JP2000297051A - 2,7−ジ置換フルオレン誘導体およびそれを含む液晶組成物 - Google Patents

2,7−ジ置換フルオレン誘導体およびそれを含む液晶組成物

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JP2000297051A
JP2000297051A JP11107854A JP10785499A JP2000297051A JP 2000297051 A JP2000297051 A JP 2000297051A JP 11107854 A JP11107854 A JP 11107854A JP 10785499 A JP10785499 A JP 10785499A JP 2000297051 A JP2000297051 A JP 2000297051A
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Tatsuji Harufuji
龍士 春藤
Eiji Okabe
英二 岡部
Junichi Inagaki
順一 稲垣
Hiromichi Inoue
博道 井上
Hideo Saito
秀雄 齋藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電性液晶組成物の構成成分として有用な
新規な化合物を提供すること、さらに有用な液晶組成
物、液晶素子を提供することである。 。 【解決手段】 一般式〔1〕 【化1】 {式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、2〜16個の
炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基であ
り、この基中のいずれか一つのメチレン基もしくは二つ
以上の相隣接しないメチレン基は−O−、−S−、−C
H=CH−、−C≡C−、−CF2−または−CHF−
で置換されていてもよく、Xは−CH2−または−CO
−を示し、Yは単結合、−O−または−S−である。
(ただし、Yが−O−または−S−である時はR1およ
びR2の1−位のメチレン基が−O−または−S−で置
換されることはない)}で表される2,7−ジ置換フル
オレン誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子、特
に強誘電性液晶表示素子に好適に使用できる、新規な液
晶性化合物、この化合物を含有する液晶組成物、および
この液晶組成物を用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】20インチサイズ以上の大画面は現在の
ところTFT素子では実現が困難とされいる。しかし強
誘電性液晶表示素子は20インチサイズ以上の大画面と
生産コストの低減の両者を実現する可能性を有するもの
である。{クラークら;アプライド フィジックス レ
ターズ (Appl.Phys.Lett.,)36、
899(1980)}。この表示方式は、強誘電性を示
すカイラルスメクチックC相(以下、SC*相と略記す
る)などのカイラルスメクチック相を利用するもので、
表面安定化強誘電性液晶表示(以下、SSFLCと略記
する)方式と呼ばれており、家電メ−カ−や材料メ−カ
−によって特性の改良や商品化が試みられている。その
理由は、強誘電性液晶表示素子が原理的に以下の特徴を
もつからである。 1.高速応答性 2.メモリ−性 3.広視野角 これらの特徴がSSFLCの大容量表示への可能性を示
唆しており、SSFLC方式を非常に魅力あるものにし
ている。
【0003】強誘電性液晶を表示素子に用いるには、液
晶材料が ・室温を含む広い範囲でSC*相を示すこと、 ・充分に大きい自発分極を有すること、 ・適当なチルト角を有すること、 ・粘性が低いこと などの条件を満たす必要があるが、現在これらを単独で
満足するような化合物は知られていない。そのため幾種
類もの化合物を混合して強誘電性液晶相を示す組成物を
調製する必要がある。強誘電性液晶組成物の調製法とし
ては、非カイラルな、スメクチックC、F、G、H、I
などの傾いたスメクチック相(以下、Scなどの相と略
記する)を呈する化合物または組成物を基本物質とし
て、これに一種類以上の強誘電性液晶化合物または光学
活性化合物を混合することにより、強誘電性液晶相を呈
する組成物とする方法がある。この方法により低粘性の
組成物を得ることができるので、応答速度の速い表示素
子を製作することが可能となってくる。強誘電性液晶表
示は通常カイラルスメクチックC相(以下、SC*相と
略記する)を利用して行われる。しかし、この相よりも
高次の相であってもカイラルスメクチックF相、カイラ
