JP2000297829A - 遠心油圧クラッチ - Google Patents

遠心油圧クラッチ

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JP2000297829A
JP2000297829A JP2000021802A JP2000021802A JP2000297829A JP 2000297829 A JP2000297829 A JP 2000297829A JP 2000021802 A JP2000021802 A JP 2000021802A JP 2000021802 A JP2000021802 A JP 2000021802A JP 2000297829 A JP2000297829 A JP 2000297829A
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    • F16D43/00Automatic clutches
    • F16D43/28Automatic clutches actuated by fluid pressure
    • F16D43/284Automatic clutches actuated by fluid pressure controlled by angular speed
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H45/00Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches 
    • F16H2045/002Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches  comprising a clutch between prime mover and fluid gearing

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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠心油圧室への作動油の供給を迅速に行うこ
とができて,クラッチオンの応答性が良好な遠心油圧ク
ラッチを得る。 【解決手段】 遠心油圧室25に供給された作動油が遠
心力を受けて発生する油圧により加圧板21及び受圧板
22間で摩擦クラッチ板23を挟圧するようにした遠心
油圧クラッチにおいて,クラッチケーシング20のボス
20bに作動油供給油路271 及び遠心油圧室25間を
開閉する入口弁26を設けると共に,クラッチケーシン
グ20の外周部に,遠心油圧室25の内外を開閉する出
口弁28を設け,これら入口弁26及び出口弁28を共
通の弁作動板34により交互に開閉するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遠心油圧クラッチに
関し,特に,入力部材に連結されて一端面を開放したク
ラッチケーシングと,このクラッチケーシング内に摺動
自在に装着される加圧板と,前記クラッチケーシングの
開放端部に固着される受圧板と,前記加圧板及び受圧板
間に介裝され,出力部材に連結される摩擦クラッチ板と
を備え,前記加圧板と前記クラッチケーシングの端壁と
の間に,入力部材に設けられた作動油供給油路に連なる
遠心油圧室を画成し,この遠心油圧室に供給された作動
油が遠心力を受けて発生する油圧により前記加圧板及び
受圧板間で前記摩擦クラッチ板を挟圧するようにしたも
のゝ改良に関する。
【0002】
【従来の技術】かゝる遠心油圧クラッチは,例えば特開
昭62−67333号公報に開示されているように,既
に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報記載のもので
は,クラッチケーシングの外周部に,クラッチオン位置
及びクラッチオフ位置間を移動し得るスプール形のクラ
ッチ弁を設け,このクラッチ弁をクラッチオン位置に操
作することにより遠心油圧室を入力軸の作動油圧供給油
路に連通し,クラッチオフ位置に操作することにより遠
心油圧室をクラッチケーシング外に開放するようにして
いるので,入力軸の作動油供給油路から,クラッチケー
シング外周部のクラッチ弁までの距離が長く,このため
クラッチ弁のクラッチオン位置への操作時には,遠心油
圧室に作動油が充満するまでの所要時間が比較的長くか
ゝり,クラッチオンの応答性が良好であるとは言い難
い。
【0004】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたも
ので,クラッチオンの応答性が良好な前記遠心油圧クラ
ッチを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,入力部材に連結されて一端面を開放した
クラッチケーシングと,このクラッチケーシング内に摺
動自在に装着される加圧板と,前記クラッチケーシング
の開放端部に固着される受圧板と,前記加圧板及び受圧
板間に介裝され,出力部材に連結される摩擦クラッチ板
とを備え,前記加圧板と前記クラッチケーシングの端壁
との間に,入力部材に設けられた作動油供給油路に連な
る遠心油圧室を画成し,この遠心油圧室に供給された作
動油が遠心力を受けて発生する油圧により前記加圧板及
び受圧板間で前記摩擦クラッチ板を挟圧するようにし
た,遠心油圧クラッチにおいて,前記クラッチケーシン
グの,前記入力部材に連結されるボスに前記作動油供給
油路及び遠心油圧室間を開閉する入口弁を設ける一方,
前記クラッチケーシングの外周部に,前記遠心油圧室の
内外を開閉する出口弁を設け,これら入口弁及び出口弁
に,これらを交互に開閉する弁作動手段を接続したこと
を第1の特徴とする。
【0006】この第1の特徴によれば,入力軸の作動油
供給油路とクラッチケーシングの油室との間が最短距離
の油路で接続することが可能となり,入口弁を開弁する
と共に出口弁を閉弁したとき,入力部材の作動供給油路
から遠心油圧室への作動油の供給を迅速に行うことがで
きて,遠心油圧クラッチのクラッチオン状態への応答性
を高めることができる。
【0007】また本発明は,入力部材に連結されて一端
面を開放したクラッチケーシングと,このクラッチケー
シング内に摺動自在に装着される加圧板と,前記クラッ
チケーシングの開放端部に固着される受圧板と,前記加
圧板及び受圧板間に介裝され,出力部材に連結される摩
擦クラッチ板とを備え,前記加圧板と前記クラッチケー
シングの端壁との間に,入力部材に設けられた作動油供
給油路に連なる遠心油圧室を画成し,この遠心油圧室に
供給された作動油が遠心力を受けて発生する油圧により
前記加圧板及び受圧板間で前記摩擦クラッチ板を挟圧す
るようにした,遠心油圧クラッチにおいて,前記クラッ
チケーシングの,前記入力部材に連結されるボスに,前
記作動油供給油路及び遠心油圧室間を連通すると共に,
前者から後者への作動油の流量を制限するオリフィスを
設ける一方,前記クラッチケーシングの外周部に,前記
遠心油圧室の内外を開閉する出口弁を設け,この出口弁
に,これを開閉する弁作動手段を接続したことを第2の
特徴とする。
【0008】この第2の特徴によれば,入力軸の作動油
供給油路とクラッチケーシングの油室との間が最短距離
の油路で接続することが可能となり,しかも出口弁を開
閉するのみで,遠心油圧室からの作動油の排出及び遠心
油圧室への作動油の供給を行うことができ,構成の簡素
化を図ることができる。
【0009】さらに本発明は,上記第1の特徴に加え
て,前記弁作動手段が,前記入口弁及び出口弁に連結さ
れて,クラッチオン位置及びクラッチオフ位置間を作動
する共通の弁作動板を備え,この弁作動板のクラッチオ
ン位置では,前記入口弁が開弁すると共に前記出口弁が
閉弁し,クラッチオフ位置では前記入口弁が閉弁すると
共に前記出口弁が開弁するようにしたことを第3の特徴
とする。
【0010】この第3の特徴によれば,入口弁及び出口
弁はクラッチケーシングの半径方向に離隔していても,
共通の弁作動板の単純な往復操作により,これら入口弁
及び出口弁の交互開閉作動を簡単,確実に行うことがで
きる。
【0011】さらにまた本発明は,上記第1又は第2の
特徴に加えて,前記クラッチケーシングの端壁の外周部
に,前記遠心油圧室に開口する出口孔を設け,この出口
孔を前記遠心油圧室側で開閉する,リード弁からなる前
記出口弁の一端を固着し,この出口弁に,前記出口孔を
貫通する開弁棒を介して前記弁作動手段を連結し,この
弁作動手段のクラッチオン位置では前記開弁棒が前記出
口弁から後退して該出口弁の閉弁を許容し,クラッチオ
フ位置では前記開弁棒が前進して該出口弁を押し開ける
ようにしたことを第4の特徴とする。
【0012】この第4の特徴によれば,出口弁の閉弁時
には,遠心油圧室の遠心油圧がその閉弁力として作用す
ることになり,出口弁のシール性を高めることができ
