JP2000295821A - 対導線配列及び対導線の端部接合方法及びそれを用いた回転電機の巻線製造方法 - Google Patents

対導線配列及び対導線の端部接合方法及びそれを用いた回転電機の巻線製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】接合信頼性の低下を招くことなく、溶融型接合
材による接合を高密度に実現可能な対導線配列及びその
端部接合方法及びそれを用いた回転電機の巻線製造方法
を提供すること。 【解決手段】対導線配列を構成する各導体線1は、先端
部2を一列に揃えて延線方向同一に平行配置され、各先
端部2のうち互いに隣接する一対の先端部2づつ、はん
だにより接合される。同一の対導線4を構成する両導体
線1の先端部2は側面22を密接させて配置されるとと
もに、異なる対導線4に属して隣接する二本の導体線
1、1間には所定のギャップ(対間ギャップ)が確保さ
れる。互いに隣接して同一の対導線4を構成する一対の
導体線1の両先端部2の最先端部分23がその基端部分
21よりも隣の対導線4から遠ざかる形状(以下、先細
形状ともいう)をもち、はんだにより誤接続されにくい
という利点がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば回転電機
のコイル導体に用いられる対導線配列及びその端部接合
方法及びそれを用いた回転電機の巻線製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、オルタネータなどの回転電機や電
磁石などの種々の電機機器において、多数の電線をそれ
らの延線方向と直角の方向へ一列に並べ、電気絶縁性樹
脂膜が剥離された各導体線の先端部を隣接する二本ず
つ、近接あるいは密着させて対導線となし、各対導線の
両導体線の先端部同士をはんだやろう材などの溶融型接
合材を用いて一括接合する場合がある。
【0003】従来例を図10を参照して説明する。20
0は半田浴、201は導体線である。それぞれ電気絶縁
性樹脂膜が剥離された先端部202を有して互いに密着
して平行配置される一対の導体線201からなる対導線
203を3対、所定ギャップを隔てて延線方向と直角な
一方向へ順次配列して対導線配列が形成されている。2
04は対導線配列をはんだ浴から引き上げる際にできる
はんだブリッジである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高密度
化のために隣接する導体線対203、203間のギャッ
プ(対間ギャップ)を縮小すると、図9に示すように、
隣接する対導線203、203同士が溶融型接合材で電
気的に接続されるいわゆるブリッジ接続が形成されると
いう問題があった。
【0005】もちろん、対間ギャップを大きく取ればこ
のブリッジ接続を解消することができるが、その結果、
多数の対導線を一列に並べてなる対導線配列の必要スペ
ースが増大してしまう。その他、上記ブリッジ接続した
溶融型接合材の部分(ブリッジ部分という)204を熱
風で溶融して吹き飛ばすことも考えられるが、対導線接
合部分の必要な溶融型接合材も吹き飛ばしてしまうとい
う問題が派生してしまう。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、接合信頼性の低下を招くことなく、溶融型接合材
による接合を高密度に実現可能な対導線配列及びその端
部接合方法及びそれを用いた回転電機の巻線製造方法を
提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】高密度の対導線配列に関
する上記課題を解決する請求項1記載の対導線配列を構
成する各導体線は先端部を一列に揃えて延線方向同一に
互いに平行に配置され、各先端部のうち互いに隣接する
複数の先端部(通常は隣接する一対の先端部であるが、
場合によっては一列に隣接する3本以上の先端部でもよ
い)づつ、溶融型接合材により接合される。当然、同一
の対導線を構成する両導体線の先端部は側面を密接させ
て又は微小間隔を隔てて配置されるとともに、異なる対
導線に属して隣接する二本の導体線間には所定のギャッ
プ(対間ギャップ)が確保される。
【0008】本構成では特に、互いに隣接して同一の対
導線を構成する一対の導体線の両先端部の最先端部分が
その基端部分よりも隣の対導線から遠ざかる形状(以
下、先細形状ともいう)をもつ点を特徴とする。このよ
うにすれば、導体線の先端部がその最先端部分もその基
端部分も等しい形状をもつ従来の各導体線を用いて対導
線配列を形成するのに比較して、実質的な対間ギャップ
を増大することなく、導体線の先端部の最先端部分にお
ける上記対間ギャップを実質的に増大することができ、
