JP2000297496A - 複合建築材料 - Google Patents

複合建築材料

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JP2000297496A
JP2000297496A JP11309043A JP30904399A JP2000297496A JP 2000297496 A JP2000297496 A JP 2000297496A JP 11309043 A JP11309043 A JP 11309043A JP 30904399 A JP30904399 A JP 30904399A JP 2000297496 A JP2000297496 A JP 2000297496A
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inorganic
weight
strength
building material
shielding layer
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JP11309043A
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English (en)
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Kichiya Matsuno
吉弥 松野
Tetsuji Ogawa
哲司 小川
Kenji Sato
健司 佐藤
Toshihiro Nomura
敏弘 野村
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐火性および加工性に優れた軽量の建築材料
の強度を充分に高めることによって、電磁波シールド層
の有利な適用を可能とした、複合建築材料について提案
する。 【解決手段】 芯材の少なくとも一つの面に、電磁波シ
ールド層を形成した複合建築材料であって、該芯材は、
無機非晶質体を含み、該非晶質体中に繊維状物が混在し
た構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高性能かつ低コ
ストで、しかも環境保護にも役立つ複合建築材料に関す
る。
【0002】さて、コンピュータ等を設置する、いわゆ
るOAフロアーの床材は、コンピュータの重量に耐え、
地震時にコンピュータ等が転倒した場合でもその衝撃で
破損しないことが要求され、さらに配線を床下面に配設
することになるため、ケーブル火災などにも耐えられる
ように耐火性も優れていることが必要である。
【0003】ここで、軽量で耐火性および加工性に優れ
た建築材料について、特開平7−329236号公報に
は、熱可塑性樹脂製のプリプレグを石膏ボードに貼付し
た不燃材が提案されている。しかしながら、この建築材
料は、壁や間仕切り用であり、床材として充分な強度を
そなえていない。
【0004】また、コンピュータ等のOA機器を設置す
る部屋や、病院の集中治療室などでは、部屋内の機器が
電磁波ノイズの影響を受けないように、電磁波シールド
層を有する壁材および床材で覆われていることが好まし
い。この電磁波シールド層を、上記した特開平7−32
9236号公報の建築材料に適用した場合、その強度が
低いために、打撃などの衝撃が加わった際にシールド層
を充分に保護することができず、シールド層が破損され
て、例えば電磁波ノイズによるコンピュータの誤作動を
まねく原因となる。特に、床材は破損し易いため、耐衝
撃性に優れる材料が要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
耐火性および加工性に優れた軽量の建築材料の強度を充
分に高めることによって、電磁波シールド層の有利な適
用を可能とした、複合建築材料について提案することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨構成は、
次のとおりである。 (1) 芯材の少なくとも一つの面に、電磁波シールド層を
形成した複合建築材料であって、該芯材は、無機非晶質
体を含み、該無機非晶質体中に繊維状物が混在してなる
ことを特徴とする複合建築材料。
【0007】(2) 芯材の少なくとも一つの面に、電磁波
シールド層を形成した複合建築材料であって、該芯材
は、無機非晶質体からなる粉体を、結合剤を介して成形
してなることを特徴とする複合建築材料。
【0008】(3) 芯材の少なくとも一つの面に、電磁波
シールド層を形成した複合建築材料であって、該芯材
は、多糖類の有機質繊維状物を含むことを特徴とする複
合建築材料。
【0009】(4) 上記(1) または(3) において、繊維状
物が配向してなることを特徴とする複合建築材料。な
お、繊維状物が配向しているとは、各繊維の長手方向が
特定方向に揃っていることを意味する。
【0010】(5) 上記(1) ないし(4) のいずれかにおい
て、電磁波シールド層が金属箔であることを特徴とする
複合建築材料。
【0011】(6) 上記(1) ないし(4) のいずれかにおい
て、電磁波シールド層が導電性フィラーおよび樹脂から
なる複合シートであることを特徴とする複合建築材料。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の複合建築材料の構造
を、図1に模式で示す。この複合建築材料は、無機非晶
質体1を含み、該非晶質体1中に繊維状物2が混在して
なる、芯材3の少なくとも一つの面、図示例では芯材3
が板状体であるから、その表裏面の一方に、電磁波シー
ルド層4を設けて成る。なお、図示例は、芯材3の表裏
面に補強層5を設け、この補強層5上に電磁波シールド
層4を設ける構造であるが、補強層5を省略してもよい
のはもちろんである。
【0013】この無機非晶質体としては、2種以上の酸
化物の系からなる無機非晶質体が望ましい。ここでいう
2種以上の酸化物の系からなる無機非晶質体とは、酸化
物(1)−酸化物(2)・・・−酸化物(n)系(但し
nは自然数であり、酸化物(1)、酸化物(2)、・・
・酸化物(n)は、それぞれ異なる酸化物)の非晶質体
である。このような無機非晶質体は、正確な定義づけが
困難であるが、2種以上の酸化物を固溶あるいは水和反
応等させることにより生成する、非晶質の化合物である
と考えられる。このような無機非晶質の化合物は、蛍光
X線分析により、酸化物を構成する元素(Al、Si、