る。
【0013】さらにまた本発明は,前記第1又は第2の
特徴に加えて,前記クラッチケーシングの外周壁に,前
記遠心油圧室に開口する出口孔を設け,前記外周壁の外
周面に摺動可能に密接して,この出口孔を開閉する前記
出口弁を前記弁作動手段に一体に形成したことを第5の
特徴とする。
【0014】この第5の特徴によれば,出口弁の弁作動
手段との一体化により,出口弁の構造の簡素化を図るこ
とができる。
【0015】さらにまた本発明は,上記第1又は第2の
特徴に加えて,クラッチケーシングの外周壁に出口孔を
設けると共に,この出口孔の遠心油圧室への開口端部を
円錐状弁座に形成し,この弁座に遠心力で着座し得る球
状弁体からなる前記出口弁を設け,この出口弁に,前記
クラッチケーシングの端壁を貫通する開弁棒を介して前
記弁作動手段を連結し,この弁作動手段のクラッチオン
位置では前記開弁棒が前記出口弁から後退して該出口弁
の閉弁を許容し,クラッチオフ位置では前記開弁棒が前
進して出口弁を押し開けるようにしたことを第6の特徴
とする。
【0016】この第6の特徴によれば,弁作動手段のク
ラッチオン位置では,開弁棒が出口弁から離れると,出
口弁は,それ自体の遠心力と遠心油圧室の遠心油圧によ
り弁座に着座して,出口孔を確実に閉鎖することがで
き,そのシール性が高い。
【0017】さらにまた本発明は,上記第1又は第2の
特徴に加えて,前記クラッチケーシングの端壁外周部
に,前記遠心油圧室に開口する出口孔を設け,この出口
孔を開閉する前記出口弁を前記弁作動手段に結合し,こ
の出口弁には,前記出口孔96に緩く係合するガイド部
を形成したことを第7の特徴とする。
【0018】この第7の特徴によれば,出口弁の構造を
簡素化することができ,しかもガイド部の案内作用によ
り,出口弁の閉弁を確実に行うことができる。
【0019】さらにまた本発明は,第1又は第2の特徴
に加えて,前記クラッチケーシングの外周壁に出口孔を
設けると共に,この出口孔の遠心油圧室への開口端部を
弁座に形成し,この弁座に遠心力で着座し得る前記出口
弁を設け,この出口弁は前記弁座への着座時に前記出口
孔より前記クラッチケーシングの外周側に突出する部分
を有し,前記弁作動手段を,この弁作動手段のクラッチ
オン位置では前記出口弁の前記弁座への着座を許容し,
クラッチオフ位置では前記出口弁の前記突出する部分を
半径方向内方へ押圧してこの出口弁を前記弁座から離座
させるように構成したことを第8の特徴とする。
【0020】この第8の特徴によれば,弁作動手段のク
ラッチオン位置では,出口弁は,それ自体の遠心力と遠
心油圧室の遠心油圧により弁座に着座して,出口孔を確
実に閉鎖することができ,そのシール性が高い。しかも
出口弁と弁作動手段との間にクラッチケーシングを貫通
する部分が存在しないので,遠心油圧室の油密性を容易
に確保することができる。
【0021】さらにまた本発明は,第1〜第3の特徴の
何れかにに加えて,前記クラッチケーシングに,前記遠
心油圧室の内周側を外部に連通する空気孔を設けたこと
を第9の特徴とする。
【0022】この第9の特徴によれば,入口弁を閉弁す
ると共に出口弁を開弁したときには,空気孔から遠心油
圧室への空気の流入により,遠心油圧室からの出口弁へ
の作動油の排出をスムーズに行うことができて,変速ク
ラッチのクラッチオフ状態への応答性を高めることがで
きる。また出口弁を閉弁すると共に入口弁を開弁したと
きには,遠心油圧室の空気が空気孔から外部に流出する
ことにより,作動油供給油路から遠心油圧室への作動油
の充填をスムーズに行うことができて,変速クラッチの
クラッチオン状態への応答性をも高めることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0024】図1〜図11は本発明の第1実施例を示す
もので,図1は自動二輪車用パワーユニットの縦断面
図,図2は上記パワーユニットにおける伝動装置の拡大
縦断面図,図3は図2の3−3線断面図,図4は図2の
4−4矢視図,図5は上記伝動装置の側面図,図6は図
2の変速クラッチ(遠心油圧クラッチ)をクラッチオン
状態で示す拡大図,図7は同クラッチのクラッチオフ状
態を示す拡大図,図8は図2の8−8線断面図,図9は
図2の9−9線断面図,図10は図2のロックアップク
ラッチの制御弁を閉弁状態で示す拡大図,図11は同制
御弁を開弁状態で示す拡大図,図12は本発明の第2実
施例に係る変速クラッチ(遠心油圧クラッチ)をクラッ
チオン状態で示す縦断面図,図13は同クラッチのクラ
ッチオフ状態を示す縦断面図,図14は本発明の第3実
施例に係る変速クラッチ(遠心油圧クラッチ)をクラッ
チオン状態で示す縦断面図,図15は同クラッチのクラ
ッチオフ状態を示す縦断面図,図16は図14の16−
16線断面図,図17は本発明の第4実施例に係る変速
クラッチ(遠心油圧クラッチ)をクラッチオン状態で示
す縦断面図,図18は同クラッチのクラッチオフ状態を
示す縦断面図,図19は本発明の第5実施例に係る変速
クラッチ(遠心油圧クラッチ)をクラッチオン状態で示
す縦断面図,図20は同クラッチのクラッチオフ状態を
示す縦断面図,図21は本発明の第6実施例に係る変速
クラッチ(遠心油圧クラッチ)をクラッチオン状態で示
す縦断面図,図22は同クラッチのクラッチオフ状態を
示す縦断面図,図23は本発明の第7実施例に係る変速
クラッチ(遠心油圧クラッチ)をクラッチオン状態で示
す縦断面図である。
【0025】先ず,図1〜図11に示す本発明の第1実
施例の説明より始める。
【0026】図1において,自動二輪車用のパワーユニ
ットPは,エンジンE及び多段変速機Mを一体化して構
成される。そのエンジンEは,従来普通のように,クラ
ンクケース1に左右一対のボールベアリング3,3′を
介して支承されるクランク軸2と,シリンダブロック5
のシリンダボア5aに摺動自在に嵌装されてコンロッド
6を介してクランク軸2に連接されるピストン7とを備
える。クランクケース1にはミッションケース8が一体
に連設されており,このミッションケース8の左右両側
壁により多段変速機Mの,クランク軸2と平行に配置さ
れた入力軸10及び出力軸11がそれぞれボールベアリ
ング12,12′;13,13′を介して支承され,こ
れら入力軸10及び出力軸11にわたり,図1で左側か
ら第1速ギヤ列G1 ,第2速ギヤ列G2 ,第3速ギヤ列
3 及び第4速ギヤ列G4 が配設される。そして第2速
ギヤ列G2 の被動ギヤG2 b,及び第3速ギヤ列G3
駆動ギヤG3 aがシフトギヤを兼ねており,両シフトギ
ヤG2 b,G3 aが共に中立位置にあるときは,変速機
Mはニュートラル状態にあり,シフトギヤG2 bが図で
左動又は右動すると第1速ギヤ列G1 又は第3速ギヤ列
3 が確立し,シフトギヤG3 aが左動又は右動する
と,第2速ギヤ列G2 又は第4速ギヤ列G4 が確立する
ようになっている。上記シフトギヤG2 b,G3 aは,
図示しない公知のペダル式その他のマニュアル式チェン
ジ装置により作動される。
【0027】前記クランク軸2の右端と変速機Mの入力
軸10の右端とは,クランクケース1及びミッションケ
ース8外で互いに直列関係に接続される変速クラッチC
c(遠心油圧クラッチ),トルクコンバータT及び1次
減速装置14を介して相互にに連結される。その際,特
に,変速クラッチCc,トルクコンバータT及び1次減
速装置14の駆動ギヤ14aはクランク軸2上に,クラ
ンクケース1の右側壁側から外方に向かって駆動ギヤ1
4a,トルクコンバータT及び変速クラッチCcの順で
取付けられる。そしてこれらを覆う右サイドカバー15
aがクランクケース1及びミッションケース8の右端面
に接合される。
【0028】またクランク軸2の左端には,発電機16
のロータ17が固着され,それのステータ18は,発電
機16を覆ってクランクケース1の左端面に接合される
左サイドカバー15bに取付けられる。
【0029】図1及び図2に示すように,クランク軸2
には,その右端面に開口する上流供給油路271 と,コ
ンロッド6の大端部を支持するクランクピン外周のニー
ドルベアリング49(潤滑部)に連通する下流供給油路
272 と,これら両油路27 1 ,272 を直接連通する
オリフィス48と,上流供給油路271 から変速クラッ
チCcに向かって半径方向に延びる第1流入孔43
1 と,上流供給油路271からトルクコンバータTに向
かって半径方向に延びる第2流入孔432 と,下流供給
油路272 からトルクコンバータTに向かって半径方向
に延びる流出孔45とが設けられる。上流供給油路27
1 には,エンジンEにより駆動されるオイルポンプ44
が油溜め46からオイルを吸い上げて油路27を通して
上流供給油路271 に圧送するようになっている。油溜
め46は,クランクケース1,ミッションケース8及び
右サイドカバー15aの底部に形成されるものである。
【0030】変速機Mの出力軸11の左端には,ミッシ