ルスメクチックI相(以下、それぞれSF*相、SI*
相と略記する)などの相であれば強誘電性液晶表示は可
能である。強誘電性液晶表示用材料の基本物質である母
液晶としては、室温域でSc相を示す化合物が望まし
く、母液晶を構成する成分においてもSc相を示す化合
物が望ましい。
【0004】フルオレン環を含む液晶性化合物として種
々のものが知られている。例えば、特開昭632919
81には、光学活性−7−アルコキシフルオレン−2−
カルボン酸エステルが開示され、Tetrahedoron, 37
(16), 2815ページと2823ページ、1981
年には、2−アルカノイル−7−アルキルフルオレン、
J. Phys. (Paris), Suppl, 37, C3, 1,1976年に
は、2−アルカノイル−7−アルキルフルオレン、2,
7−ジアルカノイルフルオレン、Bull. Soc. Chim.Fr.,
2060ページ,1975年には、2−アルカノイル−7−
アルコキシフルオレン、2−アルコキシ−7−アルキル
フルオレン、2−アルカノイル−7−アルキルフルオレ
ン、2,7−ジアルカノイルフルオレンなどフルオレン
環の2、7位に置換基を有する液晶性化合物が記載され
ている。しかし、これらの中に後記される本発明の化合
物についての具体的な記載は見出せない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は強誘電
性液晶組成物の構成成分として有用な新規な化合物を提
供することにある。さらに有用な液晶組成物、液晶素子
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、フルオレ
ン環を有する液晶化合物の探索を行った結果、特定の式
で表わされる2、7−ジ置換フルオレン誘導体が強誘電
性液晶の構成成分として好適であることを見いだし本発
明を完成するに至った。
【0007】本発明の2,7−ジ置換フルオレン誘導体
は、一般式〔1〕
【化2】 {式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、2〜16個の
炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基であ
り、この基中のいずれか一つのメチレン基もしくは二つ
以上の相隣接しないメチレン基は−O−、−S−、−C
H=CH−、−C≡C−、−CF2−または−CHF−
で置換されていてもよく、Xは−CH2−または−CO
−を示し、Yは単結合、−O−または−S−である(た
だし、Yが−O−または−S−である時はR1およびR2
の1−位のメチレン基が−O−または−S−で置換され
ることはない)。}で表される。好ましくは、一般式
〔1〕において、R1およびR2がそれぞれ独立に、2〜
16個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキ
ル基であり、Xが−CH2−であり、Yが単結合、−O
−または−S−である2,7−ジ置換フルオレン誘導
体、または一般式〔1〕において、R1およびR2がそれ
ぞれ独立に、2〜16個の炭素原子を有する直鎖状のア
ルキル基であり、Xが−CO−であり、Yが単結合、−
O−または−S−である2,7−ジ置換フルオレン誘導
体が示される。
【0008】本発明の液晶組成物は、一般式〔1〕で示
される2,7−ジ置換フルオレン誘導体を少なくとも一
つを含有する。
【0009】本発明の液晶表示素子は、一般式〔1〕で
示される2,7−ジ置換フルオレン誘導体を少なくとも
一つを含有する液晶組成物を含むことからなる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の一般式〔1〕で示される
2,7−ジ置換フルオレン誘導体としては、以下の6種
の一般式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、
(1e)および(1f)で示される化合物が好ましい。
【化3】
【0011】より好ましい誘導体としては、(1a)、
(1b)、(1c)および(1d)の各式においてR1
およびR2が2−12個の炭素原子を有するアルキル基
である化合物を挙げることができる。
【0012】本発明の2,7−ジ置換フルオレン誘導体
は、前記一般式〔1〕で示される化合物、好ましくは
(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、(1e)お
よび(1f)で示される化合物であるが、これらの式中
1およびR2として好ましい直鎖状のアルキル基として
は、2〜12個の炭素原子を有する基、すなわち、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル
