成し、実
施例3とした。
【0019】(比較例1)正極作用物質として、前記化
学二酸化マンガンを温度360〜380℃で加熱処理
し、比表面積を34m2 /gとしたものを用いた以外
は、実施例1と同じ構成の有機電解質電池を作成し、比
較例1とした。
【0020】(比較例2)正極作用物質として、前記化
学二酸化マンガンを温度470〜490℃で加熱処理
し、比表面積を19m2 /gとしたものを用いた以外
は、実施例1と同じ構成の有機電解質電池を作成し、比
較例2とした。
【0021】(比較例3)正極作用物質として、電解二
酸化マンガンを温度350〜430℃で加熱処理し、比
表面積を17m2 /gとしたものを用いた以外は、実施
例1と同じ構成の有機電解質電池を作成し、比較例3と
した。これは従来例である。
【0022】(評価)上記で作成した各電池について、
それぞれ低温放電特性および連続放電特性を評価し、そ
の結果を表1に示した。
【0023】1)低温放電特性は、各電池20個につい
て、温度−20℃の雰囲気下で1200mA間欠放電
(1200mAの定電流を3秒間流し、7秒間休止する
放電)を行い、終止電圧1.5Vまでの電気容量を求
め、比較例3の値を100としたときの比率(%)で表
し、その平均値を表1に示した。
【0024】2)連続放電特性は、各電池20個につい
て、温度20℃の雰囲気下で100Ω連続放電を行い、
終止電圧2.0Vまでの電気容量を求め、比較例3の値
を100としたときの比率(%)で表し、その平均値を
表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】表1からわかるように、前記化学二酸化マ
ンガンの比表面積を多くすることにより正極合剤が活性
化し、−20℃での放電特性はその比表面積に応じて向
上し、比表面積23m2 /g(実施例3)では30%を
上回る特性の向上が見られるようになり、比表面積34
2 /g(比較例1)では80%を上回る特性を得るこ
とができた。しかしその反面、20℃における放電特性
は比表面積は34m2/g(比較例1)の特性が最も低
い結果となった。これは、前記化学二酸化マンガンの比
表面積が増大することにより、正極板製作時の密度が低
下して正極作用物質としての質量が減少し、放電容量を
低下させるためである。比表面積19m2 /g(比較例
2)では、−20℃の放電特性は6%しか向上せず前記
化学二酸化マンガンによる効果は得られていないが、2
0℃における放電特性では低下率1%と最高値を得てい
る。
【0027】上記の結果から、比表面積が60〜95m
2 /gで、平均粒径30〜40μmの化学二酸化マンガ
ンを、温度390〜470℃の範囲で熱処理し、熱処理
後の比表面積を23〜30m2 /gとしたものを用いた
場合には、20℃での放電特性を大幅に低下することな
く、−20℃での放電特性を向上することができる。ま
た、前記化学二酸化マンガンの熱処理後の比表面積が2
3m2 /g以下であると、−20℃での放電特性におい
て効果を得ることができず、前記化学二酸化マンガンの
熱処理後の比表面積が30m2 /g以上であると、20
℃における放電特性の低下が発生する。
【0028】(実施例4)正極作用物質として比表面積
65〜85m2 /g、平均粒径が30〜40μmの化学
二酸化マンガンを、温度範囲400〜410℃で加熱処
理し、比表面積を28m2 /gに調製したものを用い
た。なお、ここで使用した二酸化マンガンは、二酸化マ
ンガン鉱石を焙焼し、これにHNO3 を加えて硝酸マン
ガンとし、これにNH4 NO3 を加えて加熱酸化させて
得た化学二酸化マンガンをアンモニアにより中和した。
中和後のNa含有量は、419ppmであった。
【0029】上記の比表面積28m2 /gに調製した化
学二酸化マンガン90重量部に、導電剤として黒鉛粉末
を5重量部、バインダーとしてポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)水性ディスパージョン5重量部(固形
分として)とを混練して、正極合剤を調製し、この正極
