JP2000302052A - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

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JP2000302052A
JP2000302052A JP11116824A JP11682499A JP2000302052A JP 2000302052 A JP2000302052 A JP 2000302052A JP 11116824 A JP11116824 A JP 11116824A JP 11682499 A JP11682499 A JP 11682499A JP 2000302052 A JP2000302052 A JP 2000302052A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可変絞り弁駆動用のステッピングモータの発熱
を抑制しながら、操舵フィーリングを向上する。 【解決手段】直前の所定期間(たとえば60秒)におけ
る通電時間PTが計測され(S1)、この計測結果に基
づいてステッピングモータの作動デューティが設定され
る。すなわち、通電時間PTがしきい値Th(たとえば
15秒)以下であれば(S2のYES)、100%の作
動デューティが設定され(S3)、通電時間PTがしき
い値Thを超える場合には(S2のNO)、25%の作
動デューティが設定される(S4)。この設定された作
動デューティで、ステッピングモータの回転位置が、車
速に応じて制御される(S5)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、油圧制御弁の圧
油流量をステッピングモータによって駆動される可変絞
り弁により調整するパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧式のパワーステアリング装置では、
操舵トルクに応じて開度が変化する複数の絞り部を有す
る油圧制御弁が備えられている。これにより、操舵トル
クに応じた油圧が操舵補助力発生用油圧アクチュエータ
に伝達され、適切な操舵補助力が発生される。
【0003】上記アクチュエータに作用する油圧に対す
る操舵抵抗の関係を車速や操舵角等の運転条件に応じて
変化させるために、運転条件に応じて開度が変化する可
変絞り弁を油圧制御弁に接続し、この可変絞り弁によっ
て圧油流量を制御するようになっている。これにより、
高速になる程に操舵の安定性を向上すると共に低速にな
る程に操舵の応答性を向上するようにして、運転条件に
応じた適切な操舵補助が実現される。
【0004】可変絞り弁は、ハウジングと、このハウジ
ングに軸方向移動可能に挿入されたスプールと、このス
プールに螺合するネジ部材とを有している。ネジ部材
は、ステッピングモータによって回転されるようになっ
ていて、このネジ部材の回転に伴ってスプールが軸方向
に移動し、可変絞り弁の開度が変化する構成となってい
る。
【0005】ステッピングモータは、図10に示すよう
に、自己発熱による温度上昇に伴って発生トルクが減少
することが知られている。発生トルクが不足して上記ネ
ジ部材の駆動を良好に行うことができなくなれば、圧油
流量の制御が不良になり、操舵フィーリングの悪化を招
く。そこで、従来では、ステッピングモータの作動デュ
ーティを、発熱を抑制できる一定値(たとえば、30
%)として、ステッピングモータを駆動している。
【0006】また、図11に示すように、ステッピング
モータの発生トルクは、パルスレートが高くなるほど低
くなる。そこで、従来では、ステッピングモータに与え
る駆動パルスのパルスレートを、発熱時であっても十分
な発生トルクを確保できる一定値(たとえば、100PP
S(Pulse Per second))として、ステッピングモータを
駆動している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
制御では、車両が急加速または急減速するときの応答精
度が悪く、そのために、操舵フィーリングの悪化を招い
ていた。そこで、この発明の目的は、上述の技術的課題
を解決し、可変絞り弁駆動用のステッピングモータの発
熱を抑制しながら、操舵フィーリングを向上できるパワ
ーステアリング装置を提供することである。
【0008】また、この発明の他の目的は、ステッピン
グモータの発熱状態に応じたパルスレートを設定するこ
とにより、応答精度の向上を図ったパワーステアリング
装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記の