Ca、Na、Mg、P、S、K、Ti、Mn、Fe、Z
nから選ばれる少なくとも1種)が確認され、X線回折
による分析のチャートでは2θ:15°〜40°の範囲
でハローが見られる。このハローはX線の強度の緩やか
な起伏であり、X線チャートでブロードな盛り上がりと
して観察される。なお、ハローは半値幅が2θ:2°以
上である。
【0014】この芯材3は、まず無機非晶質体1が強度
発現物質となり、しかも繊維状物2が非晶質体2中に分
散して破壊靱性値を改善するため、曲げ強度値や耐衝撃
性を向上することができる。また、強度に異方性がな
く、均質な芯材が得られる。さらに、非晶質体であるた
め、低密度で充分な強度が得られる利点もある。
【0015】なお、上記無機非晶質体が強度発現物質と
なる理由は定かではないが、結晶質の構造に比べてクラ
ックの進展が阻害されるためではないかと推定される。
また、結晶質中に比べて無機非晶質中の方が繊維状物が
均一に分散しやすいことから、破壊靱性値も向上すると
考えられる。その結果、釘を打ち込んだり貫通孔を設け
ても、クラックが生じないために、建築材料などの加工
を必要とする材料に最適なものとなる。
【0016】ここで、酸化物としては、金属および/ま
たは非金属の酸化物を使用でき、Al23 、SiO
2 、CaO、Na2 O、MgO、P25 、SO3 、K
2 O、TiO2 、MnO、Fe23 およびZnOから
選ばれることが望ましい。とりわけ、Al23 −Si
2 −CaO系またはAl23 −SiO2 −CaO−
酸化物系からなる無機非晶質体、もしくはこれら無機非
晶質体の複合体が最適である。なお、後者の無機非晶質
体における酸化物は、Al23 、SiO2 およびCa
Oを除く金属および/または非金属の酸化物の1種以上
である。
【0017】まず、Al23 −SiO2 −CaO系か
らなる無機非晶質体は、Al23、SiO2 およびC
aOの各成分の全部または一部が互いに固溶あるいは水
和反応などにより生成する非晶質構造を有する化合物で
ある。すなわち、Al23とSiO2 、SiO2 とC
aO、Al23 とCaO、そしてAl23 、SiO
2 およびCaOの各組合せで固溶あるいは水和反応等さ
せることにより生成する化合物のいずれかを含むと考え
られる。このような無機非晶質の化合物は、蛍光X線分
析により、Al、Si、Caが確認され、X線回折によ
る分析のチャートでは2θ:15°〜40°の範囲でハ
ローが見られる。このハローはX線の強度の緩やかな起
伏であり、X線チャートでブロードな盛り上がりとして
観察される。なお、ハローは半値幅が2θ:2°以上で
ある。
【0018】また、Al23 、SiO2 およびCaO
以外に少なくとも1種の酸化物を加えた系、つまりAl
23 −SiO2 −CaO−酸化物系からなる無機非晶
質体は、上記Al23 −SiO2 −CaO系での組み
合わせ以外に、Al23 と酸化物、SiO2 と酸化
物、CaOと酸化物、Al23 とSiO2 と酸化物、
SiO2 とCaOと酸化物、Al23 とCaOと酸化
物、そしてAl23 とSiO2 とCaOと酸化物の各
組合わせで固溶あるいは水和反応等させることにより生
成する化合物のいずれかを含むと考えられる。
【0019】なお、前記酸化物が2以上、つまり、Al
23 −SiO2 −CaO−酸化物(1)・・・−酸化
物(n)系(nは2以上の自然数)の非晶質体であれ
ば、これらの酸化物、例えば酸化物(1)、酸化物
(2)・・・酸化物(n)(nは2以上の自然数で、酸
化物(n)は、nの値が異なればそれぞれ異なる酸化物
を意味し、かつAl23 、SiO2 、CaOを除いた
ものである)のそれぞれから選ばれる2種以上の組合せ
で固溶あるいは水和反応等させることにより生成する化
合物、Al23 、SiO2 、CaOから選ばれる2種
以上の組合せで固溶あるいは水和反応等させることによ
り生成する化合物、さらに酸化物(1)、酸化物(2)
・・・酸化物(n)(nは2以上の自然数)のそれぞれ
から選ばれる少なくとも1種と、Al23 、SiO
2 、CaOから選ばれる少なくとも1種との組合せで固
溶あるいは水和反応等させることにより生成する化合物
のいずれかを含むと考えられる。
【0020】このような無機非晶質の化合物は、蛍光X
線分析により、Al、Si、Caに加えて、酸化物を構
成する元素(Na、Mg、P、S、K、Ti、Mn、F
e、Znから選ばれる少なくとも1種)が確認され、X
線回折による分析のチャートでは2θ:15°〜40°
の範囲でハローが見られる。このハローはX線の強度の
緩やかな起伏であり、X線チャートでブロードな盛り上
がりとして観察される。なお、ハローは半値幅が2θ:
2°以上である。
【0021】ここで、Al23 、SiO2 およびCa
Oと組み合わせる酸化物は、1種または2種以上であ
り、Al23 、SiO2 、CaOを除く金属および/
または非金属の酸化物を使用でき、例えばNa2 O、M
gO、P25 、SO3 、K2O、TiO2 、MnO、
Fe23 およびZnOから選ぶことができる。この選
択は、芯材、ひいては建築材料に期待する特性を基準に
行うことができる。
【0022】例えば、Na2 OまたはK2 Oは、アルカ
リなどで除去できるため、めっき処理に先立って除去処
理を行えば、芯材表面の被めっき面が粗くなってめっき
のアンカーとして作用させることができる。MgOは、
Al23 、SiO2 、CaOと固溶して強度発現に寄
与し、曲げ強度や耐衝撃性を大きく改善する。P25
は、金属との密着性を改善できるため、金属層を直接芯
材に貼着する場合には有利である。SO3 は、殺菌作用
があり抗菌建築材料に適している。TiO2 は、白系着
色材であるとともに、光酸化触媒として作用することか
ら、付着した有機汚染物質を強制的に酸化でき、光を照
射しただけで洗浄できるという自浄力のある建築材料と
なる。MnOは暗色系の着色材、Fe23 は明色系の
着色材、ZnOは白系の着色材として有用である。な
お、これらの酸化物は、非晶質体中にそれぞれ単独で存
在していてもよい。
【0023】上記非晶質体の組成は、それぞれAl2
3 、SiO2 およびCaOに換算して、Al23 :芯
材の全重量に対して3〜51重量%、SiO2 :芯材の
全重量に対して5〜53重量%およびCaO:芯材の全
重量に対して6〜63重量%で、かつそれらの合計が1
00重量%をこえない範囲において、含有することが好
ましい。
【0024】なぜなら、Al23 の含有量が3重量%