の各基を挙げることができる。これらの式中R1および
2として好ましい分岐状のアルキル基としては、イソ
プロピル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、
2−メチルブチル、3−メチルブチル、2−メチルペン
チル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−
プロピルペンチル、イソプロポキシ、5−メチルヘプチ
ル、6−メチルオクチルなどを挙げることができる。分
岐状のアルキル基を有する化合物は、強誘電性液晶組成
物に添加することによりチルト角を大きくすることがで
きることから重要である。また、光学活性の化合物はカ
イラルドーピング剤として重要である。
【0013】また、アルキル基中のいずれか一つのメチ
レン基もしくは二つ以上の相隣接しないメチレン基が−
O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CF2
−または−CHF−で置き換えられたR1もしくはR2
しては、CH3−CH=CH−、CH2=CH−CH
2−、CH2=CH−CH2−CH2−、CH2=CH−C
2−CH2−CH2−、CH3−CH=CH−CH=CH
−、CH3−C≡C−、CH3−CH2−C≡C−、CH3
−CH2−CH2−C≡C−、CH3−C≡C−CH2−C
≡C−、CH3−O−CH2−、CH3−O−CH2CH2
CH2−、CH3−O−CH2−CH2−CH2−CH2−、
CH3−CH2−O−CH2−CH2−CH2−、CH3−C
2−O−CH2−CH2−CH2−CH2−、CH3−S−
CH2−、CH3−S−CH2CH2CH2−、CH3−S−
CH2−CH2−CH2−CH2−、CH3−CH2−S−C
2−CH2−CH2−、CH3−CH2−S−CH2−CH
2−CH2−CH2−、CH3−CF2−CH2−、CH3
CF2−CH2CH2CH2−、CH3−CF2−CH2−C
2−CH2−CH2−、CH3−CH2−CF2−CH2
CH2−CH2−、CH3−CH2−CF2−CH2−CH2
−CH2−CH2−、CH3−CHF−CH2−、CH3
CHF−CH2CH2CH2−、CH3−CHF−CH2
CH2−CH2−CH2−、CH3−CH2−CHF−CH2
−CH2−CH2−、CH3−CH2−CHF−CH2−C
2−CH2−CH2−、CH3−CH2−CH2−CH2
CH2−CH2−CHF−CH2−などが好ましい。
【0014】(化合物の製造法)以下に本発明の2,7
−ジ置換フルオレン誘導体の製造法を例示する。前記一
般式〔1〕で表される2,7−ジ置換フルオレン誘導体
の中で、 Yが−O−である化合物はつぎの経路で製造
できる。すなわち、フルオレン(a)のフリーデルクラ
フツ反応により2−アセチルフルオレン(b)とする。
この(b)を過酸化物により酸化して2−アセトキシフ
ルオレン(c)とし、さらにこの(c)のフリーデルク
ラフツ反応により、2−アセトキシ−7−アセチルフル
オレン(d)を得ることができる。この2−アセトキシ
−7−アセチルフルオレン(d)を加水分解して2−ア
セチル−7−ヒドロキシフルオレン(e)を得て、これ
を塩基の存在下ハロゲン化アルキル(Q)と反応させて
2−アセチル−7−アルコキシフルオレン(f)を得る
ことができる。この(f)を過酸化物により酸化してエ
ステル化合物(g)とし、加水分解してヒドロキシ体
(h)とし、ついでハロゲン化アルキル(Q)とのエー
テル化反応により一般式(1a)で表される化合物を製
造できる。一般式(1b)で表される化合物は(1a)
を2−ブタノンなどの溶剤中、水酸化カリウムなどの塩
基の存在下、酸素により酸化することで製造できる。
【0015】
【化4】
【0016】前記一般式〔1〕で表される化合物の中
で、Yが単結合である化合物はつぎの経路で製造でき
る。すなわち、フルオレン(a)とアルカノイルクロラ
イドとのフリーデルクラフツ反応でカルボニル体とし、
ついでこれをヒドラジンなどにより還元することで2−
アルキルフルオレン(i)を得ることができる。(i)
をさらにアルカノイルクロライドとのフリーデルクラフ
ツ反応、ついでヒドラジンなどにより還元することで2
−位と7−位にアルキル基を有する一般式(1c)で表
される化合物を製造できる。この化合物(1c)を2−
ブタノンなどの溶剤中で、水酸化カリウムなどの塩基の
存在下に酸素により酸化することで一般式(1d)で表
されるフルオレノン化合物を製造できる。
【0017】
【化5】
【0018】一般式(1e)または(1f)で表される
硫黄含有の化合物は、Organic Synthesis, Vol.51, 13
9頁に記載の方法によるHO基を対応するHS基に変換
