JP2000295826A - 車両用交流発電機 - Google Patents

車両用交流発電機

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JP2000295826A
JP2000295826A JP11097441A JP9744199A JP2000295826A JP 2000295826 A JP2000295826 A JP 2000295826A JP 11097441 A JP11097441 A JP 11097441A JP 9744199 A JP9744199 A JP 9744199A JP 2000295826 A JP2000295826 A JP 2000295826A
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Shigenobu Nakamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定子巻線の冷却性向上。 【解決手段】 一のスロット内の内層側あるいは外層側
において回転周方向に沿って重ねて配置されている2本
の導体セグメント23,123の直線部からターン部2
8、128に向かって延びる斜行部26、126は、回
転周方向に沿って同じ向きに傾斜して配置されている。
しかも、一方の導体セグメント123の斜行部126と
直線部の連結位置は、周方向に隣接する他方の導体セグ
メント23の斜行部26と直線部の連結位置よりも、固
定子鉄心22の端面から離れた位置に設定されている。
このため、一方の斜行部26と他方の斜行部126との
間には、大きな隙間S1が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用車やトラック
等に搭載される車両用交流発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用交流発電機に用いられる固定子と
して、複数の導体セグメントを接合することにより形成
された巻線を有するものが従来から知られている。例え
ば、WO92/06527には、U字状の複数の導体セ
グメントを固定子鉄心の一方の端面側から挿入した後
に、反挿入側の端部同士を接合することにより巻線が形
成された固定子が開示されている。この固定子は、連続
した導体巻線を巻いて巻線を構成する場合に比べて、規
則的に配置された巻線が形成しやすいという特長があ
る。また、同じようにU字状の導体セグメントを用いて
巻線が形成されているものとして、WO98/5482
3に開示された車両用交流発電機が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したW
O92/06527に開示された車両用交流発電機にお
いては、固定子の各スロットには、内層に2本、外層に
2本の合計4本の導体が収容されており、固定子端面か
らはこれら内層側の2本の導体が所定の回転周方向に斜
行し、外層側の2本の導体が内層側の導体とは反対側に
斜行している。したがって、内層及び外層のそれぞれに
おいて、2本を単位として導体が折り曲げられているた
め、これら同方向に折り曲げられた2本の導体の間にわ
ずかな隙間しか形成されず、この隙間部分を通って冷却
風が流れにくいとともに、このわずかな隙間部分に電解
液等が滞留しやすいという問題があった。
【0004】特に近年、車両走行抵抗の低減や視界向上
のためのスラントノーズ化によってエンジンおよび電装
品全体が路面に近づき、走行時のタイヤからの跳ね上げ
水による被水条件が厳しくなってきた。また、寒冷地域
においては、冬季の道路凍結防止を目的として塩類が多
量に散布されるため、走行時に塩または塩を含む水を巻
き込むこととなり、エンジンルーム内は、更に厳しい腐
食環境条件となっている。加えて、エンジンルーム内の
スチーム洗浄において使われるカーシャンプーなども電
解液である。以上のように、車両用発電機は上記の厳し
い環境にさらされているので、被水や塩などの電解液に
よる腐食により、発電停止に陥りやすくなってきた。
【0005】発電停止へのプロセスは、以下の通りであ
る。すなわち、水や塩などの電解物質が固定子のコイル
エンドに繰り返し到達することにより、コイル皮膜が加
水分解などの腐食劣化を起こし、コイル相互間の電気短