未満あるいは51重量%をこえると、芯材の強度が低下
し、また、SiO2 の含有量が5重量%未満あるいは5
3重量%をこえても、芯材の強度が低下する。また、C
aOの含有量が6重量%未満あるいは63重量%をこえ
てもやはり芯材の強度が低下するのである。
【0025】さらに、酸化物に換算してCaO/SiO
2 の比率を0.2〜7.9、CaO/Al23 の比率
を0.2〜12.5に調整することが、強度の大きい芯
材を得るのに有利である。
【0026】また、Al23 、SiO2 およびCaO
以外の酸化物として、Na2 O、MgO、P25 、S
3 、K2 O、TiO2 、MnO、Fe23 およびZ
nOの1種または2種以上を含有する場合、各成分の好
適含有量は次のとおりである。なお、これら酸化物の合
計量は、100重量%を越えないことはいうまでもな
い。 Na2 O :芯材の全重量に対して0.1〜2.4重量% MgO :芯材の全重量に対して0.3〜22.0重量% P25 :芯材の全重量に対して0.1〜14.6重量% SO3 :芯材の全重量に対して0.1〜7.0重量% K2 O :芯材の全重量に対して0.1〜2.4重量% TiO2 :芯材の全重量に対して0.1〜17.4重量% MnO :芯材の全重量に対して0.1〜3.0重量% Fe23 :芯材の全重量に対して0.2〜35.6重量% ZnO :芯材の全重量に対して0.1〜3.6重量% これら酸化物の含有量を上記範囲に限定した理由は、上
記範囲を逸脱すると芯材の強度が低下するからである。
【0027】なお、非晶質構造か否かは、X線回折によ
り確認できる。すなわち、X線回折により2θ:15°
〜40°の領域でハローが観察されれば、非晶質構造を
有していることを確認できる。なお、この発明では、完
全に非晶質構造となっているもの以外に、非晶質構造中
にHydrogen Aluminium Silicate 、Kaolinite 、Zeolit
e 、Gehlenite,syn 、Anorthite 、Melitite、Gehlenit
e-synthetic 、tobermorite 、xonotlite 、ettringite
や、SiO2 、Al 23 、CaO、Na2 O、Mg
O、P25 、SO3 、K2 O、TiO2 、MnO、F
23 およびZnOなどの酸化物、そしてCaCO3
(Calcite )などの結晶体が混在していてもよい。これ
ら結晶体は、それ自体が強度発現物質になるとは考えら
れないが、例えば、硬度および密度を高くして圧縮強度
を改善したり、クラックの進展を抑制するなどの効果が
あると考えられる。なお、結晶体の含有量は、芯材の全
重量に対して0.1〜50重量%であることが望まし
い。なぜなら、結晶体が少なすぎると上記効果が得られ
ず、逆に多すぎると強度低下を招くからである。
【0028】ちなみに、上記Al23 −SiO2 系の
結晶性化合物がHydrogen AluminiumSilicate 、Kaolini
te 、Zeolite 、Al23 −CaO系の結晶性化合物
がCalcium Aluminate 、CaO−SiO2 系の結晶性化
合物がCalcium Silicate、Al23 −SiO2 −Ca
O系の結晶性化合物がGehlenite,syn 、Anorthite であ
り、またAl23 −SiO2 −CaO−MgO系の結
晶性化合物がMelitite、Gehlenite-synthetic である。
さらに、結晶体としてCaを含むものが望ましく、Gehl
enite,syn (Ca2 Al27 )、Melitite-synthetic
(Ca2 (Mg0.5 Al0.5 )(Si1.5 Al 0.5
7 ))、Gehlenite-synthetic (Ca2 (Mg0.25Al
0.75)(Si1.25Al0.750.7 )、Anorthite.ordere
d (Ca2 Al2 Si28 )、炭酸カルシウム(Calc
ite )を含有していてもよい。
【0029】また、この発明に従う芯材では、2種以上
の酸化物の系からなる非晶質体中に、ハロゲンを添加し
てもよい。このハロゲンは、固溶体、水和物の生成反応
の触媒となり、また燃焼抑制物質として作用する。その
含有量は、0.1〜1.2重量%が望ましい。なぜな
ら、0.1重量%未満では強度が低く、1.2重量%を
越えると燃焼により有害物質を発生するからである。ハ
ロゲンとしては、塩素、臭素、フッ素が望ましい。
【0030】同様に、炭酸カルシウム(Calcite )を添
加していてもよい。炭酸カルシウムそれ自体は強度発現
物質ではないが、炭酸カルシウムの周囲を非晶質体が取
り囲むことにより、クラックの進展を阻止するなどの作
用により強度向上に寄与すると考えられる。この炭酸カ
ルシウムの含有量は、芯材の全重量に対して48重量%
以下が望ましい。この理由は、48重量%を越えると曲
げ強度が低下するからである。また、0.1重量%以上
が望ましい。0.1重量%未満では、強度向上に寄与し
ないからである。
【0031】さらに、結合剤を添加することも、強度の
さらなる向上や、耐水性、耐薬品性および耐火性の向上
に、有利である。この結合剤としては、熱硬化性樹脂お
よび無機結合剤のいずれか一方または両方からなること
が望ましい。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂およびユリア樹脂から選ば
れる少なくとも1種以上の樹脂が望ましい。無機結合剤
としては、珪酸ソーダ、シリカゲルおよびアルミナゾル
の群から選ばれる少なくとも1種が望ましい。なお、熱
硬化性樹脂、例えばフェノール樹脂,メラミン樹脂,エ
ポキシ樹脂,ユリア樹脂およびウレタン樹脂から選ばれ
る少なくとも1種の熱硬化性樹脂は、表面に塗布しても
よい。
【0032】次に、非晶質体中に混在させる繊維状物
は、有機質および無機質のいずれでもよい。有機質繊維
状物としては、ビニロン、ポリプロピレンおよびポリエ
チレンなどの化学繊維、そして多糖類からなる有機質繊
維状物から選ばれる少なくとも1種を使用できるが、多
糖類からなる有機質繊維状物であることが望ましい。な
ぜなら、多糖類にはOH基が存在し、水素結合によりA
23 、SiO2 またはCaOの各種化合物と結合し
やすいからである。
【0033】この多糖類は、アミノ糖、ウロン酸、デン
プン、グリコーゲン、イヌリン、リケニン、セルロー
ス、キチン、キトサン、ヘミセルロースおよびペクチン