する反応を、上述の製造工程に組み合わせることで製造
できる。
【0019】
【実施例】以下に実施例および比較例により本発明の化
合物をさらに詳細に説明する。なお、後記する実施例お
よび比較例において、各種の物性値の測定はつぎの方法
で行った。 相転移温度:スライドガラス上にカバーガラスで覆って
置かれた試料を、ホットステージ上1℃/minの速度
で昇温させて、偏向顕微鏡下で観察して測定した。観察
された各液晶相は以下の略記号で示し、相転移温度
(℃)を各相を示す記号の間に記す。ここにIsoは透
明液相を、Nはネマチック相を、SAはスメクチックA
相を、ScはスメクチックC相を、SC*はカイラルス
メクチックC相を、Sxは未同定のスメクチック相を、
Crは固相をそれぞれ示す。 融点:示差走査熱量分析計(DSC)を用い1℃/mi
nで昇温させて求めた。 自発分極値(Ps):ソーヤ・タウアー法にて測定し
た。 傾き角(θ):ホモジニアス配向させたセルに、臨界電
場以上の十分高い電場を印加してらせん構造を消滅させ
て、直交ニコル下における第一の消光位を求め、さらに
電場の極性を反転させて第二の消光位を求め、二つの消
光位のなす移動角(2θに対応)から求めた。 応答時間(τ):配向処理された電極2μmの間隔で組
み込まれたセルに、試料組成物を注入し、ピークツーピ
ーク電圧(Vpp)が20V、0.1kHzの矩形波を
印加したときの透過光強度の変化から測定した。 粘度(η):応答時間を測定した時と同じ条件下に観察
される分極反転電流のピークの半値幅Twを 次式 Tw = (1.76・η)/(Ps・E)(ここでE
は、10Vである) に代入して求めた。
【0020】実施例1 2−ヘプチルオキシ−7−ペンチルオキシフルオレン
(化合物33)の製造: (第1段階)2−アセチルフルオレンの製造 フルオレン150gをジクロルメタン1リットルに溶か
した溶液に、0℃で無水塩化アルミニウム126gを少
しづつ加えた。つぎにこの溶液に塩化アセチル74gを
ジクロルメタン400mlに溶かした溶液を滴下し、0
℃を保ちながら1時間攪拌反応を行った。得られた反応
液を6N希塩酸1リットルに投入し、析出した固形物を
濾別した。この固形物を乾燥した後、トルエンから再結
晶して165gの2−アセチルフルオレンを得た。この
融点は129℃であった。
【0021】(第2段階)2−アセトキシフルオレンの
製造 前段階で調製した2−アセチルフルオレン165g、ぎ
酸320gおよび無水酢酸120gをジクロルメタンの
1リットルに溶解混合し、この混合液に硫酸40mlを
加え、つぎに30%過酸化水素水120mlを滴下し、
30分間室温で攪拌し、40℃まで加熱してさらに5時
間攪拌し反応を行った。この反応液に水1リットルを加
えて得られたジクロルメタン層を分液して、飽和炭酸ナ
トリウム水、亜硫酸水素ナトリウム水、水の順番で洗浄
し、ついで無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を濾
別後得られた液を濃縮して固形物を得た。この固形物を
ヘプタンと酢酸エチルの1:1混合溶媒から再結晶し
て、2−アセトキシフルオレン149gを得た。この融
点は130℃であった。
【0022】(第3段階)2−アセトキシ−7−アセチ
ルフルオレンの製造 前段階で調製した2−アセトキシフルオレン140gを
ジクロルメタンの1リットルに溶かした溶液に、0℃に
おいて無水塩化アルミニウム189gを加え、つぎに塩
化アセチル62gのジクロルメタン100ml溶液を滴
下し、0℃を保ちながら5時間攪拌反応を行った。得ら
れた反応液に6N希塩酸を加えて得られた、ジクロルメ
タン層を分液して無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥
剤を濾別後得られた液を濃縮して固形物を得た。この固
形物をエチルアルコールと酢酸エチルの8:2混合溶媒
から再結晶して143gの2−アセトキシ−7−アセチ
ルフルオレンを得た。この融点は134℃であった。
【0023】(第4段階)2−アセチル−7−ヒドロキ
シフルオレンの製造 前段階で調製したアセトキシ−7−アセチルフルオレン
150g、水酸化カリウム30g、エチレングルコール
の400ml、エチルアルコールの1リットルおよび水
50mlを混合し、この混合液を5時間加熱還流して反
応を行った。反応液から減圧蒸留によりエチルアルコー
ルを留去し、残った反応液を6N希塩酸1リットルに注
いで析出した固形物を濾別した。この固形物を乾燥後酢
酸から再結晶し、106gの2−アセチル−7−ヒドロ
キシフルオレンを得た。この融点は220〜222℃で
あった。
【0024】(第5段階)2−アセチル−7−ヘプチル
オキシフルオレンの製造 前段階で調製した2−アセチル−7−ヒドロキシフルオ