絡を生じ、局部的な発熱による銅線の溶損が起こって最
終的にコイル断線に至る。特に、冷却ファンをフレーム
内に持つ内扇式の車両用交流発電機においては、冷却風
と一緒に取り込まれた水や塩などの電解液がコイルエン
ド内周へたたきつけられるように到達すること、および
冷却風の排出通風路がコイルエンド近くのフレームに設
けられるので、エンジン停止、つまり車両用交流発電機
が回転停止している状態でエンジンルーム内を洗浄する
時に、この排出通風路を通ってカーシャンプーなどの電
解液が容易にコイルエンド外周に到達するので、上記の
不具合が起こりやすい。
【0006】一方、車両に搭載される安全制御機器等の
電気負荷の増加に伴い、車両用発電機にはますます出力
の向上が求められている。また、コストの低減要求は言
うまでもない。
【0007】これに対し、特開平3−235644号公
報に記載された車両用交流発電機のように、防滴カバー
を冷却風取り込み側に取り付け、外部からの水などの進
入路を遮断しようとする従来技術がある。この公報に開
示されている防滴カバーを用いることにより、冷却ファ
ンの回転によって内部に取り込まれる冷却風に電解液が
混じることはある程度防止できるが、コイルエンドはフ
レームの径方向に設けられた通風窓の近くに位置してい
るので、回転停止時には発電機の径方向外部から水や塩
水などが容易にコイルエンドに到達し、この部分に滞留
するおそれがある。これを防止するために、フレームの
径方向に設けた通風窓の外側にも防滴カバーを取り付け
ることが考えられるが、この場合、通風抵抗が増えて冷
却風量が減るとともに、冷却後の熱風の逃がしが阻害さ
れ、発電機全体の温度が大幅に上昇するという問題が新
たに生ずるため、高出力化、耐久性向上の要求を考慮す
ると、有効な対策とはいえない。また、防滴カバーの追
加により、部品および組み付けのための製造コストが増
加するため好ましくない。
【0008】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は、固定子巻線の冷却性を向上
させることができるとともに、固定子巻線における電解
液等の滞留を防止することができる車両用交流発電機を
提供することにある。
【0009】さらにスロット内の固定子巻線の占積率を
高めて高出力化を実現するとともに、製造コストを低減
することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明によれば、車両用交流発電機の固定子は、複数のスロ
ットを有する固定子鉄心と、前記スロットに収納される
複数の導体セグメントとを有し、さらに前記導体セグメ
ントは、それぞれが回転子のNS磁極ピッチに対応して
離間した前記スロット内に収納される直線部と、前記直
線部を前記スロットの外部にて連結する斜行部とを有
し、前記スロット内において、互いに隣接する複数の前
記直線部のそれぞれにつながる前記斜行部を同じ周方向
に傾斜させるとともに、回転軸方向に沿ってこれらの斜
行部が互いに離間して配置している。
【0011】これにより、塩などを含んだ電解質の水滴
が斜行部によって構成されるコイルエンドに到達して
も、互いに離間している導体セグメント間の隙間を通過
する冷却風と共に外部へ排出されるので、電解質の水滴
が滞留することを防止することができ、皮膜の腐食や最
終的な断線不具合を抑止できる。また、この隙間部分を
冷却風が通過することによる冷却性の向上が可能にな
る。
【0012】請求項2に記載された発明によれば、同じ
周方向に傾斜した前記複数の斜行部は、前記固定子鉄心
の端面から回転軸方向に沿って異なる高さにおいて、対
応する前記直線部とつながっている。直線部をスロット
内に収容しているため、高い占積率を保持することがで
き、しかも、この直線部と斜行部とがつながる位置を、
隣接する導体セグメントにおいて異ならせているため、
コイルエンドの導体セグメントの隙間を確実に設けるこ
とができる。
【0013】請求項3に記載された発明によれば、上述
した導体セグメントを、前記スロット内に位置する複数
の前記直線部のそれぞれが前記スロットの形状に沿った
ほぼ矩形の断面形状を有するように形成している。これ
により、スロットに沿って導体セグメントを挿入、収容
することができ、高い占積率を容易に実現することがで
きる。