目的を達成するための請求項1記載の発明は、油圧制御
弁の圧油流量をステッピングモータによって駆動される
可変絞り弁により調整するパワーステアリング装置であ
って、所定時間中におけるステッピングモータへの通電
時間を計測する通電時間計測手段と、この通電時間計測
手段により計測された通電時間に応じて、ステッピング
モータの制御態様を変更する制御手段とを含むことを特
徴とするパワーステアリング装置である。
【0010】上記の構成によれば、所定時間中における
ステッピングモータへの通電時間に応じて、ステッピン
グモータの制御態様が変更される。したがって、たとえ
ば、所定時間中の通電時間が予め定めるしきい値以下の
場合には、ステッピングモータの温度がさほど高くない
と考えられるから、ステッピングモータを高速駆動すれ
ばよい。また、当該通電時間が当該しきい値を超える場
合には、ステッピングモータの温度が高まっているおそ
れがあるので、ステッピングモータを低速駆動すること
とすればよい。これにより、ステッピングモータの発熱
を抑制でき、かつ、直前の期間の通電期間が短い限りに
おいて、高速な応答性を確保できる。また、ステッピン
グモータの自己発熱を抑制できるので、減磁や潤滑油の
揮発を抑制でき、これにより、ステッピングモータの寿
命を長期化できる。
【0011】請求項2記載の発明は、上記制御手段は、
上記通電時間計測手段により計測された通電時間が、予
め定めるしきい値以下の場合には、第1の作動デューテ
ィで上記ステッピングモータを駆動し、上記通電時間が
上記しきい値を超えている場合には、上記第1の作動デ
ューティよりも小さな第2の作動デューティで上記ステ
ッピングモータを駆動するものであることを特徴とする
請求項1記載のパワーステアリング装置である。
【0012】この構成によれば、所定時間中の通電時間
がしきい値以下の場合には、比較的大きな第1の作動デ
ューティによりステッピングモータが高速に駆動され、
通電時間がしきい値を超えている場合には、比較的小さ
な第2の作動デューティでステッピングモータが駆動さ
れる。これにより、ステッピングモータの自己発熱を抑
制しながら、操舵フィーリングの向上が図られる。
【0013】請求項3記載の発明は、上記制御手段は、
上記通電時間計測手段により計測された通電時間が、予
め定めるしきい値以下の場合には、第1のパルスレート
で上記ステッピングモータを駆動し、上記通電時間が上
記しきい値を超えている場合には、上記第1のパルスレ
ートよりも小さな第2のパルスレートで上記ステッピン
グモータを駆動するものであることを特徴とする請求項
1または2記載のパワーステアリング装置である。
【0014】この構成によれば、所定時間中の通電時間
がしきい値以下の場合には、比較的大きな第1のパルス
レートによりステッピングモータが高速に駆動され、通
電時間がしきい値を超えている場合には、比較的小さな
第2のパルスレートでステッピングモータが低速に駆動
される。これにより、低温時には、応答精度の高い絞り
弁の開度調整が可能になり、ステッピングモータが高温
になっているおそれがある時には、絞り弁の駆動のため
に十分なトルクが確実に発生される。これに加えて、ス
テッピングモータの自己発熱が抑制されるから、ステッ
ピングモータの長寿命化にも寄与できる。
【0015】車両の通常の走行状態では、たとえば、6
0秒の期間内に、5秒程度の時間だけ、ステッピングモ
ータへの通電が行われる。このような通常の状態では、
ステッピングモータの自己発熱は少ない。したがって、
上述のしきい値をたとえば、15秒程度に設定しておけ
ば、車速に応じて可変絞り弁の開度を変更することとし
ている場合に、車両が急加速または急減速する際には、
ステッピングモータを高速に駆動して、応答精度の高い
制御を実現できる。したがって、急加速時または急減速
時の操舵フィーリングを向上できる。
【0016】一方、急加速/急減速が繰り返されるよう
な状況では、一定時間内におけるステッピングモータへ
の通電時間が長くなるが、このような場合には、作動デ
ューティおよび/またはパルスレートを小さくすること
により、ステッピングモータの自己発熱が抑制され、可
変絞り弁の確実な動作が確保される。なお、所定時間中
の通電時間の計測を、たとえば20秒ごとの移動平均値
として求めることにより、制御精度の向上を図ってもよ
い。この場合、最初の計測のみ、たとえば60秒間の計
測とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下では、この発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この