から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが望ま
しい。これら多糖類からなる有機質繊維状物としては、
パルプ、パルプかす、新聞や雑誌などの古紙の粉砕物が
有利に適合する。なお、パルプは、セルロースの他にリ
グニンを10〜30重量%程度含んでいる。
【0034】無機質繊維状物としては、アルミナウイス
カー、SiCウイスカー、シリカアルミナ系のセラミッ
クファイバー、ガラスファイバー、カーボンファイバ
ー、金属ファイバーから選ばれる少なくとも1種以上を
使用できる。
【0035】なお、上記繊維状物の含有率は、2〜75
重量%であることが望ましい。この理由は、2重量%未
満では芯材の強度が低下し、一方75重量%を越えると
防火性能、耐水性、寸法安定性などが低下するおそれが
あるからである。さらに、繊維状物の平均長さは、10
〜3000μmが望ましい。平均長さが短すぎると絡み
合いが生じず、また長すぎると空隙が生じて無機硬化体
の強度が低下しやすいからである。
【0036】以上の芯材は、産業廃棄物を乾燥させて凝
集硬化させて得たものが推奨され、とりわけ製紙スラッ
ジ(スカム)を乾燥させて凝集硬化させたものが最適で
ある。すなわち、製紙スラッジは、無機物を含むパルプ
かすであり、産業廃棄物を原料として使用するため低コ
ストであり、環境問題の解決に寄与するからである。し
かも、この製紙スラッジは、それ自体がバインダーとし
ての機能を有しており、他の産業廃棄物と混練すること
により、所望の形状に成形できる利点を有する。とりわ
け、上質紙の古紙はカオリンや炭酸カルシウムなどのカ
ルシウム系結晶を多く含むことから、製紙スラッジは古
紙を多く含むものが適している。
【0037】前記製紙スラッジ(スカム)中には、パル
プの他にAl、Si、Ca、Na、Mg、P、S、K、
Ti、Mn、Fe、Znなどの酸化物、水酸化物、もし
くはこれらの前駆体であるゾル状物、またはそれらの複
合物、およびハロゲン、炭酸カルシウムから選ばれる少
なくとも1種および水を含む。なお、ハロゲンとして
は、塩素、臭素、フッ素が望ましい。
【0038】なお、製紙スラッジ中の含水率は、20〜
80重量%であることが望ましい。なぜなら、含水率が
20重量%未満では、硬くなりすぎて成形が難しくな
り、一方80重量%をこえるとスラリー状になって成形
が難しくなるからである。
【0039】この発明において、複合硬化体の比重は、
0.2〜2.2が望ましい。この比重が0.2未満では
気孔が多すぎて複合硬化体の強度が低下し、逆に比重が
2.2を越えると強度に占める無機非晶質体自体の影響
が大きくなりすぎて繊維状物の補強効果が相対的に低下
し、やはり強度が低下してしまう。すなわち、比重が
0.2〜2.2の範囲で実用的な圧縮強度、曲げ強度が
得られるのであり、この範囲は強度を得るための特異的
な範囲と言える。
【0040】また、この発明の複合建築材料では、無機
非晶質体を含む粉体を結合剤にて固めて、芯材とするこ
とも可能である。ここで、非晶質体は、上記と同様の定
義になるものであり、粉体としては1〜100μmの平
均粒子径を有するものが、有利に適合する。すなわち、
平均粒子径が小さすぎても大きすぎても、芯材として充
分な強度が得られないためである。
【0041】そして、この無機非晶質粉体としては、特
に限定されないが、2種以上の酸化物の系からなる無機
非晶質体が望ましく、特に産業廃棄物を焼成させて得た
ものが推奨され、とりわけ製紙スラッジ(スカム)を焼
成させたものが最適である。すなわち、製紙スラッジ
は、無機物を含むパルプかすであり、産業廃棄物を原料
として使用するため低コストであり、環境問題の解決に
寄与するからである。
【0042】製紙スラッジは、300℃以上800℃未
満で焼成することが望ましい。すなわち、800℃以上
では結晶質になりやすく、300℃未満ではパルプが炭
化するだけで粉末が得られないからである。また、製紙
スラッジを300〜1500℃で加熱処理後、急冷する
ことによっても、非晶質粉体を得ることができる。
【0043】なお、製紙スラッジを使用した技術が種々
散見されるが、いずれもこの発明とは技術内容が異な
る。すなわち、特開昭49−86438号公報には、パ
ルプかす(セルロース成分)と石灰かすとを混合してホ
ットプレスしたものが開示されているが、パルプかすは
セルロールを意味しており、この発明のように製紙スラ
ッジ中の無機成分を利用するものではなく、無機非晶質
中に繊維が分散したものでもない。このため石灰かすの
粒界で破断したり、クラックの進展を防止できず、曲げ
強度や圧縮強度に問題が残る。しかも、石灰かすは、製
紙パルプ液を燃焼させた結晶質体(酸化カルシウム)で
あり、この発明の非晶質体とは明らかに区別されるもの
である。
【0044】また、特開平7−47537号、同7−6
9701号、同6−293546号および同5−270
872号各公報にはセメントと無機補強繊維とを複合し
た技術が、特開平10−15923号公報にはパルプス
ラッジと結晶質である石膏を混合する技術が、特開昭4
9−2880号公報にはパルプ廃棄物中の繊維のみに着
目した技術が、そして特開昭53−81388号公報に
はパルプかす中の繊維(繊維15%、土砂0.01%)
と木屑を混ぜて成形したものが、それぞれ記載されてい
るが、いずれの技術も、この発明のような無機非晶質体
中に繊維状物質を分散させたものとは異なる。
【0045】さらに、特開昭51−30088号公報に
は、パルプ廃棄物の焼成灰と軽量無機材料を成形する技
術で記載されているが、焼成条件等が記載されておら
ず、非晶質の焼成灰を得ることできない。特開平8−2
46400号公報には、製紙スラッジではなく古紙パル
プそのものを使用する技術である。特開昭48−443
49号公報には、有機質と無機質を含むパルプ廃棄物と
高分子エマルジョンなどを混合した技術が示されている
が、無機質とは酸化珪素、酸化アルミニウムおよび酸化
鉄をいい、実質的に各1種類の金属酸化物を指してお
り、この発明のような2種以上の金属酸化物が複雑な非
晶質系を構成するものとは異なる。そして、特開昭49
−99524号公報には、セラミック化(多結晶体)し
た基材が示されているが、この発明のような非晶質系と
は異なる。
【0046】一方、結合剤には、上述した熱硬化性樹脂
および無機結合剤のいずれか一方または両方からなるも
のを用いることができる。すなわち、熱硬化性樹脂とし
ては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂お