【0014】請求項4に記載された発明によれば、上述
した導体セグメントを2本の直線部を有するほぼU字状
導体とし、前記固定子鉄心の一方の端面側に前記U字状
導体のターン部を、他方の端面側に前記U字状導体の端
部をそれぞれ配置するとともに、前記NS磁極ピッチに
対応して離間した2つの前記スロットに収容された2本
の前記導体セグメントの前記端部を接合している。これ
により、導体セグメントの挿入を固定子鉄心の一方の端
部側のみから行い、他方を接合処理するだけで固定子巻
線を形成することができ、巻線形成工程をより効率的に
実施して、製造コストの低減を図ることができる。
【0015】請求項5に記載された発明によれば、上述
した導体セグメントを前記スロットの両側から突出する
2つの端部を有するように、ターン部を有しない形状に
形成し、前記固定子鉄心の両方の端面側において、前記
NS磁極ピッチに対応して離間した2つの前記スロット
に収容された2本の前記導体セグメントの前記端部を接
合している。これにより、導体セグメントの形状を単純
化できるので、導体セグメント自身の製造工程を簡略化
して、製造コストの低減を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した一実施形
態の車両用交流発電機について、図面を参照しながら詳
細に説明する。
【0017】図1は、本実施形態の車両用交流発電機の
全体構成を示す図である。図1に示す車両用交流発電機
1は、固定子2、回転子3、フレーム4、整流器5等を
含んで構成されている。
【0018】固定子2は、固定子鉄心22と、固定子巻
線21を構成する2種類の導体セグメント23、123
と、固定子鉄心22と各導体セグメント23、123と
の間を電気絶縁するインシュレータ24とを備えてい
る。固定子2の詳細な構造については後述する。
【0019】回転子3は、絶縁処理された銅線を円筒状
かつ同心状に巻き回した界磁巻線31を、それぞれが6
個の爪部を有するポールコア32によって、回転軸33
を通して両側から挟み込んだ構造を有している。また、
フロント側のポールコア32の端面には、フロント側か
ら吸い込んだ冷却風を軸方向および径方向に吐き出すた
めの冷却ファン35が溶接等によって取り付けられてい
る。同様に、リヤ側のポールコア32の端面には、リヤ
側から吸い込んだ冷却風を径方向に吐き出すための冷却
ファン36が溶接等によって取り付けられている。ま
た、回転軸33のリヤ側端部近傍には、界磁巻線31の
両端に電気的に接続された2つのスリップリング37、
38が形成されており、これらのスリップリング37、
38を介してブラシ装置7から界磁巻線31に対して給
電が行われる。
【0020】フレーム4は、固定子2および回転子3を
収容しており、回転子3が回転軸33を中心に回転可能
な状態で支持されているとともに、回転子3のポールコ
ア32の外周側に所定の隙間を介して配置された固定子
2が固定されている。また、フレーム4は、固定子鉄心
22の軸方向端面から突出した固定子巻線21のコイル
エンドに対向した部分に冷却風の吐出窓41を有し、軸
方向端面に吸入窓42を有している。
【0021】上述した構造を有する車両用交流発電機1
は、ベルト等を介してプーリ20にエンジン(図示せ
ず)からの回転力が伝えられると回転子3が所定方向に
回転する。この状態で回転子3の界磁巻線31に外部か
ら励磁電圧を印加することにより、ポールコア32のそ
れぞれの爪部が励磁されて回転子3の回転周方向に沿っ
て交互にNS磁極が形成されるため、固定子巻線21に
三相交流電圧を発生させることができ、整流器5の出力
端子からは所定の直流電流が取り出される。
【0022】次に、固定子2の詳細について説明する。
図2は、固定子2の部分的な断面図である。図2に示す
ように、固定子鉄心22は複数のスロット25を有して
おり、各スロット25には多相の固定子巻線21が収容
されている。本実施形態では、回転子3の磁極数に対応
して、三相の固定子巻線21を収容するように、36個
のスロット25が回転周方向に等間隔に配置されてい
る。また、複数のスロット25のそれぞれには、4本の
電気導体が収容される。一のスロット25内の4本の電
気導体は、固定子鉄心22の径方向(奥行き方向)と周
方向のそれぞれに二列ずつ配置されている。
【0023】図3は、固定子巻線21を構成する一方の