レン20g、臭化ヘプチル21g、炭酸カリウム18g
およびジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記す
る)300mlを混合した溶液を3時間加熱還流して反
応を行った。反応液に6N希塩酸を加えて形成する有機
層をトルエンで抽出した抽出液を水で洗浄し、無水硫酸
マグネシウム上で乾燥した。乾燥剤を除去後得られた液
を濃縮した。この濃縮物をヘプタン溶媒から再結晶して
23.5gの2−アセチル−7−ヘプチルオキシフルオ
レンを得た。この融点は104〜105℃であった。
【0025】(第6段階)2−ヘプチルオキシ−7−ヒ
ドロキシフルオレンの製造 前段階で得られた2−アセチル−7−ヘプチルオキシフ
ルオレン22gに、ぎ酸50g、無水酢酸20gおよび
ジクロルメタン200mlを加えて調製した混合溶液
に、硫酸6mlを加え、ついで30%過酸化水素水20
mlを滴下した。この混合液を40℃まで加熱し、同温
度を保ちながら3時間攪拌し反応を行った。反応液に水
を加えて得られるジクロルメタン層を炭酸ナトリウム
水、亜硫酸水素ナトリウム水、水で順次洗浄して後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。洗浄乾燥された抽出液
から溶媒を留去して得られた残渣を、エチルアルコール
150gに溶かし、これに水酸化カリウム5.6g、水
10mlを加え2時間加熱還流後、エチルアルコールを
減圧下に留去して、残った溶液に6N塩酸を加えた。こ
の溶液から有機相をクロロホルムで抽出し、抽出液を無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後の抽出
液から溶媒を留去して得られた残渣をヘプタンと酢酸エ
チルの8:2混合溶媒から再結晶により、7.2gの2
−ヘプチルオキシ−7−ヒドロキシフルオレンを得た。
この融点は156〜157℃であった。
【0026】(第7段階)2−ヘプチルオキシ−7−ペ
ンチルオキシフルオレン 前段階で調製した2−ヘプチルオキシ−7−ヒドロキシ
フルオレン2.2gに、ヨウ化ペンチル2.1g、炭酸
カリウム1.5gおよびDMF30mlを加えて得られ
た溶液を4時間加熱還流して反応を行った。得られた反
応液に水を加え、トルエンで抽出した。得られた抽出液
(トルエン層)を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。洗浄乾燥された抽出液から溶媒を留去して得
られた残渣を、トルエンを展開溶媒とするシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより精製し、1.8gの2−
ヘプチルオキシ−7−ペンチルオキシフルオレンを得
た。この相転移温度を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】実施例2 2−ヘプチルオキシ−7−ペンチルオキシフルオレノン
(化合物96)の製造:2−ヘプチルオキシ−7−ペン
チルオキシフルオレン3gと粉末状の水酸化カリウム
2.2gを2−ブタノンの80mlに溶かした溶液を、
加熱還流しながら溶液中に酸素を1時間吹き込み、さら
に室温まで放冷後1時間攪拌し反応を行った。得られた
反応液に6N希塩酸を加えて形成する有機層を、クロロ
ホルムで抽出した抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。乾燥剤除去後、溶媒を留去して得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーと再結晶により精製
し、1.8gの2−ヘプチルオキシ−7−ペンチルオキ
シフルオレノンを得た。この相転移温度を実施例1の最
終製品と同様に表1に示した。
【0029】実施例3 2−ヘプチル−7−ペンチルフルオレン(化合物17
3)の製造: (第1段階)フルオレン50gをジクロルメタン300
mlに溶かした溶液に、0℃で無水塩化アルミニウム4
6gを加え、つぎにヘプタン酸クロリド50gを滴下
し、内温を0℃に保ちながら8時間攪拌し反応を行っ
た。得られた反応液に6N希塩酸500mlを加えて形
成した有機相をジクロルメタンで抽出し、抽出液を無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後得られた
液の溶媒を留去して固形物を得た。この固形物をヘプタ
ン溶媒から再結晶し、20gの2−ヘプタノイルフルオ
レンを得た。この融点は111〜112℃であった。
【0030】(第2段階)前段階で調製した2−ヘプタ
ノイルフルオレンの10gをジエチレングリコールに溶
解して得られた溶液100mlに、水酸化カリウム4.
