JP2000297238A - インク、当該インクを収納するインクカートリッジ及び当該インクを使用する記録装置 - Google Patents

インク、当該インクを収納するインクカートリッジ及び当該インクを使用する記録装置

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JP2000297238A
JP2000297238A JP10853299A JP10853299A JP2000297238A JP 2000297238 A JP2000297238 A JP 2000297238A JP 10853299 A JP10853299 A JP 10853299A JP 10853299 A JP10853299 A JP 10853299A JP 2000297238 A JP2000297238 A JP 2000297238A
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    • C09D11/30Inkjet printing inks
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、インクジェットインクに好適な分
散安定性及び保存安定性を維持しているインク、当該イ
ンクを収納するインクカートリッジ及び当該インクを使
用する記録装置を提供することを例示的目的とする。 【解決手段】 少なくとも水と、水溶性有機溶剤と、色
材とを含む水性分散系インクであって、動的光散乱法を
測定原理とする後方散乱光の検出で粒径換算を行う方式
により測定した前記インクに含まれる分散粒子の平均粒
径Doと最大粒径Dmの比をKo(=Dm/Do)と
し、前記インクを50℃恒温中に6箇月保存した後に前
記原理及び検出方式により測定した前記インクに含まれ
る前記分散粒子の平均粒径Toと最大粒径Tmの比をK
t(=Tm/To)としたとき、KoとKtの比R(=
Kt/Ko)がR≦5であるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、インク
(インキ)に係り、特に、プリンタ等の記録装置に使用
される印刷インクに関する。
【0002】本発明のインクは、圧電素子を印字ヘッド
に使用するピエゾ型インクジェットヘッドや膜沸騰型
(又はバブル型)インクジェットヘッドに適用されるイ
ンクに好適であり、単体の記録装置(インクジェットプ
リンタ)の他、印刷機能を有する複写機やファクシミ
リ、コンピュータシステムあるいはワードプロセッサ若
しくはこれらの複合機などに広く適用することができ
る。
【0003】
【従来の技術】現在、インクジェット記録装置は、静か
でフルカラー化が容易であるなどの長所により需要が伸
びている。特に、プリンタ動作中に必要なときにのみイ
ンクジェットノズルから小液滴を噴射するドロップオン
デマンド方式のインクジェットヘッドが汎用的になって
きている。
【0004】インクジェットヘッドの中で、圧電素子を
使用するもの(ピエゾ型)はエネルギー効率が優れてい
るなどの理由から近年ますます注目されてきている。こ
の種のインクジェットヘッドは、典型的に、圧電素子
と、外部からインクを供給されてこれを貯蔵する一の共
通インク室と、圧電素子に接続される複数の圧力室と、
各圧力室にノズルが接続するようにして圧力室に接続さ
れるノズル板とを有する。各圧力室はインク供給路によ
って共通インク室に接続されて、共通インク室からイン
クを受け取ると共に圧電素子の変形を利用して内部圧力
を高めてこれによりインクをノズルから噴出する。
【0005】ピエゾ型以外のインクジェットヘッドイン
クには、例えば、バブル型(膜沸騰型)と呼ばれる吐出
手段によりインク液滴を吐出させるものも知られてい
る。
【0006】従来、この種のインクジェット記録装置に
用いられるインクは、基本的に染料と水溶性有機溶剤と
から構成されているが、染料はその性格上、記録物の耐
水性や耐光性が劣るという問題がある。そこで、この様
な問題を解決するために、染料の代わりに顔料を用いた
水性分散系インク(顔料インク)の開発が行われてい
る。染料インクと比較すると、顔料を用いた水性分散系
インク(顔料インク)は、記録物の耐水性及び耐光性が
より高く、記録物の記録濃度が高く、且つ、にじみの発
生も少ないなどの利点を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、顔料インク
は、顔料自身が水等の溶媒に不溶であるため、顔料粒子
を安定に保つことが難しく、また、記録ノズル内で目詰
まりを起こしやすいという問題があった。そのために、
インクの分散安定性の確保が顔料インクでの最大の課題
となっていた。この課題を解決する提案は各種なされて
いるが従来技術の提案は未だ不十分であった。
【0008】例えば、特開昭55―35434号公報参
照は、顔料、分散剤及び水系媒体からなるサインペン等
の筆記具用インクにおいて、分散安定性及び保存安定性
を高めるため、分散剤として親水性部分と親油性部分を
共有するアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステ
ルを主成分とする重合体を用いるとともに、水性媒体と
して、エチレングリコール等の不揮発性の親水性有機溶
剤を含有する水性媒体を用いることを提案している。
【0009】しかし、筆記具用インクは微小ノズルから
液滴を吐出するインクジェット記録装置用インク(以
下、「インクジェットインク」という。)として元々不
向きな上、長期間保存すると水分の蒸発によりインクの
粘度が増し、粒子が凝集するので、インクジェットイン
クとして分散安定性及び保存安定性を確保しているとは
いえず、満足できるものではなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、このような従来
の課題を解決する新規かつ有用なインク、当該インクを
収納するインクカートリッジ及び当該インクを使用する
記録装置を提供することを本発明の概括的目的とする。
【0011】より特定的には、インクジェットインクに
好適な分散安定性及び保存安定性を維持しているイン
ク、当該インクを収納するインクカートリッジ及び当該
インクを使用する記録装置を提供することを本発明の別
の例示的目的とする。
【0012】本発明者らは上記の目的を達成するため鋭
意検討を重ねた結果、特定の顔料と分散剤及び/又は添
加剤からなる分散系インクを新規に構成し、特定原理及
び検出方式により測定したインク中の分散粒子の平均粒
径が特定の範囲の場合に従来の課題を解決することを発
見した。
【0013】請求項1記載のインクは、水と水溶性有機
溶剤とを有するインクであって、当該インクに含まれる
分散粒子が少なくともカーボンブラックを含む色材を更
に有し、前記分散粒子は、一次粒径30nm以下、BE
T比表面積200m2/g以下、DBP吸油量80cc
/100g以下、揮発分2.0%以上、pH7以下であ
り、前記インクは、重量平均分子量80000以下の範
囲にあるアクリル系高分子共重合体を分散剤として更に
有する。分散粒子の一次粒径を比較的小さく沈殿しにく
い30nm以下が選択されている。BET比表面積20
0m2/g以下であれば一般に多孔質ではない。また、
DBP吸油量80cc/100g以下は比較的凝集が少
ないことを意味する。カーボンブラックでの揮発分2.