よびユリア樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂
が望ましい。無機結合剤としては、珪酸ソーダ、シリカ
ゲルおよびアルミナゾルの群から選ばれる少なくとも1
種が望ましい。
【0047】さらに、この発明の複合建築材料では、多
糖類の有機質繊維状物を含む芯材とすることも可能であ
る。即ち、無機物中に多糖類からなる有機質繊維状物を
分散させたものである。無機物としては、無機粉体や無
機非晶質体であることが望ましい。無機粉体表面、無機
非晶質体中、あるいは多糖類にはOH基が存在している
ため、無機粉体および/または無機非晶質体と有機質繊
維状物、あるいは有機質繊維状物同士が互いに水素結合
を形成して、無機粉体、および/または無機非晶質体と
有機質繊維状物とが複雑に絡み合って一体化する。この
ため、セメント化や鉄板のような補強板を使用しなくと
も強度を確保でき、加工性および生産性に優れる複合建
築材料が得られるのである。
【0048】ここで、無機粉体としては、産業廃棄物の
粉体が望ましい。この場合も、製紙スラッジ(スカム)
を焼成したものを使用できる。この製紙スラッジは、無
機物を含むパルプかすであり、これを300〜1500
℃で加熱処理することにより、無機粉体が得られる。さ
らに、無機粉体として磨きガラスの研磨屑、珪砂の粉砕
屑などを使用することもできる。
【0049】この無機粉体中に含まれる無機物として
は、シリカ、アルミナ、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化
マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウムおよび五
酸化リンから選ばれる少なくとも1種であることが、望
ましい。これらは、化学的に安定で耐候性に優れ、建築
材料として望ましい特性を有する。
【0050】また、無機粉体は、小さすぎても大きすぎ
ても充分な強度が得られないため、その平均粒子径が1
〜100μmのものを用いることが、好ましい。そし
て、無機粉体の含有量は、芯材の全重量に対して10〜
90重量%であることが望ましい。この範囲より多いと
脆くなり、逆に少な過ぎると強度が低下し、いずれにし
ても強度が低下することになる。なお、無機非晶質体と
しては、前述のものを使用できる。
【0051】一方、有機質繊維状物を構成する多糖類に
は、アミノ糖、ウロン酸、デンプン、グリコーゲン、イ
ヌリン、リケニン、セルロース、キチン、キトサン、ヘ
ミセルロースおよびペクチンから選ばれる少なくとも1
種の化合物であることが、望ましい。これらの化合物か
らなる有機質繊維状物は、OH基を有しており無機粉体
と水素結合を形成しやすく、また繊維状のものを得やす
いからである。
【0052】そして、多糖類からなる有機質繊維状物の
含有量は、芯材の全重量に対して10〜90重量%であ
ることが望ましい。有機質繊維状物が多すぎると強度が
低下し、逆に少なくなり過ぎるともろくなり、強度が低
下してしまうからである。また、多糖類からなる有機質
繊維状物の平均長さは、10〜1000μmとすること
が好ましい。なぜなら、平均長さが短すぎると繊維状物
の絡み合いが生じず、また長すぎると無機質産業廃棄物
を均一混合できず、充分な強度が得られないからであ
る。
【0053】ここに、多糖類からなる有機質繊維状物と
しては、パルプまたはパルプかす、とりわけ産業廃棄物
が、低コストかつ環境問題の解決に寄与することから、
有利である。このような産業廃棄物としては、製紙スラ
ッジ(スカム)の未焼成物があり、この製紙スラッジの
未焼成物は、其自体がバインダーとしての機能を有して
いるため、無機粉体と混練することにより所望の形状に
成形できる。なお、この製紙スラッジの未焼成物中の有
機質繊維状物の含有量は全固形分量に対して5〜85重
量%の範囲で調整することができる。
【0054】さらに、無機粉体と多糖類からなる有機質
繊維状物との他に、結合剤を添加してもよい。結合剤に
よって、耐水性や破壊靱性値を向上させることができる
からである。結合剤には、上述した、熱硬化性樹脂また
は無機結合剤を使用できる。
【0055】この発明では、以上の芯材の少なくとも一
つの面に、電磁波シールド層を形成することが必須であ
る。この電磁波シールド層としては、金属箔が有利に適
合する。金属箔は、電磁波を効率良く吸収するだけでな
く、高強度かつ軽量でしかも加工性も良好である。具体
的には、アルミニウム箔、銅箔、亜鉛箔、ステンレスス
チール箔、金箔および銀箔から選ばれる1種または2種
以上を用いるとよい。これらは、特に電磁波を有効に吸
収する性質を有する。金属箔の厚みは、10〜500μ
m程度とすることが、シールド性にとって好ましい。
【0056】また、電磁波シールド層として、導電性フ
ィラーおよび樹脂からなる複合シートを用いることがで
きる。かかる複合シートは、電磁波を効率良く吸収する
だけでなく、軽量で加工性が高く、音や振動も吸収する
という点でも優れている。この複合シートに含ませる導
電性フィラーは、例えば鉄、銅、アルミニウム、ステン
レススチール、黄銅、亜鉛およびカーボン等から選ばれ
る1種または2種以上からなる粉体である。一方、樹脂
には、例えばフェノール、エポキシ、ポリウレタン、ユ
リア、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンの
各樹脂を用いることができる。複合シートの厚みは、
0.5〜5.0mm程度とすることが、シールド性にと
って好ましい。さらに、電磁波シールド層は、金属箔や
導電性フィラーおよび樹脂からなる複合シートなどの導
電性シート状物の他、導電性塗料等を塗布したものでも
よい。
【0057】電磁波シールド層は、芯材の少なくとも一
つ、芯材が板状体の場合には表裏面のいずれか少なくと
も一方の面に設けることができる。建築材料では、表面
に化粧層を有するのが一般的であるから、裏面に電磁波
シールド層を設けるとよい。
【0058】また、図2に示すように、電磁波シールド
層4を、芯材3の内部に埋設してもよい。具体的には、
2枚の芯材3で電磁波シールド層4を挟めばよい。この
場合も、芯材3の表面および裏面に設けた補強層5は、
省略することが可能である。
【0059】なお、電磁波シールド層の芯材(または補
強層)と接触する面に、芯材(または補強層)との密着
性を向上するために、粗化処理を施してもよい。この粗