発明の一実施形態に係るラックピニオン式油圧パワース
テアリング装置1の構成を示す断面図である。このパワ
ーステアリング装置1は、車両のハンドル(図示省略)
に連結される入力軸2と、この入力軸2にトーションバ
ー6を介し連結される出力軸3とを備えている。トーシ
ョンバー6は、ピン4により入力軸2に連結され、セレ
ーション5により出力軸3に連結されている。入力軸2
は、ベアリング8を介しバルブハウジング7により支持
され、また、ベアリング12を介して出力軸3により支
持されている。出力軸3はベアリング10、11を介し
てラックハウジング9により支持されている。
【0018】出力軸3には、ピニオン15が形成されて
おり、このピニオン15に噛み合うラック16に操舵用
車輪(図示省略)が連結されている。これにより、操舵
による入力軸2の回転は、トーションバー6を介してピ
ニオン15に伝達され、このピニオン15の回転がラッ
ク16の車両幅方向移動に変換されて、操舵用車輪の転
舵が達成される。
【0019】操舵補助力発生用油圧アクチュエータとし
て油圧シリンダ20が設けられている。この油圧シリン
ダ20は、ラックハウジング9により構成されるシリン
ダチューブと、ラック16に一体化されたピストン21
とを備えている。ピストン21により仕切られる油室2
2、23に、操舵方向と操舵抵抗とに応じて圧油を供給
するために、ロータリー式油圧制御弁30が設けられて
いる。
【0020】この油圧制御弁30は、バルブハウジング
7に相対回転可能に挿入されている筒状の第1バルブ部
材31と、この第1バルブ部材31に同軸中心に相対回
転可能に挿入されている第2バルブ部材32とを備えて
いる。第1バルブ部材31は、出力軸3に、同行回転す
るよう連結されている。また、第2バルブ部材32は、
入力軸2と一体的に成形されている。すなわち、入力軸
2の外周部により第2バルブ部材32が構成され、第2
バルブ部材32は入力軸2と同行回転する。よって、第
1バルブ部材31と第2バルブ部材32とは、操舵抵抗
に応じて前記トーションバー6がねじれることで、同軸
中心に相対回転する。
【0021】バルブハウジング7には、ポンプ70に接
続される入口ポート34と、油圧シリンダ20の一方の
油室22に接続される第1ポート37と、他方の油室2
3に接続される第2ポート38と、直接にタンク71に
接続される第1出口ポート36と、後述の可変絞り弁6
0を介しタンク71に接続される第2出口ポート61と
が設けられている。各ポート34、36、37、38、
61は、第1バルブ部材31と第2バルブ部材32との
内外周間の弁間流路27を介して互いに接続されてい
る。
【0022】すなわち、図2に示すように、第1バルブ
部材31の内周に8ケの凹部50a、50b、50cが
周方向に関し互いに等間隔に形成され、第2バルブ部材
32の外周に8ケの凹部51a、51b、51cが周方
向に関し互いに等間隔に形成されている。そして、第1
バルブ部材31に形成された凹部50a、50b、50
cの間に第2バルブ部材32に形成された凹部51a、
51b、51cが位置している。
【0023】第1バルブ部材31に形成された凹部は、
2ケの右操舵用凹部50aと、2ケの左操舵用凹部50
bと、4ケの連絡用凹部50cとを構成する。2ケの右
操舵用凹部50aは、第1バルブ部材31に形成された
流路53と第1ポート37とを介して油圧シリンダ20
の右操舵補助力発生用油室22に接続され、互いに周方
向に180°離れて配置されている。また、2ケの左操
舵用凹部50bは、第1バルブ部材31に形成された流
路54と前記第2ポート38とを介して油圧シリンダ2
0の左操舵補助力発生用油室23に接続され、互いに周
方向に180°離れて配置されている。
【0024】第2バルブ部材32に形成された凹部は、
4ケの圧油供給用凹部51aと、2ケの第1圧油排出用
凹部51bと、2ケの第2圧油排出用凹部51cとを構
成する。4ケの圧油供給用凹部51aは、第1バルブ部
材31に形成された圧油供給路55と入口ポート34と
を介しポンプ70に接続され、互いに周方向に90°離
れて配置されている。2ケの第1圧油排出用凹部51b
は、入力軸2に形成された流路52aから入力軸2とト
ーションバー6との間を通り、入力軸2に形成された流
路52b(図1参照)と第1出口ポート36とを介して
タンク71に接続され、互いに周方向に180°離れて
配置されている。2ケの第2圧油排出用凹部51cは、