導体セグメント23の詳細形状を示す斜視図である。ま
た、図4は固定子巻線21を構成する他方の導体セグメ
ント123の詳細形状を示す斜視図である。
【0024】図3に示す一方の導体セグメント23は、
ターン部28において導体が折り返されたほぼ矩形断面
を有するU字状に形成されており、スロット25内に収
容される直線部23a、23bと、スロット25の外部
に配置されて回転周方向に沿って傾斜した斜行部26と
を有している。また、この導体セグメント23におい
て、ターン部28と反対側の端部は、回転子3のNS磁
極ピッチに対応して離間した他のスロット25に収納さ
れている導体セグメント23の端部同士を溶接等によっ
て接合するために用いる接合部27となる。このよう
に、導体セグメント23には、2つの直線部23a、2
3bが含まれており、一方の直線部23aがスロット2
5の内層側に配置されて、図2に示したスロット25内
の内層側の反時計回り方向側に配置された一方の電気導
体となる。また、他方の直線部23bがスロット25の
外層側に配置されて、図2に示したスロット25内の外
層側の反時計回り方向側に配置された一方の電気導体と
なる。
【0025】なお、図2において、一のスロット25内
に収納される2つの直線部23a、23bは、回転子3
のNS磁極ピッチに対応して離間した各スロット25に
収納された2つの異なる導体セグメント23に対応した
ものであるため、一方の直線部には23b′の符号を付
して表している。また、図3において、「X」は各直線
部23a、23bの回転軸方向の長さである。「Y1」
は内層側の直線部23aから接合部27に至るまでの斜
行部26の回転軸方向に沿った長さであり、「Y2」は
外層側の直線部23bから接合部27に至るまでの斜行
部26の回転軸方向に沿った長さである。「Z1」は内
層側の直線部23aからターン部28に至るまでの斜行
部26の回転軸方向に沿った長さであり、「Z2」は外
層側の直線部23bからターン部28に至るまでの斜行
部26の回転軸方向に沿った長さである。
【0026】同様に、図4に示す一方の導体セグメント
123は、ターン部128において導体が折り返された
ほぼ矩形断面を有するU字状に形成されており、スロッ
ト25内に収容される直線部123a、123bと、ス
ロット25の外部に配置されて回転周方向に沿って傾斜
した斜行部126とを有している。また、この導体セグ
メント123において、ターン部128と反対側の端部
は、異なるスロット25に収納されている導体セグメン
ト123の端部同士を溶接等によって接合するために用
いる接合部127となる。このように、導体セグメント
123には、2つの直線部123a、123bが含まれ
ており、一方の直線部123aがスロット25の内層側
に配置されて、図2に示したスロット25内の内層側の
時計回り方向側に配置された他方の電気導体となる。ま
た、他方の直線部123bがスロット25の外層側に配
置されて、図2に示したスロット25内の外層側の時計
回り方向側に配置された他方の電気導体となる。
【0027】なお、図2において、一のスロット25内
に収納される2つの直線部123a、123bは、異な
る導体セグメント123に対応したものであるため、一
方の直線部には123b′の符号を付して表している。
また、図4において、「X」は直線部123a、123
bの回転軸方向の長さである。「Y1」は外層側の直線
部123bから接合部127に至るまでの斜行部126
の回転軸方向に沿った長さであり、「Y2」は内層側の
直線部123aから接合部127に至るまでの斜行部1
26の回転軸方向に沿った長さである。「Z1」は外層
側の直線部123bからターン部128に至るまでの斜
行部126の回転軸方向に沿った長さであり、「Z2」
は内層側の直線部123aからターン部128に至るま
での斜行部126の回転軸方向に沿った長さである。
【0028】このように、この実施形態では、ひとつの
スロット内において周方向に並べて配置される2本の導
体セグメント23、123は、一のスロット25の一方
の軸方向開口端から延び出す部分において異なる形状を
持っている。任意の一のスロット25の軸方向開口端に
おける導体セグメントの形状に着目して説明する。一方
の導体セグメントは、固定子鉄心22の端面から延び出