1g、ついでヒドラジン3.7gを加え、280℃で6
時間加熱攪拌し、反応を行った。得られた反応液に水を
加えて形成する有機層をジエチルエーテルで抽出し、得
られたエーテル層を水洗後、無水硫酸マグネシウム上で
乾燥した。この洗浄乾燥された抽出液から溶媒を留去し
て得られた残渣を、エチルアルコールから再結晶し、1
1gの2−ヘプチルフルオレンを得た。この融点は58
〜60℃であった。
【0031】(第3段階)前段階で調製した2−ヘプチ
ルフルオレンの7gをジクロルメタン50mlに溶かし
た溶液に、0℃で無水塩化アルミニウム7.2gを加
え、つぎにペンタノイルクロライド3.2gを滴下し、
内温を0℃に保ちながら3時間攪拌し、反応を行った。
得られた反応液に6N希塩酸1リットルを加えて形成す
る有機層をジクロルメタンで抽出し、その抽出液を無水
硫酸マグネシウム上で乾燥した。乾燥剤除去後の抽出液
の溶媒を留去して固形物を得た。この固形物をヘプタン
から再結晶し、6.4gの2−ヘプチル−7−ペンタノ
イルフルオレンを得た。この化合物の液晶相転移点は Cr 114 SA 119.6 Iso であった。
【0032】(第4段階)前段階で調製された2−ヘプ
チル−7−ペンタノイルフルオレン6.4gをジエチレ
ングリコールに溶解した溶液の60mlに水酸化カリウ
ム2.2g、ついでヒドラジン2gを加え、280℃で
4時間加熱攪拌し、反応を行った。得られた反応液に水
を加えて形成する有機層をジエチルエーテルで抽出後、
抽出液(エーテル層)を水洗して、無水硫酸マグネシウ
ム上で乾燥した。水洗乾燥後の抽出液の溶媒を留去して
得られた残渣を、エチルアルコールから再結晶し、4.
8gの2−ヘプチル−7−ペンチルフルオレンを得た。
この化合物の相転移温度を表1に示した。
【0033】実施例4 2−ヘプチル−7−ペンチルフルオレノン(化合物24
6)の製造:2−ヘプチル−7−ペンチルフルオレン
4.8gに、粉末状の水酸化カリウム3.5gと2−ブ
タノンとを加えて調製された溶液80mlを、加熱還流
しながら溶液中に酸素を1時間吹き込み、さらに室温で
2時間放冷し、反応を行った。得られた反応液に6N希
塩酸を加えて形成する有機相をクロロホルムで抽出し、
無水硫酸マグネシウム上で乾燥する。この乾燥抽出液か
ら溶媒を留去して得られる残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー、ついで再結晶により精製し、2.1g
の2−ヘプチル−7−ペンチルフルオレノンを得た。
【0034】上記実施例1〜4に従い一般式〔1〕で表
される以下の1〜290で示される化合物を製造する。
【0035】
【化6】
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】
【化15】
【0045】
【化16】
【0046】
【化17】
【0047】
【化18】
【0048】
【化19】
【0049】これら化合物の一部の相転移温度を前記実
施例で示した化合物の相転移温度と共に表1に示す。
【0050】実施例5 下記のスメクチック液晶組成物(イ)を調製した。
【0051】
【化20】
【0052】このスメクチック液晶組成物(イ)の相転
移温度は以下のとおりであった。 Cr 4 Sc 65 SA 79 N 90 Iso このスメクチック液晶組成物(イ)90重量部に実施例
1で製造した最終製品(化合物33)10重量部を混合
してスメクチック液晶組成物(ロ)を調製した。スメク
チック液晶組成物(ロ)の相転移温度は以下のとおりで
あった。 室温から Sc 45.9 SA 77.4 N 8
6.6 Iso
【0053】実施例6 実施例5で得られたスメクチック液晶組成物(ロ)95
重量部と下記の光学活性化合物(ハ)5重量部からなる
強誘電性液晶組成物(ニ)を調製した。
【0054】
【化21】
【0055】この強誘電性液晶組成物(ニ)の相転移温
度は 室温から SC* 51.3 SA 77.4 N 8
6.6 Iso であり、強誘電性組成物の自発分極、傾き角および電気
光学応答は表2に示すとおりであった。また、25℃に
おける組成物(ニ)の粘度は0.19ポイズであった。
【0056】
【表2】
【0057】比較例1 4−プロピルシクロヘキサンカルボン酸 7−ペンチル
フルオレン−2−イル エステル(化合物R)の製造:
2−ヒドロキシ−7−ペンチルフルオレン4.5g、4
−プロピルシクロヘキシルカルボン酸クロライド3.5
gを、ピリジン20mlとトルエン50mlからなる混
合溶媒に加え3時間加熱還流し反応を行った。反応液に
水を加え反応を終了させ、形成する有機層をトルエンで
抽出し、抽出液(トルエン層)を6N希塩酸、炭酸ナト
リウム水、水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウム
上で乾燥した。乾燥剤を濾別した抽出液から溶媒を留去
して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー、ついで再結晶により精製し5.6gの4−プロピル
シクロヘキサンカルボン酸 7−ペンチルフルオレン−
2−イル(化合物R)を得た。この化合物の構造式と相
転移温度を以下に記した。
【0058】
【化22】
【0059】このようにして得られた化合物を用いて組
成物を調製した。 スメクチック液晶組成物(ト)の調製:実施例5で用い
たスメクチック液晶組成物(イ)90重量部と上記化合
物Rの10重量部とからなるスメクチック液晶組成物
(ト)を調製した。このスメクチック液晶組成物(ト)
の相転移温度は以下のとおりであった。 室温から Sc 56.3 SA 80.6 N 9
4.4 Iso 強誘電性液晶組成物(チ)の調製:上記スメクチック液
晶組成物(ト)95重量部と実施例5で用いた光学活性
化合物(ハ)5重量部とからなる強誘電性液晶組成物
(チ)を調製した。この強誘電性液晶組成物(チ)の相
転移温度はであった。 室温から SC* 59.9 SA 77.8 N*
93.1 Iso この強誘電性組成物の自発分極、傾き角および電気光学
応答は表3に示すとおりであった。また、この強誘電性
組成物の25℃における粘度は0.38ポイズであっ
た。
【0060】
【表3】
【0061】本発明の2,7−ジ置換フルオレン誘導体
を用いた強誘電液晶組成物(ニ)(実施例6、表2)
は、化合物Rを構成成分とする強誘電液晶組成物(チ)
(比較例1、表3)に較べて、傾き角、自発分極は小さ
いが、それ以上に粘度が低いことによる電気光学応答が
速いことがわかる。
【0062】
【発明の効果】本発明の2,7−ジ置換フルオレン誘導
体は、従来のフルオレン化合物よりも良好な相溶性と小
さい粘度を示す。この誘導体を含む液晶組成物は在来の
フルオレン化合物を含む液晶組成物よりも低粘性であ
り、該液晶組成物を利用して電気光学応答の速い液晶素
子を実現できる。本発明の2,7−ジ置換フルオレン誘
導体は高速応答の液晶表示素子材料として極めて有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AB64 GP03 4H027 BA06 DE01 DF01 DF10 DM01 DM02 DM03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔1〕 【化1】 {式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、2〜16個の
    炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基であ
    り、この基中のいずれか一つのメチレン基もしくは二つ
    以上の相隣接しないメチレン基は−O−、−S−、−C
    H=CH−、−C≡C−、−CF2−または−CHF−
    で置換されていてもよく、Xは−CH2−または−CO
    −を示し、Yは単結合、−O−または−S−である(た
    だし、Yが−O−または−S−である時はR1およびR2
    の1−位のメチレン基が−O−または−S−で置換され
    ることはない)。}で表される2,7−ジ置換フルオレ
    ン誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式〔1〕において、R1およびR2
    それぞれ独立に、2〜16個の炭素原子を有する直鎖状
    または分岐状のアルキル基であり、Xが−CH2−であ
    り、Yが単結合、−O−または−S−である請求項1に
    記載の2,7−ジ置換フルオレン誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式〔1〕において、R1およびR2
    それぞれ独立に、2〜16個の炭素原子を有する直鎖状
    のアルキル基であり、Xが−CO−であり、Yが単結
    合、−O−または−S−である請求項1に記載の2,7
    −ジ置換フルオレン誘導体。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の2,7−ジ置換フルオ
    レン誘導体を少なくとも一つ含有する液晶組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の2,7−ジ置換フルオ
    レン誘導体少なくとも一つ含有する液晶組成物を含む液
    晶表示素子。
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