0%以上は、例えば酸化皮膜などを有することを意味す
る。pH7以下は酸性であることを意味する。本発明者
はこれらの条件を満足するインクは安定な分散系インク
であることを発見した。また、本発明者らは、これらの
条件に加えて、インクが重量平均分子量80000以下
のアクリル系高分子共重合体を分散剤として有する場合
には更に安定性が向上することを発見した。
【0014】請求項2記載のインクは、水と水溶性有機
溶剤とを有するインクであって、当該インクに含まれる
分散粒子が少なくともカーボンブラックを含む色材を更
に有し、前記分散粒子は、一次粒径30nm以下、BE
T比表面積200m2/g以下、DBP吸油量80cc
/100g以下、揮発分2.0%以上、pH7以下であ
り、前記インクは、親油性成分、カチオン性成分、親水
性成分を合わせもつ重合体を分散剤として更に有する。
一次粒径30nm以上、BET比表面積200m2/g
以上、DBP吸油量80cc/100g以上、カーボン
ブラックでの揮発分2.0%以下、pH7以上であれ
ば、凝集が起こりやすく分散が不安定となるためであ
る。また、本発明者らは、これらの条件に加えて、イン
クが親油性成分、カチオン性成分、親水性成分を合わせ
もつ重合体を分散剤として有する場合には更に安定性が
向上することを発見した。これは、カーボンブラックは
水性媒体中で負電荷を有しており、前記分散剤を使用し
た場合にはその親油性成分による吸着のほか、カチオン
性成分による電気的吸引力により分散剤が顔料表面に固
着し、親水性部分は水性の媒体に溶解しているものと考
えられるからである。顔料粒子は分散剤のこれら3つの
部分の作用により水性媒体中に安定に保持されるものと
考えられる。
【0015】請求項3記載のインクは、少なくとも水
と、水溶性有機溶剤と、色材とを含む水性分散系インク
であって、動的光散乱法を測定原理とする後方散乱光の
検出で粒径換算を行う方式により測定した前記インクに
含まれる分散粒子の平均粒径Doと最大粒径Dmの比を
Ko(=Dm/Do)とし、前記インクを50℃恒温中
に6箇月保存した後に前記原理及び検出方式により測定
した前記インクに含まれる前記分散粒子の平均粒径To
と最大粒径Tmの比をKt(=Tm/To)としたと
き、KoとKtの比R(=Kt/Ko)がR≦5であ
る。Rが5以上になると、平均粒径と最大粒径の比率
(大きさ)が、初期に対して5倍以上となり、インク中
の分散粒子(とくに、最大粒子)が急激に成長している
ことを意味する。このようなインクは長期に亘って時間
とともに分散粒子が凝集する傾向をもつため、沈殿する
可能性も高くなる。このようなインクは分散系が不安定
になり、保存安定性も不良となる可能性が高い。
【0016】請求項3に従属する請求項4記載のインク
は、50℃恒温中に6箇月保存した後に前記原理及び検
出方式により測定した前記インクに含まれる前記分散粒
子の平均粒径Toが、10nm≦To≦1000nm、
及び、Do≦Toを満足する。10nm≦To≦100
0nm、及び、Do≦Toを満足するインクは請求項3
のインクよりも更に分散系が安定になる。Toが100
0nm以上になるとインクジェット記録装置のノズル目
詰まりを発生させ、著しく信頼性を損なうためである。
また、10nm以下の粒子を安定に製造することは事実
上できない。Toは初期より経時変化した後の平均粒径
であり、初期Doよりも一般に大きくなる。
【0017】請求項3に従属する請求項5記載のインク
は、50℃恒温中に6箇月保存した後に前記原理及び検
出方式により測定した前記インクに含まれる前記分散粒
子の最大粒径Tmが、10nm≦Tm≦10000n
m、及び、Dm≦Tmを満足する。10nm≦Tm≦1
0000nm、及び、Dm≦Tmを満足するインクは請
求項3のインクよりも更に分散系が安定になる。これは
Tmが10000nm以上になると、インクジェット記
録装置のノズル目詰まりを発生させ、著しく信頼性を損
なうためである。また、10nm以下の粒子を安定に製
造することは事実上できない。また、Tmは初期より経
時変化した後の最大粒径であり、初期Dmよりも一般に
大きくなる。
【0018】請求項3に従属する請求項6記載のインク
は、前記インクを濾過し、その濾過に使用した濾材の孔
径Dfが1<Df/Dm≦4を満足する。Dfは全量濾
過(100%通過)する中で最小の孔径がDfである。
粒度分布計での測定値(平均及び最大径など)を基に、
フィルタのポアサイズを選定すると、濾過ができないこ
とがあることを考慮して、特定の範囲のフィルタ・ポア
サイズを通過したインクであるとしている。
【0019】請求項6に従属する請求項7記載のインク
は、前記濾過に使用したフィルタの材質が、セルロース
アセテ一ト、セルロースナイトレート、再生セルロー
ス、ポリサルホン、ポリプロピレン、ポリアミドのいず
れか又はこれらの組み合わせからなる。インクの濾過を
容易にするためにフィルタの材質には親水性の材質を使
用している。
【0020】請求項3に従属する請求項8記載のインク
は、前記インク中の分散粒子が少なくともカーボンブラ
ックを含む色材から構成され、前記分散粒子は、一次粒
径30nm以下、BET比表面積200m2/g以下、
DBP吸油量80cc/l00g以下、揮発分2.0%
以上、pH7以下である。一次粒径30nm以上、BE
T比表面積200m2/g以上、DBP吸油量80cc
/100g以上、カーボンブラックでの揮発分2.0%
以下、pH7以上であれば、凝集が起こりやすく分散が
不安定となるためである。
【0021】請求項3に従属する請求項9記載のインク
は、前記インクは分散剤を更に含む。分散剤によりイン
クの分散安定性が増加する。
【0022】請求項9記載に従属する請求項10記載の
インクは、前記分散剤は、重量平均分子量80000以
下のアクリル系高分子共重合体からなる。本発明者らは
かかるインクが安定性に優れていることを発見した。
【0023】請求項9記載に従属する請求項11記載の