した直後に曲げられて斜行部に接続されている。他方の
導体セグメントは、固定子鉄心22の端面から所定長さ
Pだけ直線状に延在した後に曲げられて斜行部に接続さ
れている。しかも、他方の導体セグメントは、2本の導
体セグメントの斜行部26、126が傾斜して延びる周
方向に関して、一方の導体セグメントよりも、傾斜方向
の後方に位置している。このため、2本の導体セグメン
トで形成される2本の斜行部26、126の間には、突
出量Pと、斜行部26、126の傾斜角とによって決ま
る隙間S1、S2が形成される。
【0029】この実施形態では、一のスロット25内に
おいて周方向に並べて配置される2本の導体セグメント
23、123は、固定子鉄心22の一方の端面と、他方
の端面とにおいて、それぞれ周方向に関して逆方向に傾
斜している。このため、一のスロット25内において周
方向に並べて配置される2本の導体セグメント23、1
23のうちの一方の導体セグメント23は、一のスロッ
ト25の一方の軸方向端面開口ではスロット25から出
た直後に斜行部26に接続されるが、一のスロット25
の他方の軸方向端面開口ではスロット25から所定長さ
Pだけ直線状に延び出した後に斜行部26に接続され
る。また、残る他方の導体セグメント123は、一のス
ロット25の一方の軸方向端面開口ではスロット25か
ら所定長さPだけ直線状に延び出した後に斜行部126
に接続されるが、一のスロット25の他方の軸方向端面
開口ではスロット25から出た直後に斜行部126に接
続される。このため、一方の導体セグメント23は一の
スロット25の一方の軸方向開口端において軸方向の位
置決めがなされ、他方の導体セグメント123は一のス
ロット25の他方の軸方向開口端において軸方向の位置
決めがなされて、両方の導体セグメント23、123
が、ともに一のスロット25において軸方向に位置決め
される。
【0030】さらにこの実施形態では、1本の導体セグ
メントがU字状に形成されているため、1本の導体セグ
メントは、2つのスロット25の4箇所の軸方向開口端
のそれぞれから延び出す。このため、これら4箇所にお
いて、上述のごとき突出量Pを持つよう、導体セグメン
トが形成されている。その結果、この実施形態では、す
べてのスロット25の軸方向開口端において、上述のご
とき突出量Pをもって2本の導体セグメントが延び出し
ている。
【0031】しかも、1本のU字状導体セグメントが有
する4箇所のスロット25からの延び出し部は、対角上
に位置する延び出し部が同形状を持つように形成され
る。このため、1本のU字状導体セグメントが、固定子
鉄心22に対して軸方向にずれることなく、位置決めさ
れる。
【0032】図5は、導体セグメントが固定子鉄心22
に装備された状態を示す斜視図である。また、図6は固
定子2の外観図である。上述したように、導体セグメン
ト23の一方の直線部23aと導体セグメント123の
一方の直線部123aは、同じスロット25内の内層側
において回転周方向に沿って重ねて配置されており、こ
れらの各直線部23a、123aからターン部28、1
28に向かって延びる斜行部26、126は、回転周方
向に沿って同じ向きに形成されている。しかも、内径側
からみた場合に周方向に沿って左側に配置された一方の
導体セグメント23の斜行部26と直線部23aの連結
位置は、右側に配置された他方の導体セグメント123
の斜行部126と直線部123aの連結位置よりも、固
定子鉄心22の端面から離れた位置に設定されている。
図3および図4において、ハッチングを付した領域が固
定子鉄心22の回転軸方向位置を示しており、導体セグ
メント123のターン部128側の斜行部126と直線
部123aの連結位置が固定子鉄心22の軸方向の端面
位置に一致しているのに対し、導体セグメント23のタ
ーン部28側の斜行部26と直線部23aの連結位置は
固定子鉄心22の軸方向の端面位置から所定の距離隔た
った位置となっている。したがって、固定子鉄心22の
各スロット25内の内層側からターン部28、128に
向かって延びて固定子鉄心22の端面に近い側に配置さ
れる一方の斜行部126と他方の斜行部26との間に
は、図6に示したように、大きな隙間S1が形成され
る。
【0033】同様に、各直線部23a、123aから接
合部27、127に向かって延びる斜行部26、126
は、回転周方向に沿って同じ向きに形成されている。し