その結果として上記ブリッジの発生を低減することがで
きる。
【0009】なお、このブリッジについて更に説明す
る。上記対導線配列の各導体線の先端部に被着した溶融
型接合材を溶融したり、又は、上記先端部に溶融型接合
材の融液を被着する場合、融液が導体線の主部の電気絶
縁性樹脂膜側に付着するのを防止するために、導体線の
先端部を最下方へ配置した姿勢を採用するのが通常であ
り、この場合、導体線の先端部に付着した融液はその自
重により、最先端部分に移動する。したがって、異なる
対導線に属して隣接する二本の導体線間の対間ギャップ
を上記手法により増大すればブリッジの発生が抑止され
る。
【0010】請求項2記載の方法によれば請求項1記載
の対導線配列の端部を溶融型接合材で接合するに際し、
各対導線の先端部を溶融型接合材により一括して接合す
る。このようにすれば、ブリッジの発生を抑止しつつ、
高密度の対導線配列の端部接続を高能率に行うことがで
きる。請求項3記載の方法によれば請求項2記載の対導
線配列の端部接合方法において更に、上記対導線配列を
なすように配列された導体線群の先端部を溶融型接合材
の融液槽に降下させ、引き上げて接合を行う。このよう
にすれば各導体線の先端部に付着した余分の融液は、最
先端部分の対間ギャップが十分広いのでブリッジを形成
することなく槽に再落下することができ、ブリッジのな
い高密度対導線配列を高能率に作製することができる。
【0011】請求項4記載の方法によれば請求項2又は
3記載の対導線配列の端部接合方法において更に、導体
線の先端部は、延線方向へ伸長するように、若しくは、
延線方向及び導体線群配列方向と直角な方向へ伸長する
ように、導体線の先端部を塑性変形することにより実施
されるので、切断屑が発生せず、工程を簡素化すること
ができる。更に、導体線の先端部を、延線方向及び導体
線群配列方向と直角な方向へ膨らませる場合には、同じ
対導線をなす両導体線の接合面積を稼いで、接合信頼性
を向上でき、線間電気抵抗を低減することができる。
【0012】請求項5記載の方法によれば請求項2又は
3記載の対導線配列の端部接合方法において更に、切断
加工により導体線の先端部を上記先細形状に形成する。
このようにすれば、上記先細形状を簡素な工程で実現す
ることができる。請求項6記載の方法によれば請求項5
記載の対導線配列の端部接合方法を用いた回転電機の巻
線製造方法において更に、長尺ワイヤから所定長さの前
記導体線を切り出す際に、導体線の先端部が先細形状と
なるように切り出すので、先端部を先細形状とする工程
を追加する必要がなく製造工程を短縮することができ
る。
【0013】なお、その他の態様として、電気絶縁性樹
脂膜で被覆されたワイヤ(被覆電線)から導体線を一定
長さに切り出す前に、この導体線の端部となる部位の電
気絶縁性樹脂膜を回転砥石により切削除去する。この
際、この回転砥石により電気絶縁性樹脂膜を切削すると
同時に導体線の先端部を先細形状に形成してもよい。請
求項7記載の方法によれば請求項2乃至7のいずれか記
載の対導線配列の端部接合方法を用いて、回転電機のコ
イルが作製される。
【0014】このようにすれば、細切れの導体線を多数
接続してコイルを作製できるので、従来のように長い導
線をコアのスロットに順次巻装する代わりに、これら多
数の短い導体線を各スロットに挿入して固定子コイルを
作製するタイプのコイル製造方法を採用する場合に、各
導体線の接続の信頼性を向上することができる。
【0015】
【発明を実施するための態様】本発明の好適な態様を以
下の実施例により説明する。
【0016】
【実施例1】本発明の対導線配列及びその端部接合方法
を用いた車両用交流発電機(いわゆるオルタネータ)の
固定子コイルの製造方法の関連部分を図1に示す工程図
を参照して以下に説明する。 (工程1)まず銅系の導体線(被覆電線)1を準備し、
その先端部2の電気絶縁性樹脂膜3を除去する。 (工程2)次に、先端部2を斜めに切断して先細形状と
する。導体線1としてはスロット占積率に優れた平角線
が用いられ、その狭幅側の略平坦面を側面と呼称するも
のとする。したがって、導体線1の先端部2は、その一
方の側面20の基端部分21から他方の側面22の最先
端部分23に向けてその広幅側の主面24側からみて次
第に延線方向へ突出する直角三角形の形状に形成され
る。 (工程3)次に、各導体線1を一対づつ、それぞれの最
先端部分23側の側面が互いに密着するように配列して
対導線4を必要数作製し、更に、各対導線4の先端部2
の最先端部分23を延線方向同位置に揃えつつ、各対導
線4を所定の対間ギャップ5を挟んで延線方向と直角で
主面24に平行な方向に配列し、図示しない治具により
保持する。 (工程4、5、6)次に、上記配列状態を維持しつつ治