ョンケース8外で,自動二輪車の後輪(図示せず)を駆
動するチェーン式の最終減速装置19が連結される。
【0031】図1及び図2において,変速クラッチCc
は,一端に端壁20aを,また中心部にクランク軸2
(入力部材)にスプライン結合されるボス20bを有す
る円筒状のクラッチケーシング20と,このクラッチケ
ーシング20内にあって上記ボス20bの外周に摺動自
在にスプライン嵌合される加圧板21と,クラッチケー
シング20の開放端部に油密に固着される受圧板22
と,上記加圧板21及び受圧板22の間に介裝される環
状の摩擦クラッチ板23とを備え,その摩擦クラッチ板
23の内周に後述するポンプ羽根車50(出力部材)の
伝動板24がスプライン係合される(図3参照)。
【0032】加圧板21は,クラッチケーシング20の
端壁20a及び周壁との間に遠心油圧室25を画成す
る。この遠心油圧室25は,クラッチケーシング20の
ボス20bに設けられる入口弁26を介してクランク軸
2の前記第1流入孔431 に接続されると共に,端壁2
0aの外周部に設けられる出口弁28を介してクラッチ
ケーシング20外に開放されるようになっている。
【0033】図2及び図3に示すように,ボス20bに
は,クランク軸2と平行に延びる複数個(図示例では3
個)の弁孔29と,各弁孔29を経て前記第1流入孔4
1から遠心油圧室25に至る複数本の通孔30とが穿
設されており,各弁孔29に,スプール弁からなる入口
弁26が摺動可能に嵌合される。そして,これら入口弁
26が図2で右動位置を占めると(図2の上半部側),
通孔30を開通し,左動位置を占めると(図2の下半部
側参照),通孔30を閉鎖するようになっている。尚,
ボス20bの通孔30とクランク軸2の第1流入孔43
1 との連通を確実にするために,クランク軸2及びボス
20bの互いに嵌合するスプライン部の一部の歯を切除
することが効果的である。
【0034】またクラッチケーシング20の端壁20a
の外周部には,その周方向等間隔置きに複数個(図示例
では3個)の出口孔32が穿設され,これら出口孔32
を遠心油圧室25側で開閉し得る,リード弁からなる出
口弁28の一端が端壁20aにかしめ結合される。
【0035】端壁20aには,さらに,各出口孔32に
連通するガイドカラー33が固着されており,各ガイド
カラー33に開弁棒31が摺動可能に嵌合される。この
開弁棒31は,その外周に軸方向に延びる溝31aを有
しており,図2で右動位置を占めると(図2の上半部側
及び図6参照),出口弁28の自己の弾性力による出口
孔32に対する閉鎖を許容し,左動位置を占めると(図
2の下半部側及び図7参照),出口弁28を遠心油圧室
25内方へ撓ませて出口孔32を開放するようになって
いる。
【0036】上記入口弁26及開弁棒31の外端には,
共通の弁作動板34が連結される。この弁作動板34
は,クラッチケーシング20のボス20bに図2で左右
方向摺動可能に支承されるもので,その右動位置を規定
するストッパ環35がボス20bに係止され,このスト
ッパ環35に向けて弁作動板34を付勢する戻しばね3
6がクラッチケーシング20及び弁作動板34間に縮設
される。
【0037】弁作動板34には,ボス20bを同心上で
囲繞するレリーズベアリング37を介して押圧環38が
装着され,この押圧環38の外端面に変速クラッチ操作
軸39に固設されたアーム39aが係合し,変速クラッ
チ操作軸39を往復回動することにより,戻しばね36
と協働して,弁作動板34を入口弁26及び開弁棒31
と共に左右動させ得るようになっている。
【0038】変速クラッチ操作軸39には,図5に示す
ように,それを回動するための電動式又は電磁式の変速
クラッチアクチュエータ40が連結され,この変速クラ
ッチアクチュエータ40は,エンジンEのアイドリング
状態を検知するアイドリングセンサ41,及び変速機M
の変速操作を検知する変速センサ42の出力信号が入力
され,それらの何れの信号にも応動して,弁作動板34
を図2で左動するクラッチオフ方向に変速クラッチ操作
軸39を回動するようになっている。以上において,弁
作動板34,レリーズベアリング37,変速クラッチ操
作軸39,変速クラッチアクチュエータ40,アイドリ
ングセンサ41及び変速センサ42は,入口弁26及び
出口弁28を交互に開閉する弁作動手段Aを構成する。
【0039】またクラッチケーシング20の端壁20a
には,遠心油圧室25の中心部を外部に連通する複数の
空気孔89が穿設される。
【0040】こゝで変速クラッチCcの作用について説
明すると,エンジンEの作動中で,アイドリングセンサ
41及び変速センサ42が出力信号を発していない状態
では,変速クラッチアクチュエータ40は非作動状態を
保持するので,弁作動板34が戻しばね36の付勢力に
よりクラッチオン位置,即ち図2で右動位置に保持され
て,図2の上半部側及び図6に示すように,入口弁26
を開弁すると共に,出口弁28の閉弁を許容する。した
がって,オイルポンプ44から圧送されたオイルが上流
供給油路271 から第1流入孔431 及び通孔30を経
てクラッチケーシング20内の遠心油圧室25に供給さ
れて該室25を満たすことになる。
【0041】クラッチケーシング20はクランク軸2と
共に回転しているから,クラッチケーシング20の遠心
油圧室25のオイルは遠心力を受けて油圧を発生し,そ
の油圧をもって加圧板21が摩擦クラッチ板23を受圧
板22に対して押圧することにより,加圧板21,受圧
板22及び摩擦クラッチ板23の三者は摩擦連結され
る。即ち変速クラッチCcはオン状態を呈し,クランク
軸2の出力トルクを摩擦クラッチ板23からトルクコン
バータTに伝達する。
【0042】一方,エンジンEのアイドリング時又は変
速機Mの変速操作時には,アイドリングセンサ41又は
変速センサ42が出力信号を出力するので,それを受け
た変速クラッチアクチュエータ40が直ちに作動して,
変速クラッチ操作軸39を回動し,弁作動板34を図2
で左動位置,即ちクラッチオフ位置へ移動する。これに
より,図2下半部側に示すように,入口弁26を閉弁す
ると共に出口弁28を開弁する。その結果,上流供給油
路271 から遠心油圧室25へのオイル供給が遮断され
ると共に,遠心油圧室25のオイルが出口孔32及び開
弁棒31の溝31aを通ってクラッチケーシング20外
に排出されて遠心油圧室25の油圧を低下させ,加圧板
21の摩擦クラッチ板23に対する押圧力が激減するた
め,加圧板21,受圧板22及び摩擦クラッチ板23の
三者の摩擦連結は解かれる。即ち変速クラッチCcはオ
フ状態を呈し,クランク軸2からトルクコンバータTへ
のトルク伝達を遮断する。クラッチケーシング20外に
排出されたオイルは油溜め46に還流する。
【0043】その状態から,発進のためにエンジンEの
回転が加速され,又は変速操作が完了することにより,
アイドリングセンサ41及び変速センサ42が共に出力
信号を停止すると,変速クラッチアクチュエータ40は
直ちに非作動状態に戻り,弁作動板34は戻しばね36
の付勢力をもって右動位置,即ちクラッチオン位置まで
一気に後退して,再び入口弁26を開弁すると共に,出
口弁28を閉弁させるので,前述の作用から明らかなよ
うに変速クラッチCcは,半クラッチ状態を経ずにオフ
状態からオン状態に復帰することになる。即ち,変速ク
ラッチCcは半クラッチ領域を持たないオン・オフ型で
あり,そのトルク容量は,トルクコンバータTのそれよ
り大きく設定される。
【0044】而して,入口弁26は,クランク軸2の上
流供給油路271 とクラッチケーシング20の遠心油圧
室25とを最短距離で結ぶべくクラッチケーシング20
のボス20bに設けた通孔30に配設されるので,出口
弁28を閉弁して入口弁26を開弁したときには,上流
供給油路271 から遠心油圧室25への作動油の供給を
迅速に行うことができて,変速クラッチCcのクラッチ
オン状態への応答性を高めることができる。
【0045】また入口弁26及び出口弁28はクラッチ
ケーシング20の半径方向に離隔していても,これら入
口弁26及び出口弁28は共通の弁作動板34により連
動,連結されているので,弁作動板34の単純な往復操
作により,入口弁26及び出口弁28の交互開閉作動を
簡単,確実に行うことができる。
【0046】さらにクラッチケーシング20の端壁20
aには,遠心油圧室25の中心部を外部に連通する複数
の空気孔89が穿設されるので,入口弁26を閉弁して
出口弁28を開弁したときには,空気孔89から遠心油
圧室25への空気の流入により,遠心油圧室25からの
出口弁28への作動油の排出をスムーズに行うことがで
きて,変速クラッチCcのクラッチオフ状態への応答性
を高めることができる。また出口弁28を閉弁すると共
に入口弁26を開弁したときには,遠心油圧室25内の
空気が空気孔89から外部に流出することにより,上流
供給油路271から遠心油圧室25への作動油の充填を