かも、内径側からみて周方向に沿って右側に配置された
一方の導体セグメント123の斜行部126と直線部1
23aの連結位置は、左側に配置された他方の導体セグ
メント23の斜行部26と直線部23aの連結位置より
も、固定子鉄心22の端面から離れた位置に設定されて
いる。したがって、固定子鉄心22の各スロット25内
の内層側から接合部27、127に向かって延びて固定
子鉄心22の端面に近い側に配置される一方の斜行部2
6と他方の斜行部126との間には、図6に示したよう
に、大きな隙間S2が形成される。
【0034】なお、上述した説明では、各スロット25
の内層側に収納された直線部23a、123aとこれら
に連結される各斜行部26、126に着目したが、各ス
ロット25内の外層側に収納された直線部23b、12
3bとこれらに連結される各斜行部26、126につい
ても同様である。すなわち、固定子鉄心22の各スロッ
ト25内の外層側からターン部28、128に向かって
延びて固定子鉄心22の端面に近い側に配置される一方
の斜行部26と他方の斜行部126との間には、大きな
隙間S1が形成される。また、固定子鉄心22の各スロ
ット25内の外層側から接合部27、127に向かって
延びて固定子鉄心22の端面に近い側に配置される一方
の斜行部126と他方の斜行部26との間には、大きな
隙間S2が形成される。
【0035】上述した導体セグメント23、123を用
いて固定子巻線21を形成する手順は以下のようにな
る。まず、図3および図4のそれぞれに点線で示したよ
うな接合部27、127側の斜行部26、126が形成
されていない状態の2種類の導体セグメント23′、1
23′を用意する。そして、これらの導体セグメント2
3′、123′のターン部28、128と各直線部23
a、23b、123a、123bを持ちながら、これら
を周方向に重ねた状態で、回転軸方向から磁極ピッチだ
け離れた固定子鉄心22の2つのスロット25に挿入す
る。このとき、導体セグメント23のターン部28側の
斜行部26と、導体セグメント123のターン部128
側の斜行部126の間には、図6に示す隙間S1が形成
される。
【0036】この挿入作業の後、固定子鉄心22の一方
の端面から突出した導体セグメント23、123の外層
側の端部を所定の周方向に折り曲げて、図6に示す隙間
S2が形成されるように外層側の斜行部126、26を
形成する。また、同時にあるいはこの工程と前後して、
固定子鉄心22の一方の端面から突出した導体セグメン
ト23、123の内層側の端部を外層側とは反対の周方
向に折り曲げて、図6に示す隙間S2が形成されるよう
に内層側の斜行部26、126を形成する。なお、この
斜行部26、126の形成は、各導体セグメント23、
123の間に、隙間S2に対応する整形用の治具を挿入
して行われる。
【0037】この結果、図6に示すように、固定子巻線
21のコイルエンドを形成する内層の斜行部26、12
6と外層の斜行部26、126がそれぞれ周方向に沿っ
た逆向きに傾斜するように配置される。その後、図7に
示す巻線仕様図にしたがって、ターン部28、128側
のコイルエンドに反転渡り線331を配置した後、内層
側の接合部27、127あるいは外層側の接合部27、
127を、溶接や半田付けなどによって電気的に接合
し、スロット25当たり4本の電気導体を有する固定子
巻線21が形成される。
【0038】このように、本実施形態の車両用交流発電
機1では、図6に示すように、固定子巻線21の各コイ
ルエンドにおいて、同一のスロットから延びる2つの導
体セグメントの間には、回転軸方向に沿って所定の隙間
を確保することができる。したがって、コイルエンドに
塩水やカーシャンプーなどの電解液が到達しても、この
隙間を通して内部の冷却ファン35、36によって遠心
方向に冷却風とともに排出されるため、滞留を防止する
ことができ、滞留したときに生じるコイルエンドの腐食
による断線不良等を防止することができる。また、上述
した隙間によって、コイルエンドを構成する各導体セグ
メントが互いに離間して配置されるため、コイルエンド
の冷却性を向上させることができる。
【0039】さらに、図2に示すように、各導体セグメ
ント23、123の断面を矩形形状に形成することによ
り、スロット25内の占積率を高めることができるた