具により保持された対導線配列5の先端部2を、軟ろう
材例えば溶融したSn100はんだの融液槽に降下し浸
漬し、引き上げ、各対導線4の先端部2を一括接合す
る。
【0017】これにより、隣接する対導線4間にブリッ
ジが形成されることなく、各対導線の先端部2を一括接
合することができる。なお、上記実施例でははんだ融液
槽への浸漬により接合を行ったが、噴流はんだ槽を用い
たり、窒素や不活性ガスなどの無酸化雰囲気又はこの無
酸化雰囲気に水素を適量添加した還元雰囲気にすること
で、接合部のはんだ量が安定し、接合部抵抗値のばらつ
き低減が可能となる。
【0018】使用する軟ろう材は、Sn100はんだの
他に、PbーSn系はんだ、SnーZn系はんだ、Sn
系はんだ、Pb系はんだ、Zn系はんだなどを用いても
よいことはもちろんである。導体線1がアルミニウム系
である場合は、SnーZn系はんだ、Zn系はんだが有
利である。また、各々の軟ろう材に適合した所定のフラ
ックスを用いることも当然好ましいことである。その
他、融液槽の融液又は対導線4に超音波を照射してフラ
ックスを省略することも可能である。
【0019】その他、接合に溶融型接合材を用いるもの
であれば、溶融型接合材の被着後、それを熱対流、超音
波、レーザー光などで溶融してもよい。 (変形態様)導体線1の先端部2の先細形状としては、
上記実施例で用いた三角形形状(図2参照)の他、狭幅
長方形形状(図3参照)、それらを組み合わせた形状
(図3参照)など種々のものを採用することができる。
【0020】また、電気絶縁性樹脂膜3は、導体線1の
先細形状の先端部2の全てを剥離する必要はなく、同一
の対導線4を構成する相手側の導体線1に接触する側面
22及びその近傍部分のみを部分的に剥離してもよく
(図5参照)、先端部2の最も細幅の部分のみ剥離して
もよい(図6参照)。
【0021】
【実施例2】他の実施例を図7を参照して以下に説明す
る。この実施例では、長い導体線1aの一部の領域1b
の電気絶縁性樹脂膜3が予め剥離されており、露出して
いる。この領域1bを図示する切断位置wで斜めに切断
することにより、必要な長さの導体線1の先端部2を上
述した先細形状の先端部2を形成することができる。し
たがって、この実施例では、両端部2が先細形状となる
導体線1を、予め電気絶縁性樹脂膜3の所定部分が剥離
された長い導体線1aから切断する工程で自動的に作製
することができる。
【0022】上記切断工程の一例を図8を参照して更に
詳しく説明する。100は平角線コイル材ドラムであ
り、平角線1aが巻かれている。ドラム100から引き
出された平角線1aはテンション部101で一対のテン
ションローラー102で所定の引っ張りテンションを与
えられ、送り部103の図示しない一対の送りローラー
により所定速度で延線先端側へ送られている。
【0023】104は多数の歪み取りローラー105を
設けてなる歪み取り部であり、歪みを除去された平角線
1aは第一はくり部106に送られ、その樹脂剥離すべ
き領域の電気絶縁性樹脂膜は、第一はくり部106に設
けられた回転砥石により、一部(4つの主面と2つの角
部)が除去され、残る二つの角部の皮膜残部が第二はく
り部107で回転砥石により除去される。続いて、平角
線1aは切断部108に送られ、所定長さに切断されて
所定長さの平角線1となる。この切断部108におい
て、切断刃は延線方向に対して斜めにセットされてお
り、切断されて作製された平角線1の先端部2は先細形
状となる。
【0024】
【実施例3】他の実施例を図9を参照して以下に説明す
る。この実施例では、先端部2の電気絶縁性樹脂膜3が
剥離された平角線1の略直方体形状の先端部2を図1に
示す三角形形状に変更するために、たとえばダイを用い
て先端部2を先細形状に塑性変形して作製する。そして
この時、余分となった部分で先端部2を厚肉化する(図
8(c)参照)。このようにすれば、切り屑が出ないの
で、その処理が省略できるという利点及び、上記ブリッ
ジの発生を抑止しつつ導体線1の先端部2の接合面積の
増大を図ることができるという効果を奏することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の対導線配列の端部接合工程を示す
工程図である。
【図2】 図1の導体線の先端部の変形例を示す斜視図
である。
【図3】 図1の導体線の先端部の変形例を示す斜視図
である。
【図4】 図1の導体線の先端部の変形例を示す斜視図
である。
【図5】 図1の導体線の先端部の変形例を示す斜視図
である。
【図6】 図1の一対の回転砥石で研削された平角線の
断面図である。
【図7】 導体線の先端部を先細に形成する切断工程を
示す説明図である。
【図8】 図7に示す切断工程の自動化装置の模式図で