スムーズに行うことができて,変速クラッチCcのクラ
ッチオン状態への応答性をも高めることができる。
【0047】しかも出口弁28は,クラッチケーシング
20の端壁20aの出口孔32を遠心油圧室25側で開
閉し得るリード弁からなるものであるから,その閉弁時
には,遠心油圧室25の遠心油圧がその閉弁力として作
用することになり,出口弁28のシール性が良好であ
る。
【0048】再び図2おいて,トルクコンバータTは,
ポンプ羽根車50,タービン羽根車51及びステータ羽
根車52からなっており,そのポンプ羽根車50は,前
記受圧板22に隣接して配置されると共に,そのボス5
0aがニードルベアリング53を介してクランク軸2に
支承される。このポンプ羽根車50の外側面に,前記摩
擦クラッチ板23の内周にスプライン係合する伝動板2
4が固着されている。したがって,摩擦クラッチ板23
の伝動トルクは,この伝動板24を介してポンプ羽根車
50に伝達される。
【0049】またクランク軸2には,ポンプ羽根車50
のボス50aと,クランク軸2を支持する前記ボールベ
アリング3′との間に配置されるステータ軸60の右端
部がニードルベアリング54を介して支承され,このス
テータ軸60にステータ羽根車52のボス52aが凹凸
係合により連結される。ステータ軸60の左端部にはス
テータアーム板56が固着されており,このステータア
ーム板56が中間部に有する円筒部56aの外周面がボ
ールベアリング57を介してクランクケース1に支承さ
れる。またステータアーム板56の外周部はフリーホイ
ール58を介してクランクケース1に支持される。
【0050】ポンプ羽根車50に対向するタービン羽根
車51は中心部にタービン軸59を一体に有し,その右
端部はニードルベアリング61を介してステータ軸60
に支承され,その左端部はステータアーム板56の円筒
部56a内周面にボールベアリング62を介して支承さ
れる。このタービン軸59とクランク軸2間には,ステ
ータ軸60の横孔63を貫通して一方向クラッチ64が
設けられる。この一方向クラッチ64は,タービン軸5
9に逆負荷が加えられたときオン状態となって,タービ
ン軸59及びクランク軸2間を直結するようになってい
る。
【0051】図2に示すように,ポンプ羽根車50のボ
ス50a,タービン軸59及びステータ羽根車52のボ
ス52aの各間の間隙がトルクコンバータTの流体入口
47iとされ,またタービン軸59のタービン羽根車5
1外側へ延びる部分にトルクコンバータTの流体出口4
7oが設けられ,その流体入口47iはクランク軸2の
前記第2流入孔432 と連通し,流体出口47oは,ス
テータ軸60の横孔63を介してクランク軸2の前記流
出孔45に連通する。したがって,オイルポンプ44か
らクランク軸2の上流供給油路271 に供給されたオイ
ルが第2流入孔432 に入ると,流体入口47iからポ
ンプ羽根車50及びタービン羽根車51間の油室に入
り,その油室及び後述するロックアップクラッチLcの
油圧室77を満たした後,流体出口47oから流出孔4
5を経てクランク軸2の下流供給油路272 へと流れる
ようになっている。
【0052】タービン軸59には,1次減速装置14の
駆動ギヤ14aが一体に形成され,これに噛合する被動
ギヤ14bが変速機Mの入力軸10にスプライン結合さ
れる。こうして構成される1次減速装置14は,クラン
クケース1とトルクコンバータTとの間に配置される。
【0053】そのトルクコンバータTの作用について説
明する。
【0054】クランク軸2の出力トルクがオン状態の変
速クラッチCcを介してポンプ羽根車50に伝達される
と,そのトルクは,トルクコンバータT内を満たしたオ
イルの作用によりタービン羽根車51に流体的に伝達さ
れる。このとき,両羽根車50,51間でトルクの増幅
作用が生じていれば,それに伴う反力はステータ羽根車
52に負担され,ステータ羽根車52は,フリーホイー
ル58のロック作用によりクランクケース1に固定的に
支持される。またトルクの増幅作用が生じていなけれ
ば,ステータ羽根車52は,フリーホイール58の空転
作用により空転が可能となるから,ポンプ羽根車50,
タービン羽根車51及びステータ羽根車52の三者は,
共に同方向へ回転する。
【0055】ポンプ羽根車50からタービン羽根車51
に伝達されたトルクは1次減速装置14を介して変速機
Mの入力軸10に伝達され,そして確立を選択された変
速ギヤ列G1 〜G4 ,出力軸11及び最終減速装置19
を順次経て図示しない後輪へと伝達され,それを駆動す
る。
【0056】走行中のエンジンブレーキ時には,タービ
ン軸59に逆負荷トルクが加わることにより,一方向ク
ラッチ64がオン状態となるから,タービン軸59及び
クランク軸2相互が直結され,逆負荷トルクがトルクコ
ンバータTを経由することなくクランク軸2に伝達され
ることになり,良好なエンジンブレーキ効果を得ること
ができる。
【0057】再び図2において,ポンプ羽根車50及び
タービン羽根車51間には,それらを直結状態にし得る
ロックアップクラッチLcが設けられる。このロックア
ップクラッチLcは,ポンプ羽根車50の外周部に連設
されてタービン羽根車51を囲繞する円筒状のクラッチ
ケーシング70と,タービン軸59の外周面に回転自在
に支承された支持筒71に摺動可能にスプライン嵌合さ
れる加圧板72と,この加圧板72に対向してクラッチ
ケーシング70の端部に油密に固着されると共に,上記
支持筒71のスプライン嵌合される受圧板73と,これ
ら加圧板72及び受圧板73間に介裝される環状の摩擦
クラッチ板74とを備え,その摩擦クラッチ板74は,
タービン羽根車51の外側面に固着された伝動板75に
外周部がスプライン係合される(図8参照)。加圧板7
2は,受圧板73に対する後退位置が支持筒71に係止
されたストッパ環76によって規定される。
【0058】クラッチケーシング70の内部は受圧板7
3により油圧室77に画成され,この油圧室77は,ポ
ンプ羽根車50及びタービン羽根車51の対向間隙を通
してそれらの内部と連通していて,オイルが満たされ,
トルクコンバータTの作動時には,その内部と同様に高
圧となる。
【0059】図2,図10及び図11に示すように,加
圧板72及び受圧板73には,摩擦クラッチ板74の内
周側で周方向等間隔置きに複数個(図示例では3個)の
弁孔78,79がそれぞれ穿設され,加圧板72の弁孔
78を油圧室77側で開閉し得る,リード弁からなる制
御弁80の一端が加圧板72にかしめ結合される。
【0060】加圧板72及び受圧板73の弁孔78,7
9は互いに同軸上に配置され,これらに制御弁80の開
閉を制御する制御棒81が摺動可能に嵌合される。この
制御棒81は,その外周に軸方向に延びる連通溝81a
を有しており,図2で左動位置を占めると(図2の上半
部側及び図10参照),制御弁80の自己の弾性力によ
る弁孔78に対する閉鎖を許容すると共に,制御棒81
の連通溝81aにより摩擦クラッチ板74の内周側を受
圧板73の弁孔79外へ開放し,また右動位置を占める
と(図2の下半部側及び図11参照),この制御棒81
により受圧板73の弁孔79を閉鎖すると共に,制御弁
80を油圧室77内方へ撓ませて,摩擦クラッチ板74
の内周側で加圧板72の両側面間を制御棒81の連通溝
81aを介して連通するようになっている。
【0061】上記制御棒81の外端には,弁作動板82
が連結される。この弁作動板82は,前記支持筒71に
図2で左右方向摺動可能に支承されるもので,その左動
位置を規定するストッパ環83が支持筒71に係止さ
れ,このストッパ環83に向けて弁作動板82を付勢す
る戻しばね84が受圧板73及び弁作動板82間に縮設
される。
【0062】弁作動板82には,支持筒71と同心配置
のレリーズベアリング85を介して,ロックアップクラ
ッチ操作軸86のアーム86aが係合され,ロックアッ
プクラッチ操作軸86を往復回動することにより,戻し
ばね84と協働して,弁作動板82を制御棒81と共に
左右動させ得るようになっている。
【0063】ロックアップクラッチ操作軸86には,図
5に示すように,それを回動するための電動式又は電磁
式のロックアップクラッチアクチュエータ87が連結さ
れ,このロックアップクラッチアクチュエータ87は,
所定値以下の車速を検知する車速センサ88の出力信号
が入力され,その信号に応動して,弁作動板82を図2
で右動する方向にロックアップクラッチ操作軸86を回
動するようになっている。
【0064】このロックアップクラッチLcの作用につ
いて説明する。車速センサ88が所定値以下の車速を検
知して出力信号を発すると,それを受けてロックアップ
クラッチアクチュエータ87は作動して,ロックアップ
クラッチ操作軸86を回動し,弁作動板82を図2で右
動位置へ移動する。これに伴い,図2下半部側及び図1
1に示すように,制御棒81が制御弁80を開き,連通