第1バルブ部材31に形成された流路59と第2出口ポ
ート61とを介して可変絞り弁60に接続され、互いに
周方向に180°離れて配置されている。
【0025】各第1圧油排出用凹部51bは右操舵用凹
部50aと左操舵用凹部50bとの間に配置され、各第
2圧油排出用凹部51cは連絡用凹部50cの間に配置
され、右操舵用凹部50aと連絡用凹部50cとの間お
よび左操舵用凹部50bと連絡用凹部50cとの間に圧
油供給用凹部51aが配置されている。第1バルブ部材
31に形成された凹部50a、50b、50cの軸方向
に沿う縁と第2バルブ部材32に形成された凹部51
a、51b、51cの軸方向に沿う縁との間が絞り部
A、A′、B、B′、C、C′、D、D′を構成する。
このように、各絞り部A、A′、B、B′、C、C′、
D、D′はポンプ70とタンク71と油圧シリンダ20
とを接続する弁間流路27に配置されている。
【0026】第1バルブ部材31と第2バルブ部材32
との間の各絞り部は、複数の絞り部A、B、C、Dから
なる第1の組と、第1の組に属する各絞り部A、B、
C、Dよりも閉鎖角度の大きな複数の絞り部A′、
B′、C′、D′からなる第2の組とに組分けされる。
また、第2の組に属する絞り部は、圧油供給用凹部51
aと連絡用凹部50cとの間の絞り部A′、C′と、こ
の絞り部A′、C′よりも閉鎖角度の大きな連絡用凹部
50cと第2圧油排出用凹部51cとの間の絞り部
B′、D′の2種類とされる。
【0027】入力軸2と出力軸3は、路面から操舵用車
輪を介して伝達される抵抗によるトーションバー6のね
じれによって相対回転する。この相対回転により第1バ
ルブ部材31と第2バルブ部材32とが相対回転するこ
とで、各絞り部A、B、C、D、A′、B′、C′、
D′の流路面積が変化し、油圧シリンダ20が、操舵方
向と操舵抵抗に応じた操舵補助力を発生する。第1の組
に属する絞り部A、B、C、Dは第2の組に属する絞り
部A′、B′、C′、D′よりも、閉鎖角度が小さいの
で、その操舵抵抗の変化に対する油圧変化割合は大きく
なる。
【0028】操舵が行われていない状態では、両バルブ
部材31、32の間の絞り部A、B、C、D、A′、
B′、C′、D′は全て開かれ、入口ポート34と各出
口ポート36、61とは弁間流路27を介して連通す
る。したがって、ポンプ70から油圧制御弁30に流入
する油はタンク71に還流し、操舵補助力は発生しな
い。この状態から右方へ操舵することによって生じる操
舵抵抗により両バルブ部材31、32が相対回転する
と、図2に示すように、圧油供給用凹部51aと右操舵
用凹部50aとの間の絞り部Aおよび左操舵用凹部50
bに隣接する圧油供給用凹部51aと連絡用凹部50c
との間の絞り部A′の流路面積が大きくなり、右操舵用
凹部50aと第1圧油排出用凹部51bとの間の絞り部
Bおよび左操舵用凹部50bに隣接する圧油供給用凹部
51aに隣接する連絡用凹部50cと第2圧油排出用凹
部51cとの間の絞り部B′の流路面積が小さくなり、
圧油供給用凹部51aと左操舵用凹部50bとの間の絞
り部Cおよび右操舵用凹部50aに隣接する圧油供給用
凹部51aと連絡用凹部50cとの間の絞り部C′の流
路面積が小さくなり、左操舵用凹部50bと第1圧油排
出用凹部51bとの間の絞り部Dおよび右操舵用凹部5
0aに隣接する圧油供給用凹部51aに隣接する連絡用
凹部50cと第2圧油排出用凹部51cとの間の絞り部
D′の流路面積が大きくなる。これにより、図中矢印で
示す圧油の流れにより油圧シリンダ20の右操舵補助力
発生用油室22に操舵方向と操舵抵抗に応じた圧力の圧
油が供給され、また、左操舵補助力発生用油室23から
タンク71に油が還流し、車両の右方への操舵補助力が
油圧シリンダ20からラック16に作用する。
【0029】左方へ操舵すると、第1バルブ部材31と
第2バルブ部材32とは、右方に操舵した場合と逆方向
に相対回転し、絞り部A、A′の流路面積が小さくな
り、絞り部B、B′の流路面積が大きくなり、絞り部
C、C′の流路面積が大きくなり、絞り部D、D′の流
路面積が小さくなる。よって、車両の左方への操舵補助
力が油圧シリンダ20からラック16に作用する。
【0030】図3に拡大して示すように、第2出口ポー
ト61に連通する可変絞り弁60は、バルブハウジング
7に接続された第2バルブハウジング7′と、この第2
バルブハウジング7′に形成された挿入孔66に軸方向
(図1および図3において上下方向)に移動可能に挿入
されたスプール62とを有する。スプール62には、通
孔62dが形成されており、この通孔62dの内周下部
に雌ねじ孔62d′が形成され、この雌ねじ孔62d′