合剤をステンレス製のエキスパンドメタルへ塗着した後
に、乾燥、圧延して所定の形状に裁断し、再度乾燥して
シート状正極板4を得た。
【0030】また、負極作用物質としてリチウムアルミ
合金箔を所定の寸法に裁断してシート状負極板6とし、
その一部にニッケルメッキ鋼板からなる負極集電板7の
一部を圧着した。
【0031】次に、前記シート状正極板4とシート状負
極板6をポリプロピレン製のマイクロポーラスフィルム
からなるセパレータ12を介して、渦巻き状に巻回し電
極群3とした。この電極群3の巻回中心軸に垂直方向の
下面より突出した負極集電板7の端部を、電極群3の端
面に平行に配置した樹脂製の絶縁板8を介して前記電極
群3の端面内方向に折り曲げた。この電極群3を、負極
集電板側端面を先頭にして、負極端子を兼ねた外装缶1
の中へ挿入し、外装缶1の内底面と負極集電板7の端部
とを同図中9の部分で抵抗溶接を行った。
【0032】以上のようにして電極群3を外装缶1に収
納した後、プロピレンカーボネイトと1,2−ジメトキ
シエタンの混合溶媒に支持電解質としてトリフルオロメ
タスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )を0.5m
ol/l溶解した有機電解質を所定量注液し、前記電極
群3の巻回中心軸に垂直方向の上面より突出した正極リ
ード5と封口体2と封口体2の底面部分で抵抗溶接した
封口体2を外装缶1の開口端でカシメ固定し、有機電解
質電池CR123Aを組み立てた。
【0033】(実施例5)正極作用物質として前記化学
二酸化マンガンを温度380〜390℃範囲で熱処理
し、比表面積を30m2 /gとしたものを用いた以外は
実施例4と同じ構成の有機電解質電池を作製し、実施例
5とした。
【0034】(実施例6)正極作用物質として前記化学
二酸化マンガンを温度420〜430℃範囲で熱処理
し、比表面積を25m2 /gとしたものを用いた以外は
実施例4と同じ構成の有機電解質電池を作製し、実施例
6とした。
【0035】(比較例4)正極作用物質として前記化学
二酸化マンガンを温度360〜370℃範囲で熱処理
し、比表面積を34m2 /gとしたものを用いた以外は
実施例4と同じ構成の有機電解質電池を作製し、比較例
4とした。
【0036】(比較例5)正極作用物質として前記化学
二酸化マンガンを温度440〜450℃範囲で熱処理
し、比表面積を23m2 /gとしたものを用いた以外は
実施例4と同じ構成の有機電解質電池を作製し、比較例
5とした。
【0037】(比較例6)正極作用物質として前記化学
二酸化マンガンを温度350〜430℃範囲で熱処理
し、比表面積を17m2 /gとしたものを用いた以外は
実施例4と同じ構成の有機電解質電池を作製し、比較例
6とした。これは従来例である。
【0038】以上の電池をそれぞれ100個ずつ作製し
た後、それぞれ(1) 低温放電特性および(2) 連続放電特
性を評価し、その結果を表2に示した。 (1) 低温放電特性は、各電池20個について、温度−
20℃の雰囲気下で1200mA間欠放電(1200m
Aの定電流を3秒間流し、7秒間休止する放電)を行
い、終止電圧1.5Vまでの放電容量を求め、比較例6
の値を100としたときの比率(%)で表し、その平均
値を表2に示した。
【0039】(2) 連続放電特性は、各電池20個につ
いて、温度20℃の雰囲気下で100Ω連続放電を行
い、終止電圧2.0Vまでの電気容量を求め、比較例6
の値を100としたときの比率(%)で表し、その平均
値を表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】表2から判るように、化学二酸化マンガン
の比表面積を多くすることにより正極合剤が活性化し、
−20℃での放電特性はその比表面積に応じ向上し、比
表面積25m2 /g(実施例6)から60%を上回る特
性の向上が見られるようになり、比表面積34m2 /g
(比較例4)においては70%を上回る特性を得ること
ができた。しかしその反面、20℃における放電特性は