インクは、前記分散剤は、親油性成分、カチオン性成
分、親水性成分を合わせもつ重合体である。かかるイン
クは請求項9記載のインクよりも更に安定性に優れてい
る。これは、カーボンブラックは水性媒体中で負電荷を
有しており、前記分散剤を使用した場合にはその親油性
成分による吸着のほか、カチオン性成分による電気的吸
引力により分散剤が顔料表面に固着し、親水性部分は水
性の媒体に溶解しているものと考えられるからである。
顔料粒子は分散剤のこれら3つの部分の作用により水性
媒体中に安定に保持されるものと考えられる。
【0024】請求項3に従属する請求項12記載のイン
クは、20℃における粘度ηが1cp≦η≦100cp
を満足する。本発明者らはかかるインクが安定性に優れ
ていることを発見した。
【0025】請求項13乃至請求項16は、上述したイ
ンクを使用するインクカートリッジと記録装置である。
分散安定性と保存安定性に優れたインクを使用している
ので、目詰まりなどがなく安定した記録動作と高印字品
位を提供することができる。
【0026】請求項17に記載のインクは、少なくとも
水と、水溶性有機溶剤と、色材とを含む水性分散系イン
クであって、インクを希釈することなく直接測定するこ
とで、測定による粒径変化を起こさせずに測定した前記
インクに含まれる分散粒子の平均粒径Doと最大粒径D
mの比をKo(=Dm/Do)とし、前記インクを50
℃恒温中に6箇月保存した後に前記原理及び検出方式に
より測定した前記インクに含まれる前記分散粒子の平均
粒径Toと最大粒径Tmの比をKt(=Tm/To)と
したとき、KoとKtの比R(=Kt/Ko)がR≦5
である。
【0027】本発明の他の目的と更なる特徴は、以下、
添付図面を参照して説明される実施例において明らかに
なるであろう。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の第1の側面のインクは、
水性分散系インク中の分散粒子を動的光散乱法(以下、
「DLS法」と略す)を測定原理とし、後方散乱光の検
出で粒径換算を行う方式により測定した最大粒径と平均
粒径と、前記インクを50℃恒温中に6箇月保存した後
に、前記原理及び検出方式により測定した最大粒径と平
均粒径との比が5以下とすることによって、分散安定性
および保存安定性を向上させることができる。なお、本
発明における「分散粒子」とは色材または分散剤が独立
あるいは複合した粒子の状態を意味するものである。
【0029】一般に、溶媒中に分散した粒子の粒径を測
定する場合、光学的又は電気化学的な測定法が知られて
いる。このうち、光学的散乱(静的/動的光散乱など)
を測定及び検出原理とする粒度分布計(例えば、光子相
関法を原理とするものなど)は、従来よく使用された装
置であったが、試料を大希釈しないと測定できなかっ
た。このため、従来の測定原理及び検出方法の粒径測定
では、原液の分散状態を測定できず、一方、希釈した場
合には原液の分散/凝集状態が変化する可能性があり、
粒径判断を誤る危険性があつた。
【0030】これに対し、近年では、溶媒中に分散した
粒子にレーザー光を照射し、移動する粒子で散乱された
ドップラーシフト光の速度を検出することで周波数解析
を行い、これを基に、粒径換算する粒度分布計が現れた
(例えばMICROTRAC粒度分布計など)。この装
置の特徴は試料中の分散粒子にレーザー光を照射し、そ
のレーザー反射光である後方散乱光を測定することで粒
径換算を行うことを特徴としている。この原理及び検出
法の特徴により、従来測定できなかった高濃度試料の測
定が可能となり、試料の大希釈を必要としなくなった。
【0031】一方で、この原理及び検出方式の欠点は、
試料の粘度に大きな影響を受けることにある。これは分
散粒子によるドップラ一シフト光の速度は温度と粘度の
関数でもあるため、試料の粘度により著しい影響を受け
ることに因る。このため、試料が漸次、粘度が変化して
いく場合や、高粘度試料については原理上、測定値の信
憑性が疑われる。ただし、本発明で言及するインクはl
00cP以下、より望ましくは30cP以下の低粘度試
料であり、測定上の問題はない。
【0032】以上のように、DLS法による後方散乱光
を検出して粒径換算を行うことで、従来、測定できなか
つた水性分散系インクの分散及び凝集状態をより近似で
きるようになったことを前提として、本発明のインクを
新規に構成した。
【0033】即ち、本発明は、少なくとも水、水溶性有
機溶剤、色材からなる水性分散系インクに関し、動的光
散乱法を測定原理とし、後方散乱光の検出で粒径換算を
行う方式により測定したインク中に含まれる分散粒子の
平均粒径Do(nm)と最大粒径Dm(nm)の比をK
o(=Dm/Do)とし、前記インクを50℃恒温中に
6箇月保存した後に、前記原理/検出方式により測定し
たインク中に含まれる分散粒子の平均粒径To(nm)
と最大粒径Tm(nm)の比をKt(=Tm/To)と
したとき、KoとKtの比R(=Kt/Ko)が、R≦
5であることを特徴とするインクを提供している。
【0034】これはRが5以上になると、平均粒径と最
大粒径の比率(大きさ)が、初期に対し5倍以上とな
り、インク中の分散粒子(とくに、最大粒子)が急激に
成長していることを意味する。このようなインクは長期
に亘って時間とともに分散粒子が凝集する傾向をもつた
め、沈殿する可能性も高くなる。このようなインクは分
散系が不安定になり、保存安定性も不良となる可能性が
高い。
【0035】好ましくは、前記インクを50℃恒温中に
6箇月保存した後に、前記原理/検出方式により測定し
たインク中に含まれる分散粒子の平均粒径Toが、前記
Doとの関係において、10nm≦To≦1000nm
であり、かつ、Do≦Toの範囲にある。これにより、
より分散系が安定なインクを提供することができる。
【0036】これはToが1000nm以上になると、
インクジェット記録装置のノズル目詰まりを発生させ、
著しく信頼性を損なうためである。また、10nm以下