化処理は、例えば算術平均粗さ(Ra)で0.1〜10
0μm程度とすることが望ましい。
【0060】ここで、補強層5を設ける場合、補強層は
繊維基材および樹脂からなるものが有利に適合する。そ
して、補強層を構成する樹脂には、熱硬化性樹脂が望ま
しい。なぜなら、熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂と異な
り耐火性に優れ高温化でも軟化しないため、補強層とし
ての機能が損なわれることがないからである。この熱硬
化性樹脂には、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリイミド樹脂または尿素樹脂などを用いるこ
とができる。
【0061】ちなみに、補強層を構成する熱硬化性樹脂
は、芯材特に有機質繊維状物と強固に化学結合するた
め、石膏ボードのような無機質基板の表面に補強層を設
けた場合に比べて、補強層と芯材との間の密着性を高め
ることができる。
【0062】一方、繊維基材の構成材料としては、無機
質繊維を用いることが、強度に優れ、かつ補強層の熱膨
張率を小さくするのに有利である。無機質繊維として
は、ガラス繊維、ロックウール、セラミックファイバー
ガラス繊維チョップドストランドマット、ガラス繊維ロ
ービングクロス、ガラス繊維コンティニュアスストラン
ドマットおよびガラス繊維ペーパーなどを用いることが
好ましい。これらは、低価格で耐熱性および強度に優れ
るからである。
【0063】この繊維基材は、非連続の繊維をマット状
に成形したものでもよく、また連続長繊維を3〜7cm
に切断してマット状にしたもの(チョップドストランド
マット)、水で分散させてシート状に梳きあげたもの、
連続長繊維を渦巻き状に積層しマット状にしたもの、さ
らには連続長繊維を織りあげたものでもよい。
【0064】なお、補強層に含まれる熱硬化性樹脂の含
有量は、繊維基材100重量部に対して20〜150重
量部、より好ましくは40〜120重量部とする。なぜ
なら、含有量が多く成り過ぎると重くなり、少なくなり
過ぎると補強効果がなく、上記範囲に調整することによ
って、充分な剛性および耐衝撃性などが得られ、かつ高
い耐火性を維持できるからである。また、補強層の厚さ
は、0.1mm〜3.5mmが望ましい。この範囲に制
限することによって、充分な剛性および耐衝撃性などが
得られ、かつ高い加工性を維持できるからである。
【0065】さらに、補強層には、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウムなどの難燃化剤、ならびにシリ
カゾル、アルミナゾル、水ガラスなど一般に使用される
無機質の結合剤を添加してもよい。
【0066】さらにまた、補強層に弾性高分子を含有さ
せると、釘を打ちつけても釘を起点としてクラックが発
生せず、また弾性高分子が釘表面との摩擦力を確保して
釘の保持力を向上させることができる。このような樹脂
としては、熱硬化性樹脂および弾性高分子からなる、釘
耐力付与のための樹脂組成物が望ましい。例えば、未硬
化の熱硬化性樹脂液中に弾性高分子のエマルジョンが分
散したものである。このような樹脂が硬化すると、熱硬
化性樹脂マトリックスの”海”の中に弾性高分子の”
島”が分散した構成になるため、樹脂の強度が確保さ
れ、また靱性を付与できるのである。
【0067】なお、弾性高分子は、ゴム系ラテックス、
アクリル系ラテックス、アクリレート系ラテックスまた
はウレタン系ラテックスであることが望ましい。なぜな
ら、これらは、未硬化の熱硬化性樹脂液中で液状に分散
するからであり、熱硬化性樹脂、弾性高分子とも液状で
あるため、多孔質基材や繊維質基材に含浸させやすい利
点がある。このゴム系ラテックスは、ニトリル−ブタジ
エンゴム(NBR)またはスチレン−ブタジエンゴム
(SBR)がよい。そして、熱硬化性樹脂には、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂またはポリイミ
ド樹脂などが適合する。
【0068】熱硬化性樹脂と弾性高分子との固形分の重
量比は、95/5〜65/35であることが望ましい。
この理由は、熱硬化性樹脂量が多すぎると靱性が低下し
て、クラックが発生しやすくなり、釘の保持力が低下
し、逆に弾性高分子が多すぎると樹脂強度が低下して、
釘の保持力が低下してしまうからである。
【0069】次いで、この発明の複合建築材料の製造方
法について説明する。まず、芯材は以下のように製造す
る。 製法1 芯材は、製紙スラッジ(スカム)を乾燥させて凝結硬化
させることにより製造する。補強層を設ける場合は、該
補強層の形成と同時でもよい。
【0070】製法2 製紙スラッジを、300℃以上800℃未満で焼成する
か、300〜1500℃で焼成した後急冷することによ
り、非晶質構造の無機非晶質粉体を製造する。この無機
非晶質粉体を結合剤で固める。結合剤には、熱硬化性樹
脂または/及び無機結合剤からなるものを使用する。熱
硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、
エポキシ樹脂およびユリア樹脂から選ばれる少なくとも
1種の樹脂が望ましい。無機結合剤としては、珪酸ソー
ダ、シリカゲルおよびシルミナゾルの群から選ばれる少
なくとも1種が望ましい。また、結合剤としては、未焼
成の製紙スラッジを使用できる。非晶質粉体を結合剤で
固めて成形し、かつ補強層を設ける場合は、補強層の形
成と同時でもよい。
【0071】製法3 無機粉体と、多糖類からなる有機質繊維状物とを乾式ま
たは湿式で混合する。この混合に際しては、必要に応じ
て結合剤を加えてもよい。なお、先に説明したように、
製紙スラッジの未焼成物を使用すると、それ自体がバイ
ンダーとして作用し、また含水性であるために、湿式混
合しやすいという利点がある。この混合物を、従来公知
の円網抄造、長網抄造、脱水プレス成形、押出し成形な
どの方法にてシート状に成形後加熱して乾燥したもの、
あるいは混合物をコンベアで搬送しながらロールで押さ
えてシート状成形体とする。そして、シート状成形体を
加熱しながら圧締し、板状建築材料に成形する。ここで
の加熱温度は、80〜160℃、圧力は1〜20kgf
/cm2 程度が推奨される。
【0072】なお、圧締とは、圧力をかけたまま保持す
ることをいう。そして、圧締時に付与される圧力によっ
て、繊維状物は加圧方向と横切る向きに配向される結
果、芯材の曲げ強度を向上することができる。また、加