め、固定子巻線21の抵抗値を低減し、発電能力を向上
させることができる。しかも、連続巻線を用いずに導体
セグメント23、123を用いることにより、上述した
高占積率化に加えて、コイルエンド間の隙間を形成する
工程を簡略化でき、固定子2の製造コストを低減するこ
とができる。
【0040】ところで、上述した実施形態では、スロッ
ト25内に収容された電気導体は、深さ方向に二列(内
層、外層)および回転周方向に二列であり、合計で4本
が一のスロット25に収容されている場合を説明した
が、要求出力等に応じてスロット25の深さ方向や回転
周方向のそれぞれの電気導体数を変更するようにしても
よい。
【0041】また、上述した実施形態では、U字状の導
体セグメント23、123を用いたが、図8に示すよう
に、ターン部を有しないほぼJ字状の導体セグメント2
23を用い、これを固定子鉄心の軸方向から直線部22
3hをそろえて挿入し、挿入した先端部側を所定の周方
向に傾斜させるようにしてもよい。この場合には、同一
スロットに収容され、斜行部が同じ周方向に傾斜した複
数の導体セグメントにおいて、直線部223hと斜行部
との連結部分の回転軸方向の位置を互いにずらすことに
より、図6に示したような隙間S1、S2を確保するこ
とができる。また、導体セグメント223の形状がU字
状よりも単純化されるので、導体セグメント自体の製造
工程が簡略化され、固定子の製造コストを低減すること
ができる。
【0042】また、上述した実施形態では、図2に示す
ような固定子鉄心22の各スロット25に、回転軸方向
に沿って反ターン部側に斜行部を有しない導体セグメン
ト23′、123′を挿入し、その後挿入の先端側を整
形して図3および図4に示す導体セグメント23、12
3を完成させたが、図9および図10に示すように、固
定子鉄心122の各歯先先端部124に径方向に沿った
突起部130あるいは132を形成することにより、ス
ロット125の内周側開口部の周方向の幅を、スロット
125内部の周方向の幅と同じに設定してもよい。この
ような固定子鉄心122を用いた場合には、内径側から
U字状あるいはJ字状の各導体セグメント23、123
を挿入した後に、各歯先先端部124の突起部130、
132を周方向に曲げればよいため、スロット125に
収納する前に、図3および図4に示したようなターン部
と反ターン部の両方に斜行部を有する導体セグメント2
3、123を製造することができ、固定子鉄心の各スロ
ットに挿入した後に整形して隙間S1、S2を形成する
場合に比べて製造工程の簡略化が可能になる。また、ス
ロット125に導体セグメント23、123を挿入した
後に、径方向から加圧して各導体セグメント23、12
3のスロット125内の直線部をスロット形状に合わせ
て変形することも可能になるため、さらにスロット12
5内の占積率を高めて出力向上を図ることができる。
【0043】なお、上記突出量Pを持つセグメント形状
は、固定子鉄心22に形成された複数のスロットの軸方
向開口のうちの一部においてのみ形成されてもよい。
【0044】例えば、固定子鉄心22の一方の端面にお
けるスロット25の開口にのみ形成されてもよい。かか
る構成は、固定子鉄心22の一方の端面に形成されるコ
イルエンドにおいて特に高い放熱性を実現したい場合に
有効である。また、周方向に並んだスロットの開口のう
ち、ひとつおきの開口にのみ同形状を採用してもよい。
かかる構成は、加工工程における加工容易化などの利点
を得つつ、コイルエンドに所用の密度を持って通風路を
形成し、全体としての放熱性を改善したい場合に有効で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示
す図である。
【図2】固定子の部分的な断面図である。
【図3】固定子巻線を構成する一方の導体セグメントの
詳細形状を示す斜視図である。
【図4】固定子巻線を構成する他方の導体セグメントの
詳細形状を示す斜視図である。
【図5】導体セグメントが固定子鉄心に装備された状態
を示す斜視図である。
【図6】固定子の外観図である。
【図7】固定子の巻線仕様図である。
【図8】導体セグメントの他の例を示す斜視図である。
【図9】固定子の変形例を示す部分的な断面図である。
【図10】固定子の他の変形例を示す部分的な断面図で
ある。
【符号の説明】