の粒子を安定に製造することは事実上できない。また、
Toは初期より経時変化した後の平均粒径であり、初期
Doより、一般に大きくなる。
【0037】好ましくは、前記インクを50℃恒温中に
6箇月保存した後に、前記原理/検出方式により測定し
たインク中に含まれる分散粒子の最大粒径Tmが、前記
Dmとの関係において、10nm≦Tm≦10000n
mであり、かつ、Dm≦Tmの範囲にある。これによ
り、より分散系が安定なインクを提供することができ
る。
【0038】これはTmが10000nm以上になる
と、インクジェット記録装置のノズル目詰まりを発生さ
せ、著しく信頼性を損なうためである。また、10nm
以下の粒子を安定に製造することは事実上できない。ま
た、Tmは初期より経時変化した後の最大粒径であり、
初期Dmより、一般に大きくなる。
【0039】また、好ましくは、前記インクを濾過した
場合に、その濾過に使用した濾材(=フィルタ)の孔径
(=ポアサイズ)をDf(nm)としたとき、前記Dm
との比が、1<Df/Dm≦4の範囲にある。これによ
り、より分散系が安定なインクを提供することができ
る。
【0040】これは従来または現在でも、粒度分布計で
の測定値(平均/最大径など)を基に、フィルタのポア
サイズを選定すると、濾過ができないことがある。おそ
らくは、実際の分散粒子は単純な球形ではなく、鎖状に
延びた形状であったり、または粒子内部に分岐状の形状
をもつ場合などの影響に因ると考えられる。このため、
粒径換算から推定する(平均または最大などの)粒径
と、実際のフィルタのポアサイズとが大きく異なるた
め、本発明では、特定の範囲のフィルタ・ポアサイズを
通過したインクであることに特徴がある。
【0041】なお、本発明における「孔径(=ポアサイ
ズ)」とはJIS K3832に示される濾材(=フィ
ルタ)の最大孔径を測定するのに広く使用されているバ
ブル・ポイント法(孔径測定法の一種)によるもの、あ
るいは、指標菌による方法(フィルタの孔径ごとに決め
られた指標菌(微生物)を実際に濾過し、その捕集性か
ら孔径を管理する方法)により、濾材の保留性測定を行
って管理された数値を意味する。
【0042】ここで、DfがDmの4倍以上であると、
分散粒子の大きさに対して濾過の孔径が大きすぎ、粗大
粒子が通過するため濾過を行う意味がない。また、Df
がDmより大きくないと濾過ができない。
【0043】より好ましくは、前記インクを濾過した場
合に、その濾過に使用したフィルタの材質が、セルロ一
スアセテート、セルロースナイトレート、再生セルロ−
ス、ポリサルフオン、ポリプロピレン、ポリアミドのい
ずれか又はこれらの組合せから構成されている。これに
より、より安定な分散系インクをが得られる。
【0044】これは前記インクを濾過する場合にはフィ
ルタ、ポアサイズのみならず、フィルタ材質により濾過
ができないことがある。おそらくは、フィルタ材質の中
には分散系インク(あるいは組成中の特定の化学物質な
ど)と濡れにくい性質などの影響に因ると考えられる。
このため、どんな材質のフィルタを選定するかにより濾
過の可否が決まることもあるため、本発明では特定材質
のフィルタを通過したインクであることに特徴がある。
【0045】好ましくは、前記インク中の分散粒子が、
少なくともカーボンブラックを含む色材から構成されそ
の特性が一次粒径30nm以下、BET比表面積200
2/g以下、DBP吸油量80cc/l00g以下、
揮分20%以上、pH7以下である。これにより、安定
な分散系インクを提供することができる。
【0046】これは、前記分散粒子の一次粒径が30n
m以上BET比表面積200m2/g以上、DBP吸油
量が80cc/l00g以上、揮発分が2、0%以下、
pH7以上であると、前記分散系インク中で凝集が起こ
りやすく、分散が不安定となるためである。
【0047】このような分散粒子にはカーボンブラック
以外にも不溶性型アゾ系、イソインドリノン系、ベンゾ
イミダゾロン系、縮合アゾ系などの黄色系顔料や、不溶
性型アゾ系、キナクリドン系、ペリレン系、ジオキサジ
ン系などの赤色系顔料や、フ夕ロシア二ン系、インダス
レン系などの青色顔料も使用可能である。
【0048】さらに、前記インクに重量平均分子量80
000以下の範囲にあるアクリル系高分子共重合体から
なる分散剤が含まれていればインクは更に安定性に優れ
る。
【0049】これは高分子共重合体の重量平均分子量が
80000以上、かつ、その添加量が顔料に対してl0
0%以上になると、水ヘの溶解性が低くなり、インクの
粘度も高くなり、インクジェット記録装置で吐出させる
と印字不良が起こりやすくなる。一方、高分子共重合体
の顔料に対する添加量がl0%以下では顔料の分散が不
安定になる。
【0050】この結果前記分散剤中の高分子共重合体の
重量平均分子量は80000以下が好ましく、より好ま
しくは3000〜60000であることが望ましい。そ
の添加量は顔料に対してl0〜l00%、好ましくはl
0〜30%であることが望ましい。
【0051】上記条件を満足するアクリル系高分子分散
剤にはアルカリ可溶性の水溶性樹脂が好ましい。例えば
スチレン−アクリル酸共重合体アクリル酸ーアクリル酸
アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸−ア
クリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタク
リル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレ
ン−αーメチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレ
ン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エス
テル共重合体およびこれらの塩、ポリアクリル酸塩ポリ
メ夕クリル酸塩、ビニルナフ夕レン−アクリル酸共重合