溝81aを介して加圧板72の両側面を連通させるの
で,加圧板72の両側面に油圧室77の油圧が等しく作
用すること,及び制御棒81の制御弁80に対する押圧
力で加圧板72が後退位置へ押圧されることにより,加
圧板72,受圧板73及び摩擦クラッチ板74の三者の
摩擦連結は起こらず,ロックアップクラッチLcはオフ
状態を呈する。したがって,この状態では,ポンプ羽根
車50及びタービン羽根車51の相対回転が可能であ
り,したがってトルクの増幅作用が可能である。また,
この場合,受圧板73の弁孔79は制御棒81により閉
鎖されるので,油圧室77から弁孔79への油圧の無用
なリークを防ぐことができる。
【0065】車速が所定値以上に上昇して,車速センサ
88が出力信号を停止すると,ロックアップクラッチア
クチュエータ87は非作動状態に戻り,弁作動板82
は,図2の上半部側及び図10に示すように,戻しばね
84の付勢力をもって左動位置まで後退して,制御弁8
0の弁孔78に対する閉弁を許容すると共に,摩擦クラ
ッチ板74の内周側を制御棒81の連通溝81aを介し
て弁孔29外に開放するため,加圧板72は,その内側
面にのみ油圧室77の油圧を受けて,摩擦クラッチ板7
4を受圧板73に対して押圧する。その結果,加圧板7
2,受圧板73及び摩擦クラッチ板74の三者が摩擦連
結して,ロックアップクラッチLcはオン状態となり,
ポンプ羽根車50及びタービン羽根車51を相互に直結
させるので,車両の高速走行時には,両羽根車50,5
1相互の滑りを無くし,伝動効率を高めることができ
る。
【0066】ところで,エンジンEの運転中,オイルポ
ンプ44から吐出されたオイルは,先ず上流供給油路2
1 に入り,第1流入孔431 を経て変速クラッチCc
の遠心油圧室25に入り,その作動と冷却に寄与し,ま
た第2流入孔432 を経てポンプ羽根車50及びタービ
ン羽根車51間の油室及びロックアップクラッチLcの
油圧室77に流入して,トルクコンバータT及びロック
アップクラッチLcの作動と冷却に寄与する。そして,
油圧室77から流出孔45から下流供給油路272 へ出
たオイルは,クランクピン外周のニードルベアリング4
9に供給され,その潤滑に寄与し,その潤滑を終えたオ
イルは,クランク軸2の回転に伴い周囲に飛散してピス
トン7等の潤滑に供される。上記オイルポンプ44は,
元来,エンジンEに潤滑用オイルを供給するものである
が,そのオイルを変速クラッチCcやトルクコンバータ
T,ロックアップクラッチLcのための作動オイルに利
用するようにしたので,作動オイル供給のための専用オ
イルポンプを設ける必要がなく,構成の簡素化を図るこ
とができる。
【0067】またクランク軸2に設けられた上流供給油
路271 及び下流供給油路272 は,オリフィス48を
介して直接的にも連通しているから,オイルポンプ44
から上流供給油路271 に送られたオイルの一部は,ト
ルクコンバータT等を経由せず,オリフィス48を通し
て下流供給油路272 へ直接移るので,エンジンEの潤
滑と冷却を良好に行うことができる。
【0068】一方,トルクコンバータTにおいては,エ
ンジンEのアイドリング時でも,ポンプ羽根車50及び
タービン羽根車51間で多少ともトルク伝達が生ずると
ころ,アイドリング時には,変速クラッチCcが前述の
ようにオフ状態に制御されるので,多段変速機Mの第1
速ギヤ列G1 が確立していても,トルクコンバータTの
存在に関係なく,変速クラッチCc以降への動力伝達を
遮断して,クリープ現象を防ぐことができる。このこと
は,多段変速機Mの各伝動部材が無負荷状態に置かれる
ことを意味するから,車両の発進のために,図1でシフ
トギヤG2 bを左方へシフトして,第1速ギヤ列G1
確立する場合でも,トルクショックを伴うことなく,ス
ムーズなシフトが可能となる。そして,発進すべくエン
ジンEの回転を加速すると,変速クラッチCcは半クラ
ッチ領域を飛び越えて一気にオン状態へと移行するが,
それに伴うトルクショックは,トルクコンバータTのポ
ンプ羽根車50及びタービン羽根車51相互の滑り作用
により吸収され,それらの増幅作用も手伝って,スムー
ズな発進を行うことができ,乗り心地の改善に寄与し得
る。
【0069】また走行中,シフトギヤG2 b,G3 aを
所望の方向へシフトして,所望の変速を行う際にも,そ
の都度,前述のように変速クラッチCcがオフ状態に制
御され,多段変速機Mの各伝動部材を無負荷状態にする
ため,トルクショックを伴うことなく,スムーズな変速
が可能となる。変速後においても,変速クラッチCcは
半クラッチ領域を飛び越えて一気にオン状態へと移行す
るが,それに伴うトルクショックも,トルクコンバータ
Tのポンプ羽根車50及びタービン羽根車51相互の滑
り作用により吸収される。したがって乗員に違和感を与
えず,乗り心地が改善される。
【0070】このように変速クラッチCcのオン・オフ
に伴い生ずるトルクショックをトルクコンバータTに吸
収させるようにしたことで,変速クラッチCcを,半ク
ラッチ領域を持たないオン・オフ型に構成することを可
能にしたのであり,半クラッチによる摩擦部の発熱及び
摩耗を回避して,変速クラッチCcの耐久性を向上させ
ることができる。
【0071】また変速クラッチCcのトルク容量は,ト
ルクコンバータTのそれ以上に設定されるので,全負荷
状態でも,変速クラッチCcの滑りを防ぎ,その耐久性
を確保することができる。
【0072】またクランク軸2は,これが減速装置14
を介して駆動する多段変速機Mの入力軸10より高速で
回転するものであるから,このクランク軸2に取付けら
れるトルクコンバータT及び変速クラッチCcが負担す
る伝達トルクは比較的小さく,それだけトルクコンバー
タT及び変速クラッチCcの各容量を小さくして,それ
らのコンパクト化が可能となり,トルクコンバータT及
び変速クラッチCcの併設によるも,パワーユニットP
のコンパクト化を図ることができる。
【0073】しかも1次減速装置14,トルクコンバー
タT及び変速クラッチCcのうち,1次減速装置14が
クランクケース1の右側壁に最も近接して,次にトルク
コンバータTが近接して配置されるので,1次減速装置
14の作動に伴いクランク軸2及び入力軸10に加わる
曲げモーメントを最小とすることができ,またトルクコ
ンバータTは変速クラッチCcより重量が大であるが,
それらの重量によりクランク軸2に加わる曲げモーメン
トも最小にすることができ,トルクコンバータT及び変
速クラッチCcのコンパクト化と相俟って,クランク軸
2,入力軸10及びこれらを支持するベアリング3′,
12′の耐久性向上を図ることができる。
【0074】次に,図12及び図13により本発明の第
2実施例について説明する。この第2実施例は,出口弁
128の構成において前実施例と異なる。即ち,クラッ
チケーシング20の外周壁20cに,遠心油圧室25に
開口して周方向等間隔置きに並ぶ複数個の出口孔132
が穿設され,これら出口孔132に対応して前記外周壁
20cの外周面に摺動可能に密接する舌片状の複数の出
口弁128が弁作動板34に一体に形成され,各出口弁
128内周面には逃がし溝91が設けられる。その他の
構成は前実施例と同様であるので,図中,前実施例との
対応部分には,同一の参照符号を付して,その説明を省
略する。
【0075】而して,弁作動板34の,図12に示すク
ラッチオン位置(右動位置)では,出口弁128が出口
孔132の外方開口端を閉鎖し,反対に図13に示すク
ラッチオフ位置(左動位置)では,出口孔132に逃が
し溝91を合わせて,遠心油圧室25を外部に開放す
る。この第2実施例によれば,出口弁128の弁作動板
34への一体形成により,出口弁128の構造を簡素化
することができる。
【0076】次に,図14〜図16により本発明の第3
実施例について説明する。この第3実施例も出口弁22
8の構成において前記第1実施例と異なる。即ち,クラ
ッチケーシング20の外周壁20cに,遠心油圧室25
に開口して周方向等間隔置きに並ぶ複数個の出口孔23
2が穿設されると共に,各出口孔232の遠心油圧室2
5への開口部が円錐状の弁座232aに形成され,これ
ら弁座232aに着座し得るように複数の球状の出口弁
228が配設される。これら出口弁228を保持するた
め,加圧板21に,各出口弁228を収容する保持凹部
93と,この保持凹部93に連続して各出口弁228を
囲むU字状の保持壁100が形成される。
【0077】クラッチケーシング20の端壁20aに
は,各出口弁228に対応して複数のガイド孔94が穿
設され,これらガイド孔94を摺動自在に貫通して,対
応する出口弁228の側面に対向する開弁棒95が弁作
動板34に固着される。その他の構成は前記第1実施例
と同様であるので,図中,第1実施例との対応部分に
は,同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0078】而して,弁作動板34の,図14に示すク