1 車両用交流発電機 2 固定子 3 回転子 4 フレーム 21 固定子巻線 22 固定子鉄心 23、123 導体セグメント 24 インシュレータ 25 スロット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H603 AA09 AA11 BB02 BB07 BB09 BB12 CA01 CA05 CB03 CC05 CC07 CD02 CD06 CD22 CE05 EE11 5H609 BB05 BB13 BB18 PP02 PP06 PP09 QQ02 QQ12 QQ13 RR03 RR16 RR27 RR33 RR38 RR42 RR43 RR44 RR69 RR73 RR75 SS04 5H619 AA01 AA05 AA11 AA13 BB02 BB06 BB17 PP01 PP14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転周方向に沿って交互にNS磁極が形
    成され軸方向両端部の少なくとも一方にファンを持つ回
    転子と、前記回転子と対向配置された固定子と、前記回
    転子と前記固定子とを支持するフレームとを有する車両
    用交流発電機において、 前記固定子は、複数のスロットを有する固定子鉄心と、
    前記スロットに収納される複数の導体セグメントとを有
    し、 前記導体セグメントは、それぞれが前記回転子の前記N
    S磁極ピッチに対応して離間した前記スロット内に収納
    される直線部と、前記直線部を前記スロットの外部にて
    連結する斜行部とを有し、 前記スロット内において、互いに隣接する複数の前記直
    線部のそれぞれにつながる前記斜行部を同じ周方向に傾
    斜させるとともに、回転軸方向に沿ってこれらの斜行部
    を互いに離間して配置することを特徴とする車両用交流
    発電機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 同じ周方向に傾斜した前記複数の斜行部は、前記固定子
    鉄心の端面から回転軸方向に沿って異なる高さにおい
    て、対応する前記直線部とつながっていることを特徴と
    する車両用交流発電機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記導体セグメントは、前記スロット内に位置する複数
    の前記直線部のそれぞれが前記スロットの形状に沿った
    ほぼ矩形の断面形状を有することを特徴とする車両用交
    流発電機。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記導体セグメントは、2本の直線部を有するほぼU字
    状導体であり、前記固定子鉄心の一方の端面側に前記U
    字状導体のターン部が配置され、他方の端面側に前記U
    字状導体の端部が配置されており、 前記NS磁極ピッチに対応して離間した2つの前記スロ
    ットに収容された2本の前記導体セグメントの前記端部
    を接合することを特徴とする車両用交流発電機。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記導体セグメントは、前記スロットの両側から突出す
    る2つの端部を有しており、 前記固定子鉄心の両方の端面側において、前記NS磁極
    ピッチに対応して離間した2つの前記スロットに収容さ
    れた2本の前記導体セグメントの前記端部を接合するこ
    とを特徴とする車両用交流発電機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100442540B1 (ko) * 2001-04-06 2004-07-30 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 회전전기의 고정자
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JP2013027174A (ja) * 2011-07-21 2013-02-04 Honda Motor Co Ltd 回転電機のステータ

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