圧することにより水分が排除されて結晶化の進行が抑制
されるから、非晶質体の形成に有利である。
【0073】以上に従って製造した芯材は、次の工程を
経て複合建築材料となる。すなわち、上記で得られた芯
材に補強層を設ける場合は、繊維基材に樹脂を含浸さ
せ、25〜70℃で加熱処理して乾燥させた補強シート
を用意し、この補強シートとシート状に成形された芯材
とを積層してから、加熱しながら圧締する。ここでの加
熱温度は、80〜150℃、圧力は1〜15kgf/c
2 とする。
【0074】なお、補強シートとして、無機質繊維のマ
ットに樹脂組成物を含浸させて乾燥したのち、加熱プレ
スにて熱硬化性樹脂を硬化せしめて成形したものを用い
て、このシートを接着剤にて予め成形しておいた芯材に
貼付してもよい。
【0075】さらに、ガラス繊維、ロックウールまたは
セラミックファイバーの繊維表面にフェノール樹脂など
の熱硬化性樹脂を別ステージでコーティングしておき、
これらの繊維からなる繊維基材をシート状に成形した芯
材の上に積層して加熱プレスする方法も採用できる。こ
の繊維表面に熱硬化性樹脂を別ステージでコーティング
しておく方法では、含浸した樹脂との密着性が向上し、
また繊維同士を接着しやすく、また樹脂の含浸率を改善
できるため有利である。このようなコーティングの方法
としては、ガラス繊維、ロックウールまたはセラミック
ファイバーの原料溶融物をノズルから流出させて、ブロ
ーイング法あるいは遠心法により繊維化し、この繊維化
と同時にフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂の溶液を吹
きつける、手法がある。なお、繊維基材の構成材料とし
てガラス繊維、ロックウール、セラミックファイバーを
使用する場合は、シランカップリング剤をコーティング
しておくとよい。
【0076】最後に、かくして得られた積層材、または
芯材単体の表面および裏面のいずれか少なくとも一方の
面に、電磁波シールド層を設ける。電磁波シールド層の
形成は、その材質によっても異なるが、例えばフェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、シゾルシノール樹脂、メラミン
樹脂、ウレタン樹脂および酢酸ビニル樹脂から選ばれる
1種または2種以上の接着剤を、電磁波シールド層を構
成するシート(金属箔や複合シート)および/または電
磁シールド層を設ける面に塗布し、両者を密着させて接
着剤を硬化させて接着する方法、または導電性フィラー
および樹脂の混合物を塗布する方法、などがある。
【0077】ちなみに、建築材料として、表面に塗装を
施したり、化粧板、化粧単板を接着剤等で貼りつけるこ
とも可能である。すなわち、塗装は、各種顔料やインク
などを印刷、吹きつけすることにより行う。また、化粧
板には、フェノール樹脂含浸コア層、メラミン樹脂含浸
パターン層およびメラミン樹脂含浸オーバーレイ層から
なる3層構造の化粧板や、メラミン樹脂含浸バッカー
層、フェノール樹脂含浸コア層、メラニン樹脂含浸パタ
ーン層およびメラミン樹脂含浸オーバーレイ層からなる
4層構造の化粧板を使用できる。特に、コア層としてフ
ェノール樹脂含浸コア層を持つ化粧板の場合は、表面強
度が著しく高くなるため、床材などへ応用できる。さら
に、化粧単板としては、スギ、ヒノキ等の高級木材を使
用できる。
【0078】
【実施例】(実施例1)未焼成の製紙スラッジ(丸東窯
材社が扱う「生スラッジ」:固形分34重量%,水分6
6重量%)1512gをコンベアで搬送しながら、3k
gf/cm2 の圧力を加えて、厚さ10mmのシート状
成形体とした。このシート状成形体を100℃で加熱乾
燥して板状の硬化体とした。
【0079】かくして得られた硬化体を蛍光X線分析装
置(Rigaku製 RIX2100 )を用いて分析したところ、酸
化物に換算して下記の組成であることが判った。なお、
パルプについては、1100℃で焼成して重量減少量から測
定した。 記 パルプ: 51.4重量%, TiO2 : 1.0重量% SiO2 : 24.2重量%, SO3 : 0.5重量% Al23 : 14.0重量%, P25 : 0.2重量% CaO: 8.0重量%, Cl: 0.2重量% MgO: 1.4重量%, ZnO: 0.1重量% その他: 微量
【0080】また、複合硬化体の側面を光学顕微鏡(5
0倍)で観察したところ、加圧方向に直交する向きに繊
維が配向していた。
【0081】次に、市販のフェノール樹脂溶液80重量
%と弾性高分子であるラテックス15重量%のエマルジ
ョン溶液(SBRラテックス固形分重量49%)を常温
で混合して液状の釘耐力付与のための樹脂組成物を作製
した。なお、SBRラテックスには、日本ゼオン株式会
社製のNipol LX-436を使用した。そして、この樹脂組成
物に硬化剤を添加したものをシート状ガラス繊維に含浸
(含浸量:固形分換算45%)させた後、80℃の温度
にて15分間乾燥して、補強シートを得た。
【0082】一方、硬化体は、その表裏面にフェノール
樹脂を塗布して80℃の温度で20分間乾燥しておい
た。そして、補強シートを硬化体の表面および裏面にそ
れぞれ載置してから、110℃の温度にて圧力7kgf
/cm2 で20分間プレスして一体化し、表裏両面に厚
さ1mmの補強層を有する、厚さ10mmの芯材を形成
した。
【0083】さらに、芯材の片面の補強層上に厚さ2m
mの複合シートを酢酸ビニル接着剤によって接着して複
合建築材料を製造した。なお、この複合シートは、フェ
ノール樹脂20重量部および銅粉末300重量部を混練
した組成物をポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルムに塗布し、120℃で1時間加熱した後、PET
フィルムを剥離して作製したものである。
【0084】(実施例2)未焼成の製紙スラッジ(丸東
窯材社が扱う「生スラッジ」:固形分34重量%,水分
66重量%)1512gを攪拌しながら80℃で乾燥
し、得られた乾燥体を780℃で5時間焼成した後、直
ちに室温にさらして急冷した。その後、焼成体をボール
ミルで粉砕し、248gの無機非晶質粉体を得た。
【0085】かくして得られた無機非晶質粉体を蛍光X
線分析装置(Rigaku製 RIX2100 )を用いて分析したと
ころ、酸化物に換算して下記の組成であることが判っ