ラッチオン位置(右動位置)では,開弁棒95が出口弁
228から離れていて,出口弁228は,それ自体の遠
心力と遠心油圧室25の遠心油圧により弁座232aに
着座することにより,出口孔232を確実に閉鎖するこ
とができる。また図15に示すクラッチオフ位置では,
開弁棒95が対応する出口弁228を加圧板21の保持
凹部93側へ押圧して,弁座232aから離座させるか
ら,出口孔232を開放することができる。
【0079】次に,図17及び図18により本発明の第
4実施例について説明する。この第4実施例は,入口弁
126及び出口弁328の構成において前記第1実施例
と異なる。即ち,弁作動板34は,前記第1実施例とは
反対に左動位置(図17参照)がクラッチオン位置であ
り,右動位置(図18参照)がクラッチオフ位置であ
り,したがって入口弁126は,弁作動板34の左動位
置で開弁し,右動位置で閉弁するように構成される。
【0080】一方,クラッチケーシング20の端壁20
aの外周部には,周方向に等間隔に並ぶ複数の出口孔3
32が穿設され,これらに係合する複数の出口弁328
が弁作動板34に固着される。各出口弁328は,根元
を弁作動板34にかしめて固着される円柱状弁部328
aと,この弁部328aの先端に同軸に形成された,そ
れより小径の円柱状ガイド部328bとからなってお
り,弁作動板34の左動位置で弁部328aが出口孔3
32に密合して,それを閉鎖し,弁作動板34の右動位
置でガイド部328bのみが出口孔332に緩く係合し
て,出口孔332を開放するようになっている。
【0081】したがって,弁作動板34の左動位置(ク
ラッチオン位置)では,入口弁126が開弁すると共
に,出口弁328が閉弁するので,上流供給油路271
から遠心油圧室25へ作動油が供給され,変速クラッチ
Ccをクラッチオン状態にすることができ,また弁作動
板34の右動位置(クラッチオフ位置)では,入口弁1
26が閉弁すると共に,出口弁328が開弁するので,
遠心油圧室25の作動油が出口弁328から外部に排出
され,変速クラッチCcをクラッチオフ状態にすること
ができる。特に,この第4実施例の場合,弁作動板34
に固着される出口弁328に,出口孔332に緩く係合
するガイド部328bが形成されるので,このガイド部
328bの案内作用により弁部328aの出口孔332
への密合をスムーズに行うことができる。
【0082】次に,図19及び図20により本発明の第
5実施例について説明する。この第5実施例は,クラッ
チケーシング20の出口孔332に係合する出口弁42
8のガイド部428bを円錐状に形成した点を除けば,
上記第4実施例と同様であり,図中,第4実施例との対
応部分には,同一の参照符号を付して,その説明を省略
する。
【0083】この第5実施例によれば,円錐状のガイド
部528bの調心,案内作用により,弁部528aの出
口孔332への密合をよりスムーズに行うことができ
る。
【0084】次に図21及び図22により本発明の第6
実施例について説明する。この第6実施例では,クラッ
チケーシング20の外周壁20cに,遠心油圧室25に
開口して周方向等間隔置きに並ぶ複数個の出口孔532
が穿設されると共に,各出口孔532の遠心油圧室25
への開口部が円錐状の弁座532aに形成され,これら
弁座532aに着座し得るように複数の球状の出口弁5
28が配設される。これら出口弁528を保持するため
には,クラッチケーシング20と共に回転する加圧板2
1に,図15の実施例と同様な保持凹部93及び保持壁
100が形成される。各出口弁528は,弁座532a
への着座時には,出口孔532からクランクケーシング
20の外周面外方に一部528aを突出させるようにな
っている。
【0085】一方,弁作動板34には,クラッチケーシ
ング20の外周に摺動可能に嵌合する円筒部34aが一
体に連設され,この円筒部34aには,クラッチケーシ
ング20の外周面に摺動自在に嵌合するガイド面102
と,このガイド面102に環状段部を介して連なると共
に,円筒部34aの開放端まで延びる逃がし面103と
が設けられる。ガイド面102は,これが出口孔532
との対向位置にくると,出口弁528の,出口孔532
から突出した部分528aを半径方向内方へ押圧するよ
うになっており,またこの逃がし面103は,これが出
口孔532との対向位置にきても,閉弁状態の出口弁5
28と干渉しないように,クラッチケーシング20の外
周面から充分に離れている。その他の構成は前記第1実
施例と同様であるので,図21及び図22中,第1実施
例との対応部分には,同一の参照符号を付して,その説
明を省略する。
【0086】而して,図21に示すように,弁作動板3
4のクラッチオン位置(右動位置)では,円筒部34a
の逃がし面103がクラッチケーシング20の出口孔5
32との対向位置にくるが,この逃がし面103は,ク
ラッチケーシング20の外周面から充分に離れているの
で,弁座532aに着座した出口弁528が一部528
aを出口孔532外へ突出していても,円筒部34aが
出口弁528と干渉することはなく,したがって出口弁
228は,それ自体の遠心力と遠心油圧室25の遠心油
圧により弁座532aに対する着座状態を確保すること
ができる。
【0087】また図22に示すように,弁作動板34の
クラッチオフ位置(左動位置)では,円筒部34aのガ
イド面102がクラッチケーシング20の出口孔532
との対向位置に移る。このときガイド面102は,出口
弁528の,出口孔532外に突出させた部分528a
を押圧することにより,出口弁528を弁座532aか
ら離座させるので,出口孔532を開放することができ
る。出口孔532の開放時,遠心油圧室25から出口孔
532を出た作動油は,円筒部34aの逃がし面103
とクラッチケーシング20の外周面との間隙を通ってク
ラッチケーシング20外に流出する。
【0088】最後に,図23により本発明の第7実施例
について説明する。
【0089】この第7実施例は,図21の第6実施例に
おいて,その入口弁26をオリフィス101に置き換え
たものである。即ち,クラッチケーシング20のボス2
0bに設けられて,クランク軸2の第1流入孔431
クラッチケーシング20の遠心油圧室25との間を接続
する通孔30には,上流供給油路271 から遠心油圧室
25への作動油の流量を制限するオリフィス101が設
けられる。その他の構成は,図21の第6実施例と同様
であるので,図23中,第6実施例との対応部分には,
同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0090】而して,弁作動板34をクラッチオフ位置
に操作して出口弁528を開弁すれば,上流供給油路2
1 から遠心油圧室25へ流入する作動油の流量がオリ
フィス101により制限されるのに対して,遠心油圧室
25内の作動油は出口孔532からスムーズに流出する
ので,遠心油圧室25は速やかに減圧して,変速クラッ
チCcをオフ状態にすることができる。また弁作動板3
4をクラッチオン位置に操作して出口弁528を閉弁す
れば,オリフィス101を通過した作動油により遠心油
圧室25が満たされるので,クランク軸2の回転数の
時,遠心油圧室25が昇圧して,変速クラッチCcをオ
ン状態にすることができる。特に,この実施例において
も,クラッチケーシング20のボス20bに設けられた
通孔30を通してクランク軸2の上流供給油路271
ら遠心油圧室25へ作動油を導入するので,上流供給油
路271 と遠心油圧室25との間の油路を最短にするこ
とができ,変速クラッチCcの応答性を高めることがで
きる。しかも出口弁を開閉するのみで,遠心油圧室25
からの作動油の排出及び遠心油圧室25への作動油の供
給を行うので,構成の簡素化を図ることができる。
【0091】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可
能である。例えば,図23の第7実施例のオリフィス1
01は,他の実施例の入口弁26,126とも置き換え
ることができる。また図14及び図22の実施例におい
て,球状の出口弁228,528を閉弁方向に付勢する
ばねを設けることもできる。
【0092】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば,入力部材に連結されて一端面を開放したクラッチケ
ーシングと,このクラッチケーシング内に摺動自在に装
着される加圧板と,前記クラッチケーシングの開放端部
に固着される受圧板と,前記加圧板及び受圧板間に介裝
され,出力部材に連結される摩擦クラッチ板とを備え,
前記加圧板と前記クラッチケーシングの端壁との間に,
入力部材に設けられた作動油供給油路に連なる遠心油圧
室を画成し,この遠心油圧室に供給された作動油が遠心
力を受けて発生する油圧により前記加圧板及び受圧板間
で前記摩擦クラッチ板を挟圧するようにした,遠心油圧