体の塩、スチレン−マレイン酸共重合体、マレイン酸−
無水マレイン酸共重台体の塩、ビニルナフ夕レン−マレ
イン酸共重合体の塩などがあげられる。これらは単独あ
るいは複数の組合せで添加してもよい。
【0052】また、前記分散剤が、親油性成分、カチオ
ン性成分、親水性成分を合わせもつ重合体であるとき
に、インクの分散安定性が優れる。これは、前記した顔
料(例えばカーボンブラックなど)は水性媒体中で負電
荷を有しており、前記分散剤を使用した場合にはその親
油性成分による吸着のほか、カチオン性成分による電気
的吸引力により分散剤が顔料表面に固着し、親水性部分
は水性の媒体に溶解しているものと考えられる。顔料粒
子は分散剤のこれら3つの部分の作用により水性媒体中
に安定に保持されるものと考えられる。
【0053】このような分散剤には親油性成分がアクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸を包含す
るα、βエチレン系不飽和カルボン酸のアルキルエステ
ル、シクロアルキルエステル、アリールエステルおよび
アリールアルキルエステル、スチレン、αメチルスチレ
ンあるいはこれらの混合物からなる重合体があり、カチ
オン性成分が第一級、第二級、第三級アミノ基、第四級
アンモニウム基、ピリジニウム基あるいはこれらの混合
物からなる重合体があり、親水性部分が(a)カルボキ
シル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、燐酸エステル
基などのアニオン性基の塩、(b)カチオン性成分のカ
チオン性基の塩、(c)水酸基、エチレンオキサイド付
加物、カルポアミド基などのノニオン性基あるいはこれ
らの混合物からなる重合体などがある。
【0054】また、前記分散剤を可溶化するため、モノ
エ夕ノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエ夕ノ一
ルアミン、アミノメチルプロパノール、アンモニアなど
の有機または無機塩基を添加することも可能である。
【0055】また、前記インクに使用される水溶性有機
溶剤には、メ夕ノール、エタノール、(ノルマル)プロ
ピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの1価ア
ルコールや、エチレングリコール、プロピレングリコ一
ル、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエ
チレングリコール、卜リエチレングリコールなどの2価
アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、
1、2、3−トリメチロールプロパンなどの3価アルコ
ールや、ペンタエリスリト一ルなどの4価以上のアルコ
ールや、ポリエチレングリコ−ル、ポリブチレングリコ
ールなどのポリアルキレングリコールや、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエ−テル、トリエチレングリコールモノメチルエ
ーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルな
どが使用可能である。このうち、ジエチレングリコ−ル
などの多価アルコールが好適である。これらの水熔性有
機溶剤は混合して使用することができ、また、インクに
占める重量割合は1〜20%であることが望ましい。
【0056】本発明のインクは、必要に応じて界面活性
剤、pH調整剤(または緩衝剤)、防錆剤、防腐剤、防
黴剤、酸化防止剤、蒸発促進剤、浸透剤、キレート剤な
どの添加物を含有することができる。
【0057】顔料の分散方法としては通常の顔料分散に
使用する各種の方法が使用できる。例えば、ボールミ
ル、サンドミル、アトライタ一、ロールミル、ビーズミ
ル、コロイドミル、超音波ホモジナイザ、高圧ホモジナ
イザなどの市販の各種分散機で分散を行うことにより本
発明のインクを得ることができる。
【0058】また、好ましくは、前記インクの20℃に
おける粘度η(cP)が、1≦η≦100の範囲にあ
る。これにより、より分散系が安定なインクを提供する
ことができる。これは、ηが100以上になると、イン
クジェット記録装置のインク吐出に多大のエネルギを必
要とし、また、ノズル目詰まりを発生させ著しく信頼性
を損なうためである。望ましくはηが30以下、より望
ましくはηが10以下であると、吐出エネルギ、信頼性
の点で効果が高い。一方で、ηが1以下の水系インクを
安定に製造することは事実上できない。
【0059】以下、図1乃至図3を参照して、本発明の
インクが適用されるインクジェットプリンタ1について
説明する。なお、各図において、同一の参照番号を付し
た部材は同一部材を表すものとし、重複説明は省略す
る。また、同一の参照番号にアルファベットを付した部
材は同種の部材であるがアルファベットによって区別さ
れ、また、単なる参照番号で総括されるものとする。
【0060】図1には、後で詳細に説明される本発明の
インクが適用されるカラーインクジェットプリンタ(記
録装置)1の実施形態が概略的に示されている。記録装
置1のハウジング10内にはプラテン12が回転自在に
設けられている。
【0061】記録動作中、プラテン12は駆動モータ1
4によって間欠的に回転駆動させられ、これにより記録
紙Pが所定の送りピッチで矢印W方向に間欠的に送られ
る。また、記録装置のハウジング10内にはプラテン1
2に対して平行にその上方側に案内ロッド16が設けら
れており、この案内ロッド16上にはキャリッジ18が
摺動自在に取り付けられている。
【0062】キャリッジ18は無端駆動ベルト20に取
り付けられており、無端駆動ベルト20は駆動モータ2
2によって駆動され、これによりキャリッジ18はプラ
テン12に沿って往復運動(走査)させられる。
【0063】キャリッジ18には黒色用の記録ヘッド2
4及びカラー用の記録ヘッド26が搭載されている。カ