にねじ合わされるネジ部材64が設けられている。
【0031】挿入孔66の一端は、プラグ68がシール
を介しねじ込まれることで閉鎖されている。挿入孔66
の他端は、第2バルブハウジング7′に形成されたアク
チュエータ室72に、第2支持孔73を介して連絡して
いる。この第2支持孔73に、上記ネジ部材64が挿通
されている。アクチュエータ室72には、ネジ部材64
を回転駆動するステッピングモータ80が内蔵されてい
る。このステッピングモータ80の出力シャフト80a
にブロック91が圧入され、そのブロック91にネジ部
材64の端部が凹部64aを介して嵌め合わされてい
る。これにより、ステッピングモータ80の出力シャフ
ト80aの回転がネジ部材64に伝達されるようになっ
ている。
【0032】ステッピングモータ80を駆動制御するた
めのコントローラ63は、車速センサ105に接続さ
れ、ステッピングモータ80を車速に応じて制御する。
すなわち、高速になるとネジ部材64は一方向に回転さ
れてスプール62は図中下方に変位し、低速になるとネ
ジ部材64は他方向に回転されてスプール62は図中上
方に変位する。
【0033】スプール62の外周には周溝62aが形成
され、挿入孔66の内周には周溝66aが形成され、両
周溝62a、66aの間に絞り部67が形成されてい
る。この絞り部67の開度は、車速が高速になってスプ
ール62が図中下方に変位すると大きくなり、車速が低
速になってスプール62が上方に変位すると小さくな
る。
【0034】第2バルブハウジング7′には、挿入孔6
6の内周の周溝66aと第2出口ポート61とを連通す
る連絡流路58が形成されている。また、スプール62
の外周の周溝62aとスプール62の通孔62dとを連
通する径方向孔62cがスプール62に形成されてい
て、通孔62dはスプール62の上方空間に連絡してい
る。そして、スプール62の上方空間と第1出口ポート
36とを連通する流路76が、バルブハウジング7と第
2バルブハウジング7′とに亘って形成されている。こ
れにより、ポンプ70から供給される圧油は、弁間流路
27および第2出口ポート61から連絡流路58に導か
れ、この連絡流路58から絞り部67に至り、この絞り
部67から第1出口ポート36を介しタンク71に至
る。なお、スプール62には通孔62dと平行にドレン
流路62hが形成されていて、スプール62の上方空間
と下方空間とを接続している。
【0035】プラグ68とスプール62の一端との間に
は、圧縮コイルバネ90が配置され、バネ90によって
スプール62に軸方向の弾力が付与されている。このよ
うな構成により、第2の組に属する絞り部A′、B′、
C′、D′とタンク71との間の油路の流路面積が、車
速に応じた可変絞り弁60の作動により変化する。すな
わち、第1の組に属する絞り部A、B、C、Dにより制
御される圧油流量の、第2の組に属する絞り部A′、
B′、C′、D′により制御される圧油流量に対する割
合が、可変絞り弁60の作動により変化する。
【0036】低速走行時においては、スプール62は図
1および図3において上方に変位し、これにより可変絞
り弁60の絞り部67は全閉状態になる。この場合、操
舵入力トルクが小さく、両バルブ部材31、32の相対
回転角が小さくても、第1の組に属する絞り部A、B、
C、Dの流路面積を小さくし、操舵補助力を発生させる
油圧の増加割合を大きくし、低速走行時における操舵の
高応答性を満足させることができる。
【0037】高速走行時においては、スプール62は図
1および図3において下方に変位し、これによって可変
絞り弁60の絞り部67の流路面積は、第2の組に属す
る絞り部A′、B′、C′、D′の全流路面積の最大値
以上になる。この場合、操舵入力トルクを大きくし、両
バルブ部材31、32の相対回転角を大きくしない限
り、第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′の
流路面積は小さくなることなく大きく保持され、操舵補
助力を発生させる油圧の増加割合は小さいので、高速走
行時における操舵の安定性を満足させることができる。
【0038】中速走行時においては、スプール62の変
位により可変絞り弁60の絞り部67の流路面積は、第
2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′の全流路
面積の最小値よりも大きくその最大値よりも小さくな
る。これにより、操舵補助力は、操舵抵抗に応じて制御
されることになる。図4は、コントローラ63に関連す
る電気的構成を示すブロック図である。コントローラ6