クラッチにおいて,前記クラッチケーシングの,前記入
力部材に連結されるボスに前記作動油供給油路及び遠心
油圧室間を開閉する入口弁を設ける一方,前記クラッチ
ケーシングの外周部に,前記遠心油圧室の内外を開閉す
る出口弁を設け,これら入口弁及び出口弁に,これらを
交互に開閉する弁作動手段を接続したので,入力軸の作
動油供給油路とクラッチケーシングの油室との間が最短
距離の油路で接続することが可能となり,入口弁を開弁
すると共に出口弁を閉弁したとき,入力部材の作動供給
油路から遠心油圧室への作動油の供給を迅速に行うこと
ができて,遠心油圧クラッチのクラッチオン状態への応
答性を高めることができる。
【0093】また本発明の第2の特徴によれば,入力部
材に連結されて一端面を開放したクラッチケーシング
と,このクラッチケーシング内に摺動自在に装着される
加圧板と,前記クラッチケーシングの開放端部に固着さ
れる受圧板と,前記加圧板及び受圧板間に介裝され,出
力部材に連結される摩擦クラッチ板とを備え,前記加圧
板と前記クラッチケーシングの端壁との間に,入力部材
に設けられた作動油供給油路に連なる遠心油圧室を画成
し,この遠心油圧室に供給された作動油が遠心力を受け
て発生する油圧により前記加圧板及び受圧板間で前記摩
擦クラッチ板を挟圧するようにした,遠心油圧クラッチ
において,前記クラッチケーシングの,前記入力部材に
連結されるボスに,前記作動油供給油路及び遠心油圧室
間を連通すると共に,前者から後者への作動油の流量を
制限するオリフィスを設ける一方,前記クラッチケーシ
ングの外周部に,前記遠心油圧室の内外を開閉する出口
弁を設け,この出口弁に,これを開閉する弁作動手段を
接続したので,入力軸の作動油供給油路とクラッチケー
シングの油室との間が最短距離の油路で接続することが
可能となり,しかも出口弁を開閉するのみで,遠心油圧
室からの作動油の排出及び遠心油圧室への作動油の供給
を行うことができ,構成の簡素化を図ることができる。
【0094】さらに本発明の第3の特徴によれば,前記
弁作動手段が,前記入口弁及び出口弁に連結されて,ク
ラッチオン位置及びクラッチオフ位置間を作動する共通
の弁作動板を備え,この弁作動板のクラッチオン位置で
は,前記入口弁が開弁すると共に前記出口弁が閉弁し,
クラッチオフ位置では前記入口弁が閉弁すると共に前記
出口弁が開弁するようにしたので,入口弁及び出口弁は
クラッチケーシングの半径方向に離隔していても,共通
の弁作動板の単純な往復操作により,入口弁及び出口弁
の交互開閉作動を簡単,確実に行うことができる。
【0095】さらにまた本発明の第4の特徴によれば,
前記クラッチケーシングの端壁の外周部に,前記遠心油
圧室に開口する出口孔を設け,この出口孔を前記遠心油
圧室側で開閉する,リード弁からなる前記出口弁の一端
を固着し,この出口弁に,前記出口孔を貫通する開弁棒
を介して前記弁作動手段を連結し,この弁作動手段のク
ラッチオン位置では前記開弁棒が前記出口弁から後退し
て該出口弁の閉弁を許容し,クラッチオフ位置では前記
開弁棒が前進して該出口弁を押し開けるようにしたの
で,出口弁の閉弁時には,遠心油圧室の遠心油圧がその
閉弁力として作用することになり,出口弁のシール性を
高めることができる。
【0096】さらにまた本発明の第5の特徴によれば,
前記クラッチケーシングの外周壁に,前記遠心油圧室に
開口する出口孔を設け,前記外周壁の外周面に摺動可能
に密接して,この出口孔を開閉する前記出口弁を前記弁
作動手段に一体に形成したので,出口弁の弁作動手段と
の一体化により,出口弁の構造の簡素化を図ることがで
きる。
【0097】さらにまた本発明の第6の特徴によれば,
クラッチケーシングの外周壁に出口孔を設けると共に,
この出口孔の遠心油圧室への開口端部を円錐状弁座に形
成し,この弁座に遠心力で着座し得る球状弁体からなる
前記出口弁を設け,この出口弁に,前記クラッチケーシ
ングの端壁を貫通する開弁棒を介して前記弁作動手段を
連結し,この弁作動手段のクラッチオン位置では前記開
弁棒が前記出口弁から後退して該出口弁の閉弁を許容
し,クラッチオフ位置では前記開弁棒が前進して出口弁
を押し開けるようにしたので,弁作動手段のクラッチオ
ン位置では,出口弁は,それ自体の遠心力と遠心油圧室
の遠心油圧により弁座に着座して,出口孔を確実に閉鎖
することができ,そのシール性を高めることができる。
【0098】さらにまた本発明の第7の特徴によれば,
前記クラッチケーシングの端壁外周部に,前記遠心油圧
室に開口する出口孔を設け,この出口孔を開閉する前記
出口弁を前記弁作動手段に結合し,この出口弁には,前
記出口孔に緩く係合するガイド部を形成したので,出口
弁の構造を簡素化することができると共に,ガイド部の
案内作用により出口弁の閉弁を確実に行うことができ
る。
【0099】さらにまた本発明の第8の特徴によれば,
前記クラッチケーシングの外周壁に出口孔を設けると共
に,この出口孔の遠心油圧室への開口端部を弁座に形成
し,この弁座に遠心力で着座し得る前記出口弁を設け,
この出口弁は前記弁座への着座時に前記出口孔より前記
クラッチケーシングの外周側に突出する部分を有し,前
記弁作動手段を,この弁作動手段のクラッチオン位置で
は前記出口弁の前記弁座への着座を許容し,クラッチオ
フ位置では前記出口弁の前記突出する部分を半径方向内
方へ押圧してこの出口弁を前記弁座から離座させるよう
に構成したので,弁作動手段のクラッチオン位置では,
出口弁は,それ自体の遠心力と遠心油圧室の遠心油圧に
より弁座に着座して,出口孔を確実に閉鎖することがで
き,そのシール性が高い。しかも出口弁と弁作動手段と
の間にクラッチケーシングを貫通する部分が存在しない
ので,遠心油圧室の油密性を容易に確保することができ
る。
【0100】さらにまた本発明の第9の特徴によれば,
前記クラッチケーシングに,前記遠心油圧室の内周側を
外部に連通する空気孔を設けたので,入口弁を閉弁する
と共に出口弁を開弁したときには,空気孔から遠心油圧
室への空気の流入により,遠心油圧室からの出口弁への
作動油の排出をスムーズに行うことができて,遠心油圧
クラッチのクラッチオフ状態への応答性を高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すもので,伝動装置を
備えた自動二輪車用パワーユニットの縦断面図。
【図2】図2は上記伝動装置の拡大縦断面図。
【図3】図2の3−3線断面図。
【図4】図2の4−4矢視図。
【図5】上記伝動装置の側面図。
【図6】図2の変速クラッチ(遠心油圧クラッチ)の出
口弁を閉弁状態で示す拡大図。
【図7】同出口弁を開弁状態で示す拡大図。
【図8】図2の8−8線断面図。
【図9】図2の9−9線断面図。
【図10】図2のロックアップクラッチの制御弁を閉弁
状態で示す拡大図。
【図11】同制御弁を開弁状態で示す拡大図。
【図12】本発明の第2実施例に係る変速クラッチ(遠
心油圧クラッチ)をクラッチオン状態で示す縦断面図。
【図13】同クラッチのクラッチオフ状態を示す縦断面
図。
【図14】本発明の第3実施例に係る変速クラッチ(遠
心油圧クラッチ)をクラッチオン状態で示す縦断面図。
【図15】同クラッチのクラッチオフ状態を示す縦断面
図。
【図16】図14の16−16線断面図。
【図17】本発明の第4実施例に係る変速クラッチ(遠
心油圧クラッチ)をクラッチオン状態で示す縦断面図。
【図18】同クラッチのクラッチオフ状態を示す縦断面
図。
【図19】本発明の第5実施例に係る変速クラッチ(遠
心油圧クラッチ)をクラッチオン状態で示す縦断面図。
【図20】同クラッチのクラッチオフ状態を示す縦断面
図。
【図21】本発明の第6実施例に係る変速クラッチ(遠
心油圧クラッチ)をクラッチオン状態で示す縦断面図。
【図22】同クラッチのクラッチオフ状態を示す縦断面
図。
【図23】本発明の第7実施例に係る変速クラッチ(遠
心油圧クラッチ)をクラッチオン状態で示す縦断面図。
【符号の説明】
A・・・・・・弁作動手段 Cc・・・・・遠心油圧クラッチとしての変速クラッチ 2・・・・・・入力部材としてのクランク軸 20・・・・・クラッチケーシング 20a・・・・クラッチケーシングの端壁 20b・・・・クラッチケーシングのボス 20c・・・・クラッチケーシングの外周壁 21・・・・・加圧板 22・・・・・受圧板 23・・・・・摩擦クラッチ板 25・・・・・遠心油圧室 26・・・・・入口弁 126・・・・入口弁 271 ・・・・作動油供給油路 28・・・・・出口弁 128・・・・出口弁 228・・・・出口弁 328・・・・出口弁 428・・・・出口弁 528・・・・出口弁 31・・・・・開弁棒 32・・・・・出口孔 132・・・・出口孔 232・・・・出口孔 232a・・・弁座 332・・・・出口孔 532・・・・出口孔 532a・・・弁座 34・・・・・弁作動板 89・・・・・空気孔 95・・・・・開弁棒 101・・・・オリフィス