ラー用の記録ヘッド26は3つの部分から構成され得
る。黒色用の記録ヘッド24には黒色インク用カートリ
ッジ28が着脱自在に装着され、カラー用の記録ヘッド
26にはカラーインク用カートリッジ30、32及び3
4が着脱自在に装着される。
【0064】黒色インク用カートリッジ28には本発明
のインクのうち黒色インクが収容され、カラーインク用
カートリッジ30、32及び34にはそれぞれ本発明の
インクのうちイエローインク、シアンインク及びマゼン
タインクが収容される。黒色インクの使用頻度が他色イ
ンクより高いので黒色インク用カートリッジ28の容量
は他のインクカートリッジの容量より大きい。
【0065】図2は図1に示す各インクカートリッジの
概略拡大斜視図であり、図3はインクカートリッジ30
の概略拡大斜視図である。インクカートリッジ30はレ
バー40の爪部41と係合する係合部52と、レバー4
0の突起部43と係合する孔53とを有する。カートリ
ッジは対応するヘッドに接続された図示しない孔(イン
ク供給部)を底面に有し、カートリッジ内にはインクが
染み込んだスポンジやインクを入れたアルミパックが入
っている。
【0066】キャリッジ18がプラテン12に沿って往
復運動される間、黒色用の記録ヘッド24及びカラー用
の記録ヘッド26がワードプロセッサ、パーソナルコン
ピュータ等から得られる画像データに基づいて駆動さ
れ、これにより記録紙P上に所定の文字、画像などが記
録される。記録動作停止時には、キャリッジ18はホー
ムポジションに戻され、このホームポジションにはノズ
ル保守機構(バックアップユニット)36が設けられて
いる。
【0067】ノズル保守機構36には可動吸引キャップ
(図示せず)と、この可動吸引キャップに接続された吸
引ポンプ(図示せず)が設けられている。記録ヘッド2
4及び26がホームポジションに位置付けされると、各
記録ヘッドのノズル板に吸引キャップが吸着され、吸引
ポンプを駆動することにより、ノズル板のノズルが吸引
される。このようにして、ノズルの目詰まりが未然に防
止される。
【0068】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を挙げて本発
明を具体的に説明する。 (実施例1) (a) 濃厚顔料分散液の作製 アクリル系高分子共重合体:8.3重量部 (スチレン−マレイン酸系、重量平均分子量2000
0、不揮発分30%) イオン交換水:80.5重量部 上記成分を混合した後、撹拌し、この水溶液に、カーボ
ンブラック(一次粒径24nm、BET比表面積l38
2/g、DBP吸油量60cc/l00g、揮発分が
4.5%、pH2.5)10重量部、消泡剤:l.2重量
部を添加し、ビーズミル分散機にて1時間分散処理を行
い、高速遠心分離機にかけ粗大粒子を除去することによ
つて濃厚顔料分散液を得た。 (b)水系記録液の作製 濃厚顔料散液:l8重量部 ジエチレングリコール:2.2重量部 イオン交換水:9.8重量部 上記成分を混合撹拌した後、孔径0.8μmのセルロ一
スアセテート材質のフィルタで濾過を行い、目的の水系
記録液を得た。 (実施例2)上記実施例1の(a)濃厚顔料分散液の作
製において、 アクリル系高分子共重合体:9.0重量部 (スチレン−マレイン酸系、重量平均分子量2000
0、不揮発分30%) イオン交換水:76.7重量部 カーボンブラック添加量:l3重量部 消泡剤:1重量部 とし、実施例1と同様な分散処理および遠心分離処理を
行い、濃厚顔料分散液を得た。ついで、 濃厚顔料分散液:90重量部 ペンタエリスリトール:ll重量部 イオン交換水:48.7重量部 上記成分を混合撹拌した後、孔径1μmのポリアミド材
質のフィルタで、濾過を行い、目的の水系記録液を得
た。 (実施例3)上記実施例1の(a)濃厚顔料分散液の作
製において、 アクリル系高分子共重合体:l0重量部 イオン交換水:76.5重量部 カ一ボンブラック添加量:l2重量部 消泡剤1.5重量部 とし、実施例1と同様な分散処理および遠心分離処理を
行い、濃厚顔料分散液を得た。
【0069】ついで、 濃厚顔料分散液:90重量部 トリメチロールプロパン:ll重量部 イオン交換水:48.7重量部 上記成分を混合撹拌した後、孔径0.8μmのセルロー
スナイトレート材質のフィルタで濾過を行い、目的の水
系記録液を得た。 (実施例4)上記実施例1の(a)濃厚顔料分散液の作
製において、 アクリル系高分子共重合体:5.4重量部 イオン交換水:87.3重量部 カーボンブラック添加量:6.5重量部 消泡剤:0.8重量部 とし、実施例1と同様な分散処理および遠心分離処理を
行い、濃厚顔料分散夜を得た。
【0070】ついで、 濃厚顔料分散液:90重量部 グリセリン:1重量部 イオン交換水:48.7重量部 上記成分を混合撹拌した後、孔径0.8μmの再生セル
ロース材質のフィルタで濾過を行い、目的の水系記録液
を得た。 (実施例5)上記実施例1の(a)濃厚顔料分散液の作
製において、 アクリル系高分子共重合体:9.0重量部 イオン交換水:76.7重量部 カーボンブラック添加量:l3重量部 消泡剤:1重量部 とし、実施例1と同様な分散処理および遠心分離処理を
行い、濃厚顔料分散夜を得た。
【0071】ついで、 濃厚顔料分散液:90重量部 グリセリン:ll重量部 イオン交換水:48.7重量部 上記成分を混合撹拌した後、孔径3μmのポリサルホン
材質のフィルタで濾過を行い、目的の水系記録液を得
た。 (実施例6)上記実施例1の(a)濃厚顔料分散夜の作
製において、 アクリル系高分子共重合体:9.0重量部 イオン交換水:76.7重量部 カーボンブラック添加量:l3重量部 消泡剤:1重量部 とし、実施例1と同様な分散処理および遠心分離処理を
行い、濃厚顔料分散液を得た。
【0072】ついで、 濃厚顔料分散液:90重量部 プロピレングリコール:11重量部 イオン交換水:48.7重量部 上記成分を混合撹伴した後、孔径5μmのポリプロピレ
ン材質のフィルタで濾過を行い、目的の水系記録液を得