3(制御手段)は、マイクロコンピュータ101と、ス
テッピングモータ80に駆動パルスを与える駆動回路1
02とを備えている。また、マイクロコンピュータ10
1は、ステッピングモータ80への通電時間を計測する
ための計測部103(通電時間計測手段)を備えてい
る。
【0039】この構成により、コントローラ63は、車
速センサ105の出力信号から得られる車速情報に基づ
いて、可変絞り弁60の開度を車速に応じて制御すべ
く、ステッピングモータ80を制御する。図5には、ス
テッピングモータ80の回転位置(ステップ数)と車速
との関係の一例を示す。ステッピングモータ80の回転
位置は可変絞り弁60の開度に1対1に対応するから、
このような制御によって、車速に応じた適切な操舵補助
力を発生させることができる。
【0040】図6は、この実施形態におけるステッピン
グモータ80の通電制御処理を説明するためのフローチ
ャートである。この処理は、マイクロコンピュータ10
1によって一定の制御周期(たとえば、20秒)毎に繰
り返し実行される。まず、計測部103により、直前の
所定時間(たとえば60秒)内におけるステッピングモ
ータ80への通電時間PT(通電時間の総和)が計測さ
れる(ステップS1)。車両がほぼ定速で走行している
場合には、ステッピングモータ80の回転位置はほぼ一
定に保持されるから、ステッピングモータ80への通電
時間PTは短くなる。一方、車両が急加速/急減速を繰
り返すような場合には、ステッピングモータ80への通
電時間PTが長くなる。
【0041】次に、マイクロコンピュータ101は、上
記計測された通電時間PTが、予め定めるしきい値Th
(たとえば15秒)以下かどうかを判断する(ステップ
S2)。マイクロコンピュータ101は、通電時間PT
がしきい値Th以下であれば、ステッピングモータ80
の自己発熱が少ないものと見なして、ステッピングモー
タ80の作動デューティを100%(第1の作動デュー
ティ)に設定する(ステップS3)。一方、通電時間P
Tがしきい値Thを超えていれば、マイクロコンピュー
タ101は、ステッピングモータ80の自己発熱が多い
ものと見なして、ステッピングモータ80の作動デュー
ティを25%(第2の作動デューティ)に設定する(ス
テップS4)。
【0042】このようにして定められた作動デューティ
により、次の制御周期での車速感応型制御が行われる
(ステップS5)。すなわち、マイクロコンピュータ1
01は、当該設定された作動デューティでステッピング
モータ80を駆動し、このステッピングモータ80の回
転位置を車速に応じた位置に制御する。作動デューティ
は、制御周期(たとえば20秒)ごとに更新されること
になる。
【0043】なお、イグニッションスイッチがオンされ
てコントローラ63に電源が供給された直後には、マイ
クロコンピュータ101は、作動デューティを100%
に設定する。図7(a)は、作動デューティを100%と
したときのステッピングモータ80の動作例を示す図で
あり、図7(b)は、作動デューティを25%としたとき
の動作例を示す図である。いずれも、ステッピングモー
タ80の回転位置を「2ステップ」から「5ステップ」
へと変化させる場合の動作例を示している。斜線部分
は、ステッピングモータ80への通電状態を表してお
り、この期間の長さが計測部103によって計測され
る。
【0044】たとえば、駆動回路102からステッピン
グモータ80に与えられる駆動パルスのパルスレートが
100PPS(Pulse Per Second)に設定されているとする
と、10msec毎に駆動パルスが発生され、ステッピング
モータ80の回転位置が変化する。したがって、作動デ
ューティが100%であれば、40msecで「2ステッ
プ」から「5ステップ」へとステッピングモータ80の
回転位置が変化する。
【0045】これに対して、作動デューティ25%のと
きには、マイクロコンピュータ101は、2パルス周期
分(20msec)だけ駆動パルスを発生した後に6パルス
周期分(60msec)の休止期間(駆動パルスが出力され
ない期間)がおかれるように、駆動回路102を制御す
る。これにより、全体で1/4の期間だけステッピング
モータ80に通電されることになり、25%の作動デュ
ーティが達成される。
【0046】ステッピングモータ80を停止状態から再
び回転させるときには、最初に、停止直前と同じ励磁パ
ターンの駆動パルスが与えられるので、2パルス周期分
の駆動により、ステッピングモータ80の回転位置は、
1ステップだけ変化する。よって、「2ステップ」から