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力部材(2)に連結されて一端面を開
    放したクラッチケーシング(20)と,このクラッチケ
    ーシング(20)内に摺動自在に装着される加圧板(2
    1)と,前記クラッチケーシング(20)の開放端部に
    固着される受圧板(22)と,前記加圧板(21)及び
    受圧板(22)間に介裝され,出力部材(50)に連結
    される摩擦クラッチ板(23)とを備え,前記加圧板
    (21)と前記クラッチケーシング(20)の端壁(2
    0a)との間に,入力部材(2)に設けられた作動油供
    給油路(271 )に連なる遠心油圧室(25)を画成
    し,この遠心油圧室(25)に供給された作動油が遠心
    力を受けて発生する油圧により前記加圧板(21)及び
    受圧板(22)間で前記摩擦クラッチ板(23)を挟圧
    するようにした,遠心油圧クラッチにおいて,前記クラ
    ッチケーシング(20)の,前記入力部材(2)に連結
    されるボス(20b)に前記作動油供給油路(271
    及び遠心油圧室(25)間を開閉する入口弁(26,1
    26)を設ける一方,前記クラッチケーシング(20)
    の外周部に,前記遠心油圧室(25)の内外を開閉する
    出口弁(28,128,228,328,428,52
    8)を設け,これら入口弁(26,126)及び出口弁
    (28,128,228,328,428,528)
    に,これらを交互に開閉する弁作動手段(A)を接続し
    たことを特徴とする,遠心油圧クラッチ。
  2. 【請求項2】 入力部材(2)に連結されて一端面を開
    放したクラッチケーシング(20)と,このクラッチケ
    ーシング(20)内に摺動自在に装着される加圧板(2
    1)と,前記クラッチケーシング(20)の開放端部に
    固着される受圧板(22)と,前記加圧板(21)及び
    受圧板(22)間に介裝され,出力部材(50)に連結
    される摩擦クラッチ板(23)とを備え,前記加圧板
    (21)と前記クラッチケーシング(20)の端壁(2
    0a)との間に,入力部材(2)に設けられた作動油供
    給油路(271 )に連なる遠心油圧室(25)を画成
    し,この遠心油圧室(25)に供給された作動油が遠心
    力を受けて発生する油圧により前記加圧板(21)及び
    受圧板(22)間で前記摩擦クラッチ板(23)を挟圧
    するようにした,遠心油圧クラッチにおいて,前記クラ
    ッチケーシング(20)の,前記入力部材(2)に連結
    されるボス(20b)に,前記作動油供給油路(2
    1 )及び遠心油圧室(25)間を連通すると共に,前
    者(271 )から後者(25)への作動油の流量を制限
    するオリフィス(101)を設ける一方,前記クラッチ
    ケーシング(20)の外周部に,前記遠心油圧室(2
    5)の内外を開閉する出口弁(28,128,228,
    328,428,528)を設け,この出口弁(28,
    128,228,328,428,528)に,これを
    開閉する弁作動手段(A)を接続したことを特徴とす
    る,遠心油圧クラッチ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の遠心油圧クラッチにおい
    て,前記弁作動手段(A)が,前記入口弁(26,12
    6)及び出口弁(28,128,228,328,42
    8,528)に連結されて,クラッチオン位置及びクラ
    ッチオフ位置間を作動する共通の弁作動板(34)を備
    え,この弁作動板(34)のクラッチオン位置では,前
    記入口弁(26,126)が開弁すると共に前記出口弁
    (28,128,228,328,428,528)が
    閉弁し,クラッチオフ位置では前記入口弁(26,12
    6)が閉弁すると共に前記出口弁(28,128,22
    8,328,428,528)が開弁するようにしたこ
    とを特徴とする,遠心油圧クラッチ。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の遠心油圧クラッチ
    において,前記クラッチケーシング(20)の端壁(2
    0a)の外周部に,前記遠心油圧室(25)に開口する
    出口孔(32)を設け,この出口孔(32)を前記遠心
    油圧室(25)側で開閉する,リード弁からなる前記出
    口弁(28)の一端を固着し,この出口弁(28)に,
    前記出口孔(32)を貫通する開弁棒(31)を介して
    前記弁作動手段(A)を連結し,この弁作動手段(A)
    のクラッチオン位置では前記開弁棒(31)が前記出口
    弁(28)から後退して該出口弁(28)の閉弁を許容
    し,クラッチオフ位置では前記開弁棒(32)が前進し
    て該出口弁(28)を押し開けるようにしたことを特徴
    とする,遠心油圧クラッチ。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の遠心油圧クラッチ
    において,前記クラッチケーシング(20)の外周壁
    (20c)に,前記遠心油圧室(25)に開口する出口
    孔(132)を設け,前記外周壁(20c)の外周面に
    摺動可能に密接して,この出口孔(132)を開閉する
    前記出口弁(128)を前記弁作動手段(A)に一体に
    形成したことを特徴とする,遠心油圧クラッチ。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の遠心油圧クラッチ
    において,前記クラッチケーシング(20)の外周壁
    (20c)に出口孔(232)を設けると共に,この出
    口孔(232)の遠心油圧室(25)への開口端部を円
    錐状弁座(232a)に形成し,この弁座(232a)
    に遠心力で着座し得る球状弁体からなる前記出口弁(2
    28)を設け,この出口弁(228)に,前記クラッチ
    ケーシング(20)の端壁(20a)を貫通する開弁棒
    (95)を介して前記弁作動手段(A)を連結し,この
    弁作動手段(A)のクラッチオン位置では前記開弁棒
    (95)が前記出口弁(228)から後退して該出口弁
    (228)の閉弁を許容し,クラッチオフ位置では前記
    開弁棒(95)が前進して出口弁(228)を押し開け
    るようにしたことを特徴とする,遠心油圧クラッチ。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載の遠心油圧クラッチ
    において,前記クラッチケーシングの端壁外周部に,前
    記遠心油圧室(25)に開口する出口孔(332)を設
    け,この出口孔(332)を開閉する前記出口弁(32
    8,428)を前記弁作動手段(34)に結合し,この
    出口弁(328,428)には,前記出口孔(332)
    に緩く係合するガイド部(328b,428b)を形成
    したことを特徴とする,遠心油圧クラッチ。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2記載の遠心油圧クラッチ
    において,前記クラッチケーシング(20)の外周壁
    (20c)に出口孔(532)を設けると共に,この出
    口孔(532)の遠心油圧室(25)への開口端部を弁
    座(532a)に形成し,この弁座(532a)に遠心
    力で着座し得る前記出口弁(528)を設け,この出口
    弁(528)は前記弁座(532a)への着座時に前記
    出口孔(532)より前記クラッチケーシング20の外
    周側に突出する部分(528a)を有し,前記弁作動手
    段(A)を,この弁作動手段(A)のクラッチオン位置
    では前記出口弁(528)の前記弁座(532a)への
    着座を許容し,クラッチオフ位置では前記出口弁(52
    8)の前記部分(528a)を半径方向内方へ押圧して
    この出口弁(528)を前記弁座(532a)から離座
    させるように構成したことを特徴とする,遠心油圧クラ
    ッチ。
  9. 【請求項9】 請求項1〜3の何れかに記載の遠心油圧
    クラッチにおいて,前記クラッチケーシング(20)
    に,前記遠心油圧室(25)の内周側を外部に連通する
    空気孔(89)を設けたことを特徴とする,遠心油圧ク
    ラッチ。
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