ある。
【図9】 導体線の先端部を塑性変形により導体線隣接
方向と直角方向に膨らませた態様を示す模式斜視図であ
り、(a)は塑性変形前の斜視図、(b)は塑性変形後
の正面図、(c)は塑性変形後の側面図である。
【図10】 従来の対導線配列の端部接合工程を示す工
程図である。
【符号の説明】
1は導体線、2はその先端部、3は電気絶縁性樹脂膜、
4は対導線、5は対導線配列である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ電気絶縁性樹脂膜が剥離された先
    端部を有して所定の微小間隔を隔てて又は密着して延線
    方向へ平行配置される一対の導体線からなる対導線を複
    数、所定ギャップを隔てて前記延線方向と略直角な一方
    向へ順次配列してなり、各前記導体線の先端部が前記延
    線方向同位置に配置される導体線群と、各前記導体線の
    前記先端部に被着されて、同一の前記対導線の互いに隣
    接する前記両導体線の先端部同士を接合する溶融型接合
    材からなる接合材部とを備える対導線配列であって、 前記対導線の一方の前記導体線の先端部は、前記対導線
    の他方の前記導体線に近接する側の部分が前記対導線の
    他方の前記導体線から遠ざかる側の部分よりも前記延線
    方向に長く形成された先細形状を有し、 前記対導線の他方の前記導体線の先端部は、前記対導線
    の一方の前記導体線に近接する側の部分が、前記対導線
    の一方の前記導体線から遠ざかる側の部分よりも前記延
    線方向に長く形成された先細形状を有することを特徴と
    する対導線配列。
  2. 【請求項2】所定間隔を隔てて又は密着して延線方向へ
    平行配置される一対の導体線からなる対導線を複数、所
    定ギャップを隔てて前記延線方向と略直角な一方向へ順
    次配列し、各前記導体線の先端部を前記延線方向同位置
    に配置した導体線群を準備し、 同一の前記対導線の互いに隣接する前記両導体線の先端
    部同士を溶融型接合材で接合する対導線配列の端部接合
    方法において、 前記対導線の一方の前記導体線の先端部を、前記対導線
    の他方の導体線に近接する側の部分が、前記対導線の他
    方の導体線から遠ざかる側の部分よりも前記延線方向に
    長く形成された先細形状に形成し、 前記対導線の他方の前記導体線の先端部を、前記対導線
    の一方の前記導体線に近接する側の部分が前記対導線の
    一方の前記導体線から遠ざかる側の部分よりも前記延線
    方向に長く形成された先細形状に形成し、 各対導線の先端部を前記溶融型接合材により一括して接
    合することを特徴とする対導線配列の端部接続方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の対導線配列の端部接合方法
    において、 溶融型接合材の融液が貯溜された槽に前記導体線群の先
    端部を降下させて、前記導体線群の先端部を前記融液に
    浸漬し、引き上げ、前記導体線群の先端部に前記溶融型
    接合材を被着して、前記接合を行うことを特徴とする対
    導線配列の端部接合方法。
  4. 【請求項4】請求項2又は3記載の対導線配列の端部接
    合方法において、 前記導体線群の先端部を前記先細形状に形成する工程
    は、 前記延線方向へ伸長するように、若しくは、前記延線方
    向及び前記導体線群配列方向と直角な方向へ伸長するよ
    うに、前記導体線の前記先端部を塑性変形することによ
    り実施されることを特徴とする対導線配列の端部接合方
    法。
  5. 【請求項5】請求項2又は3記載の対導線配列の端部接
    合方法において、 前記導体線群の先端部を前記先細形状に形成する工程
    は、 前記導体線の先端部を切断して実施されることを特徴と
    する対導線配列の端部接合方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の対導線配列の端部接合方法
    を用いた回転電機の巻線製造方法において、 長尺ワイヤから所定長さの前記導体線を切り出す際に、
    前記導体線の前記先端部を前記先細形状とすることを特
    徴とする回転電機の巻線製造方法。
  7. 【請求項7】前記各導体線の前記先端部同士の前記接合
    により回転電機のコイルを構成することを特徴とする請
    求項2乃至6のいずれか記載の対導線配列の端部接合方
    法を用いた回転電機の巻線製造方法。
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