「5ステップ」への移行には、180msecの時間を要す
ることになる。
【0047】以上のようにこの実施形態によれば、所定
時間内の通電時間PTがしきい値Th以上であれば作動
デューティを100%として高い応答精度でステッピン
グモータ80を駆動制御し、所定時間内の通電時間PT
がしきい値Thを超える場合には作動デューティを25
%としてステッピングモータ80の発熱を抑制するよう
にしている。これにより、ステッピングモータ80の発
熱を抑制しつつ、急加速および急減速時における良好な
操舵フィーリングを達成できる。また、ステッピングモ
ータ80の発熱が抑制されることにより、ステッピング
モータ80の減磁を抑制でき、また、ステッピングモー
タ80内外の潤滑油の揮発を抑制できるので、ステッピ
ングモータ80の寿命を長くすることができるという効
果をも奏することができる。
【0048】なお、この実施形態では、第1の作動デュ
ーティを100%とし、第2の作動デューティを25%
としているが、これらの値は必要に応じて適当な他の値
に定められてもよい。この場合に、第1の作動デューテ
ィは、良好な応答精度が得られる値に定めればよい。ま
た、第2の作動デューティは、ステッピングモータ80
の発熱を抑制してステッピングモータ80の温度をその
発生トルクがネジ部材64の駆動に十分な値を下回るこ
とのない温度に保持できるように定められればよい。
【0049】図8は、この発明の第2の実施形態に係る
パワーステアリング装置における可変絞り弁駆動用のス
テッピングモータの通電制御を説明するためのフローチ
ャートである。この実施形態の説明では、上述の図1な
いし図5を再び参照することとする。また、図8におい
て、上述の図6に示された各ステップと同様の処理が行
われる各ステップには、図6の場合と同じ参照符号を付
して示す。
【0050】この図8のフローチャートの処理は、一定
の制御周期(たとえば、20秒)ごとに、マイクロコン
ピュータ101によって繰り返し実行される。この実施
形態では、直前の所定時間(たとえば、60秒)におけ
るステッピングモータ80への通電時間PTがしきい値
Th(たとえば、15秒)以下である場合には(ステッ
プS2でYES)、パルスレートが200PPS(第1の
パルスレート)に設定され(ステップS13)、通電時
間PTがしきい値Thを超える場合には(ステップS2
でNO)、パルスレートが100PPS(第2のパルスレ
ート)に設定される(ステップS14)。
【0051】そして、マイクロコンピュータ101は、
設定されたパルスレートで駆動パルスが発生されるよう
に駆動回路102を制御し、ステッピングモータ80の
回転位置を車速に応じた回転位置へと導く(ステップS
15)。図9(a)は、パルスレートを200PPSとしたと
きのステッピングモータ80の動作例を示す図であり、
図9(b)は、パルスレートを100PPSとしたときの動作
例を示す図である。いずれも、ステッピングモータ80
の回転位置を「2ステップ」から「5ステップ」へと変
化させる場合の動作例を示している。斜線部分は、ステ
ッピングモータ80への通電状態を表している。
【0052】パルスレートが200PPSの場合には、駆
動パルスの発生周期は、5msecとなる。したがって、2
0msecで「2ステップ」から「5ステップ」へと回転位
置が変化する(図9(a))。一方、パルスレートが10
0PPSの場合には、駆動パルスの発生周期は、10msec
となる。したがって、40msecで「2ステップ」から
「5ステップ」へと回転位置が変化する(図9(b))。
【0053】上述の図11に示すように、ステッピング
モータの発生トルクは、駆動パルスのパルスレートが高
くなるほど小さくなり、ステッピングモータが自己発熱
により高温になっている状態では、発生トルクが所要の
トルクを下回るおそれがある。そこで、この実施形態で
は、直前の所定時間内の通電時間PTがしきい値Th以
下である場合には、ステッピングモータ80の自己発熱
が少ないと見なし、高いパルスレート(200PPS)で
ステッピングモータ80を高速に駆動することとし、通
電時間PTがしきい値Thを超える場合には、ステッピ
ングモータ80が自己発熱のために高温になっているお
それがあると見なして、低いパルスレート(100PP
S)でステッピングモータ80の発生トルクを所要の値
以上に維持するようにしている。
【0054】これにより、急加速および急減速時におけ
る可変絞り弁60の制御を良好な応答性で行えるので良
好な操舵フィーリングを実現できる。また、通電時間P
Tに応じて適切なパルスレートが設定されるので、ステ