比表面積34m2 /g(比較例4)の特性が最も低い結
果となった。これは、化学二酸化マンガンの比表面積が
増大することにより、正極板製作時の密度が低下し、正
極作用物質としての質量が減少し放電容量を低下させる
ためである。比表面積23m2 /g(比較例5)では、
−20℃の放電特性は46%の向上率と放電特性の効果
は最も少ないが、20℃における放電特性では低下率1
%と放電容量の低下が最も少ない結果を得ている。
【0042】このように、化学合成により得られた比表
面積が65〜85m2 /gで、平均粒径が30〜40μ
mの二酸化マンガンの熱処理温度が380〜430℃の
範囲であり比表面積が25〜30m2 /gであれば、2
0℃での放電特性を大幅に低下することなく、−20℃
での放電特性を向上することができる。また、化学二酸
化マンガンの比表面積が25m2 /g以下であると、−
20℃での放電特性において十分な効果を得ることがで
きず、化学二酸化マンガンの比表面積が30m2 /g以
上であると、20℃において放電特性の低下が発生す
る。
【0043】<支持電解質としてリチウム塩にフッ素を
含む化合物を用いたことの効果を調べる実験> (例1)支持電解質としてLiPF6 を0.5mol/
l用いた以外は実施例1と同じ構成の有機電解質電池を
作製した。
【0044】(例2)支持電解質としてLiBF4
0.5mol/l用いた以外は実施例1と同じ構成の有
機電解質電池を作製した。
【0045】(例3)電解質として過塩素酸リチウム
(LiClO4 )を0.5mol/l用いた以外は実施
例4と同じ構成の有機電解質電池を作製した。
【0046】このように作製した電池および実施例4の
電池を温度60℃の雰囲気下で60日間保存(60℃、
20日で常温1年を想定した加速試験)し、20日間隔
で連続放電特性を評価した。その結果を表3に示した。
【0047】(1) 連続放電特性は、各電池20個につ
いて、温度20℃の雰囲気下で100Ω連続放電を行
い、終止電圧2.0Vまでの電気容量を求め、初期特性
の値を100としたときの比率(%)で表し、その平均
値を表3に示した。
【0048】
【表3】
【0049】以上のように、電解質にLiCF3
3 ,LiPF6 ,LiBF4 (フッ素を含むリチウム
塩)を用いた各例の特性劣化は60℃、60日後におい
ても10%以内であり、LiClO4 を用いた例3に対
し特性劣化は少なく優れていた。
【0050】また、フッ素を含むリチウム塩として実施
例ではLiCF3 SO3 ,LiPF6 ,LiBF4 を使
用して説明したが、LiCeF4 ,Li2 2 4 (S
32 ,Li2 4 6 (SO3 2 ,LiN(SO
2 CF3 2 ,LiC(SO2 CF3 3 ,LiN(S
2 2 5 2 ,LiC(SO2 2 5 3 を使用
しても同様の結果が得られる。
【0051】<正極作用物質をアンモニアで中和したこ
との効果を調べる実験> (例4)正極作用物質として、アンモニア中和してNa
含有量が589ppmとなった化学二酸化マンガンを用
いた以外は実施例4と同じ構成の有機電解質電池を作製
した。
【0052】(例5)正極作用物質として,アンモニア
中和してNa含有量が371ppmとなった化学二酸化
マンガンを用いた以外は実施例4と同じ構成の有機電解
質電池を作製した。
【0053】(例6)正極作用物質として、水酸化ナト
リウムで中和してNa含有量が1403ppmとなった
化学二酸化マンガンを用いた以外は実施例4と同じ構成
の有機電解質電池を作製した。
【0054】(例7)正極作用物質として,水酸化ナト
リウムで中和してNa含有量が751ppmとなった化
学二酸化マンガンを用いた以外は実施例4と同じ構成の
有機電解質電池を作製した。
【0055】このように作製した電池および実施例4の
電池を温度60℃の雰囲気下で60日間保存(60℃、
20日で常温1年を想定した加速試験)し、連続放電特
性を評価した。その結果を表4に示した。
【0056】(1) 連続放電特性は、各電池20個につ
いて、温度20℃の雰囲気下で100Ω連続放電を行