た。 (比較例1)実施例1のアクリル系高分子共重合体の代
わりに、サンスパ一ルPDNl73(三洋化成製、ポリ
カルボン酸特殊高分子共重合体)を使用し、これ以外の
組成、製造方法は実施例1に同じとし、孔径5μmのポ
リテトラフルオロエチレン材質のフィルタで濾過を行
い、インクを得た。 (比較例2)実施例1のアクリル系高分子共重合体の代
わりに、ノニオンNSー2l0(日本油脂製、非イオン
性)を使用し、これ以外の組成、製造方法は実施例1に
同じとし、インクを得た。 (比較例3)実施例1のアクリル系高分子共重合体の代
わりに、サンサイザーSA501−20(三洋化成製、
アクリル系高分子共重合体、重量平均分子量10000
0、不揮発分20%)を使用し、これ以外の組成、製造
方法は実施例1に同じとし、インクを得た。
【0073】以上の水系記録液について、動的光散乱法
を測定原理とし、後方散乱光の検出で粒径換算を粒度分
析計MICROTRAC−UPA(日機装株式会社製
商品名)を用いて、インク中に含まれる分散粒子の平均
粒径Do(nm)と最大粒径Dm(nm)、前記インク
を50℃恒温中に6箇月保存した後に、前記原理/検出
方式により測定したインク中に含まれる分散粒子の平均
粒径To(nm)と最大粒径Tm(nm)を測定し、K
o(=Dm/Do)、Kt(=Tm/To)、R(=K
t/Ko)を算出した。
【0074】このRと上記水系記録液の保存前後の分散
性、吐出安定性、印字特性を評価した結果を表1に示
す。
【0075】また、上記インクの記録特性および分散安
定性はオンデマンド方式のインクジェット記録装置(ノ
ズル径φ40μm、ノズル数24本)を使用して行っ
た。このときの記録媒体には、普通紙としてXER0X
4024紙を使用した。このインクにより得た記録画像
について、各試験を行った。結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】ここで、分散安定性は、インクを常温で2
年保存したときの、保存前と保存後の粒度分布を測定比
較し、平均粒径の増加が30%以下の場合を○、50%
以下の場合を△、50%以上の場合を×と評価した。
【0078】また、吐出安定性はインクをインクジェッ
ト記録装置で連続印字した際に、ドット抜けのない印字
枚数で比較し、連続印字枚数10枚以上の場合を○、1
0〜5枚の場合を△、5枚未満を×と評価した。
【0079】また、印字特性は記録画像の濃度で判定
し、記録画像の濃度は分光測色計(例えばX RITE
製)により測定した際の光学反射濃度ODで評価した値
で判定し、光学;反射濃度ODが、1.0以上の場合を
○、1.0〜0.5の場台を△、0.5未満を×と評価し
た。
【0080】この結果、実施例1〜6に示したインクは
分散安定性、吐出安定性、印字特性に優れる良好な水性
分散系インクを得ることができた。
【0081】以上、本発明の好ましい実施例を説明した
が、本発明はその要旨の範囲内で様々な変形及び変更が
可能である。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、分散安定性、保存安定
性、記録装置からの吐出安定性に優れたインクを提供す
ることができる。従って、本発明のインクカートリッジ
は従来よりもインクを長期保存することができる。ま
た、本発明のインクを利用した記録装置は、高印字品位
と目詰まりなどの少ない安定した動作を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクが適用可能なインクジェット
プリンタの概略斜視図である。
【図2】 図1に示すインクジェットプリンタに適用可
能なインクカートリッジ部の概略拡大斜視図である。
【図3】 図2に示すインクカートリッジの概略拡大斜
視図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 28 インクカートリッジ 30 インクカートリッジ 32 インクカートリッジ 34 インクカートリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳世 志野 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 4J037 AA02 CC13 CC16 CC17 DD04 DD05 DD07 DD17 DD23 DD24 EE28 EE33 EE43 EE46 FF05 FF15 FF22 FF25 4J039 AD02 AD03 AD09 AD10 AD14 BA04 BC07 BC09 BC10 BC11 BC13 BC14 BC15 BE01 BE12 CA06 DA02 DA08 EA41 EA42 EA44 GA24

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と水溶性有機溶剤とを有するインクで
    あって、当該インクに含まれる分散粒子が少なくともカ
    ーボンブラックを含む色材を更に有し、 前記分散粒子は、一次粒径30nm以下、BET比表面
    積200m2/g以下、DBP吸油量80cc/100
    g以下、揮発分2.0%以上、pH7以下であり、 前記インクは、重量平均分子量80000以下の範囲に
    あるアクリル系高分子共重合体を分散剤として更に有す
    るインク。
  2. 【請求項2】 水と水溶性有機溶剤とを有するインクで
    あって、当該インクに含まれる分散粒子が少なくともカ
    ーボンブラックを含む色材を更に有し、 前記分散粒子は、一次粒径30nm以下、BET比表面
    積200m2/g以下、DBP吸油量80cc/100
    g以下、揮発分2.0%以上、pH7以下であり、 前記インクは、親油性成分、カチオン性成分、親水性成
    分を合わせもつ重合体を分散剤として更に有するイン
    ク。
  3. 【請求項3】 少なくとも水と、水溶性有機溶剤と、色