た。 記 SiO2 : 34.1重量%, P25 : 2.8 重量% Al23 : 20.7重量%, TiO2 : 1.0 重量% Fe23 : 12.4重量%, SO3 : 0.5 重量% CaO: 21.3重量%, Cl: 0.2 重量% MgO: 5.9重量%, ZnO: 0.1 重量% その他: 微量
【0086】次に、上記した未焼成の製紙スラッジ15
12gと上記無機非晶質粉体248gを混練し、この混
練物をコンベアで搬送しながら、3kgf/cm2 の圧
力を加えて厚さ10mmのシート状成形体とした。この
シート状成形体の上に厚さ1mmのアルミ箔を積層した
のち、圧力40kgf/cm2 および温度150℃で5
分間加熱して一体化し、芯材の両面にアルミニウム層が
形成された複合建築材料を製造した。
【0087】また、芯材について、X線回折により結晶
構造を確認した。そのX線回折のチャートを、図3に示
す。なお、X線回折は、Rigaku製 MiniFlex を使用し、
Cuをターゲットとした。2θ:22°を中心に緩やか
な起伏(ハロー)が観察されるとともに、結晶構造を示
すピークも観察され、非晶質構造中に結晶構造が混在し
ていることが判る。また、ピークからは、Gehlenite, M
elilite, Anorthiteの結晶の他にCaCo3 (Calcite)
KaoliniteおよびSiO2 の結晶体が固定された。Ca
Co3 の含有量は芯材の全重量に対して換算値で9.8
重量%であった。
【0088】(実施例3)基本的には、実施例1と同様
であるが、製紙スラッジ(固形分48重量%、水分52
重量%)に水を加えて固形分15重量%のスラリーと
し、このスラリー9000kgを公知の抄造法にて抄造
し、厚さ10mmのシート状成形体とした。次いで、こ
のシート状成形体を100℃で加熱乾燥して、厚さ20
mmのシート状成形体とした。
【0089】(実施例4)基本的には、実施例2と同様
であるが、未焼成の製紙スラッジ1800重量部と、上
記無機非晶質粉体200重量部および水2300重量部
とを混合したスラリーを、脱水プレス法にて30kgf
/cm2 (2.94MPa)の圧力を加えて厚さ25m
mの板状体とした。
【0090】(比較例1)実施例1の複合建築材料にお
いて、芯材として厚さ12mmの石膏ボードを使用した
他は、同様の構造の建築材料を作製した。
【0091】以上の実施例および比較例で得られた複合
建築材料について曲げ強度、圧縮強度、加工性および釘
打ち性を試験した。その結果を表1に示す。なお、試験
方法は、曲げ強度がJIS A6901に、また圧縮強
度がJIS A 5416に規定された方法に、それぞ
れ準じて測定した。また、衝撃試験は、530gの鉄球
を高さ1mから複合建築材料上に落下させて生じる打痕
の深さを測定した。
【0092】
【表1】
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の複合建
築材料は、耐火性および曲げ加工性に優れることは勿
論、特に圧縮強度が高くかつ耐衝撃性にも優れているた
め、衝撃によって電磁波シールド層が破壊されない。従
って、OA機器を設置する部屋や、病院の集中治療室な
どの壁材や床材に適した複合建築材料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の複合建築材料の断面を示す模式図
である。
【図2】 この発明の別の複合建築材料の断面を示す模
式図である。
【図3】 実施例2の無機非晶質粉体のX線回折のチャ
ートである。
【符号の説明】
1 非晶質体 2 繊維状物 3 芯材 4 電磁波シールド層 5 補強層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B32B 13/00 B32B 13/00 (72)発明者 佐藤 健司 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1の1 イビデ ン株式会社大垣北工場内 (72)発明者 野村 敏弘 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1の1 イビデ ン株式会社大垣北工場内 Fターム(参考) 2E162 CA31 CA35 CB22 CB23 CB24 CB25 CD09 EA11 EA18 FA14 FA19 FA20 FB02 FB03 FB07 FC00 FC01 FC02 FD04 FD06 FD08 4F100 AA01A AA18 AA19 AA20 AB17 AB33B AG00C AG00D AJ03A AK01B AK22G AK33 AK73 AR00B BA02 BA04 BA07 BA10C BA10D BA22A CA30B CB01 DE01A DG01A DG01C DG01D DG02 DH00C DH00D GB07 JA12A JD08 JD08B JG01B JJ07 JK01 JL01 JL03 4L055 AJ01 BE14 BG10 GA21 GA38

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材の少なくとも一つの面に、電磁波シ
    ールド層を形成した複合建築材料であって、該芯材は、
    無機非晶質体を含み、該無機非晶質体中に繊維状物が混
    在してなることを特徴とする複合建築材料。
  2. 【請求項2】 芯材の少なくとも一つの面に、電磁波シ
    ールド層を形成した複合建築材料であって、該芯材は、
    無機非晶質体からなる粉体を、結合剤を介して成形して
    なることを特徴とする複合建築材料。
  3. 【請求項3】 芯材の少なくとも一つの面に、電磁波シ
    ールド層を形成した複合建築材料であって、該芯材は、
    多糖類の有機質繊維状物を含むことを特徴とする複合建
    築材料。
  4. 【請求項4】 請求項1または3において、繊維状物が
    配向してなることを特徴とする複合建築材料。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    電磁波シールド層が金属箔であることを特徴とする複合
    建築材料。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    電磁波シールド層が導電性フィラーおよび樹脂からなる
    複合シートであることを特徴とする複合建築材料。
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