ッピングモータ80の自己発熱を効果的に抑制すること
ができ、これにより、ステッピングモータ80の長寿命
化を図ることができる。
【0055】なお、上述の第1および第2のパルスレー
トの値は、一例にすぎない。すなわち、第1のパルスレ
ートは、良好な応答性が得られる適切な値に設定されれ
ばよく、また、第2のパルスレートはネジ部材64を駆
動するのに十分なトルクが得られる適切な値に定められ
ればよい。以上、この発明の2つの実施形態について説
明したが、この発明は他の形態で実施することもでき
る。たとえば、上述の図6および図8の制御内容を組み
合わせて、直前の所定時間内におけるステッピングモー
タ80への通電時間PTがしきい値Th以上である場合
には、パルスレートを高く(たとえば200PPS)設定
するとともに作動デューティを高く(たとえば100
%)設定することとし、当該通電時間PTがしきい値T
hを超える場合には、パルスレートを低く(たとえば1
00PPS)設定するとともに作動デューティを低く(た
とえば25%)設定するようにしてもよい。
【0056】その他、特許請求の範囲に記載された事項
の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る油圧パワーステアリ
ング装置の縦断面図である。
【図2】上記油圧パワーステアリング装置の油圧制御弁
の横断面構造を示す断面図である。
【図3】上記油圧制御弁に接続された可変絞り弁の構成
を拡大して示す縦断面図である。
【図4】コントローラに関連する電気的構成を示すブロ
ック図である。
【図5】ステッピングモータの回転位置(ステップ数)
と車速との関係の一例を示す図である。
【図6】ステッピングモータの通電制御処理を説明する
ためのフローチャートである。
【図7】(a)は、作動デューティを100%としたとき
のステッピングモータの動作例を示す図であり、(b)
は、作動デューティを25%としたときの動作例を示す
図である。
【図8】この発明の第2の実施形態に係るパワーステア
リング装置における可変絞り弁駆動用のステッピングモ
ータの通電制御を説明するためのフローチャートであ
る。
【図9】(a)は、パルスレートを200PPSとしたときの
ステッピングモータの動作例を示す図であり、(b)は、
パルスレートを100PPSとしたときの動作例を示す図
である。
【図10】ステッピングモータの温度−トルク特性例を
示す図である。
【図11】ステッピングモータのパルスレート−トルク
特性例を示す図である。
【符号の説明】
1 パワーステアリング装置 20 油圧シリンダ 21 ピストン 30 油圧制御弁 60 可変絞り弁 62 スプール 63 コントローラ 64 ネジ部材 80 ステッピングモータ 101 マイクロコンピュータ 102 駆動回路 103 計測部 105 車速センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧制御弁の圧油流量をステッピングモー
    タによって駆動される可変絞り弁により調整するパワー
    ステアリング装置であって、 所定時間中におけるステッピングモータへの通電時間を
    計測する通電時間計測手段と、 この通電時間計測手段により計測された通電時間に応じ
    て、ステッピングモータの制御態様を変更する制御手段
    とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】上記制御手段は、上記通電時間計測手段に
    より計測された通電時間が、予め定めるしきい値以下の
    場合には、第1の作動デューティで上記ステッピングモ
    ータを駆動し、上記通電時間が上記しきい値を超えてい
    る場合には、上記第1の作動デューティよりも小さな第
    2の作動デューティで上記ステッピングモータを駆動す
    るものであることを特徴とする請求項1記載のパワース
    テアリング装置。
  3. 【請求項3】上記制御手段は、上記通電時間計測手段に
    より計測された通電時間が、予め定めるしきい値以下の
    場合には、第1のパルスレートで上記ステッピングモー
    タを駆動し、上記通電時間が上記しきい値を超えている
    場合には、上記第1のパルスレートよりも小さな第2の
    パルスレートで上記ステッピングモータを駆動するもの
    であることを特徴とする請求項1または2記載のパワー
    ステアリング装置。
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