    材とを含む水性分散系インクであって、動的光散乱法を
    測定原理とする後方散乱光の検出で粒径換算を行う方式
    により測定した前記インクに含まれる分散粒子の平均粒
    径Doと最大粒径Dmの比をKo(=Dm/Do)と
    し、前記インクを50℃恒温中に6箇月保存した後に前
    記原理及び検出方式により測定した前記インクに含まれ
    る前記分散粒子の平均粒径Toと最大粒径Tmの比をK
    t(=Tm/To)としたとき、KoとKtの比R(=
    Kt/Ko)がR≦5であるインク。
  4. 【請求項4】 50℃恒温中に6箇月保存した後に前記
    原理及び検出方式により測定した前記インクに含まれる
    前記分散粒子の平均粒径Toが、10nm≦To≦10
    00nm、及び、Do≦Toを満足する請求項3記載の
    インク。
  5. 【請求項5】 50℃恒温中に6箇月保存した後に前記
    原理及び検出方式により測定した前記インクに含まれる
    前記分散粒子の最大粒径Tmが、10nm≦Tm≦10
    000nm、及び、Dm≦Tmを満足する請求項3記載
    のインク。
  6. 【請求項6】 前記インクを濾過し、その濾過に使用し
    た濾材の孔径Dfが1<Df/Dm≦4を満足する請求
    項3記載のインク。
  7. 【請求項7】 前記濾過に使用したフィルタの材質が、
    セルロースアセテ一ト、セルロースナイトレート、再生
    セルロース、ポリサルホン、ポリプロピレン、ポリアミ
    ドのいずれか又はこれらの組み合わせからなる請求項6
    記載のインク。
  8. 【請求項8】 前記インク中の分散粒子が少なくともカ
    ーボンブラックを含む色材から構成され、 前記分散粒子は、一次粒径30nm以下、BET比表面
    積200m2/g以下、DBP吸油量80cc/l00
    g以下、揮発分2.0%以上、pH7以下である請求項
    3記載のインク。
  9. 【請求項9】 前記インクは分散剤を更に含む請求項3
    記載のインク。
  10. 【請求項10】 前記分散剤は、重量平均分子量800
    00以下のアクリル系高分子共重合体からなる請求項9
    記載のインク。
  11. 【請求項11】 前記分散剤は、親油性成分、カチオン
    性成分、親水性成分を合わせもつ重合体である請求項9
    記載のインク。
  12. 【請求項12】 20℃における粘度ηが1cp≦η≦
    100cpを満足する請求項3記載のインク。
  13. 【請求項13】水と水溶性有機溶剤とを有するインクで
    あって、当該インクに含まれる分散粒子が少なくともカ
    ーボンブラックを含む色材を更に有し、前記分散粒子
    は、一次粒径30nm以下、BET比表面積200/m
    2g以下、DBP吸油量80cc/100g以下、揮発
    分2.0%以上、pH7以下であり、前記インクは、重
    量平均分子量80000以下の範囲にあるアクリル系高
    分子共重合体を分散剤として更に有するインクを含有す
    るインクカートリッジ。
  14. 【請求項14】 水と水溶性有機溶剤とを有するインク
    であって、当該インクに含まれる分散粒子が少なくとも
    カーボンブラックを含む色材を更に有し、前記分散粒子
    は、一次粒径30nm以下、BET比表面積200m2
    /g以下、DBP吸油量80cc/100g以下、揮発
    分2.0%以上、pH7以下であり、前記インクは、親
    油性成分、カチオン性成分、親水性成分を合わせもつ重
    合体を分散剤として更に有するインクを含有するインク
    カートリッジ。
  15. 【請求項15】少なくとも水と、水溶性有機溶剤と、色
    材とを含む水性分散系インクであって、動的光散乱法を
    測定原理とする後方散乱光の検出で粒径換算を行う方式
    により測定した前記インクに含まれる分散粒子の平均粒
    径Doと最大粒径Dmの比をKo(=Dm/Do)と
    し、前記インクを50℃恒温中に6箇月保存した後に前
    記原理及び検出方式により測定した前記インクに含まれ
    る前記分散粒子の平均粒径Toと最大粒径Tmの比をK
    t(=Tm/To)としたとき、KoとKtの比R(=
    Kt/Ko)がR≦5であるインクを含有するインクカ
    ートリッジ。
  16. 【請求項16】 ヘッドと、 当該ヘッドにインクを供給するインクカートリッジとを
    有する記録装置であって、 前記インクは、少なくとも水と、水溶性有機溶剤と、色
    材とを含む水性分散系インクであって、動的光散乱法を
    測定原理とする後方散乱光の検出で粒径換算を行う方式
    により測定した前記インクに含まれる分散粒子の平均粒
    径Doと最大粒径Dmの比をKo(=Dm/Do)と
    し、前記インクを50℃恒温中に6箇月保存した後に前
    記原理及び検出方式により測定した前記インクに含まれ
    る前記分散粒子の平均粒径Toと最大粒径Tmの比をK
    t(=Tm/To)としたとき、KoとKtの比R(=
    Kt/Ko)がR≦5である記録装置。
  17. 【請求項17】少なくとも水と、水溶性有機溶剤と、色
    材とを含む水溶性分散系インクであって、インクに含ま
    れる分散粒子の粒径を直接測定し、前記測定した粒径の
    平均粒径Doと最大粒径Dmの比をKo(=Dm/D
    o)とし、前記インクを50℃恒温中に6箇月保存した
    後に、前記インクに含まれる分散粒子の粒径を直接測定
    し、前記測定した粒径の平均粒径Toと最大粒径Tmの
    比をKt(=Tm/To)としたとき、KoとKtの比
    R(=Kt/Ko)がR≦5であるインク。
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