い、終止電圧2.0Vまでの電気容量を求め、初期特性
の値を100としたときの比率(%)で表し、その平均
値を表4に示した。
【0057】
【表4】
【0058】以上のように、中和剤として水酸化ナトリ
ウムを用いた各例は負極作用物質表面に形成された皮膜
が原因と考えられる放電時の電圧低下が発生しており、
放電特性に10%以上の劣化が見られたが、アンモニア
を用いた各例の貯蔵後の放電特性劣化は10%以内であ
り優れた放電特性を得られた。
【0059】なお、正極作用物質の化学二酸化マンガン
の製造方法は、本実施例に示した方法以外に次に示す方
法などによっても得ることができる。例えば、二酸化マ
ンガン鉱石を焙焼しMn2 3 としたものに、H2 SO
4 を加え硫酸マンガンとして精製し、この硫酸マンガン
を焙焼してMn2 3 としたものにH2 SO4 を加え
て、二酸化マンガンを得る。
【0060】かかる二酸化マンガンについて、上記実施
例と同様に処理し、同様に有機電解質電池CR123A
を組み立て評価した。その結果、上記実施例と同様に優
れた評価が得られた。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
有機電解質電池において、常温での放電特性を低下する
ことなく低温での放電特性を向上させることができ、広
い温度範囲で適用可能な有機電解質電池を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる有機電解質電池の縦
断面図。
【符号の説明】
1…外装缶、2…封口体、3…電極群、4…シート状正
極板、5…正極リード、6…シート状負極板、7…負極
集電板、8…絶縁板、9…抵抗溶接部、10…負極端
子、11…正極端子、12…セパレータ、13…正極集
電板、14…正極作用物質、15…負極作用物質。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 宏次 東京都品川区南品川三丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 (72)発明者 清水 純一 東京都品川区南品川三丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA01 BA01 BB02 BB04 BD01 BD02 BD05 BD06 5H015 AA02 CC01 EE05 EE06 5H024 AA03 AA12 CC02 FF11 FF19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極作用物質、導電剤および結着剤から
    なるシート状正極板と、アルカリ金属もしくはその合金
    からなるシート状負極板とを、セパレータを介して捲回
    してなる渦巻状電極群を有し、リチウム塩を溶解させた
    有機電解液を有する有機電解質電池において、正極作用
    物質として、比表面積が60〜95m2 /g、平均粒径
    が30〜40μmの化学二酸化マンガンを、温度380
    〜470℃の範囲で熱処理し、熱処理後の比表面積を2
    3〜30m2 /gとした化学二酸化マンガンを用いるこ
    とを特徴とする有機電解質電池。
  2. 【請求項2】 温度390〜470℃の範囲で熱処理
    し、熱処理後の比表面積を23〜30m2 /gとした化
    学二酸化マンガンを用いた請求項1記載の有機電解質電
    池。
  3. 【請求項3】 温度380〜430℃の範囲で熱処理
    し、熱処理後の比表面積を25〜30m2 /gとした化
    学二酸化マンガンを用いた請求項1記載の有機電解質電
    池。
  4. 【請求項4】 リチウム塩がフッ素を含む化合物である
    請求項1記載の有機電解質電池。
  5. 【請求項5】 化学二酸化マンガンのナトリウム含有量
    が600ppm以下である請求項1記載の有機電解質電
    池。
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